ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【242】
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オリジナルの文章を随時募集中!
点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!
評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする(例外あり)!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!
ここまでの最高得点79点!(`・ω・´)
前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【241】
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1684632447/ 「読みやすい」の行き着いた先がラノベなんじゃないの?
知らんけどw >>331
心理くん?
感謝は強要するもんじゃないな >合わないならスルーすりゃいいだけじゃん
ID:aUp+uKOdの好きなように書けばいい
読みにくくしたきゃそうすればいい
基本は改行して句読点入れて
読みやすくするほうが正解だが
おまえはしなくていい >>334
>ID:aUp+uKOd
作者でない奴がここまで必死になるかw
だったらお前異常だよ >>297
>意図して書いた
本人じゃないなら、「意図して書いた」と言わず
客観的表現で「意図して書かれたであろう」というべき
「意図して書いた」は作者の主観だ >>339
>おまえも野次馬のひとりなんだけどなw
違うな
お前は評価のレスをせずヤジ入れてるだけだが
俺は読んで、「改行して句読点入れて読みやすくすべき」だと
アドバイスをしたので野次馬ではない 句読点がないので、所々で「ぎなた読み」になってしまい
本編に感情移入していけない
なので、改行せず句読点入れないのを
銃で不幸になる主観の感情表現として書いたつもりなのだろうが
それは成功してないという評価だ ID:aUp+uKOdは、「作者ではない」と言い張って
>>290の作為を擁護し続けるなら
なぜ>>290を読んで感想でもレスしてやらないのか謎だなw
自演になるからできないか? >「改行して句読点入れて読みやすくすべき」だとアドバイスをした
わざわざそう書いてんのにそれを無視したレスってアドバイスになってんのか?
野次馬以下だろw わざわざそう書いてんのが文章を書く基本ができてない失敗例だと言ってくれてるんだろ馬鹿かお前は ワイさんをはじめ全員が「これは読みにくい! 読んでほしいなら直せ!」と思ってるのがわからんのか作者は! >>347
第1話
>ただの1か所も皮膚を露出する部分もない、斜めに交差する面と稜線でできている。
(輪郭でいいのでは!)
最初の男の説明が少し意味の重複に見えた!
リビングアーマーの視線で描写しているのであれば、頭から始まり順に進んで靴で終わった方が自然に思える!
第2話
>家で寝て居たご老人
(リビングアーマーの視点で語られていた! 要するに一人称! 他の人々は見た目で判断できる!
ただし老人の場合、家で寝ていた! どうしてわかったのか! 視点がぶれているように見える!)
>力みしすぎて間違ったか
(力みすぎて、でよい!)
第3話
特に問題になるところはなかった!
第4話
>2段ベット。
(2段ベッド!)
>フィーネは洗ってて」
(フィーナでは!)
第5話
特に問題になるところはなかった!
第6話
>青年の頭が血しぶきを上げ、弾け飛んだる。
(打ちミスの類いだろうか!)
第7話
全てを読んだ!
リビングアーマーを生み出した元の所有者は男によって殺された!
所有者を失ったことで男に所有権が移った!
リビングアーマーは男の意思によって略奪の限りを尽くす!
嫌気が差したことでアーマーは魔力回路の強制分離を試みる!
男を道連れとした自殺を遂げて話が終わる!
この部分に引っ掛かる! 魔力回路の強制分離を行えるのは元の所有者だったはず!
第2話で「魔力回路を強制分離する機構があるから、大丈夫、大丈夫」と言っていた!
リビングアーマーが使えると匂わせてもいなかった! 命令する人物もいないので余計に腑に落ちない!
作者の考えた設定はどのようになっているのだろうか!
所有者の命令は絶対で逆らえない! それとは別にリビングアーマーは独自の行動を取れると云うことなのか!
ゴブリン退治の時には意見が合わず口喧嘩に発展した! 一時とは云え、所有者の意見に従わなかったことになるような気がする!
あと気に入らない所有者をリビングアーマーはいつでも殺せる! その設定で間違いないのだろうか!
今回は凡ミスの類いは少なかったが設定が不安定で読者によって意見が分かれると思う66点!(`・ω・´) ありがとうございます
文の見直しを一回増やしました。ミスが少なくて良かったです。それでもあったのはすいません。
設定で言うと、
精神と体が分離されていて、精神の方は完全に自由なので意見が合わず反論はできる。心の中でバカなのこいつとか言ってるとかの場面です
命令に従いますが、アーマーは独自に行動をとれて。休めて言われてるのに片付け提案したり、気に入らないから黙っている、口を動かさないという行動もとってる。というようなところがその場面です
なので強制分離する機構も自分の体の一部なので使える。皮膚の開閉機構と同じです。でも死への恐怖があるので使えないし、使わないし、存在すらも忘れている。
所有者をいつでも殺せるのは、たまたまで、密閉されてたので勝手に死んでいった。なのでアーマーも、そうだった、と反応している。伝説の魔導士の仕事のミスでもある。
という感じ……かなぁ……。どうでしょう。 なるほど、ただ設定に問題は残っている!
今回はリビングアーマーが取った手段は「魔力回路の強制分離」で、
自身も死に等しい状況に陥る! 故に使うことを躊躇っていた!
>アーマーは独自に行動をとれて。
これがワイの考えていた最大の懸念である!
「魔力回路の強制分離」を使わなくても所有者を亡き者にできる!
リビングアーマーは中に所有者を入れていない状態で自由に歩いていた!
所有者の寝込みを襲えば簡単に命を奪える! その驚異的な力は作中に描かれていた!
故に所有者を転々と変えることができる!(`・ω・´)設定の甘さが出たと云える! 設定への苦言は感想であって、文章の評価ではないな
そんなことより、誤字への指摘をする校正ではない本来の文章の直しをレスしてやればいいのに
ちなみに数年前に似たようなことをいうと
ワイ氏は、「プロではないんでそこまでは無理」と云った ワイ氏のレスは、打ちミス変換ミスの校正の指摘と
ネットによくある読書レビューとまったく同じ読書感想文である
それで文章を詳しく評価なのか? ここ創作発表板が、そもそも文芸板とは住人の層が違っていて
異世界や魔法系ラノベがほとんどなので
投稿もそっち系のものばかりになるわな 異世界や魔法を扱うラノベは好みじゃないとか、もう飽きたから
別のジャンルの小説をって人は別板でスレを立てるべきだろうな 創作発表板で続ける限り、
異世界での魔物狩り、召喚、転生、
特殊能力のあるキャラの別世界でのファンタジーなライトノベル
そんな類の投稿作品しか来ないと思われる
それがいいんなら、それでもいいけどさw 逆に言うと、それらと異なるジャンルの小説を投稿すると
創作発表板の中では全くウケないことになる
魔法と異世界ライトノベル系レーベルの本を扱うお店の棚に
たとえば、純文学の本を置いても売れないのと同じ 純文学系はパターンがきかないから、わざわざここに書き捨てにくる人はいないさ たとえばと、
ジャンルが違うものの例として挙げたまで 創作発表板で続けるなら、創作発表板がある種、異世界魔法ラノベ系の板だから
傾向としてそればっかりになるだろうという話 ワイスレに限って言えば、そんなジャンル分けは関係ないぞ。
ワイスレ杯をやればすぐわかる。
ワイさん、そろそいいんじゃない? お盆になっちゃいますよ。 ふむ、ワイスレ杯か!
