何かおかしい。
はじまりは、一本の電話からだった。
その時、あたしは自分の布団の中で、寝てるんだか、起きてるんだか…
よくわからないんだけど、何か、心地良い。そんなオフを一人寂しく満喫していた。
Tellll………
「………」
『亜美か?俺だ。俺だよ。』
「……なに?ゆーさく?」
『おお。久しぶりだと言うのに良く解ったな。
以前、電話を掛けた時は全く忘れ去られていたのに。
いやはや、亜美も成長したもんだ。偉いぞ。』
「はぁ?あんたなにいって…」
『もう、こっちへ来てるんだろう?
だから、転校してくる前に―――
この時のあたしは、あんまり眠かったもんだから、祐作の訳の解らない話を最後まで聞かなかった。
だって、ホントに意味が解らなかったし…久しぶりとか言ってなかった?昨日、学校で会ったばっかじゃん?転校?はぁ?
何言ってるの?あたしに転校して欲しいってか?ふざけんな。何で祐作にそんな事言われ…
なーんて事を思った様な、思わなかった様な、とにかく、そんな感じの夢を見た。
筈だった。夢の筈だった。