◎雑記編
◆ケトルベルについてはどう思います?
もしフリーウェイトとの併用を考えるなら、ケトルベルを勧める。
古代人(ローマ軍、ケルト人、少林寺の修道士etc)も手に「重り」
を持って自重を補完した。ただし、それはカール目的ではなく、荷重目的で。
ケトルベルはこの精神を受け継いでいる!
ケトルベルは、片足スクワット、プルアップ、ブリッジ、シットアップ
なんかと簡単に組み合わせられる。
ベンチプレスやショルダープレスの「外に広がる肘」はとても害が多い
(CCのp260あたりの記事参照)。ケトルベルを押したり引いたりすることは、
腕や手首、肘の自由度を奪わないため、他のフリーウェイトより怪我をしにくい。

◆体操トレーニングはどう思いますか?
体操選手とその技には敬意を払っている。
しかし、刑務所内の"Progressive calisthenics"と体操は源流は同一だとしても、
その目的が異なる。
"Progressive calisthenics"は難易度の高い複合的技術を駆使して、
可能な限りの筋力と筋肉を構築するための「ソロ」トレーニングである。
体操は運動の難しさと美しさを競い合うスポーツである。
目的が異なればトレーニング内容も異なる。
囚人は柔軟性やバランスよりも怪力を重視するために、逆立ちでは壁や
角を利用する。体操選手はバランスも重視する(から壁無しで逆立ちする)。
CCの大部分は、規則正しいスピードで行われるが、体操では低速、高速、
動的、静的と広範囲で変化に富んだ訓練を行う。
体操はより難易度が高く複雑だ。
CCはあくまで基礎トレーニングである。
どちらが優れているということではなく、両者は異なるものである。
(CCの写真モデルは、どうやら元体操選手のようです)

◆プッシュアップバーについては?
腕立てをするのには床で十分だ。
サプリメントや雑誌やプッシュアップバーは財布を軽くするための役には立つ。
重いベンチプレスをする人は、全員肘や手首の問題に悩まされている。
負荷を受けて腕を伸ばしつつしっかりと握るのは不自然な動作だ。
人が何かを押す時、平らな手で押す。手を握って推すことはない。
握りこんで押すことは、前腕と肘に余分な負荷をかける。
体操で必要だという場合は除き、プッシュアップの強度を上げるために
買うのはやめておきなさい。

◆柔軟性についてはどう考えますか?
ストレッチには受動的なものと動的なものがある。
受動的ストレッチでは外力(重力、おもり、勢い、他の手を使って押す、
マシンなど)を使ってリラックスした筋肉や軟組織を引き伸ばす。
動的ストレッチは内的な力(主動筋)を利用して可動域を広げる。
例えば、誰かに脚を持ち上げてもらってハムストリングスを伸ばすのは
受動的ストレッチである。自分の腰と大腿四頭筋の力でゆっくりと脚を
持ち上げてハムストリングスを伸ばすのは動的ストレッチである。
運動時に筋肉が伸びる時、体が完全にリラックスしていることはない。
蹴りの動作中に脚の筋肉がリラックスしていることはないし、パンチを
放つ時に腕や肩がリラックスしていることはない。
そんなことがあれば怪我をすることになる。
受動的ストレッチは、治療やリラクゼーション目的には適っているが、
運動のパフォーマンス向上や怪我防止には動的ストレッチをやるべきだ。
体の全面を伸ばしたいなら、体の後ろ側を収縮させる、つまりブリッジを
するべき。
勢いをつけて筋肉を伸ばすことは、可動域以上に筋肉を伸ばすことになる。
これを望ましいこととみている人もいるが、実際には人体に有害な動きのパターンを神経系が構築してしまう。
筋肉を緊張させながら伸ばすことは、健康的な可動域での動作を保証し、強力な腱と関節を構築する。
ブリッジ、レッグレイズ、プッシュアップ、スクワット、これらは最も安全で機能的な柔軟トレーニングである。
詳細はCC2で。