X



トップページ創作発表
1002コメント940KB
リレー小説「中国大恐慌」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/11/21(水) 05:01:20.00ID:Ll07jrjG
2018年11月21日、中国東部を超巨大規模の停電が襲った。
北京周辺から上海周辺にかけて、地上から電気が消え、人々はパニックに陥った。
これはそんな架空の中国が舞台の物語である。

主人公の名前は李青豪(リー・チンハオ)。
29歳の青年である。通称は「ハオさん」。 
愛称は「ハオ」。
0758創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 08:19:41.30ID:8YS9dqxw
「お前の言う通りだ」
ハオは>>757の言うことを認めた。
「動くオナホなんて最高じゃないか! って思ったんだ。しかも金さえあれば、顔もボディーも飽きたら交換し放題の恋人なんだぜ!?」
それから泣き崩れた。
「だって男なら誰だってそういうの夢見るじゃないかぁぁ! それにそれは別として、ララのことは本当に可愛かったんだ。本当の妹以上に! 愛し始めてたんだ!」
0759創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 15:34:05.05ID:cjjhNVI7
しかしメイファンはハオの首をはねることはしなかった。
本当はギタギタに切り刻んで肉マンゴーのようにしてやりたかったが、それでララが帰って来るわけではない。
何よりメイファンはまだ諦めていなかった。
どこに手がかりがあるかもわからない、現場はなるべく壊さずに留めておきたい。ただそれだけの理由でハオを殺さなかった。
もちろんハオを殺すよりも苦しい目に遭わせてやりたいという気持ちもあった。しかしそれはララの生存を諦めてからの話だ。
メイファンは部屋の真ん中に座り、抱いた膝に顔を埋めて考えた。
『気』だけの存在であるララが死んだらどうなるのだろうか。死体のようなものは何も残らず、ただ消えるだけなのだろうか。
あるいは綿飴が溶けた跡のようにその場にこびりつくのだろうか。人形をかっさばいてみればそんな跡がついているかもしれない。
しかしメイファンはそれを見るのが怖すぎて、人形を裂くことが出来なかった。

ブヒブヒと豚が洟を啜るような音が聞こえる。鼻のないハオが泣いている声だ。
泣く以外に何も出来ないのか、この男は。そう考えてすぐに自分も同じだということに気づく。

膝に顔を埋めてメイファンはララのことを思った。
自分が幸せかどうかなんて考えたことがないが、幸せなのだとすれば、それはすべてララによるもののように思えた。
ララに名前を付けてあげ、誕生日をプレゼントし、ララの悩みを聞いてあげ、ララの出来ないことや苦しいことは全部してあげ、自分の身体まで分け与えた。
こう考えると妹が姉にしてあげてばっかりのように思えるが、してあげることが妹にとっては何よりの喜びであり、幸せだった。
ララからしてもらったことも少なくはない。戦いで傷つけば癒してくれ、戦闘服が綻びれば縫ってくれた。しかしそれ以外は?
裁縫や編み物の得意な姉は、妹のために何度かマフラーや帽子や手袋を編んでくれようとしたことがあった。
しかしチマチマとした作業を見ているのが苦痛だった妹は、編みかけのそれを毎度ぶち壊した。
ララは何もしてくれなかったのではない、妹が何もさせなかったのだ、と今更気づく。
誕生日を祝ってくれようとするのを毎回「興味ねーから」と断った。15歳で大学に受かったのを誰も誉めてもくれなかった時、
姉は1人だけ誉めまくった上にコーラとフライドチキンだけの細やかなパーティーで祝ってくれたが、
あれも本当は豪華なパーティーを開きたかったに違いない。妹が気恥ずかしくて断るだろうことを知っていたのだ。
何をしてくれるまでもなく、ただ一緒にいてくれるだけでよかった。
自分が『気』の使い手としてここまで強くなれたのはララのお蔭だ。
何より、暗い道を歩いて来た自分を明るく照らしてくれたのはいつでもララたった。
ララがいたから、自分は……
「むぇいばむ!」
ふいにハオが叫んだ。
0760創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 15:57:50.96ID:cjjhNVI7
(むぇいばむ)? あぁ、鼻がないから(メイファン)と言えないのか……。
どうでもいい、話しかけるな。そう思っているとハオはもう一度叫んだ。
「むぇいばむっ!」
殺気を込めて片目で睨んでやった。しかしハオが示しているものを見てメイファンの殺気が緩む。
「こでっ!」
(これっ!)と言いながらハオは自分の指を示していた。さっき斬り落としたはずの指先が、再生しつつあった。
指先だけではない、耳も、鼻も、肉が盛り上がって再生を始めている。
メイファンは立ち上がり、ハオの中をもう一度よく見た。青いので気づかなかったが、確かにララの『気』を感じる。
しかしすぐに目を伏せ、首を横に振った。
「お前の中にいるうちに少し同化していた部分があっただけだ。いわばララの『匂い』みたいなものだ」
しかしそれはハオの身体を治癒するに伴い少しずつ小さくなっている。
メイファンはハオの耳と鼻を拾うと、洗いもせずに元の場所にあてがった。みるみるくっつき、傷も塞がって行く。
するとララの『気』の消費が止まった。
「匂いだけでもララのものだ。これ以上小さくしないでくれ。怪我をするな。怪我をしたら殺す!」
そう言いながらもメイファンは、なおもハオを斬り刻んでやりたくてたまらなくなった。
床に寝そべっているふざけた人形にその気持ちをぶつける。手刀を一振りすると、人形の首から腰の下までが鋭く裂けた。
獣が唸るような声を上げてさらに手刀を振るう。人形はあっという間にズタズタになり、その身体の内側の骨まで切断された。
内側をさらけ出した人形をメイファンは隅々まで確認する。どこにもララの遺した跡のようなものはなかった。
0761創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 16:18:55.74ID:cjjhNVI7
人形を貫通して床までズタズタに斬り裂かれた部屋で、二人は距離を置いていつの間にか泣き疲れて眠っていた。

