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http://w3iser.iser.osaka-u.ac.jp/~ohtake/ippan/sanseiken050801.pdf
なぜ女性は背の高い男性を好むのか?

Persicoらは、身長が1インチ伸びると賃金が何パーセント高くなるかを明らかにするた
めに計量経済学的な分析を行っている。その結果、1インチ身長が高いと、イギリス人男性
では時間当たり賃金が2.2%高くなり、アメリカ人の白人男性では1.8%高くなることを示している。
アメリカやイギリスの成人男性で身長が低い方から25%のグループと高い方から25%のグループで
賃金を比較すれば、その差は13%以上にもなるという。彼らによれば、
アメリカ男性における黒人と白人の賃金格差は約15%であり、男女間賃金格差は約20%で
あるという。つまり、身長による賃金格差は、人種間賃金格差や男女間賃金格差に匹敵するのである。

では、日本でも身長プレミアムは観察されるのだろうか。
筆者らが行っている大阪大学21世紀COEアンケートでは、賃金に加えて身長や体重も調査している。
このデータを用いて日本の男性に身長プレミアムが存在するかどうかを
大阪大学大学院の福澤洋樹が検証している。

彼の暫定的な研究成果によれば、学歴、勤続年数、企業規模、親の学歴、育った家庭の
生活水準などをコントロールしたとしても、1センチ身長が高くなると時間当たり賃金は
約1.5%高くなるという身長プレミアムが観測された。アメリカやイギリスでは、
1インチあたり 2%程度の身長プレミアムであるから、日本身長プレミアムは
アメリカやイギリスよりも遙かに大きい。1センチで1.5%であるから、10センチでの
身長差は15%の 賃金格差を、20センチの身長差は30%もの賃金格差を生むことになる。
にわかには信じられないくらいの身長プレミアムの大きさである。