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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
世界で容易に入手でき、頻繁に売買され、貿易決済などに使われている通貨。「メジャー通貨」「国際通貨」などとよばれることもある。
明確な定義はないが、
(1)外国為替(かわせ)市場での取引量や取引参加者が多い、
(2)流動性が高いため容易に入手でき、容易に他通貨に交換でき、貿易の決済に使われることが多い、
(3)変動相場制度を採用している、
(4)信用度が高く、外貨準備に採用する国・地域が多い、
(5)その通貨をもつ国・地域の国内総生産(GDP)や貿易量が多い、などの条件を満たす通貨をさす。具体的には、アメリカ・ドル、ユーロ、日本円、イギリス・ポンドが該当し、これにスイス・フランを加える考え方もある。
外国為替市場の関係者の間では、さらにオーストラリア・ドルとカナダ・ドルを加える考え方もある。国際通貨基金(IMF)は、外貨準備を補うために設けている合成通貨「SDR(特別引出権)」を構成する通貨を主要通貨と位置づけており、従来はアメリカ・ドル、ユーロ、日本円、イギリス・ポンドの4通貨をさしたが、2016年10月からは中国元が加わる。
 一般に外国為替市場には、主要通貨とマイナー通貨という区分があり、主要通貨以外はすべてマイナー通貨と考えられている。マイナー通貨は、流動性に欠けるだけでなく、信用面で問題が発生するおそれがある。