世界の秘密 [無断転載禁止]©2ch.net

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:02:18.73

漫画家になれないもんだからSS書くよ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:04:20.11

むかしむかし神様がいました
神様は世界がさみしいなぁと感じていたので
土をこねくり回して人間を作りました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:06:04.82

神様はセンスがいいものだから
自分そっくりに人間を作りました

それはそれはそっくりで神様と人間の見分けなんかつかないくらいそっくりに作りました

2017/09/27(水) 19:09:00.57

お、またスレ立てたんだ

そっかあ
まあ漫画も諦めないで欲しかったな

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:09:03.34

神様は人間をいいやつに作ったのです
神様は人数が限られているため少なかったのですが
人間は繁殖しました

人間も神様もにこにこして暮らしました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:11:27.75

>>4
結構前に立てたんだけど覚えていてくれたんだ
嬉しいよ、ありがとねー

漫画もいいけど、自分にできる範囲で表現するよ
今回も暇つぶしなw

2017/09/27(水) 19:17:20.60

ナザレ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:17:20.81

神様は広大な地球に一握りしかいません
繁殖も得意ではなかったのです

１００人から１０００人、もっといたのかもしれないですが
地球をいいところにするには物理的に人手が足りなかったのです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:22:12.27

神様は人間を悪いようにはしませんでした
無理な注文はしなかったし、楽しくおしゃべりもしました

人間は神様ではないので、神様から教えてもらったことしか出来ませんでした
なので人間は神様から何かを教わると嬉しくなりました
神様から教えてもらわないと何もできないからです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:25:51.25

楽園にはある果実がありました

神様たちの生活に欠かせない果実であり、定期的に神様たちはそれを食していました

2017/09/27(水) 19:26:34.16

>>9
じゃなぜ今神に教えられた事以外の、ことしかしてないの？

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:27:59.91

人間がその果実を食べると善悪の区別がつくようになってしまうので
神様たちは人間に教えました

これは禁断の果実だから、食べるの禁止なー

2017/09/27(水) 19:29:42.59

ワクワク o(^o^)o

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:30:03.75

>>11
なんでだろうねー
まぁ、あわてるでないw

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:32:34.48

人間は神様の言う通りにするように作られているので
言いつけを守りました

なんで食べちゃいけないのかな？なんて考えません

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:35:51.23

人間に善悪の区別がつくことを神様は危惧してました

実はこの世に善と悪など存在しないのでした
果実が与えるのは価値観だったのです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:42:01.93

人間は神様の言うことを何でも聞きます
それは価値観がないからです

価値観が生まれると、善悪の区別をつけようとします
しかし人間は善と言われることを善、悪と言われることを悪と思うだけで
自分で善悪を区別する能力はないのです

2017/09/27(水) 19:45:33.12

ひえぇ～！！(゜ロ゜ノ)ノそうだったのかぁ

2017/09/27(水) 19:46:57.37

これは期待

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:47:18.23

ある日神様の一人が思いました
彼は退屈な日常に飽きていたのです

イブという女性に話しかけました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:51:17.42

神様「イブちゃん、あの果実知ってるかい？」
イブ「知ってるよー、禁断の果実！」

神様はイブのことが好きでした

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:52:57.78

>>18
>>19
漫画家志望だったので反応あると嬉しいよー
ありがとう

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:55:49.41

神様はイブの前でガブリと禁断の果実をかじりました
そしてイブに教えました

「禁断の果実食べても大丈夫だよ、あとで食べるといいさ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 19:58:12.54

神様はイブに価値観を持って欲しかったのです
イブに好きって言わせるのではなく、イブ自身の意思で神様のことを好きになって欲しかったのでした

イブはそんなこともつゆしらず、アダムのところへと行きました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:00:24.82

イブ「アダム！ちょっと欲しいものがあるから手伝ってほしいの！」
アダム「なんだい？めんどくさいことは嫌だよー」

イブはアダムを禁断の果実のある木まで連れて行きました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:04:10.34

イブ「ほら！果実を取ってきて！」
アダム「駄目だよ、あれは禁断の果実って言うんだ」

アダムはイブに優しく言いました
イブ「知ってるわよそんなの、早く取ってきて！」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:07:18.07

アダムとイブは喧嘩になりました
そのうちイブはしくしくと泣き始めました

イブ「私のこと好きじゃないのね、愛してるなら取ってきてくれるはずだわ」
アダム「……」

こうなったら果実を取らない限り、イブが泣きやまないことをアダムは知っていました
なのでイブに嫌われないうちにアダムは果実を取る決心をしました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:17:45.38

アダムは木に登って３つ果実を落としました
そして木を降りてイブに言いました

アダム「此処じゃひとめに付くから、ちがうところで食べなさい」
イブ「それもそうね、高台で食べましょう。見晴らしもいいわ」

2017/09/27(水) 20:18:48.55

そそのかした張本人＝ヘビ＝諸悪の根源

それはイブでした

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:19:44.38

高台に付くとイブは早速、果実を食べました
イブ「美味しい！とっても美味しいわ！」

イブはアダムに言いました
「あなたも食べなさいよ」

2017/09/27(水) 20:21:24.48

>>1
そそのかした蛇が神だったとゆーのかよ？
それには無理があるんじゃね

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:21:41.89

アダムも果実を食べました

アダム「確かに、とても美味しいね」
イブ「これであなたも共犯ね」

2017/09/27(水) 20:21:43.26

イブ＝周りを誘惑し、己の欲望のために生きる　魔物　＝　リリノー

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:28:30.42

>>31
蛇ってネタバレしないでくれw

神様の定義によるのだけれども
ルールを決めたのは神様で従うのが人間でしょ？

神の作ったルールを破るきっかけ、発想をするのは人間には無理なので
蛇は神様と同等に近い力はあったと思うのよ

2017/09/27(水) 20:29:30.98

そういうのは作中で語ってくれ...