立てた膝に頭を乗せて眠るハオの前に、シューフェンとララが並んで立った。

「ハオ」シューフェンが言った。「早速乗り換えてくれるのは別にいい……。でも、」
ハオの体がびくんと痙攣した。それを見てシューフェンは続きの言葉を飲み込む。
「ハオ」シューフェンはハオの頭を撫でた。その語調は優しくなった。「苦しむのよ」
ハオはシューフェンを涙目で見、助けを求めた。
「苦しむのよ。苦しんで、苦しんで、そして償いなさい」
「償うって……? どうやって……?」
「それはあなたが考えるの」
「お兄ちゃん」ララが喋った。
ハオはララを見る。メイファンの身体にいた頃のララだ。少し巻いた髪が風もないのに揺れ、白い肌はさらに白く見えた。
「ララ! ごめん……!」
「お兄ちゃん」
「ごめん! ごめんよぅ! ララ! 本当にごめんよぅ!」
「早く私を見つけて」
「え!?」
「助けて。早くしないと、私……」
0762創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 16:41:32.78ID:cjjhNVI7
ハオは飛び起きた。
同時にメイファンのスマートフォンが鳴った。
メイファンは緩慢な動作で応答ボタンを押す。
「もしもし?」
『メイファン』習近平の声がした。静かな部屋でハオにもよく聞こえた。
「習近平か。どうした」
『何だか知らないけどね。リウ・パイロンが町で暴れているらしい』
「何だそりゃ……」
『お前、ちょっと行って片付けて来てくれないか。住民がうるさいんだ』
「……今どこにいるんだ?」
『さっき××街の小吃店を軒並み破壊したところらしい』
メイファンは電話を切ると、再び膝に顔を埋めた。
自分は習近平に必要とされている。しかしそんなことは元々どうでもよかった。
ハオを惨殺してから自分も死のうかと夢の中で考えていたところだ。いくら国家主席のボディーガードと言えども、自分で自分を殺す自由ぐらいあるはずだ。
しかしそこになぜかリウ・パイロンの顔がアップで割り込んで来たのだった。
泣きながらリウにすがりついた。しかし夢の中のリウは知らん顔をして背中を向け、去って行った。
「メイファン」ハオが話しかけた。「ララは生きてるぞ」
メイファンは藁を掴む心持ちでハオに目を向けた。「根拠は?」
「夢を見たんだ」
「夢?」
「夢の中で、ララが『早く助けてくれ』って……!」
メイファンは勢いよく立ち上がるとハオの右腕を斬り落とした。
「ウワァァァー!?」
斬り口から大量の血が吹き出し、壁や床やベッドを染めた。
「怪我をするなと言っただろうが!!」
そう叫ぶとメイファンは小声でもったいないもったいないと言いながら斬ったばかりの腕をくっつける。
そして上着をはおると出て行った。
「なんか意味がわからんが行って来る。貴様、逃げるなよ?」
0763創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 16:46:09.53ID:cjjhNVI7
「逃げるもんか」
ハオはそう呟きながらズタズタにされた人形を抱いた。
「逃げるもんかよ!」
抱きながら、激しく体を揺すった。
「ララ! ララ!? ここにいるんだろう!? 出て来い! 早く出て来てくれ!!」
部屋中が血まみれになり、床が裂けてささくれ立つ中、ハオは必死で呼びかけ続けた。
0764創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 17:13:01.22ID:cjjhNVI7
「あら? あれ、リウ・パイロンじゃね?」
小吃店『永遠大王小吃』を営む王さんは、店の中から通りを見て、従業員の陳君に言った。
「本当だー! リウ様だ! って、何してんの、あれ?」
黒いスーツにサングラスをかけたリウ・パイロンは向かいの果物を並べた屋台に超低空アッパーを決めていた。
浮き上がったリンゴや梨にとどめを刺すでもなし、ただそこら中の屋台を破壊して回っている。
「やばいよ……これやばいよ! 警察……っ!」
陳君が言い終わるのも待たずにリウは小吃店に突進して来ると、ぐつぐつスープの煮え立つ170リットルの寸胴鍋を拳で宙に浮かした。
0765創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 17:31:05.21ID:cjjhNVI7
「おっ? また来てくれたのかい」
店の前で掃除をしていたシャオ・ホンフーは嬉しそうに笑った。
しかしやって来たリウ・パイロンの目つきが何やらおかしい。ひきつけを起こしたように上ばかり見ている。
「おい……?」
心配そうにしながらも近寄ろうとしないシャオにリウは「フギャアァァァ!」と猫のように叫びながら襲いかかった。
あまりの速さにシャオは避けることも出来なかったが、リウの拳はシャオの肩をかすめて店の扉に突き刺さり、破壊した。
「なっ! 何しやがんでェ!」
シャオは竹箒を投げ捨てると散打の構えを取った。
「『いつでもいい』とか言ってたけど、こりゃァねェんじゃねェか? あまりにも乱暴すぎ……っ!」
リウの両拳がハンマーのように振り下ろされ、なんとか避けたシャオの後ろにあったテーブルを粉々にした。
「ちょっと待ってくれ! 店が……!」
リウはまるでもがき苦しむような滅茶苦茶な動きで店の壁をみるみる破壊し、中へと攻めこんだ。
「ぼったくりはもうやめたんだ! 清く正しく生きるから! どうか……!」
リウは厨房内の鍋をボコボコにへこませ、中華鍋を持って振り回し、すべてのものを破壊し尽くすと、狂ったように叫びながらようやく去って行った。
「あぁ……」シャオは泣き崩れた。「あぁぁ……」
0766創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 17:35:58.02ID:cjjhNVI7
警官隊はもちろん出動していた。
発砲許可も出ていた。
しかしリウ・パイロンの狂った動きに銃弾は空を切った。
国民的英雄に銃を向けることが出来ないファンの警官も多く、彼らはまったくの無力だった。
盾を持った警官隊をリウは超低空アッパーでまとめて浮かすと何もせず走り去った。
0767創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 17:43:14.54ID:cjjhNVI7
メイファンは情報を得ながらリウを追っていたが、駆けつけた時にはもうどこかへと去っていた。
しかしそのたびに、後に残された匂いに段々と表情を明るくした。
そんないたちごっこを繰り返すたびに陽は傾き、遂には夜になった。
『施設』も警察もリウの姿を見失い、情報が入って来なくなった。
メイファンが屋台でラーメンを食べているとスマートフォンが鳴った。
画面を見ると、着信相手の名前はリウ・パイロンだった。
0768創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 17:56:10.79ID:hbfHe/1S
ハオは飛び起きた。
同時にメイファンのスマートフォンが鳴った。
メイファンは緩慢な動作で応答ボタンを押す。
「もしもし?」
『メイファン』習近平の声がした。静かな部屋でハオにもよく聞こえた。
「習近平か。どうした」
『何だか知らないけどね。リウ・パイロンが町で暴れているらしい』
「何だそりゃ……」
『お前、ちょっと行って片付けて来てくれないか。住民がうるさいんだ』
「……今どこにいるんだ?」
『さっき××街の小吃店を軒並み破壊したところらしい』
メイファンは電話を切ると、再び膝に顔を埋めた。
自分は習近平に必要とされている。しかしそんなことは元々どうでもよかった。
ハオを惨殺してから自分も死のうかと夢の中で考えていたところだ。いくら国家主席のボディーガードと言えども、自分で自分を殺す自由ぐらいあるはずだ。
しかしそこになぜかリウ・パイロンの顔がアップで割り込んで来たのだった。
泣きながらリウにすがりついた。しかし夢の中のリウは知らん顔をして背中を向け、去って行った。
「メイファン」ハオが話しかけた。「ララは生きてるぞ」
メイファンは藁を掴む心持ちでハオに目を向けた。「根拠は?」
「夢を見たんだ」
「夢?」
「夢の中で、ララが『早く助けてくれ』って……!」
メイファンは勢いよく立ち上がるとハオの右腕を斬り落とした。
「ウワァァァー!?」
斬り口から大量の血が吹き出し、壁や床やベッドを染めた。
「怪我をするなと言っただろうが!!」
そう叫ぶとメイファンは小声でもったいないもったいないと言いながら斬ったばかりの腕をくっつける。
そして上着をはおると出て行った。
「なんか意味がわからんが行って来る。貴様、逃げるなよ?」
0769創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 18:09:21.26ID:cjjhNVI7
満月の浮かぶ公園に駆けつけると、リウ・パイロンはメイファンを見つけてゆっくりとベンチから立ち上がった。
黒いスーツがボロボロに汚れている。
「リウ!」
「しっ」
リウは静かにするよう求めた。メイファンもよくわかっていて、ゆっくり頷いた。
「やっぱり……ここだったか」
そう言いながらメイファンが見つめる先、リウ・パイロンの身体の中で、ララが卵のように丸くなって眠っていた。
「眠っている間はいいんだが……」リウが囁き声で言う。「起きると手がつけられない」
「しかしなぜお前の中に?」
「話は後だ。どうやら俺の身体は相性が悪いらしい。早くお前の中に戻そう」
「相性だって?」メイファンは可笑しそうに吹き出した。
「しっ! 起きるとまた拒絶反応が出る」
「わかった」
「それで……どうやるんだ?」
「ん?」
「どうやってお前に戻せばいい?」
「あー……」
「?」
「その……あれだ。口と、口で……」
「ああ」リウは理解した。
そして優しい動きでメイファンの腰に右手を回し、左手で頭を支えた。
「こうだな?」
「あ……っ」思わずメイファンの口から声が漏れた。
リウの口が近づいて来る。メイファンは頬を紅くし、目を閉じた。
口を大きく開けなければいけないのに、逆にすぼめ、桃色の唇をチューの形にした。
『気』の鎧を解いて甘酸っぱいフェロモンを放出させた。
身を守るように丸く固まっていたララが、リウの中で「フワアァァゥ」と威嚇する声を上げると突然、暴れ出した。
「あっ! もう……」
何か言いかけたメイファンの真下からリウの超低空アッパーが発射された。
『気』を纏わないただの女の子になっていたメイファンにそれをかわすことは不可能だった。
メイファンは満月の夜空を30m飛び、常緑樹の中を突き抜けると、冬の冷たい池の中に突っ込んだ。
0771創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/09(水) 21:46:24.42ID:pCyQ/FK/
「そんなヤワではないわ!」
メイファンは強がったが、その身はしっかり入院中だ。
顎骨折、手指骨折、街路樹の中を通った時の擦り傷多数、池に落ちた時の心臓マヒはとっさに『気』を張ったことで免れた。
0772創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 05:51:11.74ID:WdFOIkRV
リウ・パイロンを蝕む、拒絶反応の正体はララが彼の操縦桿を操作しているために起きている現象だった。

