鳥の目には「クリプトクロム」というタンパク質を含んだ特殊な視覚細胞が存在することが明らかになった。
光子が目に入り、クリプトクロムにぶつかると、「量子もつれの状態で存在する電子」にエネルギーが供給される。

その結果、2つの電子の一方が、数ナノメートル離れ、対になっているもう一方の電子とは少しだけ異なる磁場を感知する。
磁場がこの電子のスピンをどのように変化させるかによって、さまざまに異なる化学反応が生じる。
理論上は、鳥類の目の全体で生じるこうした化学反応の多くが、地球の磁場を、さまざまに変化する光と影のパターンとして描き出していると考えられる。

地球磁場のほかにもう1つ振動磁場の影響が加わると、コマドリの体内コンパスは正常に働かなくなることが証明された。
この2つ目の磁場はごく弱く、「地球磁場の1%」の3分の1にも満たないため、それが影響を与えたとすれば、量子に感度を持つ何らかのシステム以外には考えられない。

https://wired.jp/2011/02/03/