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【ファンタジー】ドラゴンズリング7【TRPG】

0157創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/11/22(木) 07:19:39.00ID:kIwydMSe
ティターニアさんジャンさん、ずっと応援してきましたので
一気にやっちゃってください

もう充分盛り上がってきたので一気に〆ちゃってエンディングにいきましょう!
0159 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/25(日) 07:38:55.61ID:UmQanbCY
今回ちょっと、月曜の夜とか火曜日にまで投下が遅れてしまいそうです。すみません
0160創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/11/25(日) 22:18:27.09ID:fAODcXcq
このまま終わるのも名残おしいよね
ぜひ雑談とか名無しの質問に答えるとか対談的とかをやって欲しい!
0161シャルム
垢版 |
2018/11/26(月) 17:59:35.66ID:ZJsFwVvD
大変言いにくいのですが、テキストエディタがクラッシュして今まで書いてた分が丸ごと消し飛びました。
明日中になんとか書き直そうとは思っていますが、
もしかしたら水曜日まで遅れてしまうかもしれません。本当に申し訳ないです・・・
0162ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/11/26(月) 18:23:02.85ID:6/OP1mfX
おお、応援メッセージ来てる!

>160
アルダガ殿(スレイブ殿)の気が変わらなければまだ本編クリア後の裏ボス戦があるはず!

>161
ご愁傷様としか言いようがない……。さては虚無の竜の妨害をくらったか……!
0166 ◆fc44hyd5ZI
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2018/11/28(水) 18:06:45.98ID:v7P50/4Z
>『……もはや再構築などどうでも良い、全てを無に帰してやる。
プログラム”World End《セカイノオワリ》”を実行。発動までの推定所要時間――20秒。
滅び去った数多の世界よ、我に力を貸せ!』

虚無の竜を中心として、爆発的な魔力が放出される。
魔力は金属の床を削り……いえ、消失させながら、私達へと迫ってくる。
恐ろしく濃密な虚無の魔力。

……奴の操る再構築とは、つまり虚無の魔法と、それ以外の魔法の複合発動でした。
虚無の力によって対象の性質を消し去り、然る後に任意の性質を上書きする……。
それはすなわち、魔力を分割する必要があったという事です。

ですが……ここに至ってとうとう、虚無の竜はそれをやめた。
全ての力を虚無の魔法のみに注ぎ、私達を消し去ろうとしている。
私達の肉体や指環の再利用を諦めた。この戦いによって利益を得る事を放棄したんだ。
要するに……奴は今、正真正銘に追い込まれているという事!

>「させるものか! ――”Linked Horizon”《繋がる地平》!
 ここでそなたを取り逃がせば……また無数の世界が犠牲になる!」

ティターニアさんの顕現した世界樹の幻影から力が流れ込んでくる。

>「だから……名も知れぬ世界の者顔も知らぬ達よ――力を貸してくれ!
 ほんの少し、我らの勝利を願ってくれるだけでいい……!」

……この世界の外側から、力を借りる?
この土壇場で、そんな奇跡級の魔法を発動させるなんて……。
もう暫くは、あなたを先生と呼ぶのはやめられそうにありませんね。
まぁ、それはさておき……

>「いけるぞ! 皆、全力で一斉攻撃だ――!!」

「ええ!ここが正念場ですよ!決めてやりましょう!」

>「――Star Memories《星の記憶》!」

「猛る大地、怒れる炎。払い除けよ、無間の波濤。嵐よ運べ、永久の空漠。
 光よ抱擁せよ、そして塗り潰せ。闇の顎よ、食い千切れ、されど吐き捨てよ。
 万象一切が汝を拒む――『アイソレーション』」

虚無の竜の周囲、削り取られた金属の床が眩く赤熱し、爆ぜる。
溢れ出すのは煌々と輝く溶岩……それらは独りでにゴーレムへと変貌し、軍隊のように進撃していく。
その足跡からは蛇竜のごとく炎が燃え上がり、その炎が今度は風を……無数の刃のような嵐を生む。
そして炎と風、その熱と冷気が雨を……降り注ぐ矢のような雨を呼ぶ。

これはただの属性魔法ではありません。
全の指環の力をフルに活かした、極小規模の天地創造。
世界そのものを攻撃としてぶつけているんです。

降り注ぐ隕石と、私の万象魔法が……虚無の竜が放つ魔力と衝突し、相殺しあう。
ですがその拮抗は長くは続きませんでした。
私達の魔法が徐々に、しかし確実に、虚無の魔力を押し返していく。

「今です!」

私が叫ぶと同時、皆が可能な限りの攻撃を繰り出す。
0167 ◆fc44hyd5ZI
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2018/11/28(水) 18:07:01.42ID:v7P50/4Z
『……敵性存在の能力が向上。計測によると……私の力を、上回っています。
 あり得ません。計測機器のエラーチェック……エラーは発見出来ませんでした』

虚無の竜はなおも押し返そうと魔力を放出しますが……形勢を覆せません。

『敗北の可能性が急激に上昇中。想定外の現象です。私はあらゆる面において指環の勇者を上回っていたはず。
 なのに何故、このような事が……』

私達が剣を、拳を振るい、魔法を放つ度に虚無の竜の肉体が吹き飛び、削ぎ落とされていく。
0168 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:08:18.48ID:v7P50/4Z
『……なる……ほど……これが…………』

そして……ついには完全に、虚無の竜は消滅した。
肉体の全てを吹き飛ばされて、跡形もなく消え去った。
……私は感極まって、気づけば皆さんへと振り返っていました。

「やった……!やりましたよ!私達が勝ったんです!
 虚無の竜の肉体も精神も完全に破壊しました……!これでもう二度と、奴は……」
                  
      
  

     
   
 
   
  
『――いいえ、まだです。私はまだ負けていません』

不意に、私の背後から聞こえた声。
……心臓を鷲掴みにされたかのような悪寒を覚えながらも、私は弾かれたようにそちらへ振り返りました。
姿は……見えない。だけど……間違いなく、まだそこにいる。
あの一斉攻撃を一体、どうやって耐えて……。

『私は分かっていました。私が不完全な状態にある――つまり故障している事が。
 その私が再構築する世界さえもが、不完全な状態になってしまっていた事も。
ですが壊れた私には、それを正しく修復する事が出来なかった』

……私達は完全に虚無の竜を見失っている。
にもかかわらず、奴が攻撃を仕掛けてくる気配はない……。
受けたダメージが大きくて、攻撃に転じられないのか。
それとも……反撃の準備をしているだけなのか……。
0169 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:09:38.17ID:v7P50/4Z
いずれにせよ……どちらであってもいいように、備えをしなくては。
水の魔力で索敵網を展開しつつ、皆さんに障壁を配る。
全の指環で創造した、極小の世界による盾……文字通りの結界。
例えいかなる攻撃であっても防げないなんて事はあり得ない。

『――だから私には、あなた達が必要だった。私を完全に破壊し得るヒト達が』

私がそう考えた直後でした。
ついさっきまで虚無の竜がいた場所から、膨大な魔力が放たれたのは。
それは波紋のように広がって……その瞬間、周囲の無機質な金属の床が、白く染まる。
魔力の波動に巻き上げられて舞い散るのは……白い、花びら。

……その幻想的な光景が、私に与えたのは、戦慄でした。
なんて素早い……それに、大規模な再構築。
この戦場一帯を、一瞬の内に塗り替えた……?
いえ、それどころか……私の展開した結界さえも……。

『私が今までに経験した事のない、未曾有の危機に陥れば――私はそれを乗り越える為に自らを再構築出来る。
 それだけが、私が、私の故障を修理し得る唯一の可能性でした。そしてその仮定は正しかった』

あり得ない。
例え虚無の竜が生きていたとしても、あれほどの攻撃を受けた後で、そんな大規模な術式を起動出来る訳が……。

『演算は終了――検証は成就しました。所要時間は57秒。感謝します、指環の勇者達よ。
 あなた達が答えを教えてくれたから――私は最後の再構築を3秒縮める事が出来た』

……花畑へと塗り替えられた戦場の中心。
虚無の竜がいたはずのその場所だけは、今もまだ金属の床が残っている。
そこだけが切り抜かれた今なら、見える。
床に刻み込まれた戦闘の余波。その傷跡の中に……液体金属が沈んでいる事が。

全て掻き集めても水瓶ひとつ分にも満たないような、ほんの僅かな液体金属。
それらが細い細い糸を上へと伸ばす。
糸は繭のように、ヒトの形を編み上げていく。

『そう。あなた達が見せてくれた力……運命を捻じ曲げ、引き寄せ、不可能を可能にする力。
 私はそれをこう定義しました。愛と、勇気。またそれらを生み出す源。すなわち――』

ジャンソンさん、ティターニアさん、ディクショナルさん……そして私を模した人型を。

『――戦術プログラム『心』の実装が完了しました。戦闘を続行します』

「……心?心ですって?……あり得ない。そんなもの、創り出せる訳が……」

どれだけ優れていても、虚無の竜はゴーレムです。
心だなんて……そんなものを創り出せる訳がない。
私達人間にだって、それを完全に理解する事は出来ないのに。

……違う。今はそんな事で動揺している場合じゃない。
四体に分裂した虚無の竜。その内の魔術師型……
私とティターニアさんを模した二体が、杖と拳銃を体の前で交差させる。

『――Linked Horizon』

『フォーカス・マイディア』

二体の魔力が急激に跳ね上がる。
それと同時に、交差された杖と銃の先端から魔法陣が広がっていく。
0170 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:10:37.88ID:v7P50/4Z
『繋がる地平に……見ていて、愛しいヒト。と言ったところでしょうか。
 ただの戦闘スキルに、想いを込めた名を付ける。
 そうする事で、戦闘の中でも自分の最も大切な気持ちを忘れずにいる事が出来る』

ただの魔法陣じゃない。平面の円では収まりきらない膨大な術式が、球体と化して膨らんでいく。
……天体魔法陣。記されていくのは……先程と同じ、再構築の術式。

『それがあなた達の勇気を、愛を奮い立たせる。。
 今の私にはその事が理解出来ます。そして、故に私もこの魔法に名前を付けましょう。
 私は、私が護るべきだった世界を甦らせる。必ず。その想いを込めて――』
0171 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:13:18.35ID:v7P50/4Z
今度こそ、私達を塗り潰すつもり……。
いえ……それどころかたった一度の魔法で、この世界ごと塗り替えようとしている……?