正確にはララの一部…彼女が捨てようとした負の感情の部分が"反乱"を起こしたのだ。
リウを暴走させているのは彼の社会的地位を失墜させるためだが、ハオとメイファンをいたぶり殺すためでもあった。しかし、リウの精神に阻まれ完全に操作できてはいない。
いずれにせよこのままではララは負の感情に支配され、狂気と暴力の権化になってしまう。

一方、ハオはというと…
0773創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 06:40:50.24ID:f1C1aqNJ
「ぐー・・・ぐごがっ・・・グゴー・・・」
ズタズタになった人量を抱きながら眠っていた。
メイファンが病院で苦しんでいるのにもかかわらずにだ。

ハオは夢を見ている空虚だった幼少期の夢だ。
0774創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 07:01:47.01ID:71emq8n4
ハオは貧しい農村の生まれだった。
幼い頃の彼の世界はとても狭く、友達といえば豚の小六、アヒルのワーワー、そしてママだけだった。
0775創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 07:49:01.16ID:Vs3iChv/
だがハオの家はどちらかといえば裕福で
村のはずれにある大きな家に住んでいた。
ハオの父親は役人の一族で基本的に家にはおらず、住人からの評判は悪かった。

そのためハオが外を出歩くと白い目で見られた。
0777創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 12:23:29.34ID:ILbKrhJl
兄弟である。特に妹だ。
時の1人っ子政策により、中国では兄弟のいる人間のほうが少なかった。
しかしハオは童話「ヘンゼルとグレーテル」に出て来る兄妹に憧れ、いつか絶対に可愛い妹が欲しいと強く思っていた。
0778創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 17:59:40.89ID:ILbKrhJl
ちょうどそんなことを思っていたハオ9歳の頃、遠く甘粛省の小さな町で、ララは胎児として生を受けた。
しかし、遠くのハオの「妹が欲しい」という邪悪な願望を受信したのか、胎児は成長するどころかどんどん小さくなり、
遂には『気』だけの存在となり、その身体は消滅してしまった。
0779創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 18:29:52.95ID:ILbKrhJl
リウ・パイロンはなんとかハオの居所を突き止め、アパートを訪れていたのだった。
玄関へ向かって歩いていると、壁をすり抜けて白い煙のようなものが出て来た。
リアルラブドールの首の後ろにメンテナンス用の穴が開いており、そこから抜け出し、壁をすり抜け、ちょうどやって来たリウの前に現れたそれは、ララの『気』だけの姿だった。
息が出来ずに苦しんでパニックを起こしているララに気づくと、リウは自分の身体に入るよう促した。
しかしララがあくまでパニックになっているので、リウは自分からララを吸い込んだ。
「……で、ララはリウに入るとすぐに発狂し、街へ向かって走り出したそうだ」
メイファンの説明を聞き終わると、ハオはへなへなと病室の床に座り込んだ。
「よ、よかったぁぁぁ」泣き出した。「生きててよかったぁぁぉ」
「よくはない」包帯だらけのメイファンはベッドに釘付けになったまま言った。
「うん」ハオは頷く。「リウを止めないと、町が滅茶苦茶になってしまうな」
「町なんかどうでもいい」
「どうでも……って?」
「リウが正気なら私も一緒に破壊の限りを尽くしたいところだ」
「ゴジラ2体上陸か!」
「あのままだとララは完全に気が狂う」
「そうなの!?」
「この世で一番殺したいリウの体内にいるのだ。下手すればリウの中からリウを殺してしまうぞ。そうなればもちろんララも同時に、死ぬ」
「ど、どうすれば?」
「お前を呼んだのはそのためだ」
「お、俺? どうすればいいの……」
「お前の中に私が入る」
ハオは露骨に嫌そうな顔をした。
「私の身体はこの通りだ。まともに動けん。だからお前の身体を使って私がリウを止める。止めた後、ちゅ、チューして……ララを吸い出す」
「でもお前が出たらお前の身体、死ぬんじゃねーの?」
「病院で生命維持装置を用意してくれる。おっ、ちょうど来たぞ」
看護婦と医者が並んで大袈裟なほどの生命維持装置を押して入って来た。
「さぁ、ハオよ。早速、私をお前に挿入させろ」
0780創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 18:57:42.00ID:ILbKrhJl
「し……失礼します」
ハオは心から嫌そうに、仰向けになって大きく開けているメイファンの口に口を重ねた。
「痛い!」メイファンは思い切り牙を立てて噛みついた。「顎を骨折しているのだぞ! もっと優しくしろ!」
「……ごめんなひゃい」ハオは口の両端から流血しながら、泣いて謝った。
「もう一度だ」メイファンがまた虫歯治療の患者のように大口を開ける。
ハオはびくびくしながらそこへ自分の口を重ね、すっぽりと隙間なく繋げた。
メイファンはきばった。
『気』の流れの中に己の存在を潜らせ、ハオの中に送り込もうと頑張った。
しかしどうしても喉から外へ出ることが出来ない。
二人はたまらず口を離した。荒い呼吸を整える。
「うーん。ここまで出てるんだが……」メイファンは息が落ち着くと、言った。「体位を変えてみよう」
メイファンが横を向く。ベッドから顔をずらすメイファンの顔をハオががしっと掴み、犬のお座りのポーズで口を塞いだ。
しかしダメそうなので、メイファンがハオに命令した。
「貴様も協力しろ。吸い出せ」
ハオは頑張った。ちゅーちゅーと一生懸命吸った。ヂュゥ〜〜〜ヂュゥ〜〜〜に音が変わるまで吸った。
「痛いわ!!」メイファンが歯を食いしばった。
「ギャアア!!!」ハオの唇がスッパリ切れた」
「なんで出られないんだ! クソ!」
メイファンは起き上がるとハオをベッドに叩きつけ、口を押し付けた。
「イダイイダイ!!」ハオが悲鳴を上げる。
「アガアアアア!!!」メイファンがきばる。
「あはあはあはあは」ハオが泣きながら笑い出す。
「オゲーッ!! オゲーッ!!」メイファンがハオの口の中にゲロを吐こうとする。
看護婦と医者の見守る中、遂にメイファンはハオの中に入ることが出来なかった。
0781創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 19:21:36.64ID:ILbKrhJl
ハオの中に残るララの『気』でメイファンを治療することも試してみた。
しかしどうやらハオ自身の傷しか治すことは出来ないようだ。

