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ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【240】

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0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2023/04/05(水) 09:36:29.05ID:HrRddKt6
オリジナルの文章を随時募集中!

点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする(例外あり)!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!

ここまでの最高得点79点!(`・ω・´)

前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【239】
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0400創る名無しに見る名無し
垢版 |
2023/04/22(土) 17:00:12.28ID:J4mQA9IC
戦いをあきらめてはいない
 
 ところで、僕は彼らの大切な女性(ひと)たちを寝取ったり、育ててくれた母親をばかにしたことはあったのだろうか?僕は、彼らに母親のことを否定されたから怒ったのだ。それも、いまの彼女の百合と付き合いはじめて、乳離れをして忘却の彼方だった。

 週末、金曜日の18時半の繁華街の飲食店ビルの焼き鳥屋。僕は、隣の席が空いているカウンターでビールを飲んでいた。大将が言う。
「まだ、いらっしゃらないのですか?LINEでもしたらどうですか?」
「彼女のところはセキュリティにうるさくてスマホがいやがられるんですよ。まぁ、今日はちょっと早く着きましたし」
「そうですね。ビール、もう一杯、行きますか?」
「もう、ジョッキがからですな。どうしようかな」
「あおさんなら、別に急がせないですから、百合さんが来るまでたばこでも吸っていたらいいんじゃないですか」
「じゃあ、喫煙室に行ってきます」
「はい」
 僕は、店の外にある喫煙室に行った。わかばを上着のポケットから取り出して、ジッポで火を点けた。周囲を見た。誰もいない。僕はスマホを取り出し、ブラウザを起動して、匿名掲示板を開いた。週末にやる悪い趣味だ。こんなものを現場で見るほど、仕事は暇ではないし、仕事中は仕事に集中にしている。
 どれどれ、今週の小畑と名無しさんはどうかなと見た。ああ、また先週と同じことをレスしている。新しいレスからさかのぼったって見ていたが、どこまでさかのぼっても同じことしか書いていなかった。
 
 僕は彼らになにかをしたらしい。無責任かもしれないが、まったく覚えていない。百合と付き合いはじめたのがコロナのパンデミックがはじまった頃。母親が亡くなったのは東日本大震災が落ち着いて日本経済が復調しはじめた頃。いつも思っていた。そんな昔のことを鮮明に記憶できるほど頭がいいなら、なぜ就労しないかと。いまの僕は時給1500円で1日8時間。それを月20日ほどやる一般派遣の建設作業員だ。一般派遣だが、現場のメンバーはそう変わらない。東京でだって無限に建設現場はない。同じような顔ぶれになる。実質、社員とあまり変わらなかった。もともと、建設は元請けの建設会社でもなければ正社員ではない。職人は個人事業主が多かった。あまり、そういう階層の違いを意識することはなかった。どういう所属かより、なにができるかが重要だった。

 建設の仕事をはじめたのは母親の一周忌を過ぎた頃。母親の最期を看取るために仕事を辞めていた。母親は在宅看護だったが、苦労はした。その時のストレス解消で匿名掲示板の彼らになにかをやったらしい。苦労している自分から見れば、働かずとも自由に暮らせている彼らがうらやましかった。なににもしばられない自由が僕にはなかった。
 しかし、そんなものなどなかった。彼らは世界を生き抜くための肩書きすら持っていなかった。どんなロールプレイングゲームでも肩書きのないキャラクターは存在しない。

 たばこを一本、吸い終わった。たばこ、一本分の時間で一週間分のレスは読み終わった。もう、その程度になった。その程度の人間しかいなかった。彼らは僕のことを派遣とか非正規と侮蔑的に呼ぶ。彼女の百合も非正規だった。非正規と言うマイナス。マイナスとマイナスをかければプラスになる。僕と百合は二人でプラスだった。しかし、非正規と無職、どっちが世間的にいや、国税庁的にはましだろうか?僕は一般派遣と言っても、派遣会社の正社員なので所得税、住民税、社会保険は払っている。彼らの誰が僕と同じものを国に貢いでいるのだろうか?

 百合はコールセンターで働いている。コールセンター業界の現場を支えているのは非正規だ。百合はそれをバブル崩壊そして就職氷河期からずっと続けてきた。彼女なりに戦場を生き抜いた。勲章などはない。それでも職務経歴書は正直だ。派遣会社が困った時に現場に投入される頼れる傭兵に育った。コールセンターの仕事としては、高時給で2000円を超えている。現場によっては正社員の代わりにスーパーバイザーをやることもあった。そんな彼女を僕は好きだった。非正規かもしれないけど、仕事ができる自立した女性で輝いていた。
 彼女は彼女で社会に必要とされている仕事でエッセンシャルワーカーだった。僕の建設もロボットやAIではできない近代社会を成立させるために必要なエッセンシャルワークだった。
0401創る名無しに見る名無し
垢版 |
2023/04/22(土) 17:00:37.13ID:J4mQA9IC
 僕はたばこをもう一本、吸い、焼き鳥屋のカウンターに戻った。僕の席の隣には百合が座っていた。レモンハイを飲んでいた。今日は珍しくパンツスーツを着てパンプスを履いている。僕は席に座った。
「どうしたの?その恰好?」
「また、炎上現場に投入されるのよ。その顔合わせ、やれやれ」
「時給、いくら?」
「あんたはなにも気にしないわね。クレーム電話もそのぐらいわかりやすいといいけど。2500円」
「おぉ。開発エンジニア並みか」
「それだけ苦労があるってこと」
「ところで大将にお任せでいい?」
「ああ、今日はちょっとおなかが空いているから、重いものも加えて」
「あいよ」
「ところで今夜は」
「お前、もう酔ったか?」
「いやさ、この年になって楽しくってね」
 彼らにこんな男女の付き合いはできないだろう。ざまあみろ。
 僕はネットに強いちゃんとした弁護士を雇い、高裁までは上告されても戦える貯金はあった。いつでも戦えるという心の余裕があった。僕は、まだ彼らに白旗をあげていない。
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