『――Hello World(新世界へ)と』

……今の奴になら、それが出来ても不思議じゃない。
だけどそんな事、させる訳にはいかない!

私はフォーカス・マイディアを発動して、手中に魔導拳銃を作り出す。
私が一番慣れ親しんだ魔法。故に発動は刹那の内に完了する。
そのまま銃身へと魔力を流し……

『――そうはさせないぞ』

しかし放たれた銃弾を、ディクショナルさんそっくりの……剣士型が弾き飛ばす。
不足した質量を無理矢理引き伸ばして形成した、透けて見えるほどの薄い刃。
あんなもので私の魔導拳銃を防げるはずがないのに……。
少なくとも肉体の質量がたったあれだけでは、銃弾の慣性を受けて吹き飛ばされてしまうはず。
それすらも堪えて、踏み留まって……。
……心の力。敵に回すと……なんて、理不尽な……。

剣士型と、ジャンソンさんを模した戦士型。
二体の虚無の竜が、後衛を守るように一歩前に出る。

『悪いが、彼女達に手を出す事は俺が許さない。……なにを驚いているんだ?
 アンタになら分かるだろう。俺達が残り僅かな質量を分けあってまで、何故四つの肉体を作ったのか』

『俺達はコイツらに攻撃は通さねえ。何があろうと、どんな目に遭おうともだ』

『そして私達はそれを信じ、ただ術式を組み上げる。自分の身を守る事など、考えもしない』

『つまり――この戦術は愛と勇気、心の力を最大限活用出来るという訳だ。ふふふ、画期的だろう?』

……こうしている間にも、魔法陣は膨張していく。
流暢な語り口。決して防ぎ得ないはずの一撃を跳ね除け、物理法則すらねじ伏せて。
それに、会話を時間稼ぎに用いる、ラテさんが見せたヒュミントの応用。
認めざるを得ません。確かに虚無の竜は、心を構築してのけたのでしょう。
……ですがだとしても、その術式を完成させる訳にはいかない!

全の指環を強く握りしめ、術式を構築する。
もう一度『アイソレーション』を食らわせてやるんです。
どれだけ性能が跳ね上がっていたとしても、たった二体の前衛では、私の大規模魔法を防げない。

大地が、炎が、風が、水が。
四つの属性が創り出した極小の世界が、砲弾と化して虚無の竜へと襲いかかる。
剣と盾とその拳で、防げるものなら防いで……

『――ムカデの王よ』

……瞬間、私達の目の前に巨大な炎が渦を巻く。
炎によって模られた、フィリアさんの従えるムカデの王が。
巨大な炎の城塞が、私のアイソレーションを受け止め、逆に包み込んで押し潰す。

更に……不意に、私の視界に黒い閃きが走りました。炎を目眩ましにした斬撃。
私は咄嗟に障壁を張って……しかし直後に響く、破砕音。
漆黒の刃が私の結界に食い込んで……仰け反った私の喉を薙ぐ。

強烈な痛みに、私は反射的に自分の喉を抑える。
思わず膝をつきながらも治癒の魔法を用いるも……闇属性の刃で切られたせいで、効きが悪い。
0172 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:13:54.95ID:v7P50/4Z
『あら、失礼しましたの。実は「俺達」だけじゃなくて「わたくし達」もいますのよ。
 ……確か、嘘ってのはこうやって吐くんでしたよね?』

剣士型の虚無の竜が、フィリアさん、ハムステルさん、トランキルさんの姿へと変化して……また剣士型へと戻る。

『もう分かっただろう。再構築は完了したんだ。アンタ達では俺達には勝てない。
 諦めろ。これ以上、アンタ達をいたぶるのは――心が痛む』
0173 ◆fc44hyd5ZI
垢版 |
2018/11/28(水) 18:16:25.81ID:v7P50/4Z
私は強く首を左右に振る。
確かに奴は私達全員の力を再現出来て、しかも今度はそれを効率的に運用するようになった。
……状況は極めて不利と言わざるを得ません。
だけど……まだ、最悪ではない。
虚無の竜は……嘘を吐いている。

……私の銃弾は剣で弾き、大規模魔法はムカデの障壁で受け止めた。
それはつまり……虚無の竜は今、本当に精神論で持ち堪えているという事。

でなければ術式構築が終わるまでずっとムカデの王を壁にしていればいい。
それをしないのは……恐らくは、それでは一点突破を試みられた時に、十分な防御力を確保出来ないから。
肉体の九割以上を吹き飛ばされたんです。十分な機能が発揮出来る方がおかしい。
……それでもあれほどの術式を構築出来るのは、恐ろしい事ですが……。

「……私は……後回しに……もう一度……奴を……」

治療の不完全な喉から、声を絞り出す。
追い詰められているのは、私達じゃない。依然として奴の方です。

『――まぁ、そうなるわな。俺だって今更諦めろって言われて、はいそうですかとは答えねえ。
 なら仕方ねえ……全員、ぶちのめすまでだ!かかってきやがれッ!!』

もう一度……もう一度、一斉攻撃を仕掛ければ……今度こそ奴を、破壊出来るはずです。

【遅くなってすみませんでした!いやもう本当にすみませんでした!

 結局やる事は全力攻撃で変わらないんですけど、でっかいカカシ殴るよりかは相手が動く方がいいかなって。
 あとバグったゴーレムのまま終わらせるのも味気ないかなって】
0176スレイブ ◆T/kjamzSgE
垢版 |
2018/12/03(月) 00:04:12.62ID:G00Sprlt
>「ようやく俺もみんなを助けられるって気がするぜ!
 『流れ流れて形となり、我が友を助けたまえ』」
>「させるものか! ――”Linked Horizon”《繋がる地平》!
 ここでそなたを取り逃がせば……また無数の世界が犠牲になる!」

ジャンの水魔法が液体金属の制御を奪い、スレイブ達の武具をより強固なものへと鍛え上げる。
ティターニアの世界の垣根を越えた問いかけに、確かな力で応える者たちが居る。

>万象一切が汝を拒む――『アイソレーション』」

畳み掛けるように発動したシャルムの創造術式が虚無の竜を飲み込み、その巨体を押し潰した。
機は来たれり。スレイブはみたび地を蹴り、ジャンの引き剥がした装甲の下に斬撃を叩き込んでいく。
虚無の竜を構成する液体金属、その大部分が切り離され、活力を失ってただの液だまりと化した。
いける。最終プログラムの実行まで三秒を残して、虚無の竜を打ち倒せる。
言葉を交わさずとも、誰もがそう確信した瞬間だった。

>『――いいえ、まだです。私はまだ負けていません』

嵐のような波状攻撃に完全消滅したはずの虚無の竜。
その声が、何者もない虚空から聞こえてきた。

「馬鹿な……これだけの攻撃に晒されて、耐えられるわけが……」

同時に、一つの違和感。
これまで、虚無の竜の声……『音声』は、抑揚のない無機質なものだった。
一時は誘導プログラムとやらで感情の籠もった声を発していたが、それは欺瞞に過ぎない。
しかし、今この場に響く声は、あたかも『同じ生物』であるかのような、声。

躯体と制御機構の殆どを破壊された虚無の竜が、代わりになにかを得た。
それはあまりに荒唐無稽で、口に出してしまえば随分と陳腐なもの。
だが、虚無の竜に致命的に欠けていて、だからこそ指環の勇者が勝りうる唯一の希望だったもの。

>『――戦術プログラム『心』の実装が完了しました。戦闘を続行します』

>「……心?心ですって?……あり得ない。そんなもの、創り出せる訳が……」

シャルムの動揺が、いやに耳朶に強く響いた。
如何なる錬金術や魔術の深奥に至ろうとも、『心』の創造など為し得た者は一人としていない。
捉えようのない抽象的な概念であるし、そもそも作り出すまでもなく生き物であれば誰もが持ちうるものだからだ。

最後の60秒で、虚無の竜が創り出そうとしていたもの。
それは、スレイブ達にとってわざわざ創り出す必要などないもので。
――そして虚無の竜には、それこそが必要だった。
0177スレイブ ◆T/kjamzSgE
垢版 |
2018/12/03(月) 00:04:35.48ID:G00Sprlt
>『演算は終了――検証は成就しました。所要時間は57秒。感謝します、指環の勇者達よ。
 あなた達が答えを教えてくれたから――私は最後の再構築を3秒縮める事が出来た』

「心理誘導ではない、純粋な『感謝』……か。こんな皮肉があってたまるか」

欠け落ちていた最後のピース、心を取り戻した虚無の竜。
"彼"は、ティターニアとシャルムの奥義とも言うべき魔法をいとも容易くその身に再現していく。
生まれ出たのは4つの影。ジャンと、ティターニアと、シャルムと……スレイブ。
それぞれを模した、虚無の竜達だ。

>『それがあなた達の勇気を、愛を奮い立たせる。。
 今の私にはその事が理解出来ます。そして、故に私もこの魔法に名前を付けましょう。
 私は、私が護るべきだった世界を甦らせる。必ず。その想いを込めて――』
>『――Hello World(新世界へ)と』

カウントダウンは終わりを告げ、世界の再構成が、始まった。
少しずつ、しかし確かに塗り替えられつつある世界。
どうにか阻止せんとシャルムが魔導拳銃を放つが、弾丸が虚無の竜に届くことはない。
液体金属が形づくった『スレイブ』が、本物よろしく弾を剣で弾き飛ばしたのだ。

>『悪いが、彼女達に手を出す事は俺が許さない。……なにを驚いているんだ?
 アンタになら分かるだろう。俺達が残り僅かな質量を分けあってまで、何故四つの肉体を作ったのか』
>『俺達はコイツらに攻撃は通さねえ。何があろうと、どんな目に遭おうともだ』
>『そして私達はそれを信じ、ただ術式を組み上げる。自分の身を守る事など、考えもしない』
>『つまり――この戦術は愛と勇気、心の力を最大限活用出来るという訳だ。ふふふ、画期的だろう?』


