【簡略版】百物語 2019【非公式】
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長らく続いていた正式な百物語スレではなく簡略版のなんちゃって百物語スレです
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下記の注意事項に従い気楽に気軽に投下して下さい
注意事項(ルール・マナー)
◆自己責任系の話は本文の前にその旨を明記しておきましょう
◆コピペはそうと判るように明記 or ヘッダを省略しないこと
◆個人情報や誹謗中傷などは書き込まないこと
◆実話・創作は問いませんがあからさまな創作宣言は興醒めするという人も多いので気をつけて
(↓以下、洒落怖スレのテンプレより拝借)
◆他の人が書き終えるまで投稿は待ちましょう。
◆長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿しましょう。
◆煽り・荒らしは徹底放置・完全無視が基本姿勢。反応するあなたも
煽り・荒らしです。過剰な自治も激荒らしです。
◆コピペの際には転載元を提示。2ch・5ch以外のサイトからは許可を取ること。
◆文での感想はOK。点数形式での採点はNG。ただし叩き、煽りと感想は違います。
日頃気をつける程度に、言葉には気を遣いましょう。 γ
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`ー--─'" ピエロ恐怖症だからそんな体験したら失禁するわ…
IT、ジョーカー、ジョン・ゲイシー、ドナルド、セカオワあたりはもちろん無理
ラッキーピエロの看板ですら怖い >>231
時空の蘭ねえちゃんは空手使い
それもかなりのレベルですね ジョンゲイシーはやばい
ITのラストはちびるかと思った 幼稚園の夏休みに両親が離婚した
僕は母についていくことになり、各種手続きや引っ越しなどが終わるまでの間
島根の母の実家に預けられることになった
母と僕は東京から新幹線で岡山まで行き、そこから在来線ローカル線と乗り継いだ
眠りを誘うような電車の振動に、疲れていた母はウトウトと寝入ってしまい
乗客もまばらな車内で僕は一人、車窓を流れる景色を眺めていた
幾つめの駅だっただろうか
それまでとは様子の違う駅に止まった
「〜〜のためしばらく停車します」云々
車掌さんのアナウンスが流れる
(「〜〜」は何と言ってたか分からなかった) おかしな駅だった
駅名標には漢字が5文字書かれているばかりで
ひらがなもアルファベットも隣駅名も表示されていなかった
[ ○ 泉 △ □ × ]
他にも読めた漢字があったはずなのだが覚えていない
当時大泉学園に住んでいたためか泉という字だけは記憶に残っている
ホームには数人の人影、皆一様に暗く俯いていた
僕の他にこの風景を気に留めている乗客は車内に誰一人としていないようだった
「〜〜〜〜〜〜〜」
再びアナウンスが流れた
さっきの車掌さんとは違う声だった
これは何と言っていたか全く覚えていない
異様なくらいゆっくりと間延びしたアナウンスで、意味が頭に入ってこなかったのだ
その声を聞くと僕は急激に眠くなりそのまま眠りに落ちていった
母に起こされたのは目的の駅に着く少し前だった
さっき見たおかしな駅のことを聞いてみたが
この路線には泉がつく駅名は存在しない、とのことだった
母は僕が夢を見たと思ったのだろう、優しく笑っていた
数週間後、迎えに来た母と東京へ帰る時に寝ずに確かめてみたがそんな駅は無かった
それでもなんとなくあの駅は確かに在るのだと思っている γ
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`ー--─'" これはきさらぎ駅系異界駅ではなくこの世ならざる物だったような気がする 何となく
泉以外の漢字も判明しないかなぁ >>238
ジョン・ゲイシーはガチよな…
本人も怖いけどゲイシーが描いたピエロの絵も怖い… 温泉黒玉子
硫化水素濃度基準値超えのためしばらく停車します >>243
それもなんだがキミイ
より怖いのは>>420さんの、大泉学園ってやつ。
これ西武池袋線の駅てすよ
アタシの住んでるとこなんだ、ええ… >>248
やめてください座長、ここ本当に同じレス番あるんです 淳ちゃんキタ━━(゚∀゚)━━!!!と聞いて
大鶴義丹はマジでオカ板好きで見てるらしいねw >>240
ホームにいた数人というのが気になるな
暗く俯いてたとのことだけど一体どんな人たちだったのか
きさらぎ駅ではホームに誰もいなかったんだよね
かたす駅でもホームは無人だったはず
でも一緒に下車した人はいて、一旦駅を出てから再び戻った時にはホームに人がいた記憶 絶対に見ないからな!
