【RPN】文堂珈琲館part1
前身スレ: http://itest.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1519338178/l50
このスレは、文堂珈琲館という架空の喫茶店を舞台に、各々の作ったキャラに成りきって他の客や店員との会話や関係性を楽しむことを目的としています。
反応すること・しやすさを心がけ、一人で暴走するのは避けてください。
以下の(>>2-4あたり)ルールを守って書き込みましょう。 「最近の子は結婚なんかせんでも生きて行けるもんなぁ、なぁステファニー?」
おばあちゃんが私をちゃんとした名前で呼んでくれた。
「ピン獣大使がお金に困るわけないもんね?」
ウィンクをしてくれた。
「おばあちゃんてば」母がたしなめた。「ピンなんとかとやらがそんなにお金になるんなら皆やってなきゃおかしいでしょ」
また『とやら』が出た。しかも獣大使を省略した。もうほっておこう。
「っていうか何度も聞くけどあなた、騙されてるんじゃないの? 大丈夫なの? それを心配して私達出て来たのよ?」
おばあちゃんがすぐに首を横に振った。「私は違うよぉ。顔を見に来ただけだよぉ」
騙されてるわけないじゃない。店長のあの自信たっぷりな勧誘の言葉が嘘だったとでも言うの?
私は女優になるため上京した。地元では○○町の綾瀬はるかと呼ばれた私だもの。演劇学校なんかに入る必要はなく、すぐにスターになれるものだと信じてた。
オーディションを受けては一次で落とされる日々を繰り返したけど、私はいつか見る目のあるちゃんとしたプロの理解者に会えることを信じてた。
そしてそんなある日、『魔獣館』の店長に拾わ……出会った。店長は言った、「君は千年に一人の逸材。ピン獣大使になれる器だ!」
あの時恥ずかしながらピン獣大使が何なのか知らなかった愚かな私に店長は手取り足取り教えてくれた。何も知らなかった田舎娘の私は店長に洗の……教育を施され、遂には全人類の憧れ、ピン獣大使になったのよ!
ただ最近、本当はちょっと疑問に思い始めてはいる。月100万以上稼げるって聞いてたのに私は一番多い月でも35万しか稼げてない。
そこは騙されてるのかもしれない。
店長がピンはねしてるのかもしれない。
なんかだんだん自信がなくなってきた。
母の前ではいつものホホホ笑いも決まり文句の「おばかさん」も出てこない。
何を照れてるの? ステファニー!
あなたは天下のピン獣大使ステファニーでしょう?
騙されてるんじゃないの? などと愚かな発言をするババアに「おばかさん」をくれてやりなさい!
「とにかくバカな仕事は辞めて故郷へ帰ってきなさい」
母が強制ではない口調で言った。
「恵子おばさんがいい仕事紹介してくれるって。介護施設の……」
「おば」かさん……
「おば?」
「……おばさんによろしく言っといて」
敗北者の気分でトイレに行った。出てすぐの壁にポスターを目にした。
映画のオーディション? 新世代のアイドル募集? あぁ、私のことね。
溜め息をつきながら、私はほぼ無意識にそれに応募していた。 【名前】・山下 美智子
【国籍】・日本
【年齢】・31
【身長、体重、スリーサイズ】
・169、65、B92(E)、W63、89
【趣味】・読書
【特技】・鞭
【自分を動物にたとえると?】
・ピン獣
【一言アピール】
・おばかさん 【名前】・粟子・モンロー
【国籍】・中国
【年齢】・19
【身長、体重、スリーサイズ】
・158、53、86(D)、58、85
【趣味】・旅行、ギター
【特技】・物真似
【自分を動物にたとえると?】
・「中国の橋本カンナ」と呼ばれています
【一言アピール】
・ニホンゴ マッタク シャベラレマセン あ。なんかあの橋本カンナにそっくりな子……、最近テレビで見た覚えがある。
あの子も応募するのね。私かあの子のどちらかが輝きそうだわ……
母と祖母は先に帰って行った。私は一人でいつものようにこれから2時間かけて漫画を読みながらクリームソーダを飲む。
祖母からいつものようにLINEが入ってきた。
〔私は応援してるからね!〕 おはようございます。
今回のオーディションの審査員長を務めさせていただきますスティーブ・スーパーライトと言います。
ミャンミャンさん、熊懐さん、山下(ステファニー)さん、粟子さんの参加を受け付けました。
まだ参加者募集中です。
次世代のアイドル女優募集!