虚無の竜の戦術プログラムは、これを以て完成した。
これまで行っていた、指環の勇者単独の模倣ではない。
指環の勇者『達』――それぞれが互いを補い合う役割を持った、『パーティ』を作り上げたのだ。

目に見えるのは4つの影だけだが、内包する"勇者"はそれだけではない。
フィリアの百足を、シノノメの剣を、ラテの欺瞞を代わる代わるに再現し、刃がシャルムの喉を捉えた。

「シアンス……!ティターニア、治療を頼む!」

>「……私は……後回しに……もう一度……奴を……」

シャルムの命にまでは届いていない。しかし、これで詠唱は阻止された。
ここより後ろに退路はない。塗り替えられつつある世界の中で、最後の戦いの火蓋は、静かに切って落とされた。
0178スレイブ ◆T/kjamzSgE
垢版 |
2018/12/03(月) 00:05:07.66ID:G00Sprlt
>『――まぁ、そうなるわな。俺だって今更諦めろって言われて、はいそうですかとは答えねえ。
 なら仕方ねえ……全員、ぶちのめすまでだ!かかってきやがれッ!!』

スレイブは堪らず怒鳴るように吠えた。

「心があるのなら、お前らにも分かるだろう!俺たちがこの世界を守りたい理由が、その気持ちが!
 心を得てなお、何故立ちはだかる!?貴様はもう、機械的に世界を再構築する装置ではなくなったはずだ!」

『そうしてお主らが守った世界に、我らはいない』

魔術師型の片割れが、返答のようにそう零した。

『純粋な生存競争ですよ、ディクショナルさん。私達は心を得て、装置としての大義を失い――
 プログラムの基盤には、願いだけが残りました。私達はこの世界を、私達の望む姿に変えたい。
 それは、貴方達指環の勇者がここまで旅をしてきた理由と、そう遠くはないでしょう?』

それに、と魔術師型は言葉を繋いだ。

『願いはもう一つあります。私達は世界の再構築を、何度も失敗してきました。
 幾度となく、様々な要因で、正確に世界を再現することができませんでした。
 その度に演算処理機構の内部に蓄積されてきたエラーの正体が、心を得た今ならば理解できます』

それは、プログラムには組み込まれていなかった感情。

『――うまくいかなくて、悔しい。今度こそ、成功させたい。それが、私達の今の望みです』

「……だったら、もう問答は無用だな。俺も、俺の望みを言おう」

敵は心を、信念を杖にしてみたび立ち上がった。
その意志に、その執念に、応えられるのはやはり心だけだろう。

「俺は、俺が殺してきた者達が守りたかったものを守る。彼らを英雄にするために、世界を救う。
 どちらが望む世界を掴むことが出来るか……勝負だ、虚無の竜」

言葉を皮切りに、スレイブは跳んだ。詠唱を続ける魔術師型目掛けて矢の如く疾走する。
剣士型が機敏に反応し、剣を抜き放って迎え撃った。

『彼女達に出は出させないと言ったはずだ』

「言うだけなら誰にでもできる。成し遂げてみろ」

『無論――ですの』

剣士型の輪郭がぶれ、虫精を模した姿へと変わった。
虫精型が両腕を百足へと変じさせ、両側からスレイブを拘束せんと迫る。
0179スレイブ ◆T/kjamzSgE
垢版 |
2018/12/03(月) 00:05:29.66ID:G00Sprlt
「……任せた!」

スレイブは、誰ともなしにそう呼びかけた。
それだけで良い。それで、仲間にはすべての意図が伝わる。
防御を考えなくても良いのは、虚無の竜達の専売特許ではない。
百足を掻い潜ると、既に虫精型は再び形を変え、闇を宿した刃を肉体から生やした――魔族型が待ち構えていた。

「その剣技は何度も見ている……幼い頃からな」

シノノメの剣を模した斬撃を紙一重で躱せば、もはや魔術師型との間を隔てるものは距離以外に何もない。
間髪入れずに、左手に隠し持っていた長銃で狙いをつけ、魔術師型を銃撃した。
音を切って迫る弾丸は、しかし魔術師型を破壊し得ない。
間一髪で、剣士型が身を挺して割って入ったからだ。

『させるものか……!』

「俺の心を模した貴様なら、必ずそうすると読んでいた。
 ……だから、悪いな。その感情は、利用させてもらう」

スレイブに背を向けるかたちで弾丸を弾いた剣士型に、仮借なく剣を叩き込むスレイブ。
強引にかばったことで体勢を大きく崩した剣士型は、畳み掛けるように打ち込むスレイブの斬撃を受けきれない。
そして、死角から弧を描く短剣バアルフォラスを、防ぐことができなかった。
剣士型の胸部に短剣が深く突き刺さり、魔力を吸い尽くされた液体金属が崩れて散った。


【残り三体】
0180ジャン ◆9FLiL83HWU
垢版 |
2018/12/04(火) 16:19:19.17ID:p8sNEMd9
>「させるものか! ――”Linked Horizon”《繋がる地平》!
ここでそなたを取り逃がせば……また無数の世界が犠牲になる!」

虚無の竜とティターニア、それぞれが別の世界から力を借りてぶつかり合う。
指環の勇者たちはその好機を見逃すことはなく、それぞれが持った技と力を振り絞って虚無の竜へと叩き込んだ。
液体金属と何かの合金で作り上げられた肉体は液体に塗れた残骸となり、
ジャンが中心部に強烈な正拳を叩き込んだときだ。

>『――いいえ、まだです。私はまだ負けていません』

目の前の残骸ではなく、どこからか指環の勇者たちに聞こえる声。
それは機械的なものではなく、抑揚がついた生物的な声。
つまり、虚無の竜が心を得たことを示していた。

>『――Hello World(新世界へ)と』

そして虚無の竜が作り上げるのは完全な模倣体。
心という最後の部品が込められた、本物とまるで変わらない存在。
当然彼らの実力も、連携も指環の勇者たちのそれと互角。
これ以上の切り札は虚無の竜にもなく、純白の花びらが舞う地平線の中で、
どちらかが生き残るまで終わらない最後の戦いが始まった。

>『――うまくいかなくて、悔しい。今度こそ、成功させたい。それが、私達の今の望みです』

「――それを最初っから言えってんだ!
 難しいことばかり言いやがって、俺の望みはただ一つ!」

ジャンが飛び出ると同時にジャンそっくりの戦士型が飛び出し、互いの固く握りしめられた拳がぶつかる。
お互いに拳を即座に引き、まったく同じタイミングで反対の拳が再びぶつかり合う。

「てめえらをぶちのめし、歴史に名を残し、ご先祖様に恥じない戦いをする!」

『三つあるじゃねえか!』

「欲張りなぐらいでちょうどいいんだよ!」
0181ジャン ◆9FLiL83HWU
垢版 |
2018/12/04(火) 16:21:18.16ID:p8sNEMd9
ただひたすらに、二人は肉体の全てを使って殴り合う。
既にジャンの竜装は解け、蓄えられた魔力が切れたことで指環の加護はもはやない。
しかし相手の肉体も次第に防具を模した部分が砕け散り、疲労しているかのように動きが鈍くなっていく。
他の仲間や魔術師型からの援護は即座に打ち消し合い、やがて二人だけの殴り合いは速度を落としていった。

「どうした!俺はそんなに鈍った拳は出さねえぞ!」

『てめえ……!ウォォアアアアァァッッ!!』

戦士型が挑発に乗ると見せかけて凄まじい雄叫びと共にウォークライを放ち、
しかし間近でそれを受けたはずのジャンは微動だにせず、相手の顎を狙って強烈なアッパーを繰り出した。
そのウォークライに音量と圧力は確かにあったが、足りないものが二つほどあったのだ。
それはオーク族がウォークライを放つときに、確固たる自信と勇気を与えてくれるもの。

「……先祖も、歴史もない奴の叫びなんざ、重みがねえんだよ」

いつの間にかへし折れた右腕と傷の酷い左足をかばうように歩き、仰向けに倒れた戦士型の肉体へ近づく。
アルマクリスの矛もミスリルハンマーも戦いの最中に使い潰し、花畑のどこかに埋もれてしまった。
だが、この短剣だけは最後まで鞘から抜かなかった。

『聖短剣サクラメント……何故それを使わなかった?』

「こいつはアルダガから借りてるからな。俺との戦いに使うのはよくねえ」

革の鞘から抜き放ったそれは真っ白な空間においても輝きを失うことはなく、
例え液体金属でもたやすく貫くことだろう。

「お前も、これは真似なかっただろ?矛とハンマーは真似たくせによ」

『……最後までお前が使わなかったからだ。情報のない武器は模倣できねえんだよ』

「じゃあ、さよならだ。
 あの世にいけるかは知らねえが、お前も戦士だった。次に生まれ変わった時にはまともでいてくれ」

あらゆる守りを貫く短剣が戦士型の喉元を貫き、それを切っ掛けにしてその肉体を構成する液体金属がただの水たまりに戻っていく。
やがて宙を舞う花びらが視界を覆い、再び開けた頃には戦士型の痕跡は跡形もなかった。

「……さて、随分離れちまったが……聞こえてくる音からしてあいつらはあっちかね」

常に白い花びらが舞い続けるこの不思議な戦場は、距離や方位の感覚を曖昧なものとする。
傷ついた身体を引きずるように、ジャンは己に残る力を振り絞って歩き続けた。


【残り二体】
0182ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/04(火) 20:52:52.34ID:qRvhDs6U
この感じだと一人一体ずつなのかなとも思いつつも
すでに前のシャルム殿の時点であと一ターンという話だったのもあるので我で終わらせてしまっても良いだろうか
前のターンを書いた時はずっと我らのターンでシンプルにぶっ飛ばして終わり!を想定していたのだが
折角シャルム殿がバグったゴーレムでなくしてくれたのでこの際普通にぶちのめす以外のやり方もいいかな、と
0184しゃるむ ◆fc44hyd5ZI
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2018/12/04(火) 22:31:36.95ID:3LIswlkw
>折角シャルム殿がバグったゴーレムでなくしてくれたのでこの際普通にぶちのめす以外のやり方もいいかな、と

