「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」

http://www.asahi.com/articles/ASKDD0C4SKDCUTQP03H.html

カールアップを指導するマックギル名誉教授(左)。腹筋に力を入れ、
首を固定したうえで胸部を屈曲させる
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腹筋を鍛える運動としてよく知られる「上体起こし」。
一般的に「腹筋運動」と呼ばれるこの動作を何度も繰り返すことが、
腰痛の原因になるとして、やめさせる動きが、バスケットボール界などで広がってきている。

日本バスケットボール協会では昨年から、指導者養成の場で上体起こしを
「推奨できないトレーニング方法」として周知を進めている。
全国を9地域に分けて選抜した小学生や指導者を集めた研修会や、
年代別の日本代表の強化などで、専門のコーチが伝えている。

協会が参考にしたのが、
カナダ・ウォータールー大のスチュアート・マックギル名誉教授の研究だ。
ひざを曲げた状態か、伸ばした状態かに関わらず、
上体起こしで脊椎(せきつい)が圧迫される力は、
米国立労働安全衛生研究所が定めた腰痛につながる基準値と
同等だとする研究結果を発表した。何度も繰り返すことで、
背骨の間の椎間板(ついかんばん)を痛めるという。

一流選手に腰痛対策を指導してきた経験からも、
「背骨の形状などによって個人差はあるが、力がかかった状態で腰を曲げ伸ばしすると
ヘルニアなどの障害が起きる。できるだけ背骨を摩耗しない方法で
腹筋を鍛える方が腰痛のリスクは少ない」と話す。代わりに、
腰は動かさずに腹筋を収縮させて胸部を曲げる「カールアップ」などを推奨している。