来年公開予定の小粟ジュン主演映画『金魂2』のヒロインを募集します。
主人公「宇治金時」の台湾からやって来た異母兄妹の妹「巫女神楽」役を募集します。
「新しいタイプのアイドル女優を発掘する」ことが主旨ですので演劇経験はあってもなくても構いません。
【参加資格】
15歳〜35歳の健康な女性
国籍不問、日本人でもOK
↓のテンプレにプロフィールを明記の上、ご参加ください。
どなたでも、お気軽に。 【名前】・
【国籍】・
【年齢】・
【身長、体重、スリーサイズ】
・
【趣味】・
【特技】・
【自分を動物にたとえると?】
・
【一言アピール】
・ 審査の流れ
一次審査→二次審査→最終選考の流れとなります。
一次審査は簡単な自己アピールをしていただく予定です。
可愛さをアピールするなり、特技を披露するなり、ご自由にどうぞ。
「一次審査開始」を告げてから二日経って本人の書き込みがない場合には勝手ながら私が代わりになりきらせていただきます。 私の自己紹介をしておきます。
【名前】・スティーブ・スーパーライト
【国籍】・日本、出生はアメリカ
【年齢】・41
【身長、体重】
・188、86
【趣味】・ヘビメタ、ギター
【特技】・変身能力を持つ。容姿、声、性格まで他人になりきることが出来る。女性になることも。
【自分を動物にたとえると?】
・狐
【一言アピール】
・お気軽にご参加くださいませ 【名前】・楊紫雰 ヤン・ツーファン(フェニー・ヤン)
【国籍】・台湾
【年齢】・23
【身長、体重、スリーサイズ】
・ヒミツ
【趣味】・食べること
【特技】・甘いものは底無し
【自分を動物にたとえると?】
・金魚
【一言アピール】
・私は可愛い(自分で言う、気持ち悪い(^-^;) おや? こんなところにオーディションの応募用紙が落ちている。
ほほう。ニャンティが書いたのですね。
確かにニャンティなら主人公の妹役にピッタリかもしれない。
……おや? 小枝君も書いているではありませんか。
確かに店長の魅力なら芸能人になることも夢ではないどころか勿体ないと思っていましたよ。
でも二人とも控えめな性格だからか、出すことを迷っているようですね。
よしよし、私が出しておいて差し上げましょう。 二人が遊びで書いただけの応募用紙を、鴨島マスターはポストに投函しに出て行った。 それでは一次審査を開始します。
尚、一次審査が終わるまでは途中参加も受け付けます。
>>347-348に従ってどなたでもご参加ください。 【一次審査】
あなたの魅力を自由にアピールしてください。 「1番、ミャンミャン行きまーす」
ミャンミャンは元気よくそう言うと、ゴチャン格闘術『猫拳』の型を披露した。
長テーブルを前に並んだ審査員達の前で、スレンダーだが16歳とは思えないほど発育のいい、しなやかな薄褐色の身体が猫のように踊った。
激しく動くたびに短い黒髪が猫耳のように逆立ち、たまにめくれる白いTシャツの背中に、ジーンズから出ているしっぽのようなものがチラリと見えた。
僅かに緑色がかった大きな瞳が仮想の敵を追い、やがて額から滴る汗が形のよい唇までつたうと、桃色の舌がペロリとそれを舐め取った。
最後に2mを超える高さからの踵落としを決めると、ミャンミャンは息も切らさずにお辞儀をした。
「ありがとうございましたー」 「2番、ニャンティ・ペロティです。失礼して帰ります」
そう言うなり本当に帰ろうとしたニャンティをミャンミャンが引きずり戻した
「離せ、ミャン! やはり私は帰る! ちょうどバイトの制服を着ているのでこのままバイトに行く!」
「お姉ちゃん、昨日あたしと勝負するって言ってくれたでしょ。あたし闘る気マンマンなんだから」
「私は女の子ではない! この場にいる資格がないのだ!」
「女の子にしか見えないから大丈夫。あっ、あたしお姉ちゃんのアレ見たい! アレやってよ」
「アレか……」
以上ゴチャン語による会話が終わり、ニャンティはゆっくりとことことこと出入り口へ向かって歩き出した。
「子供ぐらい小さいのに決して子供には見えない不思議な魅力がありますな」と審査員の一人が言った。
皆が注目する中、ニャンティはドアを開け、出て行った。
パタンと静かに閉められたドアを全員が放心して見つめる中、ドアと床の1cmの隙間の向こうから、ツインテールの先っちょがにょきっと現れた。
次いでなんだかモフモフした黒い物体が隙間からぐいぐい出て来る。それがニャンティの頭だということに気づくのにそれほど時間はかからかなかった。
やがて顔全体がぽこんという音とともに出て来ると、皆を見回し、ちょっと顔が赤くなった。
「行きます」
そう言うなり勢いよく身体を全部引き抜いた。
「キャー!」
「ぎゃー!」
「きもー!」
悲鳴が会場を包む中、ニャンティは無言でメイド服についた汚れを手でぱんぱんとはたきながら「終わりです」と言った。 遅れましたが審査員の皆さま方を紹介します。
審査員長 スティーブ・スーパーライト(41)
審査員
小粟ジュン(主演、35)
橋本カンナ(前作ヒロイン、19)
木の実NANA(女優、71)
恵比須 義数(漫画家、70) 「三番ピンじゅ…山下美智子です。よろしくお願いします」
そう挨拶したはいいけど……どうしたらいいの?