「仕方がないな……」メイファンはベッドに寝直すと、ため息を吐いた。「ハオ、お前がやるんだ」
「俺が? 何をやんの?」
「ララが眠っている間、リウは正気になる。その時を狙って吸い出すんだ」
「え。リウとチューすんの?」
「お願いします」メイファンはぺこりとした。
「吸い方わかんねぇよぅ。男の唇吸ったことねぇし……」
「ララも、お前なら素直に自分から戻ってくれるかもしれん。お願いします」メイファンはまたぺこりとした。
ハオは何も言わず、病室に静寂が流れた。
メイファンはフーと息をつく。
ハオが言った。
「俺がリウを倒すよ」
「またアホなことを言い出したな……」メイファンは目を瞑って呆れた。「お前にリウが倒せるわけが……っ!?」
メイファンは目を開けて少しびっくりした。
アホ面でないハオを初めて見た気がした。目が決意に燃え、いつもだらしなく開いている口はキリリと締まっている。
「俺が倒す」
まるでイケメンのような声でそう繰り返した。その決意を証明するように身体から蒼い炎が立ち昇る。
『気』はララを失ってダークブルーに変わっていた。あれっ? なんか強そうじゃね? とメイファンは錯覚する。
「お前、俺のこと『天才だ』ってよく言ってくれたじゃないか」
ハオはそう言うと立ち上がり、宣言したのだった。
「お前の見立てを信じる! 証明してやる! 俺は、何より、ララを助けたい! その想いのままに、死ぬ気で頑張ってララを取り戻す!」
0782創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 19:28:46.66ID:ILbKrhJl
そう宣言するなり病室から駆け出して行った。
婦長さんが「走るなボケーっ!」と叫ぶ声が廊下に響いた。
メイファンはあんぐりと開けていた口をようやく閉めると、呟いた。
「ハオ……確かにお前はリウ・パイロンを凌ぐ天才だ」
牛乳を一口ストローで飲むと、ガックリと頭を垂れた。
「しかし、努力の量が違いすぎる。……運よく殺されずに済んだら同じ病室になれることを願う」
そしてまた牛乳を手にし、ズズーと飲みきる音を立てると、言った。
「あとララを取り戻しても二度とお前に会わせる気、ねーから」
0783創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 20:04:03.85ID:f1C1aqNJ
「ウガァーッ!」
大男、リウ・パイロンがひっくり返った車のそばで雄叫びを上げる。
周りには粉々に砕けたブロックや木の破片が散らばり、人々が逃げ惑う。

リウは拳を振るい人や物、その血走った目に映るすべてを壊しながらある場所へ向かっていた。

リウは口端を釣り上げ、半開きとなった口でニタァと笑う。
だがそれはリウの意思ではない。操縦桿を握るララのものだった。


「まっててねメイ、お兄ちゃん今殺しに行くから」
0784創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/10(木) 20:54:03.51ID:WdFOIkRV
拳。
その直後、ハオの腹に拳が沈み、口からは赤や黄色が飛び出し、リウの顔を汚した。

息ができない。意識が霞む。ハオには何が起きたか理解できなかった。

リウはにっこりと笑顔で倒れたハオに近づいてしゃがみこむ。
「ハーイ、お兄ちゃん久しぶりぃ。ララがいなくて寂しかったぁ?」
ララはリウの口を借り、吐息混じりの声で話した。ハオは直感でララだとわかったが、もう自分の知っているララはいなかった。
ララは狂気に支配されていた。
0785創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 00:31:50.58ID:QGjRQ181
「こ……、こんなにされても俺は……ララ」ハオは苦しみながらも口にした。「お前を愛している!」
「キュンッ!」リウの胸が鳴った。
「愛している!」
「キュン! キュンッ!」
「うおぉぉぉ愛しているーーッ!!」
「キュンキュンキュンッ! キュンッ!」リウの心臓が鳴りまくった。
「うわぁぁもう何が何だかわからないーーッ!!」ララは叫びながら逃げ出してしまった。
0786創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 00:41:52.02ID:QGjRQ181
メイファンから電話がかかってきた
「ハオ、お前にお供の者をつけてやる。サルとブタとカッパだ」
0788創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 07:32:28.46ID:3kv+gR3A
ララ「なんて強い身体! 最高!
 私、リウ・パイロンのように強くなれないなんて思ってたけど、リウ・パイロンそのものになれちゃった!
 リー・チンハオを殺し、ラン・メイファンを殺し、習近平も殺し、私がこの国の覇者になるのよ!
 あそうだ、最後にはリウ・パイロンも殺し、私がこの国の女王になるのよーー! キャハハ!」
0789創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 08:21:57.32ID:93bt95cs
リウ號機を駆るララが戻ってきた。
リウ號機は何も身に付けておらず
その股間は反り立っていた。
「フフッ、私のことを愛してくれて嬉しい。私もお兄ちゃんのこと愛してる」
ララはハオの告白に興奮し呼吸が荒くなっていた。
「ヒヒヒッ、お兄ちゃん…私の愛を受け止めてね。」
リウ號機はハオのズボンをパンツごと脱がすと
ずり降ろし取り払うと、足を広げ正常位の姿勢をとる。

「ファッ!?、それは流石にやめろっ」
ララの行動の目的が分かったときハオは青ざめた。

「お兄ちゃんいくね。」
ララはリウ號機のアレをハオの菊座にあてがうとハオの話も聞かず一気に突き入れた。
ハオの肛門はリウ號機の丸太ん棒の大きさに耐えられず、ブチブチと音を立てながら裂けた。

ハオはそのあまりの激痛に声を上げることができない。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん」

リウ號機は腰を激しく打ち振るうと接合部から血が滲み、激痛がハオの体を這い回る。
その拷問は3分間続いた。
0791創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 09:42:48.99ID:RpDlTEga
メイファンはそう言うとがっくりと肩を落とし生きる気力を失った。
その失望は計り知れないほどのものだった。
0792創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 11:56:59.94ID:hffNvLdu
ハオはヒリヒリ痛む肛門を押さえながら、だんだん自分の『気』の能力がわかって来た。
リウ號機にあれだけのことをされたのに、自分の傷を癒す能力は尽きるどころかまだまだ元気である。
つまり、これは実はララの能力ではないのではないか?
ララとの合体で目覚めた、自分自身の蒼い『気』の能力なのに違いない。
「凄ぇ。まるでウルヴァリンしゃないか」
しかし超回復能力だけではちとショボい。
他にも何かあるはずだ。
ウルヴァリンをアダマンチウムの爪があるように。
試しに拳を顔の前に出し、アダマンチウムの爪でも出ないかと力を込めてみた。すると……
ハオ「こっ、これはっ?!」
0793創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 15:27:26.09ID:93bt95cs
「ウゲッ!?」
ハオの体が激しく揺さぶられだし、体の中心に激痛と衝撃が走る。
リウ號機が動き出し、再び地獄のピストンを再開したのだ。
「はっ、はっ、ふっ、ハオお兄ちゃん…ッ私、ハオお兄ちゃんと繋がってる。ハオお兄ちゃんと1つになっ、てるっ」
ララは今まで感じたことのない快感が込み上げてきてさらに腰を振るスピードを早めた。

