>>631
つづき
『その手帳は遺書やったんかのう。気持ちを整理するために書くだけ書いておいていったゆうこともあったかもしれんのう。ぼくにはまだわからんやろうけどのう。』
『それで、その手帳はどうしたん?』私
『手帳も合羽もピッケルも持って帰ったで。ピッケルはその手帳を持っとった人のものかはわからんかったけどな。その住所に手紙を出したんやけどとどかんかったわい。電話もなかったしな。』

  そこに置く 朱の登山帽 雲と行く