日頃はワイスレにいない作者がワイスレ杯には参加する!
そのような例もあるので開催してもいいかもしれない!
通常は水曜日に募集をかけて土曜日に締め切る!
日曜日の夕方に全作の寸評をワイスレに挙げて、
午後八時から上位作品の発表となる!
今日は木曜日なので開催は早くても八月二日!
どうだろうか!(`・ω・´)他の者の意見を募る! お盆前なら2日(水)か9日(水)ですね。
どっちでもオッケーです。ヒャッホー夏が来たぜー! >異世界魔法ラノベ系の板だから
>傾向としてそればっかり
板に限らず、なろうとか異世界魔法ラノベ系の投稿が多いな
現実逃避したい人が多いのか、ゲームやアニメの影響なんかな おはよう、諸君!
多数の賛成により、ワイスレ杯を開催する!
八月二日を予定している! お題はまだ考えていない!
時事ネタもいいが、少し特殊な舞台を設定してもいいだろう!
その時のワイの気分による! さて、続きを書くとしよう!(`・ω・´) >特殊な舞台
異世界はやめてほしいw
現実にあるスポーツがテーマでどう? 幽霊話は夏のワイスレ杯の定番ネタと云える!
ファンタジーと現代を混ぜて現代ファンタジーでもいいような気がした!
隣人が魔族! 友達が獣人! 普通の生活の中に魔法が溶け込んでいるなど!
スポーツは公平を期してマイナーなものが面白いと思う!
今の季節だと水中ラグビーや水中ホッケーに目がいく!
少し出掛ける!(`・ω・´)ノシ ご新規さんもいらっしゃると思うので、参考までに
前回のワイスレ杯 テーマ「一品の料理に纏わる話」
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1666389898/422-
前々回 テーマ「夏野菜」
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1659739413/72-
それ以前のテーマ
「二人の男女の物語」
「脛に傷」
「初体験」
「時間(タイム)」
たまに出る鬼畜テーマ
「最初の一行と最後の一行を固定して書いて貰う!
最初の一行 突然の出来事に立ち尽くす。
最後の一行 薄っすらと笑みを浮かべていた。」
「主人公は何かに驚いたように目を覚ます! 夢の内容はよく覚えていない!
ただ、満開の桜の下で少女が笑っていた! 単なる夢なのか! 過去の記憶の断片なのか!
はっきりと思い出せない状態で焦りだけが募る! 奇しくも季節は春! 主人公は少女を求めて動き出す!
行動の先に何が待ち受けているのか! 暗示のようなものなのか! 全ての鍵は作者が握っている!」 突然の出来事に立ち尽くす!
四つ足で!
私は1匹の豚になっていたのだ!
その刹那!
背後に気配を感じ振り返ると!
私の顔を持つ男が!
薄っすらと笑みを浮かべていた! >>383
テレビで顕微鏡越しのダニの画像を見て「何だこの醜さは」と思ったのが、創作のきっかけ。それと読んでくれてありがとう。 >>379
豚と人間の中身が入れ代わった!
その原因は書かれていない!
場所がわからないので物語としてもぱっとしない!
家で飼っていたペットの豚と飼い主が入れ代わったのであれば、
ほのぼの路線で話を続けることができるかもしれない!
養豚場の豚と経営者であれば緊迫感が伴う!
命を賭けた熾烈な戦いが容易に想像できる!
読者の興味を引くような書き方をした方がよい!(`・ω・´) >>381
行頭一字下げがない! 場面が変わる時に改行はあるが!
詰め込まれた文章であっても読み難いとは思わない!
ただし削れる主語が多い! 目に煩いので推敲で減らすことはできる!
話の内容はわかるようでわからない! 研究者ドルートがダニ人を生み出した!
母親の虐待が動機になっているのであれば、なぜ顔がダニなのだろうか!
母親と同じ容姿にした方が鬱憤を晴らせるような気がする!
不運な出生のダニ人は苛烈な日々に耐えられず、逃げ出す!
その容姿が災いして集団暴行に遭い、命を落とす!
幽霊となって十八年間彷徨う! 誰にも気づかれない時に霊感の強い奈美と出会う!
博愛主義者を謳っていながらダニ人の醜さを頻繁に口に出す! それでいて理不尽なドルートの行動に怒り、
無力なダニ人に代わって復讐を誓う! 容姿を武器に近づき、ホテルに誘い出す! 睡眠薬を飲ませたあと、
ドルートの顔を切り刻み、硫酸を浴びせた! 復讐を果たした奈美は帰りに自動車に轢かれて帰らぬ人となった!
その後、ダニ人の姿で転生する! ダニ人と同じ幽霊なので二人は果ての無い時間を過ごすことになる!
この話で気になるのは転生の部分! ダニ人はドルートが生み出した! 世界にたった一人の存在に思える!
そのダニ人が幽霊となっても一人の存在に変わりはない! そうなると奈美の転生は生まれ変わる対象がないように思える!
変身であれば全く違う外見になるので受け入れ易いのではないだろうか!
内容はわかるのだが理屈として考えると納得し難いものがある66点!(`・ω・´) 80歳少年「電車が石をひいたら割れるのかな?試してみよ!」 → 線路に置き石して逮捕。 ・神戸電鉄の踏切で線路に置き石をして電車の運行を妨げたとして、兵庫県警長田署は威力業務妨害の疑いで、神戸市長田区に住む無職の男(80)を逮捕した。同署によると「電車が石をひいたら割れるのか気になった。妨害するつもりはなかった」と話し、容疑を一部否認している。
・逮捕容疑は28日正午前、同市長田区房王寺町3の踏切内で、線路のレール上に石を二つ置いた疑い。同署によると、新開地発三田行き準急の男性運転士が石を見つけたといい、ともに約6センチ程度の大きさだったという。男は線路にあった石を置いたと説明し、車体や乗客への影響はなかった。 今から出る!
評価文章は明朝になるかもしれない!
さて、いくか!(`・ω・´) また異世界だの冒険者だのデーモンだの
好きなのねえ、RPGのような異世界物が >>394
短いので先にこちらを読む!
菖蒲
>怜悧な剃刀のような顔で菖蒲は答える。
(目ではなくて顔なのか!)
>眼窩は深く窪んでいる。
(眼窩は眼球が入っている窪みのことなのでまどろっこしい表現に見える!
所々がこのように古語になっていない! 新しい文体を模索しているのだろうか!)
いつの時代の話だろうか!
古語を使う程の古さを感じない! しかも中途半端!
「軈て」等にはルビが欲しいところ!
奇病のような状態が少女を襲う! なぜ菖蒲なのだろうか!
三人の少女の淫靡性を匂わせるのであれば百合でいいのでは!