>>244
> 硫化水素濃度基準値超え
それあかんやつや 金ローでやったITはR15指定を地上波テレビ用に編集したのと尺の関係とで
結構大事なとこがカットされまくりだった そういえばドナルドって見なくなったね
子供が怖がるからリストラされたのかな? 大人だけどドナルド怖いです
表舞台からは干されたっぽいけどドリンクのカップやテイクアウト用の袋には
今でもひっそりとドナルドがプリントされてるんやで… そういえばトランプ大統領ってマクドナルド好きだよな なにぶん約30年以上前のそれもガキの頃の話なので記憶の改ざん等があると思うが、一応実話
あれは小学校に入学した年だったな
母ちゃんが東北某県へ嫁いだ妹(俺からすると母方の叔母)の家へ弔事で行くことになったんだが
タイミングの悪いことにその日は父ちゃんの出張と重なっていた
そうすると家にいるのが俺一人だけになってしまうため、俺もついていくことになったんだ
叔母ちゃんちに着くと俺の義理の従兄弟(叔母の子供ではない)に当たるという子が来ていた
初対面だったが同い年ということもありすぐに打ち解けた俺たちは
入ってはいけないと申し渡された離れに一緒にこっそり忍び込んだんだ
我ながらクソガキだったと思うが縁側のサッシのとこに鍵が掛かってなかったんもんでつい
(玄関はちゃんと戸締まりしてあった)
サッシから侵入してすぐのとこは廊下で、そこに面した障子を開けると畳み敷きの和室になっていた
和室に入ってみると、いくら東北とはいえ真夏の盛りだというのに、しかも締め切られていた上に
冷房など見当たらなかったにも関わらず、部屋の空気は異常なほどひんやりとしていた
今は全く使われてないという離れのがらんとした和室にしかし埃っぽさはなく、きれいに掃除されているようだった 俺たちはそこで仮面ライダーBLACKごっこをおっぱじめた
(ちなみに俺はシャドームーン役、BLACKの宿敵だがかっこよくて大好きだった)
しかし夢中で遊んでいるうちに段々ヒートアップしてしまい
勢い余った従兄弟が押し入れの襖にかなりの勢いでぶち当たってしまったんだ
そしたら押し入れの中からガタンッという物音と「痛いっ!」という声がした
女の子の声だった
俺も従兄弟も誰もいないと思ってたからビックリして顔を見合せた
「…誰?」
ぶつかった衝撃で少し外れてしまった襖を恐る恐る開けてみると
押し入れ上段の手前に縄のようなものが張られていて、その奥で日本人形が横倒しになっていた
着物姿でおかっぱの市松人形っていうやつ
よく分からないがすごく古いものに見えた
その不気味さに俺も従兄弟もビクッとなった
ひんやりとした室内よりも更に冷たい空気が押し入れの中から滲み出し、足元に溜まっていく
思わずぶるっと身震いした 押し入れの壁には短冊のような紙が一面に貼られていた
赤いインクのスタンプみたいなのが押されていて漢字で何か書いてある
よく見ると襖の外側にも同じ物が貼られていた
(その時は何なのか分からなかったが今思えば御札だわな)
天袋の戸が板で塞がれていることにも気付いた
人形の前には湯呑みがひっくり返っていて中身だったと思われる液体がぶちまけられていた
後はお手玉や小皿から飛び出した金平糖?が散らばっているばかり
幼い俺たちにも異様な光景だと分かった
しかも押し入れの中には誰もいない…、じゃあさっきの声の主は…?
涼しいのを通り越してもはや寒いほどなのに汗が吹き出した
『さっきの声は物音を聞き間違えただけかな…?』
すっかり恐ろしくなってしてしまった俺がそんな風に思い込もうとしていると
ガタガタッという物音と共に天袋が揺れた
と思うと、市松人形が俺たちのことをカッと睨み付けた
(俺だけじゃなくて後で従兄弟も絶対に睨んできたと言っていた)
俺も従兄弟もヒュッと息を呑んだ
恐怖のあまり硬直してしまったのか逃げ出すどころか声も出せない
なおも固まっていると、鋭い口調で「いね!」(たぶん『去ね』)と聞こえた
先程の女の子の声だった 声は従兄弟にも聞こえたらしく、2人で脱兎の如く離れから逃げ出した
母屋に飛び込むとそれぞれの母ちゃんにギャン泣きで縋った
俺たちはとりあえず母ちゃんからこっぴどく叱られた
よそのお宅で立ち入りを禁じられていた離れに忍び込んだのだから当然だ
叔母の立場だって悪くしかねない
他の大人たちはまあまあと母を取り成してくれたが、妙な緊張感が走っていたのを覚えている
翌日、お葬式で慌ただしいにも関わらず俺と従兄弟は近くの神社に連れて行かれてお祓い?を受けた
そんな体験にもめげず、いやそんな体験のおかげか俺はオカルト好きにすくすくと成長した(でも市松人形は未だにトラウマ)
中学生になった時、あの市松人形のことを母ちゃんに聞いてみたが、残念ながら詳細は知らないそうだ
叔母ちゃんの婚家が口を濁す様子だったそうで、こちらから根掘り葉掘り聞くのは憚られたらしい
叔母ちゃんもはっきりとした事情は聞かされていなかったってさ
しかも叔母ちゃんあの数年後に離婚してしまったんだよね
(もしや俺たちの件で…と心配して尋ねてみたが違うよと一笑に付された)
絶対に何らかの曰くがあっただろうに、そんなわけで今ではそれを知るすべはない
面白いオチがなくてすまん
くだんの従兄弟が実名でSNSをやってたら連絡取ったのになあ
お祓いは叔母ちゃんの婚家及び姻戚から強く勧められたそうだ
以上です γ
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`ー--─'" 妖怪コッピドクってなんかかわいいな
東北…座敷わらし的なもの…?
