0001創る名無しに見る名無し
2023/07/14(金) 00:28:01.58ID:vnUAtJ98僕にはさっぱり読めない、文字というより記号に近いそれは、神父の祈りの言葉が終わると同時に動きを止めた。見えない何者かがペンを取り、祈祷に合わせて何かを綴りペンを置いた。そんなふうに見えなくもないな、等と思いながらぼんやり眺めていると、どろりと文字が溶けて無くなってしまった。
「あなたの魔術を授かる儀式は無事に完了しましたよ」
「ありがとうございます。それで、僕の魔術って一体なんなんですか?もう楽しみで仕方がなくて」
がっつく僕に神父は微笑んだ。
「ふふ、落ち着いて。魔術は逃げませんから……まあ、かくいう私も魔術を授かる時は大はしゃぎしたものです」
「にこやかな神父さんのはしゃぐところ……ちょっと想像できないです」
「まあ、昔の話ですから……さて、本題に戻りましょう。あなたの授かった魔法はーーーー」
神父がそこまで言ったところで、僕は不意に浮遊感を覚えた。見ると、僕らの足元が崩れ、真っ暗な奈落が口を開けていた。床の崩れはどんどん広がり、僕は寒気がする程の暗闇に飲み込まれていった。
>>4 主人公の魔法の系統(チート、現代科学系無し。これらの場合再安価)