舞台役者のような言い回しは悲劇よりも喜劇に近い!
薄暗い感情が人の目に触れない日陰で密やかに行われている!
そのような表現方法が作品に合っているように思った!
あと苧環の髪型を「があらんど」と表現していた! 伽藍洞としては対象があまりに小さくて少し違和感を覚えた!
現代に近い会話文と古めかしい地の文とのギャップで少し妙な気分になった68点!(`・ω・´)長い評価文章は明日に回す! これはある意味すごいな
浦出卓郎氏は年配の方だったの? >>395
明治〜大正ぐらいを想定してます
吉屋信子が文語体と口語体を混ぜ込む作品を書いていたのでやってみました!
garland=花輪、花冠です! >>397
なるほど、ワイの勘違いであった!
69点とする!(`・ω・´) >>390
第1話 恐ろしい噂
>身軽にいでたった姿の僕は
(日本語がおかしい!)
>そう尋ねてきた僕に長老は矢泥いた顔をする。
(珍しい変換ミスを見た!)
第2話 愛しのソフィ・ティエル
>恋に苦しむ毎日を遅らせていた。
(変換ミス!)
>わずかに工芸品をるのみ
(脱字と変換ミスのミックスだろうか!)
三年前に領主の態度が変わった! 税の取り立てが厳しくなった!
そこで村人は悪魔と噂するようになる! 第1話で仄めかし、
第2話の冒頭で悪魔と打ち明けていた! 展開が早すぎて味も素っ気もない!
ここまでは読んだ! 急遽、出掛けることになった!(`・ω・´)刻みながら読むとしよう! 異世界モノって、”異なる世界”なのに
皆の発想がどの異世界も、冒険者がいてモンスターがいてと
指輪物語とかドラクエとか、剣と魔法と魔物のといったRPG世界感から抜け切れなくて
誰が書いても似たり寄ったりなのが残念
”異なる世界”なんだから、そういう魔物退治の世界とは
まるで異なる世界を描いてもよさそうなものなのに 異世界召喚ものの嚆矢は高千穂遙『異世界の勇士』(1979年) 海外の古い異世界は『ナルニア国物語』(1850年台) そんな昔の話をしても仕方ない
令和には令和の流れてものがあるし
これだから老害ジジイは…… 明日からワイスレ杯が始まる!
作者には悪いのだが評価文章は後に回す!
お題は決まった! 単純ではあるが、ある意味で厳しい!
プロアマ問わずのワイスレ杯で勝ち抜くのはどの作品なのか!
ま、そんな緩い感じでよろしく!(`・ω・´) 第六十二回ワイスレ杯のルール!
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は二千文字程度、六十行以内!) 一人による複数投稿も可!
前回と同じく「記名投稿、無記名投稿」は任意で選べるものとする!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第六十二回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
今回の特別ルールによって投稿後の修正は認めない! 投稿した作品で勝負となる為、推敲は念入りに!
今回の設定!
出会いをテーマにした作品を募る! 対象は人間で性別は自由!
その出会いによって何かが始まる! その予感で読者をわくわくさせる展開を望む!
相応しい舞台を用意する! まさか、このようなところで今後の運命を左右する出会いがあるとは!
小説の冒頭のフック、またはツカミの募集と言い換えればわかり易い!
応募期間!
今から土曜日の日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える! 通常は全体の三割前後!
締め切った当日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!
今年、初めてのワイスレ杯、真っ暗な中で堂々のスタート!(`・ω・´) 「あの、今は何年の何月何日ですか?」
犬の散歩中、駆けてきた少女からそんな声を掛けられた。
「令和八年八月二日十三時十五分だよ」
言いながら僕は周囲を見回す。
「カメラはないです……ドッキリじゃないので」
「あ、そう」
彼女も不審な言動の自覚はあるらしく、気恥ずかしげに眉を顰める。
「すみません、水、もらえませんか? それからあの……できれば調べたいことがあって、スマホか何か貸していただけると」
「結構図々しいんですね未来人は」
「み、未来人って……そんなこと、あるわけないじゃないですか!」
「冗談ですよ」
僕の言葉に少女は顔を赤らめる。
「図々しくてすみません。頼れる先がなくて」
彼女はぺこぺこと頭を下げる。
「いいですよ。未来人さんは随分お困りのようですから」
僕はその場で踵を返し、犬のリードを引く。
「ただ、今は手ぶらでして。僕のアパートでよければ」
「あ、はい……ありがとうございます」
彼女はまた頭を下げる。
僕は前を向いて作り笑いを消し、足を早める。
ここまでは順調だ。未来人・木下美優、彼女は文明革新を齎す『エキゾチック物質による八次元空間跳躍の論文』の完成を止めるために、五十年後の未来からやってきたのだ。
彼女の来訪初日である八月二日の間に信頼を勝ち取るためには、十三時十五分にここで犬の散歩をする必要がある。
犬を連れていないと声を掛けられないパターンが発生し、こちらから声を掛けた場合は不審がられてしまう。
彼女から早々に事情を明かしてもらうためにもアパートへ連れ込む必要があり、犬の散歩中というのは都合がいい。
僕はこの令和八年八月の一ヵ月を何度も経験している。いわゆるタイムリープという奴だ。
この街にある時雨坂神社の神様が関係しているようだが、そんなことはどうだっていい。
木下美優の敵対組織の人間もこの令和八年へと訪れており、彼らが乗っ取ったカルト宗教団体が八月三十一日に病院でテロ騒動を起こし、そこに巻き込まれた僕の恋人が命を落とすことになる。
彼女は寝たきり状態であり、家族の説得も必要なため、病院を移すことは難しい。容態も悪く、強引に連れ出せばそれが原因で命を落とす。
僕は連中と交渉して木下美優を引き渡し、このテロ騒動を防ぐ。
彼女は命を落とすことになるが、元々未来人同士の抗争、巻き込まれただけの現代の僕達には何ら関係のない話だ。
目の前で人が死ぬのにも、誰かを裏切るのも、僕にはこれまでのタイムリープの中で、とっくに慣れてしまっていた。
「すみません、色々と頼ってしまって」
