石じじいの話です。

じじいの故郷は、犬神憑きの本場です。
この犬神憑きに対抗する手段は、ほとんど無いということですが、ある種の祈祷師や、ある地方の呪禁師がそれを祓うことができる、という話もあります。
じじいの話にも、犬神憑きの一家に泊めてもらって歓待された、という話がありましたね。
山を歩くじじいは、この犬神憑きの話を聞くこともあり、また、そのような家系の人たちと近く接することもあったようです。
犬神憑きの話も、いろいろとしてくれました。
ノートから、犬神についての話を抜き出してみました。
*以下の話は、ノートでの表現や単語を変えている部分があります。
また、この書き込みは、現在における犬神憑きの存在を主張するものではなく、また、差別を助長することを目的としていません。

▶︎犬神憑きというのは、その技を使うことができる家系(血統:憑きもの筋)があり、それによって、自分の財を蓄えたり、ほかの人間を害する、ということらしいです。
▶︎どのように犬神憑きになるかというと:犬神憑きの家の者の前で、その人物の欲しいと思うものを人からもらったり、嫌なことをしたりすると取り憑かれる。
とりつかれた人は、狂人状態になって病みつき、その犬神憑きの家の者と同じ振る舞いをしたり、同じ声になったりして騒ぐ、と。これを治すには、「専門の祈祷師」に調伏してもらうのだとか。
▶︎犬神の他に、蛇神というものもあったようです。
(つづく)