「お兄ちゃんっ、何か来るっ、来ちゃうっ!」
ララがリウ號機の低い声で叫ぶと、ハオの直腸に白濁液を注ぎ込んだ。
「はあ〜、気持ちよかった…」
ララは余韻に浸りながら失神しているハオを抱きしめ、キスをした。
0794創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 16:33:03.25ID:n89FXVZu
「かかったなっ!」
失神したフリをしていたハオはかっと目を開けるとキスしたままリウ號機の頬をしっかりと掴んだ。
「このまま吸い出してやるっ!」
0797創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/11(金) 23:01:38.18ID:laGHU2JW
「ウゲゲゲゲゲゲゲ!」リウ・パイロンは心に深いショックを受けた!
「んふぅ〜はぁあっ」ハオは何かに目覚めた!
「オッサン同士のBLサイコー!死ね!!」ララはさらに発狂が進んだ!
0799創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 05:51:07.38ID:uIcSXrHV
ハオが目を覚ますとそこは公園のベンチの上だった。
「夢…!?」
ハオは起き上がった。脱がされたズボンは履いたままで引き裂かれたはずの肛門も無事だ。痛みもない。
「俺寝てたのっ!?」
ハオは頭を抱え呆然としていた。しかしハオはそこからリウ號機が去っていくのに気がついていなかった。
「また来るよ、お兄ちゃん。」
リウ號機が新たに向かう先はメイファンのいる病院だ。
0800創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 07:45:41.73ID:uVOOEAQd
メイファンは病室のベッドで呟いた。「言っとけど、この世界での最強はリウじゃなくて、武器持ったオレだから」
0801創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 12:10:39.91ID:6qGrUJAW
直後にメイファンの病状が急変し、脳死状態と判定された。
病室に現れたリウ號機は人工呼吸器の電源を切ってしまった。
0802創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 12:42:56.92ID:VC9OYmKY
リウ號機の姿は何度も再生を繰り返した結果ベースとなった、リウ・パイロンのそれとは全く異なるものになっていた。

背丈は元の180cmから2m以上に大型化し
浅黒かった肌は死体のような白い肌に変色している。口は耳まで裂け肉食獣のような牙が覗いていた。その姿はもはや人ではない。

ララはメイファンが死んだと確信するとハオの元へ戻っていこうとした。
0803創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 16:49:25.57ID:QHaTBgbF
しかしその途中で疲れて眠ってしまった。
さんざんハオを掘ったので、掘り疲れてしまったのだ。
0804創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 17:10:49.26ID:QHaTBgbF
リウが正気を取り戻すと、寺院の裏庭のような所にいた。
ララに乗っ取られている時の記憶がない。だんだんララに支配されつつあるようだ。
「何とかしなければ」リウは辺りを見回した。「ララを救わねば」

歩き出し、角を曲がるとすぐにその人と出会った。
その人は白い梅の花の下、石のベンチに腰掛け、ため息を延々と吐いていた。
リウの姿を見つけると嬉しそうに立ち上がり、もじもじと身をくねらせ、上目遣いで見つめて来る。
「君は……」
美しい黒いストレートヘアー、すらりと上へ伸びた体躯、大きな恋心を秘めるように膨らんだ胸、日本の昔の画家が描いた幽霊を彷彿とさせる醜い顔。
「確か……ジンチンさんだったね?」
名前を呼ばれ、彼女の顔が食事中の鬼婆のように明るくなった。
「お、覚えててくれただか」
「姿が変わり過ぎていて一瞬わからなかった。しかしその黄色い『気』はよく覚えているよ」
「嬉しいだ……。嬉しいだ……」
リウはジンチンにゆっくりと、ゆっくりと近づいて行く。
なぜそんなにゆっくり歩くのだろう? と不思議に思ったジンチンは、リウの胸のあたりにそれを見つけて納得し、驚いた。
「ララちゃん?」
「見えるのか」リウは頼もしそうにジンチンを見つめた。
「起こさないように、静かにしてあげてるのね」
「起こさないようにというか、起こすとまずい」
「……そういうことだったのかァ……。アンタが町で暴れるなんて、おかしいと思っただァァ……」
「話の飲み込みが早くて助かるな」
ジンチンは優しい三白眼でリウを見つめ、黄色い歯を剥いて微笑んだ。
「アンタがそんなことする人なわけねェのはわかってるだ」
「信じてくれてありがとう」
「いやいやァん」ジンチンは照れ、大きな手で巨大な顔を隠した。
「確か……君は『気』が使えるのだったな」
「んだ」
「そして君はララと仲がよかったんだよな?」
「親友だァ」
「頼む。ララを君の身体へ移してあげてくれないか」
「困ってるのね」
「とても」
「わかった。オデがアンタを助けるだ」
ジンチンは真剣な顔つきになると、リウをまっすぐ見つめた。その顔は鎌を構えた鬼婆のように真剣であり、リウでなければ怖すぎて逃げ出していたかもしれない。
0805創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 17:14:06.89ID:typEQgfC
「こ…これが俺…?」
目が覚めたリウ・パイロンは割れた鏡の破片に映った己の姿を見て驚愕した。

その姿は絵本に出てくるお化けそのものだった。
0806創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 17:20:29.17ID:QHaTBgbF
リウから方法を説明され、ジンチンの頭の上に激しく雷が落ちた。
思えば生まれて21年、一度も女性扱いなどされたことがなかった。
誰でもいいから童貞を捨てるためにと、クラスの男子達はブスと付き合いヤリ捨てていたが、自分だけはその対象外だった。
女として見られていないどころか人間として見られていなかった。
もちろん処女であり、キスの経験もなかった。
一生することもないと諦め、女を捨て、ただ格闘と食欲のみに生きる覚悟を決めていた。
それが突然、こんなところで、キス出来ることになるとは。
しかもその相手が数日前に出会った初恋の人だとは。
0807創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 17:24:51.17ID:QHaTBgbF
「アンタ、背、伸びただなァ」ジンチンはうっとりとリウの顔を見つめて言った。
「そのようだ」
「顔も前よりハンサムになっただよ。親近感が湧くぐらい」
「ありがとう」
「オデ、覚悟を決めただよ。ララちゃんを下衆のいいようにされることから救ってみせるだ」
「俺も覚悟を決めた」
リウはそう言うと、ジンチンの身体に腕を回し、ゆっくりと顔を近づけた。
身長2mを超す二人が、白い梅の花の咲く下、唇を合わせた。
0808創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 17:48:56.59ID:QHaTBgbF
リウと唇を合わせながら、ジンチンは黄色い『気』を放ち、リウの身体の中へ入って行った。
光の糸を引いて降りて行くと、卵のように丸くなっているララを見つけた。
(ララちゃん)
(ん……)ララはその呼び掛けに少し反応した。
(ララちゃん、オデだよ)
(ジンちゃん?)
ララは顔を上げた。黄色い優しい光が、天使の手のように、そこにあった。
(ララちゃん、オデの所へおいでよ。一緒にうまい棒食べよ)
ララは夢見るように笑った。(わぁ、行く行く)
(じゃあ、オデの手を繋いで)
(うん)
ララは何の警戒心もなくジンチンの黄色い『気』の手を取った。
ジンチンはするするとそれを戻し、自分の身体へララを導く。
天から差し伸べられた蜘蛛の糸を伝って昇るように上へと移動しながら、ララは(そう言えばここ、どこだっけ?)と朦朧とする寝起きの意識の中、考えた。
(何も考えちゃダメだァ、ララちゃん、うまい棒のことだけ考えるだァ、オデのように)
しかしジンチンの誘導は無駄だった。
ララは獣のような男の匂いに気づいてしまった。かつては大好きだった匂い、そして一転、自分を絶望のどん底に陥れてくれたあの匂いだ。
ララの口から「a」の音が漏れたかと思うと、それは「A」の音を通り越し、あっという間に「悪」の音に変わる。

