車に着くともう蝉の声がした
茹だるような暑さに、蝉の悲鳴、ベタベタとした気持ち悪い汗をかいていた
息が上がっていた俺達は、車に乗ってエアコンをかけ、気持ちを落ち着かせるためにタバコと飲み物で一服

落ち着いてから同僚と話すと、少し話が食い違った
あの声、俺には『あ゙ぁ゙・・・』に聞こえた
同僚は『嫌だ助けて怖い』と、カセットテープの早送りみたいに言っていたらしい
その後は何をしたか良く覚えてない


ただ、明るくなってからもう一度行ったら、黒い影みたいなのが入っていった植え込みに、たくさんセミが死んでた
みんな奇形?って言うのかな、もしくは羽化に失敗したセミだった
羽根がクシャっとしてたり、腹の部分がやけに小さかったりしてて、アブラゼミとミンミンゼミが多かったのを覚えてる

特に後日談があるわけじゃないし、オチがなくてすまん 俺が体験したうちの一つの話でした