いやそれなら天袋を板で塞いで閉じ込める(?)みたいにはしないよなあ、きっと 天袋に潜んでいた?ものが本丸なのか
それとも人形が本体なのか 枕がえしなら、うちに居るかも
起きたら枕が裏返しなってるし そういえばオレが小2の頃(20年近く前)1人で留守番してた時に
妹がかわいがってたぽ○ちゃんっていう人形を振り回してたら誤ってオレの手からすっぽ抜けちゃったんだが
ものすごい勢いで天井にビターン!とぶち当たった瞬間にギャッ!て言ったよ…
ボトッと床に落下したうつ伏せ状のぽ○ちゃんに恐る恐る近づいたら今度はイッデェ…(痛ぇ?)て聞こえた…
その後ぽ○ちゃんは成長した妹の手を離れ、母親の知り合いだかの家にもらわれていった
あのぽ○ちゃんが今でもどこかに存在してるかどうかは分からないがこの場を借りてお詫びしたい
ぽ○ちゃん、その節は本当にごめんなさい<(_ _)>
ちな、すんごいダミ声だった せっかく書いたんで百物語に加えて下さい
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この蝋燭はぽ○ちゃんに捧ぐ… 人形の怖い話ありませんか?三巻目 より
http://yomogi.5ch.net/test/read.cgi/doll/1154363312/853-
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853 :もしもし、わたし名無しよ [sage] 2006/11/07(火) 22:48:50
巨神兵ヌッタ切ってスマソ。
この前すっげ小汚い市松を買った。
指が割れていたので球体関節で新しくボディを作ってやった。
ボディとヘッドをくっつけて満足したのが2日前。
その日から2日連続でヘッドだけで市松が夢に現れる。
何かしら霊障として害でもあればオクに再出品してやるんだが
ただ寝てから覚めるまで市松ヘッドが夢の中で浮いてるだけ。
市松は新ボディが気に食わなかったんだろうか?
ギギギタソ、我が家の市松の胸のうちを教えてくれないか…
856 :もしもし、わたし名無しよ [sage] 2006/11/07(火) 23:38:53
>853
古いいちまさんの場合、ボディの中に「たまのを」が入ってるのかもしれんよ。
最近の人形は生かさないの前提だからそういうのは無いと思うけど、骨董ものの
古いいちまさんだと魂の代わりの何か(木片とか紙切れとか糸とか石とか、髪の毛
とかいろいろ)を入れて仕上げとしてある事がある。
そういうボディを持った人形だったら、首と身体を離したらダメかもしらんよ
まだ身体を捨ててないなら、木粉系の粘土と胡粉系塗料かなんかで修復して元の
身体につけてあげた方が良いかも
861 :もしもし、わたし名無しよ [sage] 2006/11/08(水) 09:48:43
髪とか木片って昔の人形は生かすこと前提だったの?
