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426コメント642KB
巫女「来たれ!異界の勇者よ!」
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:04:50.36ID:3JjnXiLB
 割と魔王・勇者ネタが多いので俺も乗ってみる
上手く書けなかったらスマン。

 目を覚ますと、そこは見覚えのない石の祭壇
の上だった、まるでアニメに出て来るような
いかにも"神官"といったような服を着た少女が
見上げていた。

巫女「よくぞ参られました、異界の勇者よ」

魔王「…………………………。」

巫女「勇者様、今やこの世界は
   大魔王ゾーマの手によって闇に包まれて
   おります……我らにはもはや戦える
   力は無く異界の勇者様だけが頼りで──。」

魔王「…待て。」

 さも当然と言わんばかりに、初対面の相手に
臆面も無く厄介ごとを押し付けようとする
若い巫女の言葉を遮り、おずおずと手を上げる。

魔王「あー……業者間違えているんだが」

0002創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:05:27.57ID:3JjnXiLB
巫女「えっと…?最近の勇者様は
   3メートルぐらいあるんですか?」

 呼びだしたはずの勇者は身長3メートルぐらいの
大男であり、紫の肌に仰々しいツノ、ブーメランパンツに
赤黒いマント、そして首の回りに髑髏の骸骨を繋いだ
数珠を下げていた。
 どうみても勇者には見えない…むしろ魔王のような
いでたちだった

魔王「悪いが、ウチは魔王専門店なんだ
   お宅、召喚呪文間違えたでしょ?」

巫女「そんな!私はちゃんと
   この召喚の書の50ページを読みましたよ!」

魔王「どれ、ちょっとその魔術書見せてもらえる?」

巫女「え……えぇ……」

 魔王は巫女が手にしていた、召喚魔術書を受け取り
その50ページを開いてみる。

魔王「あー…やっぱりなぁ
   ほら、この呪文は英雄じゃなくて、魔王の召喚
   呪文だよ、タイトルの所が虫食い状態だから
   間違えたんだな」

巫女「そんな、ただでさえ大魔王ゾーマが居ると言うのに
   この世界にもう一人魔王を召喚してしまったの!?」

0003創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:06:23.44ID:3JjnXiLB
巫女「最近のLv1勇者様にしては、なんか3メートルもある
   筋肉ダルマだなーとか、頭からゴツイ角が生えているなーとか
   思いましたけど…まさか、魔王だっただなんて」

 頭を抱え込んで蹲る巫女、勇者を召喚するつもりが
自分の凡ミスで魔王を呼びだしたのだから、ショックらしい。

巫女「ともかく、魔王はもう間に合っているんです!
   帰って下さい!」

魔王「ウチとしてもね、大魔王ゾーマさんなんて大口の
   世界に手を出したら、ウチみたいな小口は仕事
   回して貰えなくなっちゃうから、それは良いけどね」

巫女「はい!お疲れ様でした
   さようなら、おかえりはあちらです」

 さっさと行けと言わんばかりに手を振る巫女。

魔王「じゃ、早く帰還魔術唱えてくれよ」

巫女「へ?」

 魔王の言葉に巫女の目が点になる。

巫女「………………あの…自力で帰るんじゃないの?」

0004創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:07:45.99ID:3JjnXiLB

魔王「異世界から自分の世界に帰る方法なんてしらねーから
   ほれ、帰還用の魔術はよ」

巫女「ちょ…ちょっと待ちなさい…」

 召喚魔術書を放り出し、祭壇の横に備え付けてあった
本棚を漁りはじめる巫女。

巫女「えっと…帰還魔術書…帰還魔術書…
   …………………………無い。」

魔王「待て!帰る方法が無いのに
   ヒトを知らない世界に呼んだのか!お前は!」

巫女「…とりあえず、この世界を救ってくれたら
   後はどうにでもなるかなー…なんて」

魔王「魔王業を、なめとんのかお前は!?」

巫女「…うひぇー…ごっ…ごめんなさぁああい!
   と、言うより魔王呼びだすつもりなかったんですぅ」

 〜それから3時間、ペットを拾って予想以上に
大きくなったり、面倒見きれなくなったら捨てる飼い主とか
リサイクル料払いたくないから、家電を不法投棄する連中とか
そんな話を引き合いに、魔王による巫女への説教が休みも無く続いたりし〜

 説教が終わった頃はすでに、巫女は半べそだった。

魔王「……それで、どうオトシマエつけるつもりなんだ」

巫女「とりあえず、魔王から勇者に転職してくれて、
   大魔王ゾーマと戦ってくれたら万々歳です」

魔王「そ・れ・は・お・ま・え・の・都・合・だ・ろ?」

巫女「いだだだだだ………ヤメテ…ヤメテ…
   筋骨隆々のその拳で頭をぐりぐりしない下さい
   頭蓋骨がマジ砕けます」

巫女「とにかく、帰れないものは仕方が無いので
   ウチの国王様に会っていただけると助かります」

0005創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:34:43.13ID:3JjnXiLB
巫女「来たれ!異界の勇者よ!」
//------------------------------------

 ◆◇◆◇◆ アリアハン王国(謁見の間) ◆◇◆◇◆

国王「よくぞ来られた、勇者よ
   突然お呼び立てした非礼をお詫びさせて欲しい、
   しかし、我らは勇者どのに御すがりするしか──!?」

 筋骨隆々のいかにも魔王な男の姿を見て、
言葉半ばに絶句する国王。

国王「さ…最近の勇者様は随分と
   逞しいのですな……。」

巫女「えっと…こちら異世界の魔王さんです」

魔王「どうも、異界の魔王です。
   世界征服プランは松・竹・梅とあるが
   どのプランで行くんだ?」

 パンフレットを取り出し、国王の前に
広げ始める魔王。

国王「どどどどど…どぉいう事だ!巫女!?
   なんで魔王が増えているんじゃ!」

巫女「まぁ、その…
   ちょっとした手違いがありまして」

国王「手違いで魔王増やすなよ!
   どーするんだよ!コレ!」

巫女「とにかく、お帰り頂くまで
   この城に滞在して頂くとかどうでしょう?」

魔王「つまり、このアリアハン城が
   我が魔王城って事でOKか?」

国王「ちょっ!待ってくれ!
   困る!それは非常に困る!
   次の選挙も近いんだ!こんな不祥事が
   明るみに出たら、ワシは破滅じゃ」
0007創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:38:21.72ID:3JjnXiLB

魔王「結局、自分の事しか考えないんな
   この上司にしてこの部下ありと言うか」

国王「そうじゃ!!良い事を思いついたぞ!」

 国王は玉座の後ろから宝箱を取り出し、
自らの目の前に置く。

国王『よくぞ参られた、勇者オルテガの息子よ
   そなたの父オルテガは 戦いの末 火山に
   落ちて亡くなったそうじゃな。』

 宝箱からメモや金貨の入った袋を取り出し、
ヤケクソのような口調で叫ぶかのようにそのメモを読み上げる。

国王『よくぞ参られた、勇者オルテガの息子よ
   そなたの父オルテガは 戦いの末 火山に
   落ちて亡くなったそうじゃな。』

魔王「おっさん……?」

 魔王の言葉を無視して、国王はさらに言葉を
紡ぐ。

国王『その父の後を継ぎ旅に出たいというそなたの願い
   しかと聞き届けた!敵は大魔王ゾーマじゃ!
   世界の人々はいまだ大魔王ゾーマの名前すら知らぬ。
   だがこのままではやがて世界は大魔王に滅ぼされよう。』

巫女「………あの…陛下…?まさか…」

国王『大魔王ゾーマを倒してまいれ!
   町の酒場で仲間を見つけ
   これで装備を整えるがよかろう。』

 金貨の入った袋をおしつけて、有無も言わさずに魔王の
背中を押すアリアハン国王。

魔王「なんで俺がそんな事をしなければならないのだ!」

国王『…よ・か・ろ・うっ!!』

 魔王を無視して有無を言わさないような迫力で
ゴリ押ししようとするアリアハン国王。
0008創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 03:52:07.04ID:3JjnXiLB

 つまるところ…。

魔王「厄介払いという訳か?国王」

 手の中に握らされたヒノキの棒と旅人の服、
そして50ゴールドを見下ろしつつ、魔王は
国王に疑問を投げかける。

国王「何のことですかな、勇者どの!
   我々が召喚したのは紛れも無く、オルテガの息子の
   勇者殿…魔王を呼びだしたなんてあるはずも
   ない訳じゃ」

魔王「…………50ゴールドでごまかせるとでも?」

国王「も…もしかしたら
   ちょーっと変な勇者様を呼び出してしまったかも
   しれませんが、紛れも無くオルテガの息子じゃ!」

国王「ついでに巫女よ、お前も"勇者"殿の
   お供として、大魔王討伐の任を与えよう」

巫女「そ…そんな!国王陛下」

国王「うるさい!うるさい!
   そもそもお前が魔王を呼びだしたりするから
   こんな面倒な事になるんだ!」

 魔王を謁見の間から追い出そうとジタバタする
アリアハン国王の首根っこを掴む魔王。

魔王「まぁ、俺はこんなよく知りもしない世界なんて
   興味ないけどな、元の世界に戻る方法を
   探すため、お前には協力してもらおう」

国王「ひぃ!ワシなんて連れて行ってどうするつもりじゃ!?
   ぼ…暴力反対ーっ!
   巫女!見ていないでこやつを止めろ!」

 アリアハン国王を抱えて意気揚々とアリアハンの城を
出る魔王に、魔王をとめる術を持たないアリアハンの
兵士達……そして、一緒に厄介払いされかかった巫女。
 魔王の行動を止める人はその場に誰も居なかった。

0011創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 10:41:02.62ID:3JjnXiLB
>>9
勇者(=オルテガの息子)をよびだすつもりが
間違って魔王呼んでしまったので、魔王を呼んだことを
国民の隠蔽させて、魔王をオルテガの息子と言う事にして
無理矢理旅立たせた感じ。
表現が悪くて済まない。
0012創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 11:24:51.85ID:3JjnXiLB
>>10
一応、時間を掛けても書くつもり
ではあるんだけど早まったかな。
//----------------------------------

国王「ひぃっ!命ばかりはお助けをっ!」

 城から城下町に出ても抱えた国王が
じたばた喚いている。

魔王「やかましい男だ」

 とりあえず、抱えていた国王を
地面の上に投げ下ろす。

巫女「それで、これからどうするつもりなんですか
   魔王さん」

 巫女は諦めたのか、魔王と行動を共に
するつもりになったらしい。

魔王「そりゃー、家に帰るだけだ
   別に世界を救う義理が有る訳でも無し」

国王「だったら、ワシらは要らんじゃろ!」

魔王「無責任にお前らが、俺を召喚して
   "後知らないね!勝手にしてくれ"なんて
   ふざけた事を言ったのがそもそもの問題だろ?」

魔王「"突然呼び出してごめんね、俺達の為に無償で戦ってくれ
   帰る方法も無いから、勝手にしてね"なんて言われたら
   勇者だとしても普通はキレるか暴れるぞ?」

巫女「まぁ…確かに」

 とか言うのは、呼びだした張本人な訳だが。

国王「ワシらに何をしろというのじゃ
   国王なんて次のレベルまで必要な経験値を告げるか
   セーブするぐらいしか能がないんじゃぞ?」

魔王「お前、仮にも国王なんだから
   まだやれる事があるだろう?」

国王「や…やれるって…何を。」

 魔王の迫力におされながも、嫌な予感がする国王。

0013創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:01:08.03ID:3JjnXiLB

 ◆◇◆◇◆ 武器屋 ◆◇◆◇◆

 店のドアが開くと備え付けられていたドアベルが
子気味の良い音を奏でる。

武器屋「へい!らっしゃい!
    武器屋アリアハン店へようこそ……うわっ!?」

 店に入って来た国王、巫女、そして3メートルを越える
大男(魔王)を目にして、屈強な武器屋の男も驚愕の声を
上げる。

魔王「邪魔をするぞ、店主
   武器を見繕って欲しい」

武器屋「お…お客さんの武器ですかい…!?
    しかしですな、そのガタイに会う武器なんて
    ウチにゃ置いてないですぜ?」

巫女「えっと………。」

 巫女が武器屋に書いてある商品一覧に
軽く目を通す。

巫女「───ヒノキの棒(5ゴールド)
   棍棒(10ゴールド)、
   銅の剣(100ゴールド)…
   だけですか…。」

魔王「一番マシなのは銅の剣か…
   だが、銅の剣って…」

武器屋「仕方が無いんでさぁ…
   鉄なんてバカ高いもの、ウチには入ってこない
   ですから」

 置いてあるその銅の剣も、溶かした銅を型に流し込んだ
だけの、粗末な小ぶりの剣しか無いようだ。

 ── 銅の剣とは
溶かした銅を型に流し込んで鋳造した剣で、
斬るよりも殴って使う武器、なぜか純銅製品──

国王「だ…大魔王ゾーマのせいで
   ウチの国には船がはいってこないんじゃ、
   鉄が無いんじゃから、仕方が無いじゃろう」

巫女「どっちにせよ、この国の周りにでるのは
   スライムぐらいですから、これで充分なんですけどね」
0014創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:01:41.25ID:3JjnXiLB
武器屋「それでー…どうしやす?
   お客さんの場合、ウチの剣なんかよりも
   その拳でブン殴るか、あるいは棍棒で殴った方が
   効果的なんでしょうけど…」

 およそ武器屋の言葉とは思えないセリフである、
どうやら国王も武器屋もやる気が無いようだ。
 さすがは最初の国。

魔王「とりあえず、旅にでるにせよ
   武器は欲しいな、おい…店主
   そこの銅の剣をありったけ溶かして
   一つのデカい剣に固め直してくれ」

武器屋「それはいいですけど、
   銅の剣30本って、3000ゴールドぐらいの
   大金になりやすぜ?」

 店主の言葉に、魔王は国王の首を捕まえて
武器屋の店主の前に放り出す。

魔王「金は全部こいつが払う」

国王「そ…そんな大金あるわけなかろう?
   大体50ゴールドですら厳しいと言うのに」

魔王「嫌なら…内臓でも売るか?
   んー?……ジジイの内臓なんて
   金にならないだろうけど…
   五臓六腑全部売れば、3000ゴールドぐらいは
   なるんじゃねぇのぉ?」

国王「ひぃっ!
   わ…判った、金ならなんとかするから
   顔を近づけないで!怖い!」
0015創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:02:19.40ID:3JjnXiLB

 ややあって

武器屋「ありがとうございやした〜……」

 武器屋の店主に見送られて、店を出る魔王一向、
店の中にあった全ての銅の剣(一番高い剣)を
全部買ってくれたのだから、上機嫌にもなるようだ。

 魔王の背中には、銅の剣を溶かして固め直した
2メートル半程の、どデカい銅の剣(むしろ、剣の形
をした銅の金棒)が括りつけられていた。
 重さにして、500キロぐらいはあるかもしれない。

国王「……うぅ…ワシの老後の資金が…
   レーベの村あたりに、屋敷を買ってひっそりと
   余生をおくるつもりだったのに」

 対して、金が無くなった国王はひっそりと涙するが、
魔王と巫女は見なかった振りをした。

巫女「後は、薬草と…毒消し草と…
   何かあった時の為にキメラの翼と、聖水……
   …は、要らないとして」

 メモを見ながら買ったものをチェックする巫女、
何のかんの言って、買い物は好きなのかもしれない。

巫女「よし、準備OKですね」

 巫女がアイテムのチェックを終える頃に
丁度街の入り口についた。
0016創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:03:02.32ID:3JjnXiLB

魔王「…では行くか」

巫女「え?」

国王「え?」

 魔王の言った言葉に、驚愕の表情を見せる
巫女と国王。

魔王「ほら、行くぞ!
   夜までに隣の町まで行くんだから」

国王「…って…まさか、ワシらも行くのか?」

魔王「だからそう言っているだろう
   ボケたか?ジジイ?」

巫女「そんな、てっきり準備に
   付き合うだけだと思っていたのに」

国王「む……無理無理無理無理…
   第一ワシが居なくなったら、この国は
   誰が治めるというのじゃ!」

巫女「そそそ…そうですよ
   私も教会から離れちゃったら
   誰が死人を生き返らせるって言うんですか」

魔王「俺が元の世界に帰れれば
   それで終わりだ、後は城でも教会でも
   好きな所に帰れば良いだろう」

国王「そ…そんな勝手な
   ワシらはしがないモブキャラなんじゃぞ!
   モンスターと戦うなんて……」

魔王「でなければ、本気でアリアハン城を
   魔王城に改築するが?」

国王「……せめて、城の兵士を……」

魔王「甘ったれているな、
   この魔王様が直々にヤキを入れてやるから
   感謝するんだな」
0017創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:18:15.05ID:3JjnXiLB

 ◆◇◆◇◆ アリアハン平原 ◆◇◆◇◆

 城から離れた広い平原を歩く三つの影。
その影を遠くから狙う魔物の影。

 ───魔物の群れが現れた───。

 スライムAが現れた。
 スライムBが現れた。
 スライムCが現れた。
 スライムDが現れた。

 おおがらすAが現れた。
 おおがらすBが現れた。
 おおがらすCが現れた。

国王「ひぃっ!!たた…助けてっ!」

 魔物の大群に国王の腰が抜けた、
腰砕けなままオタオタと逃げ出し、魔王の
背後に隠れる国王。

魔王「……………はぁ。」

 溜息をつきながら、魔王は国王の
首根っこを掴んで、魔物の群れの中に
放り込んだ。

 魔物達の攻撃!……国王のHPは1になった。

国王「……死ぬ!……死ぬから…
   やめて!やめてっ!」

 涙ながらに魔物に命乞いをするアリアハン国王、
しかしそれで許してくれる程、魔物は甘くはない。

魔王「巫女」

巫女「ホイミ!」

 巫女はホイミを唱えた……国王のHPは全回復した。

魔王「どうした?
   殺らないとやられるぞ?」

国王「ちくしょぉおおおっ!」

 涙と鼻水で顔をベタベタにしながら、国王は
大からすに向かって、掴みかかった。

 ミス!大からすにダメージが与えられない。

 魔物達の攻撃!……国王のHPは1になった。

国王「ぎゃぁぁぁぁっ!」

アリアハン平原に国王の声がこだまする。
───以降、ループ。
0018創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 12:34:59.94ID:3JjnXiLB
 魔物に全くダメージを与えられないまま、
時間が経過していった。
 ホイミで何度も体力を回復しては、
タコ殴りにされるアリアハン国王。

 さすがに巫女のMPが尽きたので、
途中から魔王がホイミ係を代った。

国王「せめて、
   武器を!武器をぉおっ!」

 何度目の挑戦か…ボロボロになった国王が
魔王の元に戻ってくる。

魔王「ほれ」

 魔王は道具袋の中から、ヒノキの棒を
取り出し、国王に向かって放り投げた。

 長さ30センチ程度の棒は、乾いた音を立てて
地面を転がる。

 国王はヒノキの棒を装備した
───攻撃力が2上がった。

国王「どちくしょぉおおおっ!」

 ヒノキの棒を手に魔物の群れに突貫する
国王……もはや王の威厳も何もない。

巫女「でも、なんで国王ばかり狙うんですか」

魔王「スライムはともかく、カラスは
   光る物を狙うからな」

 もはや他人事のように国王を見守る、
魔王と巫女。
 魔王はそんな巫女の肩の上に手を置くと
巫女は不思議そうに魔王を見上げる。

 魔王はそんな巫女を見下ろし、優しい笑みを
浮かべた。

魔王「次、お前な」

巫女「いいいいいやぁぁぁぁぁぁ」

 魔王に続いて、巫女の声が夕暮れのアリアハン平原に
響いた。

0019創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 23:32:10.76ID:zBLFGiTl
>>12
>創作発表板はVIPと違い、放っておいてもスレが落ちません
新ジャンルなど台詞系の単発スレを立てるときは、
そのスレを>>1000か容量いっぱいまで投下する心づもりで

つまり↑なんだけどね
1000まで書くつもりなら何も言うことはない
ただ、ジャンル的にイヤな予感がしたので

http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1318176326/l50
↑のスレみたくなったらイヤだな、と思って

リンク先を読まないだろうから、ざっくり説明すると
単発立てる→>>1不在となり放置→荒らしが好き放題し始める→他所のスレに飛び火でとばっちり
という流れ


http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1297414387/l50 (2011/02/11)
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1310980313/l50 (2011/07/18)
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1321555083/l50 (2011/11/18)
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1324706086/l50 (2011/12/24)
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1326551936/l50 (2012/01/14)
この板ざっと見ただけでも、これだけ単発放置スレがあるんだよね(カッコ内は立った日)

これらがみんな総合系スレに投下されていれば、いつでも何かしら作品が投下されるスレとしてROMの人も開くだろうし
↑のスレ見てる人が他の人の作品も見ることで、レス貰える可能性も上がると思うけど


まあいつもの話だけど、
反応欲しかったらVIPでやれば、ってこと
ここは圧倒的に人稲だし


もうこんなやりとりも何度となくしてきて、住人はうんざりしてるんだよね
あなたはこんなこと言われるの初めてだろうけど

ま、でも即死回避してるし、もうどうにもできないことを言ってもしょうがない
思い残しの無いよう、がんばって書ききってください
面白いと思う人が支援レスするでしょう


長文失礼
「大した才能のない」人間のレスでした
まあ読んでないだろうけどw
0020創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/11(日) 23:47:35.91ID:3JjnXiLB
>>19
読んだ、初登校な事に甘えるつもりはないが
迂闊だった、自粛する。

時間はかかるかもしれないから、
少しずつ書くつもりだったんだけど、
すまなかった、住人はうんざりか。
0022創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/12(月) 00:30:01.57ID:eOfeexDK
一応プロット考えてあったから、
200〜300ぐらいで話が落ちるのかなーって
思っても居たけど、1000まで目一杯
行くかと言われると正直微妙かもな。

 ここらで切り上げて、適当な時間を見繕って、
容量一杯までスペースだの"EMPTY"とかって
文字列でも連投すれば良いか?
0023創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/12(月) 01:56:15.72ID:bqh4i6oX
それじゃまさに埋め立て荒らしじゃないかw
ちゃんと書ききるなら問題ないどころか大したもんだ。ここは創作者の板。まずは書ききれ。
0024創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/12(月) 22:30:37.34ID:eOfeexDK
OK、了解した
初めて立てたスレで住人にうんざりさせたくはないので
頑張って自分の思う結末まで書いてみる。

〜 色々怒られたので、以下、自己ルール等 〜

1.自分都合で申し訳ないが、執筆できる時間が
  限られるため、平日は夜中にちみっとかけるぐらい、
  一応昼の間に色々考えてはおくので勘弁。
  (更新しない日もあるかもしれない)

2.自分の納得できる結末にする、某ジャ〇プ打ち切り
  エンドは基本やらない方向で(まず無いと思うけど
  1000オーバーしそうになったら打ち切りで)

3.安価は出さない方向で。

4.他者の乱入(無いと思うけど)があった時点で、
  そこでひとまずのEND。(プロットが狂うため)
  打ち切り要請があった場合もそこまでとする。

5.スレageは一日の更新に最初に一度だけ。

6.当然ながらレスには全て目を通す、
  ただ指摘は有り難く頂戴するけど、中傷はスルーかも。

7.この物語はフィクションです。

8.その他、ルール改訂は突っ込みにより変化。

 なんて事を言えるような程、執筆スキルが有る訳でも無いが
こんな感じでしょうかね?

0025創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/12(月) 23:17:26.44ID:eOfeexDK

  雲が秋空を駆けて行く…
 その雲の下を大ガラス達が泣きながら飛んでいく。

  アリアハンとレーベの間にある小高い丘にその身を
 横たえながら魔王は遠目に国王と巫女を見ていた。

 ──平和だ、実に平和だ…魔王が言うのもなんだけど──。

巫女「最後の一頭が右の方に逃げたわよ!」

国王「ぬぉおおおおっ!」

 猛然と土埃を巻き上げながら、アリアハン国王は
獲物を追って走ってゆく。
 追いかけられている獲物は茶色い巨大なアリクイ。
全高は約2メートル程のこの辺りに出現する魔物、オオアリクイだ。

国王「必殺ゥっ!アリアハンキィィィィイイック!!」

 訳が解らない掛け声と共に、走った勢いをそのままに
大仰なモーションで大アリクイに飛び蹴りをかます。

オオアリクイ「ぷぎゃぁぁぁ!?」

 直撃を受けて転倒するオオアリクイに国王はそのまま
馬乗りになる。

国王「アリアハンパンチ!アリアハンチョップ!
   アリアハンヘッドバッド!!」

0026創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/12(月) 23:22:35.01ID:eOfeexDK
 馬乗りになって容赦なく連打攻撃する国王、
もはや画面的には子供の喧嘩のようであった。

 やがて、オオアリクイは観念したのか大人しくなる。

国王「ぬははは…!」

魔王「人間って…追い詰められて吹っ切れると
   強くなるもんだなぁ」

 オオアリクイが おきあがりなかまに
 なりたそうに こちらをm……………。

国王「おのれぃ!まだ生きておったか!」

オオアリクイ「ぴぎゃぁぁぁ!?」

 戦意が無いのは見て取れると言うのに、
国王は再びオオアリクイを襲おうとする。
 慌てて逃げるオオアリクイを再び追い回しはじめる。

 そんな平和な(少なくとも魔王にとっては)秋の日差しの元
昼寝をしようと目を閉じかけたその時─────。
0027創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 00:34:28.79ID:IMqwdbrf

魔王「なっ!?」

 辺りの空気が凍りついたような感覚が
突然魔王を襲う……、この世界に来る前に何度も何度も
感じていた張り詰めた空気────殺気だ─。

 殺意を向けられた相手は魔王自身…
仮に巫女や国王に向けられたとしても、彼らは
気付きもしなかっただろうが。

魔王「この辺りの…ザコじゃないな…」

 まだ即位したばかりの魔王であり、そんなに力は強くはないが、
仮にも魔族の王である、この辺りのザコが10ダースぐらい
まとめて掛かってきた所で、汗一つかかずに始末できる
だろう。

魔王「…っ!」

 ギン!

 突如死角から放たれた剣を、魔王は抜き放った銅の大剣で
辛うじて受け止める。
 全身を紺のローブで包み込んだ、小柄な人間だった
魔王に比べて軽い剣のくせに魔王の大剣と互角以上に打ち合う。
0028創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 00:35:13.83ID:IMqwdbrf

魔王「要件も言わずに、いきなり斬りかかってくるのが
   この世界の流儀なのか?」

ローブ人間「……要件は一つだ…お前の命を貰う。」

 剣を合わせたた瞬間に回し蹴りを放つが、ローブ
を纏った人間は身軽に飛び退く。
 声の感じからすると…女…しかも若い女の声だ、
30代……20代……いや、体型も考慮すると
もっと若いかもしれない。

魔王「…いいだろう…
   取れるものなら取ってみろ」

 不意を突いて魔王の重剣が女の剣を打ち上げる、

──これで相手は丸腰───。

とおもった瞬間にローブ女の左手が魔王の胸に当てられた。

魔王「───しまっ!」

ローブ女「イオラ!」

 Booom!

 密着したゼロ距離で放たれたイオラが魔王のその身を
見事に吹き飛ばす…。

 中程度の呪文であるものの、接触状態で放たれれば
たまったものではない…。

 魔王は口の中に溜まった血を吐き捨てて、再び
銅の重剣を構え…女もまた拾い上げた剣を正面に構える。
0029創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 00:35:59.44ID:IMqwdbrf
 今や互いには無言であり、互いに隙を伺う
もはや余計なお喋りをしている余裕は無い。

 空気が極限まで張りつめたその時…。

オオアリクイ「ぴぎぃいいいっ!」

 魔王とローブ女の間を、先ほどのオオアリクイが
涙ながらに取り過ぎて行く。

国王「まてぇぇぇぇい……って…あれ?」

巫女「……誰?」

 オオアリクイを追って現れた二人が
ローブ女と魔王に気が付いて駆け寄ってくる。

魔王「来るな!」

 魔王が静止すると、二人の足がその場で止まる。

ローブ女「……レーベの村へ行け」

魔王「なんだと?」

ローブ女「レーベの村の住む老人より魔法の玉を手に入れ、
     誘いの洞窟へ向かえ、そこからロマリア帝国へ
     向かえる、この大陸にお前が探すものは無い」

魔王「名も名乗らず、いきなり斬りかかってくる奴の
   言う事を、素直に聞けと言うのか?」

ローブ女「信じるも信じないもお前次第だ…
     ではな……若きエスターク王よ
     ルーラ!!」

魔王「待て!」

 女はセリフを吐き捨てると、ルーラの呪文を発動させて
光の尾を残して空へと消える…。
0030創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 00:43:40.21ID:aWssFPu0
個人スレだし、細けぇことは(ry
とにかく、がんばって書いてくださいな
1.の投下のペースは、気にしなくていいと思う(どうせ人稲(ry w)
早さよりも自分の納得の行く質のものを投下したほうが、結果的にレスは貰えるんじゃないかな?

4.についても杞憂かとw
荒らし未満の愉快犯的な「ツマンネ」レスが来るかもだが、気にせず投下続けるほうがいい
つまり6.だね

お節介以上。がんがってくらはい

創発の修羅となれ!!
0031創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 01:02:19.37ID:IMqwdbrf
>>30
レスサンクス
とりあえず、人稲でもよいので書いてみるさ
(どうせ自己満足)
でも、今日はとりあえずこの辺で。
0032創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 03:18:11.60ID:IMqwdbrf
早くも矛盾が出てきたorz
//------------------------------

 ◆◇◆◇◆ レーベの村 ◆◇◆◇◆

 アリアハン大陸の北の静かな村レーベ、
その宿屋の2階に魔王達は部屋を取っていた。

魔王「……………………………。」

 窓際の席に座り、窓から見える海を横目で見たまま
何やら難しい顔で考え込んでいる魔王、
似合わないと言えば似合わない姿に、
巫女は国王に耳打ちする。

巫女「………いったいどうしたのでしょうか」

国王「先ほどの奴にコテンパンにのされて、
   塞ぎこんでいる…って訳でもなさそうだが」

魔王「……………………国王…。」

国王「ひゃい!?」

魔王「この世界で…魔王を倒すぐらいの
   強さを持つ者と聞いて、誰が思い浮かぶ?」

国王「そりゃ、オルテガ殿じゃな、
   あとはその相棒のサイラス殿
   その二人ぐらいじゃないかの?」
0033創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/13(火) 03:18:36.49ID:IMqwdbrf

魔王「オルテガと…サイラス…
   その二人…どちらかは女か?」

巫女「いいえ?アリアハンの勇者オルテガ様と
   サマンオサの戦士サイラス様は
   どちらも男性ですよ」

国王「後は…そうじゃの…
   オルテガ殿の遺志を継いで
   魔王"バラモス"退治に旅立った
   オルテガ殿の娘さんじゃの…」

魔王「魔王…バラモス?
   この世界の魔王はゾーマでは
   なかったのか?俺は最初にそう聞いたぞ?」

国王「魔王バラモスはそのオルテガの
   娘さんに倒されたのじゃ
   そののち、大魔王ゾーマが現れおってな」

巫女「え?バラモスって倒されたんですか?
   そもそも大魔王ゾーマってなんです?」

国王「何を言うておる…バラモスは
   二月程前に倒されておろうに
   そののち、大魔王ゾーマを倒す為に
   ギアガの大穴から、勇者殿が旅立ったんじゃろうが」

巫女「ギアガの大穴って…大昔に封印された
   奈落へ続くと言われる穴の事ですか?
   そんなの迷信じゃないですか」
0034創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/13(火) 03:18:58.10ID:IMqwdbrf

魔王「ちょっと…待て!」

 ── 何かがおかしい、そもそも俺が
 呼び出されたのは魔王を討伐する"勇者"に
 間違えられてのはずだ、しかもその際には
 『大魔王ゾーマ』を討伐するためと聞いている。

 これは確か、当初巫女と国王が言っていた事だ。

 けど、今は巫女は魔王はゾーマではなく、
 魔王はバラモスだと言っている。

 それに対し、国王は魔王バラモスが倒された後に
 大魔王ゾーマが現れたと言っている。

 となると、この世界には魔王バラモスは存在せず。
 大魔王ゾーマが居ると言う事か?? 