「いえいえ、面白いこととか変なこと、僕は大好きですから。ワクワクしています」
嘘だよ。僕はただ、平穏を享受したいだけなんだ。お前らなんて、大っ嫌いだ。
「あの……変なことを言うんですけれど、私、なんだかあなたとは、長い付き合いになりそうな気がします」
木下美優がそんなことを口走る。この言葉は初めてだった。意表を突かれて沈黙したものの、すぐに彼女を振り返って笑みを浮かべた。
「ええ、なんだか僕もそんな気がしますよ」
僕にとって千五十三回目の、令和八年の八月が始まった。
〜〜〜
――始まったか。
私は全く別の時間軸、いわゆる並行世界からやってきた存在である。我々の世界はこの分岐世界よりも遥かに進んだ文明を有している。
私はこの世界では存在できないため、こちらの住人の脳に対して電子思考同調を行うことで、疑似的に顕在している。
出鱈目に結ばれた歪な時間軸を観測し、この空間縺れが私達の世界に悪影響を及ぼす可能性を危惧し、時間軸修繕のために政府機関の人間である私がこうして来訪することになった。
そのためには超自然能力の全貌を明かすことでループの根幹を断ち、宗教団体のテロを防ぎつつ、例の論文を断つことでタイムパラドクスを解し、中心である彼と彼女をこのループ時間の間に抹殺する必要がある。
私が来た以上、ここからはタイムスリップもタイムリープも許しはしない。
私と、彼と、彼女は、既に出会ってしまった。私も登場人物の一人ではあるが、観測者として、この歪な絡み合った物語の終着点を見届けさせてもらうとしよう。
私は骨格筋支柱突出物を左右に振りながら、レオロジー性高分子炭化水素の舗装道路の上を歩く。
局所銀河群G2V型恒星の輻射に曝された高分子炭化水素が、私の肉球へと熱振動を伝えて感覚器官を過剰に刺激し、ストレスを与えてくる。
それにしても、やれやれ、この世界の四足歩行の愛玩動物は、なんとも哀れなものだ。 第六十二回ワイスレ杯参加作品
>410
早々と一作!(`・ω・´) 鏡に映った私は、ひどく不細工だった。
厚い唇。丸い顔に、潰れた目。体も太く、着ている和服はパツパツ。まるで、服を着た豚だった。
「着付けできたわよ」
母は私の帯を叩いて笑顔を見せる。
「うん。似合ってる。これならお見合い相手もイチコロね」
そんなわけないだろう。私は思いながら、母に連れられ、控え室を後にした。そのまま廊下へ出て、見合い相手の待つ和室へと歩く。廊下の右手には庭園が見えた。流石良家である。近所のよしみとはいえ、私なんかの為にこんな場所を貸りるのは悪い気がした。
こんな不細工の為に。
「あのさ、母さん。せっかくお見合いの席を作って貰って申訳ないんだけど、絶対成功しないよ。こんな不細工と結婚したいひと、いるわけないじゃん」
私はこんな顔なので、いままで浮いた話は一度もない。そんな私を憐れに思ってか、母は今日の席を設けたらしい。実の所お見合いなんてしたくなかったが、女手ひとつで育ててくれた母の顔を立てるため、私はいまこの場にいた。
「小中高と虐められて、会社でも顔の悪口言われてるし。母さんには悪いけど、私は本当に不細工なんだよ。そんな人間を愛したい人、いると思う?」
『ブタだ! ブタが来たぞ!』
小学校の頃の記憶が脳裏に蘇る。
「私なんか、誰にも愛されないよ……」
「何言ってんの。あんたは可愛いわよ」
母は微笑んだ。
「それに、勘違いしてるわよ。あんた。今日のお見合い、企画してくれたのはね。向こうの方なのよ」
目を丸くする私を尻目に、母はふすまを開けた。
「お、詩織さん? いや、どうもどうも! はじめまして!」
和室に座る声の主。私は彼の顔を見て、さらに目を瞠った。
そこにいたのは、私によく似た顔の男だったからだ。
厚い唇。丸い顔に、潰れた目。体も太く、着ている和服はパツパツ。豚のようなその男の顔は、まさしく私とうり二つだった。
「いやぁ、お会いできて光栄です! あ、どうしました? もしかして――」
彼は自慢げに胸を張った。
「僕のイケメンさに、惚れ惚れしちゃったかな?」
どうやら性格は正反対なようだ。冗談で言っているようには見えない。なんなんだ、こいつ。
「ま、どうぞ座って座って」
「は、はぁ……」
私は唖然としたまま、母と一緒に正座した。相手の隣にも老いた母親がいた。
「鏑木悟です。はじめまして!」
「天宮詩織です……」
「うーん、可愛い名前だ! 顔と一緒で!」
私は眉を寄せる。鏑木はニコニコしていた。
「もうお母様から聞いたと思いますが、僕はあなたに一目惚れしました! あなたは僕に似て、とっても美人だ! 僕みたいなイケメンと美人。一緒になれば良い家庭が築けるとは思いませんか?」
益々眉間に皺が寄る。彼はその調子で続けた。
「まぁ状況を説明すると、まず僕は散歩中に、出勤しているあなたを見かけまして。そのときビビッときましてね。調べてみると近所だって言うから――」
「あの、私をバカにしてるんですか?」
私は想わず訊いてしまった。鏑木はきょとんとした顔を作る。
「私が美人なわけないじゃないですか。そういうの、やめてください」
こいつは私をからかうためにこの場を開いたのだ。そう思うと、怒りがこみ上げてきた。
「それに、あなただって、イケメンなんかじゃない。私に似て不細工ですよ」
私は言い、憤然と席を立つ。
「じゃあ、そういうことで――」
「美醜というのは所詮主観だと思いませんか?」
だが、私はその言葉に足を止めた。
「つまり、誰かにとっての美しさは誰かにとっての醜さであり、その反対もあり得るというわけです。僕はね、詩織さん。心から自分のことをイケメンだと思っているし、あなたのことを美人だと思っているんですよ」
振り返る。鏑木は真剣な眼差しだった。まさか、本気で……?
「であるなら、あなたは確かに、僕にとっての美人なのです。わかりますか?」
「それは――」
「そうだ。それなら教えてあげましょうか」
「え?」
「僕と付き合ってください。詩織さん。納得させてあげますよ。僕が本当に、あなたを美人と思ってるってこと。あなたは――」
彼は手を組み、私を上目遣いに見た。
「愛される価値のある人なんだって事を」
私は目を瞬かせる。
変な人。だがそれでも、頬は熱くなった。
だから、私は言った。
「……友人からなら」 第六十二回ワイスレ杯参加作品
>410
>412
只今、二作品!(`・ω・´) アンカーの数が増えるとエラーメッセージが出る!
その対策で「>>」ではなくて「>」に敢えてしている!