『失敗した!』
ジンチンが目を開けると、どアップで悪魔のように恐ろしく変身したリウの顔があった。
「ガゥアア!」
リウがジンチンの口に牙を立て、思い切り噛みつく。まるでライオンとキリンの口づけだ。
ジンチンは目をかっと開くと、ララを掴んだ『気』を思い切り引っ張った。
(ここで離したら元の木阿弥だ!)
リウの牙が食い込み、血が迸り、ジンチンの頬から皮が剥がれ、白い肉が露になり、すぐに赤く染まる。
「アグヮグヮグヮアア」
リウが咀嚼する。
(離さねェだ!)
ジンチンは額に力を込めると足を前に出し、リウの身体を強く抱き、顔をさらに押し付けた。
(ララちゃん! もう少しだ!)
リウはジンチンの口の周りの肉を引きちぎると顔を引き離した。
0809創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 18:13:53.11ID:QHaTBgbF
「ゴォゥワヮァアア!!」ジンチンは怯まず叫んだ。
その口からはまだ黄色い『気』の糸が伸び、リウと繋がっている。
「諦めるかァァア!!!」
ジンチンはリウに再び抱きつき、『気』の糸を引っ張りながら、同時に鯖折りを決めようとする。
リウの身体から『気』が立ち昇った。
リウの赤い『気』は、ララの白い『気』に侵され、気の狂ったようなピンク色に変わっていた。
「アアアアアア゛!!!!!」
ピンク色の巨大な『気』がジンチンの体を焼く。
「ギョワァァァア!!!!!!!」
ジンチンはなおも腕に力を込め、黄色い『糸』を引っ張る。
リウは『気』を込めた屈強な歯のギロチンを閉じにかかる。
「ガル!」
お釈迦様が垂れた糸が切れる大きな音とともに、希望の黄色い糸は噛み切られてしまった。
ショックで腕を離したジンチンとの隙間から拳がせり上がり、顎を砕いて白い梅の花を散らした。
ジンチンは吹き飛び、蝶のような黄色い鱗粉を引きながら地面に倒れた。
0810創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 20:18:31.96ID:hrbfzIX4
公園のベンチでぐったりしているハオのところへ一人のブタがやって来た。
「遅れてすみません、ハオ様」
「誰?」
「メイファン様からハオ様のお供をせよと申しつかった者でございます」
「遅いよ。もう犯されちゃったよ」
「申し訳ございません」
「それにしても描写の難しい顔してんね」
「そうでございますか? 皆様、普通にブタのようだと申されますが……」
「『ブタのような人間』って言ったらいいのか『人間のようなブタ』って言ったらいいのかが難しいんだよ」
「あっ。そこでございますね?」
「名前なんてーの?」
「猪です。チョ、とお呼びください」
「ああ、なるほどね」
「ちなみにもう二人おりますが……」
「あー、名前聞かなくてもわかるからいいよ。孫と沙。当たり?」
「犬と雉でございます」
「桃太郎!? っていうか、被ってんのブタじゃなくサルじゃね!?」
「二人はメイファン様が死んでしまわれたので逃げてしまいまして……」
「メイファンが死んだ!?」ハオは思わず声を上げた。「やったー!!」
「あっ。ハオ様も大喜びされるのですか!」
「あ、でも。メイファンが死んだら俺、誰に依存すれば……」
「いきなり心細くおなりに」
「お前は喜ばねーの?」
「私は真性のマゾですので」
「なる…」
「ハオ様もてっきりそうかと」
「まぁ、攻められるのは好きだけどね。でもやり過ぎられるのは、ちょっと」
「やり過ぎとかあるのですか!? 羨ましい!」
「普通あるだろ。これ以上やられたら快感どころじゃねーみたいなポイント」
「私、ないんです。だからメイファン様にもっと!もっと!とお願いするのですが……」
「すげーな、お前! ところで何しに来たの?」
「もちろん応援です」
「ほう、メイファンの手下なら期待出来そうだな」
「傍でエール送るので頑張ってくださいよ」
「声援かよ!」
「だってあなた、主人公じゃないですか。頑張らないと」
「主人公だからって死なないわけじゃないよ。主人公が死ぬ作品なんていくらでもある」
「フレー! フレー!」
「だから声援だけならいらないよ! あとビックリマーク小さいな!」
「頑張れー!」
「ブルーハーツかよ! 頑張れって言われないほうが気楽でいい時もあるよ!」
「じゃっ、帰りますね」
「本当何しに来たんだよ!!」
0811創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/12(土) 21:44:45.66ID:1733Jzh5
しかし猪八戒の言ったことはハオに改めてやる気を出させた。
「そうだ、俺は主人公なんだ。そして今のところ何もしていない主人公だ」
「しかし俺にはかつて見せた、愛する人のためなら高層ビルから飛び降りることだって出来るパワーがある!」
「ララを取り戻すんだ! そしてちゃんとした主人公になるんだ! エッチしたくても身体がないことなんか今は考えるな!」
「うおおおお俺は最後の最後に主人公らしい主人公になってやる!!」
ハオの青い『気』が燃え上がった。
0813創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 04:19:38.55ID:B7sQMjhV
リウ號機の左肩から、ララが生えてきた。
生えてきたララはみるみる大きくなり、
リウ號機は彼女に吸収され、背中にリウの顔が人面創のようにチョコンと残る程度となった。

「見てハオさん、私やっと自分の体を手に入れたんだよ?」
ララの顔をしたそれは潰れたラグビーボールを繋げたような腕を広げハオを優しく抱きしめた。
0814創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 07:51:07.40ID:LiIWhY8w
「うげぇ」
ハオはララのために闘う気をなくしてしまった。
そして誰もが死んでしまい、ララも自分を殺した。

             (完)
0815創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 12:17:01.45ID:n4tfjuCX
「まだだっ!」
ハオは立ち上がった。
「まだまだ! 思い出せ、ハオ! 優しくて可愛い、本当のララを!」
顔を上げた。
「大体このままじゃ俺、誰かが言ったような、マンコとお世話目当てで女に依存してるだけのクズに成り果ててしまう」
拳も上げた。
「俺はそんなんじゃない! たとえ今までそんなんだったとしても、そんなんじゃない自分になりたい!」
0817創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 14:06:12.53ID:nS3mZvb3
「ハオさんがどんなに否定してもクズなんだよ。」
死んだはずのララは呻きながら言った。
「ララ、生きとったんかワレ!」
ハオは横たわるララを見ながら叫んだ。
「…あはは、リウを完全に殺すために死のうとしたけど怖くて無理だった。」
0818創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 14:24:58.27ID:n4tfjuCX
「おい」リウは遂にブチ切れた。「お前ら、ええ加減にせぇよ」
リウは立ち上がると、左肩からララを無理矢理引っこ抜き、自分の前に立たせた。
立たせたララに右から左からビンタを往復させる。
ララの顔が紫になって倒れると、今度はハオを無理矢理立たせた。
「グダグダグダグダやりやがって。堪忍袋の緒が切れたわ!」
0819創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 15:23:31.13ID:7PnfX2Iz
リウがハオに何かしようとしたとき、
男の叫び声の後、銃声が辺りに響き渡る。

