>>227
(つづき)
その村に、女の子がいました。
彼女の母親が若くして亡くなり、少女はとても悲しみました。
ひどく落ち込んで外出もなかなかできない状態が続きました。
少女をかわいそうに思った、その男性は、少女に、その家に行く方法を教えたのです。
そこに行って、お母さんに会えるように祈ってみては?ということだったそうです。
 もうおわかりでしょう。
願い事がかなって、死んだお母さんが「魔物」となって少女のもとに帰ってくる、という「ペットセメタリー的」な話で・・・
もう少し待ってください。
少女は教えられた通りの道順でその家に行って、一心に願いました。
お母さんに会わせてくれと、できれば生き返らせてくれと。
翌朝、少女の枕元にはたくさんのおもちゃが置かれていたそうです。
欲しかったおもちゃが。
父親にずいぶん叱られたそうです。どこから盗んできたのか?友達の家か?店屋からか?
しかし、そんな高級な珍しいおもちゃを持っているともだちはいなかったし、店屋など遠くて子供が容易にいけるはずもない。そんな田舎では売ってもいない。
父親は、その少女を見守るようになりましたが、仕事があるのでいつもというわけにはいきません。
そのうち、少女は、隙を見て再び家に行って祈りました。
「今度こそ、おかあちゃんに会わせてださい、もどしてください」
翌日、少女の枕元にはたくさんのおもちゃが置かれていました。前のものとは別の。
(つづく)