鞭を忘れて来てしまった。華麗なるピン獣使いの鞭捌きを見せようと思ってたのに……どうしたらいいの?
大丈夫。大丈夫よ、ステファニー。
私は伊達に他の娘より10歳以上人生経験を積んできてはいないわ。
そう。私には大人の女の武器がある。若い娘にはないもの、それは何? それはテクよ、テク。
……って、私は何をしようとしているの!? 危うく公衆の面前ですっぽんぽんになるとこだったわ。ブラウスのボタンを三つ外したところで我に返ってよかった。
これからどうしよう。外したボタンをまた元に戻したら怪しまれる……って何を怪しまれるの? しっかりしなさい、ステファニー!
私の魅力を見せるのよ。そう、お題は自分の魅力をアピールすることでしょ? 私の魅力って何? 決まってるわ、それはピン獣大使であるということだわ!
鞭は忘れてしまったけど鞭がなくてはその威厳を見せつけることが出来ないなんてピンからキリまでいる魔獣の中のピンであるところのピン獣大使として失格じゃない!
『ホホホ! おばかさん』と一声吠えるだけでいい。それだけで、きっと誰もが跪いて床を舐めはじめるわ。
やるのよ! やるのよ、ステファニー!
「kiroroの『長い間』歌います」
私は胸のボタンを三つ外したまま心を込めて歌った。ブラウスの下に着込んだ赤いボンデージはたぶんギリギリ見えてなかった。 大勢の人前に出るってことなど慣れているはずなのに、大きな舞台ではなくせまっくるしい
雑居ビルの一室だとこうも心臓の瞬きが止まらないのは何故だ。
ここは来年公開予定の小粟ジュン主演映画『金魂2』のヒロインオーディション会場。
主人公「宇治金時」の台湾からやって来た異母兄妹の妹「巫女神楽」役が選ばれることになっている。
「四番、熊懐杏(くまだき あんず)です」
わたしの名前が響く。生涯でもっとも重い台詞。
書類審査を終え、ここに幾多の才能が集う。
拳法を披露する者、自慢の喉で魅了する者。
主催者であるインターナショナルな男性はじっとわたしたちを品定めする。まるで女衒(ぜげん)のように。
わたしは……場違いじゃなかろうか。
ブレザーセーラーの制服に包まれたわたしが来る場所じゃ、とうていなかろうに。
どう見ても、わたしは普通の中学生だ。ボブショートの黒髪だし、そんなにおっぱい大きくないし、
人様に自慢できるってことならば、この度胸かな。
軽い気持ちで応募したオーディション、勿論誰にも親にも内緒だし、年齢さえも偽った。
演劇部だからと人前も演技もドンと来いと、余裕をかます暇も審査員を目の前にして消え失せた。
テレビやネット知った顔がずらりとわたしを向いて凝視して、これから始まる品定めの支度を整えていた。
前作の映画主演を勤めるイケメン俳優。九州から来た一万に一人の美少女。伝説の女優。そして……
一見人畜無害なウォンバッド、だけど一口開ければクズ野郎な漫画家がわたしを見つめる。
ごくりとつばきを飲み込んで、審査員をみなかぼちゃだと思い込む。わたしの特技は妄想だ。
かぼちゃをふとつひとつ棍棒でかち割ってもいい。妄想だけはフリーダム。
この『宴』を催す左端のインターナショナルな男性が冷めたようなにこやかさで
「で、熊懐さん。自己アピールをお願いします」と書類をチラ見しながらわたしに告げた。 「泣きながらけん玉します」
一瞬、審査員がざわつく。
ライバルたちも首を傾げる。
わたしは世界を救う勇者の剣ように、カーディガンのポケットからけん玉を天高く取り出した。
何のへんてつも特徴もない、木製のけん玉だ。
コンと大皿の真っ赤な玉を乗せる。その音は著名な棋士の第一手が響くときを思わせた。
そして、手首を効かせて軽く上へ振ると、深紅の玉はふわりと宙に舞う。
その瞬間、わたしは手首を90度回し、横向きだった片方の中皿を上にする。
こん、こん、こん……。
「もしもしかめよ……かめさんよ」
リズムよく跳ねる赤い玉、木の音が室内に響く。
そして、わたしの瞳から涙がほろりと零れてきた。
レンズに通したかのような視界で、一万に一人の美少女がはっと目を見開く顔が見える。
「お前の……首は……どこにある」
一度流れた透明の玉はとどまることを知らず、頬を顎を通じて流れていった。
伝説の女優さえも手を止める。
「ちゅ、ちゅのだしぇ……やりぃだしぇ……」 嗚咽に嗚咽を重ねたわたしの声はもはや文字にならず、めのまえのけん玉さえ見えなくなるほどの