 ──おかしい…つじつまが合わない…──。

  これ以上は分からないだろうと、魔王は質問を
 代える。
0035創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 03:19:22.23ID:IMqwdbrf

魔王「魔法の玉…誘いの洞窟…と聞いて、
   心当たりはあるか?」

国王「誘いの洞窟は古代文明の『旅の扉』が
   封印されておった場所での、船を使わずして
   瞬時にロマリア国へと転移する事が出来るのじゃ
   その封印を破壊するために…魔法の玉が
   必要なんじゃ」

巫女「あんな洞窟にそんなものが封印されていたのですね」

国王「今やアリアハンには船は一艘も無いからの、
   それが唯一アリアハン大陸から外の大陸に出る
   手段じゃ、勇者殿も旅の扉で旅立ったんじゃ」

魔王「再び封印された事はあるか?」

国王「なんで、そんな面倒な事をするんじゃ?
   別に不便な訳でも無し」

 魔王は再び考え込む…

── 先ほど襲ってきたローブの女は、その勇者の
可能性が高いだろう、魔王バラモスを倒した実力があるんだ
俺と渡り合う事は出来るはず。

 勇者が旅立ったのならば事実なら、誘いの洞窟の封印とやらは
解かれているはず、しかし先ほどの勇者(?)は封印を解くための
魔法の玉が必要だと言ったはず、まずは本当に勇者が誘いの洞窟から
旅だったのかを調べる必要がありそうだ ──。

0036創る名無しに見る名無し
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2012/03/14(水) 01:41:40.95ID:vjPbXspJ

 ◆◇◆◇ 誘いの洞窟 ◆◇◆◇

 魔王はロマリアへの道が封印されていると言う
誘いの洞窟の壁に手を当てて埃を払う。

魔王「やはり…
   封印が解かれた形跡は無いか」

巫女「…もう少し、奥に進んでみますか?」

魔王「そう…だな…
   それしかないか……離れて居ろ…」

 魔王は道具袋からレーベの村で受け取った
魔法の玉を取り出し、壁に仕掛ける。
 玉は不気味に点滅を繰り返し…。

 Booomb!

 洞窟の壁一面を綺麗に吹き飛ばす…、
壁の奥にはさらに埃だらけの通路が現れる。

国王「…どう見ても、人が通った形跡は無いのぅ?」

 おかしな話だが、今はそれよりも先に進む事を優先する。
国王はランプを道具袋から取り出し火をつけて進み、
巫女と魔王がそれに続く。
 崩れかかった通路を進んでいくが…。

魔王「おかしい…魔物が出てこない…
   気配はあると言うのに…」

巫女「魔王の気に気圧されているのでしょうか?」

 何をしてくる訳でも無く、ただ遠くから
見ているだけのようでもある。

国王「どちらにせよ、襲ってこないのは
   好都合じゃな、今の内じゃよ」

 通路を進むと、その行き止まりに扉があり
扉を潜り抜けると、
石で出来た大きな祭壇がある部屋に辿り着いた、
祭壇の中央で青い光が渦を巻いている。
0037創る名無しに見る名無し
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2012/03/14(水) 01:44:28.60ID:vjPbXspJ
巫女「綺麗…」

国王「これが、旅の扉じゃよ…
   ワシも初めて見るがな」

魔王「…ん?…なんだ?
   この臭いは…」

 魔王が微かな何かの甘い香りに
気が付くと同時に、遠巻きに様子を伺っていた
魔物達の気配が濃くなる。

 気配の数が増大して行き…殺気に染まっていく。

 体長2メートル程の巨大な一本のツノを持った
ウサギ…、アルミラージだ。
 数匹どころの騒ぎじゃない…、数十匹
もしかしたら百単位にも届くぐらいの大群だ。

国王「旅の扉に飛び込むのじゃ!」

巫女「急いで!」

魔王「二人とも…先に行けっ!」

 魔王は国王と巫女に怒鳴り返し、
旅と扉に飛び込んだ二人を見て、
部屋の扉を閉める。

 巫女がすれ違った瞬間…
かすかに甘い香りがしたが、
深くそれに考える暇はなかった。

 物凄い力で扉に体当たりする
アルミラージ達に魔王は扉を抑えながら
旅の扉で空間転移する二人を見送る。
0038創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/14(水) 01:52:00.34ID:vjPbXspJ
魔王「……さて………」

 ひとまず、これで足手纏いは
いなくなった、心置きなく本気を出せる。

 息を大きく吸い込んで、扉の前から
一気に飛び退く。

 扉の閊えが無くなり、部屋に
雪崩れ込んで来たアルミラージ達に
向けて、魔王は灼熱の炎を放つ。

 ゴオオオオオオオッ!!

アルミ『キィイ!!』

 地獄の業火のような炎が部屋の中を包み込み、
獣が焼ける嫌な臭いが部屋に立ち込めて行き、
灼熱の炎を吐き続けるとみるみる部屋の温度が
上昇して行く…。

 二人がこの部屋に残っていたら、アルミラージ
共々丸焼きになっていただろう。

 さらにもう一度息を吸い込み、今度は
冷たく輝く息を吐き出す…。

 石釜の中のような温度をしていた部屋が
今度はみるみる氷点下まで下がって行き、
僅かに残っていたアルミラージを一掃した…。

 たった2発のブレスで魔物の群れは
あっさりと全滅していた、これだけの力が無ければ
魔族の王として立つことは許されない。

 アルミラージのさらなる追撃は無いと判断し
魔王は旅の扉──部屋中央の青い渦に飛び込む。

 辺りの景色が激しく歪み…意識がブラックアウトした
次の瞬間に、全く見知らぬ部屋へと転移する…。

 その部屋に足を一歩踏み出した瞬間。

 ビキッ!!!

魔王「……ぐっ!…」

 突如魔王は体の自由が奪われ、祭壇の前に
膝を付く…。

魔王「なん…だ…重い…」

 辺りの空気が固着して飴のようになったかのように
体が重くなり、さらに前進を細い針金で縛られているような
痛みが駆け抜け……力が入らなくなる…。
 そこでようやく、足元には大掛かりな破邪の魔法陣が
描かれているのに魔王は気が付いた…。
0039創る名無しに見る名無し
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2012/03/14(水) 02:24:10.80ID:vjPbXspJ
魔王「くそっ…」

 魔法陣から脱出しようと抵抗を試みる魔王、
時間をかければ抜け出せそうではあるが。

巫女「無駄よ、いくら貴方でも簡単には
   抜けられませんよ」

 あがこうとする魔王に見知った声が
掛けられる…。
 姿を現したのは先ほど旅の扉へと飛び込んだ
巫女と国王。

魔王「…なるほど…、さっきの臭い袋は
   俺をハメる伏線だった訳か…
   だが、この程度俺は1分もすれば抜け出せるぞ」

巫女「1分もあれば…充分ですよ」

 巫女は跪いた魔王を抱え込むようにそっと抱きしめ…
そして巫女は魔王の唇に自らの唇を重ね合わせた。

魔王「……っ!?」

 急激な泥のような眠気が魔王を襲いかかり、
そのまま意識が暗転した…。

 ◆◇◆◇ 誘いの祠の外 ◆◇◆◇

 魔王は気が付くと…横に倒れていた、
体を動かそうとするが、指一本動かない、激しい疲労に
包まれて意識を保つのも困難だったが…
なんとか瞼を押し上げる…。
 どうやら…外に連れ出されただしい…。

 二人の人型の姿が見える…一人はアリアハン国王と…
そして3メートルぐらいの身長のツノを生やした
魔族の男……よくよく見覚えのある男だった…。
0040創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/14(水) 02:24:40.43ID:vjPbXspJ
魔王(あれは…俺…?)

もう一人の魔王「モシャス!」

 自分に良く似た魔族の男はモシャスを唱えると、
その姿は光に包まれ…、巫女の姿に変身して行く。

巫女「…まさか…ここまで上手くいくとは
   思ってもいなかったわ」

国王「こいつは…どうする?
   始末するか?」

 ────やってみろ…動けないとしても
 この俺がお前達如きに傷付けられるとでも思っているのか──。

巫女「放っておきなさい…
   この男…いや、もう女ね…には何も出来ないわ
   ただの人間と同じよ…」

国王「さすがに…14年間過ごした
   自らの体を殺すには抵抗がようじゃの?」

 ──女?…自らの体?何を言っている?──。

 声を出そうにも声が出ない…、まるで自分の体では無いみたいに
言う事が聞かない…。
0041創る名無しに見る名無し
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2012/03/14(水) 02:25:05.30ID:vjPbXspJ
巫女「未練は無いわ…
   私には今までと同じ姿でありながら、巨大な力
   無限の魔力、それに永遠の命を持つこの体があるから」

 巫女は…魔王が使っていた重剣をやすやすと
片手で持ち上げ、まるで小枝のように振り回す…。

巫女「ギガ・スラッシュ!」

 カッ!!!ズズズズズズズゥン…。

 剣から放たれた赤い閃光が一直線に伸び…
海を薙ぎ払う、爆発と爆風が海水を辺り一帯に巻き上げ
海水の豪雨が辺りの振りそそぐ…。

国王「む…無茶するな!?」

巫女「素晴らしい…素晴らしいわ…
   フフフフフ…ハーハハハハハ…」

 今までに一度も見せた事の無い、巫女の狂気の笑い声だった。

巫女「行くわよ…アリアハン国王
   ……父上の待つ…バラモス城へ…」

 巫女がルーラを唱えると、二人の姿はその場から
掻き消えた…。

魔王「………待て…」

 かすれた声をようやく絞り出す魔王…、
──おかしい…なんか声のトーンが高い────。

 力を振り絞って、立ち上がろうとするが
立ち上がれずに…地面に倒れこむ、倒れこんだ先に
先ほど巫女が作った海水の水たまりがあった…。

魔王「……なっ……」

 その水たまりを覗き込んでいる顔を見て、魔王は
愕然とする…、その顔は先ほど高笑いして去っていた
巫女の顔と全く同じ顔であった。
0042創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/14(水) 02:26:42.82ID:vjPbXspJ
序盤のここまでで100ぐらいの予定だったのに
全然消化できていない、1000消化は無理かも。
とりあえず、今日はここまで。
0043創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/16(金) 01:20:11.50ID:4tFkXuSN
魔王「………くそったれ…」

 後に残された魔王は拳を握って
地面に叩き付けた、力一杯
拳を叩き付けたつもりだったのに、
鍛えてもいない人間の女の細腕では
土埃一つ巻き上げる事が出来なかった。

魔王「…………なっさねぇ
   最初っからこれが目的だった訳かよ」

 勇者に間違えて異世界から魔王召喚?
何て事は無い、そこそこの力があって、
かつ隙を突けば一瞬でも動きを止められるぐらいの
魔王を異世界から呼び出し、失敗覚悟で
体ごと力を根こそぎ奪い取るつもりだったのだ。

 元々、元の世界に帰すつもりも無い、だから
帰還魔術書なんて最初から用意もしていなかった。

魔王「……本当に…情けねぇ」

 元の世界で従える部下や家族が見たら
指をさして笑われるか、自害を求められるかの
どちらかだろう。

 魔族の王たる者が、人間にまんまと騙されて
体と力を全て奪われ、人間の雌として生き恥を
晒す。

 …失態も良い所…一族全ての恥晒しだ。

 ──────もっとも、
元の世界の連中には、知る所でな無いが。

魔王「………………どうでも…良いか…。」

 元の世界に戻るつもりでもあったが、未練が
あるかと言われれば実は大して未練は無い。

 権力や覇権争いの戦いと策略の日々、魔族の
王となった所で、今度は王族の責務として
魔族の民を率いて行かなければいけない、忙しい
日々。

 体は未だに言う事が聞かず、立つ事すらままならない、
街の外で人間の女が一人で倒れて居れば
その内に魔物達のエサにでもなるだろう。

魔王「…………………………。」

 それでも良いやと、魔王は体の疲労に任せて
目を閉じる、待つまでも無く眠気はすぐに訪れた。
0044創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/16(金) 01:40:51.95ID:4tFkXuSN
魔王「…………………………。」

次に目を覚ますと、どこかの建物の中だった
家具や建物から生活臭が感じられる所から
誰かが家として使っている建物らしい。

 魔王が寝かされていたのは手入れの行き届いた
ベッドの上で、寝る前には全身泥だらけだった
自らの体が綺麗に手入れされており、服も着替えさせ
られているのに気が付いた。

魔王「…………ここ…は…?」

 明かりを取る為だろうか、開けっ放しになっていた
窓に近寄ろうとベッド身を起こして立ち上がろうと
した瞬間…。

 スデン…!!

 見事にバランスを崩してすっ転んだ、
どうやら巫女の体と入れ替わったために、手足のバランスや
骨格や体型が全く違うため、体力は回復しているのに
立ち上がって歩く事すらままならないようだ…。

 なるほど、巫女が魔王の体に入れ替わって
すぐにモシャスを使って形を変えたのは、こういう理由が
あったかららしい。

 だが、今の魔王にはそんな芸当は出来るはずも無い、
家具に寄りかかりながらなんとか立ち上がり…ゆっくりと
歩く…。

 窓から飛び込んできた風景は、アリアハン以上に拓けた
街の風景だった…。
 どうやら今居る建物は宿屋の2階ようであり、1階は
酒場になっているようだった。
 宿の先の大通りを進むと大きい城へと通じているようで
どうやら結構大きい国の首都のようだ。

??「……おや、まぁ…!」

 窓から顔を出していると、窓下にある通りで店先を
掃除していたであろう、茶髪の大女が声を掛けて来る、
年は30代ぐらいだろうか?

大女「……オルテガさん!眠り姫さんが起きたよ」

 大女は1階の酒場に向かって声張り上げる、

魔王「…ははは………眠り姫…ねぇ…。」

 どうやら…眠り姫とは自分の事らしい
と魔王は苦笑する…。

 当然ながら、魔王の姿をしていた時と辺りの
人間のリアクションが異なるようだ…、アリアハンでは
道行く人間に目を反られたと言うのに。
0045創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/16(金) 02:11:00.79ID:4tFkXuSN
 2階に歩いてくる何者かの足音がする、
躊躇いも無く、部屋の扉が開けられると
先ほどの大女と、40代ぐらいの迫力のある
男──おそらく、彼がオルテガだろう──が
部屋に入ってくる。

オルテガ「………ふむ…
     怪我はもう良いようだな……。」

 オルテガと思わしき男は、魔王を上から下へと
見下ろし、安心したように笑みを浮かべる。

魔王「…ここが何処かだとか、色々聞きたい事も
   あるけど…まずは…
   助けてくれてありがとう……で良いのかな?」

オルテガ「ああ……気にするな…冒険者としては当然の事だ
     俺の名はオルテガ、そしてここは王都ロマリアだ、
     名前を聞いても良いかな?綺麗なお嬢さん」

 そのまま名乗ろうか、少し迷いかけたが
命の恩人であろう男に嘘を言うのは王族のプライドが
許さないため…正直に答える事にした…

 どうせ隠す意味もつもりも無い。

魔王「…………魔王」

大女「魔王?」

オルテガ「そうか…マオか」

 大女が眉を潜めるが、オルテガは"マオ"と言う事で
納得したらしい、大女は小首をかしげるが自分の聞き間違い
と思ったようだ。
 どうやら、このオルテガと言う男は、わざと"マオ"で
通そうとしてくれているようだ。
 人間の姿で魔王も何も無いので、魔王もマオで通す事にした

 ──しかし良くわからないが、人間の世界ではマオは普通の
 女性名なのだろうか?──。

オルテガ「少し、話を聞かせてもらいたいが
     構わないか?」

マオ「もちろん構わな──────…。」

 オルテガの方に歩こうとして、窓から手を離して
歩こうとした瞬間。

 ドタン!

 再び見事にすっ転んだ。

大女「ちょっと…大丈夫かい!」

 慌てて駆け寄って大女に助け起こして貰うと同時に
腹の虫が鳴く、上手く歩けないのは空腹で
力がでないせいもあるらしい。
0046創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/16(金) 02:39:39.23ID:4tFkXuSN
大女「わかった…わかった
   なんか作ってきてやるよ!」

マオ「…いや、これ以上借りを作る訳には。」

マギー「3日も寝込んで何を今さらいっているんだい、
   怪我人が要らない気を使うではないよ!
   ちょいと待ってな」

 魔王…マオをベッドに座らせると、大女─マギーと言うらしい─
は豪快に笑いながら部屋を出て階段を下りて行く。

マオ「…それで、聞きたい事ってなんだ?」

オルテガ「食事の後でも構わないのが?魔王よ…」

マオ「…………疑わないんだな」

オルテガ「嘘を言っている目は、本気で言っている目か
   瞬時に見分けぐらいつかないとこの世界は食っていけないんでな」

 どうやら、このオルテガと言うのは相当な人物らしい。
勇者オルテガ…アリアハン王が言っていた名前だったが
まさかこんな直ぐに出会う機会があるとは。

 魔王は巫女やアリアハン国王に騙された事を
正直にオルテガに伝えた──およそとんでもない話ではあるのだが。

オルテガ「…そうか、陛下が…
   それに魔王の力を手にした人間の巫女か、
   気になるな」

 あっさり納得してくれる辺り、嘘を見極める力とやらは本物であるらしい。

マオ「今更、元の世界に戻る事も出来ないし
   生き恥をさらすぐらいだったら、死ぬつもりだったんだけどな」

オルテガ「それは悪い事をしたようだな、
   だが、今はもう止めておけマギーが悲しむ」

 オルテガは髭をこすりながら、考え込み…やがて口を開く。

オルテガ「なら…少し手伝ってもらおうか…」

マオ「俺に"勇者"の真似事をしろとでもいうつもりか?」

オルテガ「そうは言わん……言わんがお前は
   俺に命を助けられた借りがあるはずだ、それに
   俺と行動していれば、その巫女とやらに
   落とし前を付けさせる機会があるかもしれんぞ?」

 なるほど…それは魅力的な提案だ、それに死ぬなんていつでも
どこでも出来るもんだ…それならオルテガに乗ってみるのも
悪くないかもしれない。

マオ「いいぜ?」

 魔王が了承すると、オルテガは満足気に笑みを浮かべた。
0047創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/16(金) 02:43:57.41ID:4tFkXuSN
文章力無いなー、俺
見事な厨二病設定、そして読み辛い3流小説
30行ぐらいで投下した方が読みやすいのかもしれないけど
どうせ、人稲だからいいや、
とりあえず、今日はこの辺まで。
0049創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/17(土) 11:25:38.14ID:LLy6zin3
 ロマリアの広場…中央に噴水のある公園の中、
元魔王─マオ─と、オルテガが剣を合わせていた。

 キィン!!

 マオの持った剣がオルテガの持った剣と交差し、
心地良い音を立てる。
 瞬間に、剣が甲高い音を立てて、マオの持った剣が
跳ね上げられる。

 飛び退いて空中から落ちてくる剣を握ろうと、マオが
動こうとする前に、オルテガの剣がマオの首筋に当てられる。

中年「オルテガァ!ちったー手加減してやれよ!
   嬢ちゃんは病み上がりなんだろ?」

オルテガ「馬鹿を言え、病み上がりだからって手加減する
   敵がどこにいやがる」

 もやはロマリア風物詩となった、オルテガとマオの訓練を
見物する客から飛んだ野次にオルテガは応える。
 木の上からつるされていた小さな黒板に、マオの負けスコアが
加算され…スコアは1521戦、1521敗、見事な全敗だった。

オルテガ「マオ、その細腕じゃ正面から力まかせに打ち合った所で
   お前は負けるに決まっているだろう」

マオ「……体力を付けろって事…………ですか?」

 元々、魔王時代は腕力が有り余っていた事もあって
力まかせに剣を振れば、相手の防御を関係無しに吹き飛ばす事が
出来た、しかし今の貧弱な腕ではそうもいかない。

オルテガ「そうは言っていない、むしろ無駄な筋肉を
   付けると言う事は弱点にすらなりかねない」

マオ「力はあればあるほど良い…………んじゃないですか?」

オルテガ「筋肉は重いからな、むしろ素早い動きで
   躊躇わずに的確に相手の急所を狙う、少ない力で
   効果的にダメージを与えるにはここだ…」

 オルテガは自身の喉を指で指す。

マオ「………首?」

オルテガ「その通り、相手が生物である以上、血液は流れて
    呼吸をする必要がある、目潰しと言う手段もあるが、
    目潰ししたとしても、回復呪文で回復する可能性もある
    となると、喉を斬り付け、気管や頸動脈を破壊する
    当然呪文すら唱えられなくなると言う事だ」

 オルテガの講義は続く

オルテガ「どのみち、女の細腕じゃ、やれる事は限りがある
    素早く、効率良く適度に急所を狙う
    理想は全ての攻撃が会心の一撃となる事だな」
0050創る名無しに見る名無し
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2012/03/17(土) 11:26:05.03ID:LLy6zin3
オルテガ「人のサイズを遥かに凌駕したドラゴンやら
    獣やら、真正面に力任せに戦ったとしても
    普通の人間には勝てる訳もない、それは男でも同じだな」

 なるほど…、効率的かつ合理的に弱点を攻撃する
それぐらいの思い切りがなければ戦いで生き残る事は出来ない
という訳か。

 ──魔族…魔物でも同じだが、大概は持って生まれた資質に
依存する、両親が強い種別に生まれた魔物は生まれながらにして
強者だった…無論、個人差や訓練による伸びしろが無いとは言わないが。
 しかし、人間は違う。

 脆弱な種族ながらにして、戦いに限らず色んな事を思いつき、試し
経験を積んで強くなっていく、世界中の全ての人間がこの男と
同じように経験を積んで強くなったら、世界から滅びるのは魔族の
方ではないだろうか?

 魔王が人間の娘、マオになってから半年、一番驚き
また一番の収穫でもあった。

マギー「マオ」

マオ「ありがと、マギー」

 様子を見に来ていたのか、マギーが放り投げたタオルを
マオは受け取り礼を言って、汗を拭く。

マギー「マオも随分強くなったんじゃない?」

マオ「まだまだ、師匠にかすり傷すら付けられないけどね」

 ちなみに師匠とはオルテガの事、最初…半年前は
満足に歩く事も出来なかったが、リハビリと称して
剣の稽古をつけてもらったりもした。

 最初に敗北してから勝てるようになるまで
師匠と呼び、敬語で話すように言われたが、ここまで全敗
未だ、呼び方をオルテガに戻せずにいた。

オルテガ「まだまだだ、
    こんなんじゃ使い物になる以前に外に出たら
    無駄死にだ、今日はここまでだが
    日課に素振りは熟しておけよ、俺は少し出て来る」

マオ「ありがとうございました」

 礼を言うとオルテガは振り向きもせずに、城の方向へと
向かって歩き出す。
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2012/03/17(土) 11:44:55.81ID:LLy6zin3
マギー「っかし、マオも変わったわね」

マオ「何が?」

マギー「最初はあんなにトゲトゲだったのに、
    なんつーか、性格が丸くなった?
    今じゃ訓練時に素直に礼を言ったりするし」

マオ「………うっ……」

マギー「まぁ、良い事だよ
    最初の頃のアンタは見てられなかったからね」

 マギーは笑いながら宿に戻っていく。

 自己嫌悪という訳でも無いのだが、最初の頃は
人間如きに良いように負けるのが嫌だったのもあり、
命を半ば投げ出そうと自暴自棄になっていた感じも
確かにあった。

 魔王時代の人間を下に見る意識もあったのだろうが、
次第に人間を認めるにつれて、その辺りの意識も
変わって来たのかもしれない。

マオ「…………しかし。」

 マオはオルテガに言いつけられた通りの型を
意識して剣の素振りをしながら考える。

 ………鍛えるか?普通?元・魔王を。
オルテガが何をしているか知らないが、半年も
ロマリアに滞在して、リハビリ…と言うより訓練に
付き合ってくれている訳で。
 魔族がどうとか、魔王がどうとかも疑わず
それでいて詳しく訪ねてくる様子もない。

 元来、勇者はお人よしだと言うのが通説ではあるが
勇者の父親と呼ばれる人物も大概お人よしなのかも
しれない。

 オルテガに分からない事はマギーが教えてくれたりした、
実生活や常識については非常に助かっている。
 人間の女は髪型や服装を意識し、化粧をしたりとか、
作法とか色々あるらしい。

 その辺りはオルテガは適当で良いだろうと
思っていたようだが、月に一度の所謂"お祭り"を初めて
経験した際、「マタからなんか血ィ出た、病気かもしれない
世話になったな」と言った辺りからマズイと思ったらしく、
その場で即座にマギーに引き渡された。

 宿屋でタダ飯を食らうのも気が引ける(人間に借りを
作りたくないし)故に、宿の仕事や食事の仕事を手伝う内に
マギーとは友人と呼んでも差支えない仲となり、
それもあって色々教えてもらっているのもある。

 以上、大体半年間はそんな感じの人間生活を送っていた。
ますます持って、魔王の意識は薄れて人間じみてきたのかもしれない。
0052創る名無しに見る名無し
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2012/03/17(土) 12:31:11.70ID:LLy6zin3

 ◆◇◆◇ 夜、ロマリアの宿屋 ◆◇◆◇

 宿屋の1Fは酒場であり、夜になると
ロマリアの港などから荒くれ者が酒を
飲みに集まってくる。

 そんな中、ウェイトレスとして切り盛り
しているのがマギー、半年前にマオが来るまでは
一人で酒場を回していたのだから大したものだ。

荒くれ「マオちゃん、生中三つくれ」

マオ「はーい、ただいま
   マギー、生中三つ」

マギー「あいよ、持って行っとくれ」

 昼にはオルテガと訓練、夜には酒場の手伝い
半年もそんな生活をしていれば慣れた者だった。
 見た目は14歳の少女で、顔立ちも整っているからこそ、
酔いの回った荒くれに絡まれた事もあったのだが。

 オルテガに習った通り、頸動脈を斬ろうとした所で
慌てたマギーや居合わせたオルテガに止められ。
酔いが覚めて青ざめた男にマジ謝りされた、なんて事件があって
以来、手を出してくる奴は殆ど居なくなった。

 社交辞令的に口を出してくるのは居るけど、元3メートルの
魔族の男と知ったらどんな顔をするのだろうか。

 扉のドアベルが鳴り、見慣れた姿が酒場に入って来る。

マオ「いらっしゃ………なんだ師匠ですか」

オルテガ「なんだは無いだろう…マギー
   少しマオを借りるぞ」

マギー「ちゃんと後で返してくれよ
   ウチの看板娘、居ると居ないで売り上げ違うんだから」

 看板娘………ねぇ………、
もっとも、半年もそんな生活をしていれば、いちいち落ち込む気も
失せて来るが。

オルテガ「すまんな、すぐ済む」

 オルテガは軽く謝ると、マオを連れて階段へ向かう。

荒くれA「オルテガ!手を出すんじゃねーぞ」

荒くれB「マオちゃんは俺が狙っているんだからよー」

オルテガ「馬鹿言え、娘ぐらいの年の子だろうが」

 声を掛ける荒くれに応えるオルテガ、
巫女の体はどうか知らないが、実際には数千年生きている訳だが。
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2012/03/18(日) 12:13:59.23ID:Q0eCKLnP

マオ「盗賊カンダタ?」

オルテガ「そうだ、シャンパーニ地方に
   潜伏すると言う盗賊カンダタが
   近くにこのロマリアを襲うという
   情報が入ったらしい」

マオ「襲撃?王都をですか?」

オルテガ「ああ、随分思い切ったもんだ
   だが、情報を先に掴んだ以上
   奴らを一網打尽出来るはずだ………が」

 オルテガは浮かない顔をする。
その理由はマオも容易に察する事が出来た。

マオ「その情報の出所…と言う事ですね」

オルテガ「そう…それが問題だ
   城の連中は奴らを上手く出し抜いたと
   思っているようだが、連中に
   踊らされているような気がしてならない」

マオ「わざと嘘の情報をタレコミして警戒させ
   疲労した頃を見計らって、忍び込む」

 常套手段と言えば、常套手段ではあるが。

オルテガ「俺はそう読んでいる
   考え過ぎならそれで良いけどな」

マオ「それで?何をしろと言うのですか?」

オルテガ「それとなく、気を付けてくれればよい
   気を張って疲れたら城の連中と同じだ
   万が一の時は…………これを使え」

 オルテガは手に持って居た包みを解くと、
中から綺麗に装飾された剣が姿を見せる。

オルテガ「誘惑の剣…と言う
   気を付けろよ、魔剣だ」

 マオは剣を手にして、鞘から剣をゆっくりと
引き抜いて、光に翳す…ランプの光を反射して、赤い金属の
刀身が輝いた。
 見た事も無い金属であり、かなりの業物なのは間違いない。
やや小ぶりで重さも程よく、まるでマオの為に打たれたかのように
手に吸い付くようにきっちりと馴染んだ。

マオ「いいんですか?かなりレアな剣だと思うんですが」

オルテガ「それは女にしか扱えない、特殊な魔剣らしくてな
   そいつをずっと身に着けておけ
   一応仕事中もだ、寝る時も一応そばに置いておけ」
0055創る名無しに見る名無し
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2012/03/18(日) 12:14:27.65ID:Q0eCKLnP
 オルテガの警告からさらに二か月後、
ロマリアの街が寝静まった頃、怪しい影が城の窓から
出入りしていた。

 覆面を被った男とその部下達、盗賊カンダタ一味だった
連れて来ていた馬に城から盗み出したお宝を積み込み。

カンダタ「5分ジャスト!撤収だ!
     そろそろ兵が出るぞ!」

カンダタ子分「あい!親分」

 部下に指示を下すと、馬は物凄い勢いで走り出す。
街の中心街に差し掛かった時に、カンダタはさらに
部下に指示を出す。

カンダタ「火矢を撒け!追撃の手を遅らせるんだ!」

 カンダタの指示に従い、油が染みついた布を先端に
巻き付けた矢に火をつけて、辺りの家にまき散らそうとする。

オルテガ「マオ!今だ!」

マオ「バギマ!!」

 突如襲った豪風が火矢を跳ね飛ばし、巻き込まれた
火矢は海へと落下する。

カンダタ「ちっ!カンの良いのがいやがったか!」

 正面通りに現れた男が部下を次々と切り倒していく、
大柄な屈強な男、オルテガだった。
 カンダタの部下7人に囲まれているものの、互角以上の
戦いを見せている。

カンダタ「こいつはやっべぇ、逃げろ!」

 異様な強さを感じ取り、カンダタは馬に鞭を打ち込み
慌ててロマリアの外に逃げようとする。
 数百メートル走り出した所で、赤い光が辺りを包み
今度は馬が暴れ出す。

カンダタ「な!なんだ!?
     どうしたってぇんだ!」

 馬に振り落とされて、地面に落下する際に受け身を取る
カンダタ、馬はさらに暴れ出し城から盗んだ宝も
地面に落とす。

カンダタ「メ…メダパニか!」

 なかなかの高位の魔法使いが扱う呪文のはずだ、
襲ってきたのは魔法使いだろうと、カンダタは検討を
つける。

カンダタ「上等じゃねぇか!出てきやがれ!」

0056創る名無しに見る名無し
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2012/03/18(日) 12:15:20.20ID:Q0eCKLnP
 叫ぶが素直に姿を現さない、厄介な相手だ。
次の瞬間、闇から飛び出した影がカンダタを狙って
剣を振るう。

カンダタ「うぉっ!?」

 ギン!