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:34:13.50

アダムはもやもやしました
神様の言いつけを破ってしまった
悪いことをしてしまったのではないか

イブは２個目の果実を食ベ終わりました
とても美味しかったので食べて良かったと思いました
イブはアダムの視線が気になりました

自分のすべてをさらけだすのが恥ずかしくなりました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:37:26.05

>>35
なるほど！

アダムとイブは家に帰りました
罪の意識がを隠したくてアダムは布を纏いました
イブは欲望まみれの姿を隠したくて布を纏いました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:40:51.73

アダムとイブは隠れて生活をしていました
周りの人間たちは裸なのに恥ずかしくないのだろうか
神様たちは服をきている

私たちは神様となにがちがうのだろうか

2017/09/27(水) 20:43:27.44

罪悪感ってやつかぁ(。>д<)

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:43:40.40

すがた、かたちもいっしょ
私たちの違いってなにもないのではないかしら
私たちと神様を区別するものってなにもないわ

イブはそう思いました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:47:56.73

いままでいいつけを守らなかった人間はいない
破ったらどうなるのだろうか
みんなに果実を与えればいいのかな？
みんなが服を着れば誰が最初に果実を食べたかなんて誰にもわからない

アダムはそう考えました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:52:08.79

やがて神様たちにバレました
裁判が行われることになりました

被告人はアダムとイブ、そしてそそのかした神様でした

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:54:11.92

裁判官「なぜ禁断の果実を食べたのだ」
イブ「だってあの人が美味しいっていうから！」

蛇神「わたしがそそのかしたのです」

2017/09/27(水) 20:55:54.36

今北

2017/09/27(水) 20:58:03.26

おもしろい
昔の映画ドラえもんのコミックス版を読んでる気分
子供向けでわかりやすい
ドラえもんで再生される

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 20:59:09.33

裁判官「なぜだ」
蛇神「人間には意思を持たせるべきです」
裁判官「駄目だ。人間の価値観では世界が壊れてしまう」
蛇神「コントロールから外れてこそ、生物です。わたしが死ねと言ったら死ぬような生物は嫌なのです」

2017/09/27(水) 21:39:12.92

悩ましい所、悩ましい裁判だね (;＞_＜;)

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:40:32.58

>>44
おっす！
>>45
いつだってみんな子供さー
ありがとね！

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:41:33.38

>>47
裁判はむつかしいね！

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:43:25.30

アダム「どうかお許しを、神様。悪気はなかったんです」
裁判官「駄目だ。もう取り返しがつかない」

イブ「なによ、えらそうに」
裁判官「なんだと」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:46:01.37

イブ「あなたとわたしなにがちがうってのよ。見た目も一緒。みんなに果実を食べさせるべきだわ」
アダム「やめるんだイブ」

裁判官「どうすんだコレ。お前のせいだぞ蛇神」
蛇神「……いいではないですか。素晴らしいことです。ふふふ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:49:35.40

蛇神「わたしは貴女が好きです。イブ」
イブ「わたしは貴方が嫌いよ」

蛇神「それは嬉しいですね」
イブ「なんでよ」
蛇神「貴方が自分の意思でわたしを見てくれるのが嬉しいのです」
アダム「おれもお前が嫌いだ。お前のせいでこうなったんだ」
蛇神「いずれ誰かがこうしてましたよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:52:18.03

裁判官「もういい。お前ら楽園から追放な」

アダム「そんな！教えがなければ私たちは何もできません」
イブ「こんなところ、こっちから願い下げよ！」

蛇神「おだやかではありませんね」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:54:03.31

裁判官「お前もだぞ、蛇神」
蛇神「まぁ、わたしは彼らとうまくやりますよ」

裁判官「それはどうかな、お前の手足は奪わせてもらう」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:55:43.78

裁判官が杖を振りかざすと閃光が走り、蛇神はただの蛇になってしまった。

蛇神「ニョロロロロ」
イブ「ナニコレ、気持ち悪い」

2017/09/27(水) 21:56:24.86

>>34
いや、蛇はＹＨＷＨに造られた被造物だとある
その中で賢かったと
蛇はどー考えても神とはなりえない

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:57:18.58

こうして３人は楽園を追放されてしまった

アダム「どうすんだよ、これから」
アダムは頭をかかえてしまった。

2017/09/27(水) 21:57:26.85

これは聖書じゃないでしょ
1のSSだよ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 21:59:26.73

イブ「どこか遠くへ逃げるのよ」
アダム「逃げる？」

イブは遠くを見て言った
「あいつらの気が変わる前に、遠くに逃げるの」
「２人で逃げるのよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:02:28.56

蛇神「ニョロロロロ！」
イブ「ほら！あっちに行きなさい」
アダム「おい、神様だぞ」

イブは棒きれで蛇を追いやった
「こんな姿じゃ役に立たないわよ、ほら！バイバイ！」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:04:40.40

蛇神「ニョロロロロ」

蛇は嬉しそうに茂みの奥へと消えていった
イブはアダムの目を真っ直ぐみて言った
「わたしが好きなのは貴方だけよ、アダム」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:07:56.09

アダム「……イブ」
イブ「ほら！わかったなら早く遠くへ行くわよ。家も建てるの。食料だって集めなきゃ駄目よ」
アダム「はいはい。わかりましたよ」

こうしてアダムとイブは楽園から遠く離れた場所へと行きました。

2017/09/27(水) 22:09:14.50

プロローグ完

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:10:13.71

>>56
ごめんな、知識がないんだよ
でもこれでいいの、蛇は賢いと思うよー
>>58
ありがとう、楽しんでね

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:26:59.93

アダムとイブはラブラブだったのでたくさん子供を産んだ
教えもなにもないので、楽園にいた頃の教えをもとに善悪の基準を判断した
子供たちは神様から直接言われたわけではないので殺しをしたりした

嫉妬とかもするようになった
なにも知らないけれど価値観はあるのでむちゃくちゃもした
神様たちも最初は罰したりしたがしだいに放っておくようになった

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:30:23.22

結果、人間たちは大繁殖した
長い目での判断ができない人間たちは完璧な世界を壊し始めていた
生きるために残虐な行動も平気でした

神様「大洪水起こそう。こりゃ始末に負えない」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:33:45.24

神様「おい、人間たち。大洪水起こすかんな」
人間「なんでだよ」
神様「こんなかたちで文化を繁栄させてもいいことないぜ」
人間「うるせぇ、やれるもんならやれよ」
人間「そんな脅しには乗らねぇよwww」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:39:41.80

神様１「やはり蛇神は間違っていたのだ」
神様２「どうなるか試した結果がこれですもんね」
神様１「蛇神は頭がいい奴だった。もしかしたらいい結果になるかもと思ったのだが」
神様３「無理にきまってんだろ。自発的に考えられない奴は生存本能に従うからな」
神様１「今さえ良ければなんでもいいんじゃろ、あいつら……」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:43:39.38

神様２は女だったポポロという名だ
神様３は筋肉質な男でジータという名だ

ジータ「楽園の人間はもう作らないのか」
ポポロ「ええ、もう作っても無駄でしょう」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:52:35.96

