石じじいの話です。

じじいが朝鮮で聞いた話です。
当時の朝鮮でも、子供たちの間に占いのようなものが流行っていたそうです。
それは、プンシンサマ(プンシンサバとも)というもので、日本のこっくりさんに似ていました。
日本から入ってきたものだ、ということでした。
最初、大邱の街ではやりはじめて、そこから朝鮮全土に広がったそうです。

そのプンシンサマを、女学生たちが友達同士で放課後の河原でやったのだそうです。
自宅や学校では、叱られるので、できません。
やっていても何も起こらないので飽きてきていると、ちょっと日の傾いた川面から黒い女性がざばざばと這い上がってきたそうです。
彼女たちは驚いて家に逃げ帰りました。
翌日から、彼女たちは、他の川や用水路や学校の池などに、同じ黒い女が這いずり回っている!と騒ぎ始めたのです。
まあ、年頃の娘のヒステリーだろうということだったのですが。
巫に頼んではらってもらうと、それはおさまったそうです。
巫によると、その黒い女のようなものは「水鬼神」(ムルギシン)というものだ、ということでした。

「この話は、朝鮮の新聞にも載ったんで!」とじじいは力説していました。
「うそつけ!じじい!」と思いましたが、その話を聞いてからしばらくしてコックリさんが流行りました。
私の(=じじいの)村の周辺の学校では「こっくり禁止令」がでました。
しかし、スリルの誘惑には勝てません。
女の子、男の子たち、ひみつに集まっていっしょにやったんです。
それで、私の田舎でも、出たんです。
黒い女が。
(と、今回のエンディング、ちょっと「エロコピぺ」みたいになってしまいましたw)