涙がぼろぼろと零れていた。これだけ取り乱しているのに、何故かわたしは冷静で、神の視点からわたしを見ているのだった。
「あ……あ、ぁ、あたまだせぇぇせー、えーん、えーん……ぐひっ」
膝から崩れ落ちたわたしを抱えてくれたのは、ライバルだったはずの、一番始めに自己アピールを披露した子。
ごほごほとむせ混むわたしはしっかりとけん玉を握りしめ、それでも心地よいテンポで
「もしもしかめよ」の技を続けていたと、その子は後に教えてくれた。そして、唄を思いっきり間違えていたことを。
さて、自己アピールを終えたわたしに質問をしたのは右端に座る、白髪頭のウォンバットのような男性だった。
彼はえへらえへらと笑いながら、独特な九州の訛りで「何を思い浮かべながら演技してたの?」と尋ねる。
「飼ってた……かめが……。みどりちゃんが……、ひっ。死んじゃったことを」と。
「くだみゃき……あんじゅでした」と。
インターナショナルな審査委員長は冷ややかにペンを書類に滑らせていたことぐらいは……分かります。
それでも、ペットを飼ったことも育てたこともない嘘っぱち全開の応答だ。
わたしは中学生なのに「女子高生」という嘘っぱちを書いたことを棚において……。
ウォンバットは「そうなんだ。俺さ、こういうの弱くてさ」と、腹を抱えて、体を揺らしながら笑いを堪えていた。 場違いだった。
みんな凄い。私場違い。
超ヤバイ。どうすればいい。
最初の娘みたいな運動私できない。
次の子の運動もっとできない。
歌は好き。でも日本語の歌難しい。
泣きながらけん玉はクール。私がやったらコールドなる。
超ヤバイ。
ここで私の用意して来たロングロング・グミキャンディーの一気呑みなんか出来ない。したら更にコールド。
きっと部屋が冬に逆戻りね。
私みたいな普通の女の子来たらダメだったね。
来たらダメなとこ来ちゃったね。
何で来たの?
私、何で来たの?
バスで……違うだろ!
そだ。役の女の子台湾人だからだ。
私台湾人。
だからだ。
だから?
だから何?
台湾人受かるなら台湾人みんな受かる。
私だけじゃない。 台湾から来た高校生にしか見えない23歳の丸顔の女の子は、その場に立ち尽くしたままポロポロと涙を流し始めた。
やがて嗚咽が漏れ、うえーんと泣き出してしまった。
「また泣くんかいっ」小粟ジュンが突っ込んだ。
『さっきの娘のより嘘っぽい』と橋本カンナは思った。
「可愛い……」木の実NANAが呟いた。
恵比須 義数はエヘ、エヘ、エヘと笑いながらポケットからハンカチを取り出して、すぐしまった。
「結構です。よくわかりました」謎のアメリカン人スティーブがよく通る声で言った。 「でもこの審査員達ってさ」ミャンミャンがニャンティに小声のゴチャン語で言った。「監督も演出家も来てないってどーゆーわけ?」
「おいっ。知らないのか、ミャン?」
「何を?」
「あそこにいらっしゃるスティーブ・スーパーライト様。あのお方は私の大好きなゴチャン映画『踊るバスケ・ファイター』を撮った映画監督であり、演出家でもあるのだぞ?」
「知らんわ」
「にゃにをぅ!?」
「はいはい。熱くなったお姉ちゃん暖かいからホッカイロ代わりに使おうっと」
そう言うなりミャンミャンはニャンティを自分のTシャツの中に入れ、抱っこした。
襟から顔を出したニャンティは、気持ちいいのかそのままそこでヌイグルミのように固まってしまった。 残りは粟子さんだけです。
自由に自分の魅力をアピールしてください。
容姿の自慢でも、特技の披露でも、ご自由に。
今日の22時までに開始していただけない場合は不肖私めがなりきらせていただきます。 粟子さんの審査が終わるまでは新しい参加者様も受け付けております。
>>348のテンプレに必要事項をご記入の上、自己アピールをお願いします。 粟子さんは日本語がまったく喋れないのでフェニーに通訳をお願いした。
「橋本カンナさんの物真似をします」
ちょうど審査員席にいた本人に隣に立ってもらい、同じ表情で微笑んだ。
審査員席がざわついた。
「おんなじだ!」
「見分けがつかない!」
「いや、でもこれ意味あるんですか?」
「カンナちゃんが出ればいいだけのことでは……」
「カンナちゃんのが若いし」
「日本語喋れるし」
「カンナちゃんにはない、あなたならではの何かを見せてくれませんか?」
フェニーが通訳すると、粟子さんは照れ臭そうに小声で言った。
「小粟ジュンさんになら何されても構わないです」
「よっしゃ!」小粟ジュンだけが万歳した。