 辛うじて出した鉄の斧が運よく、相手の出して来た
剣を受け止める、迷いも無く急所を狙って繰り出してきた。
 月明かりに照らし出された相手の姿は、黒髪の女だった。

カンダタ「女か…随分とえげつねぇ
    手を使うじゃねぇか!」

マオ「お喋りな奴だ!バギマ!」

 突風がカンダタを襲い、カンダタが足を止めた瞬間に
繰り出された剣を受け止める。

カンダタ「うぉらっ!!」

 受け止めた剣を力で押し返し、壁に叩き付けようとしたが
相手は壁を蹴って、離れた場所に着地する…
不要な体重や筋肉は随分絞り込まれているようだ。

 一撃は重くは無いが、急所を丁寧に狙って来る以上、
油断は出来ない、相手の方が遥かに速い。

 動きはまだどこか素人臭い所があるが、多分に実戦経験を
積んでいるようにも見受けられる。
 付け入る隙はいくらかありそうだが。

カンダタ「…時間切れになっちまうな」

 先ほどの男が部下を叩きのめすか、もしくは兵士連中に
追いつかれたら終わりだ。

カンダタ「悪いが、さっさと決着をつけさせて
     もらうぜ」

マオ「やってみろ!」

 カンダタは呪文を唱えると、女は剣を構えて
打ち込んでくる────かかった!
 呪文詠唱はフェイク…カンダタは懐から白い玉を取り出すと
マオに向かって投げつける。
 白い玉は空中でばらけて…白い糸となり、マオの体を
包み込む。

 糸に絡まれて、先ほどまでの素早さが見る影も無く
衰える。
0057創る名無しに見る名無し
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2012/03/18(日) 12:38:13.39ID:Q0eCKLnP
マオ「しまった!斑蜘蛛の糸!?」

 油断したつもりではなかったが、名のある盗賊だけあって
騙す手段は相手の方が上だった…。
 正面から打ち合っても勝機は無い、相手の力が上である以上
ガードしても間に合わない…ならば。
 相手に向かって、剣を繰り出す

カンダタ「足を止められたのに、
     突っ込んでくるとは良い度胸だ!」

 カンダタは武器を構えて応戦しようとする、
マオの放った剣をカンダタの斧が止める。
 一瞬動きが止まった所で、左手をカンダタの斧に
当て──────。

マオ「バギマ!!」

 ゼロ距離で放った突風がカンダタの斧を遠くに
弾き飛ばす。

カンダタ「甘ぇっつってんだよ!」

 僅かな隙にカンダタが放った回し蹴りが
マオの胴を見事に捉え、叩き付ける。

 ─────ゴフッ!

 たった一撃で肋骨を数本へし折ったらしい、
そんなに線は太くないように見えたが
随分な怪力の男のようだ…。
 下手したら内臓までやられたかもしれない、
マオは口から血を吐き出す。

カンダタ「殺すにゃ惜しい奴だ…
    素直に俺の女になれば生かしてやるぜ?」

マオ「………………。」

 意識を繋ぎ止めて、次の手を模索するマオ、
カンダタからは死角になる位置に手を当てて、ホイミを
唱える。
 相手は勝利を確信している───チャンスだ!

カンダタ「おっと…油断ならねぇ奴だ…
    まだ何かを狙ってやがる」

オルテガ「マオ!無事か!?」

 そこにカンダタ子分を倒したであろう、オルテガが
兵を引き連れて追いついてきた。

カンダタ「ちっ…時間切れか…部下の命は預けておいてやる
     シャンパーニの塔に来い、そこで決着つけてやる」

 カンダタは宝の入った袋を手にすると城門を潜り抜け
手にしたキメラの翼を放り投げ、その姿を消した。
0058創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/18(日) 12:42:45.75ID:Q0eCKLnP
一日4〜5スレ投下が限度か、
何気に書くのは時間がかかるな
60行いっぱいいっぱい書いて居るからかもしれないが
まだ57・・1000まで遠いや。
ごめん>>19、1000まで埋まらない気がする。

で、とりあえず今日はこの辺まで。
0059創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/19(月) 01:14:09.02ID:tsYJbTaT
アレじゃね、名前がたくさんでてきてなぁ・・・。最初の魔王、王、巫女さんだけでよかった気がする。

素人があーだこーだいってごめんなさい
0060創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/19(月) 22:44:11.69ID:a8sJAq9/
>>59
指摘サンクス、
オルテガとかカンダタとか、DQ3をやった事も無い人だと
イメージが付かなかったかもしれない。
指摘の通り、魔王、王、巫女だけで、ゾーマを倒しました
めでたしめでたしと言う考えもあったが
着地予定が>>1000だと、話が作れないので再構成した際、
魔王を弱体化させる必要もあった訳で、こんな形に
キャラ説明とか書こうともおもったけど、キャラの生い立ちがどうとか
神話がどうとかダラダラ説明書きするのは見苦しいので
出来るだけ書かないようにしていたら、置いてきぼりになって
しまった感が出たかも、甘えるつもりはないけど
俺もド素人な訳で申し訳ない。

指摘とか貰えたら改善したいと思っているけど、
固有名詞を出した分はもう無理かも。
(機会があれば次回で)
0061創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/20(火) 13:18:23.12ID:Smj8KxuS

 ◆◇◆◇ ロマリア城、謁見の間 ◆◇◆◇

ロマリア国王「何と言う事だ!
    オルテガ、お主が居ながらにして
    このワシの大事な金の冠が奪われてしまうとは」

オルテガ「面目次第もございません」

 翌日、オルテガとマオはロマリア城に
呼び出され、先日の盗賊カンダタ撃退の謝礼を貰えるのかと
思っていたのだが、待っていたのは国王のお説教だった。

 ロマリア国王の3時間程の説教を要約すると…。

 1.ロマリア王家に代々伝わる、至宝である金の冠が奪われたのは
   お前達のせいだ。

 2.カンダタを捕まえてくれば、今回の失態は見逃してやる。

 3.それだけではなく、ロマリア王国の王位を譲っても構わない。

 ………………………………………………とのこと、
そもそもカンダタがわざわざ襲撃して来る事を
知って居ながらも、態々城への侵入を許してしまったのは
オルテガ以前にロマリア兵達の大失態な気もするのだが。

 たかが冠一つと国とを比べて、冠の方が大事なのかと
思うに思ったのだが、どうにもこのロマリアの王様は王位に
それほど執着している訳でも無いようである。

 ……魔族の王であった立場として、それもまた
分からなくは無いのだが……。

 外交やら、内政やら、経済やら、法の発令、民衆の生活、
自身が好き勝手に外に出る事もままならない、自分の言葉
一つが国の運命を左右する──ロマリアみたいな大国ならなおさらだ。

 例え、大量の給料が貰えたとしても、こんなキッツイ仕事
誰も好き好んでやりたいとは思わないかもしれない。

 王とはただ、椅子に座って踏ん反り返って居れば良い訳でも無い、
他国は隙あらば、島一つ、小さな岩礁でも奪い取ろうと
手ぐすね引いている訳である。

 どうにも、この王は冠を奪われた責より信頼できる勇者オルテガに
自らの王位を譲って、とっとと隠居生活にでも引っ込んで
やりたいと…そんな感じにも見えたりする。

オルテガ「この私が、責任を持って
   シャンパーニの塔へ向かい、盗賊カンダタより
   金の冠を取り戻してまいりましょう」

ロマリア国王「おおっ!さすがはオルテガどの
   わしの見込んだ通りの方じゃ…」

0062創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/20(火) 13:18:38.88ID:Smj8KxuS
 ロマリアからカンダタの住むシャンパーニの塔へ向かうには
一度、北にあるカザーブ村を経由する必要があった。

 カザーブ村に立ち寄り、必要物資を整えて村より
南西のシャンパーニの塔へ向かっていた。

マオ「…………………お人よし」

 マオの抗議にオルテガは頭を抱える。

オルテガ「分かっている…お前の言いたい事は
   よーく分かっている…つもりだ」

マオ「別に何の義理が有る訳でも無し、
   わざわざ盗賊退治…ねぇ……。」

 半年以上の付き合いがあって、心から分かったのは
このオルテガは重度のお人よしなのだ、
 目の前で困っている人間…魔王であっても、放置する事は
出来ない。

 そして、だからこそ色んな人間に好かれているのだ、
老人から子供…果ては動物にまで。
 オルテガが声をかければ、ロマリア中の連中が
無償で手を貸してくれるだろう。

マオ「けどまぁ、こんなお人よしじゃ、
   ロマリア国王なんて務まらないだろうけど」

オルテガ「俺はロマリア王なんてなるつもりはない、
   俺は自由気ままが好きなんだ
   気が進まないならカザーブに残ってても良いんだぞ?」

マオ「カンダタには少し借りがあるから
   丁度良いっちゃ丁度良いんだけどさ」

 ややあって、見上げる程の巨大なレンガ造りの塔
シャンパーニの塔の近くまで接近し、塔の近くの木陰から
建物や入口を観察する。

 塔の形状からして、灯台として使われていたようだが、
魔物が海にまで出現し、さらにカザーブ村からも離れているため、
放置されてしまい、今や盗賊の巣窟になってしまっているよう
だった。

オルテガ「連中……素直に降伏勧告に応じると思うか?」

 オルテガは抱えた得物を地面に下し、塔を見上げる

マオ「無理でしょうね…
   入口にも見張りが居ない辺り、
   せいぜい、罠を張って待ってくれているとは思う」

オルテガ「だろうな…わざわざ自分のアジトを教えて
   ご招待してくれた訳だからな」

マオ「では、手筈通りに行きましょうか」
0063創る名無しに見る名無し
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2012/03/20(火) 13:18:58.73ID:Smj8KxuS
 一方その頃。

 ◆◇◆◇ シャンパーニの塔(昼):最上階 ◆◇◆◇

 金の冠を被り、ワインを瓶ごとラッパ飲みしている
斧を持った若い男が居た、先日ロマリア国を襲った男
盗賊カンダタだ。

子分「親分、来ましたぜ!
   この前の女です」

カンダタ「来やがったか!待ちわびたぜ」

 カンダタはワインのボトルを投げ捨てて立ち上がり、
斧を肩に担ぎなおす。

 塔の窓から塔の下を見下ろすと、先日の黒髪の女が
木に隠れながら様子を伺っているようだ。

 どうやらロマリア兵を率いて攻め込んで
来る気などは無いようだ。

カンダタ「良い度胸だぜ、気に入ったぜ
     お嬢ちゃん」

 カンダタは笑みを浮かべて、斧を持つ手に力を入れる、
久しく忘れて居た自分と互角の相手、ロマリアで捕えた
部下を人質にする訳でも無く、白昼堂々と真正面から
攻め込んで来てくれた訳だ。

子分「親分、弓でもくれてやりやすか?
   今ならこちらの方が有利ですぜ」

カンダタ「馬鹿、無粋な真似するんじゃねぇよ
     俺は直接あの女を戦りてぇんだよ」

 あわよくば、無傷であの女を手に入れたい、
俺と互角の力を持つ女なんて、最高だ。
ロマリアで戦って以降、カンダタはそんな風に思っていた。

子分「親分、ああ言うのが好きなんすか?」

カンダタ「あの鍛えられた四肢、
   たまらねぇじゃねぇか、脳髄が蕩けちまうぜ」

子分「随分ご執心っすね」

 早く手に入れたい…だが、焦ってはいけない、逸る気持ちを
抑えて、カンダタは策を考えていた。

 捕える為には、トラップが張り巡らされた塔の中にどうにか
して誘い込まないといけない。

 様子を伺っていると、木陰から出てきた女が塔の最上階に
向かって声を上げる。
0064創る名無しに見る名無し
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2012/03/20(火) 13:19:37.48ID:Smj8KxuS
マオ『あー……あー……
   マイテス!マイテース!本日は晴天なり
   本日は晴天なり』

 バギの呪文の応用だろうか、拡声された声が塔の
最上階まで楽々と届く。

 不意打ちをする気も無いらしい、重ね重ね
良い度胸をした奴だ。

マオ『盗賊カンダタに告ぐ!盗賊カンダタに告ぐ!
   ただちに、武装を解除し降伏しなさい』

カンダタ「降伏だと?馬鹿言っているんじゃねぇ!」

 カンダタは塔の下に向かって、声を張り上げる
こちらは呪文による拡声はしていなかったが
塔の下には届いたようだった。

マオ『今なら、貴方達の命だけは保障します
   速やかに武装を解除し、降伏しなさい』

カンダタ「うるせぇ!喰らいやがれ!」

 カンダタは部下から弓を奪い取ると、
弓の先に括りつけられた火薬に火をつけて
塔の下に向けて素早く放つ。

 マオが飛び退くまでも無く矢は外れて地面に刺さるが、
一瞬遅れて、地面に刺さった矢が爆発する。

マオ『降伏の意志は無し…どうあっても
   戦うつもりなんだな?』

 白けさせてくれる、こちらは元々直接対決の
つもりだ。

カンダタ「てめぇら!アイツを塔の中へ追い込め」

子分「へい!親分!」

 子分はカンダタと同様に炸薬が付いた矢を
塔の下に射る、雨のように矢が降り注ぎ
降り注いだ矢が片っ端から炸裂する。

 黒髪の女は踊るかのような素早い動きで矢を
かわして逃げ回る。

子分「あの女!塔の外へ逃げて行きやした!」

カンダタ「ちっ…!」

 塔の中に誘い込む積りが、アテが外れてしまい
カンダタは舌打ちする。
0065創る名無しに見る名無し
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2012/03/20(火) 13:19:59.82ID:Smj8KxuS

 ◆◇◆◇ シャンパーニの塔(夜):最上階 ◆◇◆◇

 先日の昼の騒ぎがあってから、丸2日、
再度襲撃して来る様子も無く、カンダタは内心
イライラしていた。

 先日ロマリア城に対して行った、カンダタの方法が
逆にやられている訳だ。

 疲弊した所に襲撃を掛けて来るつもりなのだろう、
疲弊を最小限に抑える為、カンダタは見張りを残して
休んでいた。

子分「親分!てぇへんです!」

 慌てた子分が扉を開けて飛び込んでくると、
子分と共に煙も入り込んでくる。

子分「塔の1Fが燃えています!」

カンダタ「野郎!やりやがったな」

 カンダタは飛び起きて、煙を吸わないように身を
屈める。

 まさか、塔に入らずこんな暴挙に出て来るとは。
塔の1Fや2Fは物置として使っても居た、
石で造られた塔とは言え、火のまわりも早過ぎ。
最上階には火薬もある…。

カンダタ「テメェらは火を消せ!」

子分「無理です!油も撒かれているのか
   火のまわりが早過ぎまさぁ」

 元々、塔に住んでいる訳だから生活に必要な
見ずも備蓄しているが、火を消す程の大量の水が
置いて有る訳でも無い。

 カンダタの決断は早かった。

カンダタ「テメェら外に出るぞ!!」

子分「了解でさ」

 外には確実にあの女が居るだろう、カンダタは
武器を手にして部下と共に塔を飛び降りる。
0066創る名無しに見る名無し
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2012/03/20(火) 13:30:28.20ID:Smj8KxuS
一回の投下4000バイト程度だから
大体、400字詰め原稿用紙5枚分。

短いのもあるから、45回ぐらい投下した
と考えて、空白分を考えずに
原稿用紙225枚分。
これ、1000に辿り着く頃には
原稿用紙何枚分ぐらいにはなるんだろ。

本来は全部書いてから通しで読んで
投下すべきなんだろうけど。

とりあえず今日はここまで。
0068創る名無しに見る名無し
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2012/03/20(火) 22:00:26.43ID:Smj8KxuS
>>67
感想サンクス、
まだまだ甘い所があるし、>>1000まで達成できるか
わからないけど、出来る限り頑張ってみるよ。
0069創る名無しに見る名無し
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2012/03/21(水) 00:50:13.79ID:7/SQeJVa

 ◆◇◆◇ シャンパーニの塔(夜):塔付近の平原 ◆◇◆◇

 シャンパーニの塔が燃える明かりが、辺りを照らし、
真夜中であるにも関わらず、まるで昼のように明るかった。

 カンダタは煤煙で汚れた覆面を投げ捨てて、斧を構える…
見据えた先には例の黒髪の女が居た。

カンダタ「そういや、まだ名乗っていなかったな
     俺の名はカンダタ、ロマリアの大盗賊だ」

マオ「……………………マオだ。」

 凛とした声でカンダタに応えるマオ、その声には一分の隙も
無いようだ、戦い方はどこか慣れていない感じがしたが、
不思議と戦度胸はあるようだ…。

手下「………………親分〜〜…」

 子分の声に後ろにカンダタは背後に視線を送ると、
そこには屈強な中年の男が居た、以前も一度見た事があるし
ロマリアでは有名な男だ。

カンダタ「アンタは…勇者オルテガか
    勇者にしちゃ、結構エグイ手を使うんだな」

オルテガ「降伏しろ、貴様に勝ち目は無い
    おとなしくその金の冠を返すんだ」

カンダタ「ケッ…アンタもロマリア王国の
    犬って訳かい…このまま無傷で返してやっても良いけど、
    二つ条件がある」

オルテガ「言ってみろ」

カンダタ「………俺の首と財宝はくれてやる…
    だが、部下共は見逃してくれ、先日
    ロマリアで捕えられた連中もだ」

オルテガ「…………………もう一つは?」

カンダタ「そこの女、マオと一騎打ちさせろ
    もちろん、俺の部下には手出しはさせねぇ」

 オルテガがマオに目線を向けると、マオは微かに
頷いた…。

オルテガ「………………良いだろう
    この俺が頼まれたのは"金の冠を取り戻す事"と
    "盗賊カンダタを捕える事"だ、部下どもの命は
    どうでも良い」

カンダタ「オラ行け!お前ら!とっとと逃げろや」

手下「………ひぃ…」

 カンダタの子分達が慌てて逃げ出して行き、オルテガは
得物を収めてその場に座り込む。
0070創る名無しに見る名無し
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2012/03/21(水) 00:53:33.47ID:7/SQeJVa
カンダタ「さて…と…」

 カンダタは斧を構えて、戦いの構えを取る、
そんなカンダタにマオは武器を正眼に構えたまま声を投げかける。

マオ「何故、師匠ではなく私と戦う事を選んだ?」

カンダタ「…おめぇさんとは、以前決着を
    付けられなかったからな……それに…」

 カンダタは未だに燃える塔に向かって、僅かに視線を向ける。

カンダタ「…こいつはテメェの仕業なんだろ?
    勇者オルテガがこんなエグイ手を使う訳ねぇよ
    ……………じゃぁ………行くぜっ!」

 カンダタは地を蹴って爆進する、大振りの鉄の斧がマオを襲うが
マオは羽のように身軽に斧を避ける、大振りな攻撃が当たらないのは
百も承知…本命は左手に仕込んだ斑蜘蛛の糸。

 左手の裾から斑蜘蛛の糸を放り投げようとするが。

マオ「バギ!」

 マオの放った真空の刃が斑蜘蛛の糸を弾き飛ばす。

カンダタ「…………同じ手は使えねぇか」

 吐き捨てつつ…マオの攻撃を斧でガードする、正確に的確に
急所を狙って攻撃してくるマオの攻撃もまた同じ事。

カンダタ「正確過ぎて、どこを狙っているかバレバレだぜ!」

マオ「お喋りな奴だ!」

 ギン…!

 鉄の斧と誘惑の剣が激しい火花を上げてぶつかり合う、
カンダタの攻撃は一撃一撃が大きい、だからこそ…丁寧に力の
方向を受け流す─────。

 ───力の大きい相手と戦う時、正面から
 打ち合ってはいけない───。

 マオの頭の中で染みついたオルテガの言葉を繰り返す、
かつて魔王だった自分と互角に戦ったのは、オルテガに戦い方を教えられた
オルテガの娘だった。

カンダタ「野郎!小癪な真似をっ!」

マオ「…………くっ!」

 カンダタの重い攻撃を、必要最小限の力で体力を消耗しないよう
丁寧に攻撃を受け流し続ける。

 ───空振りや受け流しは直撃以上に体力を使う
 体力が無いなら、相手に無駄な体力を使わせればよい───。
0071創る名無しに見る名無し
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2012/03/21(水) 00:59:02.39ID:7/SQeJVa
 魔王の力も魔力も今の自分にはもう何も残ってない、
無くなった事に嘆いても何も始まらない!

 しかし…失った代りに手に入れた物は幾つもあるはず、
その一つがこの身軽な体…、身軽さを殺さない為に
防具は最低限の革の鎧しか装備していない…
 身軽さと素早さを重視し、この八か月ずっと訓練してきた。

カンダタ「ゼイ…ゼイ…ゼイ……くそっ!」

 体力が失われてきたカンダタが肩で息をし始める…、
焦りの表情が浮かびあがる、焦りで攻撃の隙が大きくなっていく。

 ───隙を逃すな、己が優位に立ったその瞬間にこそ
 勝者と敗者がひっくり返る可能性がある、仏心なんぞ出すな
 チャンスが出来たらそれは、確実にモノにしろ───。

カンダタ「死ねやぁぁぁ…マオォ!」

 カンダタとマオが正面からぶつかり、カンダタが
大きく振り下ろした斧をマオはジャンプして躱す。
 そのまま頭を踏み台にして、カンダタの背面に着地し…
前転して衝撃を殺す…。

マオ「…セイッ!!」

 マオの誘惑の剣がカンダタの両足のアキレス健を斬り付ける。

カンダタ「グアァァァァァ!」

 ダン…!

 カンダタが倒れ…マオの誘惑の剣がカンダタの首筋に当てられ、
カンダタの瞳から戦意が失われていく。

手下「………お…親分〜……」

オルテガ「………………勝負あったな…」

 傍観していたオルテガが決着を口にする。

カンダタ「ちっくしょおおおおおっ!」

 カンダタは吠えて地面に大の字に寝っころがる。

カンダタ「俺の負けだ、ほら!俺の首が欲しいんだろ
     持っていきやがれ!」

 カンダタは斧を投げ捨てて首を斬れと、差し出すが
オルテガは首を横に振る。

オルテガ「…必要なのはお前の首じゃなくて、お前の身柄と
     金の冠だ、悪いがロマリアまで付き添ってもらうぞ
     安心しろ、部下の身の安全は俺が責任を持って
     掛け合おう」
0072創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 01:07:36.46ID:7/SQeJVa
やっと、次でカンダタの話が終わる
と、言うよりここまで書いて…まだ>>72
カンダタが終わるぐらいで>>200ぐらいの
予定だったんだけど全然足りない、
それに、もう10日目か…。
いつまでも創作板に個人スレが居座っててスマン
このまま、3か月ぐらい居たら、本当スマン。

とりあえず、今日が始まったばかりだけど今日はここまで。
0073創る名無しに見る名無し
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2012/03/22(木) 23:12:45.45ID:s6Bn9saW
>>19
どうやら、風邪を引いたようだ
人稲だけど一応、諦めた訳じゃないよ
今日はおとなしくDQ3でもやって、ロケハン(?)する事にする。
0074創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/25(日) 01:42:51.55ID:k++6tQNh
 ◆◇◆◇ カザーブ村 ◆◇◆◇

 カンダタとの一戦後、カンダタを連れて
カザーブ村まで戻っていた。
 そのカンダタはカザーブ村の酒場で焼酎なんて
飲んでいたりしていた。

カンダタ「なぁ…思うんだけどよ
     俺って拘束とかされなくても良いのか?」

オルテガ「逃げるつもりが無い奴を縛っても拘束しても
     面倒なだけだろう?」

 カンダタにしたら、逃げる隙はいくらでもあるのだが
大人しくロマリアに付いて来るつもりのようだ。

マオ「拘束した人間や、死体を運ぶのは手間がかかるんだ
   あまり面倒を起こすな」

カンダタ「……そりゃぁ、アジトも焼け落ちちまったし
     逃げ出す先もねぇし、部下どもの命が助かるってーんなら
     かまわねーんだけどよ」

カンダタ「どっちにせよ、ロマリアに引き渡されたら
     賊は打ち首なんだ、最後にこうして酒が飲めるのは
     感謝はしているさ」

 手にしたグラスを一気に呷るカンダタ。

オルテガ「随分簡単に自分の命を諦めるんだな」

カンダタ「でねーと、賊なんてしてらんねーよ
     ヒト様のモノを盗むってこたー、それだけの
     リスクもまたあるって訳だ…はっはっはっは」

 まるで他人毎のように笑うカンダタ、ふと気が付くと
遠目に少女がこちらを見ている。

若い女「……………………もしかして…
    お姉ちゃん?」

マオ「へ?」

若い女「やっぱり、お姉ちゃん!」

 茫然とするマオに、少女が飛びついてくる。

若い女「勝手に町を飛び出して、
    探したんだから!ノアニールに帰るよ」

マオ「待てって…」

 一方的に手を掴んで外に出ようとする女を
振り払うマオ。
0075創る名無しに見る名無し
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2012/03/25(日) 01:43:20.11ID:k++6tQNh
オルテガ「確かに…マオと瓜二つだが」

 丁度カンダタに関する報告書が書き終わったのか、
書状を書簡に詰めながらオルテガが言う。

オルテガ「実はこいつは記憶喪失でな…
     今は俺達と魔王バラモスを討伐する旅をしている」

マオ「ちょっと!」

カンダタ「俺達って…俺もかよ!?」

 勝手な話を進めるオルテガにマオは抗議の声を上げ、
カンダタは疑問の声を上げる。

マオ(師匠、何を勝手な作り話を言っているんですか!)

オルテガ(元々、巫女の体であって
   記憶が一切無いのは確かだろうが)

 それにしても作り話と言え、元異世界の魔王がこの世界の魔王を
討伐するって話は一体何の冗談なんだか。

 魔王を討伐するかどうかなんて、知った事ではないが
ひとまずこの場は、オルテガの話に乗って置く事にする。

マオ「…………と、とにかく…そういう訳だから
   悪いけど、そのノアニールとやらに帰るつもりは
   ………………………………って…泣くなよっ!」

 マオの言葉半ばに大粒の涙を流す娘、女の涙は武器だと
マギーは言っていたが、まさにその通りだ、今は自分も
女だったりする訳だけど…で話を聞いてみた所。

 双子の姉が居なくなったのは約1年程前の話らしい、
両親が目の前でモンスターに喰われる事件を引き金に
姉が突如ノアニール村から行方をくらませたらしい。

 妹である彼女はその後、親戚の住むカザーブ村へと
引っ越し、1年後の今日、両親の墓参りに行くために
護衛の冒険者を探してこの酒場に来たと言う。

オルテガ「なるほどな…、マオがお前さんの姉かどうかは
    判らないが、これも精霊ルビス様の巡り合わせだろう」

マオ「って…師匠?」

オルテガ「ノアニールならすぐそこだ、
     丁度良いからこの娘さんを送って差し上げろ」
0076創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/25(日) 01:43:44.92ID:k++6tQNh
カンダタ「送って差し上げろは良いんだけどよ」

 カザーブ村からさらに北のノアニールへ向かう途中、
娘と共に付いてきているカンダタが不平の声を漏らす。

カンダタ「なんだって、俺様まで一緒にノアニールに
     行く必要があるんだ?」

マオ「師匠に言えって」

 不満を言おうにも、そのオルテガは金の冠を持って
一人でロマリアへと向かった訳だが。

カンダタ「第一、ロマリアに報告に行くなら
     俺様も一緒に行くべきだろ、金の冠を持って
     逃げや───がったかっ!」

マオ「逃げたら逃げたで貴様は自由の身になれるから
   問題ないだ─────ろっ!!」

 カンダタと二人で街道を塞ぐ巨大なモンスター達を
討伐しながらも言葉を交わす…。

若い女「……………あの…」

カンダタ「オメェは…下がってな!
     それならそれで、俺はカザーブ村で
     のんびりして居たかったんだけどな」

マオ「働かざる者、食うべからずって言葉知らんのか?
   貴様が飲み食いした金は、全部必要経費ってことで
   国民の税金から出るんだぞ!」

 言いながらも、木の幹を蹴って飛び上がり、
ジャンプしながらデスフラッターを斬り落とす。

マオ「これでラスト!
   ……手伝いが居るか?」

カンダタ「馬鹿言え!こっちも終わりだぜっ!」

 カンダタの斧が最後の毒イモムシの頭を粉砕し、
飛び散った毒からマントで身を守る。
0077創る名無しに見る名無し
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2012/03/25(日) 01:44:04.80ID:k++6tQNh
マオ「それで?
   ………どうかしたのか?」

 剣に付着した血を拭い去り、自称妹に向かって
マオは振り向く。

若い女「……………あの…
   いえ…その…お姉ちゃん強いなって…
   昔はずっと村から出た事も無かったのに」

マオ「そりゃぁ…………」

 アンタの姉じゃないからな、と言葉に出しそうなのを
ぐっと堪える。

 アンタの姉(確定ではないけど)は、筋骨隆々の魔族の
男と体を交換しました、なんて言ったらどんな顔をする
のだろうか?

カンダタ「見えたぞ!ノアニールだ
     けど…様子が変だぜ?…」

 平原の先にノアニールの街が見えてくる…
しかし…、今は夕方であるにも関わらず
どの家からも夕餉の煙が立ち上っていない。

 それに…村の入り口に草が生い茂っており
まるで破棄された村のように見える。

若い女「………………!!」

カンダタ「…おい!俺達も追うぞ!」

 ◆◇◆◇ ノアニール ◆◇◆◇

 ノアニール村は無事ではあった、モンスターに襲撃
されたとかではなく、町民も無事に生存していたし
建物が破壊された後も無かった…しかし…。


町民A「…Zzzzzzz……」

町民B「すぴー……」

町民C「…Zzz…Zzz………」
0078創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/25(日) 01:44:37.93ID:k++6tQNh
カンダタ「…なんだこりゃぁ!?
     寝てやがるのか?、しかも立ったまま」

 カンダタが驚きの声を上げる、無理も無い…
町民達は一人残らず眠っていた。
 カンダタが寝ている町民に手を触れようとするが。

マオ「……二人とも…触れるな!
   それと布を口元に当てておけ!」

カンダタ「急にどうしたんでぇ!?」

マオ「最悪、伝染病の危険性もある…
   原因が判らない以上、むやみやたらに
   触れない方が良い」

カンダタ「でっ…伝染病!?」

 命が惜しくは無いとは言っていたカンダタも
流石に病気には掛かりたくは無いらしい。
 驚くついでに町民から慌てて遠ざかる。

若い女「でも、このままにしておくなんて…」

マオ「様子を見る限り…
   随分と長い間放置されているみたいだが」

 しかし、不思議と衰弱している感じも無く
衣服も雨風に晒されて汚れている感じも無い。

 何より、まるで時が止まったかのように立って
寝ているのだ。

マオ「普通…寝る時は横になるはずだ…
   立ったまま寝てても、力が抜けるから
   地面に倒れるはずなんだが」

カンダタ「普通の眠りじゃねーって事か
   それで、どうするんだ?」

マオ「どうもこうも無いだろう、頼まれた事は
   この娘をノアニールに送る事だけだ、
   宿で一休みさせてもらったら、カザーブに帰るさ」

若い女「そんな!酷い!
    ノアニールの皆がこんな目にあっているのよ!
    お姉ちゃん」

 ─────って…言われてもなぁ。

マオ「再三言っているけど、私は姉ではない
   それに…どこで、何をして、どうすれば
   こいつらの目が覚めるんだ?」

若い女「そ…それは…………。」
0079創る名無しに見る名無し
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2012/03/26(月) 00:14:57.04ID:yy+Wl0EG
カンダタ「ドライだなー…おめぇ
   オルテガのおっさんとえらい違いだ」

マオ「なら、お前がなんとかしてやるんだな」

 吐き捨てて宿へ向かう、この分だと宿屋も
機能しているとは思えないが、勝手に宿代を置いておけば
問題は無いだろう…。

  馬鹿らしい、私は元魔王だ…
 なんだって無償で人助けなんてしてやらなければいけないんだ。
 本当に馬鹿馬鹿しい。

 外は夕暮れ、やがて外は暗くなり、月明かりの元で村人達を
家に運び込む娘とカンダタの二人が見える。

マオ「…触れるなと言ったのに
   ……………………ん?」

 見るとノアニール村の外れの一件の家の一部屋にだけ
明かりが灯っているようだ…。
 村人達を家に運び入れるカンダタ達からは気が付かない角度の
ようだが…。

マオ「まぁ…私には関係ないか…」

 窓を閉めて、ベッドに潜り込み寝ようとするが…。

マオ「……………寝られない…。」

 外で村人達を、運び入れるカンダタ達…
そして、恐らく事情を知っているであろう村はずれの明かり、
自分には微塵も関係ない…翌日になれば、カザーブに
帰る積りだ…。

 しかしだ…、誘いの祠で倒れていた自分を助けてくれて
さらに見返りを要求せず、半年も面倒を見てくれたお節介な
男が居た、あの男なら見返りを要求せずにも手を貸していただろう
外に居るカンダタのように…。

 良いのか?魔王、お前は人如きに借りを作ったままで。
心の中でそんな声が響く…。

マオ「……………くそっ!…わかったよ!」

 マオは誘惑の剣を手に取り、腰のホルダーに固定して
部屋を飛び出す。
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/26(月) 00:15:29.06ID:yy+Wl0EG
 ◆◇◆◇ ノアニール:外れの家 ◆◇◆◇

 ノアニール郊外の家を訪れてみると一人の
中年の男が住んでいた。

 夜に突然現れたにも関わらず、飲み物まで用意してくれた。
北国であるノアニール地方は夜になると夏でもかなり冷え込む
らしく、暖房も効いていない宿では一晩を過ごすのは厳しい
とのことらしい…。

男 「全ては…この村の男とエルフの娘…
  アンのせいなんですじゃ」

 なんでも…、偶然森に迷い込んだ男が偶然森で出会った
エルフの娘と恋に落ち、駆け落ちしたらしい…、

 その上エルフ達の至宝である確『夢見るルビー』を盗み出したらしく、
怒ったエルフの女王(そのエルフの母親)はこの村を
眠りの呪いで閉ざしたらしい…。

マオ「………なんとも、はた迷惑は話だ。」

 第一…その娘と男が気に入らないなら
なんで、その娘と男だけでは無く村人達に呪いを掛ける?