一仕事終わったのでビールを飲む!(`・ω・´) 5ちゃんのスレを私的に使うのももうほどほどにしなさいという暗示だな その瞬間。彼女を初めて見たとき、まるで周りに桜花が舞っているのではないかと、円谷御子は錯覚しました。
それは私立秋津洲学園の入学式が終わってすぐの、新入生が入部を選択する日での事。
各部活は部室や教室に陣取り、その部員達が廊下や活動場所に出ては新入生を勧誘していました。
「あなたも一緒に映画を作ってみませんかー? 製作、俳優、どちらでもオッケー! 映画制作部はあなたを必要としています! さあ、どうぞ見ていってくださーいー!」
と明るく溌剌とした声で廊下で呼び込みを行っていた、紺の女性ものブレザーの制服に身を包んだ御子は、発声のあとで大きく息を吐きました。
外は四月上旬の午後三時半。桜は散った後の賑やかしい放課後。傾いた日差しが廊下を突き抜け、教室へと届いていきます。
その日差しに照らされた、少女が一人。
少し小柄で、赤毛に近い色の、二房に分けた短めの髪に茶色の目。三年というよりは一年生の方が似合っていそうな幼さを感じさせる顔つき。
まだ未熟な少女、と言った方が相応しい風貌の女子学生、安田御子は学生達が行き交う廊下を見渡しました。
「結構人は来てるけど、人数的にはまだまだかなあ……。まっ、まだ時間的には余裕があるし、こんなものかぁ……」
勧誘はあまり芳しいものではないようです。
周囲には着慣れない制服姿の新入生達が、興味あるのかないのかという様子で、あちこちキョロキョロ見回しています。
(……自分もああいう感じで、映画製作部に勧誘されたんだよねー。でも、アタシ、これでいいのかなあ……。まあ、英語部とかで放課後勉強をずっとやっているよりはマシよね……)
御子は一つ苦笑しては気を取り直し、呼び込みを再開しようと息を吸い込んだ、その時。
彼女の視界に一人の女生徒の姿が飛び込んできました。
女生徒の姿を見るなり、ふと視線を彼女に合わせた御子は──。
思わず息を呑み込みました。
呼吸が一瞬止まりました。
その着慣れないブレザーを着た、高い身長と女性として理想的な体躯を持った少女は輝いて見えました。
背中まである長い黒髪が、さらさらと綺麗に伸びていました。
切れ長の黒い両目、高く整った鼻、淡い桃色の唇、卵型の小顔。
誰が見ても、美少女。いや、美人だと認めるほどの美しさを持った少女でした。
陳腐な言葉で言えば、クールビューティとも、大人の落ち着いた女性とも言えるような女性でした。
その姿は、まるで彼女の周囲に季節では散ったはずの桜の花が舞っているかのように、御子に思わせるほどでした。
「……!」
息を止めていた御子はようやく呼吸を思い出すと、思わず駆け出していました。
そして彼女のもとに駆け寄ると、そのスラリとした長い右腕を力強く掴み、彼女の瞳を見て告げました。
「映画製作部に、入りませんか……!!」
と。
呼びかけられたその瞬間。黒髪の少女の、二つの眼が大きく見開かれました。
同時に、彼女の口から、
「え……!?」
と言葉が漏れました。
顔と体つきと同じように、とてもとても、綺麗な声でした。
彼女は二言目に、
「ち、ちょっと……」
と雪のような肌をかあっと赤らめ、顔を横に振りました。
それでも、御子はその握る手の力を強くしました。
そして、今まで誰にも見せたことのないような真顔で、
「貴女みたいな人を、映画に撮りたいんです……!」
そう、告白しました。
黒髪の少女はその告白に今度は両目を丸くして、口をぽかんと開けました。
その困惑の表情にさえ、桜花の花びらは未だ舞っているように御子には見えました。ややあってから、
「本気、なの……?」
「はい、本気です……!」
笑顔でそう応えました。
黒髪の少女はどうしようかという表情をして、
「じ、じゃあ、ちょっと、け、見学させていただきます……」
少し引いた声で返答しました。
その返事に、御子は更に笑みを大きくしました。
「では、教室に行きましょうっ。教室では顧問や部長が説明してくれたり、今まで創った映画を上映しているので、映画製作部がどんな部活なのか、よくわかりますよっ!」
御子はそう説明しながら彼女の手を引き、足を教室へと向けました。
彼女の鼓動は、高鳴っていました。
期待、と、もう一つの感情で。
これが。
円谷御子と、御神伊奈。
二人の出会いでした。 第六十二回ワイスレ杯参加作品
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只今、三作品!(`・ω・´)製作で映画制作部とは!
石畳の街に下駄音がカラコロと響き、僕のお腹がきゅうと鳴く。
「おチビのごみ拾い職人。これも捨てといて」
「はい! あの、食べ物あったら捨ててください。食べます」
この温泉街に来て三日目の僕は、日払いの仕事をしている。ごみ拾い職人だ。
「ごみ拾い職人は串でもしゃぶってろ」
ごみ拾い職人の地位は低い。
僕はしょんぼりと串焼きの串とカネット瓶を業務用の袋に詰めて、えっちな本と金ぴかのバッジを見つけて懐へ入れた。本は表紙のお姉さんが好みだったから。バッジは故郷の養母に似た絵が刻まれていたからお土産にしようと思って。養母は体調が思わしくない様子で、僕は、養母のために薬を求めてやってきた経緯がある。この温泉街の薬がよく効くらしいのだ。薬は幸い、それほど高値ではない。食費を最低限に抑えながら働けば、ひと月もあれば買えるだろう。
「飴でもいいですよ、落としてください。洗って舐めます」
アピールしたら、通行人は「関わりたくない」と全身で訴えるような急ぎ足で曲がり角を曲がって行った。しばらくすると、悲鳴が聞こえた。
「人が死んでる……!」
僕は迷ってから現場に向かった。だって、気になるじゃないか。
●
「私は刺していません!」
現場では、金魚柄の浴衣に身を包んだ黒髪のお姉さんが問い詰められていた。拾った本の美人さんに似ている。つらそうに泣いている姿を見た僕は「下卑た目で見てすみません」と謝りたくなった。
「近くにバッジが落ちていたのである! 六十二代目のバッジを持っているのは、あなたと彼だけである!」
「バッジはなくしたんです!」
――バッジ?