それを物陰から山田ユウがじっとりと見つめていた。 第二次審査に移ります。
「楽しい・嬉しい気持ちから一転、悲しい・腹立たしい気持ちに変わる演技」をお願いします。
エチュードです。台詞、シチュエーションはご自由にどうぞ。
月曜日夜22時までに開始していただけない場合は不肖私めが代役をやらせて頂きます。 「はい」とニャンティが手を挙げ、進み出た。
「今日は帰ったら冷蔵庫にプリンがあるのです」
無表情の棒読みでそう言った。
そしてニャンニャンニャン♪と誰も知らない歌を調子よく歌いながら歩くと、ツインテールがウキウキと揺れた。
「帰りました」と口で説明し、「冷蔵庫を開けます」と、また説明した。
手で冷蔵庫を開ける動作をし、弾む動作でキョロキョロとプリンを探す動きをし、やがて固まった。
どうやら冷蔵庫内にプリンはなかったようだ。
表情はまったく変わらなかったが、それまでピンピンしていたツインテールがショボーンと垂れたことでそのことが伝わった。
冷蔵庫をパタンと閉めると、また説明を始めた。
「私には33人の兄弟がいますので誰が食べたのかはわかりません。別に食べたかったのなら食べてくれてもいいのですが、
それならそうと私に一言言ってから食べてほしかったです。私の今のこの気持ちは悲しいです。怒りはありません。玄関は
開けっ放しなので兄弟ではなく隣の家の末っ子が入って来て食べたのかもしれません。それでもいいです。でもそれでも
それならそうと言ってくれればいいのにと思います。冷蔵庫にあると思っていたプリンがないのと予めないことを知らされ
ていたプリンがないのとでは」
「はい、ありがとうございました」スティーブが止めた。 ミャンミャンがセーラー服を着て登場するなり、言った。
「まーきのっ」
そしてすぐに恥ずかしそうに横を向く。
「まきのさぁ、こないだいつもお昼パンじゃ味気ないって言ってたでしょ? だからさぁ、あたしさぁ……」
そう言って後ろ手に隠していたものを前に出そうとしたところで動きが止まる。
「えっ? ……別れたい? え。飽きた……?」
「やだやだ……! あたし、悪いとこあるなら直すから」
そう言いながら一生懸命涙を出そうとする。
「可愛くなれって言うなら可愛くなる。靴を舐めろって言うなら舐めるから……!」
どうしても涙が出ないので秘密兵器の目薬を取り出し、普通にみんなの前で差した。
「やだよぉ〜……! 捨てないでよぉ〜……! まきのぉ〜!」
ボロボロ目薬を流しながら顔を伏せて崩れ落ちると、しばらく間を置いてから立ち上がり、笑顔で言った。
「終わりです」
それを見ていたニャンティが誰に言うともなく呟いた。
「なるほど。この間ミャンが振ったばかりのマキノ君の演技をしたのですね」 しまった。ネタが被った。と、心の中で呟くしかないだろう。
『楽しい・嬉しい気持ちから一転、悲しい・腹立たしい気持ちに変わる演技』というお題を頂いて
わたしの気持ちは、架空のデートでいっぱいだった。しかし、先ほど演技を終えたイケメンな女の子と
まったくではないのだが、思いついた内容と似通ってしまったのだ。
お相手は『お兄ちゃん』と呼べる間の従兄、一緒にデートに出かけて……まで、出来ていたのにご破算だ。
たった、手を上げるのが遅かったために、二番煎じの烙印を押されてしまうのは心外。
奥歯をかみ締めながら、わたしは脳内にしまい込んだ幾多のパターンを模索していた。
女子高生ぐらいの歳の審査委員がニコニコとしている中、わたしは心臓をバクバクと稼動させている。
相変わらずウォンバットみたいな男性審査委員は何を考えているのか察しがつかない程の不敵な笑み。
「はいっ」
もう、どうにでもなれっ。
手を挙げたのならば、もうやるしかない。 「熊懐杏、いきます。ばかばかしいお笑いを一席」
会場がざわつく。お題を何だと思っているんだ……と、言わんばかりに。
わたしはわたしでフル無視を続け、真っ白い会議室の床に正座をし、深々と両手を突いて頭を下げた。
そして、ゆっくりと元の体勢に戻しつつ、女子高生ぐらいの審査委員のパ○ツが見えそうだな、
ああ。ちらりと見えたぞっ。イメージ通りの純白だ。と邪念を燃やしていた。
「隣の家に、囲いができたんだって?」
静けさがあたりを支配する。
「かっこいいいいい!」
失笑さえ、起きない。
「かっこいいいって!マジ?すっごーい!いやー、さすがお隣さんだよ!やった、やった!おじさん!やった!