振り返ると警官隊がリウに銃を向けていた。
しかしリウの傷はララの残りかすによりみるみる再生していく。
「くそったれ!」
異形のリウは標的を警官隊に変えた。その隙を突いて怪物のララはハオに乗り換える。
0820創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 17:30:34.60ID:n4tfjuCX
「そんな悪い子はお兄ちゃんの妹じゃありません!」
ハオは固く口を閉じ、ララの入居を拒否した。
0821創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 18:37:12.64ID:YLWLGnpM
しかし構わずララは鼻の穴からハオに入り込んだ。
0822創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 19:55:51.85ID:ef0yv2tJ
つもりだったが、実体を得てしまったため乗っ取りは失敗した。
「ちくしょおおおっ、ちくしょおおおっ」
ララは悔しそうに叫びながらその場から逃走した。
「あっ」
ハオは全裸の彼女を追いかける
0823創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 20:34:57.73ID:7PnfX2Iz
実体を手に入れたララの脚は速かった。
体力に自信のあるハオがどんどん引き離されていく。
「くそ、ララを早く捕まえないと、走る変態女として新聞に載っちまう。」
だがハオは息をきらして立ち止まってしまった。
0824創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 20:47:51.43ID:t/tDscc4
ララはハオの中に戻ってもなお発狂が止まらなかった。
「ララ! 正気を取り戻せ!」ハオはララに支配されはじめながらも叫んだ。
ララはけたたましく笑い叫ぶばかりで声は届かない。
「ララ……。公園のご飯、美味しかったよなぁ……?」
ハオはなんとかララに優しい記憶を取り戻させようとする。
ハオの顔はどんどん紫色の毛細血管に染められて行き、ボコボコと音を立ててあちこちから角のようなものが生えてきた。
「アガアアアア愛してるんだ! ララ!」
キャハハハハと遠くからララの笑い声が響き、ハオは気が遠くなって行く。
「この時を待っていた」
背後から女の子の猛獣の声がした。
ハオを支配したララが振り向くと、鋼鉄と化した竹棒の尖端がすぐ目の前にあり、眉間を強く打つ。
倒れはしないものの脳にショックを与えられてフラフラしているハオの身体の下から黒豹が飛び上がる。
メイファンはハオの首を両腕で締めてぶら下がると、口に激しく噛み付いた。
「グァグァ!!」メイファンはそう唸ると、一気にララを吸い込んだ。
すぽんという音とともに、あっけなくララはメイファンの中へ収まった。
0825創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 20:49:09.92ID:t/tDscc4
「あれっ? リロードしたつもりだったんだけど……」メイファンはポリポリと頭を掻いた。
0826創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 20:57:19.69ID:YLWLGnpM
むぅ。とりあえずララのカラダは誰のものなのか?と、メイファンは生きてたにしろ動けないんじゃなかったか?の説明をしなさい
0827創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 21:14:41.04ID:t/tDscc4
「フッ。簡単なことだ」メイファンは説明を始めた。
「私は基本的に体力ではなく『気』で身体を動かすのだ。リウと闘うまでは出来んが、ハオを襲うぐらいは出来るわ」
「私が死んだということについてはただポカーンとしておった。顎骨折と手指骨折と細かな外傷程度で、なんか私、死亡確信されちゃった!?」
「ララの身体は巨大化したリウ・パイロンをちぎり取ったんじゃないか? これについてはよくわからん」
0828創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 21:17:56.40ID:N/dTM3L3
よく見たらララが2つに分かれていた。
メイファンが吸い出したララはメイファンの中に、
逃げ去ったララは全裸で逃げ去っていた。
0829創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 21:24:51.53ID:t/tDscc4
「何だそれ、面倒臭いな」
メイファンはため息を吐いた。
「ま、つまり。狂ったララは私の中、身体を得たララは逃げ去った、ということか」
メイファンは自分の中に戻ったララが暴れているのを少しだけ感じた。
しかし長年ララを住まわせているメイファンは、ララにとって言わばバスチーユの監獄であった。
支配しようとしてもびくともしない、操縦しようと思っても操縦桿が存在しない。
「お仕置きだ、そこにいろ」メイファンは自分の中のララに言った。「やはり社会経験の乏しい奴を自由にさせるとロクなことにならん」
0830創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 21:28:13.99ID:t/tDscc4
リウは警官隊と激しいリウ無双を展開していた。
「あっ。面白そうなことやってんな!」
メイファンはそう言うと竹棒に『気』を集め長槍に変え、振り回しながら参戦に向かった。
0831創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 22:23:57.12ID:t/tDscc4
警官隊が一斉にメイファンに向かって発砲した。
メイファンは超高速で振り回す槍で銃弾を弾く。
「キャハハハ!」
立ち並ぶ警官達の首を次々とはねた。
「おい! メイファン! 殺すな!」リウが叫ぶ。
「だってぇ〜。これがぁ〜」メイファンは可愛くそう言いながら首を飛ばしまくった。「私の仕事ぉ〜」
人民武装警察部隊が出動した。武装した装甲車が甲高いキャタピラの音と地響きを伴って現れる。砲台がこちらを向く。
「わぁ、これ無理ぃ〜」メイファンが可愛く言う。
「仕方ない」そう言ってリウが超低空アッパーを打った。
装甲車は亀のようにひっくり返り、動きを止めた。
「ハオ! 貴様も来い! 成長するチャンスだ!」メイファンが振り返り、叫んだ。
「だ、だれが行くかぁぁ〜」ハオは腰を抜かして泣いている。
0832創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/13(日) 22:38:34.40ID:YLWLGnpM
ハオはカラダを得て逃げたララのほうを必死で追いかけた。
カラダを得たのでセックスのできるララだ。でもそのカラダはリウ・パイロンのカラダだ。ハオは走りながらちょっとだけ吐いた
0833創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 05:37:14.16ID:jdtR7gpY
ハオは途中に放置され横たわる原付バイクを見つけた。
ハオはバイクに乗り込むとそれで追いかけた。
0834創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 06:07:51.01ID:fNDd0OI8
ハオは前方にララを発見した。ララは筋肉モリモリで走る衝撃でおっぱいが揺れていた。
0835創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 06:24:18.90ID:764jo9RQ
一時間の逃走劇の末ララはハオに捕らえられた。
「キャハハッ、捕まっちゃった。」
体を得たララは狂った方のララだった。

メイファンに吸われた方は人体で言うところの外皮に当たる残り滓だ。
0836創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 07:46:59.87ID:jdtR7gpY
流石のメイファンとリウも近代兵器にはかなわず、1時間の攻防の末に捕獲されどこかに連れて行かれた。
0837創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 08:27:28.56ID:bly89sAZ
護送車に乗せられ、連行される間中、メイファンはぶつぶつ言いながら距離を図っていた。リウの顔は緊張し続けている。
「2……1……来るぞ!」
そう言うとせーので二人は強化ガラスの窓を容易く割り、素早く窓から飛び出した。
「えっ?」慌てて警官がとぼけた声を上げる。
その頭上からアメリカの超小型ミサイルがあっという間に降って来て、護送車を爆破した。
その炎を背に、メイファンとリウは急いで東へと走る。
『施設』からちょうど20kmと10m離れたところだった。
0838創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 08:59:37.37ID:bly89sAZ
「ハハッ。これでお前も立派な犯罪者だな!」メイファンが嬉しそうに笑う。
「なってしまったことは仕方がない。これからどう生きるか、それのみだ」リウはトーストを食べながら言った。
二人は邯鄲のオープンカフェで遅い昼食を取っていた。のどかな町の風景のすぐ向こうに山脈が聳えている。万里の長城がすぐそこに見えた。
「言い遅れたが」メイファンが言った。「アメリカはお前を攻撃対象から外したそうだ」
「そうなるだろうとは思っていた。俺がただの散打王だとそのうち気づいてくれるだろうとな」
「さっきのミサイルは私一人を狙って来たものだ。お前は自由だぞ」
「自由?」リウは肩をすくめて笑う。「お尋ね者だぞ?」
「我が国の警察などザルだ。簡単に逃げられるだろ。人民解放軍は私の支配下にあるから敵は人民警察だけだ」
「ザルまではいかんだろう」リウは思わず笑った。
「あの長城をずっと歩いて逃げるというのはどうだ」
「トレーニングにはなるな」リウは冗談で言った。
「東端は私の故郷の甘粛だぞ。そこへ住め」
「お前を疎外した町にか」
「なら、どうする?」
「とりあえず西安へ一度帰る」リウはハンバーグソースのついた唇をナプキンで拭くと、言った。「どうしても会いたい女性がいる」
0839創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 09:30:49.87ID:bly89sAZ
「俺のことより」リウは心配した。「お前は大丈夫なのか。あれほど警官を殺しておいて」
「おいおい」メイファンはドヤ顔で答えた。「私は天来殺人者(生まれつき殺人者)だぞ?」
0840創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 10:26:47.01ID:jdtR7gpY
リウを見送り終わった直後、メイファンの中のララに異変を感じた。
「…なんだ?」
メイファンの中のララはゆっくりと溶けるように霧散してしまった。
「…してやられた?この私が?」