 ついでに、娘と男も何故にその村の至宝であるルビーを
わざわざ盗み出したんだ?

 尤も、魔物の住処にわざわざ入り込んで剣を振るい、
宝物を盗み、魔物を惨殺して毛皮や武器を剥ぎ取っていく
連中を勇者と崇める者達が人間であるから、そんなもの
かもしれないが。

マオ「けど、それなら話は簡単だ
   村で眠っている娘と男を台車にでも載せて、ルビー共々
   エルフの女王とやらに引き渡せば問題は解決だ。」

男 「その二人は…もう居ないのですじゃ」

 なんでも、駆け落ちした挙句に
半島の先端にある洞窟の地底湖で身投げをしたらしい…。

 本当に…自分勝手な連中だ。
マオはひそかに頭を抱えた。


 ◆◇◆◇ ノアニール:街の出入り口 ◆◇◆◇

カンダタ「一体おめぇ…どこに行くつもりだよ」

 村から出ようとしていたら、カンダタに背後から
声を掛けられる。

マオ「少し出かけて来る…明朝までには戻る
   戻らなかったら先にカザーブ村まで行っていろ」

カンダタ「この村の連中……どうにかするつもりなんだろ?」

マオ「…ちっ…」
0081創る名無しに見る名無し
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2012/03/26(月) 00:16:26.33ID:yy+Wl0EG
 うるさい奴に捕まったもんだが、わざわざ嘘を教える
理由が有る訳でも無い、村の人間に聞いた話を
完結にカンダタに話す。

カンダタ「……うっ…うっ……いまどき恋に落ちた二人が
     種族を越えた愛を育む為に駆け落ちたぁ…
     泣かせる話じゃねぇか…」

 …………………そして、マジ泣きしていた。

マオ「死ぬぐらいの度胸があるなら、死ぬ気で母親を
   説得しろって話だな」

カンダタ「……うおぉおうぃ……うおぉおうぃ
     誰にも認められず…駆け落ちの果てに
     …地底湖に身を投げちまうなんてぇぇぇぇ」

 カンダタはハンカチを涙で濡らして号泣しているが、
マオの声は冷ややかだった。

マオ「地底湖の死体を引き上げるのって…かなり嫌だな
   水で死体が膨れてブヨブヨになっていそうだ
   『夢見るルビー』とやらを置いて自殺してくれていれば
   良いんだが」

カンダタ「……うおぉおうぃ……うおぉおうぃ
     エルフの女王様も、きっと…人間を誤解しちまって
     呪いを……ブビィイイイイィイイィイ………」

 カンダタが号泣しながら鼻をかむが…。

マオ「まるっきり逆恨みだな…
   よくもまぁそんなもんで女王の職務が務まる物だ」

カンダタ「……おめぇ…なんとも思わねェのか?
   どこまでもクールな奴だな、脳みその代りに
   氷でも入っているんじゃないか?」

マオ「思わない…同情する余地はまるで無いな
   その二人とエルフの女王とやらのせいで、この村は
   面倒な事になっているんだ」

 泣くだけ泣いて、カンダタは落ち着いたらしく。

カンダタ「……それで、話は戻って
   おめぇさんは、その女王を説得するってェ事か?」

マオ「話してはみるつもりだな」

カンダタ「なんのかんの言いながら
   おめぇはあのオルテガの弟子だよ」

マオ「あんな善人でも無いけどな」
0082創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/26(月) 00:17:01.82ID:yy+Wl0EG
 ◆◇◆◇ ノアニール半島:エルフの村 ◆◇◆◇

マオ「動くな!武器を捨てて!
   両手を頭の上に上げろ」

エルフの娘「ひぃっ!!」

 ノアニール半島の先端近くにある森の中、
エルフ達の村はその森の中にあった。
 村に入るなり、適当なエルフの一人に狙いを付けて
剣を抜きざまに首筋に当てる。

マオ「妙な動きはするなよ…
   抵抗する素振りを見せたり、大声を上げたら
   容赦なく殺す」

エルフの娘「たっ!助けてっ!」

カンダタ「ちょ!おめぇ!」

 首筋に誘惑の剣を当てたままエルフの娘の体をまさぐり
衣服の下からナイフを取り出す。

マオ「女王の居場所はどこだ?」

エルフの娘「泉の……奥の…建物……。」

マオ「よーし…案内しろ…
   …ただし…ゆっくりとだ…」

カンダタ「交渉じゃなかったのかよ!?」

マオ「これが私の交渉術だが…?」

カンダタ「これは脅迫って言うんだ!」

 カンダタが頭を抱えるが、何か間違った事をしただろうか?
第一、こう言った交渉はむしろ、カンダタのお家芸だとも
思うのだが。
0083創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/26(月) 00:20:03.00ID:yy+Wl0EG
なんか、回を増すごとに
話がどんどんチープになっていくな、
とりあえず、休日が終わるのでここまで
0084創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/30(金) 00:14:22.68ID:+e62wst3
エルフの女王「その娘を離しなさい」

 ふと…威厳のある声が響き、
十数人のエルフ達と共に、一人小奇麗な衣服をまとった
エルフが現れる。

 どうやらこいつが女王らしい。

 エルフ達は弓を構えて、マオへと狙いを定める。

マオ「貴様がエルフの女王か」

エルフの女王「もう一度言います、その娘を離しなさい」

マオ「…離してやっても良いが
   ノアニールの村の呪いを解いてもらおう」

エルフの女王「なるほど…
      それでこの村まで来た訳ですか
      ……………断ると言ったら?」

マオ「この集落が今日限りで無くなるかもな
   そちらと同じく、私も手段を選ぶつもりは無い」

カンダタ「なんでこうなるんだよ…」

エルフの女王「魂の中に荒々しい力を
      感じます…本気…なんですね」

マオ「けどまぁ…とりあえずアンタの命は最後にしてやるよ
   死なれて呪いが解けなくなっても困るしな」

エルフの女王「我々は人間如きに屈するつもりはありません」

マオ「10秒待ってやる…そこで気が変わらなかったら
   …一人づつこの集落の人口が減っていと思え」

人間の老人「……待って下され!!」
0085創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/30(金) 00:15:00.60ID:+e62wst3
 10カウントを始めようとした所で、老人に止められる
エルフの村の中にたった一人だけ、人間の老人が居たようだ。

人間の老人「貴方様がどんな方かは存じませんが
      この場は剣を退いてくだされ!」

カンダタ「……オメェは?」

人間の老人「私は…エルフの娘と共に駆け落ちした
      男の父ですじゃ…」

エルフの女王「まだ村に居たのですか…さっさと去りなさい」

人間の老人「この老いぼれの命ならいくらでも差し出します
      ですが、ウチの愚息のせいで人様の命だけは
      取らないでくださいませ」

 マオがエルフの喉元から剣を下げると同時に、
女王も弓を下ろすように合図する…。

マオ「行け」

 先ほど奪ったナイフを差し出すと、エルフの娘は
ナイフを受け取って、慌てて逃げ出す。

 ◆◇◆◇ エルフの村:村はずれ ◆◇◆◇

老人「お許し下され、旅の方」

マオ「許すも何も、許しを乞うのは
   ノアニール村の連中に対してだろう?」

人間の老人「その…通りですじゃ…
   なんとか、ノアニール村を元に戻すため
   こうして単身、エルフ達の村へ参ったのですが」

カンダタ「無茶しやがるぜ、じーさん…
   この辺りは結構狂暴なモンスターが出るぜ?」

老人「ですが…エルフの女王には聞き入れてもらえません
   女王は息子が女王の娘をたぶらかし、夢見るルビーを
   盗ませたものと思い込んでおるのです」
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2012/03/30(金) 00:15:26.48ID:+e62wst3

マオ「その夢見るルビーとは何物なんだ?」

カンダタ「俺は話には聞いた事があるぜ、赤子の頭ぐらいはある
   どでけぇルビーの塊なんだとよ、ただそのルビーは
   エルフどもの呪いがあって、覗き込んだが最後
   体が石みてぇに動かなくなるんだとさ」

マオ「そんなルビーを何故?」

カンダタ「なにはともあれ、価値はあるからな
   売り飛ばして新居でもおっ建てるつもりだったんじゃね?
   夢見るルビーとやらを取り戻せば、ひとまずは
   話を聞いてくれそうな気もするけどな」

マオ「手っ取り早く脅迫した方が早いんだろうけどな」

エルフの女王「貴女が何をしようと…
     我々は人間の脅しに屈するつもりはありません」

 話を聞いていたのか、エルフの女王は供を連れて
湖の畔にやって来る。

マオ「…………………盗み聞きか?」

エルフの女王「いつまでも我々の村から立ち去れない
     貴方達に注意しに来ただけです」

マオ「アンタの娘…アンって言ったか?男と逃げた上で
   地底湖に身投げをしたって話は聞いたか?」

エルフの女王「何を言い出すかと思えば、
     そのような下らない作り話、
     アンはそのような心の弱い子ではありません」

カンダタ「じゃー…証拠を見せれば納得するんだな?
   オメェの娘と男が地底湖でテメェの意志で無理心中したって
   証拠を見つければよ」

カンダタ「そうすりゃぁ…全部テメェの思い込み、
   人間に非は無ぇ以上、ノアニールを戻して
   ちゃんと詫びをいれるんだろうな」

エルフの女王「…………良いでしょう…」
0087創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 03:59:33.00ID:yfqbsbYS

 ◆◇◆◇ ノアニール西の洞窟 ◆◇◆◇

マオ「せいっ!」

ヴァンパイア「クケェーっ!」

 背中から羽根を生やした男のような魔物、ヴァンパイア達を
切り捨てつつ、マオとカンダタの二人は地底湖へと
歩みを進める。

カンダタ「こいつを見てみろ…
   古い松明だ」

 カンダタが指で示す先には随分古い松明の燃え残りが
地面に捨てられていた。

 どうやら…人が入って来たのは間違い無いようだ。

マオ「…………心中した二人のものか判らないが…先に進んだのか
   にしても、この洞窟は天井や横幅が広いのは有り難いが
   奥行は随分あるな」

カンダタ「狭かったら武器も振るえねぇからな
   おっと…こっちのルートは外れだ、さっきの
   十字路まで戻るぜ?」

 カンダタは書いていた地図に×印を記入すると、
歩いて来た道を引き返す。

0088創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:00:09.15ID:yfqbsbYS
マオ「聞きたかったんだが…なぜ
   お前はこの件に首を突っ込んだ?」

カンダタ「オメェに付いて行けって
   言ったのは、オルテガのおっさんだろうが」

マオ「そうではなくて…ノアニールの一件は
   お前にとってはどうでも良いだろう?」

カンダタ「確かにそーなんだけどよ、
   でも、それを言ったらオメェだってそうじゃねぇか」

 ──────全くだ…。

マオ「わ…私は…そのォ…
   寝付けなかったから、ただの散歩な…だけだ」

カンダタ「じゃー…俺も
   それでいいだろうよ…って…おろ?」

 洞窟を進むと、地底湖の近くに青い栗のような形をした
モンスターが4匹程集まっていた。

マオ「なんだって…こんな奥に
   スライムが?」

カンダタ「さぁなぁ…
   ほーら、どけどけ…踏み潰しちまうぞぉ?」

0089創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:00:37.36ID:yfqbsbYS
 カンダタが足でスライムを小突くと、スライムは
カンダタの足にかみつく。

カンダタ「いでぇっ!せっかく見逃してやろうと思ったのに
   テメェ!何してくれやがる!」

 斧を振るうがスライム達の動きは予想外に機敏であり、
4匹も居るのに、1匹も仕留める事が出来ない…。

マオ「一体…何を遊んでいるんだ?」

カンダタ「…いい加減にしやがれっ!」

 カンダタがようやくスライムの一匹を仕留めるが。

スライム「ピキー!!」

 残ったスライム達が吠えると、スライムの声が洞窟に
こだましてゆき…。

マオ「うわっ!?」

カンダタ「…仲間を呼びやがったのか!?」

 ありとあらゆる所から、スライムの声に応じた
スライムの仲間達が現れる…。

0090創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:01:00.03ID:yfqbsbYS
 この世界では見なかったが、マオには呼び出される前の
世界で、このタイプのスライムを見た事があった。

マオ「まさか…合体スライム!?」

カンダタ「合体スライムって何なんだ?」

 カンダタの声に応じるかのように、
スライム達が一つの箇所に集まり、積み重なっていく。

マオ「逃げろ!」

カンダタ「アイツら…何をしようってんだ?」

マオ「いいから!」

 スライム達に背を向けて、マオは走り出し、
カンダタがそれに続いて走り出す。
 やがて辺り一帯のスライムが全て集まり。

 ボン!

 冠を被った一匹の大きなスライムに変身する。

カンダタ「なんじゃありゃぁ!
     あいつら…合体しやがったぞ!?
     スライムってあんな事が出来んのかよ!」
0091創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:01:36.84ID:yfqbsbYS

マオ「キングスライムだ」

 巨体なスライムはバウンドしながら接近し、逃げる
カンダタを跳ね飛ばす…。

カンダタ「ぐはぁぁぁっ!」

 キングスライムの攻撃に跳ね飛ばされたカンダタに
さらに追撃を掛けようとする、キングスライム。

マオ「カンダタ!!」

 マオが剣を抜き、カンダタとキングスライムの間に
割り込む。
 幸いに洞窟の中は狭く、キングスライムは思った以上に
俊敏に動けないようでもある。

マオ「ハッ!!」

 マオはキングスライムの体当たりを躱して、巨体を深く斬り付けるが…、
キングスライムの体が白い光に包まれたかと思うと、切り口が
一瞬で塞がる。

マオ「…べホイミか」

 スライムの厄介な所は急所が無い所だ、力任せに粉砕出来れば良いが
その力は無い…。

カンダタ「おぅら!ベギラマァ!!!」

マオ「よせ、無駄だ!」

 カンダタの放った閃光呪文が空を切り裂き
キングスライムを両断するかと思われた…。
 しかし、キングスライムの手前で紫色の呪文に
包まれて霧散する。
0092創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:02:24.91ID:yfqbsbYS

カンダタ「呪文が利かねぇ!!」

マオ「走れ!逃げるしかない!
   細い通路に逃げ込めば撒けるかもしれない」

 カンダタを連れてマオは全力で走り抜ける、
背後からは冠を被った巨体スライムが凄い速度で
転がってくる。

カンダタ「避けろ!マオ!」

 カンダタが叫ぶと同時に、横に飛び
巨体スライムの体当たりを躱す…。

キングスライム「ピギー!!」

 巨体が洞窟の壁に激突し、天井から
ぱらぱらと破片が落ちる…。
 飛び退いた際に手放してしまったのか、
誘惑の剣が乾いた音を立てて転がる。

 戦いの音に誘われたのか…さらにモンスターが
通路の奥から出現する。

カンダタ「スライムの次は鉄の化け物が
    でやがった…!」

 青く輝くブルーメタルのボディ、勇者が着込んでいた
ロトの鎧やロトの盾と同じ材質、感情の無い一つ目に
右手に大振りの刀、左手にマウントされたボウガン。
 4足の足…殺人機械の名を冠するモンスター。

マオ「お次は、キラーマシンだと!?
   どうなっているんだ!」
0093創る名無しに見る名無し
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2012/03/31(土) 04:03:11.93ID:yfqbsbYS

カンダタ「無茶苦茶強そうだぞ、オイ」

マオ「前門のメカ、後門のキングスライムか」

カンダタ「ああ…俺様もここまでなのね…
    さようなら…俺の愛しい子分達よ…」

マオ「アホ言っていないで、戦えっての」

カンダタ「無茶言うなよ…
    こんな状況で…どーしろっていうのよ」

 キングスライム一匹相手にここまで苦戦している
と言うのに、キラーマシンまで出て来られると
流石に…旗色が悪すぎる。

 しかも…マオに至っては今は武器も持って居ない
丸腰状態なのだ。

マオ「カンダタ!なんでも良い!
   奴らを引き付けろ!」

カンダタ「分かった!おうおうテメェら…
   俺様を見やがれ!」

 カンダタが大声でモンスター達の気を引き、
マオがその間にキングスライムの横をすり抜けて、誘惑の剣に
向かって飛びつく。

0094創る名無しに見る名無し
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2012/04/03(火) 02:24:16.45ID:UEUWInk3

カンダタ「1番、カンダタ…
   とりあえず脱ぎます!」

 カンダタは自らのパンツに手をかける…。

 ───オマエ、パンツ一丁だろうが────。

 と言う、突っ込みをいれようとしたのか、しなかったのか
キラーマシンと、キングスライムはひとまずカンダタに
注目してはいる。

マオ「ハッ!!」

 マオは手にした誘惑の剣を高く掲げると、赤い光がキングスライムを
包み込む。

キングスライム「ピギー!?」

 赤い光…誘惑の剣には呪文…メダパニの効果がある…を
まともに受けたキングスライムは混乱し、キラーマシンに対して
襲いかかる。

カンダタ「おおっとぅ…!?」

 キングスライムとキラーマシンが争いはじめ、
マオやカンダタ達を相手にする余裕が無くなったよう見える。
0095創る名無しに見る名無し
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2012/04/03(火) 02:24:39.08ID:UEUWInk3
 キラーマシンの注意が逸れた隙に、マオはキラーマシンの背後に回り込み、
首の後ろのレバーを回す。
 重い音と共に、背後の装甲板が上下に開き人間が一人ぐらい入れるぐらいの
スペースがそこに現れる。

カンダタ「まさか…乗れるのか!?」

マオ「しばらく、スライムを引き付けていてくれ」

カンダタ「わかった!」

 カンダタにキングスライムを任せてキラーマシンの内部に滑り込み、
キラーマシンを自動操縦から手動操縦に切り替える。
 普通は魔王となるものの魔力で動き戦うはずだが、このキラーマシンには
なぜか主人となる魔王は居ないようだ。

 実際、動力源となる魔王の魔力が無ければ、やがて機内の魔力を使い果たし
勝手に止まるはずである、実際このキラーマシンは魔力が殆ど空だったりも
したのだが。

マオ「随分旧型のキラーマシンだが
   主は…誰なんだろうか?」

 疑問に思う所だが、今はそれどころではない…
人間にされてしまい、魔力も随分弱まったがキラーマシン一体動かすぐらいなら
なんとでもなるだろう。

 操縦桿を握り、魔力を流し込んでキラーマシンを再起動する。
0096創る名無しに見る名無し
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2012/04/03(火) 02:24:53.98ID:UEUWInk3

カンダタ「動きやがった!?」

マオ『よし!なんとかなりそうだ
   下がっていろ!』

 カンダタに下がるように指示し、キングスライムの前に出る。

キングスライム「ピギーっ!」

 キラーマシンを完全に敵とみなしたのか、キングスライムが突撃してくる、
マオはキラーマシンに攻撃を指示し…。
 キングスライムはたったの一撃で真っ二つに両断された。

カンダタ「おめぇ、どこでこんなのの動かし方を…」

マオ『背中に乗れ、このまま突破するぞ…』

0097創る名無しに見る名無し
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2012/04/03(火) 02:25:17.56ID:UEUWInk3
 ◆◇◆◇ ノアニール西の洞窟:奥 ◆◇◆◇

 キラーマシンを入手できたのは幸運だった、
動かす度にMPを消費するものの、キラーマシンの強さは
かなりのもので、敵と言う敵を片っ端から両断して行った。

 さらに、防水も効いているようであり、
水嵩が増した地下水の中も平気で歩いて行けるのだ。
 ややあって、広い部屋に辿り着く…広い湖のある部屋…地底湖だ。

カンダタ「…随分奥まで来たな」

マオ『……ここらが、最奥部か?…』

カンダタ「いくらなんでも、これ以上は素人には
     入り込めないだろうよ、おっと…そこに
     上がれそうだぜ」

 カンダタの指す方向にキラーマシンを上陸させ、
マシンの照明で辺りを照らしたままマシンの外に出る。

マオ「綺麗な所だな…」

カンダタ「マオ!こいつを見てみろ
    遺書だ!」

 カンダタの言う辺りを見てみると、遺書と書かれた
手紙が置いてある、その手紙の重しに使われているのは
赤い巨大な宝石。

カンダタ「すんげー、でっけールビーだ」

マオ「これが、夢見るルビーか」

0102創る名無しに見る名無し
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2012/04/12(木) 00:03:28.46ID:Ns9sAMNE
サンクス、
 少なくとも、ノアニール編は終わらせたいので結局書いた、
風邪でバグっている分は大目に見てください。
//------------------------------------

 カンダタがキラーマシンのライトにルビーを
翳すと、赤く輝く。

カンダタ「すっげぇ…本物だ…
    ガラスなんかじゃねぇ…このサイズで本物のルビーだ」

マオ「どれどれ?」

 マオがカンダタの持つルビーを見ようとルビーに顔を近づけるが。

カンダタ「あぶねぇ!」

 カンダタはルビーを素早くマオから離す。

カンダタ「あまり顔を近づけるな…
     呪いが掛かっているらしく、体がマヒして動かなく
     なっちまうぞ?」

カンダタ「なぁ?こいつ返しちまうのか?」

マオ「ネコババする気かよ」

 ルビーと共に置かれた手紙を手に取ってみると、
やはり遺書のようだ、空気中の水分を吸って、
文字がやや滲んでいるが読めない訳でもない。

0103創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 00:04:24.30ID:Ns9sAMNE
────お母様 先立つ不孝を お許し下さい。
私達はエルフと人間、この世で許されぬ愛なら
せめて天国で一緒になります────。

                  アン

カンダタ「うおおおおおぉぉぉぉおぅ…おうおう!」

 そして…カンダタが号泣。

マオ「やかましい奴だ…ん?」

カンダタ「………………なんでぇ」

マオ「見てみろ」

 カンダタが水面を覗き込んでみると、人型の
ようなものが水中に沈んでいるようなのが見て取れる。
 どうやら、自殺したエルフの娘と人間の男らしい。

カンダタ「ひえぇ…
     ナンマンダブ!…ナンマンダブ!」

マオ「よりにもよって入水自殺か
   浮かんでこない辺り、石でも抱えて飛び込んだみたいだな」

 遺書とルビーを袋に入れて、キラーマシンに再び乗り込む、
ここでの用事は済んだ、さっさと帰ろう。

カンダタ「仏さんはどうするんだよ?」

マオ「天国とやらで一緒になるのがお望みなんだろ?
   このまま死体を持ち帰っても、別々に埋められるのが
   オチだ」
0104創る名無しに見る名無し
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2012/04/12(木) 00:09:10.29ID:xlPMrAQ+

 ◆◇◆◇ ノアニール半島:エルフの村:女王の家 ◆◇◆◇

 再びエルフの村に戻るが、エルフ達の態度は冷ややかだった
他のエルフ達に関しては敵意や武器を向ける者も居たが、
実際に攻撃して来る者は居なかった。

エルフの女王「また、貴方達ですか、まだ何か言い足り無いのですか?」

 うんざりしたような口調で言葉を吐き棄てる女王、
道具袋から夢見るルビーを取り出し、テーブルの上に置くと
女王の顔色が変わった。

カンダタ(あぁぁ……さようなら、俺のルビー)

 ついでに言うならば、未練たらたらなカンダタの顔も
印象的だった。

エルフの女王「これは!夢見るルビー!
       一体どこでコレを!?アンは一体何処に」

マオ「それについては、お前に手紙を預かってきている」

 マオが遺書を取り出すと、女王は奪い取るかのように手紙を
受け取り素早く目を通すと、見開かれた瞳から大粒の涙が
零れ落ちる。

エルフの女王「これは…確かにアンの字…
       そんな…なんで…」

エルフの側近「女王様…お気を確かに」

エルフの女王「一体…なんでこんな事を…
       可哀そうなアン、人間に騙された上に
       殺されてしまうなんて」

0105創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 00:09:34.02ID:xlPMrAQ+
マオ「殺したのはお前だ」

 ───パァン!!

 乾いた音が室内に響き、音が戻ると同時に
マオは女王に頬を叩かれた事を自覚する。

エルフの女王「アンは貴方達人間に騙されたんです!」

マオ「…………そういう思い込みが
   お前の娘を殺したんだ」

エルフの女王「…………………っ!」

マオ「それでもアンタ達が人間を避けようが、嫌おうが
   私には知った事ではないが」

マオ「これで何も変わらないとしたら、
   無駄死にだったって事だろうな、お前の娘も
   人間の男も」

カンダタ(…………よ…容赦ねぇ〜)

 女王に背を向けて部屋を出ようとするが。

エルフの女王「………待ちなさい」

 女王に呼び止められ、棚から袋が取り出され、
机の上に置かれる。

エルフの女王「これを…」

マオ「これは…一体?」

0106創る名無しに見る名無し
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2012/04/12(木) 00:10:05.97ID:xlPMrAQ+
 袋を手に取り、開けてみると金色の粉のようなものが
ぎっしりと詰まっている。
 まるで金粉のような綺麗な細かい砂のようなもの。

エルフの女王「目覚めの粉です、これがあれば
       ノアニール村の人達がかかった呪いが解けるでしょう」

 マオは女王を見るが、首を横に振り袋を受け取らずに
玄関から出て行く。

カンダタ「オイ!貰って行かなくて良いのかよ?」

マオ「それはお前が自分で始末を付けろ
   娘達への償いは、お前がやるべきだ」

 ◆◇◆◇ ノアニール〜カザーブへの街道 ◆◇◆◇

 空が白み始めてきた、そろそろ夜が
明けようとしているらしい。

 キラーマシンの肩の上に乗ったカンダタが、
ぼやいていた。

カンダタ「あー…もったいなかったよなぁ…
     あの馬鹿でかいルビー」

マオ「まだ、未練があったのか…」
0107創る名無しに見る名無し
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2012/04/12(木) 00:11:20.23ID:xlPMrAQ+

カンダタ「だってよ!単体であんな馬鹿でかいルビー
     売り飛ばせば100万ゴールドは楽に手に入ったぜ?」

マオ「じゃぁ、今からでも盗りに行ってくるんだな」

カンダタ「いくら盗賊でも、
     ンなだっせぇ真似出来るかよ」

マオ「……………お…?」

 キラーマシンのバックカメラが
不自然な光をとらえる。

 マオはキラーマシンを停止させ、不自然な光が
空に立ち上る方へとカメラを向ける。
 空高く…金色の光の柱が立ち上り、
金色に輝く粉のようなものが、空から降り注いでる。

カンダタ「アレは…ノアニールの方じゃねぇか!」

マオ「………………目覚めの粉。」

カンダタ「これで、村の連中も目を覚ますな
     ったく報われねぇよなぁ、結局タダ働きじゃねぇか」

マオ「今からノアニールに行って、
   カンダタがやりましたって、大声で騒いでくるんだな
   上手くすると、村長から謝礼ぐらいもらえるかもな」

カンダタ「そんな格好悪い真似出来るかよ」

 マオは再びノアニールに背を向けてキラーマシン動かす、
オルテガの待つであろうカザーブ村へと。
0108創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 00:16:28.29ID:xlPMrAQ+
締めが微妙だったけど、
やっと、ノアニールの話が終わった、
次はイシスとアッサラームの予定
アッサラームと言えば、商人とぱふぱふの
街・・当時、ぱふぱふの意味知らなかったなぁ

で、例によって全然番号が消化できていない。
まだ>>107

それでは薬飲んで、風呂入って寝ます
0110創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 23:24:22.87ID:xlPMrAQ+
サンクス、風邪が悪化した(ぇ
でも、折角(?)風邪ひいたので、風邪をネタに
1話書く
0111創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 23:52:15.51ID:xlPMrAQ+
とは言え、作中の症状程
深刻な訳でも無いのだが。
//-------------------------------------
 ノアニールから、カザーブ村へと向かったが
オルテガは戻っておらず、そのままキラーマシンに
乗ってロマリアへと南下する。

カンダタ「あーあ…
    俺もこれでこの世の見納めか」

 遠目に見えてきたロマリアの街を見て、
カンダタは盛大に溜息をついた。
 それでも逃げ出さない辺りが、この男らしい
と言えばらしい。

カンダタ「よう…さっきから何を黙っているんだよ
     こちとら、年貢の納め時なんだ、少しぐらい
     話し相手になってくれよ」

 キラーマシンの肩に乗ったカンダタが空を見上げながら
マオに語りかけるが、返事が無い。

 ……………………ブゥウゥゥゥゥゥゥウン……ガクン。

 突如キラーマシンの動きが停止し、カンダタは地面へと
放り出される。
 
カンダタ「ってぇ…何をしやがるんだ!」

0112創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 23:52:42.13ID:xlPMrAQ+
 カンダタが抗議の声をマオに投げかけるが、返答は無い、
キラーマシンのモノアイからは光が失われ、まるで鉄の人形の
ように動く気配が無い。

カンダタ「おい!、嬢ちゃん?」

 やがて、背後のハッチが上に開き、中からマオが
這いずり出して来る。

カンダタ「……どうしたんだよ!顔色が悪いぜ
     うわ…熱までありやがる」

マオ「………………カン……ダタ………ゲホゲホ。」

 マオの声はガラガラ声で喋るのも辛そうだ、
カンダタはマオの喉や熱を軽く診察し…。

カンダタ「…この馬鹿!…風邪を拾いやがったな
     そのままカザーブからずっと運転してやがったのか」

マオ「…そうか、これが風邪か
   結構しんどいものだな。」

カンダタ「おめぇよぅ…馬鹿は風邪ひかないって言葉
     知っているか?」

マオ「………馬鹿とは……心外だな……ゴホゴホ。」

カンダタ「正しくは馬鹿は風邪をひいても
     気が付かないって意味だ」

マオ「カンダタ、お前は先へ行け…ゴホゴホ
   私は少し休んでから追いかける」
0113創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/12(木) 23:52:58.88ID:xlPMrAQ+

カンダタ「とにかく、ロマリアはもうすぐそこなんだ」

 カンダタは、キラーマシンの背後に括りつけられていた
荷物をマシンのコックピットに素早く放り込む。

カンダタ「ほら、マシンをロックしてくれ
     俺には出来ないんだから」

 キラーマシンの開閉を含む全ての操作は普通の人間には
行えない、元魔王であるマオには人間でありながら操作できるようだが。

 カンダタの言うままにキラーマシンのハッチを閉じて
ロックを掛ける。

カンダタ「ちょっと待ってな」

 カンダタは斧を肩に抱えてニヤリと笑うと、
その辺りの木の枝やら、茂みやらを斧で刈り取っていく。

 刈り取った草木をキラーマシンに括りつけて、キラーマシンを
完全に覆い隠す。
 一刻程してカンダタは満足し、斧を腰のバンドに括りつける。

カンダタ「ほれ、おぶさりな
     ロマリアはすぐそこなんだ、なんとかなるだろ」

マオ「死刑囚に助けられるとはな…ゴホゴホ
   逃げ出すチャンスだろうに」

カンダタ「バーカ言っているんじゃねぇよ、可愛い子分のためだ
    それに、俺って紳士だからな」

マオ「……良く言う」

カンダタ「しんどいなら寝てろ、着いたら起こしてやるからよ」

 しかし…つくづくも人間とは不便なものだ、
爆発的な強さや賢さを持ちながらも、その実は酷く脆弱だ。

 カンダタの背中に揺られながら、マオは静かにめを閉じた。
0115創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/13(金) 23:26:59.92ID:E+Nl1eBo

 ロマリアに戻ると、マオは宿屋の自室へと直行となった、
さしもの回復呪文も病気には効果が無い、むしろ病原菌を
活性化させてしまう可能性もある。
 徳の高い僧侶の場合、どんな重症でも立ちどころに回復できるが、
病気の場合は別であった。
 よって、ロマリアでも

医者「キミ…回復呪文か何か使ったかね」

マオ「…ホイミを………何度か…」

医者「冒険者の端くれなら覚えておきたまえ、
   病気になった場合、回復呪文は厳禁だ、
   それと、体調が少しでも悪かったら街の外には
   出ないのが当たり前じゃ」

マオ「……面目ない…」

オルテガ「この俺とした事が、そんな基本的な事を
    教え忘れるとはな」

カンダタ「この世間知らずの嬢ちゃんは、
    とんでもねぇ事をするくせに、子供でも知っている事を
    知らなかったりしやがるな」

 背後でオルテガとカンダタが呆れ顔で言い合っている。
0116創る名無しに見る名無し
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2012/04/13(金) 23:27:26.03ID:E+Nl1eBo

オルテガ「とにかく、お前は大人しく養生して居ろ
    城へは、俺とカンダタで行く、
    細かい手続きは全部終わって、後は
    陛下から沙汰が降りるのを待つのみだ」

カンダタ「んじゃーな、達者でなお嬢ちゃん
    先に地獄へ行っているわ、また会おうぜ」

 死刑になると言うのに、カンダタはまるで
お使いにでも行くように気軽に挨拶してカンダタは
出て行こうとする。

マオ「…………………カンダタ」

 その背に声を変えると、カンダタは一瞬歩みを止める。

マオ「…………………………ありがとう。」

 礼を言うとカンダタばかりか、オルテガとマギーも
驚愕の顔を見せる。

オルテガ「…マ…マオが…」

マギー「笑っただって!?」

カンダタ「やっぱおめぇ…そうしている方が可愛いぜ、
    じゃぁな」

 そして今度こそ、カンダタは両手に腕輪をされたまま
オルテガと共にロマリアの城へと向かっていく。

 マオは城へと続く道を窓から見下ろし、兵士に連行されていく
カンダタの背中をいつまでも見送っていた。
0117創る名無しに見る名無し
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2012/04/13(金) 23:28:08.74ID:E+Nl1eBo
折角のシーンももう少し感動を与えるように書けない辺り、
三流だなぁ、俺。
んじゃ、寝る…おやすみ。
0119創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 12:52:01.33ID:sC2u9jLs
 ありがとう、どこまで出来るかわからんけど
誰かが見てくれている限り頑張ってみるよ
//---------------------------------------------
 ◆◇◆◇ ロマリア城:玉座の間 ◆◇◆◇

国王「おおっ!オルテガ殿
   よくぞ戻られた」

国王「そやつが国賊、カンダタであるか
   よくぞ捕えてくれた、礼を言おう。」

オルテガ「先日ご報告させて頂いた通り、
   この者、カンダタは自ら金の冠を返上し、
   自首と引き換えに部下の身柄を解放する事を
   希望しております、何卒…寛大な処置を」

国王「ふむ…………。」

 国王は顎に蓄えた髭を指で摩り、暫し思案する。

国王「カンダタよ、オルテガの言い分に相違は無いか?」

カンダタ「特にねぇな…
    約束通り俺の首と奪った財宝はくれてやる、けど
    部下の自由は保障してもらうぜ?」

オルテガ「敬語!」

カンダタ「…もらう…です。」

 脇腹を突くオルテガに、慌てて語尾を付け足すカンダタ。

カンダタ「全部は俺…いや…私が主犯だ…です、
     あいつらは関係無い…です。」

国王「盗賊は例外なく、斬首刑じゃ…」

国王「……しかし…、アリアハンの勇者と呼ばれた
   オルテガの名に免じて、条件付きではあるが
   部下共の釈放を許可しよう」

オルテガ「寛大なるご配慮、感謝します」

国王「首領カンダタの処刑は一週間後、
   ロマリアの中央広場にて執行する!
   異議の有る者は?」

大臣A「異議なし!」

大臣B「異議なし!」

 ………………。

国王「よって…これにて裁判は閉廷!」
0120創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:20:09.82ID:sC2u9jLs

 バァン!!!