当初の神々の計画では人間というハードディスクに少しずつ情報を入れていき、神々に近づけると言うものだった
しかし禁断の果実を食べた人間が乱数となり計画が駄目になった

なので神々は楽園の中の人間に繁殖を禁止を言い渡した。寿命を迎えた人間は穏やかに死んだ
それから人間は作っていない

なぜなら禁断の果実を食べていない人間も、楽園の外にいる人間と触れ合うとコンピューターウィルスに感染するように駄目になってしまうからであった

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 22:57:47.80

ジータ「数のちからは偉大なり、だなぁ」
ポポロ「そうね、私たちは繁殖できないからね」
ジータ「ぼうふらのようにポッと出てきただけだもんなぁ」

彼らには基本的な寿命がない。だが突然死で死ぬ
彼らは何かを残したくて人間を作ったのだ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:03:51.63

人間が大繁殖してから神々は何人か死んで、残り少なくなった３０人くらいだ
一から人間を作ってハードディスクを満タンにする情報を入れる時間はもうない

シータ「俺たちの計画も終わりだなw」
ポポロ「そうね、大洪水で人間が死滅したら私たちの意思を継ぐものはいなくなる」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:06:25.49

シータ「まぁ、俺はそれでもいいよ。地球を駄目にされるよりはな」
ポポロ「……」
シータ「じゃあ俺は筋トレすっからよ、じゃあな！」
ポポロ「貴方はいつもそればっかりね……」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:08:51.11

ベンチに座ってポポロは星空を眺めた
星は綺麗だった

ポポロは蛇神が好きだった

2017/09/27(水) 23:10:23.47

ジータはどこいった？

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:11:59.99

ポポロは蛇神がイブという女に恋したのが解せなかった
姿形が良かったのだろうかと考えたりもした
中身なんて空っぽだったのだから、それしかないだろうと納得させた

でも蛇神は頭が良かった。変人だったけれども

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:15:24.41

ポポロは蛇神が恋わずらいであんなことをするわけがないと思った
きっと理由があるのだろうと
だから蛇神の意思を継ぎたかったのである

もし上手くいけば自分を好きになってくれるかもしれないとも思った

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:19:06.99

ポポロは下界を見渡した
ちなみに楽園は天空の城ラピュタのように空を飛んでいる

ポポロはある一家を見つけた

2017/09/27(水) 23:20:13.47

ジータからシータに変わると性転換みたいに想像しちゃう

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:20:46.95

ポポロは下界に降りていき一家を訪ねた

ポポロ「こんにちわ」
ノア「なんだい、おねぇさん」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:21:50.13

>>79
ごめん、ジータだねwww

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:24:23.22

ポポロ「わたし神様なの」
ノア「うそだぁ」
ポポロ「本当よ、嘘じゃないわ」
ノア「だっておいらと変わらない姿じゃないか」

ノアは少しだけ空を飛んだ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:26:52.68

ノア「神様だ！」
ポポロ「そうよ、これから大洪水がおこるわ」
ノア「なんでだい？止めておくれよ神様だろ」

ポポロは困ってしまった、大洪水を起こすのは自分ではないからだ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:29:10.50

ポポロ「うるさいわね、貴方たち人間が駄目なせいよ」
ノア「そんなぁ」
ポポロ「貴方は真面目ね。船を作りなさい、大きな船を」
ノア「船なんかつくったことないよ」

ポポロは設計図を渡した

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:34:27.77

ポポロ「それに動物たちも乗せてあげて。ちゃんとつがいにしてね」
ノア「おいらの給料じゃ羊とか買えないよ」

ポポロ「盗めばいいのよ」
ノア「盗みは駄目だよ。悪いことだ」

ポポロ「貴方って本当に真面目ね。いいのよ、どうせほっといたら死ぬんだから貴方が盗んで救ってあげるの」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:36:26.81

ノア「でも」
ポポロ「わたしが許すわ。神様のわたしが」
ノア「わかりました神様」

ポポロ「あと蛇はメス一匹でいいわ。オスはわたしが持ってくるから」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:38:01.41

ノアは箱舟をせっせと作った
周りの人間が好き勝手やってる間に一人せっせと作った

箱舟は完成した

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:39:57.42

動物たちも盗んで乗せた
自分の家族も
家族たちはノアが好きだったのでいうことを聞いた

ポポロ「あら、完成したのね」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/27(水) 23:43:02.46

ノア「へい、神様」
ポポロ「ノア、偉いわね」

ポポロもノアが箱舟を作ってる間に蛇神を必死に探して見つけた
蛇神はポポロをじっと見つめている

ポポロ「じゃあ、お元気で」
蛇神「ニョロロロロ」

ポポロは蛇神をノアに渡すと天空へと帰って行った

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:22:19.82

大洪水が起きた、人間も動物たちも流され溺れていく

ノア「なんてこった、神様の言ったことは本当だった」
ノアの家族「おそろしや」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:23:51.06

ジータ「おー、すげえな」
ポポロ「そうね」

大洪水をみて神様１は言った
「しょうがないことなんじゃ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:25:58.72

大洪水は終わり水は引いて行った
神様たちはのんびりと過ごした、すべてが終わったからだ

何年かしてジータは下界を見下ろした
そこには村ともよべない集落があった

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:26:57.34

ジータ「おい、人間生きてるぞ」
神様１「なんじゃと」

ポポロ「にやり」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:28:46.35

ジータ「どうすんだ、また洪水起こすか」
神様１「しぶといやつらじゃ」

ポポロ「放って起きましょう」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:31:45.00

ポポロ「もう一度チャンスを与えるのです」
神様１「いやじゃ」

ポポロ「神様のいうことを信じて生き残った人間です」
ジータ「洪水に耐えられる船を作ったのか、真面目なやつだ」

神様１「わしの話を聞け」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:38:47.17

神様１「私たちが死んで、人間が死んでも地球さえ残っていればいいのじゃ。また同じようにボウフラのように私たちのようなものが現れればいい。その時に地球があればいいのだ。しかし奴らを野放しにしてはその時が来てもどうしようもなくなるんじゃ。奴らは失敗作なんじゃ」
ポポロ「そんなことないわ」
ジータ「なぜ言い切れる」
ポポロ「容量を埋める方法は私たちが教える以外にもあるってことよ」
神様１「まさか」
ポポロ「そうです。人間に失敗をたくさんさせればいいのです。殺し合いでもなんでもさせればいい。いずれ意味のないことだと知るでしょう」
ジータ「あくまでも生存本能に基づいてだがな。失敗、成功の基準もそこになるだろう」
神様１「とんでもない時間がかかる。地球ももたんじゃろ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:41:39.62