この木目が最高なんだよね!敢えて節を残した自然派が!いやー!あっはははははは!!!
は……。は。 お隣さん。もういないんだよね。夜逃げってヤツ。優しいおじさんだったのになぁ。
オトナの事情はなんだかわからないけど、経営破たんってやつ?身なりが良かったし、中小の社長さんだし。
可愛らしいわんちゃんもいたのになぁ……。シーズーってやつ?ふわっふわした。
いつもおじさん言ってた。
『立派な囲いを作るんだ。敢えて節を残した自然派な囲いを』って。
そして、望みどおりの囲いが出来たと思いきや、突然の夜逃げ。人生はわかりません。
わたしの気持ちとかけまして、『戻ってきてよ』と泣き付かれたおじさんときます。
その心は『すまん(住まん)』。」
一筋の光るものを目にためたわたしには、ウォンバットのような悪魔が腹を抱えて笑っているのが見えた。
お隣さん。もういないんだよね。夜逃げってヤツ。優しいおじさんだったのになぁ。
オトナの事情はなんだかわからないけど、経営破たんってやつ?身なりが良かったし、中小の社長さんだし。
可愛らしいわんちゃんもいたのになぁ……。シーズーってやつ?ふわっふわした。
いつもおじさん言ってた。
『立派な囲いを作るんだ。敢えて節を残した自然派な囲いを』って。
そして、望みどおりの囲いが出来たと思いきや、突然の夜逃げ。人生はわかりません。
わたしの気持ちとかけまして、『戻ってきてよ』と泣き付かれたおじさんときます。
その心は『すまん(住まん)』。」
一筋の光るものを目にためたわたしには、ウォンバットのような悪魔が腹を抱えて笑っているのが見えた。
「田舎から母と祖母が二人で私に会いに来た。
最近入り浸っている喫茶店で会うことにする。
私の部屋はあんなだから、なるべく入ってほしくない。
「どうだい? ピン獣大使の仕事は楽しいかい?」
おばあちゃんが聞いてきた。
「私は……使命としてやってるだけだから」
「頑張りなよ。あんた、せっかく天下のピン獣大使になれたんだから」
さすがおばあちゃんだ。私の喜ぶツボを知ってる。
そう、アタクシは天下のピン獣大使様。
ピンからキリまでいる魔獣の中でもとびきりピンなの。
しかももう7ヶ月もその地位を保ってる。
他のピン獣大使は大抵3ヶ月以内には辞めて行くのに。私は7ヶ月も続けているのよ!
歴代最長は20年以上という人がいるけど、あれは神だわ。
神になれる人間なんてさすがに一握り。
私にもなれるかな?
母が溜め息をついて言った。
「ピン獣大使とやらもいいけど……そろそろあなたも結婚を考えなきゃいけない歳なのよ? わかってる?」
「ピン獣大使『とやら』!!??」私は即座に反応した。
いや、知っておる。世の馬鹿者どもはわかっておらぬのだ。ピン獣大使の何たるかを知らぬ下級市民も多いと聞く。
ピン獣大使を知らぬなどと、それは「王様って何?」みたいな問題発言に等しいというのに。
「この仕事を志望した動機はなんですか?」みたいなありがちな質問があるが、ピン獣大使にその質問はありえぬ。
ピン獣大使は『志望するもの』ではない。『誰もが憧れるもの』である。国王に誰が聞くだろうか? 「国王を志望した動機はなんですか?」などと!?
母が言った、「ねぇ、ミチコ」
ミチコって言うなーー!!!
「実はあなたに縁談が来ているの。歯医者さんの卵でねぇ」
「はっ、はいしゃ!?……」
「そう。持って来てるんだけど、写真だけでも見てくれないかねぇ?」
はいしゃ。歯医者さん。
神様、私は歯科医師婦人になるのですか?
