(中略)とはいえ安倍も、米国から言われて中国包囲網の主導役をやる姿勢を引き受けるたびに中国に対して敵視していません
という信号を送り、日中関係を悪化させないようにしている。
安倍は米国から中国敵視の主導役を肩代わりしろと命じられると色よい返事をするが、実際には中国を敵視せず融和してしまう
ことを繰り返している。米国側は安倍が二枚舌であることをよく知っているはずなのに、今回も安倍に中国敵視役を頼んでいる。
その一方でトランプ自身は、中国を訪問して習近平を偉大な指導者だと持ち上げ、中国と仲良くしてしまっている。現実としては
安倍もトランプも中国を敵視していない。中国敵視は安倍とトランプが演じる政治の茶番劇を真に受けて報道している日米のマスコミ
報道の中にあるだけだ。
(中略)トランプはアジアの人々に「対米従属なんかやめちまえ。もっと自分らしく生きた方が発展できるよ」と言ったわけだ。
この姿勢は実のところ、第二次大戦前(軍産支配以前)の米国の、アジアに対する姿勢でもある。

(中略)琉球王国は中国に従属する一方、日本(薩摩藩=帝国側)にも江戸開幕後に攻められ、日中両方に従属していた。
中国と日本の両方にいい顔をしていた琉球王国は、米国と中国の両方にいい顔をしている現代の安倍晋三と似ている
(安倍は、琉球に米軍基地を押しつけて虐めまくっているが)。
安倍は、今年中に日中韓の首相会合を日本で開き、来年には習近平(中国皇帝)に訪日してもらいたい。対米従属したま
ま中国と協調したがる安倍の策は、琉球王国的な「米中両属」なのか。それとも日本を、米国と中国の間に位置する海洋アジア圏
(日豪亜+印?)の(豪州などと並ぶ)盟主として位置づけ、日本が米中と肩を並べうる大国として生きていくことを意味するのか。
繁栄を維持するには後者の方だ。

※雛形論では沖縄が日本に照応している点を見ると意味深。琉球(=日本)を支配した薩摩(=一極派)が
衰退していくことを踏まえると、「もしも琉球(=日本)が薩摩勢(=一極派)に支配されなかったら」という歴史のif
が今後展開されうる。恐らく琉球は中国と日本や東南アジアとのハブをずっと続けていただろう。
今後の日本が受け持つ貿易ハブ機能は琉球のハブ機能よりも広範囲だ。ロシアの貿易ハブもやるから。