>>179

個人的にはなかなか面白いと思ったが、読み手の解釈に頼る度合いが大きいな
「小説には無駄が必要だ」というような言葉を寓意めかしたシーンかと読んだが、ここは作者に表現意図を聞きたい

>それに、"いい"と一言にいっても、世の中の芸術と呼ばれるもののほとんどがそうであるように、その小説がどれだけ素晴らしいものであるかどうかを定量的に評価し得る手段などない。

「評価し得る手段などない」とまで言い切られると、作品に授与される賞や売り上げを持ち出しつつ「そうか?」と重箱の穴をつつきたくなる
このシーンにおける語り手のポジションは、論理的に破綻している「やつ」への対立命題なので、もっと細密で厳密な言い回しによって個性を際立たせてもらいたいところ

>でもここにくると、あれこれと悩んでいたものがいつのまにか自分の中で腑に落ちていたりするし、大抵の小さな精神的課題は解決する。

快適な執筆環境に勝る「やつ」の部屋、その具体的なエピソードがないと説得力に欠ける
一つ話が欲しいと感じる

>人間は誰しも生まれながらにそういう性質を持っているし、多くの人間が無意識下でそうやって自己を保っているのだ。

「評価し得る手段などない」に対する指摘と同様
ここも、もっと隙のない言い回しをさせるか論証させるなどして語り手の人格を描写させないと、
そういう人間だからこそ「やつ」の人間的破綻に助けられているのだということへの説得力が弱くなるだろう

>そういった要素が多少存在することはあっても、それが全てではない気がする。やはり、ここの空気にはある種魔法のような力があるような気がしてならない。

山場に近い場所、読者に興味を持たせるような言い方で話の核心に接近している
特に書き手の力を尽くした具体例が欲しい
ここで読者に「確かに魔法のようだ」と感じさせる描写が出来れば話は成功すると思う