 勢い良く謁見の間の扉が開かれ、黒髪の女が
乱入してくる。

マオ「異議あり!………ゲホ…ゲホ……」

オルテガ「マオ!」

カンダタ「おめぇ…宿屋で倒れていたんじゃねぇのかよ!」

 寝間着のまま上着をひっかけて飛び出した来たのだろう、
酷い姿だった。

マオ「…国王陛下…この様な姿で謁見するご無礼を
   お許し下さい…ゲホ…ゴホ…!」

国王「お主は…確かオルテガ殿の弟子の
   マオ殿?」

マオ「この者…カンダタは、ノアニールにてエルフ族を説得し
   昏睡事件を解決した功績者にございます…ゴホ」

 倒れそうになりがらも言葉を吐き続けるマオ、オルテガに肩を
貸してもらい、なんとか意識を繋ぎ止める。

マオ「さらにカザーブ村よりロマリアに戻る際、
   病気に冒された私を助けてくれた命の恩人にございます」

マオ「何卒…処罰の再考を…」

 …ガヤガヤ……ガヤガヤ…。

大臣A(ノアニールの昏睡事件?)

大臣B(先日にノアニールの住人が目を覚ましたとか報告を受けたが)

0121創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:20:43.31ID:sC2u9jLs
国王「静粛に!静粛に!」

カンダタ「そいつは俺だけの功績じゃねぇよ、
     そこに居る嬢ちゃんが動かなければ、俺は何もしなかったぜ?」

国王「そにかく…その件について、報告せよ
   …………マオ殿…は辛そうだから、被告人カンダタ…
   貴様が証言するが良い」

カンダタ「いいのか?俺が有利になる証言をするかもしれないぜ?」

国王「構わぬが…尋問した上で…故意による嘘だと知れた場合、
   即刻貴様の首を跳ね飛ばしてくれるわ」

カンダタ「おー…怖い怖い…」

 カンダタが証言し、国王や大臣がマオに確認を促し
マオが頷いて肯定して行く。
 たまに、カンダタに尋問が入り…カンダタの知らない事などを
マオが補足して行く。

 一通りの証言や尋問が終了し…、国王は再び髭を摩る。

国王「なるほど…の…
   ノアニール昏睡事件のあらましについては、粗方
   理解した、全てでは無いがこの者の功績はあるようだ」

大臣B「ですが陛下!城に忍び込んだ賊を
    無罪放免にしたとあっては、国のメンツに関わりますぞ」

騎士A「しかし…功績があるにも関わらず
    それを考慮せず処刑をしたとあっては、それこそ
    民にしれたら」

大臣A「いや…今回の裁判は傍聴人は居ない
    この場に居る者が閉口すれば済む話ではないか」

騎士B「貴様!誇りある騎士の国ロマリアが
    真実を覆い隠そうなどと、許されるはずも無いだろう!」

国王「……待て…待て…………
   静粛に!静粛に!」

 大臣や文官や騎士達を国王は片手で制すると、
ざわめきが収まる。
0122創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:21:10.43ID:sC2u9jLs

国王「……如何思われるか?オルテガ殿
   第三者たるお主の意見を聞きたい」

オルテガ「…そうですな…
    法は法…いくら功績者としても、特例を認め
    守るべき法を曲げては示しがつかないでしょう」

国王「……………ふむ…して?」

オルテガ「しかし…この者の戦力は相当なもの…
    未熟とは言え、私の弟子マオを一度は追い詰めた
    者にございます」

オルテガ「この者の命、このオルテガが預かって
    よろしいでしょうか?
    かねてよりお話のあった魔王討伐の件、
    この者を連れて行きたいと存じます」

マオ(魔王…討伐?)

 そんな話は初めて聞いた、しかし…アリアハンの勇者と
呼ばれるオルテガの事だ、ロマリア国王からも内々に依頼を
受けていても不思議ではない。

大臣B「しかし…それではこの者が逃げ出す可能性も」

オルテガ「その時はこのオルテガの首
    持って失態を償いましょう
    無論、本人にその意志があればですが」

カンダタ「オイオイ…おめぇはそれで良いのかよ…」

マオ「不足でしたら……ゴホゴホ…
   …私の首も預けましょう…」

カンダタ「嬢ちゃん…オメェまで…」

国王「良いだろう!選ぶが良い!カンダタ
   一週間後に公開処刑されるか、それとも
   死を覚悟して魔王討伐の旅に付き合うか」

カンダタ「まったく…このお人よしどもがよ
     いいぜ?どうせ死ぬんだ…地獄の果てまで
     付き合ってやるよ」

国王「良かろう!カンダタの処罰は保留!
   身柄はオルテガ殿とマオ殿で預かるものとする!
   本日はこれにて閉廷!」

 カァン!

 国王の振りかざしたハンマーが心地よい音を立てて
裁判が終了する。

0123創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:54:30.42ID:sC2u9jLs

 ◆◇◆◇ 宿屋2F:マオの自室 ◆◇◆◇

マギー「…………………39.7℃………」

 体温計を見て、そこに表示された温度を
マギーが読み上げる。

マギー「……見事に悪化したわね…
    部屋を抜け出して、城まで全力疾走すれば
    そりゃ、風邪も悪化するわ」

マオ「…………………申し訳ない…」

マギー「そりゃ、アンタの命の恩人だけどさ
    同時に命を奪おうとした敵だったんでしょ?
    なんだってそこまでして、助けに行ったんだか」

マオ「……………良くわからない」

 魔王時代なら、人間なんて一晩で村毎滅ぼすのは
当たり前だった、女子供であったとしても、老人だったとしても
そこには関係ない。

 殺戮…と言うよりも、戦争だったのもあるが
人や部下の死は当たり前だったし、作戦遂行のためには
仲間に生きては帰れない命令を下した事もあった。

 長く生きていた間にはその中には親友や兄弟の命ですら
含まれる。
 自らの病気を悪化させてまで仲間の命を助けに行く、
昔では絶対考えられなかった。
 風邪で思考が鈍っているせいか、それとも脳の構造が人間の
女になったせいだろうか?

0124創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:57:01.67ID:sC2u9jLs

マギー「……とにかく、今日は大人しく寝てな
    次に抜け出したらロープで縛りつけるからね」

 タオルを絞ってマオの額に乗せ、マギーは部屋を出ようと
扉を開ける。

 ドドドド………………。

 ドアを引くと、ドアの隙間から聞き耳を立てていたで
あろう、カンダタの子分達が倒れこんでくる。

マギー「………………あんたら…。」

子分A「マギーさん!姐さんは大丈夫ですかい!?」

子分B「お…俺、果物買ってきました」

子分C「俺は風邪薬買ってきやした」

 どうやら、風邪を押してカンダタを弁護に行った事で
カンダタ子分達に気に入られたらしい。

カンダタ「…おめぇら…
    仕事ほっぽり出して、こんな所で何してやがる!」

子分達『親分!?』

カンダタ「油売って売ってねぇで、戻らねぇか!」

子分A「そういう親分だって…油売っているじゃねぇっすか
    ずりぃっすよ、俺達だってたまには姐さん拝みたいっすよ」
0125創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 13:57:19.06ID:sC2u9jLs

 ゴチン!!

 口答えする子分の頭に、カンダタの拳が飛んだ。
子分Aの目から星が飛んだような気がする。

カンダタ「とにかく、代表して俺が見舞うから
     オメェ達はさっさと仕事に戻れ!
     その果物と薬はちゃんと渡しておいてやるからよ」

子分C「ええっ!薬って高かったんすよ」

カンダタ「もう一発欲しいか!?」

 カンダタが拳を振り上げると、子分達の顔が青ざめ。

子分達『うわぁぁぁぁあん…
    親分のおたんちーん』

カンダタ「あんだとぅ!?」

 そして、蜘蛛の子を散らすように子分達が逃げて行く、
子分達が居なくなり、カンダタも大人しく見舞うだろうと踏んだマギーは
階段を下りて戻っていく。

カンダタ「ったくあいつらは…………
    すまねぇな、騒がしい野郎どもで」

マオ「……慕われているんだな」

カンダタ「まぁ…な、ああ…
    これ子分どもから差し入れだ」

マオ「……礼を言っていたと、伝えておいてくれ」

 薬と果物をテーブルの上に置き、近くの椅子に腰を下ろす。
0126創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:54:54.25ID:sC2u9jLs

 マオは薬を手に取り、口に含んで水で飲み込む。
苦い薬に顔をゆがめるが、良薬はそう言う物らしい。

カンダタ「礼を言うのは俺の方だ
     おかげで首が繋がった」

マオ「礼なら師匠に言ってくれ、
   結局は師匠の名で助かったようなものだ」

カンダタ「おかげで、魔王退治に行くハメになっちまったがな」

マオ「…………………魔王退治…か。」

 小さく呟いてから、マオはカンダタになら
全てを明かせるだろうと、決意を決める。

マオ「カンダタ…魔王ってなんだと思う?」

カンダタ「そりゃ…おめぇ…人類の敵だろ…
    奴さんのおかげで、人間はボロボロ死んで行っている
    もっとも、規模は違えど…俺達盗賊も
    似たようなもんかもしれねぇけどな」

マオ「人類の敵…ね…
   けど、魔王や魔物にしてみれば人類こそ自らの種族や土地を荒らす
   害悪と思っているんだろうな」

カンダタ「まぁ…そうかもしれねぇなぁ」
0127創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:55:45.50ID:sC2u9jLs

マオ「となると、人間の王や勇者が…
   魔物にとっての魔王って事になる、魔物達も死にもの狂いで
   勇者…すなわち魔物から見た魔王を討伐しようとするだろう」

マオ「仮に…人間が魔物との戦争に勝利したら
   どうなると思う?」

カンダタ「そりゃ…少なくとも、魔物の脅威は無くなるだろうな」

マオ「そうだな、そして…今度は
   魔物に向けられていた武器や呪文、兵器が
   人間同士の争いに向けられるだろう」

カンダタ「そう…だろうな…
    俺も盗賊やって金持ちやら貴族やらを見て来たけど
    人間の欲ってのは、無限だからな」

マオ「魔物側にしても同じこと、
   現に人間の居ない魔界では、魔族や魔物同士の
   権力争いや覇権争いが絶える事は無い」

カンダタ「マオ…おめぇ………」
0128創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:56:53.55ID:sC2u9jLs

マオ「魔物同士で戦うよりも脆弱な人間を倒して土地を奪う、
   やがて…自らより弱い人間が居なくなったら、自らより
   弱い魔物を倒して奪う。」

マオ「かといって、戦いや争いを否定する事はできない…
   人間や魔物が使っている便利な呪文の数々は、戦う為に
   生み出された物だ、戦いが無ければ製鉄技術すら
   生み出されなかったかもしれない…」

マオ「戦いは本能だ、否定する事は出来ないし、
   戦いを否定されたとしたら文明は緩やかに滅んでいく」

 薬が効いてきたのだろうか、マオの表情に眠気が降りてくる。

マオ「結局は…神の手のひらの上…
   ………私達…魔王や…人間は…どこまで戦えば…良いん…
   だろう…な………」

 カンダタは眠りに落ちたマオから薬の瓶を受け取り、
再びテーブルの上に置く。
 額の上のタオルを取り、水で洗ってから搾り再び額に乗せる。

カンダタ「俺はよ…もう決めてんだ
    例え、世界中の連中に後ろ指さされても、テメェらに
    齧りついていくってよ
    魔王でも勇者でもロマリア軍でも喧嘩を売れっつーなら、
    そうするし、神を殴り飛ばせっつーなら、してやるよ」
0129創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:57:20.52ID:sC2u9jLs

 ◆◇◆◇ 宿屋の前の広場 〜一週間後〜 ◆◇◆◇

マオ「せいっ!はっ!」

 カラン…カラン……

 空中に放り投げられたマキをマオの剣が片っ端から
両断して行く。

カンダタ「1498…1499……これでラストだ!」

マオ「はいよ!」

 カンダタが宙に放り投げたマキをマオの剣が両断する…。
綺麗に均等のサイズに割られた最後のマキが地面に落下した。

マオ「ふぅ…これで、ようやく全盛期!」

マギー「……ほい、お疲れ!…完全に体力が戻ったみたいね」

 マギーが放り投げたタオルを受け取り、汗を拭きとる。
病気自体は直ぐに治ったのだが、冒険の最中に風邪がぶり返したら
薬草は使えても、回復呪文が使えなくなったりする大変な事態になる。

 体力を戻すのと、風邪が抜けるまでの大事を取って一週間、
ロマリアの宿屋に滞在していた。

マギー「……それと、コレ…
    オルテガさんからの手紙」

カンダタ「旦那から?なんだって?」

 マギーから受け取った手紙を一読し、カンダタに渡す。

マオ「イシスに着いたってさ」

カンダタ「へぇ…無事についたのか」
0130創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:57:56.26ID:sC2u9jLs

 マオが養生している間、オルテガは先に砂漠の国イシスへ向かって
旅立っていた。
 魔王の城…バラモス城は山に囲まれた先にあるため
陸路からは容易に潜入できない…、したがってイシス王家に伝わる
熱気球を借り受ける事になり、熱気球の準備とイシス女王の協力を
取り付ける為、一週間程前に出発した。

子分A「姐さーん!!…………げ、親分…」

カンダタ「なんだ、その『げ、親分』ってのぁ」

 何か包みを持って現れるカンダタの子分達、
一抱えするほどの大きなもののようだが。

子分A「姐さんの為に、防具屋に拵えてもらいやした
    俺達の礼の代りっす、使ってやってくだせぇ」

マオ「私に?」

 包みを解いてみると、中から綺麗な鎧が姿を現す…
白のレザーで出来ており、胸の部分のみ金属の
プレートで補強されてた上、模様まで彫金されている…。

マギー「…随分綺麗な鎧じゃないかい…」

子分A「姐さんの為に、防具屋に拵えてもらいやした
    俺達の礼の代りっす、使ってやってくだせぇ」

 装着してみると、今までの革の鎧よりも軽いぐらいだ
それでいてかなり頑丈な作りになっている。
 動きも全く邪魔にならない…、さらに白のマントもある。

子分B「こっちのマントはある程度の炎のブレスを
    防ぐ事もできまさぁ」

マオ「これって…凄い値段したんじゃないのか?」

子分C「……いいんす…いいんすよ…
    どうせ塔から持ち出した親分のへそくり…じゃなかった
    俺らの気持ちっすから」

マオ「ありがとう、大事に使わせてもらうよ」
0131創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:58:34.29ID:sC2u9jLs

カンダタ「今一瞬聞き捨てならねぇ話が聞こえた気がしたが
     まぁいい…それよりも、俺の装備は無ぇのか?」

子分A「あー…はい…
    親分にはこれっす…」

 子分達が小さな包みを取り出す…。

カンダタ「ず…随分ちいせぇが…
     大きさじゃネェよな…」

 包みを開けると、中から出てきたのは。

子分B「親分のステテコパンツ…洗っておきやした」

カンダタ「おうめぇぇぇえええぇらぁ!
     良い度胸だ、歯ぁくいしばれ!」

子分達『うわぁぁぁぁあん…
    親分がキレたぁぁぁぁ』

カンダタ「待ちやがれぇぇぇぇ!」

0132創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:59:22.20ID:sC2u9jLs

 ◆◇◆◇ ロマリア〜アッサラームの街道 ◆◇◆◇

 オルテガに遅れる事一週間後。

 アッサラームへ続く海岸沿いをを突き進むキラーマシン、
その後ろには幌付きの馬車の荷台のようなものがけん引されていた。

 カンダタ子分達が用意した中古の馬車の荷台を改良し、
キラーマシンが牽引出来るように改良したものだ。

 キラーマシンはマオが操縦し、カンダタはキラーマシンの
肩ではなく、荷台に乗っている。

マオ「こんな物まで用意してくれていたとは」

カンダタ「あいつら…よっぽとオメェの事が
   気に入ったらしいな」

 伝声管のようなホースで荷台に居るカンダタと
キラーマシンコックピットのマオが喋れるようにも
改良してくれていた。

カンダタ「けどまぁ、…キラーマシンの肩に
    乗らずに済んだのは素直にありがてぇな
    上下に揺られて吐きそうになっちまうぜ」

マオ「だったら、あんな顔の形が変わるまで
   殴らなくても」

カンダタ「オメェさんは良いぜ?
    そんな立派な鎧貰ってよ、俺なんてステテコパンツだぜ?
    しかも、新品ですらねぇ」

0133創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 20:59:58.62ID:sC2u9jLs

マオ「………ん?」

 牽引するキラーマシンが突如歩みを止め、それに引かれる馬車も
同時に停止する…。
 首を回転させて、カメラを拡大する…。

カンダタ「なんかあったのか?」

マオ「馬車が倒されている」

 キラーマシンが指差す先には、アッサラームとロマリアを繋ぐ
乗合馬車が横倒しになっていた。
 客であろう者達が、協力して馬車を立て直そうとしているようだが、
馬車は完全に横転しており、容易に立て直せないようだった。

カンダタ「よう!大変そうだな!」

馬車の客『うわぁぁぁぁっ!?、な…なんだありゃぁ!?』

 荷台からカンダタが手を振りながら声を掛けると、馬車の客達は驚きの声を上げた。
まぁ、大きいキラーマシンに牽引された妙な馬車を見れば
驚きもするだろうが。

カンダタ「そう、ビビる事ぁねぇって…
     動かしているのは人間だから安心しろよ」

乗客A「あんた…ロマリアから来たんかい?」

カンダタ「ああ…そうだ…
     その前に…ちと、馬車から離れていてくれや
     マオ!頼むわ!」

マオ「分かった」

 キラーマシンを馬車から切り離し(連結・切り離しが自由なジョイントを
付けてもらった)、馬車を掴むと、軽々と持ち上げ…
そのまま立て直す。

馬車の客『おおおおお…すげぇぇ…』

 感激の声を漏らす馬車の乗客達、乗客の中には踊り子やら
冒険者やら子供やら…とにかく色んな人間が居た。
0134創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:00:32.39ID:sC2u9jLs

カンダタ「ご苦労さん、ついでにちと休もうぜ
     熱いだろ、その中は」

マオ「ふぅ…確かにな…
   随分南下したから暑くて仕方が無い」

 乗り込み口のハッチを空けて、外に出る…
ノアニールやカザーブなどは北国だったため、むしろ快適だったが
南下すればするほど、キラーマシンの中は蒸し暑い。

商人「すげぇモンに乗っているな…
    どこで手に入れたんだ、そんなもの
    しかも武器がついているって、戦闘用か?コレ」

 言ってくるのは乗客の一人であるアッサラームの商人のようだ、
キラーマシンに随分興味をもったらしく…色々聞いてくる。

 まぁ…元々は勇者や冒険者を殺す為の、殺人機械などと
言える訳も無く、適当にお茶を濁す事にする。

カンダタ「で、どうしたんだよ…
     魔物にでも襲われたか?」

御者「それが…見た事ねェモンスターに襲われて
   ウマどもが慌てて暴れ出しちまったんだ」

マオ「見た事も無い…魔物?」

御者「すっげーでっけー豹の化け物でな、
   赤い鬣に、2本のデッカイ牙を持ってて
   背中に剣を背負っていた」

 赤い鬣に、2本のデッカイ牙の豹の化け物…
特徴を頭に思い描くと、一匹の魔物が思い浮かんだ。
0135創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:02:14.89ID:sC2u9jLs

マオ「………地獄の殺し屋……………
   キラーパンサー…………」

 背中に背負った剣の辺りは知らないが。

カンダタ「キラーパンサー?
    なにものだよ、そいつは」

マオ「その名の通り、馬鹿でかい豹のモンスターだ
   人間の頭がい骨なんて、一齧りで粉々だ
   その上かなり獰猛で、素早く力もある
   奴に出会えて命があるなんて、運が良かったな」

御者「代わりに、ウマどもが食われちまったよ」

マオ「…ウマが?…」

 珍しいな…これだけ鈍重そうな民間人の人間が居るというのに
わざわざ足の速い馬を狙うなんて…、
 馬が怪我でもしていたのだろうか?

 どうにも、そのキラーパンサーはここ数日前から
突如現れ始めたらしい、散発的に馬車を襲いかかり、
食べ物を奪って逃げて行くとか。

 話を聞くとさすがにカンダタも妙に思ったらしい。

カンダタ「死人が…出ていない?」
0136創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:03:19.59ID:sC2u9jLs

 そうなのだ、馬車の荷物とか徒歩で歩いていても、逃げ出す時に
投げ出した荷物とかは奪って行っても、人間を殺す事は
しないらしい。

カンダタ「どう思う?」

マオ「妙な話だな…妙な話だが…
   私達には関係無いな…」

カンダタ「それも…そうだけどな…
    とにかく、俺達はイシスへ向かう途中に
    アッサラームへ寄る途中だが…
    お前達はどうする?」

マオ「アッサラームへ行くなら、ついでに馬車を
   引いていってやるが…」

御者「すまない、よろしく頼むよ…
   俺達もロマリアに行く途中だったけど
   こうなった以上、一度アッサラームへ戻るさ」

 キラーマシンに馬車を2台連結し…歩き出す…
馬車1台ぐらいだったらなんともないが、2台も引き摺って
歩くとなると、さすがにパワーを使う…。

 本当はスピードを上げる事も出来たが、重いものを引いたまま
スピードを上げると、今度はキラーマシンを動かすための
MPが尽きてしまう…。

 アッサラームに着く前にマシンが停止するのは困り物だった。
そんな訳でゆっくりあるく為、外はすでに夜になってしまった。
0137創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:03:48.92ID:sC2u9jLs

マオ「まずいな…アッサラームまでもうギリギリだ
   MPが持たない場合、途中で野宿するしかない」

カンダタ「スピードを落としても良いから
   とにかくなんとか誤魔化してくれ」

マオ「分かっている」

 とはいえ…モンスター達に襲われても、わざわざキラーマシンを
使うまでもなく、カンダタや乗合馬車に乗り合わせていた冒険者達
の力を借りれば事足りる訳で。
 戦闘に関してエネルギーを使わないで済むのは
助かった…だが。

 ぐるるるるるる……………。

 キラーマシンの足が止まる…。

御者「ひいいっ!出た!!」

 馬車の乗客達は唸り声を聞いて縮こまる…
カンダタは斧を取り出し、伝声管に向かってどなりつける。

カンダタ「マオ!今のを聞いたか!?」

マオ「間違いない、キラーパンサーだ!
   なんとかしてみる…お前は乗客達を頼む」

カンダタ「気を付けろ!お前のMPは
     もう殆ど尽きているんだろ?」

マオ「分かっているが、こいつでないと
   闇夜のキラーパンサーには太刀打ちできん!」

 マオは馬車を切り離し、カメラを暗視モードに切り替える…
切り離すと同時にカンダタは馬車のブレーキをロックし…。
 松明に火を灯す

0138創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:21:16.01ID:xa1ccQR2

 カメラを回転させて…辺りを見回す…と…
突如闇夜に浮かび上がった二つの瞳…。

Kパンサー「ガウッ!!!」

 ギャリッ!!!!

 反応すらできず…キラーパンサーの爪が
キラーマシンの装甲板を引っ掻く…。
 予想以上の力強さと素早さに…キラーマシンの装甲は擦れて
火花が散る。

 幸い外装が少し削られただけで、深刻なダメージは無い…。

マオ「このっ!」

 近くに着地したパンサーをロックオンし、左腕のボウガンを発射する…
が、ボウガンの矢は宙を切り…闇の中へと消えていく。

Kパンサー「ウウウウウウウ…!」

 キラーパンサーは身を低くして…次の攻撃を繰り出そうと…
キラーマシンの周りを威嚇しながら、ぐるぐる回る。

マオ「一匹のみ………群れから逸れたのか…」

 背中に背負った大きな剣…それと耳の後ろに着けられた古びたリボン…
女物のリボンのようだ…。
 何匹も居たらアウトだっただろうが、一匹ならまだ互角にもちこせる…
ただ、キラーマシンのエネルギー残量は15%を切っていた。

 こんな事なら…魔法の聖水を買ってくれば良かった…。
後悔するが…今は無いものに期待しても仕方が無い。

Kパンサー「ガォゥッ!!!」

 再びキラーパンサーの猛攻が始まり…今度はその鋭い牙を
キラーマシンの剣で受け止める。
0139創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 21:22:33.78ID:xa1ccQR2

マオ「こんのぉおおおおおおぉっ!…」

 牙と剣が絡み合ったまま…マオは力任せにキラーマシンのスロットを
全開にし、近場の岩にキラーパンサーを叩き付ける。

Kパンサー「ギャゥン!!!」

 悲鳴を上げて…投げ出されるキラーパンサー…
手ごたえアリ!!

カンダタ「やった…野郎!
     骨か内臓を痛めやがった!」

Kパンサー「ヲォオオオオォッ!!!」

 しかし…キラーパンサーも必死なもの…
キラーマシンの背後にとり付くと装甲板に鋭い牙を突き立てて
こじ開けようとする…。
 手負いの獣は強いとはよく言った物、さしものキラーマシンの
装甲もメキメキ言い始める…。

 こいつ…賢い…!
中に人が乗っている事に気が付いているのか。

 だが…!

マオ「くらえぇっ!」

 キラーマシンの首を回転させて…とり付いたキラーパンサーに
レーザーを発射する!

Kパンサー「ギャ!!」

 キラーパンサーの毛皮を焼切り…たまらず距離を置くキラーパンサー…
しかし…。
0140創る名無しに見る名無し
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2012/04/14(土) 22:03:51.89ID:iYn/HKzr
連投しすぎて、怒られました。ので、今日は終了
反省します、おやすみなさい。
0141創る名無しに見る名無し
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2012/04/15(日) 10:00:19.92ID:TeA0/z+E

マオ「浅いか!?」

 キラーパンサーの背負った剣にレーザーは半分阻まれ、
決定打とはならなかった…その上…。

 ピーっ!

 エネルギー残量が0%になった警告音がコックピットに鳴り響く…
途端にモノアイから光が失われ、キラーマシンは停止する…。

カンダタ「くそったれ!限界か!」

 キラーマシンが停止した瞬間に…。
キラーマシンの左腕にキラーパンサーは齧りつき。

 バキン!!!

 左腕を根本からもぎ取る、左腕を肩下の付け根から持っていかれ
アッサラームの闇夜にキラーマシンの青白い火花が飛ぶ。

マオ「レフトアーム全損!やるな!」

カンダタ「やっべぇ!」

冒険者「あそこまでやったんだ!後は俺達で仕留めるぞ!」

 カンダタや冒険者達が馬車を飛び出そうとし…、キラーパンサーの
注意が逸れた瞬間に、マオもキラーマシンから脱出した。

マオ「よせ!奴はまだ動けるんだ!
   殺されるぞ!」

冒険者「けど、アンタのマシンももう動かないだろうが!」

カンダタ「………………!?」

0142創る名無しに見る名無し
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2012/04/15(日) 10:00:46.39ID:TeA0/z+E

 カンダタは近くで震える乗客の一人、アッサラーム商人が妙な指輪を
しているのに気が付いた…。

カンダタ「こいつは…いのりの指輪じゃねぇか…
     テメェ!隠してやがったな!」

商人「ひぃ!これはダメです!」

カンダタ「命にはかえられないだろ!寄こせ!!」

 乗客全員に抑え込まれて、アッサラーム商人から
いのりの指輪を毟り取る…。

カンダタ「マオ!!」

 いのりの指輪をマオに放り投げ、マオは
シングハンドでキャッチする。

カンダタ「コックピットに入って
     そいつを嵌めて祈れ!!」

マオ「祈るって何に!?」

カンダタ「何でも良いから!!」

 馬車の連中は害は無いと判断してか、再びキラーマシンを
標的にしようとする、コックピットに滑り込み
指輪を嵌めて祈る………。

 ヴィン…………

 再びキラーマシンに火が灯り、マシンのジェネレータが
駆動しはじめる…。

 さらに…祈る!祈る!祈る!祈る!…………。

 MPがどんどん回復して行き、
エネルギー残量70%…さらに、各部は異常なし…………よし、行ける!!

