暫く魔導師会と遣り取りしていた都市警察は、改めてビシャラバンガとコラルに向き直った。

 「名前は?」

 「己はビシャラバンガだ」

 「コラルです」

 「判った」

2人の名前を確認した都市警察は、再び通信を始める。

 「大男の方はビシャラバンガ、小さい方はコラルと言うそうです。
  ……あっ、はい、そうですか……。
  はい、お手数をお掛けしました」

都市警察は通信を終えて、小さく息を吐く。

 「確認が取れた。
  それで何をしているんだ?」

疑った事への謝罪も無いが、ビシャラバンガは気にしない。

 「浮浪者が殺された事件を追っている。
  それで聞きたい事がある」

都市警察達は揃って面倒臭そうな顔をした。
浮浪者連続殺人事件は、都市警察の領分では無いのだ。
否、正確には領分には違い無いのだが、現在優先して解決すべき事件では無い。