毎日目も体も喜ぶほどのスイーツを食べて、虫歯になったら夫に治してもらって。
それどころか無料で高級ホワイトニング。今の猫の牙みたいな歯並びも無料でインプラント。
施してくれる彼はもちろんイケメン。優しい笑顔で高身長。
あぁ、素敵。私はヨゴレのピン獣大使から一転、人生の勝ち組になるの?
あぁ、もちろん見るわ。見させて頂くわ。どんな人なの? 私に幸せをプレゼントしてくれる王子様は?
げっ。
前歯が2本、上唇をめくるほどに飛び出している。
この一点だけでダメ。この一点だけでアウト。
この人が立派な歯医者になれるわけがないじゃない!
なれるものはせいぜい人生の敗者だろ! ばしっ!」 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
8Q2BS その日、初めて文堂珈琲館のドアを開けた俺を出迎えたのは、異様な喧噪だった。
ポンコツのテレビに映し出された、雑居ビルの一室と思わしき審査会場の様子だ。
「何だ、もう始まってたのかオーディション。時間に遅れるなんざ最低じゃねーか。
本当に最低な奴だな、俺の目覚まし時計。多少、乱暴に止められても仕方ないね」
紫煙と共に、気怠い空気が店内に流れ込む。
一服の清涼な空気と一獲千金を目当てに此処に訪ねて来たが、
不思議な事に、何故か俺の行く先々では周囲の空気もマネーフローも淀みがちだ。
「ヒロイン役募集のチラシを見たんだが……いや、見たんですけどォ。
着流しに木刀二本差しの伊達美少女って新ジャンルの女優でェす」
≪この木目が最高なんだよね!敢えて節を残した自然派が!≫
「あ、分かる? 君、木刀マニアかな? でも節は無いよね。
隣のお宅の竹囲いじゃあるまいし。君の目が節穴―――」
其々が"風蓮湖"と"神仙沼"の刻印が施された大小拵えは、通信販売で入手した逸品だ。
清楚でありながら艶やかな黒髪の一本結を翻して、俺は営業用スマイルと共に振り向く。
―――オーディション会場の音声だった。
≪いやー!あっはははははは!!!≫
「ハハハ……てめー何が可笑しいんでェ!!」
どうやら、節穴は俺の両耳らしかった。
ライブ中継か録画かは定かじゃないが、あのテレビは俺の敵だ。
一撃ブチ込んでやろうとカウンターの端へと向かう。そして俺は運命と出会った。
「パソコン一台で金持ち…だと?」 『知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも"ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ"
8Q2BS』
口の端に銜えた煙草が傾く。店のフロアに落ちた長い灰にも気付かず、
俺は、壁から破り取った怪しげな広告を食い入る様に見た。
適当にメニューを指差してオーダーを入れる。
「……マスター。ここから、ここまで全部。それと朱鞠小豆丼特盛マヨだくで頼む。
注文の代金はツケにしといてくれ。なァに、次に来る時は大金持ちになってらァ」
≪なれるものはせいぜい人生の敗者だろ! ばしっ!≫
「五月蝿ェ! 誰が人生の敗者ですかコノヤロー」
長髪のヅラを脱ぎ捨て丸めた紙屑と共にゴミ箱に放り込んだ俺は、店内の物色を始める。
無論、うっかり持ち主が目を離したパソコンがその辺に都合良く転がってないか、
オーダーした土坂丼スペシャルが出来上がるまでの間に捜索しておく為だ。
「しかし、どいつもこいつもヒロインの資質ってモンを分かってねェ。
取って付けた様なあざとい萌え要素に、胸焼けする程の盛り過ぎた設定。
そんな付け焼刃で役者が務まるか。役作りのイロハがなっちゃいねェんだよ。
目覚まし時計が壊れてなけりゃ俺の手本を見せてやれたんだが、間が悪かったな」
胸倉に左右一対で仕込んでいたDカップ相当のメロンパンを取り出して歯形を残しつつ、
俺は、伊達美少女と言う新概念が世に出る事が叶わなかった社会的損失を噛みしめた。 【名前】ここ源氏……芸名でもいいんですかね? じゃあ"土坂(ひじさか)銀姫"でェす
【国籍】実は土坂星からお忍びで花嫁修業に来たお姫様なのら〜。みんなには内緒だゾ
【年齢】にじゅ……十五歳でェす。R15+指定作品でも余裕で出演イケまァす
【体躯】俺の身長が高ェ? いや気のせいだから。ただの錯覚だから。てめーの頭が高ェ
【趣味】華道と茶道と日本舞踊でェす。恥ずかしがり屋なんで一生披露しないけどね
【特技】お菓子作りとか、もう半端無い腕前だからね。ある意味、必殺技の域に達してるね
【動物】
よく友達から言われるのはァ、可愛いマスコットとかペットとかケダモノの類かなァ