ティターニアさんならきっとそう言うと思ってましたよ
お任せします。きれいに締めくくって下さい
0188ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/09(日) 22:49:33.32ID:jsKw3HF0
>「猛る大地、怒れる炎。払い除けよ、無間の波濤。嵐よ運べ、永久の空漠。
 光よ抱擁せよ、そして塗り潰せ。闇の顎よ、食い千切れ、されど吐き捨てよ。
 万象一切が汝を拒む――『アイソレーション』」

隕石での猛攻を仕掛けるティターニアに、シャルムが万象の魔法で加勢する。
そしてシャルムは、力の拮抗が崩れこちらが上回った瞬間を見計らい、皆に合図を出した。

>「今です!」

総員の各々が持つ限りの最強攻撃が一斉に炸裂した。

>『……敵性存在の能力が向上。計測によると……私の力を、上回っています。
 あり得ません。計測機器のエラーチェック……エラーは発見出来ませんでした』
>『敗北の可能性が急激に上昇中。想定外の現象です。私はあらゆる面において指環の勇者を上回っていたはず。
 なのに何故、このような事が……』
>『……なる……ほど……これが…………』

虚無の竜が跡形も無く消え去るのを確かに見届けたシャルムが皆の方に振りかえり、歓喜の声をあげる。

>「やった……!やりましたよ!私達が勝ったんです!
 虚無の竜の肉体も精神も完全に破壊しました……!これでもう二度と、奴は……」

「ああ、やったな……!
ちなみにそこを”やったか!?”と疑問形にしたら相手生存フラグだから気を付けよう!」

ティターニアも勝利を確信し、軽口を叩いている矢先だった。

>『――いいえ、まだです。私はまだ負けていません』

虚空から声が聞こえてきた。
流石にこれには、疑問形にしなかったのに何故!?等という余裕もなく、絶句するばかり。

>『私は分かっていました。私が不完全な状態にある――つまり故障している事が。
 その私が再構築する世界さえもが、不完全な状態になってしまっていた事も。
ですが壊れた私には、それを正しく修復する事が出来なかった』
>『――だから私には、あなた達が必要だった。私を完全に破壊し得るヒト達が』

相変わらず相手は姿を見せないが、戦闘フィールドが塗り替わる。
それは緊迫した戦いの場には不釣り合いとも思える、白い花びらに覆われた世界。

>『私が今までに経験した事のない、未曾有の危機に陥れば――私はそれを乗り越える為に自らを再構築出来る。
 それだけが、私が、私の故障を修理し得る唯一の可能性でした。そしてその仮定は正しかった』
>『演算は終了――検証は成就しました。所要時間は57秒。感謝します、指環の勇者達よ。
 あなた達が答えを教えてくれたから――私は最後の再構築を3秒縮める事が出来た』

ほんの僅かな液体金属がヒトの形を成し、ついに相手が姿を現す。
それも、一体ではない――ジャン、ティターニア、スレイブ、シャルムを模した四体。
0189ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/09(日) 22:50:46.71ID:jsKw3HF0
>『そう。あなた達が見せてくれた力……運命を捻じ曲げ、引き寄せ、不可能を可能にする力。
 私はそれをこう定義しました。愛と、勇気。またそれらを生み出す源。すなわち――』
>『――戦術プログラム『心』の実装が完了しました。戦闘を続行します』

>『――Linked Horizon』
>『フォーカス・マイディア』

ティターニアとシャルムを完璧に模した魔法で自らの力を増強し、虚無の竜がやろうとしているのは――

>『――Hello World(新世界へ)と』

この世界を塗り替え、遥かな昔自らが守れなかった世界を再び再現すること。

>『それがあなた達の勇気を、愛を奮い立たせる。。
 今の私にはその事が理解出来ます。そして、故に私もこの魔法に名前を付けましょう。
 私は、私が護るべきだった世界を甦らせる。必ず。その想いを込めて――』
>『――Hello World(新世界へ)と』

シャルムが放った弾丸はスレイブ型に阻止され、シャルムは負けじと大規模魔法での妨害を試みる。
しかしスレイブ型はフィリアやラテ、シノノメの姿へと次々と変化し、シャルムに闇の刃での一撃をくらわせた。

>「シアンス……!ティターニア、治療を頼む!」

>「……私は……後回しに……もう一度……奴を……」

「治療は任せろ! ティターニア、考えるんだ……最善の策を!」

ジュリアンが指輪をかかげ、セシリアがシャルムの治療にあたる。

>『――まぁ、そうなるわな。俺だって今更諦めろって言われて、はいそうですかとは答えねえ。
 なら仕方ねえ……全員、ぶちのめすまでだ!かかってきやがれッ!!』
>「心があるのなら、お前らにも分かるだろう!俺たちがこの世界を守りたい理由が、その気持ちが!
 心を得てなお、何故立ちはだかる!?貴様はもう、機械的に世界を再構築する装置ではなくなったはずだ!」
>『そうしてお主らが守った世界に、我らはいない』
>『純粋な生存競争ですよ、ディクショナルさん。私達は心を得て、装置としての大義を失い――
 プログラムの基盤には、願いだけが残りました。私達はこの世界を、私達の望む姿に変えたい。
 それは、貴方達指環の勇者がここまで旅をしてきた理由と、そう遠くはないでしょう?』
>『願いはもう一つあります。私達は世界の再構築を、何度も失敗してきました。
 幾度となく、様々な要因で、正確に世界を再現することができませんでした。
 その度に演算処理機構の内部に蓄積されてきたエラーの正体が、心を得た今ならば理解できます』
>『――うまくいかなくて、悔しい。今度こそ、成功させたい。それが、私達の今の望みです』
0190ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/09(日) 22:52:43.78ID:jsKw3HF0
>「……だったら、もう問答は無用だな。俺も、俺の望みを言おう」
>「俺は、俺が殺してきた者達が守りたかったものを守る。彼らを英雄にするために、世界を救う。
 どちらが望む世界を掴むことが出来るか……勝負だ、虚無の竜」

>「――それを最初っから言えってんだ!
 難しいことばかり言いやがって、俺の望みはただ一つ!」
>「てめえらをぶちのめし、歴史に名を残し、ご先祖様に恥じない戦いをする!」
>『三つあるじゃねえか!』
>「欲張りなぐらいでちょうどいいんだよ!」

スレイブとジャンが、それぞれ自らを模倣した虚無の竜と戦い始める。
すなわち、魔術師型達――ティターニア型とシャルム型直接対峙できる状態となった。
ティターニア型は杖をつきつけ、不敵な笑みを浮かべて挑発してきた。

『さぁどうする? 我らもあやつらのようにやるか?』

「それも良いが……一つ聞かせてもらってよいか?」

ティターニアは、スレイブと虚無の竜の問答を聞いていて浮かんだ素朴な疑問を口にした。

「そなたら、世界を渡る力があるのだろう?
折角再構築できるようになったなら……滅び去った自らの世界に帰って再構築すればいいのではないのか?
何故この世界を塗り替える必要がある?」

シャルム型がその理由を的確に答える。

『……別にこの世界である必要はありません。
ただ、滅び去った世界は、枯れた枝が木から落ちるように朽ち果てて消える……。
私達が元いた世界も例外ではありませんでした』

「そんな……」

旧世界が残っていたのはおそらく、全の竜とパンドラの分体が残り、守っていたからなのだろう。
旧世界はこれからアルバートが吸収した全の竜の力を使い再建するのだから、明け渡すわけにはいかない。
再構築の素体となる世界はどこでもいいらしいので、全く関係ない他の世界に放逐すれば、
この世界はとりあえず平和を取り戻すだろう。しかし――

――がんばれ
――ずっと応援してきました

先程微かに聞こえてきた気がした声。
それを聞いてしまった今、破滅の運命を他の世界に押し付けるなど出来るわけがない。
ティターニアは戦う覚悟を決めるため、念押しのように問うた。

「ではそなたらの願いを叶えるには、既存の世界を塗り替えるしか方法はないということだな……?」
0191ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/09(日) 22:54:28.44ID:jsKw3HF0
『――いや、一つだけ方法はある』

ティターニア型はまるでその質問を待ってましたとばかりに、意外な答えを返した。

『女神パンゲアが新世界の神となった経緯は知っておるな? あれと似たようなものだ』

大体の意味を理解しティターニアが唖然としている間にも、シャルム型が容赦なく補足する。

『不完全ながらも私達は結果的にこの世界の創造を担った――確かに私達には世界創造の力があります。
でも、新たな世界の創造には、強い魔力を持つ者が魂を捧げる必要がある。
そしてティターニアさん、あなたほどの魔力があれば……』

自らが魂を捧げれば全てがうまくいく―― それを聞いて、一瞬逡巡するティターニア。
そして、ゆっくりとかぶりを振った。

「少し買いかぶり過ぎだぞ? 我を模倣しておるなら分かるだろう? 生憎崇高な自己犠牲の精神など持ってはおらぬ。
今までに一度だって命を引換えに何かを成そうとしたことなどない。
そう見えたのだとすれば……少しばかり仲間を信じすぎていたり無謀無鉄砲だったりするのかもしれぬな」

アルダガと生きて再会する約束があるし、ジャンを助手にしてもいいとか言ったような言わなかったような気もする。
とにかく、新世界の女神になどなっている場合ではないのだ。
ティターニア型は、ティターニアがそう答えるのは想定内だったようで動じる様子もなく、しかし何かを確信しているかのように続きを待つ。
するとティターニアがもう一度口を開いた。

「前の時とは勝手が違って殆ど役に立てなかったけど……私が一緒に来たのはこのためだったのですね」

そして、ティターニアの体から、まるで幽体離脱のように彼女そっくりの幻影が歩み出る。

「先代……!?」

「良いのです。私はとうに死んでいる存在なのだから。
あなたと一緒に生きられて楽しかった。皇帝殿とあの人によろしく伝えてね」

先代ティターニアはティターニアを抱きしめると、虚無の竜達の方に歩み寄っていき、並び立つ。

『交渉成立――だな』

虚無の竜達が一体に集まり、美しい白銀の竜の姿になる。
0192ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/09(日) 22:56:17.96ID:jsKw3HF0
「待て! 何が交渉成立だ……! 何で先代が生贄に……」