ポポロ「人間も生きて行くのに地球が必要なことはわかるでしょう」
ジータ「たしかにそこまで馬鹿じゃないだろうな」

神様１「……わかったわい。様子を見るとするか」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:46:08.76

それから何百年も経った
神たちは下界と関わるのをやめた

教えなどは自分で作り、真面目にやってくように信じた

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:48:50.09

ノアの偉業は伝説になった
ノアの子孫であるニロは蛇神と友達になっていた

ニロ「お前、神様だったって本当かよ」
蛇神「ほんとうさ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:50:49.60

蛇神は大蛇となって言葉を話せるようになった

蛇神「お前はわたしが怖くないのか」
ニロ「会話できるしな、敵意ないのわかるから怖くないよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:54:10.97

ニロ「なんだって楽園からで出たんだい？」
蛇神「罪さ」
ニロ「罪？」

蛇神「イブって女に惚れてた」
ニロ「それが罪？」
蛇神「お前らに意思を与えたからだ」
ニロ「そんなの生まれた時から持ってる」
蛇神「ははは、そうだな」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 00:57:10.46

蛇神「俺はお前らに知識を与えるよ」
ニロ「感謝してるよ」

ニロは蛇神に色々教えてもらっていた

蛇神「俺もいつまでこうしていられるかわからないからな」
ニロ「うん」
蛇神「少ない時間でたくさんの情報を伝えるのはできない」
ニロ「それはそうだろ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:02:32.57

蛇神「お前に数字を教えてやる」
ニロ「数字？」
蛇神「数字を操ることを数学というのだ」

蛇は数字を口でかいて教えた

蛇神「コレを足したり引いたり欠けたり割ったりしろ」
ニロ「？？？」
蛇神「現実を仮定して、仮定の中で結果をだせる」
ニロ「つまり？」
蛇神「仮定の結果は現実でも同じように働くってことだ」
ニロ「よくわからん」
蛇神「とりあえず、やり方だけ覚えろ。それを伝えるのがお前の役目だ」
ニロ「わかった、得意そうなやつ探しとくよ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:05:26.55

やがてニロは大人になった
蛇神はどこかへ行ってしまった
ニロは蛇神に感謝していた。知識を与えてくれたことに

そして神を憎んだ。知識を与えようとしなかった彼らを
ニロにとっての神は蛇神だけであった

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:12:03.29

蛇神はいつも言っていた

蛇神「お前らにも知識をわけでやりたい。人間と神の差を無くすのがわたしのしたいことなんだ」
ニロ「なんでだ」
蛇神「人間と同じになれるからさ、わたしは人間になれないからね」
ニロ「人間は神になれるのか」
蛇神「さあね」

ニロ「もうイブは死んだんだろ？意味ないじゃんかそんなの」
蛇神「ははは、そんなことない。わたしのような奴が他にも出てくるかもしれないじゃないか。そいつのためにやるのさ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:17:23.99

ニロは神に戦いを挑むことに決めた
数学が得意になった奴を集めて神の楽園まで届く塔を作れるか計算させた
仮定では可能だと結果が出た

ニロはそれをバベルの塔と名付けた

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:19:15.47

バベルの塔は凄まじい速さで建設されていった

ニロには人望があった
彼の言葉は民衆によく響いた

民衆は彼を崇拝して崇めた

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:21:17.29

ジータ「おい、人間どもがなんかやってるぞ」
ポポロ「なにを焦ってるのよ」

冷や汗をかいているジータをみてポポロは笑った

ジータ「塔をつくってる。かなりの高さだ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:24:35.66

ポポロも下界を見てみた。驚いた

ポポロ「なによ、あれ」

バベルの塔はかなりの高さになっていた。天まで届きそうなくらいに

ジータ「ここまで届くくらい高い塔だ」
ポポロ「やばいわね、これ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:32:46.76

ジータ「人間にこんなことできるわけがない。教えがない奴らにできるのは狩りや農業くらいだ」
ポポロ「だれも下界とは関わってないわ。彼らに関わらないとルールを決めたもの」
ジータ「ん？あれなんだ。なんか書いているな。新しい言語を獲得したのか！ありえない」

必死に書きなぐってるインクの羅列をポポロは知っていた
あれは数字だ。蛇神が昔教えてくれたのだ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:34:42.36

蛇神「ポポロ。もし私たちが一斉に死んだらどうする」
ポポロ「どうしたの急に」

ポポロと蛇神はいつもベンチで星をみながら会話していた

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:40:00.63

ポポロ「終わりよ。人間たちも教え無くして生きていけなくなるわ」
蛇神「彼らは繁殖ができる」

ポポロ「自分たちで判断できるようにするってこと？価値観をつけるつもり？」
蛇神「まぁ、禁止されているな。あの果実を食べるのは」

ポポロは笑った

ポポロ「それでも無理よ。教えがないんだもの。狩りと殺し合い。作物の乱獲。自分の欲求に従うだけでいずれ死ぬわ。先のことなんて考えられないもの」

2017/09/28(木) 01:41:59.30

作文ぽ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:44:27.02

蛇神「こんなの考えてみたんだ」

蛇神は数字を地面に枝で書いた

蛇神「パズルに似ている。コレを組み合わせるとか外したりすることで結果が出る」
蛇神は数学について説明した

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:53:04.94

ポポロ「これは道具に近いわね」
蛇神「そうだ。この数字という範囲内なら彼らは進化できる可能性がある」

ポポロ「新しい発想は無理よ。わかるでしょう」
蛇神「人間が数学を理解すれば、私たちとの架け橋になる可能性もある」
ポポロ「どういうこと？」
蛇神「まぁ、いずれわかるさ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 01:58:08.69

ポポロはジータに数字のことは言わなかった
蛇神に危険が及ぶのは嫌だったからだ

数学で計算された塔は狂いなく正確に楽園へと伸びていっている
塔の前で少年が演説していた

ジータ「あの青年がリーダーか」
ポポロ「そうみたいね」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:03:24.93

ニロ
「わたしたちは彼らに戦いを挑む！見よ。この塔を！わたしたちに知識を与えた神のおかげだ。わたしたちには力がある。やつらに思い知らせてやるのだ。人間の底力を！」

民衆は完成をあげた

「大洪水でも起こすがいい！この塔は沈まない高さと、崩れはしない強固な作りになっている。計算によってそれは証明されているのだ！恐れることなんて何もない！」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:08:31.59