メイファンを騙すためにわざと吸わせた残り滓だということに気が付いた。



「…くくくっ、……ゆるさん。」
メイファンは笑っていたかと思えば、眉間にしわを寄せ、瞳の中に怒りの炎燃え上がらせた。
0841創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 11:01:45.64ID:1CDbKWSS
町を外れた往来で、ハオは捕まえたララに何度も繰り返しキスをしていた。
ルージュも何もつけていないのにピンク色の、真ん中のぽってりとした唇が可愛くて。
身体のほうは極力見ないようにした。
「念願の身体を得たんだな、ララ」
美味しいキスを繰り返しながらハオはうっとりと微笑んだ。
0842創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 11:06:37.41ID:lTISR4vO
もちろんそのカラダはムキムキの全裸である
0843創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 12:52:09.92ID:7kN+/OT2
そしてその下ではララのマンコがヒクヒクしながら
ハオのチンポを今か今かと待ち構えているのだ。
0845創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 14:50:51.67ID:bly89sAZ
ハオはちょうど近くにあった温泉へララを連れて入った。
お湯をかけるとみるみるとその身体は丸みを帯び、白く柔らかい女体に変わる。
ハオも着ていたものを全て脱ぐと、優しい笑顔で抱き締めた。
ララはずっと無表情に虚空を見つめていたが、ハオの体温を全身に感じて少し唇を開き、小さくその身を震わせた。
「抱くぞ?」
もう抱いているにも関わらずハオはそう言い、ララの白いうなじに口づけ、ゆっくりと舌を這わせた。
ぴくんとララの腰が震え、顔が悔しそうに歪む。
逞しい胸を柔らかな胸に優しく擦りつけながら、そそり立った肉棒をお腹に強く押し付ける。
指を頭の後ろから背中、腰、お尻まで這わせ、前に回して差し入れるとララの割れ目はすっかりとろとろに蕩けていた。
「ララ……愛してる」
そう囁きながらハオはララを寝かせる。
豊かな桃饅頭のような白い胸を揉み、乳首を心行くまで舌と唇で苛めると、顔を下のほうへと移動して行く。
「ぁぅ……ぉ……お兄ちゃん……」
ハオはゆっくりとそこへ辿り着くと、すぐには舐めず、その周り中へキスをお見舞いした。
「は……早く……お願い」
「やめてほしいの?」
ララはいやんいやんと首を横に振った。
「はっきり言ってごらん」
「クリトリスが……泣いてるの」
「泣いてるのはココだよ?」
ハオは割れ目に人差し指をあてがうと、左右に揺らして苛めた。愛液をたっぷりと指先につけると、クリトリスに塗りつけた。ララが泣き声を上げる。
「もっと泣かせてやるよ」ハオはそう言うなり割れ目に舌を這わせた。「お帰り、ララ」
「あったかいよ」ララは涙を流して腰をくねらせた。「あったかいよ、お兄ちゃんの……」
0846創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 15:16:06.88ID:bly89sAZ
びっくりして眺めている他の客の視線など気にもせず、ハオはララの小陰唇を掻き分け中指を入れる。
それをお腹の裏側から突き上げ、ぐりぐりと擦ってあげるとララは大きくのけ反った。
それを続けながらクリトリスを舐めては啄み、へその中に舌を入れて愛おしみ、乳首をまた苛め、顔に戻って来るとララのほうからキスをして来た。
蕩けるような唇を割って舌を差し込むと、すぐにララもそこに柔らかい舌を絡め、二人は長い間キスを続けた。
キスをしながらハオの手が脚を開かせる。生の肉棒がゆっくりとヒダを割って入って来た。
ララの唇が離れ、苦しみと愛しさが混じり合った声を上げる。
ハオはそのまま奥まで挿れると腰を強く押しつけた。子宮口の上を亀頭で圧迫され、ララの膣が音を立てて締まる。ぴったりとハオを掴んで離さない。
ハオはそれでも強引に肉棒を引き出すと、また優しく強く、奥を突いた。
ララの声が大きくなり、ハオの動きが速くなるにつれて小刻みになる。肉と肉とが打ち合う音が浴場中に響く。
ハオは抱え上げたララを回転させると俯せにし、湯の音をざぶざぶ言わせながら後ろから突きまくった。
後ろで順番待ちするように立っている老人を手で追っ払うと、肩を掴んでララを立たせ、プロレス技を決めるようになおも背後から突き上げる。
ハオの揺れる金玉がララのクリトリスを容赦なく叩く。
二人は幸福と快感にたまらない声を上げると、同時に絶頂へと達して行った。
0847創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 15:39:05.09ID:1hHKYnUj
ハオとララの横でオザワ先生と蓮舫もまた同時に絶頂へと達したのであった。
「そっちの味はどう?」
「入口近くにひっかかりがあってなかなか良かったよ」
「じゃ、交代しようか」
「よかろう」
0848創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 18:12:12.44ID:w3pZcYOL
ハオはララの中に射精を遂げても、なおもララのことが可愛くて仕方がなかった。
岩の上に伏せて呼吸を荒くしているララの耳許で愛を囁き、もう一度行為を開始しようとしたところで警官達に取り押さえられた。

二人は別々にされ、それぞれ取り調べを受けた。
ハオは死んだことになっていたのを取り消され、世帯主のシン・シューフェンに連絡がなされたが、今はこちらのほうが亡くなっていた。
強姦でないことが確証されると、公然わいせつの罪で10日間だけ拘留されることになった。

ララのほうは少し難しく、ラン・ラーラァという人間が存在しないので、不法滞在の外国人かと疑われた。
もしやスパイではないのかと、身元が判明するまで地下の拘留所に監禁されることになった。
0850創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/14(月) 20:57:17.69ID:w3pZcYOL
ハオは監禁されている間、ララに会いたくて仕方なくはあったが、心配はしていなかった。
どうせあのオッサンが何とかするだろう、そう高を括っていた。


「ララを救わねーのかよ!」
執務室でメイファンは習近平を愕然として見つめる。
「ララちゃん……リウ・パイロンの身体でハオ君と人前でファックしたそうだね」
習の脳裡にはとてもおぞましい絵が浮かんでいるようだった。
「そんなおぞましい子はもう私の娘ではない」
「ララがいねーと私も働けないぞ」
「そんなことはないでしょう」
習は無表情に言った。
「治療なら我が国の最高医療を施す。何よりもハオ君と……」
習の顔が憎しみと怒りで険しくなった。
「ハオ君と出来てしまったララなどもう何の価値もない役立たずだ! 国際スパイにでっち上げ、死刑にしてやる!」
0853創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/15(火) 06:30:43.72ID:+rf8+zyI
10日後、出所したハオも行方不明になった。
0854創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/15(火) 07:31:04.04ID:dWXobFLT
まもなくメイファンにハオとララの暗殺の指令が下り、彼女も2人の捜索に当たっていた。

だが習達が中国全土を血眼になって、一ヶ月間探し続けたが見つからなかった。
0855創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/15(火) 13:01:33.65ID:2UlveHu/
メイファン「いや、そんなザコどもの暗殺なんか私の仕事じゃねーから。国家に危害を与えるでもなし」
0856創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/15(火) 16:26:24.68ID:EuayI37M
その頃ララとハオはアメリカにおり、
タケルという活動家の助手として働いていた。
0857創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/15(火) 19:12:12.44ID:+rf8+zyI
そして習の努力もむなしく二人を捕まえることも、
その手がかりすらなくさらに一月が過ぎた。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況