漫画を描き終え、それをポケットの中に大切に保管し、パンツも履き替える。
そうやってホームルームまでの時間を"有意義に"潰すのだ。

2年6組 ホームルームにて
吉永先生「みなさんおはようございます」
2の6一同「おはようございます」
吉永先生「今日は一日特にこれといった行事はありません。えーっと、今日の休みは野原君と…」
しんのすけ「おっほーいみんなー!今日もギリ間に合ったゾー!
2の6は笑いで包まれる
吉永先生「今日も昨日も間に合ってません!遅刻です!職員室行って遅刻届書きに行きなさい」
しんのすけ「おっほーい…」
吉永先生「返事ははいでしょ」
しんのすけ「臓器のはーい(肺)」
しんのすけは2の6を笑いで包むと職員室へ向かった
吉永先生「ったく、どうしてあの子はいっつもあーなのかしら。それはそれとして、もうすぐ一限始まるから準備をして下さい。」
吉永先生が教室を出るとクラスの人たちは席を立って友達たちと賑やかに談笑を始めた。
僕もポケットに詰めた漫画の紙をバッグの奥の奥に詰め込んで、友達の方へ向かった。
「それでさー。やっぱ激唱クリアするのが一番むずいと思うんだよねー」
「あーそれ、僕もうマスターノーミスでクリアしちゃっよ」
「は、まさおのくせに。うそじゃん!」
「うそだ」「ウソだ」
「ほんとなんだってば!」
「ハッハ、ジョーダンだよ!」
「なーんだ」
「お前が激唱クリアしたことがジョーダンなんだよ」
「なんでそうなるんだってば」
いつものまさおいじりが友達たちを笑いに包む。
高校入学したての頃はしんちゃんたちと違うクラスで馴染んでいけるか怖かったけど、みんないいやつで僕のこといじめたりせず、いじってくれる環境を見つけられて本当に良かったと思うんだ。
だからこそ、こんなハレンチな僕の趣味なんて知られたら友達にも迷惑かけてしまうから、毎日が命懸けなんだ。