ジータ「すごいな。民衆も聞き惚れている」
ポポロ「……もともと人間は神にすがりつくようにプログラムされているわ。神がいなくなった今、神の代わりを探していたのよ」

ジータは感心した顔で言った

ジータ「それにしても上手い演説だ。声もよく通る。おれ以上だ」
ポポロ「彼はまだいいわ。神を騙ってないもの。そのうち偽物の神さまが名乗り出てくるわよ、きっとね」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:12:03.30

ジータ「別の神さまが出てくるくらいいいじゃねぇか。可愛いもんだぜ」
ポポロ「駄目よ。民衆が本当に神だと信じたらなんでもいうことを聞くようになる。下手したらわたしたちの教えも上書きされる可能性があるってことよ」

ジータ「とりあえず、あの塔は駄目だな。危険だ」
ポポロ「でも洪水はだめよ、洪水じゃ壊せない」

2017/09/28(木) 02:13:51.36

もしかして結構深い長編かぁヽ(・∀・)ノ

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:15:28.70

神様１「やはり、とんでもないやつらじゃ」

ジータ「お、死にかけのジジイがきたぞ」
ポポロ「お体は大丈夫なのですか」

神様１はゲホゲホと咳をした。咳には血が混じっていた。

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:19:37.34

神様１「可笑しいものじゃ。わしらは突然死で死ぬはずなのに、苦しめられるとは」
ポポロ「病気にかかるなんて初めてのケースですね」
神様１「まぁ、もう長くない。力を使ったらわしは死ぬじゃろう」

ジータ「おい！ジジイ！あの塔ぶっ壊してくれよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:23:58.44

神様１「無理じゃ、そんな力残ってないわい。どうせ壊しても奴らはまた塔を建てるじゃろ」

ジータは困った顔をした

ジータ「どうすんだよ！あいつらここまで来ちまうぞ」
ポポロ「まぁ、わたしたちは残り１０人足らずですからね。あの人数がきたらひとたまりもないです」

神様１「なぁに、奴らは無知な人間じゃよ。あの青年だけがちょっと賢いだけであとはなにも考えてはおらん」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:30:19.00

ジータ「どういうことだよ」
神様１「青年の言葉が伝わらなきゃいいだけじゃよ」

神様は杖を振りかざすとまばゆい光が世界を覆った。
すると民衆の言葉がいくつかに別れた

ポポロ「……言葉を変えたのですか！」
神様１「なに、言葉を奪ったのではない。認識を変えたのじゃ。クオリアじゃよ。彼らは喋れるが意味は通じないじゃろ」
ジータ「なんの意味があんだよ！」
神様１「わしの残りの力を振り絞って、できるだけ言語を分けた。見てみい」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:34:46.40

ニロの演説を民衆が聞けなくなってしまった
ニロも異変に気付いた。言葉が伝わってないと

ニロ「言葉を奪ったか！いや、話してるやつらもいるな。なるほど違う言葉に変えたのか」

ニロは言葉が伝わる側近をよんで伝えた
「これから言葉のすり合わせを始める。塔の完成には重要なことだ。明日から行おう」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:39:06.84

ジータ「あいつら、言葉を研究してまた来るぞ」
神様１「大丈夫じゃよ、げほ」
ジータ「なんでだよ！」
神様１「彼らはわしらのことなどどうでもよいからじゃ。塔の完成だって興味ないじゃろ。彼らが欲しかったのは崇拝する対象じゃよ。人間とはそういうふうにできているんじゃ。奴らは反射で動いているだけじゃよ」

ポポロ「もう貴方は死んでしまうのですね」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:42:07.86

ポポロは神様１の頭を膝に乗せた
神様１は青空を見ながらポポロと話した

神様１「わしは蛇神のやろうとしていたことがわかったかもしれん」
ポポロは驚いた。ポポロにも蛇神の目的がわからなかったからだ
「なにをしようとしていたのですか」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:48:25.35

神様１「人間を作ったのはわしじゃ。なぜ作ろうかと思ったかもわからん。偶発的にアイデアが浮かんだんじゃ」
ポポロ「はい」
神様１「しかし、わしよりあいつは人間に詳しいのかもしれない。わしらは一体、どうやって生まれてきたのじゃろうか」
神様１「あいつは、なぜ……ゲホ……げん…れるかのう……ってたのだ」

ジータ「ジジイ！しゃべんな。辛いだけだ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:52:34.37

神様１「大丈夫じゃ。すまん」
ポポロ「無理をなさらずに」

神様１はニヤリと笑った

神様１「あの青年は雷神トールに似ていたな。演説が上手い」
ポポロ「さようですね」
神様１「わしがいなくなっても人間の監視は行っておけ」
ポポロ「わかりました」
神様１「さらばじゃ」

そう言って神様１は息を引き取った

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:56:54.41

数ヶ月後

ジータ「本当にジジイの言うとおりになったな」
ポポロ「そうですね」

ニロの周りには数学者たちと言語が伝わるものしが残ってなかった
それ以外の言語を持つものたちは色々なものを争い、奪い、各地に散っていった

ニロたちだけでは塔の建設は無理だった。圧倒的に人手が足りない

やがて、ニロたちも死んでいって、塔も崩れてしまった
そしてさらに数百年の時が流れていくのであった

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/28(木) 02:59:00.14

>>120
結構、長くなるかもしれないっすw
いったん終わりにして、すこしずつ更新する予定っす

隠されたものってことなので前のスレもそうなのですがオカルトで書いてます
暇つぶしに読んでいただけるとありがたいです

2017/09/28(木) 03:06:48.75

おもしろいっす(^^)/
またつづきも楽しみにしてます
では、おやすみなさいませませ

2017/09/28(木) 06:17:56.06

聖書ってちゃんと学んだ事なかったから新鮮だわ

続きお願いします

2017/09/28(木) 07:05:54.89

＼
　￣ヽ、　　　_ノ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　｀'ｰ '´
　　　　　　○
　　　　　　　Ｏ