862 :もしもし、わたし名無しよ [sage] 2006/11/08(水) 11:08:37
何かの身代わりとか、亡くなった(or遠くに行った)誰かに見立てて可愛がるとか
の用途があれば生かすんだろうな。
特にいちまさんなんて、小さな女の子に振り回されるための人形じゃないし。
全部が全部生かされてるわけじゃないだろうけど。
866 :もしもし、わたし名無しよ [sage] 2006/11/08(水) 15:41:05
>861
うちの田舎の方じゃ「人形を空の器にしておくと良くないものが入るから、
最初から何か入れておく」という習慣があったらしいよ。
子供のおもちゃの人形は子供と2人きり(一体と一人きり?)になる機会が
多いから、その間に子供を引っぱって行ったりしたら困るの。
なので、信頼できるご先祖とか供養されてる死んだ兄弟の形見を入れて、遊び
相手兼良くないものから守るお目付役になってもらうって感じ。
人形を中古で売ったり本来の持ち主以外の人にあげるのはなるべくやめて、
本来の持ち主が死んだとき棺に入れるか、形見だけ取り出してお供養してもらう
のが良いらしい。
だから、ひいばあちゃんあたりは着せ替えとか球体関節の人形を集めるって趣味が
怖いらしい。
自分は大きくなってからの人形趣味だから黙ってるけど、小さい従妹が持って
行った人形をすごく嫌がってた。
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264の市松人形も274のぽ○ちゃんも何か入り込んでたのか? >>278-279もエントリーってことで
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`ー--─'" ここはマッタリしてていいスレだな
言いっぱなし聞きっぱなしの精神だから酷いコメもなくて 「言いっぱなし聞きっぱなしの精神」っていいな
『三島屋変調百物語』シリーズの「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」みたいだ
せっかく投稿があっても荒れてるとROMるのしんどいんだよね >>282
雑談ありつつ怖い話あり
誰もなにも言わない
荒れたスレは目を覆いたくる 明らかに荒らしだろうなってのは除外してリストアップしてみたよ
タイトルが無い話には便宜上ネタバレしない程度の仮称を憑けといた
第1話:ビデオテープ >>18
第2話:廃屋 >>19>>21
第3話:『和菓子屋の取材』 >>37-43(コピペ)
第4話:『ぬいぐるみ』 >>56-58
第5話:ドール >>63-72あたり
第6話:異様な魚 >>79
第7話:案山子 >>87-89 第8話:住宅診断で >>98
第9話:夢 >>103-104
第10話:自販機 >>108
第11話:古本のメモ >>125-127
第12話:蝉の声 >>132-133
第13話:松葉杖の少年 >>140-141(コピペ)
第14話:マネキン >>147-148
第15話:嵐の夜 >>165-166
第16話:山 >>168
第17話:団地 >>174-176
第18話:『地下鉄の窓』 >>181-184
第19話:隣人 >>193-196
第20話:ポルナレフ >>204-205
第21話:『日の出』 >>223-224(コピペ)
第22話:ピエロ >>233-234
第23話:駅 >>239-240
第24話:市松人形 >>261-264
第25話:ぽ○ちゃん >>274
第26話:入ってる >>278-279(コピペ)
抜けや安価ミスがあったらごめん
もし抜けがなければ次は第27話・27本目の蝋燭ってことで 安価が1レスに7個までしか入れられなくて細切れになってしもた
でも荒らす意図で安価入れまくってる奴は浪人持ってるのか
はねられずに投稿できてるんだよなあ
なんだかなあ(´・ω・`) 親父から聞いたんだけど、ポルナレフって名前の歌手?がいたらしいね
どんな曲歌ってんだ…って感じだけど ミッシェルポルナレフのことならそっちが名前の元ネタだそうだよ 俺がどこの何者かわからない形で誰かに聞いてほしいのでここにしたためる。
特定されないよう一部フェイクが入っている。
時期や具体的な地名などは伏せた。
ぼかしてる箇所は申し訳ないが追及しないでほしい。
思いの外長くなってしまったことも併せてお詫びしておく。
当時、俺はひどく荒んだ生活を送っていた。
仕事上で信頼していた人間から陥れられた結果、職を追われ
並行して私生活上でも、将来を約束していた女の許しがたい裏切りを知った。
(ここらへんの詳細は本筋とは直接関係ないので割愛する)
そんなドン底状態の俺のことを損得勘定抜きで心底案じてくれた友人もいた。
だが悪いことは重なるものだな。
そいつは不慮の事故で呆気なく命を落としてしまった。
そのことが一番ショックだったよ。本当に堪えた。
身内との縁も薄い俺はすっかり無気力になり、酒浸りの日々を過ごすようになった。
自暴自棄な気持ちを抱えて夜の街をあてどなく彷徨い
くだらない理由で売られたくだらない喧嘩を買ったりもした。
そんな自堕落な生活をズルズルと何ヶ月も続けた。 その男に声を掛けられたのは、荒みだしてから時々訪れるようになった裏通りの飲み屋だった。
客筋のよろしくない(まあ俺も大概うらぶれていたが)掃き溜めのような店の中で
男の身なりの良さは異質で浮いていた。
何となく、かつての自分の同業かそれに近い世界に身を置いてる者の匂いを感じた。
(後にこの勘は正しかったことがわかる)
男はカウンターの俺の隣に腰掛けるとにこやかに、そして単刀直入に切り出した。
「失礼ですが、ちょっとしたバイトをしませんか?」 男は続けた。
「簡単な仕事なんです」「報酬は前金でお支払いします」
「法に触れるようなことではありません」
提示された報酬は驚くほど高額だった。
俺はその胡散臭い申し出をあろうことか受けてしまった。
どうにでもなれと思いながらも、このまま貯金を食い潰す生活を続けた先に待つであろう
更なる転落を恐ろしく思う気持ちがどこかにあり、それを少しでも先延ばしにしたかったのだ。
恥ずかしながらこの時の俺に現状を打破しようという気概はなかった。
判断能力も無いも同然だった。
申し出を受けた俺に男は破顔したが、眼鏡の奥の眼差しは鋭かった。 俺の仕事≠ヘ確かに簡単だった。
手短に説明すると『墓地へ行きもう一人のバイトを指定の墓まで誘導≠キる。
彼が自分の仕事≠終えたら連れて帰ってくる』これだけだ。
ただし誘導℃梭ネ外は目隠し着用し、絶対に外さないこと。
また、墓地へ着いてからは決して声を発してはならない。
(絶対に無いが万が一、部外者に見咎められた場合だけは
緊急事態につき話してもいいとされ、その対処法を指導された)
バイトに関することは一切の口外を禁ずる。
仕事≠ヘだいたい月に1回ないし2回だった。
日時は毎回例の飲み屋で例の男から知らされた。
あらかじめ指定された日に飲み屋へ行く。
待っていると男が現れ、日時と待ち合わせ場所を俺に告げる。
その時に墓地内の略図と報酬を前払いで渡される。
…金だけ持ち逃げされるとは思わなかったのだろうか?
