世の終末が来ていた
私と何人かの人たちは知らない者同士だったが首都圏外郭放水路を通って逃げていていた
全く逃げるアテはないが、少しでも生きながらえるために真っ暗な水路を通って逃げた
ところどころ破壊されていて、地上からの光が差しているところもあった
ここらで外に出ようということになり、外に出た

振り返ると月がやたらと大きく見えて、空は真っ赤な夕焼け?朝焼け?とにかく真っ赤で、紫色〜黒に立ち込めた雲が空を覆っていた
ビルや建物は崩れていてあちこちから火の手が上がっていた
世界中がこうなっていることはわかっていたけれど、どこか幻想的でもあって夢の中では地球の最期まで生きてこれたことに感謝していた

津波がそこまで来ていた
大きな音がして、まだ水路にいた少数の生き残りがなにか叫んでいるのが聞こえたがすぐ轟音にかき消えた
水路は危険だから離れようと、全力で走った
コインランドリーのようなところで少し休むことにした

一組の男女が別れ話をしていた
女は見捨てられると思って別れるのに反対していたが男の方は致命傷を負っており、まもなく死ぬのがわかっていたようで女を巻き込みたくない逃げてほしいという思いからの別れ話だった
私は横からで悪いが、男の傷を女に伝えた
女は泣き出してしまい、男を一人にはしないと言っていた
男は余計なことをしてと言ったが、まさに最期なのだから二人で話し合って決めないといけないと伝えてそこを出た
首都高まで登ると崩落していたが無事なところもまだあった
もう少し高いところから終わりを見届けたくなって、上に移動しようと足を滑らせたところで大事なことを伝えますという女性の声が聞こえた
そこで目が覚めたが、なんて言われたのか覚えていない