 キラーマシンの状態を立ち上がらせて、キラーパンサーと
再び対峙する…。
0143創る名無しに見る名無し
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2012/04/15(日) 10:01:18.73ID:TeA0/z+E

Kパンサー「ガルゥ!!」

 キラーパンサが飛びかかってくる…、応戦するように右のソードで受け流し、
体当たりで弾き飛ばす!

 MPが戻れば元気になり、痛みや疲れが無い機械と違ってキラーパンサーには
疲れが出る…足が鈍った所にさらに右腕でジャブ…。

Kパンサー「ギャウ!!!」

マオ「止め!」

 右に持った剣を突き刺しフィニッシュにしようと思った瞬間、キラーパンサーと
一瞬目が合う…。

マオ「っ!」

 操縦桿を引き上げて狙いをわずかに外し、剣の柄を握った右手を
キラーパンサーの胴に叩き付ける。

Kパンサー「クオォォオォゥ…!!!」

 やがて…キラーパンサーは力無く鳴いて、地面にその身を横たえる。

カンダタ「よっしゃぁぁぁぁぁぁああああ!!」

 カンダタ達が喜びの声を上げて、馬車から飛び出して来る。
マオもコックピットから抜け出し、動かなくなったキラーパンサーに
近づく。

アッサラーム商人「ワシの!ワシの祈りの指輪は!?」

マオ「助かった、返すぞ!」

 指輪をアッサラーム商人の手に返し、商人が指輪を掲げた瞬間、
いのりの指輪は音も無く崩れ去った。

アッサラーム商人「ほわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 アッサラーム商人の悲痛な叫びが印象的だった。
───────それは別にどうでも良いとして…。
0144創る名無しに見る名無し
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2012/04/15(日) 10:02:02.05ID:TeA0/z+E

 倒れたキラーパンサーの耳の裏に着けられていたピンクのリボンを見ると、
名前が書いてある…。
 ─────────プックル。

マオ「お前…プックルって言うのか」

 マオの声に応えるようにキラーパンサーの鼻がピクピク動く。
その瞳に先程までの狂気にそまったような色は無い…、だからこそ
最後の一撃を必殺の一撃から普通の打撃に切り替えたのだが。

商人「ま…まだ生きている!何をしている止めをさせ!」

カンダタ「黙ってろって!」

 後ろで見ていた商人をカンダタが首根っこを掴んで摘み上げ、
馬車の方に放り投げる。

プックル「フッ!!」

 キラーパンサーが鼻息を吹くと、馬車の乗客達は慌てて
馬車の中に戻る。

 しかし…地獄の殺し屋と言われた獰猛なモンスターは
敵意が完全に消失していた。

マオ「ベホイミ!」

 マオが手を翳すと、キラーパンサーの傷がみるみる癒えて行く、
一度じゃ回復しきらない分は2度…3度…。

乗客達『ぎゃぁぁぁぁ!なに回復さしとんじゃぁ!?』

 馬車の乗客達が何やら悲鳴を上げて、散り散りに逃げるが
無視する。
 やがて、キラーパンサーは立ち上がりマオの手を舐めて
犬が座るみたいにお座りする。

プックル「ガフッ!」

 言葉は通じる訳では無いが、不思議とマオは今のプックルが
何を伝えたいか分かるような気がした。
0145創る名無しに見る名無し
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2012/04/15(日) 10:02:43.85ID:TeA0/z+E

マオ「………そうか、気にするなプックル」

冒険者「お…おい…どうするんだよ…
    そいつ、また人間を襲うぞ?」

カンダタ「だったら、今度はおめぇが何とかしてみせな!」

冒険者「む…むむむむむむむ…無理言うなよ
    俺に勝てる訳ないだろ!?」

カンダタ「だったら、アイツに任せておけって…」

 表面上は、平静を装っているカンダタだが
内心は動揺しまくっていた。

 ────魔物を理解している…だと?
 オメェ、一体何者なんだよ!

 だが、なんであれ信じられる仲間であるのは間違いない、
こいつがキラーパンサー……いや、プックルか……を信じられると言うならば
俺も信じるだけの話だ。

マオ「焼け焦げた剣………書いてある名は…パパス…
   これが、お前のご主人様の大事な人の形見って訳か」

プックル「ガウ!!!」

0146創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/15(日) 10:04:47.06ID:TeA0/z+E
カンダタ「…………んで…コイツなんだって?」

マオ「どうやら、主人と逸れたらしい…
   さまよい続けている間に、この辺りまで来て
   んで、腹減って食べ物を探す内にキラーパンサーの野生に目覚め
   人を襲うようになったみたいだ…とさ」

カンダタ「ったく…ペットはちゃんと責任持って飼えよな!」

プックル「フーッ!」

マオ「ペットじゃなくて、『親友』なんだと」

商人「だ…だったら、もうご主人様を探す旅にでも出れば良いだろ
   少なくとも、このアッサラーム辺りではこんな巨大な魔物を飼っている奴
   知らんぞ!
   私達もさっさとアッサラームへ行くぞ!」

プックル「ガウガガウーガゥ!!」

カンダタ「…………………………………あー…なんだって?」

 マオに通訳を求めるカンダタ。

マオ「『言われなくても、この辺りに居ないのは
    なんとなく分かる』だって」

 耳の裏の裏を掻いてやりながら、マオは言う。

マオ「それなら、私と一緒に来るか?」

プックル「ガゥ!!」

 最後の吠えは、通訳をしなくてもカンダタには分かる気がした。

//----------------------------------------
あまり連投すると、まーた怒られて規制がかかるので
今日はここまで、後は書き溜めておきます。

0147創る名無しに見る名無し
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2012/04/17(火) 00:05:29.04ID:wak8EoL7
 ◆◇◆◇ 砂漠の入り口、アッサラーム ◆◇◆◇

 キラーマシンに牽引された2台の馬車が街に入って来た時は悲鳴があがり、
さらにプックルも一緒に街に入った時にはパニックになったりもしたが、
一晩も開けたらアッサラームはパニックは見る影も無くなくなっていた。

 乗合馬車に乗っていた連中も各自の家や宿に戻り、その上でロマリアへ
行く者達は翌日の乗合馬車で再びロマリアを目指すつもりらしい。

 街道に出現するキラーパンサーの脅威はもう無い。

 宿屋の裏でキラーマシンの修理をするマオ、その横で
申し訳なさそうな顔をするプックルと、暑いためか水の入った桶に両足を突っ込んだまま
団扇で顔を扇ぎながら、修理を見守るカンダタの姿があった。

プックル「わふぅ…………」

カンダタ「ンな顔すんなよプー公、やっちまったもんはしゃーねーし
     やらなきゃ、お前さんも死んでたかもしれねぇんだろ?」

 前の装甲板は大きく削れた上に、亀裂が発生しており、後ろの装甲板兼ねるハッチは
ひん曲がった上に、牙を突き立てた後の大きな穴が二つ空いている。
 そして、肩の付け根から失われた左腕…。

 外されたそれは地面に置かれており、左腕部が失われた部分は布が覆い被されていた
破損した腕はフレームから折られており、部品交換しなければとり付けが出来ない状態だった。

0148創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/17(火) 00:06:14.39ID:wak8EoL7
カンダタ「どうだ?、なんとかなりそうか?」

マオ「…応急処置はした、左腕は諦めて部品取りにするしかないな
   後は雨水が入らないように装甲板の穴を塞ぐぐらいか」

カンダタ「いっそ…例のノアニールの洞窟まで
    また、こいつを取りに行くしかねぇか?
    上手くすれば部品の一つもあるかもしれねぇし」

マオ「それはここから大陸を縦断しないと無理だろし
   それに…あそこがキラーマシンの住処となっているかどうかも
   怪しいものだ」

カンダタ「どういう事でぇ?」

プックル「ガウ…ガウワーウウ!!」

マオ「プックルも、そしておそらくこのキラーマシンも
   別の世界からやって来たって事」

カンダタ「別の世界?」

マオ「どうにも、プックルが言うには
   歩いている間に黒い靄のようなものに包まれて
   気が付いたら、この辺りに居たんだとさ」

カンダタ「確かに…あの合体する妙なスライムやら
     こんな奇天烈マシンやら、プックルみたいな奴は
     俺ぁ聞いた事も見た事もねェからなぁ」

カンダタ「ま…いいか、壊れちまったもんはしゃーねぇな
     最悪馬車が引ければ良い訳だし」

プックル「ガウ!!」

マオ「壊した左腕の分ぐらいは、プックルが
   頑張ってくれるって」

カンダタ「そりゃ…頼もしいこった
     一区切りしたら市場に言って見ようぜ?」

マオ「市場?」

カンダタ「おおよ、アッサラームはイシスとロマリアを結ぶだけじゃなく
     たまにだが南の方から交易船も入って来るんだ」
0150創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/18(水) 23:50:09.46ID:T6L6+4uI

 市場を見るとロマリアに比べて、活気付いている感じがする、
武器屋、防具屋、道具屋に食べ物屋、さらには劇場なんてのも
あるらしい・・もっとも、劇場が開くのは夜かららしいが。

カンダタ「アッサラームって言えば、ベリーダンスってのも
     有名でな」

プックル「わふぅ?」

カンダタ「ベリーダンスってーのは
     若ぇ美人の娘さんが、こー色っぽく腰を
     くねらせながら踊るのよ」

 劇場の中から声が聞こえる。

マオ「どうやら、今は
   そのベリーダンスを練習しているみたいだな」

カンダタ「練習中に入るのは失礼ってもんだろ
     どうせ見に来るなら本番やっている時にしようぜ?」

 などと、色々散策しながら歩いていると

商人?「おー…私の友達…
   お待ちしておりました、
   売っているものを見て行ってください」

 武器商人に声を掛けられ、
無理矢理露店の前で足を止めさせられてしまう

0151創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/18(水) 23:50:36.58ID:T6L6+4uI

商人?「あなたのために
  珍しい武器や防具を仕入れました」

 まどうしの杖:24000G
 ホーリーランス:36800G
 鉄の斧:40000G
 マジカルスカート:24000G
 黒装束:38400G
 鉄の兜:16000G

マオ「なんだ、この価格設定は
   ふざけているのか?」

カンダタ「悪いが時間の無駄だ…
     他を当たんな」

商人?「おお、お客さんちょっと待ってください
   今のはほんの冗談ですよ」

 まどうしの杖:12000G
 ホーリーランス:18400G
 鉄の斧:20000G
 マジカルスカート:12000G
 黒装束:19200G
 鉄の兜:8000G

0152創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/18(水) 23:51:23.59ID:T6L6+4uI
カンダタ「オヤジ…ふざけているのか?
     この街の税金がどれくらいかしらねぇが
     2万ゴールドもあれば、ドラゴンだって
     殺せる武器も買えるぜ?」

商人?「お客さん、本当に買い物上手ね
    これ以上まけると、ウチは大損ですよ
    けど貴方、トモダチ・・こんな感じでどうでしょう?」

 まどうしの杖:6000G
 ホーリーランス:9200G
 鉄の斧:10000G
 マジカルスカート:6000G
 黒装束:9600G
 鉄の兜:4000G

カンダタ「……………………………。」

マオ「……………………………。」

商人?「こ…この価格でも不満ですか…
    これ以上まけると、私首つり自殺ですよ
    わかりました、これが最後の価格です!」

 まどうしの杖:3000G
 ホーリーランス:4600G
 鉄の斧:5000G
 マジカルスカート:3000G
 黒装束:4800G
 鉄の兜:2000G

マオ「……………………………。」

カンダタ「………まだ…高いな。
     オヤジ、俺の目効きを舐めているんじゃないか?
     これでもまだ市場価格の倍はしやがるだろ?」

商人?「そんな事ないですよ!
    少なくともこの街では一番安い価格ですよ」

カンダタ「そうかい?
     行こうぜ?マオ……………マオ?」

 マオは…商人の顔をじーっと見つめる…
どこかで見た覚えのあるような顔だ…、随分昔…
どこかで…。
0153創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/18(水) 23:54:44.35ID:T6L6+4uI
………と、行った所で
今日はここまでです、わざわざアイテム価格を調査するために
DQ3を立ち上げてしまったと言う。

ちなみに、俺はこのアッサラームの商人からモノを買った事は無いが、
FC版では「鉄の兜」
SFC版では「金のブレスレット」を買うために、この商人を
利用する必要があるとかなんとか。

喉がまだ治らない・・ではまた。
0156創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/24(火) 22:37:12.22ID:6fd03c1S
ありがとうございます、
最近ちょっと、遅筆ですが頑張りたいと思います。
0157創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/25(水) 01:27:28.84ID:zglJJY/R

 あれは……随分昔…まだ魔王だった頃…。

マオ「あーっ!!アリアハン国王!!」

商人?「っ!?な…ななななななにを…
    突然何を言うんですかお客さん!?
    そんな訳ないじゃないですか?」

カンダタ「アリアハン国王!?
    こいつがか!?」

 黒く日に焼けたり、アッサラームの民族衣装を
着ていて、少し太ったとは言え、商人の男には
確かにアリアハン王の面影がある。

マオ「貴様!こんな所で何をしている!
   巫女はどこに居る!バラモス城か!?」

国王「うぐ…ぐぐぐぐぐぐぐ…
   ぐるじい…だじげて…」

 胸倉を掴み上げ、尋問する…国王は
息が出来ないのか顔を紫色にして口をパクパクする。

カンダタ「まてまて…マオ
     そいつ、死んじまうぞ?」

 カンダタの仲裁に、マオはやや力を緩めて
息をさせる。
0158創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/25(水) 01:29:18.99ID:zglJJY/R

 ◆◇◆◇ アッサラーム(夜)アリアハン国王の家 ◆◇◆◇

 市場の一件から1時間後、マオとプックルはアリアハン
国王が住んでいる家に訪れていた。

 ちなみに、カンダタはアッサラームの夜の街へと
遊びに行った、良いぱふぱふ屋があるとか言っていたが
マオに気を使っての事なんのかもしれない。

国王「まぁ、座りなされ」

 椅子を勧められ、アッサラームで有名なお茶とやらを
出されたが、口を付ける気は起きなかった。

 国王は苦笑しつつも、自分の茶に口を付ける
黒い猫を飼っているらしく、国王が落ち着いて座ると
彼の膝元に猫が座って丸くなる。
 砂漠の猫の相応しく、毛が短い種類のようだ。

国王「何から、話そうかの」

 猫の体をなでながら、国王が話を切り出す。

マオ「何もかもだ、私を召喚した事
   私の体を奪う事を企てていた事、
   何故こんな所にいるのか、それに
   巫女はどこに行ったのか?
   洗いざらい、全てを吐いてもらうぞ?」

国王「わかった、わかった
   そう急かすな」

0161創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/29(日) 22:19:22.38ID:C5XyOdo5

 …国王の話を、全部そのまま書くと長くなるので
要点だけ。
 アリアハン王はこの世界も魔王、バラモスに脅され
異世界から召喚する儀式をとり行ったと言う。
 軍事力を持たないアリアハンは戦う力など無く、
魔王軍の脅しに屈するしかなかった。

 魔王バラモスが送り込んだ巫女(血はつながっておらず、
バラモスに育てられただけで人間だったと言う)の元、
異世界の魔王の召喚は行われた。

 やがて、魔王の召喚に成功し…知っての通り、よび出した
魔王を騙して、予定通りに全ての力を奪い取った。

 その後、用済みのアリアハン国王は途中のアッサラーム近郊で
放り棄てられ、アリアハンへ帰るのも怖くなり、アッサラームで
商人として暮らしていたと言う。

国王「魔王どもの言いなりになって、お前さんを呼び出して以降
   ワシは逃げ回る毎日じゃよ…
   今でも夢に見るんじゃ、アリアハンの民達の
   魔物に屈したワシを責める顔を毎日な…」

マオ「それが、アリアハンに帰らなかった理由か…」

国王「魔王バラモスに脅迫され、ワシは民の命を護る為とはいえ、
   異世界から魔王を呼び出すなどと言う、
   禁術に手を出した……あわよくば、この世界の魔王と
   潰しあってくれるだろうと…だが結果はこのザマじゃ」

国王「アリアハン王は魔王に屈したと、世界中の連中から
   後ろ指をさされている、ワシはもう疲れた
   殺すなら殺せ、お主にはその権利があるだろう」

マオ「…………そうか、覚悟は出来ているようだな」

 マオは剣の柄に手を掛け、腰を落とす…殺気を放っても
アリアハン王は抵抗する素振りすら見せなかった。
 恐怖で顔をゆがめる事すらない。
0162創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/29(日) 22:20:07.57ID:C5XyOdo5
マオ「………………………くだらない…。」

 剣の柄から手を放し、マオは吐き棄てる。

マオ「一生ずっとそうして後ろを向いて後悔いろ、
   私が手を下すまでも無く
   お前は生きていない、ただ死んでいないだけだ」

 うつむいたままの国王を部屋に残して、
マオは部屋を出て扉を閉じる。

 ◆◇◆◇ 翌日 ◆◇◆◇

 キラーマシンの応急修理が完了し、旅に必要な物資は
馬車に詰め込んだ…。

カンダタ「こいつで、最後だぜ…」

 カンダタは水が入った大きな樽を荷台に乗せて、ロープで
ぐるぐる巻きに固定する。

カンダタ「…随分大荷物になっちまったな…」

プックル「…ばう!…」

マオ「仕方が無いだろ…これから行く砂漠は
   危険な所だからな…」

 とりあえず…キラーマシンで軽く牽引して、問題なく
動ける事を確認する。

 砂漠の中央に存在するイシスへ向かう為には、当然
装備がそれだけ多くもなる…、特に水や食料は欠かせず
万一に備えてキャンプ用品なども搭載した。
 水や食料は余裕をもって、往復できるぐらいの量を
搭載している。

マオ「よし、出発する」

 キラーマシンのエンジンを始動し、一歩踏み出した時。

国王「………待ってくれーっ!
   ワシも乗せてくれーっ!」

 国王の言葉が聞こえて、キラーマシンを停止する…。
荷物を大量に抱えたアリアハン国王が転げるかのように、
走って来る。

カンダタ「…こいつ…昨日の元アリアハン国王じゃねぇか」

国王「ワシも!一緒に行く!
   連れて行ってくれ」

カンダタ「連れて行けっていったってよぉ?」

プックル「わふ?」

 困ったようにマオを見るカンダタとプックル、
マオはキラーマシンのハッチを空けて顔を出す。
0163創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/29(日) 22:20:44.31ID:C5XyOdo5

マオ「……アリアハン国王?
   どういうつもりだ?」

国王「許してくれとはいわん、じゃが
   何かをしたいんじゃ、せめてワシに
   何か出来る事を見つけ出したいんじゃ」

カンダタ「だってよ?どうする?」

 こいつが巫女に通じている可能性もあるし、
昨日の話も全て本当の事かどうかもわからない。

マオ「勝手にしろ!!」

国王「感謝する…!」

0164創る名無しに見る名無し
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2012/04/29(日) 22:21:03.53ID:C5XyOdo5
 ◆◇◆◇ 砂漠 ◆◇◆◇

 砂の海の世界…砂漠、太陽は容赦無く照り付け
気温は軽く50度はあるようだ……。
 …馬車は砂漠を越えて
オアシスの国、イシスへと向かっていた…、

 基本は朝と夕方の日が高くないウチに距離を稼ぎ、
一番気温が高くなる時間帯は外す。

カンダタ「……あつい………」

プックル「……わふぅ…」

 カンダタの声に、プックルは声を絞り出すように
応える…。
 こちらは純毛100%なせいだろうか、砂漠の暑さが
一際応えているようだった。

カンダタ「……アッサラームを出て一週間ぐらいか?
     いつになったら、イシスに着くんだよ」

国王「もう、そろそろじゃと思うんだが」

 地図とコンパスに線を引きながら国王が答える、
こちらはアッサラームからイシスへと買い付けに行くために
何度もイシスへ渡った経験があるらしい。

国王「大丈夫か?」

マオ「……まぁ、なんとかな……」

 伝声管でキラーマシンの中のマオに声を掛ける国王。
キラーマシンの中にクーラーが有る訳でも無く、しかも
熱が籠るため、定期的に声を掛けて様子を伺わないと
脱水症状で倒れかねない。
0165創る名無しに見る名無し
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2012/04/29(日) 22:21:36.80ID:C5XyOdo5
国王「まぁ、あともう少しすれば
   イシスも見えて来る頃じゃろう」

マオ「…………?」

 遠くに見えて来たのはイシスの街…、だが…そこから立ち上るのは…。
黒い煙…、マオはキラーマシンを止めてカメラをズームモードに切り替える。

カンダタ「………………どした?…」

 なんか、不穏な空気を感じたのだろう…暑さで横に転がっていた
カンダタは身を起こし、単眼鏡を取り出す。

国王「…火事…かの?…」

プックル「グルルルルル………」

 カンダタと同じく暑さでダレていたプックルも身を起こし、
背中の毛を逆立てていた。

 ふと…、遠くに見えるイシスで光が瞬いたように見える。

マオ「…呪文の光!…戦闘だ!」

 それも冒険者が魔物に襲われたなんて、小規模な戦闘じゃない…
魔物の大群がイシスと戦うような、大規模な襲撃のようだ。

カンダタ「……イシスが…、魔物の大群に襲われてやがる!」

国王「……なんじゃと!?」

カンダタ「急げ!マオ!」

マオ「わかった!」

 カンダタの話を聞いて、マオは
キラーマシンをイシスへと急がせる。
0166創る名無しに見る名無し
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2012/04/29(日) 22:22:15.62ID:C5XyOdo5

 ◆◇◆◇ イシス城門 ◆◇◆◇

イシス兵A「正門!破られます!」

イシス兵B「なんとか持ちこたえろ!
      民間人を城まで避難させるんだ!うわぁっ!」

 イシスを守護する兵の一人が、巨大な緑色のカニのような魔物
じごくのハサミに胴を掴まれ。そのままその巨大なハサミに
胴体が両断されてしまう…。

イシス兵A「くそっ!まさか、いきなり王都を襲撃してくるなんて」

 以前から散発的に魔物達と小競り合いはあったものの、大群を
連れて襲撃して来るとは。
 勇者オルテガがバラモス討伐に向かおうと言う、このタイミングを
狙って来たようだ。

イシス兵A「オルテガ殿は!?」

イシス兵C「すでに、出発されました!」

イシス兵A「それだけが、せめて救いか…」

 勇者オルテガはすでに熱気球に乗って、魔王バラモス退治に
出発したようだ、人類の希望たる勇者が殺されると言う
最悪のシナリオだけは回避できた。
0167創る名無しに見る名無し
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2012/04/29(日) 22:22:42.66ID:C5XyOdo5

イシス兵D「小隊長!
     南からキャットフライと人食い蛾の群れです!」

イシス兵A「くそ!ここまでか!」

 イシスの小隊長が諦めようとしたその時、遠くから光がキャットフライ達の
群れに突き刺さり、切り裂いた。

イシス兵C「なっ!?なんじゃありゃ!?」

 兵の一人が光の立ち上った元を見て、驚愕の声を上げる。
右手に剣を持ち、左手が無い代わりにマントで肩を覆い隠された
一つ目の鉄の化け物がそこに立っていた。

 人も魔物も動揺している間に、斧を持った男が大きな牙を持った
デカい豹に跨って突撃してくる。

カンダタ「……往生しやがれぇ!」

 叫ぶなり、豹の上の男が投擲した鉄の斧が、火炎ムカデの頭に直撃し、
頭をぶっ潰す。

カンダタ「よう!イシスってのはここで間違いねぇか!?
     ウチのオルテガがここに世話になっているはずだがよ」

 豹から飛び降りた男が火炎ムカデの頭から斧を抜きながら
ニヤリと笑う。

0168創る名無しに見る名無し
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2012/04/29(日) 22:27:53.97ID:C5XyOdo5
 なんども書き直したのに、この程度のクオリティ
文才が無いなー、俺。
 練習も兼ねているのでクオリティの低さはご容赦。
あまり連投すると、バイバイさるさんを食らうので
とりあえず、今日はこの辺りで。

 しかし、そろそろ2か月が過ぎてしまう、
1000を目指したら1年ぐらい過ぎてしまうのではないか?

その前に、ネタが枯れそうな気もするけど。
0169創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:28:49.60ID:HwrDwFB9

イシス兵A「アンタら、オルテガ様の知り合いか?」

カンダタ「まぁ、そんなもんよっ!」

 話しながらも、カンダタは近くに居た地獄のハサミに斧を振り下ろす…が。
岩のようなカニの装甲に斧が弾き返される。

カンダタ「硬ってぇ!
     なんじゃこりゃ!?」

国王「そいつは地獄のハサミじゃ!
   スクルトの呪文を使う!
   一度装甲を固められたら、厄介じゃぞ!」

カンダタ「ちっ!くそったれ
     厄介な魔物を連れてきやがって!」

マオ「誘惑の剣よ!」

 キラーマシンから飛び出したマオが剣を翳し、誘惑の剣から放たれた赤い光が
地獄のハサミ達を包み込む。
 混乱した地獄のハサミ達は方向転換し、キャットフライの群れに襲いかかる。

カンダタ「ったく、マジで便利な
     その魔剣…たった一本で戦況をひっくり返しやがった」

マオ「関心するのは後だ、その蟹どもを利用しろ!
   国王は怪我人達を城の中に運び込め!」

国王「りょうかいじゃ!
   ほれ、貴様等ら!感謝しろよ!
   今日は薬草を原価で売ってやるわい」

カンダタ「善意でくれてやれよ」

 呆れている間に今度は誘惑の剣で火炎ムカデを味方に付けて行くマオ、
魔物達を混乱させて味方に付けたおかげで、絶望的だったイシス軍の戦況は
息を吹き返していた。
 魔物の数は徐々に減りはじめ、戦況が好転した事によりイシス軍の
士気も戻ってきていた。
0170創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:30:00.16ID:HwrDwFB9

 だが…。

マオ「はぁ…はぁ…はぁ…。」

 元々慣れない砂漠の旅に体力を奪われていた所に、魔物との大群の戦闘だ、
マオの体力も限界に近づきつつあった、回復呪文などで怪我を治す事は出来ても
気力と魔力は回復する事は出来ない…。

カンダタ「どうするよ…長期戦になると
     こっちがジリ貧だぜ?」

プックル「わふぅ…」

 特に、全身毛皮で包まれたプックルの体力は著しく消耗していた。

カンダタ「しんどいなら下がってろや、プー公
     後は俺が引き継いでやるよ」

プックル「ガウ!!」

カンダタ「怒るなよ!冗談だって、冗談」

マオ「…………?…」

 ふと…魔物達の襲撃が止まっている事に気が付くマオ…
今戦っているのは誘惑の剣で混乱させた魔物ばかりだ、
正気を保っている魔物達はこの騒ぎに乗じて撤退したようだ。

マオ「…─────ッ!全員!下がれっ!!!」

 直感のようなものだった、マオはその場にいる全員に怒鳴ると
自らもプックルの背に乗り、カンダタもマオに続いてプックルの背に乗る。
0171創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:30:33.47ID:HwrDwFB9

カンダタ「走れ!プー公!」

 カンダタが叫ぶまでも無く、プックルも何かを感じ取ったのだろう
二人を乗せてその場から慌てて飛び退く。

 感じたのは殺気と魔力の高まり…、マオ達やイシス兵が慌てて逃げ出すと、
その場に取り残された魔物達の群れに天から降り注いだ光が突き刺さる。

???「ビッグバン!!」

 背後から、何者かの声が聞こえたような気がした…
直後に巻き起こった爆発が残った魔物達を消し飛ばし、
衝撃波がマオ達を弾き飛ばす…。

 やがて…光と爆風が収まり…
その場に居た魔物達が綺麗に消滅していた。

マオ「…生きているか?」

カンダタ「なんとか…な…」

プックル「ガフ!」

 身を起こして、ホイミを掛けて怪我を治療するマオ…
先ほどまで戦っていた場所は砂漠の砂が大きく抉れて
クレーターのようになっていた。

マオ「…………………………。」

 そのクレータの中央に佇んだ人物にマオは見覚えがあった、
自分自身と同じ顔をした人間の女、いや…魔王の力を奪った
元人間。

マオ「……………………巫女…。」
0172創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:32:10.24ID:HwrDwFB9

巫女「へぇ…生きていたんだ
   まさか、人間の味方をしていたなんて、思いもよりませんでしたよ
   異世界の魔王サマ。」

カンダタ「…マオが…もう一人…」

 自らと同じ顔…自らと同じ体…そして声
まるで生き写しのように自分と瓜二つ、それは双子でも何でもなく
モシャスの呪文によって自らと同じ形を保っているに過ぎない。

 着ている服は異なり、覚えのある白を基調とした巫女服ではなく
それに反するかのような黒の巫女服だった…。
 手にした武器は以前持って居たような粗末な銅剣ではなく、
髑髏があしらわれた禍々しい剣だった…。
 以前、魔王時代に見た事がある呪いの剣、皆殺しの剣…。

巫女「てっきり、自殺でもして死んだと思っていた
   まさか、まだ生きていたなんてね…キャハハハハ」

 ───さて─どうする?
相手の力は絶対的な強さがある、最上に考慮してかつて自分がもっていた
強さと同等のものがあると仮定する…。

 正面からは絶対に勝てない…、Lv99の相手にLv20で挑むようなものだ、
だが…付け入る隙があるとすれば。
 相手が絶対的な力に過信している今がチャンス、全身全霊の
一撃で仕留める。

巫女「しかも…その様子…この1年の間
   健気にもアタシと戦う為に鍛えたんだ、ウケル…キャハハハハ」

 何がおかしいのか、たった一人で笑い続ける巫女…
ふっとその体が浮き上がり、宙を飛んでマオの方にゆっくりと近寄ってくる。

0173創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:34:20.44ID:HwrDwFB9

カンダタ「…は…ははは…やべぇ…
     足が全然動かねぇ…頭じゃ動けって言っているのに
     腰が抜けて全然うごけねぇ…」

 その場にへたり込んで動かないカンダタとプックル、いや…
その二人に限らずイシスの兵達も全く動けないようだった。

 むしろ、声が出せるだけカンダタはまだマシなようだ。

マオ「…………二人とも
   動けないならそのまま、死んだふりしていろ。」

 集中してある呪文を唱えるマオ、かつてロマリアの図書館で見た事のある
最高難易度の呪文……修行を極めた賢者か、あるいは高名な魔法使いにしか
唱える事はゆるされず、集中を切らした瞬間に呪文が失敗してしまうだろう。

 勝負は一瞬、わざわざ巫女の方から間合いを詰めてくれるのは好都合だ。

 ───あと…3メートル。

巫女「…まぁ、父様の命令でね…
   勇者オルテガを殺しに来たんだけど、素直におしえてくれない
   かしら?魔王様?」

 巫女は息がかかりそうな距離で、マオの頬を手で撫でる…

0174創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:35:06.46ID:HwrDwFB9

今だ!!

マオ「…………ペッ!!」

 マオは巫女の目に唾を吐き掛け、巫女が怯んだ隙に唱えた呪文を
解き放つ!

マオ「レムオル!」

 キィン!!!

 巫女が目を擦った瞬間に、マオの姿が一瞬にして掻き消え、
完全に見失う。
 姿をかき消す超高等呪文"レムオル"、先ほども言った通り
高名な魔法使いにしか使えない呪文であり、マオにはたった数秒
姿を一瞬消すだけしかの不完全な呪文としてしか使えなかったが、
その数秒程度もあれば攻撃の隙を作るには充分だった。

巫女「…貴様ァ!!!」

 ザンッ!!!