俺の素性は一切、名前すら教えていなかったというのに。
いや、俺の身上など声を掛けた時点ですでに把握済みだったんだろうな。 墓地へは車で連れて行かれた。
運転手は例の男とは別の男で、いつもマスクをかけていた。
車は毎回同じ黒のライトバンだったが、ナンバーは毎回異なっていた。
4ナンバーの時もあれば3ナンバーの時もあった。
ライトバンに乗り込むとまず作業着に着替えさせられる。
作業着の胸には実在なのか架空なのか、知らない会社名が入っており、これも毎回異なっていた。
その時々の会社名に合わせて作られたIDカードもネックストラップで首にかける。
支度が済むと目隠しを着用。耳にはヘッドホン。
ヘッドホンからは海外のロックが流れていることが多かった。
眠っても構わないが目隠しは絶対に外すな、ヘッドホンも外れないようにしろ
それから尿意を我慢できない時は尿瓶(しびん)を使うよう言われた。
出発の時刻はまちまちだったが、墓地に到着するのはいつも深夜だった。
気温や植生、納骨室の形状などから、あちこちの地方へ連れて行かれていたようだ。
何時間も車で揺られた挙げ句、着いたのは都内ではないかと思われる墓地だったこともある。 仕事≠フ流れを詳しく書いておく。
関係者は恐らく大半が失脚したか死んでしまったので構わないだろう。
墓地の近くへ到着するとヘッドホンを外し、代わりにヘッドライト付きのヘルメットを被る。
目隠しは着けたまま車を降りる。
そのまま運転手(たぶん)に誘導され墓地を入った辺りまで連れて行かれる。
しばらくすると俺同様にヘッドライト付きヘルメットを被り目隠しを着けた
もう一人のバイトが、恐らくは彼を運んできた運転手に連れられてくる。
俺は運転手からタイマーを渡される。
タイマーが鳴ったら俺だけ目隠しを外し、もう一人のバイトを目的の墓まで誘導する。
墓の前には目印として夜行塗料を塗った石が置かれている。
明るさからすると、当時すでに製造を禁止されていた放射性物質を使用した塗料だろう。 墓に辿り着くとタイマーのスイッチを押し、もう一人のバイトに渡す。
おそらく何かのスポーツか格闘技の経験者だろう。
見るからに体格のいい若者だった。
特徴のある形をした痣が左頬にあった。
彼はバールやタオルを持たされていることも多かった。
タイマーを渡すと俺は速やかにその場を離れる。
と言っても遠くへは行かず、ライトを消して近くに潜み
彼がちゃんと仕事≠完遂するかを監視する。
タイマーが鳴ると彼は目隠しを外し、彼の仕事≠ノ取り掛かる。 ここまでだけでも十分に異常だが、彼の仕事≠ヘ更に異常だった。
彼の仕事=B
それは墓の蓋(拝石)を開けて中にあるモノ≠入れてくることだった。
恐らくその家には無断で、だ。
あるモノ≠ヘ毎回同じような形状だった。
どのような外見だったかは伏せておく。
何が入っていたかは知らないし、知りたくない。考えたくもない。 蓋の接着(モルタルなど)はあらかじめ剥がしてあるらしかった。
彼はまず香炉や花立てを移動させた。
それから蓋を開けるのだが、大きさによってはバールとタオルを使っていた。
(タオルは石を傷付けないためだろう)
重そうな蓋でも彼は一人で作業をこなした。
屈強な彼がこの仕事≠ノスカウト(?)された訳がわかった。
納骨室(カロート)が大きな場合、彼は中に降りていった。
深夜に余所様の墓をあばき、その中に一人で入るのだ。今考えてもゾッとする。
しかし彼は特に臆する様子もなく、むしろ楽しそうにすら見えた。
こういう所も買われたのかもしれない。
千葉の一部地域や関西と思われる場所の墓は簡単に蓋がずらせたようで
そういう墓の場合は腕だけを石室に突っ込みあるモノ≠入れていた。 仕事≠終えると彼は目印の石を回収し、再び目隠しを着けてタイマーを押す。
タイマーが鳴ったら俺は彼の所へ行く。
タイマーを受け取ると彼を誘導して元の場所に戻る。
着いたらタイマーを押して、俺も目隠しを着ける。
タイマーが鳴ると恐らくはそれぞれの運転手が迎えにくる。
後は車に戻り、ヘルメットを外してヘッドホンを着け、また車に揺られて帰る。
到着したら車中で運転手から渡される服に着替える。
待ち合わせに着ていった服はあちらで処分するとかで回収された。
こんな異常な仕事≠、俺は数ヶ月に渡って何度も引き受けた。
まるで思考が麻痺したように。何かに操られるように。
あれは本当に法に触れることではないのか?