ご主人様と日向ぼっこで添い寝とかイイですよねェ、ふかふかの芝生でモフモフ
ウトウトした頃を見計らって寝首を掻くようなオテンバ仔狼ちゃんなのでウルフ
【一言】
前作『金魂』のキャスティングでは汚い電話営業で原作者のお墨付きを取り付けた
そんな小粟ジュンさんの大ファンなのら〜。売れねェ役者ナメてんのか
ジュンさんと日向ぼっこに行って一緒にお昼寝したいでウルフ 久しぶりにこの板来たけどまだやってたんだ
結構ぐちゃぐちゃやけど…
キャラ増えて楽しくなって来たねぇw 『あら? どなたもいらっしゃらないのかしら?』
不意に響いた声に、俺は店内のインテリアを物色する手を止める。
いや、二つの迷いが俺の手を止めた。一つは、それが何処から聞こえたか、だ。
ポンコツテレビの音声か、あるいは肉声か。そして二つ目は、声の主が誰であったか、だ。
「……いや、そうでもなさそうだぜ」
二つ目が先に解消した。俺は、この女の審査用プロフィールを正確に記憶している―――
「―――"淫獣"の山下(31)だったな。オーディション上がりの一杯(丼)か?」
【任意選択】
rァ
1.会場の模様は生中継されているが、山下(31)は持参し損ねた鞭を取りに戻って来た
2.会場の模様は生中継されているが、山下(31)は自らの落選を悟り即座に帰って来た
3.会場の模様は先日収録された記録映像であり、普通に来店した
4.会場の模様は生中継でも記録映像ですらなく、俺の幻覚だった
5.会場の模様とは無関係に、俺は現在進行形で山下(31)の幻覚を見ている
6.―――オーディション会場の音声だった(二回目)
この中で、蓋然性の突出して高そうなモノは無い。何れも充分に起こり得る展開だが、
[2]の場合は比較的厄介だ。夢に挫けた傷心の年増をフォローする術を俺は持たない。
「此処で会ったのも何かの縁だ、パソコン一台あったら貸してくれ。300円あげるから」
最悪なのが[6]だ。長らく更新される事の無かった俺の輝かしいステータス画面の最終項に、
<環境音との高等会話術>という、死にスキルないし不毛な萌え属性が追記されてしまう。
流石の銀志狼さんとて、つい先程オーダーした土坂丼スペシャルの提供を待たずして、
コテコテの天丼を自炊完了などという不祥事になれば、自主的な出禁は不可避だ。 さて、私は。ぐぅたらくぅの上の空だ。
なの空間に漂う煙のごとき音楽感。
そこに私の居場所はあるかないかの二択しかない。
この金色のもさもさの髪型にも似たこれを解いて、
客になるか、それともこのままメイドを演じるか。
ぐぅたらくぅの上の空のままに。
この喫茶店、床が木。
歩くとみしみし言いそうなわりに。
固く私の体重を確実にそのままに跳ね返してくれる。
なんて小癪。
なんて生命感。
私の負け。
なんてわけにはいかないので。
私はコーヒーを注文する。
何でもいい。
私の気持ちを起こしてくれるのならば。
何でもいい。
何でもいい。
ぐぅたらくぅの上の空のまま。 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
HP9 fgdj38y4j96d8j48d9
2018.9.13>gooニュース>ローカル>速報>毎日新聞>朝刊>P24
【天満屋グループの賃金未払い集団訴訟】請求額支払いで和解 岡山地方裁判所
天満屋グループの警備会社「山陽セフティ」(岡山市北区西長瀬1206-7)の元社員ら7人が、会社側に未払い賃金約2400万円及びこれに対する遅延損害金約700万円の支払いを求めた訴訟が12日、岡山地方裁判所で和解した。
会社側が請求額と同額を支払うとの内容。
訴状によると、元社員らは2015年1月~17年2月、山陽セフティに正社員の警備員として勤務。
夜間の仮眠時間も緊急時の出動に備えて車両などで待機していたが、車両待機手当(月7500円)や緊急出動手当(深夜勤務1回につき700円)などが支払われるだけだった。
元社員らは「仮眠時間も会社の指揮命令下にあるため労働基準法上の労働時間に当たり、賃金が発生する」と主張。
ある元社員の場合は時間外労働時間が月平均172時間だったのに、月55~96時間分の賃金が未払いになっているとし、支払いを求めて17年4月に岡山地方裁判所へ提訴した。
これに対し、会社側は争う姿勢を示していた。
和解について、山陽セフティの代理人菊池捷男弁護士(菊池綜合法律事務所)は「一切コメントしない」としている。(朝日新聞)
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