 巫女が状況を理解する前に、マオの剣が巫女の首を跳ね飛ばす。
ここまでたった2秒の出来事だった。

マオ「ウアアァァァァァァァァァ!」

 さらに、マオの誘惑の剣が巫女の心臓を串刺しにし
剣が背中まで貫通する…。
 頭を失った首が大量の血を吹き出し…マオの体を染める…
噴出した血は赤ではなく、魔族の血と同じ紫の血だった…。
0175創る名無しに見る名無し
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2012/04/30(月) 01:36:10.24ID:HwrDwFB9

 マオは剣を巫女の体から抜き…ケリを放つと巫女の体は
力無く地面に横たわる…。

マオ「………ははは…これで、完全に元の体には
   戻れなくなったな……。」

 だが、倒すにはこれしかなかった…
相手を捕獲して自らの体と交換させるなど無理な話だと思っていた。


巫女『やってくれるじゃない……ベホマ…!』

 砂漠に転がった巫女の首が目を開き…
やがて時が戻るかのように、巫女の体が起き上がり、
首が元の位置に戻っていく。

マオ「………くっ!……。」

 失敗か…、一撃で魔王クラスを倒すなんぞ
人間の力では無理な話だったようだ…。

巫女「まさか…首を跳ね飛ばされるなんて
   おもってもみなかったわよ」

 巫女は憎悪の表情のまま、マオの首を右手で掴み
そのままひねり上げる。

マオ「………うっぐぐぐぐぐぐ…。」

 マオの顔が苦しそうに歪み、赤からやがて
紫色に変わっていく。

0176創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/30(月) 01:38:04.43ID:HwrDwFB9
カンダタ「…やめ…ろっ!…」

 カンダタが止めようとするが、動けない…
魔王の力に気圧されて体が意志に従わないのだ。

巫女「苦しい?そりゃぁ…苦しいわよね
   人間は首を絞められると息ができないものね」

 巫女は狂気の笑みをマオの向ける。
───恐怖…、魔王時代に感じた事の無い感情を
マオは感じていた。

巫女「人間は首が無くなると死んじゃうから
   とりあえず、右腕で我慢してあげる!」

 ブッ!!!

マオ「……ッ!!!??」

 何があったか理解は出来なかった…、しかし
自らの右腕が砂漠の上に転がっているのを見た時、
右肩から激痛がほどばしった。

0177創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/30(月) 01:38:43.58ID:HwrDwFB9
巫女「次は左っ!!!」

 先ほどと同じように、左腕が跳ね飛ばされ、
マオが気を失いかけた時、再び右手で首を掴み…持ち上げ。

 左腕を腹に突き立て、背中から突き出す。

巫女「まだまだ…気を失われちゃ困るのよ!
   アタシの痛みはこんなものじゃすまなかったんだから!!
   アハハハハハハハハハハハハ…………」

 正気を失ったような狂った高笑いをする巫女、ひとしきり笑い…
ふと…マオが死んでいる事に気が付く…。

巫女「ちぇ…死んじゃった………つまんないの…」

 子供が飽きた玩具を投げ捨てるように、マオを放りだす
無残に惨殺された体は砂漠の砂の上に投げ捨てられる。
 ふと…カンダタと目が合う。

カンダタ「…っ!!!…」

 恐怖の表情に顔が歪むカンダタ、新しい玩具をみつけたかのように
不敵な笑みを浮かべる巫女。
 カンダタに手を伸ばそうとし───────。

????『何を遊んでいる、巫女よ』

巫女「!!…父様………………いえ、バラモス様」

 突如、空から聞こえた声に巫女の手が止まり、片膝を付く。

バラモス『オルテガはもはやその国には居ない
    お前の任務はオルテガを殺す事だ…追え!』

巫女「はっ!」

 巫女は砂漠に転がったマオを一瞥すると、
まるで興味が無くなったかのように鼻で笑い。

巫女「ルーラ!」

 ルーラの呪文を唱えると同時に、光の尾を残してその場から
消えて行った。

0178創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/30(月) 01:43:05.08ID:HwrDwFB9
と、言う訳で主人公が死んだ所で区切って寝ます、
GW中はお出かけする上に、休み明けは仕事が夜間対応なので
もしかしたら、すぐには続きが書けないかもしれません。
(ので、手持ちの備蓄を良い所まで投下してみました)

プライベートな事情で申し訳ないです、でも続きは考えておきます。
0180創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 10:40:42.76ID:NhrKGbs5
サンクス、そう言ってもらえると嬉しい
頑張って完結させたいけど、このペースだと
いつになるやら。
0181創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 11:02:34.27ID:NhrKGbs5
 ◆◇◆◇ ????? ◆◇◆◇

 人も魔物も死んでしまうとどこに行くのだろうか?
天国?それとも地獄か?

 人は善行を重ねると天国へ導かれ、悪行を重ねると
地獄へ落とされると言う。

 しかしだ、人や魔物にとってどこまでが善行で
どこからが悪行なんだろうか?

 例えば、今夜の晩御飯に鶏肉を食べた、
鶏を殺すのは善行か?悪行か?

 人間が飼っている鶏を殺すのは悪行にカウントされないのか?
悪行だと言うならば、人間は食べる事すら否定されてしまう。

 では、食べる事は悪行にカウントされないのか?
だったら、食べる為に何をしても良い事になってしまう。

 私の出した答えは、死後の世界は無いと言う事だ
人間も魔物も、死んでしまったら無に帰る。
 天国や地獄も…ましてや転生して生き返る事も無い、
そうだと思っていたのだが…。

 そうだとするのなら、私が目を覚ましたこの部屋は
一体なんなのだろうか?

 目をさまし…右手で目を擦る…。

0182創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 11:03:04.58ID:NhrKGbs5
マオ「あれ?」

 右腕がある、それどころか左腕もあり…そして腹に開けられた
風穴が無くなっている。

 見渡すと棺桶の中に入れられていたようだ…死後の世界は
棺桶ごと送られるらしい…、初めて知った。

 しかし神様と言う奴は、サービスが良いらしい…
確かに天国にせよ、地獄にせよ…両腕が無いと不便極まりない。
 けど、服ぐらい着せて欲しい所ではあるが。

???「もうよろしいのですか?…マオ様」

 顔立ちが整った女性が声を掛けて来る、天国の住人だろうか?
とりあえず体を起こして─────。

???「あ、無理をなさらないで下さい…
    貴女は死んでいたんですから」

マオ「ぶえっくしょい!………あんたは?」

???「私はイシスの女王…
    貴女の事はオルテガ様より伺っています」

 イシスの女王と名乗った女は、マオに服を渡しながら
にっこりとほほ笑んだ。
0183創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 11:03:36.69ID:NhrKGbs5

 どうやら…私…ことマオは巫女に完膚無きまでに
見事に負けてしまったらしく、巫女
─イシスでは彼女の事は魔女と呼ばれているようだが─
の逆鱗に触れ、それはそれは酷い殺され方をしたらしい。

 では、どうして今はまた生きているかと言うと。

イシス女王「それは…アリアハン国王陛下
     いえ、元国王陛下のおかげなのです」

 どうにも、死んでしまった私はイシスの墓に埋められる
予定だったらしいのだが、アリアハン国王はアッサラームで稼いだ
全財産をはたいて、秘薬『世界樹の葉』を手に入れてくれたらしい。

 その『世界樹の葉』を探す為に、国王どころかカンダタまでも
アッサラーム中の店からブラックマーケットまで、足を棒にして
探し回ってようやく見つけてくれたのだとか。

イシス女王「…マオ様は…良いお仲間に恵まれましたね」

マオ「まったく、死んでもコキつかってくれるとはね」

0185創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 13:25:21.76ID:NhrKGbs5
ありがと、でも出かけるのは一応これからなんだけどね、
雨だから1日先送りしただけで。
//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ イシス王国:謁見の間 ◆◇◆◇

 巫女の襲撃以降、大体二週間ほど経過したらしい
モンスター達の襲撃によって、ボロボロにされた街は
人々の手によって、随分綺麗に修復されていた。

 人間とは逞しい生き物である。
しかし…。

マオ「魔物が襲撃して来たのは、やはり
   師匠を狙ってか?」

イシス女王「そのようです、魔王バラモス討伐に向かう
      オルテガ様を旅立つ前に倒そうとしたのでしょう」

カンダタ「よう!マオ!」

国王「死んでも生き返らせられるなんて、お主も難儀な奴よ」

プックル「ガウ!」

マオ「お前達…」

 謁見の間で女王と話し込んでいると、仲間達が現れる、
どうやら、イシスの街で色々と復興の手伝いをしていたらしい。

マオ「すまないな
   心配を…掛けたか?」

カンダタ「その…な…
     謝るのはこっちの方だ、奴の気に当てられて
     俺達はお前がやられているのに、何もできなかった」

 それは仕方が無い話でもある、並みの人間の精神力では
あの魔王の力を持つ人間の前では、立つことすら出来ないだろう。
0186創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 13:26:02.80ID:NhrKGbs5
カンダタ「無敵と思っていたお前さんが、目の前で…
     あんな死に方されるとな…
     しかし…すげぇ魔物だったな、あいつ
     この俺が一歩もうごけねぇとは」

国王「ワシは…直接見ていないが…
   どんな奴なんじゃ?」

マオ「巫女だよ…」

国王「なっ!」

 二週間も過ぎたのに、カンダタに聞いていなかったのか
国王が驚愕の声を上げる、蘇生させる為に『世界樹の葉』を探して
それどころではなかったのかもしれないが。

国王「奴が現れおったのか!?
   なるほど、お前さんが殺される訳じゃ」

マオ「………しかも、随分性格が変わっていた
   アレが素なのかもしれないが」

カンダタ「なんだ、なんだ?
     あの化け物女の事を知っているのか?おめぇら」

 いい加減カンダタには話しておくべきだろう、それに
魔王の力をもって巫女がイシスを襲撃したりした以上、
イシスの女王も無関係ではない。

マオ「話しても良いか?アリアハン国王?」

国王「構わぬよ、ワシには止める理由も権利もない」

 国王が頷くと、マオは今までの経緯をカンダタやイシスの女王に
説明する、異世界から召喚された魔王で有る事、そして魔王の力を
奪われ死にたいと思っていた所をカンダタに助けられた事。
 魔王の力を奪ったのは巫女であり、その力を使って
イシスを襲撃して来た事。
0187創る名無しに見る名無し
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2012/05/03(木) 13:26:48.69ID:NhrKGbs5
イシス女王「なるほど…大体の事情は分かりました」

カンダタ「おめぇさん
     ただの女じゃねぇとは思っていたが…
     中身は魔王だったとはな」

マオ「幻滅したか?」

カンダタ「いや、納得した…
     お前さんだけがキラーマシンを動かせる理由
     俺達が知らない知識や、レムオルなんて高等な
     呪文が使える事…確かに、普通の女とは思ってなかったがな…」

イシス女王「それで…
     マオ様はどうされるつもりですか?
     元の体を取り戻されるおつもりですか?」

イシス女王「それとも、元の世界に戻られるおつもりですか?」

マオ「………………………それなんだよなぁ…」

国王「と、言うと?」

 軽く国王の頭を小突きながら、マオは答える。

マオ「最初はこのタコ助どもにこの世界に無理矢理呼ばれたものの
   実は、元の世界に戻ろうってつもりはあまり無い」

イシス女王「では、この世界を支配するおつもりで?」

マオ「魔王=支配って考え方がどうも偏見臭いけど
   だからと言って、この世界をどうこうって気分でも無いんだよな
   支配するって事は、人民を導いて統治するって面倒な事もコミだし」

イシス女王「魔王としての意識は薄れている…って事ですか」
0188創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 13:28:26.79ID:NhrKGbs5

マオ「多分…私よりマズイ事になっているのは
   あの巫女の方でしょうね、本人は気が付いていないみたいだけど」

カンダタ「どういう事だ?」

マオ「これは私の仮説だけど………」

 人間でも魔族でも魔物でも、体と心と言うのは表裏一体のものだ、
実際生まれた生物は何年もの長い時間をかけて、体と共にそれに見合うように
心も成長させて行く。

 魔王が巫女の体を動かせているのは、魔族の膨大な精神力と経験があるからこそ
なんとかなっているのではないだろうか?

 心に合わせてここ1年でオルテガの授業の元、体の方も鍛えてきたつもりだ。
さらに、言うなれば巫女の体は若く成長しやすいと言う点も魔王には
有利に働いたのだろう。

 逆に14年間、人間の女として生きてきた小娘が、数千年もの間生きてきた魔族の
男の体を簡単に動かせるのだろうか?
 自分で言うのもなんだが、『魔王』の体には成長する余地は無い。

 魔術の知識があるみたいだから、魔術で無理やり体を扱うような事も
出来るのかもしれないが、それにしても限度がある…。

 体に心を適合させようと、心の形を体に合わせて捻じ曲げようとする…
無理矢理な成長のツケは心のエラー…、最悪の場合は精神崩壊すら
ありあるのではないか?
0189創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/03(木) 13:28:44.45ID:NhrKGbs5

カンダタ「それじゃ、巫女さんは放っておけば死ぬって事か?」

マオ「もしくは…時間を掛けて精神が壊れずに体に合わせて成長すれば
   立派な魔族になるかもしれないな、その頃にはこの体は
   寿命を迎えて居そうだが」

国王「仮に……仮にじゃ…
   お主が元の体に戻る事が出来たらどうなる?」

マオ「多分、元サヤって事は無いだろうな…
   少なくとも『魔王』は戻る事があっても『マオ』は
   死ぬだろうな。」

 無理矢理捩じって形を整えたものを、もう一度互いの心と体を捩じって
元の体に入れようとするのだ、数日…最悪数週間ぐらいならまだしも、
もう1年以上も過ぎているから、…………多分手遅れ。

 心体共に、人生の15分の1が他人として過ごした経験値になるのだ、
数千年生きた『魔王』の自我は確率するのかもしれないが、『巫女』の方は
今よりも心が壊れるか、やはり精神崩壊する事になるだろう。

カンダタ「なんだか、難しい話になって来たな」

マオ「とにかく、話を戻すと…
   私としては恩義のあるオルテガ師匠に報いたいとは思うが
   魔王討伐の任務を受けた訳でも無い
   これからどうしたいか、少し考えさせてくれないか?」

イシス女王「良いでしょう…、貴女が答えを見出すまで
      客室はご自由にお使いください。」

0190創る名無しに見る名無し
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2012/05/03(木) 13:30:48.12ID:NhrKGbs5

 ◆◇◆◇ イシス王国:城下町 ◆◇◆◇

 砂漠のオアシスを囲むように作られた街、今日もまた商人達のキャラバンが
アッサラームの街へと向かっていくのを、マオは城壁の上から見下ろしていた。
 自由に滞在してくれとは言われた物の、タダ飯を食らうのは性に合わないので
モンスター討伐などに手を貸していたが、これからどうするか全然見いだせなかった。

マオ「魔王討伐か…オルテガはなんで魔王討伐なんてしようと…
   思ったんだろうな…」

????「魔王が魔王討伐とは…随分と面白い事を考えるものね」

 突如、背後から声を掛けられ…マオは慌てて振り返る…
青い鎧を着こんだ若い女、1年程前に見た事がある…。

マオ「……あの時のローブ女…いや…オルテガの娘…
   勇者だったか、今度は一体何の用だ」

勇者「随分と可愛らしい姿になったわね、魔王」

 以前はローブを被っていたが、今回は顔を見せていた…
どことなくオルテガの面影を持ち・・そして、かつて魔王だった頃の
自分と同じぐらいの強さを持った人間だと言うのを感じ取れる。

マオ「……私を殺しにでも来たか?
   殺すなら巫女の方を殺せよ、今や私は魔王は廃業したんだ
   世界の脅威とやらになるのはあっちの方なんだからな」

勇者「今のお前を殺す意味もつもりもないわ…
   巫女も魔王バラモスも大魔王ゾーマも」

 なんとも、勇者らしくもない言い方だ…
勇者であるのに魔王を討伐するつもりもない?
0191創る名無しに見る名無し
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2012/05/03(木) 13:31:31.34ID:NhrKGbs5

マオ「…どういう事だ?
   お前の父オルテガは魔王を討伐するらしいが、お前は
   そのつもりは無いのか?」

勇者「父さん…か……」

 初めて…勇者の表情に感情のようなものが浮かぶ、悲しみのような
表情が一瞬現れ…そして消える。

勇者「………バラモス城へ行け、
   お前の疑問は全てそこで分かる」

 思わせぶりな事を言ってくれる、しかし…何かを知っている風ではあるが
この場でしばき倒せる相手ではない…。
 勇者は懐から笛のようなものを取り出し、マオに放り投げる。

マオ「……笛?」

勇者「やまびこの笛だ、その笛が六つのオーブがある場所を示す…
   オーブを集め…不死鳥ラーミアを復活させろ」

マオ「不死鳥…ラーミア?」

勇者「心正しき者のみが乗れる、伝説の不死鳥だ
   ラーミアのみがバラモス城への道を開くことができる」

 心正しき者…ねぇ…
魔王の心を持った人間が、果たして正しいと言えるのだろうか?
─────それ以前に。

マオ「お前の言う事を…この私が聞くとでも?」

勇者「異世界からお前が呼び出された理由、この世界の魔王が
   何を成そうとしているのか、すべてはそこにある
   お前は必ずバラモス城へ向かう…必ずな
   ………ルーラ!!」

 光の尾を引いて空の彼方に消えてゆく勇者を見送りながら、
マオは溜息をつく…。

マオ「ったく…勝手な事ばかりいいやがって」
0192創る名無しに見る名無し
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2012/05/03(木) 13:39:44.15ID:NhrKGbs5
とりあえず、今日はここまで。

自分でやっておいてなんだけど
話がどんどん難しくなってきた、

>>1000・・と、言うより>>800-900ぐらいで終わり予定だけど
ちゃんと狙って落とせるのか、ペース配分が難しい。
あまり間延びすると話もダレるし。
>>19の言う通り、>>1000を狙って話を落とせる奴居るのか?

ここらで>>300-400ぐらいの予定だったのに、まだ>>200にすら
届いていない。

それじゃ、雨も止んだので今度こそ旅行にお出かけ。
0193創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/07(月) 21:01:54.65ID:zQif5VtI
>>1

期待してます
0194創る名無しに見る名無し
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2012/05/08(火) 00:04:33.37ID:beQ4eSOj
ありがとう、不定期だけと頑張っていくお
//---------------------------------------------
国王「お…いたいた…
   こんな所に居おったか、探したぞ!」

プックル「ガウ!!」

 街の外れで勇者から受け取った
やまびこの笛を調べていると、マオを探していたらしい
国王とプックルに声を掛けられる。

マオ「国王、プックルも…
   いったどうかしたのか?」

国王「すまんが少しキラーマシンを出してくれぬか?」

マオ「キラーマシンを?何故?」

 一体どういう事だろうか?
何か緊急事態が発生した…といった感じには見えないが。
見ると、国王やプックルまでも背中に荷物を背負って
旅支度を整えていた。

マオ「どこか出かけるのか」

国王「ふふふふふ…これじゃよ、これ!」

 国王は荷物の中から何やらボロボロの巻物のようなものを
取り出し、広げて見せる。
 随分と古い物らしく、何度も補修した後がある。
絵柄と共に記載されている文字を読んでいくと。

0195創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/08(火) 00:05:19.31ID:beQ4eSOj

マオ「………………黄金の爪?」

国王「そうじゃ!黄金じゃ!お・う・ご・ん!
   ふふふふふ…世界樹の葉をブラックマーケットで
   手に入れた時に、この古文書も手に入ったのじゃ」

 読み上げると国王は興奮して騒ぎ出す。

国王「この書物によるとな、イシスからずっと北にある
   ピラミッド…ファラオ王の墓所にこやつが隠されている
   らしいのじゃ!」

プックル「わう!!」

 国王に釣られてかプックルまで騒ぎ出す。


マオ「落ち着けって」

国王「これが落ち着いていられるか!?
   黄金の爪のみならず、この書によるとファラオ王の
   隠し財宝が───────。」

マオ「そんな隠し財宝の話を大声でする奴があるか
   それに、よく知らないがこの国の王族の墓所なら
   イシス王家に許可を貰なわないと色々マズイんじゃないか?」

国王「無論…もらっておるわい!
   『魔王討伐の為にお役にたてるならどうぞお持ちください』
   とか言っておったぞ」

 国王は親指を立ててニヤリと笑う…
何と言うか、暑苦しいスマイルだ。
0196創る名無しに見る名無し
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2012/05/08(火) 00:06:07.78ID:beQ4eSOj

マオ「別に私は、魔王討伐に強力すると決めた訳じゃ──────。」

国王「世界樹の葉を買う為に、全財産をはたいたからのぅ
   魔王討伐するにせよ何にせよ、まずは先立つモノが必要なんじゃよ」

マオ「うっ───。」

 それを言われると弱い所でもある、別に死にたくて死んだ訳でもないが、
マオの事情で国王に全財産を使わせたのは事実ではある。

 ◆◇◆◇ ファラオ王のピラミッド:入口 ◆◇◆◇

 イシスより北方向へ数日進むと、イシス王家の墓…ファラオ王が築いたと言う
巨大な三角錐の意志の建造物が見えて来る…。
 砂漠の砂の中に佇むそれは、大昔に人や魔物の奴隷を使って作り上げたもの
だと言う。
 大昔、イシス王家が力を持って居た頃の時代の墓であるため、このピラミッドに
財宝があると信じ、盗掘に訪れる者も少なくは無い…。
 しかし、このピラミッドを荒らす者はファラオ王の呪いに阻まれ、ことごとく
命を落とすのだと言う。

カンダタ「俺も盗賊の端くれだからよ、ピラミッドの噂は聞いた事あるけどよ
     ここに手を出す奴は余程の自信家か、ただのバカだぜ?」

 ピラミッドを見上げて、カンダタは気が乗らないような表情で言う。

マオ「珍しいな、お前が尻込みするとは」

国王「おばけがこわいのかのぅ?
   無理せずにここで番をしておって良いぞ?」

プックル「がう!」

カンダタ「わーったよ!行くよ
     俺も行くって」

0197創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/08(火) 00:06:35.57ID:beQ4eSOj

 マオ達は荷物を纏めて、ランプに火をつけてピラミッドの入り口を
潜り抜ける。
 ピラミッドは外も内側の石造りのようであり、しかもその石の一つ一つが
均等の大きさであり、人に動かせるような代物ではない…。

 基本的に建物の中は通路ばかりで、十字路を繋ぐ小さな部屋が
ところどころにある、そんな感じの作りだった。

マオ「ここを作るのに…どれだけの労力がかかったんだろうな」

国王「さぁのう…ただ…数千か
   数万の魔物がここを作り上げる為に命を落としたと聞くのぅ」

カンダタ「しかも…完成した後も王を守る為に
   多くの人々が一緒に埋められたって聞くぜ…
   そいつらが…盗掘者を阻むんだとよ」

 カンダタは青ざめた顔で言葉を繋いだ時…、
ふと…何かの音がした…

プックル「フゥーッ!!」

 プックルが通路の奥の闇に向けて唸り声を上げる。
…カサ…カサ…カサ…。

 布が擦れるかのような微かな音が聞こえる…。

 ───ファラオの眠りを妨げる者は誰じゃ───。

 重々しい声が通路の奥から聞こえ…そして、全身を
ボロボロの包帯で包んだ男達がゆっくりと姿を現す。

0198創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/08(火) 00:07:34.00ID:beQ4eSOj

カンダタ「で…で…でででででで…
     でたぁぁぁぁああぁっ!」

 カンダタが体に合わない悲鳴を上げる。

国王「ミイラじゃ!これが古文書にある
   ミイラ男じゃ!」

 ───賊どもに…死を!───。

 全部で4体のミイラ達は、意外に素早い動きでマオ達に
襲いかかって来る。

 マオは誘惑の剣を抜き放ち、プックルと共に前に
飛び出し…ミイラ男に斬り付ける!

マオ「死人は大人しく寝てろっての!」

 かくいう、先日まで自分もその死人と同じだったからして
あまり人の事を言えないのだが…。
 マオの剣がミイラ男を深く斬り付けるが…、手ごたえは無い。

マオ「な…なんだ!?」

カンダタ「そいつは元から死んでいるだろうが
     どうやって殺すんだよ!?」

マオ「殺すまでもなく…
   破壊すれば良いんだろ!!」

 カンダタの悲鳴に応えるように、マオはミイラ男の胴を
全力で蹴り放ち、倒れた所をプックルの爪が襲いかかり
ミイラ男の胴を二つに引き裂く。

0199創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/08(火) 00:13:36.87ID:beQ4eSOj

 なんとかミイラ男を撃退しかけた所で。

 ───死を!賊どもに死を!───。

 ミイラ男の一体が国王に掴みかかろうと飛びつく。

マオ「国王!」

国王「これでも喰らえぃ!」

 国王は懐から聖水を取り出すとミイラ男に向かって
投げつける。
 たまらず苦しそうにのたうち回るミイラ男に、ホーリーランスを
突き立てると、ミイラ男はそのまま動かなくなる。

国王「ナメるんじゃないわ!ワシでも
   これぐらい出来るわ!」

 国王は親指を立てると、例の暑苦しいスマイルで
マオ達に応えた。

 ◆◇◆◇ ファラオ王のピラミッド:1F ◆◇◆◇

 通路の先に宝箱などがあったが…先に入った盗掘者達の
被害によるものか、宝箱はカラッポだった…。
 残っているものは宝箱の形をしたモンスター、人食い箱ぐらい
しか残っていない。

カンダタ「こいつは…あまり期待できないんじゃないか?
     すでに盗掘されちまった可能性もあるぞ?」

国王「はっ!まだ入り口じゃないかい!
   価値ある宝ってのは奥にあるものと相場が決まっておるんじゃ」

カンダタ「勘弁してくれよなぁ…」

 テンションの高い国王に比べて、カンダタやげんなりしたような
表情で応じる。
0200創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/08(火) 00:22:28.68ID:beQ4eSOj
今日はここまで、
やっと……やっと>>200達成……
先日書いた通り、夜間勤務が暫くはいるのでペースが落ちます。
(元々、そんなに早くもありませんけど)
0201創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/11(金) 00:40:12.57ID:OXIsj4HD

 ◆◇◆◇ ファラオ王のピラミッド:2F ◆◇◆◇

 テンションの高い国王に連れられて、マオ達はピラミッドを
捜索し続ける。
 通路の奥にいかにも何かがあると言わんばかりの、
分厚い岩の扉があったものの。
 壁にあった、小さいボタンを押すと重い音を立てて開く。

 部屋の中央には装飾された宝箱があり、
宝箱を開いてみると、その中には。

マオ「鍵?」

カンダタ「まっ……魔法の鍵じゃねぇか!」

国王「話には聞いた事があるの…
   呪文で施錠された扉を無条件で開く事が
   出来る、古代のマジックアイテムじゃ」

マオ「なんだかよーわからんけど、凄いモノだっつーなら
   貰っていくか」

 無造作に鍵を手に取り、道具袋の中に放り込むマオ。

カンダタ「おめぇよぅ…そいつがどれだけすげぇもんか
     全然わかっちゃいねぇだろ
     いいか?そいつはな…世界中の盗賊が──…」

 語り始めたカンダタはひとまずスルーして置く事にする。

マオ「で?
   黄金の爪とやらはここは無いのか?」

0202創る名無しに見る名無し
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2012/05/11(金) 00:40:49.85ID:OXIsj4HD
国王「ここは墓室じゃないようだしのぅ
   古文書には財宝は王の遺体と共に墓室に
   埋められたと記されておるが」

マオ「その墓室はどこにあるんだよ」

国王「分かれば、とっくに誰かがみつけだしておるわい」

カンダタ「なぁ、帰ろうぜ?
     この鍵一つが見つかれば十分だろ?」

国王「いーや、ここまで来て引き下がれるかい!
   行くぞ!お主ら!」

マオ「やれやれ…」

カンダタ「とほほ…」

 さらにピラミッドを捜索し続け、だから箱を幾つか
見つけるも国王の満足する宝は見つからなかった。
 すでに外は日も暮れ、マオ達の装備も心許なくなって来たが、
目的の墓室は見つからなかった。
 すでに時間にして10時間ぐらいピラミッドの中を捜索している
事になる。

マオ「…ここら辺でタイムアウトだな」

国王「いやじゃ!ワシはまだ探す!
   元手がかかっているんじゃから、まだ探す!」

カンダタ「おっさんよ、ミイラ取りがミイラになるって
   言葉を知ってるか?」

国王「知っているが、それがどうした!
   このまま帰るくらいならミイラになった方がマシ…
   うわぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!?」

プックル「きゃわぁん!」

 突如、歩いていた通路の床に穴が空いて、
国王と国王の横を歩いていたプックルが穴の中に
落ちてゆく。

0203創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/11(金) 01:25:18.30ID:OXIsj4HD

マオ「………国王!プックル!」

カンダタ「あのバカ!」

 マオとカンダタは穴を覗き込むが、穴はそう深くもなく
国王達は下のフロアに落ちただけのようだ。

国王「うおっ!?新しいフロアに出たぞ?」

マオ「無事か!?」

国王「少し足を捻挫したくらいじゃ、
   それよりもお主達も降りて来てくれ、
   ランプが壊れてしもうた」

カンダタ「仕方ねぇな、あのクソジジイは
     ちょっと行ってくら」

 文句を言いながらもロープを取り出して柱に括り付け、
カンダタは手慣れた感じで落とし穴の下のフロアへと降りて行く。

 ややあって、落とし穴の下からカンダタの声が聞こえる。

カンダタ「OKだマオ、降りて来てくれ
     このフロアは外にも繋がっているみてぇだ」

0204創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/11(金) 01:25:48.30ID:OXIsj4HD

 ◆◇◆◇ 地下一階 ◆◇◆◇

 ロープを伝ってピラミッドの地下に降りると、そこには
大量の人間の屍が打ち捨てられていた。
 色々な装備品を見る限り、侵入者達のなれの果てのようだ
立派な鎧を来た冒険者から、盗掘へとやってきた盗賊…
国王と同じような商人の姿まであった。

 その全てに共通しているのが…。

マオ「体中がバラバラだな…
   モンスターにでもやられたのか?」

カンダタ「みてぇだな…
    あーあ、こんな無残な姿になっちまってよう
    うげぇ…ひでぇ臭いだ」

 マオは慣れたものだが、カンダタや国王達にとって、
打ち捨てられた屍達の死臭に顔を歪め、口に布を押し当てる。

国王「お主…よく平気じゃの…」

 顔色一つかえないマオに国王が言うが、マオにとっては
死臭の一つや二つは全然大したことは無い、むしろもっと酷い臭いを
放つモンスターが部下だった事もある。

プックル「ガウ!!」

マオ「隠し階段………のようだな。」

国王「でかしたわい!プックル!」

 全然懲りない国王はプックルが見つけ出した隠し階段を
降りて、止める間も無く奥へと進んでいく。

0205創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 02:22:35.61ID:ijN2DfVK

カンダタ「おい!待て!テメェ
     また罠があったらどうするんでぇ!」

 慌ててカンダタが国王を追いかけ、マオとプックルもそれに
続く。
 隠し階段の奥は豪華な装飾が施された部屋に通じており…
その中央には大きな古い石棺が置いてあった…。

国王「これじゃーっ!!」

カンダタ「……すっげー!……マジかよ…
     これが、ファラオ王の棺か…!?」

 さしものカンダタも驚きを隠せないようで、
国王と協力して石棺の蓋を押し退ける。
 棺の中には黄金のマスクを被ったミイラが横たわっており、
金や宝石が散りばめられた装飾品も共に納められていた。、

 そしてその左手に装着されているのが。

マオ「これが…黄金の爪って奴か?」

国王「ひゃっほぅ!
   見つけた!黄金の爪じゃぁ!」

 国王が嬉々として、装飾品を外して袋に詰め
黄金の爪をミイラから外すと…。

 ───黄金の爪を奪う者に災いを───。

 何者かの声が響いたような気がした。

0206創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 02:23:04.84ID:ijN2DfVK
カンダタ「……お…おい…今…
     何か聞こえたか!?」

国王「んー…なんじゃぁ?」

 怯えるカンダタに国王は何も聞こえなかったのか
袋に財宝を詰め込み続ける。

プックル「フゥウウー!!」

マオ「…囲まれているか…」

 プックルがいち早く気が付き、マオは剣を
抜き放つ…。
 辺りに広がっていく魔物の気配…
通路の奥から、ミイラ男やマミー、大王ガマ達
といった膨大な魔物の大群がゾロゾロ現れる…。

 ピラミッド中の魔物全てが押し寄せてきたのかも
しれない。

カンダタ「戻せ!早く!」

国王「いやじゃ!いやじゃ!
   苦労して手に入れたんじゃ」

カンダタ「命あっての物だねだろうが!」

 カンダタは国王から黄金の爪を奪い取り、
棺の中に戻すが…

0207創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 02:27:09.38ID:ijN2DfVK

マオ「どうやら…許してくれる気は無いみたいだな」

 集まったモンスター達は散る様子も無く

 ───黄金の爪を奪う者に災いを───。

 ───黄金の爪を奪う者に災いを───。

 ミイラ男やマミー達は口ぐちにつぶやき、
間合いを詰めて来る…。

プックル「ガウ!」

 先に動いたのはプックルだった…
近くに居たミイラ男の頭をかみ砕き、吐きだす。

カンダタ「おめぇ…良くもまぁ
     そんなモノを食う気になるな」

 呆れつつもカンダタは鉄の斧を大王ガマに
叩き付ける。

マオ「隠し通路の外にあった大量の屍は
   この黄金の爪を盗掘に来てこいつらにやれたって事か」

カンダタ「上等だ!テメェらまとめて
   地獄に叩き落してやらぁ!使え!プックル!」

 カンダタはプックルに棺から再度取り出した
黄金の爪を放り投げると、プックルは空中右手に装着し、
ミイラ男を叩き斬る!