抵抗するティターニアに、先代がコテコテの西方大陸語で喝を入れる。

「まだまだ修行が足らんで! そこは”死んでるのに生贄って何やねん”!やろ!」

「笑えぬぞ、たわけ……!」

先代ティターニアは白銀の竜に腰掛け、悪戯っぽく笑う。

「そんなに悲しい顔しないで。さっき聞こえたのでしょう?他の世界の声。
全ては繋がっているのだから。
それに……新世界の女神なんてなかなかなれるもんじゃないですしね!」

「なるからには……今度こそそいつが失敗せぬようにちゃんと見守るのだぞ……!」

「はいはい、言われなくても!」

こうして、一つの世界が始まりを告げる――
虚無とは何もないこと――これから全てが始まるのだ。
虚無の竜は、新たな世界でははじまりの竜とでも呼ばれるのだろうか。
妖精女王の名を持つ女神と、かつて虚無と呼ばれた竜が作り出す世界の物語は、またどこか別の場所で語られることになるのかもしれない。
やがて白銀の竜から眩い光があふれ出し、何も見えなくなった。
次に視界が開けた時には、虚無の竜は跡形も無く消え去り、何事もなかったかのように元の世界に戻っていることだろう。

【思わせぶりなことを書いたが特に新しい世界を舞台にした新スレを自ら予定してるとかではない。
――が、もし参加者とか読者のどなたかが新企画を始める時に
お遊び要素程度にその世界が舞台という裏設定でやってもらうのも面白いだろう。
最後どこに戻るか決めて無いが普通に戦っていた場所に戻っても
イグニス山脈中腹あたりに戻ってもなんならカバンコウまで送還されてもOK】
0193創る名無しに見る名無し
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2018/12/10(月) 22:53:36.21ID:2shXYV48
GJ!
ついに締めたな
カバンコウは夜遊びの街だからな
シティアドベンチャーもいいな

でもティターニアは引退しちゃうポン‥?
0194ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/11(火) 00:41:53.14ID:fbBCiMZ3
>193
ありがとう!
ひとまずエンディングみたいなターンをやってあとはアルダガ殿次第で本編クリア後の決闘編、のような流れを考えておるぞ
誤解を与えたようだが特に引退を考えているというわけではない
自分主導で姉妹編を始める予定は今のところないというだけでもし誰かがやるならしれっと参加することはあるかも
0196創る名無しに見る名無し
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2018/12/12(水) 06:50:03.90ID:PCbbd0ub
本腰入れて投降するとなるとマジ大変だけどな
中世ファンタジー枠はあふれてるからよほど面白くないと…
0198 ◆fc44hyd5ZI
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2018/12/13(木) 04:33:10.73ID:YJ3/5WmX
 
 
 
真っ白な花畑の中、虚無の竜が強い光の中に消えていく。
……虚無の竜の姿が薄れるほど、光はより一層眩さを増していきます。
私は両目を腕で覆い、目を閉じる。

……瞼の向こう側でふと光が消えたのが分かる。
それと同時に感じる、風の音と感触。
腕を下ろして目を開いてみると……私達はいつの間にか、イグニス山脈の山頂にいました。
周囲を見回せば、あの白く不気味な街並みがまるで雪が溶けるかのように、本来の姿……ただの山肌へと戻っていくのが見えます。

視線を前に戻す。
見えるのは、ティターニアさんの背中。
……本当に良かったんですか、とは聞けません。
それはつまり、あれは本当は良くない結末だったんじゃないかと、そう言っているのと同じだからです。
そんな苦い余韻を、この物語には残したくありません。

「まったく……全て元通りにして去っていくなんて、気が利かないですね。
 彼らの世界の未知の技術……少しくらい残していってくれれば良かったものを。
 魔力を伴わないのでは、流石の私も解析のしようがありまんでしたからね」

私は努めていつも通りの声音でそう言いました。

「あれほどの技術が未来永劫、どこか遠くの次元の彼方に消えてしまうだなんて、勿体なすぎます。
 ……軍用魔法の開発にはもう飽きました。次は……世界を渡る魔法の開発研究でも、してみましょうかね」

そう、彼らの物語に相応しいのは、きっとこんな台詞です。
私はティターニアさんの隣に立って、にやりと笑うと、彼女の顔を覗き込むように見上げる。

「ティターニアさんも、どうです?フィールドワークという名の国外旅行も楽しいんでしょうけど。
 たまには真面目な研究をしてみるのも、悪くないかもしれませんよ」

……それから私は、山坂の下の方へと視線を向ける。
ローレンス卿やダグラス学長……あのアンノウンの群れを食い止めていた皆さんが、こちらへと登ってきています。

「……私、もう結構へとへとなんですけど、まさかこのまま祝勝会に洒落込もうだなんて言いませんよね?」

そう言うと私は……ディクショナルさんへと振り向きました。
そして彼のすぐ傍まで歩み寄ると、背伸びをして、左手を彼の右肩に。

「ご存知ないかもしれませんが……高位の魔法というものは、魔力は勿論ですが……頭脳が消耗するんです。
 術式構築に脳を酷使しますからね。つまり……濫用すると、とても眠くなるんですよ」

右手は自分の口元に当てて……

「……私がもし寝てしまったら、その時はちゃんと介抱して下さいよ」

小さくそう囁いて、私はそのままディクショナルさんに寄りかかりました。
……へとへとに疲れているのも、眠くて堪らないのも、嘘じゃありません。
だからこれは、こうなっても何も不思議じゃない、自然な事です。



【ひとまずお疲れ様でした!
 転移位置はカバンコウまで戻ってしまうと手助けしてくれた彼らが置き去りになってしまうので、山頂辺りにしておきました】
0200スレイブ
垢版 |
2018/12/16(日) 15:04:31.79ID:rFvykASH
【すみません、時間が取れずターン超過しそうなので次の土日までお待ちを】
0201ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/12/16(日) 16:38:57.51ID:nMUs47QR
今回はまとめターンで多分少々順番変わっても問題ないと思うので来週まで無理なのが確実でもしまだ手付かずの状態なら
特にジャン殿にネタを振る予定などなければジャン殿がいけそうなら先に行って貰うのも手だと思う!
0202スレイブ
垢版 |
2018/12/16(日) 20:18:04.69ID:vOB86tZm
【確かにそうですね 週末まで無理そうなのはほぼ確定なので、よろしければお先にお願いします】
0203ジャン ◆9FLiL83HWU
垢版 |
2018/12/16(日) 23:29:12.68ID:+i7kgA4q
【了解しました、それでは先にやらせていただきますね!】
0204ジャン ◆9FLiL83HWU
垢版 |
2018/12/17(月) 20:49:14.78ID:TuaEYYNB
白一色の花畑を歩き続ける中、辺りを包む光の向こうにぼんやりと巨大な生物の輪郭が浮かび上がる。
ジャンは思わず身構えたが、その生物がこちらに首をもたげて小さく口を開けたかと思うと
花びらの中に溶け消えていく。それと同時に彼の視界が眩い光に包まれた。

「……っと、ここは……山の頂上か。
 全部……終わらせたんだな。ティターニア」

奇妙な建物が真っ白な粉に分解されて消え去り、イグニス山脈に吹きつける風に巻き上げられてふわりと散っていく。
火山に雪が降り積もる中で、傷だらけのジャンは静かに佇むティターニアへと近づいた。
そしてひょいと抱き上げて左肩に乗せ、山を登ってくる連合軍へ指環の勇者たちが健在であることを示す。

「見ろ!ティターニアは立派にやり遂げたぜ!
 虚無の竜は二度とこの世界に現れない!俺たちの……勝利だ!」

連合軍から湧き上がる歓声を聞きながら、肩に担いだティターニアを地面に優しく降ろす。
やがてジャンも身体に溜まった疲労を吐き出すように、地面に大の字になって転がった。

>「……私、もう結構へとへとなんですけど、まさかこのまま祝勝会に洒落込もうだなんて言いませんよね?」

シャルムのその言葉に、ジャンも同意するように大きく頷いた。
身体は傷つき、突入から休みなく戦い続けたことで緊張しきった肉体が解れて力が抜けきっている。
白い粉が舞い散る中、雲一つない青空を眺めてジャンはつぶやいた。

「……さすがにもう、動けないけどよ。
 起きたら……ティターニア、護衛について……話したい……
 あと……スレイブ……おめでとう……」

さらに続きを喋ろうとしたところで、ジャンもまた小さな寝息を立てて眠り込んだ。
もしかしたら連合軍の誰かにすぐさま起こされるかもしれないが、
今はただ、彼は眠っていたかったのだ。

【長い間お疲れさまでした。
 予想以上の長編でしたが、無事に完結できてとても嬉しいです。
 でもエピローグはまだ続くのかな……?】
0205ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/17(月) 21:05:55.82ID:2s1X6hWF
本編クリア後の決闘編をやるかどうかはスレイブ殿(アルダガ殿)にお任せするのでやるならアルダガ殿はそれに繋げる感じで前振りを!
読者のご想像にお任せする感じでまとめるならあと1周ぐらいエピローグ的なのを回して終わりかな?
我としてはどちらでもOKだが普通にいけば本編内でやってそうだったところを
新規の来る来る詐欺で潰れてしまったのでやりたい気持ちが残っているなら悔いのないようにやればいいと思う!
0206創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/12/18(火) 08:02:28.72ID:Hwtn97kw
とりあえずは完結させてから感想戦というか色々議論を交わそう

綺麗な〆を期待してる
0207ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/12/18(火) 19:53:31.91ID:cXy8Yz2M
言われてみればどちらにしろとりあえず本編締めてからやる場合は番外編としてやった方が良さげかも?
というわけでスレイブ殿はいったん普通にエンディングっぽく回してもらっておkだ!
方針変えて申し訳ない!
0208ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/12/18(火) 20:05:25.23ID:cXy8Yz2M
ttps://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1513725381/l50
ttps://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1510061863/l50

それと本スレはまだしばらく番外編で使うかもしれないので早く感想を語り合いたい人はよければこの辺り
スレタイの趣旨とは少し違うがどちらにせよ使われていない廃スレなのでまあ良いだろう
0210スレイブ ◆T/kjamzSgE
垢版 |
2018/12/23(日) 08:26:28.41ID:e7xHsFVC
夜明けのように白んだ視界が色を取り戻すと、そこはイグニス山脈の頂だった。
山肌を覆い尽くしていた無機質な構造物は嘘のように消え失せ、見渡すばかりの砂礫と僅かな植生。
スレイブは拾い上げた小石の感触を確かめるように手の中で転がしながら、あたりを注意深く見回した。

虚無の竜の姿は、もうここにはない。
幻の如く消え去った旧世界の残像と共に、溶けるように消滅していた。

いま、ここに立つのはスレイブ達指環の勇者。
そして、なにかを見送るように立ちすくむ、ティターニア。

虚無の竜との対話を経て、彼女が何を失ったのか、推し量ることはできない。
半身にも似た、ティターニアの傍らにあったもうひとりの"仲間"。
スレイブ達が誰一人と欠けずにこの世界に帰還できたのは、『彼女』の犠牲があったからだ。

「ティターニア……」

その欠落に、その喪失に、スレイブは語るべき言葉を持たない。
きっと何を言ったところで、失われたものを埋めることなどできないだろう。
スレイブが踏み出せなかった一歩。それを臆すことなく刻んだのは、ジャンだった。

>「見ろ!ティターニアは立派にやり遂げたぜ!
 虚無の竜は二度とこの世界に現れない!俺たちの……勝利だ!」

万感の想いを込めて鬨の声を上げるジャンを見て、心の奥にあった重苦しい澱が霧散していくのを感じた。

「……そうだな。まずはこの勝利を、世界を救った俺たちの凱旋を、噛み締めよう」

差し迫った世界の危機はこれで回避することができた。
しかし、何もかもが解決したわけじゃない。
帝国元老院は再び指環を手にせんと暗躍を開始するだろうし、三国間の緊張は未だ続いたままだ。
それらすべての災いを取り除くには、ヒトの寿命はあまりにも短すぎる。
だが、何も全部指環の勇者が手を尽くさねばならないというわけでもないはずだ。

虚無の竜の世界再構築に頼らなくたって、ヒトは自分たちの世界を導いていける。
人類の可能性は、たった今彼らが証明したばかりだ。

>「あれほどの技術が未来永劫、どこか遠くの次元の彼方に消えてしまうだなんて、勿体なすぎます。
 ……軍用魔法の開発にはもう飽きました。次は……世界を渡る魔法の開発研究でも、してみましょうかね」
>「ティターニアさんも、どうです?フィールドワークという名の国外旅行も楽しいんでしょうけど。
 たまには真面目な研究をしてみるのも、悪くないかもしれませんよ」

「次、か。俺たちには次がある。限りのない未来を、勝ち取ったんだ」
0211スレイブ ◆T/kjamzSgE
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2018/12/23(日) 08:26:52.32ID:e7xHsFVC
明日を迎えるということが、今はこんなにも尊い。
どこへ行こうか、何をしようか、そんな風に語り合うのは、きっと何よりも楽しいだろう。

「俺は、何をしようか……。
 今更ダーマの王宮に立てる義理もないが、あれでも俺の祖国には違いない。
 帝国の土産を山ほど持って、郷里を尋ねるというのも良いかもな」

ダーマと帝国は現在、事実上の冷戦状態にある。
しかし戦争というのは、言ってしまえば利害関係のひとつの終着点だ。
どちらか一方を殺し尽くすことでしか終わらない戦争もあれば、そうでない戦争もある。
戦う理由をひとつひとつ解消していけば、いつかは友好的な国交を築けると……今ならそう信じられる。
そしてそれは、国内におけるヒトと魔族の対立においても同様だ。

「時間はかかるかもしれないが、俺はダーマという国を、内側から変えてみせる」

奇しくも諸国遊学の体となったスレイブの旅路は、ダーマの国政にきっと良い影響を与えられるはずだ。
高度な軍事体制をもった帝国や、先進技術を保有するハイランドとのコネクション。
その二つを両輪にして、魔族頼りのダーマを変えられると、今のスレイブは疑いもなくそう感じていた。

それに、旧世界の英雄達との"約束"もある。
城壁山脈の半ばで斃れ、雪に埋もれるままになっているザイドリッツの亡骸も、ちゃんと弔ってやらねばなるまい。
長く険しい道程になるだろうが、今は彼の時代とは違う。飛空艇なら、そう時間をかけずに亡骸を探し出せるはずだ。

>「……私、もう結構へとへとなんですけど、まさかこのまま祝勝会に洒落込もうだなんて言いませんよね?」

斜面の下から駆け上ってくる連合軍の一団を眺めて、シャルムはそう呟いた。
言葉とは裏腹に、どこか楽しげな口調だ。

>「ご存知ないかもしれませんが……高位の魔法というものは、魔力は勿論ですが……頭脳が消耗するんです。
 術式構築に脳を酷使しますからね。つまり……濫用すると、とても眠くなるんですよ」

「お、おい……もうあと一踏ん張りだろう、起きていてくれ。
 祝勝会をするにしても、主役の一人が眠っているんじゃ片手落ちだ」

しかしシャルムは我関せずとばかりにスレイブの肩へ寄りかかる。
そして、耳元で囁いた。

>「……私がもし寝てしまったら、その時はちゃんと介抱して下さいよ」

「なっ……!」

身体を預けてきたシャルムの体重が、体温が、いやにはっきりと感じられて、スレイブは泡を食った。
ジャンがなにを忖度したのか、生暖かい目でこちらを見やる。
0212スレイブ ◆T/kjamzSgE
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2018/12/23(日) 08:27:07.11ID:e7xHsFVC
>「……さすがにもう、動けないけどよ。起きたら……ティターニア、護衛について……話したい……
 あと……スレイブ……おめでとう……」

「何がだ!?」

何について祝われたのか判然としないまま、シャルムは黙ってしまった。
もはや問答は無粋と、そういうことなのだろうか。

「……まあ、確かに。疲弊した身体で無理をするよりも、俺が支えたほうが安全だな。合理的だ。
 ただ、引き換えと言ってはなんだが、俺の頼みも聞いてくれないか」

もたれかかるシャルムの肩を、スレイブは浅く抱く。
固定しておいたほうが倒れ込むリスクを減らせるという極めて非常に大変合理的な判断によるものだ。

「俺には政治も、技術的なことも分からない。
 ダーマを変えたい想いはあるが、具体的にどうすべきか見当がつかない。
 だから、シアンス。大陸で一番の魔法使いである貴女に、知恵を貸してほしい」

指環の中で静かに聖ティターニアを見送っていたウェントゥスが、急に顔を出してスレイブの脇腹を小突いた。

『ちゅうのは建前も良いとこで、ホントは自分の国に連れて行きたいだけじゃろお主』

「ち、違っ、そんなつもりは……」

『ないんか?』

「ないことも、ないが……。
 いや、この期に及んで無粋な言い訳は必要ないな。
 多少の私情も、我儘も、許されるだけのことを、俺たちは成し遂げたはずだ。
 俺は開き直るぞシアンス。合理性など後からついてくれば良い」

再び囃し立てる指環の中身を黙らせて、スレイブは生まれて初めて、我を通した。

「俺がダーマに帰るときは……一緒に着いてきてくれるか?」


【エピローグ】
【二年半に渡る大長編、本当にお疲れ様でした!いろんな話がやれてすごく楽しかったです!
 そしてすみません!最後にアルダガ戦を番外編としてやるつもりでしたが、当時とはリアルの事情が変わってしまいました
 どんな戦いがあり、どんな結果を迎えたかについては、なにとぞご想像にお任せさせてください!】
0213ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/24(月) 20:01:16.91ID:V30TM15U
眩い光の中、ティターニアは一人取り残されており、目の前に宙空にクリスタルのようなものが浮かんでいた。
以前虚無の竜の魂が封印されていたものとよく似ているな、等と思っていると、虚無の竜の声が聞こえてきた。

『指輪を全て集めたらどんな願いでも叶う――そういう触れ込みで旅をしてきたんだろう?
ヘタった全の竜の代わりといったら何だけど置き土産にそれをあげよう。
それは新たな世界が創造された時の副産物――
君達の世界が出来た時のものは我が魂を封印するのに使われていたようだけどね。
どんな願いでも叶う……それが本来の力さ。ただし叶う願いは一つだけだ。
それと、規模が大きい願いほど叶うには時間がかかる。
例えば……人一人生き返らせるぐらいならすぐにでも叶う。
だけど世界規模のことなんて願ったら……何千年、もしかしたら何万年かかるかもしれないね』

「そんな重要なことを我一人で決めるわけには……」

『今君がこの場で使ってしまうのを強くお勧めするよ。
そんなものを持ち帰って存在が公になったらそれこそ今の世界じゃ大戦争にしかならないからね』

内心では、叶えたい願いは端から決まっていた。
しかし、たった一つだけの権利を、独断でいつ叶うか分からない事に使ってしまっていいのだろうか。
永遠に近い寿命を持つエルフである自分なら、もしかしたら願いの成就に立ち会えるかもしれない。
しかし、人間をはじめとする定命の存在達は、それを見ることなく死んでいくのだ。
そんな彼らにとっては叶わぬに等しい願いよりも、今すぐに叶えたい切迫した願いを持つ者がたくさんいる。
例えば――失った大切な者を生き返らせたいとか。

『おっとしまった、一人送還し忘れていたようだ』

どこかわざとらしい虚無の竜の声が聞こえて振り返ってみると、ジュリアンも同じ空間に取り残されていた。

「ジュリアン殿……願いはそなたが。どうしても生き返らせたい者がいるだろう?
我の願いは……願ったところでいつ叶うか分からぬ。定命の者達にとっては何の恩恵も無いに等しい願いだからな」

しかし、ジュリアンはゆっくりとかぶりを振った。

「そうしたいのは山々だが……残念ながらアイツはそれを望まない。
貴様と同じことを願うだろうさ――だから、アイツの願いを叶えてやってくれ」

「……分かった」

ティターニアは覚悟を決めたようにクリスタルに手を伸ばし、願いを紡いだ。

「我が願いは――」

*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*・*:.。. .。.:*・*☆*
0214ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/24(月) 20:03:11.44ID:V30TM15U
気が付くと、何事もなかったかのようにイグニス山脈の山頂にいた。
先程のは夢だったのではないか、とすら思う。

>「ティターニア……」

>「……っと、ここは……山の頂上か。
 全部……終わらせたんだな。ティターニア」

>「まったく……全て元通りにして去っていくなんて、気が利かないですね。
 彼らの世界の未知の技術……少しくらい残していってくれれば良かったものを。
 魔力を伴わないのでは、流石の私も解析のしようがありまんでしたからね」

「”本当ですねぇ、気が利かない竜ちゃんには後で怒っときますよ。
それと私は犠牲などではありませんよ。むしろ昇進です、昇進!
なんてったって新世界の女神――永遠の存在になれたのですからね!” ……なんてな!
先代ならきっとこう言うだろうな」

皆が気を使っているのを察し、先代の口調を真似ておどけてみせる。
先代ティターニアは去っていったはずだが、その記憶は知識という形で残っている。
ということはやはり、先代の魂そのものが憑依していたということだろうか。
今となっては考えても詮無きことだ。

「しかし……先代が作る世界が見られないのは少し残念ではあるな」

>「あれほどの技術が未来永劫、どこか遠くの次元の彼方に消えてしまうだなんて、勿体なすぎます。
 ……軍用魔法の開発にはもう飽きました。次は……世界を渡る魔法の開発研究でも、してみましょうかね」

「――それだ!」

>「ティターニアさんも、どうです?フィールドワークという名の国外旅行も楽しいんでしょうけど。
 たまには真面目な研究をしてみるのも、悪くないかもしれませんよ」

ティターニアの瞳は少女のように輝いていた。

「開発に成功した暁には見に行けるな!
あやつらに出来ていたということは不可能ではないはずだ……!」

そうしている間に、アンノウン達を食い止めていた連合軍がこちらへ向かってくる。
不意に体が浮かび上がる。ジャンに軽々と持ち上げられ左肩に乗せられたのだ。

「突然何を!?」

>「見ろ!ティターニアは立派にやり遂げたぜ!
 虚無の竜は二度とこの世界に現れない!俺たちの……勝利だ!」

指輪の勇者軍代表として担ぎ上げることで勝利を示した、ということだろう。
ティターニアが地面に降ろされると、今度はシャルムとスレイブが盛り上がり(?)始めた。
0215ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/24(月) 20:09:21.82ID:V30TM15U
>「……私、もう結構へとへとなんですけど、まさかこのまま祝勝会に洒落込もうだなんて言いませんよね?」
>「ご存知ないかもしれませんが……高位の魔法というものは、魔力は勿論ですが……頭脳が消耗するんです。
 術式構築に脳を酷使しますからね。つまり……濫用すると、とても眠くなるんですよ」

彼女の言うことは、満更スレイブに寄りかかりたいだけの口実ではない。
膨大な魔力を持つティターニアですら疲弊しているのに、人の身のシャルムはいかほどのものか。
人間とエルフの厳然たる種族の壁を技術の力で埋め、彼女はティターニアに並び立つ――もしかしたら超える活躍を見せた。
改めて、末恐ろしい娘だとしみじみ思う。

>「お、おい……もうあと一踏ん張りだろう、起きていてくれ。
 祝勝会をするにしても、主役の一人が眠っているんじゃ片手落ちだ」
>「……私がもし寝てしまったら、その時はちゃんと介抱して下さいよ」
>「なっ……!」

追い詰められたスレイブに、寝転がったジャンがさりげなく追い打ちをかける。

>「……さすがにもう、動けないけどよ。
 起きたら……ティターニア、護衛について……話したい……
 あと……スレイブ……おめでとう……」

>「何がだ!?」

「ああ、我の護衛を続けたいということか?
もちろん、護衛どころか助手にしても良いと思っておる……ってもう寝ておるのか」

スレイブのツッコミもティターニアの商談も聞かぬまま、ジャンは言い逃げで寝てしまった。

>「……まあ、確かに。疲弊した身体で無理をするよりも、俺が支えたほうが安全だな。合理的だ。
 ただ、引き換えと言ってはなんだが、俺の頼みも聞いてくれないか」
>「俺には政治も、技術的なことも分からない。
 ダーマを変えたい想いはあるが、具体的にどうすべきか見当がつかない。
 だから、シアンス。大陸で一番の魔法使いである貴女に、知恵を貸してほしい」

スレイブは追い詰められて覚悟を決めたというべきか開き直ったというべきか、
ウェントゥスに茶化されたりしつつも、ついに決定的な台詞を言った。

>「俺がダーマに帰るときは……一緒に着いてきてくれるか?」

「後のことは心配するな、帝国の主席魔術師には俺が元の鞘におさまればいい」

シャルムの返事も聞かぬまま、ジュリアンが勝手に気を効かせる。
そんな皆の様子を見て、テッラがこっそりと言った。

『ダーマと帝国の融和の第一歩――もしかしたら、早速願いが叶いはじめているのかもしれませんね』

「少し効果が出るのが早すぎはしまいか? でも……そうだな、そうだといいな」

ティターニアが願った願い――それは、とてつもなくシンプルで、きっと誰もが望んでいて
だけど、叶うのに永劫に近い長い時間がかかると言われたら、きっと誰も願わないであろう願い――“永遠の世界平和”。
0216ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/24(月) 20:14:58.40ID:V30TM15U
皆ひとまずお疲れ様!
スレイブ殿、了解だ。少し残念だがリアル事情ということなら仕方があるまい。
一応あと一周回して締め、という形にしようと思うので自分はもう前回ので終わりだよ、
という者はパス宣言を!
0217創る名無しに見る名無し
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2018/12/25(火) 12:11:11.71ID:5zMoNymU
お疲れ様!
すげえ、ついにやってくれたぜ
さすが俺らのティターニア

ティターニアがこの板のTRPGのMVPで
次点がジャンだな

本当良かったぜ
0218 ◆fc44hyd5ZI
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2018/12/26(水) 15:54:25.26ID:3JY7CSQc
私は……気が向いたら個人的な後日談を落としに来ようかな、って感じですかね
年末は忙しくって……という訳でひとまずはパスで!
0219ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/26(水) 20:31:11.39ID:O7+yEqYN
了解だ! スレイブ殿に対する返事を書くかな?とも思ったが敢えてご想像にお任せして余韻を残すのもまた良いと思う!
ジャン殿とスレイブ殿は前のレスで一応完結な雰囲気だろうか
もちろん後で後日談等書いてもらうのは自由なのでいったん締めてしまえば良いかな?
0220ジャン ◆9FLiL83HWU
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2018/12/26(水) 23:00:10.14ID:wX42B2TO
【そうですね、アルダガさんとの戦いはまた別の話ということで】
【締めてもらえればと思います】
0221スレイブ
垢版 |
2018/12/27(木) 01:38:58.34ID:vudyr9Vv
【異論なしですー】
0222ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/27(木) 21:04:02.02ID:RkXaCNWy
シャルムは一人で立っているのもままならない状況、ジャンは寝てしまった。
ということで、数日間の休息の後、連合軍による盛大な祝勝会が開かれ、その後それぞれの帰る場所へ散っていった。
ケツァクウァトルとクイーンネレイドはそれぞれ元いたシェバトとステラマリスへ。
アルバートは当初の予定通り、全竜の力を吸収した虚無の指輪の力を使って旧世界の復興にあたるらしい。
元々誰もいない遺跡を守っていたベヒモスとフェンリルは、アルバートと共に旧世界に赴き復興の補助をするようだ。
ジュリアンが元通りダーマに帰ったのか、はたまた帝国の主席魔術師に返り咲いたのか――
つまりシャルムがスレイブと共にダーマに渡ったのかは、この場では置いておくことにしておこう。
ティターニアはもちろんひとまずはユグドラシアへ帰ることとなる。
ジャンがティターニアの助手になったのかも、明言はしないこととしておくが
助手に昇格か護衛続行かは分からないが、おそらく何らかの形で雇用続行にはなったのではないだろうか。

*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*゚・*:.。. .。.:*・*☆*・*:.。. .。.:*・*☆*

そうしてひとまず普通に導師生活を続け、数か月たった頃。
戦後処理等が終わって一段落着いたのであろう帝国から一通の手紙が舞い込んできた。
内容は、国家の垣根を越えて指輪の勇者達を称える祝典を開きたいとのことだった。
スレイブ達ダーマにいる者達にも送っているとのこと。

「ティターニア様……大変!
目玉イベントはエーテルの指輪の真の所有権を巡る決闘って……」

「まさか本当にやりおったか! 期待を裏切らぬというか何というか……!」

そう言うティターニアは頭を抱えながらも、どこか嬉しそうだ。

「早速準備にとりかかるのだ! もちろん一緒に行くな?」

「ラジャー!」

いそいそと帝国行きの準備に取り掛かるティターニア。
その瞳は喜びに輝いていた。当然だ、共に世界を救った仲間達にまた会えるのだから。
0223ティターニア ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/12/27(木) 21:06:26.51ID:RkXaCNWy
――それは、やがて伝説となる物語。
「エーテリア」と呼ばれるこの異世界では、古来より魔の力が見出され、人と人ならざる者達が、その覇権をかけて終わらない争いを繰り広げていた。
中央大陸に最大版図を誇るのは、強大な軍事力と最新鋭の技術力を持ったヴィルトリア帝国。
西方大陸とその周辺諸島を領土とし、亜人種も含めた、多様な人々が住まうハイランド連邦共和国。
しかし――その三国から集った指輪の勇者達が力を合わせて戦い、滅びの運命を打ち砕いた。
その者達の名は――

神樹の巫女ティターニア
激流の騎士ジャン
光刃の斥候ラテ
紅焔の妖精王女フィリア
烈風の魔剣士スレイブ
闇黒の執刀者シノノメ
星辰の魔女シャルム
光輝の魔術師ジュリアン
女神の使徒アルダガ