「あのう、僕はよそ者なのでわからないのですが、バッジってなんですか?」
問いかけると、警備兵は証拠品のバッジを見せてくれた。
「吾輩が教えてやろう。このバッジは『妖狐様に愛されし薬師の子孫』の証明バッジである!」
「へえ?」
「この街には『妖たぬきに騙されかけた先祖が妖狐様に救われた』という言い伝えがある! バッジには何代目の子孫か文字が刻んである! 六十二代目は二人だけだったのである!」
この人、語尾を「ある」で締めないといけない呪いにでもかかっているんだろうか。首をかしげた僕の耳に、見物人の声が届いた。
「何食わぬ顔で屋内に戻り、パーティに参加していたんだ。連れてこられて証拠を突きつけられても否定していて……」
お姉さんがふらりと倒れそうになる。僕は駆け寄ってお姉さんを支えた。うわ、すごく良い匂いがする――どきどきしながら、僕は拾ったバッジを見せた。
「そのバッジ、僕が同じのを持ってます。さっき拾いました。六十二という文字も書いてあります」
警備兵も見物人も目を大きく見開いている。
「では、このバッジで犯人と決めつけるには早いのである!? し、失礼したのである……バッジが三つある……?」
警備兵が頭を下げる。お姉さんがすぐに犯人として捕まることはなさそうだ。よかった。
「ごみ拾い職人さん、ありがとうございました」
「いえ……それでは、僕は仕事に戻りますので」
見物人が散っていく。僕もごみを拾わなきゃ。ああ――お腹が空いた。そう思った瞬間、ぐらりと視界が揺れた。
「あ……?」
「ごみ拾い職人さん!!」
視界がふっと暗くなり、僕の意識は途切れた――空腹すぎて倒れてしまったのだ。
●
次に目が覚めたとき、僕の視界には上から覗き込む姿勢のお姉さんがいた。
「あ……、気が付かれましたか……っ? ごみ拾い職人さん?」
「ふえ……っ?」
僕は豪華なベッドに寝かされていた。清潔感たっぷりの白いシーツと掛け布に、ふかふかの枕――寝心地がとてもいい。
「職場の方にお聞きしました。ごみ拾い職人さんは街にいらしたばかりで、苦労していらっしゃるのだとか。私の家は落ちぶれてはいますが、部屋数はございます。もしよろしければ、助けていただいたお礼をしたいです。我が家に寝泊まりされてはいかがでしょうか」
「えっ、いいんですか?」
僕は、お姉さんにお世話になることにした。お金もないし、ベッドはふかふかで、お姉さんは美人だ。迷いはなかった。
第六十二回ワイスレ杯参加作品
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只今、四作品!(`・ω・´) >>419に『第六十二回ワイスレ杯参加作品』書き忘れましたスミマセン 『第六十二回ワイスレ杯参加作品』
五年ほど前、雑誌の取材で大阪に行った時のことだ。昼前の商店街で奇妙な似顔絵師と出会った。その似顔絵師は高齢の女性でずっと独り言を言いながら、サラサラと筆を動かしていた。
しかし腕は確かなようで、女の前には行列が出来ている。なんとなく気になり立ち止まって見ていると、「並んだってや!」とぶっきらぼうに声を掛けられた。
まぁ、旅の記念にいいだろう。そんな気分になり行列の最後尾につく。私が並んだ後にも次々と人がやって来て、列はどんどん長くなった。
似顔絵とは随分と時間の掛かるものらしい。しばらく待っても列は一向に動かない。そろそろ腹も減ってきた。これは失敗したかもしれない。そんなことを思いながら腕時計を見たタイミングだった。
ガラガラガラとシャッターの開く音。現れたのはラーメン屋だ。
「お待たせしましたー! 先頭の8名様、店内にどうぞ!」
威勢の良い女性が案内すると、列は店に吸い込まれていく。私は呆気に取られ、阿呆のように立ちすくむ。
「お兄さん、似顔絵出来たで! 三千円!」
似顔絵師がニコニコしながら色紙を振る。あぁ、私は担がれたのだ。
とはいえ、怒る気にもならなかった。いい土産話が出来た。
そう思いながら金を払い、色紙を受け取る。
描かれていた私の顔は目を大きく見開き、驚きの表情を浮かべていた。
それからというもの、私はネットで定期的に「阪急東通商店街 似顔絵」を検索している。
私と同じく担がれた人達がエピソードを交えて似顔絵をアップしているのだ。
少し心配なのは、最近新しい似顔絵が増えないこと。
五年前でも随分と高齢に見えた。もしかしたら、体調を崩したのかもしれない。
来週にでも大阪に行ってみよう。そして似顔絵師に出会うことが出来れば、もう一度、何も知らないフリをして列に並ぶつもりだ。似顔絵を持って……。
面白い顔をするに違いない。そうすれば取材を申し込もう。きっと面白い人生を歩んでいる筈。
カレンダーを睨み、私は来週の土曜日にマルをつけるのだった。 第六十二回ワイスレ杯参加作品
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只今、五作品!(`・ω・´) >>424
一人何作でもいいんだよ。
かつて二十作以上も投稿した強者もいた。 『第六十二回ワイスレ杯参加作品』
等間隔で繰り返されるインターホン。部屋に響き渡る電子音は、絶え間なく薄暗い室内を満たしていく。五月蠅い。
鍵を開けて、こんな事をしでかした来訪者に文句を言おうとした。
「トリックオアトリート!」
扉を開けた先に、1人の少女が可愛らしいポーズを決めていた。
「なあ、俺、居留守使ってんだけど? 分からない?」
「分かりますよ。だからこそ、私は何度もインターホンを押し続けてました!」
「5分も居留守使ってんだから諦めろよ」
「え? 嫌ですけど。私のモットーは、何事も全力で! なので、取り敢えず10分位は続けようかな、と考えてました!」
「新手の拷問か?」
此方の事情などお構いなしに、改めて言う。
「と言う訳で、トリックオアトリート!」
「……あのさぁ、仕事から忙殺される日々の合間、やっとこさ得られた休日を邪魔された俺の気持ちが分かるか? 寝かせてくれよ」
「嫌です! 何かください!」
図々しい。今すぐ視界から排除したくなる鬱陶しさだ。
少女を見る。
絹のようにサラサラとした、編み込まれた金髪。整った顔立ちに、海のように澄んだ藍色の瞳は、此方をジッと見つめ続ける。
装いは、黒を基調としたタキシード風の衣装の上から、全身をすっぽりと覆い尽くす程に大きなマントを羽織っている。――吸血鬼、と言う言葉が頭を過る。が、口には出さない。
「菓子はないから帰ってくれるか?」
「となると、トリックの方になりますね。タイキックと回し蹴り、どっちが良いですか?」
「分かった。探して来る」
女の目は本気だ。答えを間違えれば暴力が飛んでくる。
傍の棚を漁り、適当な――菓子っぽい物を持って来る。
「はい。あたりめ」
「却下です! 何ですか! あたりめって!」
「するめの方が良かったか?」
「種類の違いじゃありません! 他に有りますよね! ゴディバのチョコレートとか!」
「生憎、ウチにそんな高級なものはねえよ」
菓子っぽい見た目の氷砂糖や、柿の種。バターピーナッツ。うまい棒を渡してみるが、少女にとってはどれも不評だ。全く帰る気配が感じられない。
「それじゃあ、一体何が良いんだ?」
「勿論、スイーツですよ! スイーツ! カップケーキだったり、クッキーだったり。後は、ガトーショコラとかでも良いですね!」
好きなのか、想像を巡らせながら少女は顔を綻ばせる。
男は心底嫌そうに溜息を吐き、乱雑に頭を掻く。それでも少女の顔を見ながら、
「だったら作るか?」
「……え?」
今度はハッキリと聞こえるように、大きな声で言う。
「だから、作るか? って聞いたんだよ。ガトーショコラを」
少女は目を見開き、瞬きを繰り返す。言葉の意味を理解して、満面の笑みを浮かべる。
「うん!」