　　　　　　　　　　　　　　　　／───＼
　　　　　　　　　　　　　　ヾ　　　　　　　　ﾐ
　　　　　　─ミ─＼　／　　　　　ミミ　　　＼
　　　　／　　　　　　　　　　ミ　　　　　　　　　　丿
　　　／　　　　　　　／ヽ─　　　ヽ　　　　　　　　彡　　
　　／　　　　　　／　　　　＼lilili││/ヽ　　　　彡　　　　　
　ヽ　　ミ　　　/　　　　　　　│/　＼/　　＼　　　　彡　　と思う４３歳独身無職男性であった
　│　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　彡　　　　
　ミ　　ミ　　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　彡　　
　│　　　　│　／￣￣ヽ　　　　／￣￣ヽ　ヽ　　　　彡　　　
　　＼　　　│　　　／　|　　　　　　|＼　　　　　│　　　彡　　　
　　　　ソ　　│　／●ノ　　　　　　ヽ●＼　　　　ヽ　　彡　　　　　　
　　　　＼　　│　￣　　　　　　　　　　￣　　　　　│ヽ　ヽ　　　　
　　　　　　＼│　　　　　　/　　＼　　　　　　　　│∂│　　　
　　　　　　　│　　　　　　ヽ・=・ノ　　　　　　　　│ノ　　　　　
　　　　　　　　　ヽ　　　　　∪　　　　　　　　　　│　　　　　　　
　　　　　　　　　　│　　　　＿＿＿　　　　　　│　　　　　　
　　　　　　　　　　ヽ　　　⊂　　　　　⊃　　　/　　　　　
　　　　　　　　　　　│　　　∪￣￣　　　　ノ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　ミ　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　　ミヾ　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ミミヽﾐ　　

2017/09/28(木) 07:33:32.82

>>133
興味があるならホンモノも読んだ方がいいよ
特に登場人物の名前の違いははそのまま文化と歴史の削ぎ落としになるから
一度は元のヤツを読まないと
一番大切な事が伝わらない

でも理解できると、過去と現在と未来を多少は理解できるようになるよ
(オカルトではなく知識的に)

2017/09/28(木) 09:32:10.40

https://youtu.be/Dpx83IeK7Hs

2017/09/28(木) 10:47:44.02

略してセカヒミ

2017/09/28(木) 11:26:36.95

第1部アダムとイブと禁断の果実
>>2-62

第2部ノアの箱船とポポロの願い
>>65-98

第3部ニロの塔蛇との出会い
>>99-130

2017/09/28(木) 11:28:42.43

先生の次回作にご期待下さい

2017/09/28(木) 20:37:25.55

https://i.imgur.com/ynZsypu.jpg

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 01:47:39.05

>>132
ありがとう、がんばりますー
嬉しいっす！

>>133
聖書をわかりやすくしたわけじゃなくて、ショートストーリーなんだ
実は俺も聖書あんまり詳しくないよw

>>135
聖書も旧約とか新約とかわかりずらいよー
俺のSSも暇つぶしに見てね！

>>137
愛を叫ぶ！

>>138
タイトルいいね！見やすくてありがたいっす！
助かります！

>>140
悲しい気持ちになったよ、やめてねw

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 01:55:01.68

ニロの死後、各地に散らばった人々は街を形成して国をつくった
ある街の、ある小屋に一人の女性がいた

女「生まれるわ」

女性から男の子が生まれました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 01:57:09.59

イエニスタ「オギャー！」

女性はイエニスタに微笑みました

女「元気な子ね、健やかに育つのよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:00:25.20

イエニスタが３歳になると女性は大工のおっさんにイエニスタを預けました

女　　　「この子を宜しくお願いします」
おっさん「はいよー」

おっさんとイエニスタは一緒に暮らすことになりました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:02:21.29

イエニスタはやがて青年になりました
子供たちとサッカーをして遊んでいます

イエニスタ「こい、へたくそども」
子供達　　「へたくそじゃないやい！」

イエニスタと子供達は仲良しでした

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:10:33.59

おっさん　「イエニスタ！大工の仕事があるだろう」
イエニスタ「嫌です、父上。仕事の気分ではないのです」

イエニスタはそう言うと、子供達にさよならをして颯爽と街中へ消えて行きました

2017/09/29(金) 02:14:35.65

あ～そんで殺されたみたいなもんなんかな？

この辺からも少し追ってみるか

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:14:48.77

イエニスタは仕事に疑問を感じていました
イエニスタは人々を観察するのが好きでした

イエニスタ「みな、金のために働いているのだ」
商人たちをみてイエニスタはつぶやきました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:20:02.53

イエニスタの家は貧乏でした
なのでお金を稼がなければ生きていけないということはわかっていました

イエニスタはそれが嫌だったのです
人々はお金を稼ぐことを重視して、自分がしている仕事がどのような役割を果たしているかを考えようともしないことが嫌だったのです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:21:53.25

ボッタクリなんて日常茶飯事です。みんなやっています。
お金をたくさん稼ぐには当たり前のことです。

安く仕入れて、高く売る

商売の基本なのです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:28:23.52

イエニスタは賢かったので仕組みが分かっていました。

市場に出回ってる銀貨の数はある程度一定なので、お金持ちになるということは周りの人が貧乏になるということに

富は無限にあるわけではないのです
水だって、お日様だって、空気だって有限なのです

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:35:41.72

分け合わなければならないのです。それが愛だとイエニスタは感じていました

イエニスタ「商売の本質は、私が考えるに流通の役割だ」
イエニスタ「金を稼ごうとすると流通が滞る。ボッタクリのせいで私の家ではミルクが買えない」
イエニスタ「ミルクの原価は調べた。流通でかかる費用を考えても、わたしの給料で十分買える値段だ」
イエニスタ「そのため働くことが問題の解決に繋がると思わないので、働く気が起きないのだ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:39:25.01

イエニスタは草原へと向かいました
馬や羊たちが牧草を食べていました

イエニスタ「やつらは完璧だ。完璧な仕事をしている」
豚と羊　　「むしゃむしゃ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:48:22.96

イエニスタ「やつらには欲望がないのだ。必要なことしかしない」
イエニスタ「いや、違うな。善、悪の基準がないのだ」
イエニスタ「ただ草を食うだけの欲望。寝るだけの欲望」
イエニスタ「いや、欲望ですらないのかもしれない」
イエニスタ「人間は善、悪の基準がある」
イエニスタ「しかもその基準は極めて各、個人的なものだ」
イエニスタ「金もうけをしてるやつらは善の行為だと言い張るだろう」
イエニスタ「ローマを駄目にしてるというのに」
イエニスタ「神たちはなぜ、わたしたちを豚や羊のように完璧に作らなかったのだろうか」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:56:24.12

イエニスタはここ数年、ずっと独り言をしてます
話し相手が居ないのです

イエニスタ「神よ、わたしにいったいどうしろというのですか」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 02:58:41.46