そんな考えにすら至らなかった。 仕事≠するようになってから、亡くなった友人がしきりに夢に出てくるようになった。
彼は俺に何かを訴えているのだが、その声はヘッドホンの音楽に遮られて俺の耳に届かない。
仕事≠フ回数を重ねるごとに夢を見る頻度は増え、それにつれ彼の顔つきは必死さを増していった。
そうして最初の仕事≠ゥら半年以上が過ぎた頃。
回数にして10度目の仕事≠終えた日だった。
その日の夢の中で彼は俺に手を伸ばしてきた。
今までの夢ではなかった行動だ。
ヘッドホンに手がかかると彼はそれをむしり取った。
彼の叫ぶ声が初めて聞こえた。
「(俺の名前)○○!駄目だ!」 目が覚めると俺は涙を流していた。
ノロノロとベッドを出て洗面所へ行き、涙を洗い流した。
顔を上げると鏡には青白くやつれた顔が映っていた。
そこにいたのは目は血走っているのに虚ろで、およそ生気のない男だった。
一瞬誰の顔かわからなかった。数秒のちにそれが自分の頭だと気付き
頭をぶん殴られたようなショックを受けた。
いつからだ?鏡なんて毎日見ていたのに。
いつから俺はこんな顔になっていたんだ?
仕事≠受けるようになってから酒はあまり飲まなくなっていたというのに
この生気の無さは何なんだ?倦怠感の酷さにも気付いた。
ゾッとした。何で今まで気付かなかったんだ?
これ以上仕事≠引き受けたら取り返しがつかなくなる。それがわかった。
いや、一度でも引き受けるべきではなかったのだ。 例の店で次に男と会った時、そろそろちゃんとした職に就きたいので
申し訳ないがバイトはもう出来ないと伝えた。
脅迫や強要も覚悟の上の申し出だったが
予想に反して男は拍子抜けするほどあっさりとそれを認めてくれた。
「あなたは半年ほどで抜けると思ってましたよ」
皮肉なのか自虐なのか本気なのか「賢明な判断です」とも言った。
「おわかりかと思いますが、これまでのことは他言無用。決して口外しないで下さい」
「もし口外したら…。わかりますね?」そう言い残して男は去った。
男の生きている姿を見たのはそれが最後だった。 俺はそれから必死で生活を立て直した。
まだ手を付けていなかった報酬はそっくりそのまま、信用できる慈善団体に寄付した。
そうして始めた前職とは関係ない世界の仕事が数年かけてなんとか軌道に乗り
今は仕事と生活の拠点を海外に移している。
結婚はしていない。この先も家族を作るつもりはない。
そんな資格は俺にはないと思うし
それにあの仕事≠ェ今になって相手に累を及ぼさないとも限らないから。
友人の祥月命日と盆にはどんなに忙しくともスケジュールを調整して毎年必ず帰国する。
そして彼の眠る墓へ参り花を手向ける。 墓をあばきあるモノ≠入れていたあの青年の姿はあれから二度見かけた。
一度目は俺が仕事≠辞めて数ヶ月経った頃。
当時住んでいた、そして今も俺名義のマンションがある街の交差点で。
その時俺は歩道にいて、彼は信号待ちの車の中にいた。
左ハンドルの高級外車の運転席に座る青年の左頬にはあの特徴的な痣があった。
俺もそこそこの高級車が買えるぐらいの報酬を手にしたが
彼の乗る外車はその2倍以上するものだった。
助手席には派手な美人が乗っていた。
彼の方は俺に気付くことはなかった。
当然だ。彼は俺の顔を一度も見ていないのだから。
二度目はそれから数年後。
昔世話になった人の見舞いで、ある病院の緩和病棟へ行った帰り。
その時の彼は高級外車ではなく、看護師さんの押す車椅子に座っていた。
彼は別人のように痩せ衰え、見る影もなくなっていた。
最初は全く気が付かなかった。
だが何故か強烈に気になってしまい、こっそりと横目で窺った。
左頬にあの痣があった。
俺より若かったのに、その顔は老人のようだった。 俺に声を掛けたあの男の消息、いや、最期はある事件に関連したニュースで知った。
彼は直筆の遺書を残し自殺した。
本当に自殺だったのかは分からない。
彼が仕えていた人物に因果を含められて、あるいは脅されて自ら命を断ったのか。
それとも奪われたのか。俺には知る由もない。
彼はやはりかつて俺が属していた世界の人間だった。
そのことは実はニュースで知る前に確信していた。
勘が確信へ変わった決め手となったは、俺が引き受けた最後の仕事≠セ。
墓石の名前はなるべく見るな、見ても忘れろと言われていたのだが
その時のターゲット、つまりあばかれていた墓には少し珍しい姓が掘られていた。
かつて俺がいた世界に同姓の人物がいた。それで確信した。
俺が仕事≠辞めたあと、その人物の訃報を知った。
その訃報には、あの仕事≠ェ関係していたのだろうか?