材料を買いに行くのに一悶着。作業肯定で一悶着。ガトーショコラが出来上がり、食べる時でさえ一悶着。悲しい事に、一度たりともスムーズに行く事は無かった。
ソレでも楽しいと思えたし、少し焦げてしまったガトーショコラは美味しかった。
「と言う訳で、明日も来ます!」
「来るな」
言うや否や、少女はその場から走り去っていく。
「大体、今はハロウィンの時期でも無いだろうが。夏だって言うのに」
空を見れば、青空は橙色に染まり、太陽も沈み始めている。時間はもう夕方だ。
「けれど、まあ……悪くはない」
男は自室へと戻る。
通路を歩き、内扉を開ければ、開けた室内が広がる。天井につり下がっているのは、輪っか状に結ばれた縄。すぐ傍には、成人男性が乗っても壊れない台が置かれている。
交互に見つめた後、自嘲気味に笑う。
「死ぬのやーめた」
手に持った鋏を使って、パチンと切り落とした。 「Mr.プレイス。本日でヒーローを引退するのですね」
多数のマスメディアに囲まれて、私は引退会見を開いていた。
数多くの市民を救い、悪党達を捕まえて来たが、寄る年波には勝てない。人々を想う気持ちより、自身のことを優先したくなったのだ。
「はい。これからは、皆さまと同じ市民として余生を送りたいと思います」
「では、ヴィランである『リディクー』はどうするつもりですか?」
「後輩のヒーロー達に任せるつもりです。奴に勝てるようには指導しています。既に、何度も逮捕したという実績もあります」
人々と街を脅かす、嘲笑の名を持つヴィラン『リディクー』のことが引っ掛かっていた。奴は、幾ら逮捕しても必ず脱走するし、挑発する様にして犯罪を巻き起こす。憂いを絶つ為に殺す訳にも行かないので、後輩達に捕縛の術は教えた。
「そうですか。では、今後はどうするつもりですか?」
「そうですね。今までは仕事も忙しく、報復の可能性も恐れて控えていたのですが、伴侶を見つけたいと考えています」
「伴侶を。ですか?」
ヒーローが特定の個人に入れ込むのはタブーとされている。一緒に居られる時間は短いし、報復の対象にもなり得るからだ。
「はい。恥ずかしながら、私は人並みの幸せと言う物に憧れておりまして。将来を添い遂げる伴侶と出会いたいのです」
ゴシップの臭いを嗅ぎつけたのか、記者達は次々と質問を投げかけて来た。どの様なタイプが好みだとか、結婚するなら子供は何人欲しいとか。煩わしい質問であったが、ようやく私も市井に溶け込めたのだと嬉しくもあった。
#
インタビューが公開されると、私の元には結婚相談所からの広告や縁談の申し込みが引っ切り無しに入って来た。
流石に全員と会うのは無理があるので、幾らか気が合いそうな者達だけをピックアップして話し合いに応じたが、どれもしっくりと来なかった。
「私、昔からMr.プレイスに憧れていたんです!」
ヒーローとして見られたいのではなく、1人の人間としての付き合いを考えているので、この様な意見には辟易した。
「Mr.プレイス。私こそが、貴方の伴侶に相応しいと思ったのよ」
中には大女優からのアプローチもあったが、話題作りの為の接近であることは明らかだった。結局、私ではなく『Mr.プレイス』と言う名声に惹かれる人間ばかりで、望みの伴侶が得られる可能性は薄そうだった。
その証拠として、彼女らは私の気を取ることに終始しており、高価な贈り物をして来たり、誘惑をして来たりしたが、いずれも腹立たしかった。
外に出てもパパラッチから付き纏われ、伴侶を見つける所か市井に戻れるかすら怪しい。最近では、家に引きこもりがちになってしまい食事もデリバリーで済ませる始末だった。
「ピザのお届けです」
「おぉ、待っていたよ」
宅配物を受け取り、中身を確認すると。納められていたピザに載っていたのはチーズとペパロニではなく、大量のデスソースで描かれたスカルマークだった。配達員も私もギョッとした。
彼の慌てぶりを見るに、どうやら心当たりはないらしい。となれば、誰かの悪戯だろう。こんなことをする奴には心当たりがある。
「奴の仕業か」
テレビを付けると緊急速報が入っていた。街中は混迷に包まれており、人々が逃げ惑っている。悲鳴と爆音を背後に、痩身の男。リディクーは高らかに笑う。後輩のヒーロー達を足蹴にして、叫んでいた。
「プレェエエイス! 俺からのプレゼントを受け取って貰えたか! ヒーローじゃなくなってもお前はお前だ! 逃げれると思うなよ!!」
私は身の着のままで走った。私がどうなろうと奴が大人しくなる訳がなかった。
ヒーローであろうとなかろうと関係なく接して来る態度。私のことを恐れず挑発するかのような贈答物。一言言ってやらねば気が済まなかった。
「来たか! プレェエイス!」
「お前の相手は、この私だ」
リディクーが獰猛に笑いながら、拳銃を突き出した。私は花束を突き出した。
「あ?」
「何処までも私を対等に見る、お前こそ。私の伴侶に相応しい」 目を開けるとただただ白が埋め尽くす場所にいた。
「なんだよこれ、夢か何かか? どうなってるんだよ?!」
勿論俺、我一真(がいつまこと)にとって、この状況は理解不能であった。
昨日は勤めている工場で深夜過ぎまで作業をやらされ、気絶するようにベッドに倒れ込んだはずであった。
「昨日の様子じゃ今日も修羅場だってのに!? てかほんと何処だここ!?」
周囲の光景に圧倒されていた俺は、ようやく自分が服以外、持ち物を何も持っていない事に気付く。
訳が分からないが、ただ立っていても仕方がないので恐る恐る一歩を踏み出す。
するとコツンと地面を蹴る感触が伝わり、一応地面があると分かった。
「やぁ、上手くいってくれて良かったよ! 同一存在を呼ぶ魔術なんて流石に初めてだったからさ!」
「え、だ、誰だ!? さっきまで誰もいなかったはずだぞ!?」
突然女の声が俺の耳に届き、驚いて足を止める。
「あー、慌てないで! 危害を加えるつもりはないんだ!
ボクは君をこの世界の狭間へと呼んだ者。理由は……君に異世界転生って奴をして貰いたくてね?」
声の方に顔を向けると、腰まであるような白い髪をポニーテールに束ねた俺と同じくらいの背丈の女が、赤い瞳を細めそう言った。
「何言ってるんだお前? ……頭大丈夫か?」
「突然こんな場所に連れてこられて、変な事言われりゃそう言うよね! ボクでもそう言う!
まぁでも、話だけでも聞いていってよ! どうせ戻ったって工場で苦労するだけでしょ?」
「うっ、まぁそりゃそうだけど……てか、なんで知ってるんだ?」
「何故か、かぁ。うん……実は、それはすごく簡単な話でね?」
警戒しながら問い返すと、女が見目の整った笑みを浮かべた。だが何故か直観する。これは諦観の混ざった……疲れた笑みだ。
「ボクが……君、だからさ」
曰く、彼女は並行世界における性別違いの俺の同一存在、同じように工場に勤め、過剰稼働していた工場の事故で死亡。
生まれ変わる形での異世界転生をし、そこで勇者として世界を滅ぼす魔王軍との闘いに明け暮れる日々を過ごしたそうだ。
活躍出来た理由は、異世界特権として貰った【タイムリープ】の力であり、この力で何度か時を巻き戻し対処していたらしい。
「でも、実の所まいっちゃっててさ? ……何度繰り返しても、必ず何処かで大事な誰かが死ぬんだよ。
助けようと過激な手段を取るようになったら、今じゃ助けたかった仲間からも、【死神】なんて呼ばれ始めてて。
アハ……繰り返している内に皆が怖がる事とか、分からなくなっちゃったのかなぁ」
彼女の明るい声音が、罅割れた楽器に無理をさせた明るい音のように聞こえて、心の中が酷くざわつく。
「で、だ……性別は違えど、並行世界の自分である君に。ボクの外付けの良心の判断回路になって貰いたいんだ」
「良心、回路? なんだそりゃ? 機械になって心に宿れとか、そういうアレか?」
「いやいや違うよ、ただ傍にいて欲しいんだ! ボクが残虐だったり、誤った方法を取ろうとした時に止めて欲しいの!