イエニスタは目を疑いました
空から人型の何かが降りてきたのです

イエニスタ「……神様？」

その神様は筋肉質で屈強な男でした

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:03:52.15

屈強な男はイエニスタに言いました

ジータ　　「おい、人間。羊を一頭もらっていくぞ」
イエニスタ「わたしの羊ではありません」

ジータは呆れた顔をしました

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:09:53.09

ジータ　　「俺は神だ。お前は人間だ。わかるな？」
イエニスタ「はい」
ジータ　　「たった今、お前は人間代表になった。俺が決めた。良かったな！」
イエニスタ「左様でございますか」
ジータ　　「羊はもらっていくぞ」
イエニスタ「……わかりました」

イエニスタ「そのかわりお願いがあるのです」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:28:28.49

ジータ　　「羊一頭分なら聞いてやる」
イニエスタ「教えて欲しいことがあるのです」

ジータは早く帰りたかった
ジータ「なんだ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:31:34.86

イエニスタ「なぜ人間を完璧に作ってくれなかったのですか」
ジータ　　「なんだ？神にでもなりたかったのか」

イエニスタは羊を指差して言った
「わたしたちは羊よりもタチが悪い」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:33:49.30

ジータ　　「よくわかってんじゃねぇか」
イエニスタ「なぜなのです！」

ジータは笑いながら言った
「そりゃお前さんの祖先が善悪の実を食っちまったからだよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:40:49.36

イエニスタ「善悪の実？」
ジータ　　「そうさ、禁断の果実。俺たちは食うなと言ったのにな」
イエニスタ「なぜ食べてしまったのですか」
ジータ　　「知るか。美味そうだったんだとさ」

ジータはため息をついた
「俺らはお前さんたちを完璧に作った。禁断の果実を食ったのはお前さんたちの罪だ。最初の罪だよ。きっといろいろなものをお前さんたちは駄目にするよ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:44:01.65

イエニスタ「……わたしたちの罪」
ジータ　　「そういうこった。俺はもう帰るからな。じゃあな」
イエニスタ「待ってください！わたしは何をすればいいのですか」

ジータ　　「お前たちで考えろ。もう俺らの手に負えないからな。罪を悔い改めるんだな」

そう言ってジータは空にある楽園へと帰って行った

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:48:23.00

イエニスタは夕焼けを見て言った

「なんてことだ。神はわたしたちを完璧に作ったのに、わたしたちが自分たちを不完全にしたというのか」

イエニスタ羊たちに言った

「お前たちは羊飼いの教えに従っているのだろうが、わたしたちに教えをくれる神はもういないのだ」

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/09/29(金) 03:52:59.96

イエニスタは宗教をやろうと決めた
草原から街中へと戻ったのだが、いつもと景色が違って見えた

子供達　　「イエニスタ！サッカーやろうぜ！」
イエニスタ「もうじき、夜になる。家に帰りなさい」

イエニスタはいつものように微笑んだ
そして自分の家の扉を開けたのであった

2017/09/29(金) 17:08:20.66

https://ameblo.jp/saryi6730/entry-12285382858.html

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2017/09/29(金) 18:33:48.79

神に会ったことでイエニスタがいきなり大人びてきた
これが悟りってやつだろうか

2017/09/30(土) 10:28:15.39

続き、楽しみにしてます！(´ー｀)ノ

2017/09/30(土) 18:22:10.84

アタマジャクシとカエルの子

2017/10/01(日) 02:19:47.45

1は妄想書いてくよーの人？

2017/10/02(月) 00:58:56.28

聖書話は読めば読むほど手詰まり感で虚しくなる

1 ◆v18ZpmM4CE **＠無断転載は禁止** · 2017/10/02(月) 01:13:48.95

すみません
最近忙しいので更新遅くなります
１０月半ばは時間あるので一気に行きたいなぁと思います

コメントありがとうございます
読んでくれ人がいるうちは頑張りたいと思います
ではでは

**本当にあった怖い名無し** · 2017/10/02(月) 14:56:44.34

これは続きが読みたい

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 18:58:58.75

イエニスタは父に言った

イエニスタ「父上、わたしは宗教をやります」
おっさん「なんだって？」
イエニスタ「大工はやめます」
おっさん「……そうか」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:07:11.82

おっさん「普通に生きるということはいいことなんだがなぁ」
イエニスタ「……」
おっさん「いつかこうなる気はしていたよ」
イエニスタ「すみません、父上」
おっさん「いいんだ。わたしが洗礼を与えてやろう、行くがよい」

こうしてイエニスタは旅にでました

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:11:34.17

宣教するためには次の街に行かなくてはなりませんでした
次の街は商人たちでも長い時間がかかる道のりで、広い荒野でした

イエニスタは一人で歩いていました

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:16:40.65

数日が経ち、食料が無くなりました
そこらへんの草や、雨水でイエニスタは空腹をしのぎました

イエニスタ「いったい私になにができるというのか」
イエニスタ「このままではやがて飢えで死ぬ」
イエニスタ「死ぬのは怖くない」
イエニスタ「しかし、意味がないことは嫌いなのだ」
イエニスタ「父上の元に戻って、普通の暮らしをするべきだろうか」
イエニスタ「そちらの方が、有意義なのだろうか」
イエニスタ「私の言葉は人々に伝わるのだろうか」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:19:16.10

空腹のせいか、独り言が進みます
杖をつきながらヨタヨタとイエニスタは歩き続けました

イエニスタ「ついに幻覚を見るようになったか」

イエニスタは目の前にある風景に驚きました

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:22:36.67

一本の大樹がありました
大蛇がその大樹に巻きついていました

その蛇はイエニスタの５倍ほどの大きさでした

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:25:41.00

イエニスタ「……悪魔の使いだろうか」
蛇神「失礼なやつだな、どうしたんだこんな荒野に」

蛇神はイエニスタに尋ねました

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 19:33:16.85

イエニスタ「わたしは宣教をするためにこの広い荒野を越えなければならないのだ」
蛇神「宣教だって？なにを教えるというんだ、ははは」

イエニスタは蛇神を睨んだ

イエニスタ「悔い改めることだ。人間というのは教えがないと生きていけないから、わたしが教えるんだ」
蛇神「教えなどなくても、人間は生きていけるさ」
イエニスタ「いや、違うね」
イエニスタ「みな、王様や貴族や商人の教えに従ってるのさ」
イエニスタ「あんなものは教えではない。欲望の塊にすぎないのだ」

蛇神「……おしゃべりなやつだな、ははは」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:30:49.73

イエニスタ「わたしの頭はどうかしてしまったのだろうか、蛇が喋るとは不思議だ」
蛇神「まぁ、いろいろあってな」

蛇神は舌をチロチロさせながら言った

蛇神「宣教なんてやめたらどうだ。お前にはお前の人生がある。器用に生きるべきだ」
イエニスタ「なんだと」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:37:17.89

