石じじいの話です。

小銭を貯めたじじいは8000円の中古自動車を手に入れて、これで石とりに歩いていた、という話は以前したことがありますね。
機動力をつけたじじいですが、その一方では、「消えるタクシー客」的な事態に何度か遭遇したそうです。
そのうちのひとつ:
じじいが夜、車を走らせていると女の子を連れたお年寄りの女性が夜道を歩いているのに出会いました。
すでに暗くなっていましたが二人は明かりも持たず道路を歩いていました。
あたりの家の人かと思いましたが、念のため、じじいは彼らに声をかけてみました。
その女性は、そこから何キロか離れた場所まで歩いて帰るのだ、と言うので、送ってあげることにしたそうです。
じじいの車は運転席・助手席しかない小型のトラックだったので、女の子を真ん中にのせて走ったそうです。
話を聞くと、この子(女児)を連れてXXX(そのあたりで一番大きな町=市)に映画を見にでかけたのだが、買い物をしていたので遅くなった、ということでした。
車中で、その女の子も見た映画のことや町のことなどを嬉しそうに話して、わきあいあいの車中だったそうです。
(つづく)