長くてごめん

到着して、遊歩道を歩きながら進んで行くと、母が声を上げた
見ると夢に見た小さな祠と同じだと言う
誰も手入れをしていないようで、ボロボロになって、中には小さなお地蔵さん
やはり肩のあたりががっつり破損していた

しかし治すなんて言ってもどうしようもない
仕方ないから祠の上には大判のハンカチを掛け、飛ばないように石を乗せ、お地蔵さんには手ぬぐいを巻いて手を合わせ、どうしたもんかと考えた
近くに知り合いもある訳でないから、困ったんだけど、とりあえずまた来ますとお地蔵さんに伝え下山

車に乗ろうとしたとこで、地元の人っぽいおっさんに会う
意を決して声を掛けて、夢の話とここであったことを伝えると、おっさんはびっくりしていたけど、信じてくれて、じゃあ町会?だかに話しておくと言ってくれたのでお礼を伝えその場を離れた

数ヶ月後、またドライブがてら様子を見に行ったら、祠は綺麗に屋根をつけてもらい、お地蔵さんも治療してもらってた
綺麗なお花やお茶も供えられていて、誰かがちゃんと管理してくれてたみたい

また下山すると、あの時とは別の地元のおばあちゃんがいたので、父が話を聞くと、おっさんがすぐに話して祠も直してくれたみたい
地域の人が山菜取りやらなんかの時についでだからねぇってお参りもしてくれるようになったとか
ただそれまでそんなとこに祠があるって誰も知らなかったとか
そんな奥まったとこでもないし目立つのにねぇって地域の人達も不思議だったとか

また行きたいけど、母も詳しい場所を忘れてしまったし、父ももういないのでもう行けないけど、あのお地蔵さんが今でも大事にされてたらいいんだけどな