それも今となってはわからない。 かなり際どいところまで詳らかにしてしまったが大丈夫だろう。
あの男が仕えていた人物、すなわちあの仕事≠本当に指示していた人物もとうの昔に鬼籍に入っている。
墓地に行った時、夜行塗料で光る石を見つけたら
それはもしかしたらあの仕事≠フ忘れ物かもしれない。
(トラブルで一気に投稿できず済みませんでした)
27本目の蝋燭が消えました・・・
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長くても読みやすいから気にならなかった
引き込まれたよ >>289
乙。自分のもしっかりあってよかったが…
ポルナレフw >>314
かつて属してたという世界もあるモノ≠熄レしく追及しちゃいかんのよね
でも気になる…
前者は893or政治の世界で後者はコトリバコ的なモノかなと妄想しておこう… 独身時代に一人暮らししてた時の体験。
その日は連休だったけど特に予定は入れてなかったんだ。
普段なかなか出来ない衣替えやしまい洗いをしよう思って。
仕事が忙しくて録画したまま観てないドラマも溜まってたし。
家事が一段落したところでドラマの消化に取り掛かかろうとHDD内の録画リストを表示。
そしたらドラマとドラマに挟まれて、録った覚えのない番組が録画されてた。
真っ黒のサムネで何故かタイトル・局名・録画日時などが全く表示されておらず。
なんだコレ?間違えて録画しちゃった?と思いつつも
消去する前に一応内容をチェックしとこうと思った。
再生して数秒間。画面は真っ黒なまま。
なんだバグかー消去でいいなとリモコンを手にした瞬間。
画面がパッとどこかの部屋の映像に切り替わった。
妙に画質が悪いの。
テレビの向かいにローテーブルが置いてあって。
ローテーブルの手前にはリモコンを手にした女の人が
こちらに背を向けて座ってた。
すぐに気付いた。
その部屋はどう見ても私の部屋で。
着てる服こそ今私が着てる服と違えど、女の人はどう見ても私で。
画面の中のテレビ画面にも今私が見てるのと同じ映像が映ってて。 何これ!?何なの!?ってパニくりながらリモコンの停止ボタンを押した。
真っ先に浮かんだのはストーカーみたいな奴がいて
私の留守中に侵入してどこかに小型のビデオカメラを仕掛けたのでは?
または入居した時点ですでに仕掛けられてたのでは?って考え。
そして盗撮した映像をUSBからHDDへダビングした…みたいな。
でもそれだと再生した映像の中のテレビ画面にも
同じ映像が映ってたことの説明がつかない。
ワケがわからない。
恐怖で半狂乱になりながら遠距離恋愛中だった彼氏のち夫に電話した。
泣きながら説明すると、怖いだろうけど警察に届ける前に
とりあえずもう一度録画リストを確認してみようと言われた。
ガクガク震えながら録画リスト内のあのサムネにカーソルを合わせると…。
【このタイトルは再生できません】的な表示(うろ覚え)が出てきた。えっ…。
せめて内容説明を確認しようとメニューを押してもうんともすんとも反応しない。
おまけにいったん録画リストを閉じてからもう一度表示させると…。
リストから消えていた。
頭の中は恐怖と「!?」でグルグル。 後日談。
翌日すぐに専門の業者さんに依頼して調べてもらった。
結果はビデオカメラも盗聴器も出てこなかった。
本当は警察にも届けたかった。
でも肝心の映像はおろか盗撮の形跡もないんじゃどうしようもない。
気持ち悪かったんでレコーダは処分。まだ新しかったのに…。
マンションも引き払って実家に帰った。
マンションのセキュリティも周囲の治安も悪くなかったんだけどね。
実家からだと通勤時間が何倍にもなったのが辛かったなあ。
でもあまりにも恐怖が大きくて…。
結局は結婚するまでそのまま実家暮らし。
レコーダはもちろんデジタルビデオカメラやスマホ等の
動画ファイルを表示させる時は未だにビクビクしてしまう。
心霊でもなければヒトコワとも確定できないけれど
自分的には洒落怖なオカルト体験。 28本目の蝋燭が消えました・・・
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`ー--─'" 書き込んだ後で似たような体験談がないかなと再度ググってみたら
以前録画した映画(つめ折)を見ようとしたところ、自分の姿が映されていました。
(一度も行ったことの無いような場所を延々と歩き続けています。)これって何?
という内容の2003年のスレのまとめが出てきて読み耽ってしまった >心霊でもなければヒトコワとも確定できないけれど
だがちょっと待ってほしい
果たしてそれは本当に心霊現象ではなかったのだろうか? 『これって何?』にうpされてた画像
なんか念写みたいな質感で不気味
ぞわぞわする 18レスもくそ長いなと思ったけど読んでみたら
読みやすい文章で長さを感じさせない面白い話だね コトリバコといえば幼稚園の時に変な木箱を拾ったことがあるんだ
神社の近くの枯れた草むらの中に落ちてた
いや勿論コトリバコじゃないんだけどw
コロコロコミックを横半分に切り離したほどの大きさで厚みはもう少しあったな
なんかいっぱい模様があってさ(寄木細工ってやつだと思う)
古めかしくて風格が漂ってていていかにも由緒ありそうに見えたもんだから
かっけー!江戸時代じゃん!(イミフ)ってすっかり魅了されちゃったんだよね
しかも振ってみると中でカサッとかカタカタッと音がするんだ
これぜったい何か宝の地図とか入ってるやつ!
と興奮して家に持って帰った(占有離脱物横領ですごめんなさい)
ところがこれがどうやっても開けられなくてさ
忍耐力に欠ける俺は秒で挫折した
落とし物?を勝手に拾ってきたもんだから家族に協力を仰ぐことはできない
でも元の場所に戻してくるのは惜しい
というワケでひとまず通園バッグの中に隠したった(幼稚園は冬休み中だった)
その夜から毎日同じ夢を見るようになった 地獄先生ぬ〜べ〜の鬼の手ってわかるかな?
あんな感じのもっとグロくてしかも俺の身長の倍以上ありそうなデカい手が
唸りながら襲い掛かってくるんだ
そいつに捕まらないよう泣きながら必死に逃げ回るという恐ろしい夢
(ぬ〜べ〜はジャンプで連載始まってたけどアニメにはなってなくてこの時はまだ見たことなかった)
夢の舞台もなんか恐ろしかった
辺り一面ゴツゴツした岩や石ころだらけの殺風景な場所で
そこかしこに火の手が上がってんの
(数年後のお盆にお寺で地獄絵図を見た時あの夢の場所と似てる!と思った)
そんな地獄みたいな場所を泣きながら逃げ回るんだ
死んだじいちゃんばあちゃんが出てきて助けてくれるような神展開はない
(そもそもじいちゃんもばあちゃんも元気に生きてるし)
でも長時間逃げ回って疲れ果てた頃になんかすごく優しい声が俺を呼ぶの
最後の力を振り絞って声のした方へ走ると
さっきまで目に入らなかった大きな木があるんだよ
木の幹には俺が潜り込めるぐらい大きな穴が空いてんの
そこに隠れて少しホッとしたところで毎回目が覚めた
起きたら冬なのに汗びっしょり こんな夢を木箱を拾った日から毎晩見るようになったんだから
アホな俺でもさすがにあの箱との因果関係を疑ったね
しかも優しい声が聞こえてくるまでにかかる時間が徐々に長くなっていってる…
このままではいずれ鬼の手に捕まってしまうかもしれん…
夢以外には当時うちで飼ってた猫が俺に寄り付かなくなった
初めの内は俺が抱っこしようとしたら逃げる程度だったのが
ついには俺の顔を見ると耳を伏せてシャーッ!と威嚇するまでになった
あんなに仲良かったのに…
夜寝る時なんてしょっちゅう俺の布団に潜り込んできてたのに…
子供心にもこれはなんとかせねばヤバいと思った
そこで若干未練はあったが拾った場所に木箱を返してくることにした
●●くんちに遊びに行くと嘘をついて神社近くの草むらに行き
周りに誰もいないことを確認してから元あった辺りに木箱を置き
ごめんなさいごめんなさいと心の中で謝りながら走って逃げ帰った
木箱を返してからは鬼の手に追われる夢は見なくなり
猫も再び俺に甘えてくるようになった 数日後に見に行ったら木箱は無くなってたよ
持ち主の手に戻ったのか
それともまた誰か俺みたいに持って行ってしまったのか
後で気付いたんだけどさ
通園バッグにお守りがついてたんだよね
ばあちゃんが初詣で授かってきてくれたお守り
それをおかんが通園バッグにつけてくれてた
思えばそのお守りが夢の中で俺を守ってくれてたんじゃなかろうか
だって1年経ってお守りを返納する前に中身を出してみたら(罰当たり)
中に入ってたのは朱色の文字が書いてある薄い板だったんだけど
たぶん元はきれいな板だったはずが全体的に黒ずんじゃって
しかもでっかい爪で引っ掻いたみたいな傷だらけでボロボロだったもん γ
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