価値観を共有出来る、ほぼ同一の魂の君にしか頼めない事なんだよ!」
そう言って彼女は頭を下げたが、本来ならば受ける必要のない話だと思う。
けれど、この頼む声に確信が湧く。彼女の心は既に亀裂交じりで、壊れる寸前なのだと。
彼女の言葉を信じるならば、同一だからこそ気付けるのだろうか? そんな事を考えていると、口から深いため息が洩れていた。
「……身の安全は、保障してくれるんだろうな?」
「っ! 勿論!! 自分同士でする約束だ! 破ったりなんかするものか!!」
「いや、自分で決めた事って案外破らないか? 早めにやる予定だった夏休みの宿題とかそういう」
「うぐっ!? いやまぁ、確かにボクもそういう事あったけどさぁ!? でも、ほんとだって! 全身全霊で君を守る! これでも世界最強の一人なんだよ、ボク?」
つい飛び出た軽口。そして分かった彼女のズボラさが、姿の違っても相手はもう一人の自分なのだと思えて妙に納得が出来てしまう。
「そんな話聞いちゃ自分との約束が一番信用出来なくなるけど。まぁいいさ……行ってやるよ。
正直異世界に行って何が出来るとも思えないけど……お前のストッパーとして傍にいると俺は“俺”に約束する」
「……ありがとう。世界を渡る銀龍の翼の魔術に賭けて、君に……もう一人の“ボク”に最大の感謝を。君の命はボクが守る、だから君は」
――ボクの心を、守ってくれ。
これは、俺ともう一人の俺……真とマコトが異世界で、彼女が望むハッピーエンドを取り戻す。その始まりの物語。 第六十二回ワイスレ杯参加作品
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只今、七作品!(`・ω・´)……ヒーローアカデミア。 第六十二回ワイスレ杯参加作品
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只今、八作品!(`・ω・´) 俺は幼い頃からある衝動が抑えきれなかった。
今いるのは山奥の小屋、俺の身体は返り血に染まっている。
ぐちゅぐちゅと血肉が滴り落ちていく。高揚感と共に、俺の心のナニカが満たされていく。
「あァ、やっぱり殺しは最高だ」
内臓を丁寧に取った後は、羽根をむしって首を落とす。
中に香辛料を詰めて鍋に入れると、完了だ。
ぐつぐつと煮えた鍋、ちょうどいい時間で蓋を開けると最高の匂いが鼻腔を擽る。
「鳥はうめぇな……」
初めは虫だった。ぷちぷちと殺すのが快感で止められなかった。次は兎、殺しても食べられるのが良かった。
そして鳥、食欲も満たされるのがいい。そして猪、デカくて殺りがいがある。
だが一行に満たされない。
俺は人が殺したい。今まで殺してきたのは、どれも法律で許されている物だけだ。
そいつらじゃ俺のナニカを満たすことはできない。しかし捕まりたくはない。
幽閉されるのが怖いんじゃない、殺しが出来なくなるのが怖いのだ。
そして俺はある少年と出会った。まだほんの高校生だろう。
こんな樹海にいるなんて、死にたくてたまらないんだろうなァ。
「よお、元気か? つっても、こんな所にいる奴がそんなわけないよな」
「……そうだね」
顔に生気はない。俺は脳みそを振り絞って考えたのだ。ここは自殺の名所、法律で許されているわけじゃないが、待っていれば死にたい奴が向こうからやってくる。
甚振るのは趣味じゃない。ただ純粋に命を奪う瞬間が堪らなく愉しい。
おそらく俺はナニカが壊れている。だがそれは今この世界での話だ。
過去や未来、時代が違えば俺の脳は正常認定されていたかもしれない。もしこの事を誰かに話せば戦場に行けばいいと言われるだろう。
だが俺は殺しがしたいだけで自身が死ぬ状況は嫌だ。自己中心的だとは思うが、人間ってそんなもんだろう?
「なァ、俺の願望を叶えさせてくれないか?」
「……願望?」
華奢な体、学校の制服を着ている所を見ると、虐めか、それとも家庭環境か。
まァ、そんなことはどうでもいい。俺が取りたいのは許可だ。
他人に頼まれて殺人を犯すと嘱託殺人となり、もし逮捕されても罪が大幅に減刑される。
この衝動は抑えられない。だからこそ、最善の策を取りたかった。
そして俺はこの見ず知らずの少年に全てを話した。笑っちまうかもしれないが、心の内を明かした初めての相手となった。
少年は余計な言葉を挟まずに最後まで聞いてくれた。
そしてもちろん、承諾してくれた。が――。
「条件だァ?」
「ああ、その後に、僕を殺してほしい」
クソ面倒臭い。俺は気軽に殺しをしたかった。だが当てが外れた。他の奴を探すか?
だがこいつがもし自殺を取り止めて警察に俺の事を話したら? 俺が逮捕される?
やっぱ殺すか。
「……条件はなんだ?」
だがまあ聞いてからでも遅くはない。返答次第では問答無用で殺せばいいだけだ。
プラン変更、最悪な手だが、仕方がない。
「親を、殺してほしい」
次は少年の番だった。聞けばこいつの親はマジの糞で、聞いている内に俺のナニカが溢れそうだった。
そして最後、俺は今までの考えを全て撤回し、なぜか首を縦に振っていた。
数日後、俺はある家を訪れていた。予め預かっていた鍵で中に入ると、睡眠薬で眠っている夫婦がいた。
俺はそいつらを――。
その後のことは覚えていない。愉しくて愉しくて、つい忘れちまった。
程なくして二階から少年が降りて来る。任務完了と伝えると、嬉しそうに笑みを浮かべた。
そして俺は少年の首にナイフを向けた。こいつを殺して全てが完了。
その後の事は考えてなかった。今までリスクばかり考えていたのに、おそらくだが殺すに値する人間の話を聞いて限界を超えてしまったんだろう。単純に言えば、欲望に負けたって奴だ。
タバコが吸いたくても我慢できない奴がいる。そんな感じゃねえか?
「……ねえ、もっと一緒に殺さない?他」
「あァ?」
すると少年は、突然に紙を見せつけてきた。そこには名前とそいつが行った犯罪が書かれている。
「何だこれは?」
「……僕の特技はパソコンだ。そしてこいつらは、政治的な理由や上位国民というだけで、裁かれずにいる犯罪者たちだ」
聞けば全員がゴミ以下だった。また俺のナニカが溢れ出る。
そして気づいた。俺の衝動は殺意だと思ったが違う。
人に仇をなす害虫共を殺したい欲求だったのだ。だから今、満たされている。
「少年、証拠隠滅の方法も調べてくれるよなァ?」
「ああ、もちろんだ。僕もこの腐った世の中が許せない」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています