リレー小説【一人一行は窮屈だ!】
リレー小説です。
一人一行は短すぎる。五行以内も同じ。スネ夫には飽き飽きだ。
そんな方ご参加ください。
【ルール】
●一人の投稿の上限は1レスまで(目安2000字未満)
●一人の投稿の下限は五行以上
●出来る限り話はつなげましょう
●他は自由にどうぞ 朝、学校に通学するために家を出ます。最初の角を曲がった先、電柱の傍に足立さんが立っていました。
すらりと背が高く短髪で、かっこいい系女子です。視線を手元のスマホに落としていました。私はゆっくりと歩み寄ります。
「こんにちは、死ね」
「……唐突に何だ、一体?」
「今現在、私の中で言ってみたい台詞ランキング、堂々一位の台詞です」
「どうせすぐに変動するランキングだろ、それ」
「よくご存知で」
通学路を歩きながら、毎朝共に通学する足立さんと女子高生らしいウィットに富んだ会話に花を咲かせます。
「というか、朝なんだから『おはようございます、死ね』じゃないのか?」
「細かい女は嫌われますよ、足立さん」
「その通りかもしれんが……。お前に言われると無性に反論したくなるな」
「おや? 何にでも反抗したくなるお年頃ですか?」
「ちげえよ、死ね」
「こんにちは、を忘れてますよ」
「氏ね」
「おっと、そちらの変換できましたか」
「何故分かる!?」 おい!
下限は
五行以上だぞ!
ちゃんと>>1くらい嫁
これでいいか? 「なぜならば」
わたしは手にしたスマホをサッとかざします。
「わたしは足立さんは今話題の5channelで会話しているからです」
「LINEじゃねーのかよ?」
「え、足立さんまだやってたんですか?」
「……やってるよ、一応」
「そうですか。わたしは足立さんが既読スルーするから先週やめました」
「あたしのせいかよ!?」
とか話している内にカルガモ幼稚園の前に着いていた。 私はカルガモ幼稚園敷地内のこじんまりした中庭を見ました。
「懐かしいですね。覚えてますか、足立さん? 小さい頃はあそこで追いかけっこをしましたねえ」
「捏造すんな。私は中学でこっちに引っ越してきたんだろうが」
「おっと、足立さん違いでした」
「あん? 私と同じ苗字か?」
「ええ。足立美咲さん違いでした。男の子です」
「まさかの同姓同名!? しかもその名前で男かよ!」
「いえ、すみません。記憶違いでした。正解は、足立聖騎士(パラディン)君です」
「キラキラ!?」 「風の噂で聞きましたが聖騎士くんいまは本当に騎士をやっているらしいです」
「いつの時代!?」
「自宅で」
「ナイトじゃなくてニートかい!」
「まさに現代の勇者ですね」
「世間という名の魔王に立ち向かう、ってやかましいわ!」
「……うわあ」
「いやあんたがこのノリ始めたんだからね?その目をする権利は私にあるはずだからね?」
「お腹すいたしちょっとコンビニ寄っていきましょう」
「スルーすんな!」(ボカボカ
足立さんパンチ力弱いのでマッサージに最適です。 さて、コンビニの自動ドアをくぐります。独特のチャイム音が鳴り、遅れて「いらっしゃいませ」と店員さんの声が響きました。
「何買うんだ?」
足立さんが問いかけてきます。
「何かお菓子と飲み物ですね。お昼にお弁当といっしょに飲むことも考えれば……やっぱりドクぺですかね?」
「何でだよ!?」
足立さんの突っ込みと同時に、再度自動ドアが開きます。店内に入ってきたのは……
「髪がぼさぼさで、肥満体質で、とても臭そうな……ええ、半径三メートル以内に近づきたくない、死んだ魚のような目をした男でした」
「酷い言い草にもほどがあるだろ」
「地の文を読まないで下さい」
「いや、思いっきり声に出てたから」
そんな馬鹿なと思いながら、私の視線は不潔な男を追いかけます。ううん? どこかで見たような……。
男は商品を取るでもなく、真っ直ぐにレジに向かっていきます。手にはビニール袋を持っています。
一瞬、レジにいる店員さんは胡乱気な目で男を見やりましたが、すぐに表情を戻して「いらっしゃいませ」と言いました。その刹那――
「えっ!?」
足立さんが素っ頓狂な声を上げます。何故なら、男はビニール袋から刃物を取り出したからです。
「ちょっ、やばいんじゃないか? あれって……」
「ええ、驚きです。あれは――足立聖騎士君です」
「マジで!?」 聖騎士くんはそのままナイフを店員さんの背後に投げつけました。
「ひっ!?」
おお、店員さん反射神経いいですね。ナイフをかわしつつ柄をキャッチしましたよ。
「くそっ!なんだって時給500円の俺がこんな目に……!」
多分ぶっちぎり労基法違反してるので早く辞めましょう店員さん。
「ーー邪気を祓った。これでお前はきたる戦いの時代で英雄となるだろう……ソウスケ。では、さらばだ。」フッ
聖騎士くんはなんかやけに意味深な言葉を吐いて消えました。
テレポートだなんて、やりますね。
「は?なんで俺の名前知って…て、消えた?何がどうなってるってんだ…よく分からねえ、とりあえず帰ろう。」
店員さんは困惑しています、無理もないですね。制服のまま帰ったようです。
ふむ、この状況からわかることは一つ……
「誰もいないので無断で色々もらっていっていいということですね。ひゃっほい!」
「どこからツっこめばいいんだあたしゃあ!?」
とりあえず私の行動は足立さんに止められました。 「ありがとうございましたーお次の方どーぞ!」
奥から慌てて出てきた店長らしきオジサンが必死にレジ対応してくれたおかげで、何とかドクペとたけのこの里を買うことができました。
「さ、そろそろ行かないと遅刻するよ!」
足立さん、新発売のシュークリーム3種類、買うか迷っていたけど結局全種類買ったんですね。太りますよ?
「う、うるさいな。いいんだよ私は部活でカロリー消費するから。ほら行くぞ」
足立さんに押されてコンビニを出るとき、わたしは聖騎士君の消えた辺りの空間を振り返りました。
誰にも聞かれないよう、小さな声でポソッと呟きます。
「さようなら……わたしの初恋…………」 二人は店を出ていった。二人の会話の内容から一人は足立だがもう一人の名前は不明だ。
多分ああいうタイプは脳内で小説実況でもしてそうだから【わたし】とでもしておこう。
レジの前で四十代の店長は、二人の尻を食い入るように視姦していた。
「いいケツをしてやがる。あんなのがバイトにいたら最高なのにな」
店の奥から別の男が出てきた。三十代前でスーツを着ている。
「店長、言われたとおりにしたか」
「ああ、商品の中に細菌型GPSを入れておいた。それを食えば24時間は居場所はバッチリよ」
「うまくいけばいいが……」
「マネージャーさんよ、あの学生たちがそんなに重要なのか?」
スーツの男は見下げたように笑った。
「お前がそれを知ってどうする?」
まさか立ち寄ったコンビニでこのような会話がされていたとは、【わたし】も足立も気づきようがない。 ーー とある宙域 ????? にて
「ーーそうか、カテジナはパラディンに敗れたか。」
大きなモニターの前に座る何者かは言う。
どうやらモニター越しに部下からの報告を受けているようだ。
「はっ!その後やつは日本に立ち寄り伝説の英雄と接触した模様です!」
「伝説の英雄……ああ、創造神の駒候補か。あんなもの神託と称した戯言にすぎないと言うのに、ご苦労なことだな。他には?」
まるで想定内と言わんばかりにコレは退屈そうに報告を聞いている。
「今しがたあの地域の管理者から更なる情報を確認したところどうやら現場に被験体εとneoもいた様子です!」
ここではじめてコレが反応し、目を少しだけ見開いた。
「ほう?εだけでなくneoまで?……ふむ、こうも役者が一箇所に集まるとはこれも運命か…面白くなってきたな、引き続き彼らの動向を監視しろ。どうやら始まりは近い。」
「了解いたしました!」
通信が切れた。報告はこれで終わりのようだ。
「くく…これで少しは暇も潰せよう、私もたまには地球で運動でもするか。あははは…」
ーーここは太陽系ではないどこかの宇宙………
ーーところ変わって足立さんの学校
(授業中は暇ですねー。隣の足立さんでもいじって遊びますか…)
華の女子高生がなんでこんなかったるい数学なんてしなきゃダメなんですかね。因数分解ってなんですか、自然のままにしておけばいいじゃないですか。
隣を見ると真面目に授業を受けている様子の足立さん。
(足立さんこれで全国模試10位くらいに入る人なんですよねえ…人は見かけによらないと言いますか)
(おい今あたしのことdisらなかった?)
(こいつ頭に直接!?)
(あんたも読めてるじゃない!)
(おっぱいいっぱい。)
(今の誰!?)
このクラス読心術士多すぎませんか。 >>1
ねぇ このスレって
「大いなる」一行から五行くらいまで小説「助走」
↑があるから意味ないんじゃ? お昼休みになると隣のクラスから奈良谷 美優がいつもやって来る。
昼食は私と足立さんと奈良谷の3人ですることになる訳だが
私はこの子が何となく苦手だ。
何でも足立さんとは幼い頃からの友人らしいけど、私はこの子から一線引いた付き合いをしている。
だってこいつは根っからの末っ子体質なんだ。
私と気が合うわけがないっ!! >>2
いいスレかと思ったが初っ端から死亡しとるわ。
こんにちは死ね、って何だよ? ……でも最近は奈良谷さんにも優しくなろうかな、なんて思ってます。
べ、別にお弁当も財布も忘れたときお弁当分けてもらったり、それ以外にも私が困ってるとき基本助けてくれたり、笑顔がむちゃくちゃかわいかったりするからなんて理由じゃないですからね!
「違うからね!これは私の策略なんだから!」
「また突然なにを言ってるんだがこいつは…」
呆れジト目の足立さん。
「あはは、刃堂さんはやっぱり面白いなあ。」
やめてくれ!その暖かい微笑みを私に向けないでくれ!浄化されてしまう!ぐわー
ところで私の名前が出たので自己紹介でもしましょうか。私の名前は刃堂鋼子(じんどう こうこ)。ゴツい名前ですよねえ……親は一体何考えてんだか。まあ私弧児院育ちなんで親とかよくわかりませんけど。
「そういえば駅前に新しいケーキ屋できたらしいねー、後で行ってみない?」
むむ、今度は甘味で釣ろうということですか奈良谷さん。はっ!さては私を幸せ太りさせて動きを抑えた挙げ句に糖尿病でとどめをさそうという魂胆ですね!危ない危ない
「んーどうすっかなー、鋼子はどうすんの?」
足立さん、ウィットな私ですよ?ここは勿論罠を華麗に回避して断りをいれ
「刃堂さんの好きなミルフィーユが評判みたいだよー」
「JKといったらやっぱりスイーツですよね!」
「んじゃ、私も行こうかな。」
仕方ないじゃない。ミルフィーユに私が敵うわけないじゃない、悔しいでも感じ、るほどではないけど体は勝手に動いちゃうびくんびくん。
(鋼子ちゃんやっぱりかわいいなあ)ホンワカ
奈良谷さんは聖母の生まれ変わりかなんかですかね、そうやって世の数々の大きなお兄さんを陥落させていくんですね、バブみMAXってわけですね。末恐ろしい子……!
放課後
「それじゃいこっかー」
「あ、ごめん、ちょっと生徒会で急用入っちまったから先いってて!」
足立さんは生徒会副会長なのでなんだかよく忙しそうにしてます。客観的に見ると完璧超人なんですよねえ、密かにファンクラブまであるとか。
「ありゃ、じゃあ先いこっか。」
「いいですよ。私は一流のレディなのでいかなる修羅の道も甘んじて受け入れましょう。」
「ほえー?」
いざ、しゅつじーん 「ミルフィーユ、それは3枚のフィユタージュと呼ばれるパイ生地にクリームを挟み、表面に粉砂糖がまぶされたもの」
「ほえっ?」
「更に言えば、これはクリームだけでなく苺も挟まれているので、ミルフィーユ・オ・フレーズ。または、ナポレオン・パイと呼ばれています」
「へえ、詳しんだね!」
「当然です。私を誰だと思っているのです」
私は感嘆する奈良谷さんに対してドヤ顔をしてみせる。
ケーキ屋のレジ係、おそらくはバイトのお姉さんが『いや、誰よ?』という視線を向けてきますが、私の心が揺らぐことはありません。
何せ、ここには踏破すべき極上のスイーツがあるのだから。
「店員さん、ここにあるミルフィーユ、全て頂こうか」
「えっ!?」
驚きに固まる店員さんと少しばかしのやりとりを経て、ミルフィーユを全て手に入れました。
店内には、席数は多くはありませんが飲食スペースもあります。
そちらに大量にミルフィーユの載せられたトレイを、奈良谷さんと二人で運んで席に座ります。
では、早速……。
「いただきます」「ます!」
奈良谷さんはフォークでミルフィーユをちょっとずつ切り分けて大事そうに食べていきます。
一方私はというと……。
「わあ、リスさんみたい。刃堂さんカワイイ♪」
私は両手で握り締めたミルフィーユを、端から高速でガジガジガジと齧っていきます。
一つを食べ、二つを食べ、三つを食べ……奈良谷さんが一つ目の半分を食べ終える頃には五つ目を食べ終えていました。
しかし、この私の食べっぷりを見て可愛いと評するとは、奈良谷さんもどこかおかしな感性の持ち主ですねえ。
ひょっとすると、足立さんに匹敵するかもしれません。……私? 私は真っ当なJKですが、何か?
そうして入店して三十分経った頃、足立さんが店に入ってきました。
店のドアを開いた直後、私と足立さんの目が偶々ばったりと合ったので、足立さんは真っ直ぐこちらのテーブルに近づいてきます。
「うす。悪い、遅くなったな。さて、私もミルフィーユとやらを……」
「ああ、足立さん、ミルフィーユは品切れですよ」
「えっ、マジか……。何、そんなに人気メニューなの?」
「さあ、それは分かりませんが。品切れの理由なら分かります」
「……理由ってのは?」
「全部私が食べてしまったからです」
「お前のせいかよ! えっ、何? 何個食べたわけ?」
「ひい、ふう、みい…………全部で28個。プラス、ショートケーキを今7つ目です」
「食いすぎだろ!?」
驚愕する足立さんに、私はいつもの決め台詞をはくことにしました。
「ふっ。私の胃袋は……宇宙だ」
「ネタが古い!?」
――サイド???
「何て食いっぷりだ。あれが、実しやかに囁かれる、被験体εの『暴食』、その能力、か……」
店の外から一部始終を盗み見ていた男は、ごくりと生唾を飲み込んだ。 中島梓が生きていてこれを読んだら発狂しそうなネーミングばかりだな >>21
次の登場キャラは君が真っ当な名前を付けてやれよ 一行しばりは窮屈だということで開始されたリレー小説だが、別のところで閉塞感が出ているな そりゃ窮屈なのはここの主だけですよ!デスク!
デスク「そんなことないある」
はっけよい「どっちでこわすか!」 注】話が停滞したので冒頭あたりに戻ります。
足立みちるっていう。私の名だ。
父と母は少し前の有名な漫画がきっかけで一緒になったらしい。その漫画を描いた原作者の名前からこの名前を思いついたそうだ。
知るか、そんなもん。
自己紹、以上。
その朝、私はスマホのアプリ『電脳コイル』をやりながら学校に向かっていた。でも、それに集中しすぎて、結局電柱付近で立ち止まっていたわけだ。
このアプリは一般には流通してはいないが、モンスター収集系アプリの先鞭をつけたカルトアプリである。
さて、そんなとき。
「こんにちは、死ね!」
私を現実に引き戻した彼女の一言は、奇妙な既視感をまとっていた。
(あったな。きのう見た夢だったか、同じ台詞を聞いた覚えがある)
スマホから顔を上げると、刃堂鋼子が立っていた。
「……唐突に何だ、一体?」
私は昨夜の夢と同じ台詞で返した。
だが次の刃堂の言葉は、夢の再現からは外れていた。
「だから、あんたみたいなのは死ねって言ってんの!」
アプリの呪縛から解けないうちに、私の胸元は刃堂の握るサバイバルナイフに命を捧げていた。
あまりに唐突すぎて、痛いという感覚がまわってこない。
どん、と音がしたのはわかった。
(なんだよこれは。このあとのおまえの台詞はたしか「今現在、私の中で言ってみたい台詞ランキング、堂々一位の台詞です」じゃないのかよ)
意識が保てなくなってきた――
でも、まだだ。まだまだ終われないよ。
私は死ぬことはおろか、簡単に気を失うことも憚らねばならぬ。
だってこれはこの私、足立みちるの一人称なんだからな! 薄暗い一室から光が射し込んで来て私は目覚めた。
ぼーっとした頭をスッキリさせるため首を左右に振ってから大きく深呼吸をする。
たしか………そうだ、私はクラスメイトの刃堂鋼子にナイフで胸を刺されて…
私は恐る恐る自身の胸元を手で探る。
あれ?傷がない…いや、それどころか痛みすらまったくないのだ。
あれは夢だったのだろうか…
安堵する私に別の疑問が浮かぶ
ここは一体何処…
私はとある部屋のベッドの上にいた。
しかし、ここは私の部屋ではなく、病院や学校の保健室でもない。
生活感のある誰かの部屋…
こんなに恐ろしく不安な事があるだろうか?
私はカーテンを開け外の景色を確認する。
見馴れない町並みが視界に映る。
そしてここはマンションの一室らしい
「あら、起きたんですか。」
誰かの声がした。 女の声だ。それも少々耳障りなアニメ風の聞き覚えのある声。
誰もいないと思っていた私は、少々ぎょっとして声のほうを向いた。
彼女は闇にまぎれて顔が判別できない。
私が先程まで外の景色を眺めていたので瞳孔の開放が追いつかないのだ。
「あだち充さん、先程は危ないところでした」
「ちがう。足立みちるだ。分かってて言うな。今は何時だ?」
「午前十時。あれから三時間たったところです」
目が再び暗がりに慣れると、私のベッドに栗色のツインテール少女が近づいてくるのが分かった。
奈良谷美優だ。取りあえず私の親友ポジションにいる。相手が同じ思いを抱いているかどうかは知らない。
「奈良谷よ。最初に言わせてくれ」
ツインテール娘は微笑して、どうぞと掌を向けた。
「一つ、私は深夜アニメでたまにある、主人公がいきなり刺殺される展開が大嫌いだ。残酷だし日常ではまずありえない。
それから二つめ、深々と刺されたのにすぐに蘇生するとか転生するとかもだな、人の人生をバカにしているよ。人生は一度しかない。死んだら世界は終わるんだ」
「では三つめを私に付け加えさせて下さい。私は実は夢オチが嫌いです。これは夢ではありません。あなたは確かに刃堂鋼子に刺されました。凶器はブルドッグ社のサバイバルナイフで、ランボー1タイプと呼ばれているやつです。とても女の子が扱えるものとは思えませんが」
私はそこで胸に不快なうずきを覚えた。手を当てる。
「足立さん、大丈夫です。傷口は全て塞ぎましたから。もし痛みがあるとすれば、それは傷害の記憶を呼び覚まされた事による残像です。神経って面白いですよね」
なんだか楽しそうに解説する奈良谷を、私は凝視した。
「一体いつから現代の医学は、たった三時間で傷口を完治させられるようになったんだ?」
「それは、禁則事項ということで」
「あいにくと私はラノベは読まない」 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
Y6SSH 奈良谷美優はおもむろに私の頬に手をあてた。
「あなたの顔、美しいにもほどがあります。顔を傷つけられなくて本当によかった」
「よしてくれ、女どうしで、こんなこと」
甘い口づけが私を封じた。
いつもながら彼女の雰囲気には逆らえない。 天井付近からゴトリと異音がした。
私は奈良谷と顔を見合わせた。
「なんだ?」
「さあ。ただ刃堂鋼子でないことは保証します。あの子は今、私の組織が拘束していますから」
「拘束って、警察に捕まったとかじゃないのか」
「ええ。普通の警察機構では手に負えない事案かと思いまして」
組織が拘束だと。やれやれまたか。
思い出した。わたしの親友、奈良谷美優は隠密財閥の娘。ひょっとすると刃堂以上に何をするか分からん存在だ。
するとまたしても天井から異音がした。
「気持ち悪いな。まさかラップ現象じゃなかろうな」
「ただのネズミならいいのですが、もしかしたら、みちるさんを付け狙うストーカーかもしれません。調べます」
奈良谷美優は表情を変えぬまま天井を注視した。 説明せねばなるまい
ラップ現象とは股間の収納からサランラップを取り出し
大気圏突入に備えることである 見知らぬ、天井か。
自宅の八畳間の天に比べて四倍以上はあろうかという天井は、奇妙の一言に尽きる。
いやこれはことによると奇怪、と言っていいかもしれない。
寺院の天井にびっしりと曼荼羅が描かれていることは、珍しくはないが、私にあてがわれた病室(仮に病室としておこう)の天井には、電灯を除いて、不思議な文字が隙間なく渦巻き状に描かれてあったのだ。
もっともこれが、かのヴォイニッチ手稿と同じ文字だと知らされるのは一ヶ月後のことになる。
「くせ者っ!」
奈良谷美優は、どこからともなく薙刀を取り出して、面妖な文様で埋められた天井の一点を遠慮なく突いた。 そのころ天井裏では。
一人の〈影〉が下の様子を覗っていた。
天井はパイプと配線が幾何学的に張り巡らされてあるものの、全ては闇に紛れて視界は闇だ。
よってこの状況では〈影〉の外観は分からない。
〈影〉は熱反応スコープをつかって、下の様子を、小穴を開けることなく知ることができた。
『あなたの顔、美しいにもほどがあります。顔を傷つけられなくて本当によかった』
『よしてくれ、女どうしで、こんなこと』
部屋からは、女同士の睦言が聞こえてくる。
熱反応スコープには、二つの人影が重なろうとするのが分かった。
〈影〉はうっかり感情を表に出してしまう。嫉妬なのだろうか。
拳で地面を叩いてしまったのだ。
『くせ者っ!』
薙刀の切っ先が天井を突き破り、とっさにそれを避けた〈影〉の耳元に突き出てきた。 切っ先はもう少しで《影》の顔を突き刺すところであった。
《影》は慌てて飛び去る。
息をつくひまは与えられなかった。
薙刀の第二撃が《影》の股間をギリギリに突き上がってくる。
衣服に少し切れ目が入れられた。
下で武器を構える少女はただ者ではない。
そして三撃、四撃と。
天井を境としながら彼女は確実に《影》のありかを突いてくる。
最初は物音をめがけてのことだろう。
そのあとは動揺したこちらの気配をめがけてか。
ここを突いたら敵はどこに逃げるか。そういう予測もしているに違いない。
手傷さえ負った《影》は、こちらに向けられる的確な殺気に、いつしか恐怖を覚えていた。 しかし、イオンの惣菜を試食して食費を浮かせる高橋彰に死角はなかった
持っている金の殆どをギャンブルやら宝くじにぶちこむのは仕方がないのだ
頭は悪いが、父親は大企業のサラリーマン
かぬ 壮絶なショーを前にして私は呆然とするしかなかった。
それは太秦の京都撮影所でもめったに見られるものではない。
奈良谷美優は、私の友人であるはずの少女は、一介のJKではなかった。
制服を着た恐るべき薙刀の使い手は天井を容赦なく突き、その裏で逃げ惑っているだろう《ねずみ》を確実に追い詰めていく。
穴だらけになった天井が落ちるまで、数刻とはかからなかった。
天井の板が倒壊し、小さな侵入者が転がって出た。
侵入者は手傷を負い、アメコミばりの黒ずくめのコスチュームが裂けて、半裸にさせられていた。それは全体がなよなよとしており、腰がややくびれ、胸は乳房と呼んでいい形をしている。
ようするに若い女だ。
相手の面はすぐに分かった。
「刃堂鋼子!」
奈良谷美優と私の声が思わずハモった。
早朝、私を突然襲った同級生。たしか奈良谷美優は刃堂鋼子を拘束してあるといったはずだ。
ではなぜここにいる?
脱走したのか。
いや待て。
それにしては黒のコスチュームに着替えているのが早すぎる。
「おのれ刃堂、またしても足立さんの命を狙いに来たか!」
薙刀の切っ先が刃堂の喉元に向けられた。
「奈良谷、待て。こいつは刃堂じゃない」
私の楯になって前に立つ奈良谷に、私は声をかけた。
「足立さん、こいつはどう見ても刃堂鋼子です。背が低くて、第二次性徴まっさかりのみっともないカタチ、長身スリムな足立さんとは大違いの芋虫ですわ」
「いや、でも違うんだ。朝襲いかかってきた刃堂じゃない」
そこで鈍いうめき声が、息も絶え絶えに言葉を紡いだ。
「さすが足立どの。ご名答……でごじゃる」
刃堂鋼子は、傷を負った右手を左手で覆い、はみ出した乳房は隠しもせずに答えた。
「馬鹿な! 刃堂が双子だというオチは許さんぞ」
奈良谷美優は今にも半裸の少女を刺し殺そうとする構えだ。
私は、奈良谷の横に出てゆっくりと薙刀を下ろさせた。
半裸の少女は口を開こうとしている。そこから戦意は見てとれなかった。
「わらわは、刃堂鋼子に相違ない」
「話せ。朝、私に襲いかかったのは刃堂ではないのか?」
「すまぬ事をした。あやつは私のカゲ。生き写しの人形。記憶を丸写しにした生体ロボットなのじゃ」
「なんと!」
私は目眩を禁じ得なかった。
さきほど私の重傷を数時間で完治させる医療技術に続き、今度は生体ロボットときた。
いったい私はいつの時代を生きているのだろう。
いや、命を奪われかけて記憶が乱れているだけなのか。 「足立みちるどの。わらわはおぬしを好いておる。好きで好きでたまらぬ」
刃堂の、大粒の涙を漏らしながらの告白だった。
「汚らわしい。肉芋虫の分際で何を」
ここで奈良谷に口を挟まれては話が長くなってしまう。
「まあ待て。続けてもらえるかな刃堂さん」
刃堂が今まで隠してきた同性への横恋慕を吐露する気になったのは、私たちに裸まで見られ、破れかぶれになってのことだろうか。
以下、要約する。刃堂鋼子は同じクラスになって以来、この私、足立みちるに恋をした。何がキッカケであったかは、可哀想だが私は覚えていない。
刃堂鋼子の思いが日に日に募り、彼女の背中に取り憑く巨大な化け物にまで成長したのはわけがあった。
私はすでに奈良谷美優と仲が良かったのである。
ただの親友関係を超えてしまっていたのは、刃堂鋼子も察していたようだ。
私と奈良谷美優の間には、とても第三者が入り込めるすきはない。
たとえ入り込んだとしても、奈良谷美優の性格が許しそうにない。彼女は薙刀をもって今のように敵の排除を実行するだろう。
刃堂鋼子は、私と奈良谷美優が仲睦まじくじゃれ合う姿に、とてつもない疎外感を味わっていた。
そしてとうとう――
オリジナルの刃堂鋼子は自宅に引きこもり学校には出なくなった。
代わりに登校しはじめたのが刃堂鋼子そっくりの生体ロボットである。
唐突な話かもしれないが刃堂の義父は未来科学推進省(未科推省)の要人であり、生体ロボットは極秘に試験運用されているらしいのだ。
刃堂鋼子ロボはオリジナルの記憶を写され、あとはAIによって行動の判断がなされ、病んだオリジナルの代わりに学校生活を送り始めた。
そいつが今朝、暴走したというのだ。
「AIにはロボット三原則に似たルールが組み込まれている。だがそれを表に出しすぎると人間らしくなくなるので完全なシステムにはしていないのじゃ。そこへ、わらわの自我のコピーが乗っ取り、違法行動に出てしまったわけじゃ」
「話は読めた」
恋愛が成就しないのなら相手を殺して全てを終わらせるつもりだったのか。
「許せない」
低く呟いたのは奈良谷美優である。 「生体ロボットが貴様と瓜二つである以上は、おまえが足立さんを殺そうとしたも同然。覚悟はできていような」
薙刀の切っ先が刃堂の喉元にあたり、顎をぐいと突き上げさせた。
その刃堂に抵抗の気力はない。
「よせ奈良谷!」
「あなたは下がっていてください」
腕をつかもうとした私は、奈良谷に突き飛ばされた。
強い力だ。これが私の親友なのか? 先ほど唇を奪われた相手なのか。鋭い切っ先が刃堂の顎を下から貫くかに見えた。
私は思わず目をつむった。
爆発音がした。目を開くと、壁が吹き飛ばされていた。
何者かが突入したようだ。そいつは奈良谷と刃堂の間に入って、薙刀を素手で受け止めている。
切っ先を握った手から流れているのは赤い血液ではなく、恐らくロボットの体液。
やってきたのはロボ刃堂鋼子に違いない。朝、私を襲ったほうだ。
「化け物、拘束を破ってきたか!」
「オリジナルが命の危険にさらされたとき、私の力は十分だけブーストされる。奈良谷美優、こんにちは、死ね!」
私には戦闘能力はない。ただこの惨劇を見守ることしかできなかった。
