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――とある昼下がり。
偶々誰もいない時にここへ来たミコトは、ゆっくりとお茶を飲んでいた。

[ミコト]
ふぅ……極楽極楽♪

温かい春の陽射しがぽかぽかと身体に降り注ぐ。
日向ぼっこを楽しむには、絶好の日和だ。

[ミコト]
ん……何だか、眠くなってきちゃった……。
ちょっと……お昼……寝…………。

あまりの気持ちよさと共に猛烈な睡魔に襲われたミコトは、そのままゆっくりとまぶたを閉じた。

[ミコト]
くー……、くー……。

――ミコトさん。
――ミコトさん。起きなさない。

[ミコト]
ふにゃっ!? だ、誰っ!?

目覚めたミコトの眼前には、神様たる彼女に勝るとも劣らない神々しさをたたえた「何か」が鎮座していた。
「何か」はミコトの問いかけには答えず、逆に問い返す。

――ミコトさん。あなたはご自分が枕になることに、まだ躊躇いがあるそうですね?

[ミコト]
え? あ、はい。よくご存知で……。

――いいですか? 枕とは、人々に安らかな眠りをもたらす、それはそれはとても良いモノなのです。
――そう。私のようにね。