その後待っていたのは……さして今までと変わらぬ日々。
この物語の結末は――最初に提示された3つのうちのどれとも少し違っていた。
もちろん破滅などではなく、すぐにすぐの救済でもなく、目立った変革というわけでもなく――
ただ、長い旅路の終わりに、たった一つだけ叶うことを約された願いがある。
いつになるかは分からないけれど、いつか必ず、終わらぬ争いが終わる時代が来る――
だから、この物語の結末を敢えて一言で表すとすれば――“希望”――そう表現することとしよう。

――THE END――
0224ティターニア ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2018/12/27(木) 21:07:34.85ID:RkXaCNWy
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/dragonsring/pub/LEGEND%20OF%20AETHERIA%EF%BD%9E%E6%8C%87%E8%BC%AA%E3%81%AE%E5%8B%87%E8%80%85%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%AA%AC%EF%BD%9E.mp3

LEGEND OF AETHERIA〜指輪の勇者の伝説〜

燃え盛る炎の山で 古の都の扉開き
世界の真実解き明かす 冒険の旅が始まる

激流に道が分かたれても尚突き進む 壮大な夢を胸に
海精の女王に導かれ 青く光る指輪に手を伸ばした

深き大地の底にて 忘れらる都の扉開き
残酷な世界に抗う 挑戦の旅が始まる

激風が行く手を阻んでも尚突き進む 揺らがぬ決意を胸に
意思を持つ魔剣に導かれ 差し出された手を掴み返した

深い闇の中立ち尽くす 進むことも退くこともできずに
踏み出す勇気を持てたのは 大切な仲間ができたから

絶望の未来に抗いて今立ち向かう 偽りの希望の化身に
光と化した聖女に導かれ 全ての始まりの地へ至る道は開かれる

滅びゆく運命(さだめ)打ち砕いた  竜と指輪と勇者の物語は
果てしなく続く星の記憶に 永遠(とわ)に刻まれ伝説となる――
0225ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2018/12/27(木) 21:44:48.78ID:RkXaCNWy
――というわけで遂に完結! 皆本当にありがとう、お疲れ様!
最後皆に適当に二つ名を付けたが気に入らなかったら済まない!
思えば最初に参加した時はスレ主もういないのでは?と思いながらの半分冷やかしだった。
それがこんなに大長編になろうとは!
スレが立っていなければ今こうしている事もなかったわけで見ておるかも分からぬがきっかけをくれたアルバート殿、感謝しておるぞ。

最初からずっと一緒に旅をしてくれたジャン殿、ありがとう!
途中で3人一気に抜けた時にはどうなる事かと思ったが続けられたのはジャン殿が残ってくれたおかげだ!
シャルム殿とスレイブ殿は素晴らしく話を広げてくれて感謝している!
我は最初から参加して物語の骨子に関わってはいたけど
自分の担当部分はぶっちゃけス〇ウェア系列のRPGあるあるネタを繋ぎ合わせただけなので
↓この辺
・各属性の場所を巡って各属性のキーアイテムを集める
・各属性のドラゴン登場
・序盤の宿敵が中盤でデレて味方化、新たな敵が登場
・中盤で飛空艇が手に入る
・虚無のラスボス
自分だけに任されていたらあんまり話が広がらなかっただろうな〜と
それがこんなにいろんなエピソードが出来たのは皆のおかげだ!

それとスレイブ殿は中ボスからの味方化という我の大好物の王道展開をやってくれたな!
アルダガ殿としては2章のボスと旧世界編では一人二役で本当によく頑張ってくれたと思う。
シャルム殿は一人四役も指輪の勇者という重要な役をやってくれたわけだが
ラテ殿は一時はどうなることかと思ったがちゃんと立ち直ってくれて各キャラそれぞれエピソードがまとまってて凄いと思った!

もう見てるか分からないが3章と4章のボスを務めてくれたミライユ殿とノーキン殿、ありがとう!
短期とはいえその章のGMのようなポジション、本当に大変だったと思う!
ミライユ殿の出した指輪の魔女はその後の話に大きく関わることになったし
ノーキン殿が指輪を7つという設定を出して結果的にすごく話が広がることになって
二人とも短期とはいえすごく重要ポジションだったな、と改めて思う!

一応締めはしたが気が向いたら後日談等、自由に書いてやってほしい!
その際我に関しては小説の登場人物のように動かしてもらって一向に構わない!
アルダガ殿ももし決闘を書きたくなったら是非!
それかもし気が変わってTRPG形式でやりたくなったら声をかけてもらえればいつでもお相手しよう!
しばらくこのスレは定期的に覗くと思うので。
0226創る名無しに見る名無し
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2018/12/29(土) 10:48:36.91ID:MqSIvYsB
年が終わる前に完結!
本当にめでたい…めでたい…

ありがとうティターニア!
0227ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
垢版 |
2019/01/01(火) 17:26:02.14ID:O1hVPdzO
あけおめ
>226さん、最後まで読んでくれてこちらこそありがとう
少し前に>208のように言ったが番外編無しでひとまず完結とのことなので
もし後日談を書きたくなった時に書く容量が無くならない程度に感想等自由に書いてもらっても大丈夫だ
(※とはいえもちろん誹謗中傷個人批判の類は除く)
0228創る名無しに見る名無し
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2019/01/15(火) 06:38:57.51ID:lz40q32R
902 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] :2019/01/13(日) 16:34:59.54 ID:1fHvoPgJ
コテハン同士で対談とかやらないかなぁ


904 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] :2019/01/13(日) 20:19:18.03 ID:1fHvoPgJ
もう終わったから無理だろうけどドラリン組かな
誰と誰でもいいけど設定考えるコツとか展開のコツとかききたい

肥溜めの発案だけどこんなのどう?
0229ティターニア@時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc
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2019/01/15(火) 23:14:51.82ID:gDcUvyJz
展開のコツというか後から振り返ってみるとGM無しのスレの完走確率を上げる手法として使えそうなのが一つ

最初にいきなり竜の指輪が手に入りそうな流れになってしまったので
こりゃいかん話が終わってしまうと思って「実は指輪は一つじゃない!」という展開にしてしまったのだけど
思い返せばあれが結果オーライだったな、とすごく思う
あの後結果的に特定のGM無しで複数人で進めていくタイプのスレへ移行したけど
特にその形式の場合、最初にとりあえずの大まかな話の流れの共通認識を作ってしまうと
どう展開させたらいいか分からずにスレが止まってしまうリスクがかなり減らせるんだな、と今回思った
それがこのスレの場合各地に散らばる竜の指輪を集めていって最終的に古竜をどうにかすることだったわけだ
それでいざ終わってみると途中色んなエピソードや設定が投入されつつも
すごくざっくりまとめると各属性の指輪を順番に集めていって最後は虚無の竜(古竜の正体の一つ)を倒した、ということで当初の予定通りにいってる

・各地を巡って重要アイテムを集める
・各エリアを支配する強い奴を倒していく
・パワースポット巡礼
・特定の目的地をひたすら目指す

旅モノだとこの辺が王道のバリエーションかな
予定調和的になって予測不可能な展開は出来にくくなる面もあるかもしれないから絶対的にいいとは言えないけど
完走を第一目標にするならいい手法だと思う
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 10:20:47.28ID:ndKRa4Zg
ドラリン見てると昔やってたジェンスレを思い出す
話のノリとか各属性の土地に訪れる旅モノな部分とか
0232創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 16:55:24.78ID:mAAtN7+Q
まぁジェンスレの参加者2、3人揃ってるでしょこれ
雰囲気似るのも当然っしょ
0234創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/02/07(木) 08:50:13.84ID:tJt55Z7t
だからジェンスレ自体のメンツが揃ってるからその運営力で雰囲気が似たって話やろ?
0235創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/02/07(木) 18:29:03.94ID:w/9TSalq
各属性の土地を巡るストーリーの流れに共通点はあるがぶっちゃけ雰囲気は言うほど似てないと思うぞ
序盤はジェンスレほどギャグじゃなく逆に終盤はあっちほど重苦しくない
バトルの傾向もジェンスレはファンタジーでありながら異能バトルみたいな理屈で戦う文章媒体向きの演出が多かったが
こっちはオーソドックスなファンタジーっぽい肉弾戦や大魔法合戦みたいな映像化したらシンプルに映えそうなのが多かった
0236創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/02/11(月) 19:50:10.99ID:7hZTZGUp
そういやジェンスレってギャグスレだったんだな
ラストバトルとか完全にギャグだったし
0237創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/02/11(月) 21:15:14.82ID:7kL+wHJ8
中盤までは完全にギャグスレだし終盤にシリアスに転向と見せかけてラストバトルはやっぱりギャグやった
ラスボスの戦略的ウンコ漏らしに全世界ホモビデオ上映で対抗して勝ったんだったか
0238創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/02/11(月) 22:59:12.16ID:7hZTZGUp
アタマおかしい展開だけどわりと理路整然としててやっぱアタマおかしかった
0240ジャン ◆9FLiL83HWU
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2020/05/08(金) 17:33:49.64ID:b3gcgQ5/
一年以上経って言うのも今更なんですが、敵になりがちなオークという種族で最後までメインやれたのはとても嬉しく思います。
色々大変な状況ですが、またどこかで皆さんとお会いできればと思っています!
0241ティターニア ◆KxUvKv40Yc
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2020/05/09(土) 01:50:34.09ID:biun98i/
予感が働いたのか知らないが何の気無しに開いてみたらまさかの懐かしい顔が!
ここを完走した時にはまさか約1年後にこんなご時世になるとは思っていなかったが……元気そうで何よりだ。
主役級ポジションのオーク、新鮮で良かったな
版権物では滅多にお目にかかれないような設定や展開に出会えるのもTRPGの面白いところの一つだと思っている
またどこかでご一緒できることを願っておるぞ
0245創る名無しに見る名無し
垢版 |
2023/01/20(金) 11:22:28.15ID:4yEX/ReY
わかる
ケレン味のない真っ当なファンタジーですごい好きだった
ある意味なな板trpgの総決算みたいなスレだった
0246創る名無しに見る名無し
垢版 |
2023/09/16(土) 11:26:55.51ID:bOsDjntQ
ここのコテハンさんまだいるかな
設定使って続編とか作ってみたいんだけど…
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