奈良谷の薙刀と、ロボ刃堂の手刀が、同時に相手を劈いた。
ロボットの手刀は指をVの字にして奈良谷の両眼に突き刺さり、恐らく脳髄にまで達しているだろう。ぐえっと変な声が響く。
一方、奈良谷の薙刀はロボットの胸を貫通し、そのうしろにいる本物の刃堂の口から入り、後頭部へと突き出てしまった。
「もうやめてくれ。なんで、なんでこんなことになるんだ!」
歪んだ愛の縺れが、人と人とを殺めている。
私のせいなのか。私が何もできないから。こんな結末に……
こんな結末、ゆるせない。
ひかりが発した。映画でしか見たことのない、原爆が爆発したような圧倒的なひかりが。
全てをかき消した。
「みちる。気がついたかい?」
男の声がする。気がつくと、私はひかりの中にいた。
「ここは天国なの? あなたは、神さまですか」
「違うね。神は騎士の格好などしてない」
男は乗っていた白馬から軽々と降りると、白い甲冑の面を外した。
見覚えのある、それは懐かしい彼であった。
「足立パラディンくん、なの?」
私の幼馴染み。名字が同じだが、兄妹ではないと記憶している。聖騎士と書いてパラディンと読むバカネームは、本当に親が悪い。
「その名前で呼んでいいのは君だけさ。懐かしいソウルメイト、足立みちるさん」
「私は死んだのかな? 外国が突然核攻撃とかしてきたの?」
「そうじゃないが、まあ似たようなものだよ。もうあの世界は存在しない」
どうやら、私の理解を超えた何かが起きているようだ。
そうだ。奈良谷美優。刃堂鋼子。
だが彼女たちの存在は今や少し遠くに感じられていた。
「人の人生について少し説明しようか。人の人生は常にやり直されている。記憶には残らないが、失敗した人生はそこで中断され、可能性のある分岐点まで戻るんだ。既視感のいくつかは分岐点の記憶が残っていることから起きる」
私はポカンとしてパラディンの言葉を受け入れていた。彼は男性にしては美しい顔をしている。女子にとって美しさこそが真理。
よって彼の言うことは正しい。
「もちろん、繰り返しの能力は各人によって違う。そのままあっけなく死んだままの者も大勢いる。だが君の能力は桁違いなんだ。その証拠をお見せしよう」
足立パラディンは大きなマントを翻らせる。私はそれに包まれる。
意識が、再び飛んだ。
犬はよく電柱に小便をかけるけれど、私はれっきとした人間である。いくら電柱の近くで立っているからと言って、片足を上げて放尿するわけにはいかない。
私は女の子だけど、それをすればさすがに逮捕されるだろう。
私の名は足立遙。SF作家に高千穂遙っていうお爺さんがいるけど、私は女子だ。
その朝、私はスマホの調子がよくないので、立ち止まって指で操作を繰り返していた。
朝の挨拶にしては恐ろしく相応しくない一言をかけられたのはそのときである。
「こんにちは。死ね」
顔を上げると刃堂鋼子が立っている。
私の変わり者のクラスメートだった。
そしてそれは随分と見覚えのある、奇妙な朝の一コマの始まりに他ならない。 【完】 【感想戦】
いやーお疲れ様でした。
最初にこれを書き始めたのは多分若年の人なのでしょう。
どうもリタイアされたようなので私が最初のシーンから書き直しましたわ。前半の主要キャラをほぼ出したからつながりはあるかと。
最初の方の「私」である刃堂鋼子がどういう人なのかよくわからなくて、あれはアプローチの仕方がわからんかったなあ。
だからほとんど参加してない。
30を書いてくださった方、どうも有り難うございます。
次の人に小さな謎のバトンを渡す。こういうのいいよ。
リレー小説の鑑や。
でも足立さんの傷があっけなく完治してるというか、なくなっているのがちょっと気になった。ここで夢落ちにされちゃかなわんぞ。
天井裏にいたのをパラディン君にしようかとも考えたけど、こんな名前の奴を出したくないと思い直してやめた。(結局最後の方で出た)
とにかく参加人数がほとんどいないようなので適当に始末つけて終わらせようと。
最初は刃堂鋼子がコクったところで「ごめんね」って謝って終わる予定もあったが、なんか足立さんが何の活躍もしとらんがや!ってことで斯く斯く云々。
奈良谷美優もロボットってことにしようかという誘惑を振り切ってこの人はただの剣術使い。
刃堂鋼子は、名前からして、兜甲児というか剣鉄也というか、こいつ多分ロボットじゃね?という具合に決めつけてしまいました。 >>42-45
これは連投であってリレーしてないので無効です 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
VST 問題
§jliこれらを使って虫の集合AAにしてください