蛇神「今の自分を見ろ。ボロボロではないか。自分を救えないやつが人を救うというのか」
イエニスタ「私は私のやりたいようにやるのだ。人のためだけではない」

蛇神「この荒野は広いぞ。引き返した方がいい。商人は馬車を使うから越えられるのだ。歩いていくには険しすぎる」
蛇神「まぁ、そのおかげで私に会えたのだがな」

イエニスタ「私の道をどう進もうと、私の勝手だ。私は馬を使わないと決めたのだ」
イエニスタ「悪魔の手先め。私はもう行くぞ」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:40:15.01

蛇神「まぁ、待て」

蛇神は大樹になっている果実をイエニスタの前に差し出した

蛇神「もっていけ。ビタミン不足で病気になるぞ。荒野を超えるには必要なものだ」
イエニスタ「いらぬ」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:43:24.83

イエニスタは蛇神を無視して先へ進んだ

イエニスタ「幻め。私はだまされんぞ」
イエニスタ「ビタミンとはなんだ。聞いたこともない」
イエニスタ「呪いの言葉だろうか」
イエニスタ「確かにこの荒野は危険だ」
イエニスタ「もし私がこの広い荒野を越えられたら宣教をしよう」
イエニスタ「それは神の意志だ」
イエニスタ「私の中に宿る、神の意志なのだ」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:45:24.71

イエニスタはそれから一ヶ月ほどかけて荒野を抜けた
イエニスタはもう迷わなかった
幻も見ることはなかった

イエニスタ「さて、宣教を始めるとするか」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:47:10.45

それは大きな街だった
街と街が連なる帝国だった
富めるものや貧しいものたちが混ざり合ってた

イエニスタは説いた

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 20:58:51.00

イエニスタ「皆の者、聞け！」

イエニスタは街中で説いた

イエニスタ「わたしたちは罪を犯したのだ。楽園を追放された。悔い改めなければならない」
イエニスタ「禁断の果実を口にして価値観を手にして、皆、欲望を身につけた」
イエニスタ「富める者も貧しいものもみな、同じだ！すべてに価値がない！」
イエニスタ「神を信じるのだ！王も貴族も神ではない！

イエニスタ「わたしたちは神のいる楽園に帰らなければならない」
イエニスタ「この世界は混沌であるからだ」
イエニスタ「今までのわたしたちを悔い改めて、原罪を犯す前のわたしたちに戻れば！」
イエニスタ「神はきっと赦してくださる！」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:06:32.16

民衆「何言ってやがるんだ、俺たちが王や貴族と同じだって！？」
イエニスタ「そうだ」

民衆「やつらは血筋が違う。エリートなんだ。俺たちとは違う！」
民衆「いうことを聞くのが世の理だ！」

イエニスタ「いや、違う」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:13:37.84

イエニスタ「あなたたちは偶像を崇拝しているにすぎない」
イエニスタ「彼らは金を持っているだけだ。生まれた時にいい家に生まれただけだ」
イエニスタ「人間は結局、人間なのだ」
イエニスタ「人間は平等なのだ」

イエニスタの教えに涙する者もいた
当時の世界情勢は貧しいものに厳しい社会だったからだ
貧しいものは人間扱いされることすらなかった
だからイエニスタに皆、平等と言われて涙したのだ
自分が人間であるということに感涙したのである

イエニスタは貧しいものたちから支持されるようになった

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:25:45.62

民衆「わたしたちのようなものでも赦されるのですか」
イエニスタ「ああ」

イエニスタは人間に違いなどないと思っていた
神に赦されるかどうかはわからなかったが
貧しい人には救いが必要であると思ったから、赦されると答えた

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:29:53.87

イエニスタは町から町へと旅をして殉教者を増やしていった
弟子もできたりした

イエニスタを良く思わない人たちも出てきた

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:35:36.01

実は神のもとへ帰るという宗教は他にもあったのだ
時代の流れなのか人間の中にプログラムされていたものなのかはわからないが、近い考え方をするものが同時多発的に現れたのである

ファザー教というものがあった
父のもとへ帰るという宗教で、厳しい規律でそれを守ることによって禁断の果実の呪縛から逃れるという考えの宗教だった

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:42:32.36

イエニスタの宗教は貧しいものたちが集まっていた
イエニスタは自分の宗教をシャイン教と名付けた

ファザー教はイエニスタが貧しいものと関わることが許せなかった
ファザー教は寺院と民衆からなるものだった

ファザー教は自分たちに近い教えを、イエニスタが貧しいものたちに教えるのが許せなかったのである
貧しいものたちなど救う必要などないと思っていたのだ

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:51:55.14

イエニスタの弟子たちは貧しいものたちだったのでファザー教のような規律や作法をしらなかった

ファザー教「シャイン教よ、お前らは食事が終わっても口を拭かないのだな。楽園に帰る資格などない」
ファザー教「禁断の果実の毒は抜けてないようだ。好き勝手やっているのだな、お前らは」

シャイン教の教徒たちは自分を恥じた。作法なんて今まで気にしなかったからだ
シャイン教「わたしたちより、彼らの方が楽園に帰るのにふさわしいのかもしれない」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:57:27.49

ファザー教はシャイン教を恐れていた
シャイン教の数が多かったのだ

実は帝国の転覆を願っているものもシャイン教に加わっていた
帝国に依存しているファザー教にとっては邪魔でしかなかった

ファザー教「あなたたちには楽園に帰る資格などないのです」
ファザー教「イエニスタ、あなたはどう思っているのですか？」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 21:59:36.55

イエニスタは静かに怒っていた
しかし、それは自分の宗教を馬鹿にされたことにではなかった

イエニスタ「あなたたちは糞だ。腐った臓物だ」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 22:05:30.57

ファザー教「なんですって？」
イエニスタ「腐った臓物だといったのです」

ファザー教「いかがわしい言葉を使うのですね、いかがわしいものたちと関わっているせいかしら？」
シャイン教「イエニスタ様、おやめください」

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 22:08:06.05

イエニスタ「規律を守って、さぞ、鼻がたかいことでしょうな」
ファザー教「当たり前でのことです。できないシャイン教を軽蔑しますわ」

ファザー教は笑いながら言った

1 ◆v18ZpmM4CE · 2017/10/03(火) 22:10:32.82

イエニスタ「わたしたちのことを見下しておられるのですか」
ファザー教「当たり前じゃないですか」
イエニスタ「わたしたちを見下ろしていいのは神様だけではないでしょうか」

イエニスタはニヤリと笑った