 普通に考えれば黄金なんかで斬り付ければ、
黄金はひしゃげてしまうのだろうが、黄金の爪は物凄い強度なのか
傷付く様子は全くなかった。

マオ「行くぞ!こいつらを叩き潰して
   突破する!」

0209創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 02:35:57.71ID:ijN2DfVK
やっと夜勤が終わって、書けるようになった

>>1000まで投下するつもりでって事だけど、
ここまでつなげて書くと
逆に頭から読もうって人も居なくなるのでは?って思う。
もう、ここらで結末に向けて収束しちまおうかな、
下手に長く続けると、読み手も飽きるだろうし、

他のスレ主様達は話の展開とか読み手に飽きさせずに
>>1000までやっているんだろうか、そう考えると
皆の技量ってすげぇんだなぁ。

今日はここまでで。
0212創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 12:16:14.37ID:ijN2DfVK

 そう言ってくれる人が居るなら
頑張るのよ。

//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ 地下一階(数時間後) ◆◇◆◇

 戦って、何時間ほど過ぎたのだろうか、
いまだピラミッドの地下でずっと戦っているから
時間の感覚が鈍っている。

カンダタ「往生しやがれぇ!」

マオ「このっ!」

 マオとカンダタの武器が交互に火炎ムカデを斬り落とす
すでに手の感覚が無くなってきた。
 それに加えて──────。

マオ「……つっ!」

 足が痛み、マオはその場にうずくまる、
普段ならこの程度はホイミで治せるのだが。

国王「足を痛めたのか、これを使えぃ」

マオ「助かる」

 マオは国王が差し出した薬草をすり潰して足に
貼り付けると、痛みが引く。

マオ「厄介なのはこのフロアだ…どういう作りだか
   呪文が使えない」

 呪文が使えれば、一網打尽に出来るのだろうが、
いや…それ以前にリレミトの呪文で瞬時に脱出できるのだろうが
何度呪文を唱えても効果は全くなかった。
0213創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 12:17:00.54ID:ijN2DfVK

カンダタ「逃がさねぇってコトだろ…
   にしても、大した爪だぜあれ…
   これだけ戦っているのに刃こぼれ一つしてねぇ」

 カンダタは前線で暴れているプックルをみて関心する、
すでにカンダタの鉄の斧は刃がボロボロだ。
 さて…いつまでもプックルだけに戦わせている訳にはいかない。

マオ「交代だ!プックル」

プックル「わう!」

 マオがプックルと代って前衛に立ち、カンダタがそのバックアップ
プックルが受けた傷を国王が治療する。
 何時間もぶっ通しでずっと戦っていると、自然と役割分担も
できるようになってくる…。

 ───黄金の爪を奪う者に災いを───。

 ───黄金の爪を奪う者に災いを───。

カンダタ「ったくよ…何時間もまぁ
     飽きもせずに…働き者たぜ、俺達も」

マオ「死してなお、大した忠誠心だよ
   お前達は…」

 ◆◇◆◇ 地下一階(さらに数時間後) ◆◇◆◇

 無限に湧き出してくる魔物達を押し退け、
どれだけの数を倒したのだろうか…。
 ふと…背後を見ると膨大な魔物の死骸が転がっていた。

カンダタ「…この建物のどこに、
     こんだけの魔物が住んでいたんだろうな」

0214創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/13(日) 12:17:47.79ID:ijN2DfVK
国王「……………………」

マオ「……………………」

プックル「……………………」

 眠気と疲労で誰もカンダタの声に応える者は居ない、
ただ黙々と魔物と戦っていた。

 ふと…魔物の奥に光が見えた気がした…。
魔物の隙間から差し込む自然の明かりは。

マオ「……外か!?」

 一向の魔物を倒すペースが上がり、カンダタの拳が
最後のマミーを殴り飛ばすと。

国王「外じゃぁっ!」

カンダタ「…走れ!お前ら!」

マオ「わかっているっ!」

 ピラミッドを抜け出し、外へ向かって全力で走り出す、
残った魔物達が追いかけてくるかとおもったが…、ピラミッドから
数メートル出た所で魔物達の足が止まる。

カンダタ「追って…こねぇのか?」

国王「みたいだな、連中にはピラミッドを
   盗掘者から守る使命があるみたいじゃな」

マオ「さすがに…疲れた…
   もう体が動かん…」

0217創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/14(月) 23:05:53.38ID:DXRDaAZp
>>215>>216
ありがとう、平日仕事だからペースがバラバラだけど
出来る限り頑張ってみるお
//---------------------------------------------
 マオは砂の上に大の字になって転がり、プックルがその横に
座り込む。
 昼なら砂漠の砂で火傷してしまったかもしれないが、
すでに早朝…。

国王「朝までずっと、戦っておったのか」

カンダタ「……は…ははははは…。」

 しばらく…各自が砂の上で倒れていると
イシスの方向から馬車がやってくる…。

国王「あれは…イシス軍の馬車かの」

 やがて…馬車はマオ達の前で止まり、
見覚えのあるイシス兵達が降りてくる。

兵士A「マオどの!ご無事でしたか?」

マオ「イシスの兵…一体どうして」

兵士B「ピラミッドに向かって3日…
    女王陛下の命令で探しに来たんです」

カンダタ「……悪ぃな…助かったぜ
     正直なんとか外に出れたけど…もう動けねぇ…」

兵士A「マオ殿達を保護しろ!」

兵士C「ハッ!」

 イシス兵の命令の元、マオ達を馬車の中に回収して行く。

0218創る名無しに見る名無し
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2012/05/14(月) 23:08:37.18ID:DXRDaAZp

カンダタ「……ったく…ひどい目にあったぜ…
     この馬鹿のせいで。」

 カンダタは馬車の中で倒れていた国王に、
ボロボロになった鉄の斧の柄で頭を叩く。

国王「痛い!なにをするんじゃ!」

カンダタ「るっせー!、一体だれのせいで
     俺達がこんな目に…………」

プックル「グルルルルルル…………!」

 抗議する国王に、カンダタが声を荒げようとした
その時、プックルが馬車の外…砂漠に向けて唸り声を上げる。

マオ「どうした?プックル…」

カンダタ「おいおい…止めてくれよな
   お前さんのそれが出ると、ロクな事がねぇんだからよ」

 カンダタが嫌そうに愚痴を吐くと同時に。

 ギシッ!!

 空間が軋むような嫌な音が辺りに響く。

マオ「これ…は?」

 マオが重い腰を上げて馬車の外を見ると、
砂漠の上に…まるで別空間を切り取られたかのような
黒い闇が浮かんでいた…。

兵士A「な!なんだ!」

兵士B「どうしたんだ…突然!」

0219創る名無しに見る名無し
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2012/05/14(月) 23:09:21.54ID:DXRDaAZp

 状況の分からないイシス兵達は右往左往と混乱する。
黒い闇は赤い電気を放電し続け…、やがて闇の中から
赤く丸太のような太い腕が付き出して来る…。

 まずは…右腕、そして…左腕。

 何者かが出てこようとしているのは明白だった。


マオ「下がれ!早く馬車に乗れ!」

 マオは兵達に叫び、兵達は大慌てで馬車に乗り込み
マオは代りに剣を持って馬車から飛び出す。

 やがて…赤い顔に青い髪と青い髭を蓄え、
頭に二本のヤギのような角をもった顔が出て来る。


国王「……なんなんじゃ!あやつは…」

カンダタ「わかんねぇ…
     だが、ヤバそうなのは分かるぜ」

マオ「………………アンクルホーン…。」

 アンクルホーンはマオの姿を確認すると、ニヤリと
不敵な笑みを浮かべる。

 やはり確定だ…異世界からこの世界に魔物が送り込まれている、
キラーマシンもプックルも、キングスライムも…
そして、このアンクルホーンも。

アンクル「…ウォオオオヲヲヲヲヲヲヲ!!!」

 空に向かって吠えると、アンクルホーンはマオを敵とみなしたのか、
丸太のように太い腕を振り下ろして来る!
 マオは腕を躱して飛び退こうとするが、体が重くて反応が
遅れる。

0220創る名無しに見る名無し
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2012/05/14(月) 23:10:07.94ID:DXRDaAZp

マオ「……くっ!」

 回避は無理と判断し、ガードしようとするが、
アンクルホーンの腕が届く直前にプックルが横切り…
マオの鎧を咥えて飛び退く。

マオ「すまない、プックル
   助かった」

プックル「ガウ!」

 プックルは当然とばかりに吠え、自分の背中に乗れとばかりに
腰を下ろす。

 疲労で足が動かず、さらに砂漠の砂で動きが鈍る以上
言葉に甘えた方がよさそうだ。

 プックルの背中に乗り、剣を構えようとするが…背中の上からじゃ
剣の間合いを掴む事が出来ない。

国王「これを使えぃ!」

 国王は自らが使っていたホーリーランスを馬車から外に投げ、
ランスが砂漠の砂の上に上手くささる…。
 マオは剣を収めてホーリーランスを手に取り、正面に構える。

マオ「……騎兵戦、一度もやった事ないけど
   プックル!準備は良いか?」

プックル「ガウ!」

マオ「行くぞ!突撃!」

 掛け声と同時にプックルは砂漠の砂を蹴り、物凄いスピードで
アンクルホーンに突進する。

0221創る名無しに見る名無し
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2012/05/14(月) 23:27:03.34ID:DXRDaAZp

 プックルに乗ってアンクルホーンと戦うマオを見て、
カンダタは苛立ちを感じていた。

カンダタ「くそったれ!
     また俺は何もできねぇのかよ!!」

 カンダタの拳が馬車の床に叩き付けられ、馬車が
揺れる…。

 プックルと戦った時も、マオは一人で戦ったようなものだ
巫女の時に至っては、気の圧されて体を動かす事すら出来なかった。
 マオのようにキラーマシンを動かして戦う事も出来ない、
国王のように財力からマオの旅をフォローする事も出来ない。

 イシスでの巫女との戦いの時は、目の前でマオが無残に殺される
瞬間を見せつけられた、国王の商才と財力から奇跡的にも
世界樹の葉を入手したおかげで、なんとか生き返る事は出来たが
国王の財力が無かったら、マオは今頃墓の下の埋められていただろう。

 旅をするには資金が必要だ、今回の国王が無茶苦茶やっているように見えて、
それもまた、マオの旅の為になる事なのだ。

 カンダタと言えば、ロマリアでは知らぬ者は居ない程の
大盗賊だ…それが、中身は魔王とは言え、戦い始めて1年程の
小娘をサポートする事さえできないのだ。

 ──…プライドはズタズタ…屈辱も良い所だ…。
 せめて…俺も呪文の一つも使えたら、マオを助ける事が
 出来るだろうに。

国王「焦るな…」

 そんなカンダタの様子を知ってか知らずか、国王はカンダタに
語りかける。

カンダタ「けどよ!!」

国王「焦るとロクな事にはならぬよ」

カンダタ「悔しいんだよ、俺は
    毎度毎度…大一番の時に見ているしかねぇってのがよ!」

0222創る名無しに見る名無し
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2012/05/15(火) 00:13:09.64ID:rwjtop9/

マオ「プックル!右!」

アンクル「…バギマ!!」

 マオの声と同時に、プックルは右に跳躍する、
一瞬前にマオ達が居た辺りを激しい砂嵐が巻き起こる。

 アンクルホーンが呪文を放った隙には背後へと回り込み、
マオの手にしたホーリーランスが、背中の右翼を
プックルの手にした黄金の爪が背中の左翼を切り刻む。

アンクル「…ウオォオオオオォウ!!」

 アンクルホーンが怒りの雄叫びを上げると…、赤い体が
さらに赤く染まり、筋肉が全身の筋肉が大きく膨れ上がった
かのように見える。

 砂漠の上だと言うのに一度距離を取ろうとしたマオとプックルを追撃し、
そのスピードに追い付く。

マオ「なっ!!」

 スピードの上では有利と踏んでいたマオ達に迫り、
勢い任せにプックルの背に乗ったマオに拳を叩き付ける。

 普段なら、プックルがスピード負けするはずもなかったのだろうが、
ピラミッドの中の連戦に加え、マオを背に乗せたプックルは、
予想以上に足が鈍っていたようだ。

マオ「ぐあっ!!!」

 太い拳の攻撃を肩に受けて、マオはプックルの背中から跳ね飛ばされ
砂の上を7回転ぐらいしてからようやくとまる…。

プックル「ヲォオオン!!」

 プックルはアンクルホーンの背中に飛びつき、首をかみ切ろうとするが
アンクルホーンはプックルの胴を掴み、砂漠の上に力任せに叩き付ける。

プックル「ギャイン!!!」

0223創る名無しに見る名無し
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2012/05/15(火) 00:16:26.36ID:rwjtop9/

マオ「プックル!…くそ!ベホイミ!」

 マオは複雑骨折したであろう自らの肩にベホイミを掛けて治療し、
プックルに駆け寄り、さらにベホイミを唱える。

兵士A「マオどの!下がっていて下さい」

マオ「何をしている!早く逃げろ!!」

 駆け寄ってくるイシス兵にマオは怒鳴り付けるが、兵士は首を
横に振り。

兵士A「ラリホー!!」

 マオに向かって睡眠の魔法を放つ。

マオ「…な…にを…」

 不意を突かれて呪文を受けてしまい、疲労も限界に達していた事もあって
強力な眠気がマオを襲う。

兵士A「貴女達はイシスにとって、いや世界にとって必要な人達です、
    もう、二度と失う訳には参りません。」

 他の兵士達がアンクルホーンの足を止めている間に、兵士Aはラリホーの呪文で
倒れたマオをプックルの背に乗せる。
 マオに敬礼する兵士Aの腕に装着された腕輪を見て、マオは兵士Aの覚悟を知った。

マオ「…よせ…やめ…ろ…」

 辛うじて意識を繋ぎ止めつつ、マオは声を絞り出すが
兵士Aはアンクルホーンに向かって走り出す。

兵士A「魔物め…我らがイシス兵の覚悟をとくと見よ!
    うおおおおおおっ!イシス王国ならびに女王陛下!万歳!!」

 アンクルホーンが兵士Aを叩き潰すと同時に、その腕輪が激しく光を放ち…
激しい閃光と爆風がイシス兵達とアンクルホーンを粉々に消し飛ばした。

 ───メガンテの腕輪───。

 兵士Aの腕に付けら得た腕輪は自己犠牲呪文、メガンテ封じ込めた腕輪であり
自らの命が奪われると同時に、全ての敵を消し飛ばす腕輪だった。

//---------------------------------------------
と、いう訳で今晩はここまで。
0225創る名無しに見る名無し
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2012/05/16(水) 00:05:22.03ID:DlEM2xTE

 ◆◇◆◇ イシス王国 ◆◇◆◇

 カラン…カラン…。

 城の塔に備え付けられた鐘が鳴る、鐘の音はイシスの城下町へと
鳴り響く。
 イシス城の中央広場、王国の紋章が入った棺桶を中心に
イシス兵の全てが集まっていた。

イシス軍の偉い人「敬礼!」

 ザッ!

 良く通る声の男が叫ぶと、城の広場に整列した兵士達が敬礼し、
墓場へと向かう棺桶を見送る。

 棺桶の中には遺体は無く、爆発した後に残った僅かな鎧の破片や
武器の破片が入っているだけだった。
 城のテラスに居るイシス女王がレクイエムを歌い、兵士達がそれに続く。

 参列しているのはイシスの兵だけではなく、その家族や友人達、
葬儀にはイシスの市民達も多く参列していた。

 棺桶の前で遺影を持って、泣き崩れているの老婆は兵士の母親だろうか?

 マオもまた、女王の横で名も知らぬ兵達の棺桶が墓へ向かう様を
仲間達と共に見送っていた。

 以前に巫女に襲撃された際も、こんな感じの葬式だったのだと言う。

0226創る名無しに見る名無し
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2012/05/16(水) 00:06:28.75ID:rwjtop9/

 ◆◇◆◇ イシス王国:謁見の間 ◆◇◆◇

 イシス兵達の葬儀の後、イシス女王は
葬儀の後で疲れていると言うのに、嫌な顔一つせずに
謁見を受けてくれた。

マオ「すまない、イシス女王…
   私達のせいで」

イシス女王「いえ…ご無事で何よりです
   マオ殿になにかあっては、オルテガ殿に顔向けできません」

 勇者オルテガのため…か、
この女王は、いや世界中の人間は全て勇者オルテガを助け
オルテガが魔王を討伐する事を信じている。

マオ「迷惑ついでに一つ頼みたい…
   イシスには外海を渡る船はあるか?」

イシス女王「船を…ですか?
   一体なぜ」

マオ「私も…師匠…オルテガを追って…
   バラモス城へ向かう」

イシス女王「それは、魔王バラモス討伐の旅に出る
     と言う事ですか?」

 女王の問いかけにマオは頷く。

マオ「……………はい。」

 結局はあの娘が言った通り、バラモス城へ向かう事になるのは
気に入らないが。
 この世界の魔王が何を成そうとしているのか、
気になる事は多々ある…。

 そして…異世界から魔物が多々呼び出されている事件、
確証は無いが魔王バラモスや巫女がその裏に関わっている公算が高い、

0227創る名無しに見る名無し
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2012/05/16(水) 00:06:54.62ID:DlEM2xTE

 そう仮定するならば、何故異世界の魔王を呼び出し力を奪った後も、
異世界から魔物を呼び出し続ける必要があるのだろうか?

 ひょっとしたら、魔王の力を奪うのは過程の一つでしかないのかもしれない、
本命が居るとすれば、それを呼び出しこの世界で何をしようとしているのか、
魔王バラモスが全てを知っているのは確かだ、恐らくそこには
巫女も居るだろう、そうなる以上は正面から衝突は避けられない。

 イシス女王はマオの瞳を見て暫く、黙り
決意を決めたのか、小さくうなずく。

イシス女王「それではポルトガ国王に親書を書きましょう」

マオ「ポルトガ?」

カンダタ「ポルトガって、ロマリアから海側の
     最強の海軍を持つ王国だよな」

イシス女王「そうです、残念ながら我が国イシスには
     外海を旅して魔物と戦う軍艦はありません、
     しかし、ポルトガ海軍の船ならば、貴方達の
     旅に役立つでしょう」

国王「しかし、ポルトガは
   ロマリアとの国境を扉で施錠し、ここ数年
   鎖国していると聞くが?」

カンダタ「そこで、こいつの出番だろ」

 カンダタは魔法の鍵を懐から取り出し、指先でくるくると
器用に回す。

0228創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/16(水) 00:39:18.95ID:DlEM2xTE

イシス女王「それと…マオ殿にはこれを」

イシス女官「女王様!それは!」

 イシス女王が取り出した小箱を見て、女官が声を上げるが
女王はそんな女官を手で制する。

イシス女王「構いません、貴女なら
      イシス王家に伝わるこれを託す事に、なんら不満は
      ありません」

 マオが小箱を開けると、そこには緑色の鱗を金色の金属と青い宝石で
装飾したような腕輪が入っていた。

イシス女王「古代よりイシスに伝わる秘宝、
      星降る腕輪です…きっと貴女のお役に立つでしょう。」

マオ「ありがとうございます、女王陛下」

イシス女王「ご武運を、そして無事に帰ってきてください」

 イシス女王からポルトガへの親書を受け取り、砂の国イシスを後にする、
向かう先は海の街ポルトガ、一度ロマリアへ戻った後に少し北上し、
閉鎖された海底洞窟を越えて西へ向かう事になる。

 馬車に荷物を詰め込んで準備を整える、イシスから砂漠を越えて、アッサラーム
そしてロマリアへと、今までの道順を戻る必要は無く、今度はマオの取得した
瞬間移動呪文、ルーラで一気にロマリアまで戻るため、荷物は少なかった。
0229創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/16(水) 00:39:51.02ID:DlEM2xTE

国王「こっちの準備はOKだ、そっちはどうじゃ?」

マオ「済まないが、話しかけないでくれ
   もう一度確認したい」

カンダタ「不安だな、大丈夫かよ…オイ」

 イシスの魔法使いから貰った、ルーラの呪文書を何度も見て
復習するマオに、カンダタは不安気な表情をみせる。

マオ「そのな、術自体は、そこそこ難しいぐらいなんだが
   コントロールがな…」

カンダタ「失敗すると、どうなるんだよ」

マオ「馬車ごと海に落下するか、最悪の場合、
   高度を間違えて空中に転移して落下するか、地面に激突するかもな」

カンダタ「ちょっ!」

 マオは覚悟を決めてルーラの呪文書を閉じて、立ち上がる。

マオ「よし!準備OKだ
   皆、馬車に乗り込め!」

 マオの言葉にプックルば馬車に乗り込み。

カンダタ「やっぱやめようぜ、そんな怪しい呪文
     時間かかっても歩いて行った方が…」

国王「四の五の言わずに、来いや」

 カンダタは国王に引っ張られて馬車へと押し込められる。

マオ「ルーラ!!」

カンダタ「いいいやぁぁぁぁぁ!!」

 マオが呪文を唱えると、カンダタの悲鳴と共に
光の軌跡を残して、砂漠の国イシスを後にする。
0230創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/16(水) 01:24:19.45ID:DlEM2xTE

 ◆◇◆◇ バラモス城 ◆◇◆◇

 イシスより南東、ネクロゴンド地方に浮かぶ
魔物の王が済む城、バラモス城。

 その奥の祭壇で呪文を唱える女の姿があった。

 今まで何百回と唱え続けた異世界から魔物を呼び出す召喚魔術、
魔術書の内容は既に暗記してしまった…。

 呪文を唱え終わり、巫女は呪文そのものが成功した手ごたえを感じる。

巫女「…終わったわ、例によって
   どこに何が呼び出されたか分からないけど。」

 召喚呪文を唱え終わり、巫女は背後に居た巨大な体躯を持つ
魔物の王に報告する。
 体長にして10メートルぐらいの恐竜のような頭を持ち、
緑のローブと赤いマントを来た魔物の王、バラモスだ。

バラモス「……大凡の見当は付くか?」

巫女「…今回はダーマ地方の辺りね。」

バラモス「……行け!確認して来い!」

 バラモスが命令を下すと、キャットフライやガルーダなど
空を飛べる魔物達が一斉にダーマ地方へ向けて飛び立つ。

 飛び立った魔物達を見届け、バラモスは玉座に
腰を下ろす。

バラモス「……やはり、精度が落ちておるな、
     人間だった頃に一度行った、最初の召喚が
     一番近かったか」

巫女「……ごめんなさい、父様。」
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/16(水) 01:25:45.87ID:DlEM2xTE

バラモス「……よい、気にするな
     召喚魔術は、人の身で行うには負担が大きすぎた
     回数を熟す事が出来ると言う意味では
     その体を手に入れたのは正解だった…」

 バラモスはその大きな手で巫女の頭を軽くなでる。


???『悠長な事だな…バラモスよ』

バラモス「……!!…ゾーマ様!!」

 突如広場に響いた声に、バラモスは大きく体を震わせ
玉座から降りて、床に跪く。

 闇がある一転に集まり…、オレンジ色のローブを纏った
魔族の男の姿をかたどる。

 一瞬…ゾーマの声に巫女が不満の表情を見せるが、
バラモスもゾーマもその顔に気が付く事が無かった。

ゾーマ『計画の成否は貴様次第だと言う事を忘れるな』

バラモス「……承知しております。
     ゾーマ様がご所望の品、このバラモス
     かならずや入手してご覧に入れます」

ゾーマ『貴様には期待している…ワシを失望させるなよ』

 様子を見に来ただけなのか、それだけ言い放つと
ゾーマの姿は再び掻き消える。

バラモス「……精度の件は、ワシも調べている
     とにかく、お前は召喚魔術を続けろ」

巫女「………はい…。」

 バラモスが部屋を後にすると、巫女は再び
召喚呪文を唱え始めた。

//---------------------------------------------
と、いう訳でイシスの話が終了
回数を重ねる毎に話を考えるのが難しくなるせいか、
どんどん文章が乱雑になって来る。
0233創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/18(金) 01:20:38.42ID:/QbbvWQY
 可能な限り頑張ってみるけど、色々あるから書けない日も
あるのよ、読んでくれているのは本当に嬉しいけど
実に申し訳ない。
//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ ロマリア北部:ポルトガへの地下道 ◆◇◆◇

 ロマリアの北にポルトガ王国へと続く、川底の古いトンネルがある、
かつてはポルトガとロマリアの間を数多くの商人や旅人が行き来していた
らしいが
 今となってはポルトガ王国とロマリア王国の国交が断絶されており、
互いに地下道の入口を施錠の魔術で封印している………との事。

 大陸側のロマリアからポルトガへの物資の流通が滞ると言う事は、
普通ならばポルトガにとっては大きな損失だったのだろうが、
数多くの戦艦や武装商船をもつポルトガは国交断絶した後でも
問題なく繁栄を続けている……らしい。

マオ「しかし、なんだってわざわざお互い損をするのに、
   国交断絶なんてしたんだ?」

国王「それを語るとなると
   1000ページぐらいの分厚い本になるぐらいだが
   聞きたいかのう?」

マオ「…………遠慮しておく」

カンダタ「平たく言うと、
     百年ぐらい前に喧嘩して絶交した」

マオ「あーそぉ…」

 そんな歴史ある鍵をロマリア国に許可取らずに開けてしまって
良いのかとも思うが、気にしない事にする。

 第一、魔王討伐を命令したのはロマリアだ。
(引き受けたのはオルテガだけど)
人間同士の争い何て、人間と魔物との争いに比べれば
大事の前の小事………と、言う事にしておく。

0234創る名無しに見る名無し
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2012/05/18(金) 01:26:21.02ID:/QbbvWQY

 魔法の鍵を鍵穴に差し込むと、百年ぐらい閉じられていたという
鍵穴は難無く開き、軽い音が響く。

 そのまま扉を押すが…長い間ずっと閉ざされていた扉は、
完全に錆びついてマオの力では全く動かない。

カンダタ「どいてな…
     ふんぬぉおおおおおおぉっ!」

 カンダタが顔を真っ赤にして、扉を全力で押すと
扉も観念したのか、重い音を立てながらゆっくりと開く。

プックル「きゃいん!」

 扉を開くと扉の奥からするカビ臭いが流れはじめ、
見事に風の直撃を受けたプックルが悲鳴を上げる。

国王「まさに、100年分のカビじゃの
   プックル…しんどいなら馬車に下がっておれ」

 扉の先は長い長い地下道となっており、
幸い馬車やキラーマシンが問題なく通り抜けられる程の幅があり、

地下道を抜けた先の扉を開けると、川の先に繋がっており、
そこはすでにポルトガ王国領だった。

カンダタ「さーて、ポルトガ国王陛下は
     素直に船を譲ってくれりゃいいんだけどよ」

マオ「どうだろうな、いくらイシス女王の紹介状があるとは言え
   気前よく船をくれるとも思えないが」

 カンダタの声にマオが応えると、カンダタも同じことを考えていたのが
溜息をつく、そのまま国王に振り返り。

カンダタ「おめぇは国王だろ?
     ポルトガ国王とコネとかねぇのかよ」

国王「期待されても、ワシは今やアリアハンの国王じゃないしの、
   ポルトガ国王に会った事も無いし、期待には応えれぬよ」

0235創る名無しに見る名無し
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2012/05/18(金) 01:28:30.06ID:/QbbvWQY

マオ「いざとなれば、盗むと言う手もあるしな…」

カンダタ「…………………………」

国王「……………………………」

プックル「……………………………」

 さらりとマオのいった言葉に、三人とも押し黙る。

カンダタ「……盗むって、ポルトガの軍艦を…3人でか?…」

マオ「最悪の最悪な場合はな」

 カンダタと国王は深々と溜息をつく。

カンダタ「……外洋航海が出来る大型の軍艦なんて
     人間3人だけじゃうごかせねーよ…」

マオ「……なん…だと…?」

 割と本気で驚いているマオに、国王とカンダタは
かたをすくめる。

 などと話しながら、今は使われていないであろう
草だらけの荒れた街道を南下して行く…。

 街道は海まで続き、やがて大きな港町が見えて来る…。
港にはいくつもの大きな帆船が停泊しており、
商人の武装貨物船だろうか、木箱を満載した船が
ポルトガの港をを出航して行くのが見える。

マオ「……潮風が気持ちいいな。」

 キラーマシンのハッチを開けて顔を出すと、心地の良い
潮風がマオの顔をなでる。

国王「ええのぅ…ワシも…自分の船団を持ちたいのぅ。」

 商船を見て国王はしみじみとつぶやく。

0236創る名無しに見る名無し
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2012/05/18(金) 01:29:30.14ID:/QbbvWQY

カンダタ「……ここまでくれば、もうポルトガは目と鼻の先だ
     一気にいっちまおうぜ?」

プックル「ばう!」

マオ「そうだな、休むのはその後だ」

 マオは再びハッチを閉じて、キラーマシンに馬車を引かせる、しかし
スロットルを踏み込むも、キラーマシンの動きがどうも鈍い。

国王「どうした?MP切れか?」

 伝声官から国王の声が聞こえる。

マオ「いや…MPはまだ残っているが
   どうもキラーマシンの様子がおかしい
   制御系で幾つかエラーが出ているようだ」

カンダタ「ここの所、ずっと無茶させ過ぎていたからなぁ」

 ノアニールの洞窟に始まり、カザーブを越えてロマリア…
その後にアッサラームへ向かう途中にプックルとの激闘、
モンスターと戦いながら砂漠を越えてイシスへ。
 そしてロマリアからポルトガ。

 以前失った左腕を除いても、キラーマシンの全身はボロボロの
傷だらけ、可能な限りメンテナンスはしているつもりだが
この世界ではオイル交換すら出来ないのが現状だった。

国王「ポルトガは造船技術が栄えているだけあって
   機械技術も長けておると聞いた事がある」

カンダタ「もしかしたら
   コイツも少しはマシな修理ができるかもな」

マオ「だってよ…相棒…
   もう少し我慢してくれよ」

 マオが言うとキラーマシンに通じたのか、機嫌が直ったかの
ように再び前へと進み始める。
0237創る名無しに見る名無し
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2012/05/18(金) 01:33:00.62ID:/QbbvWQY

 ◆◇◆◇ ポルトガ王国:城下町 ◆◇◆◇

 ポルトガの街に入ると、例によってプックルやキラーマシンを見て
住民達は驚き、ポルトガの兵までもが出て来る。

ポルトガ兵A「止まれぃ!何者だ?お前達は
      どうやってこのポルトガに来た!」

 ポルトガ兵達は手にした剣を抜き放ち、マオ達へと向ける。

マオ「私はマオ、イシス国からロマリアを越えて旅をして来た者だ
   イシス女王陛下からポルトガ国王陛下への親書を預かっている
   ポルトガ国王陛下へのお目通りを願いたい。」

 マオの言葉にポルトガ兵達は顔を見合わせるが、マオがイシス女王の
親書を兵士に渡し、兵士が親書の封筒に記されたイシス王国の印を見ると
剣を鞘に納め頭を下げる。

ポルトガ兵A「これは、失礼しました…
      陛下に確認してまいりますので、少々お待ちください
      おい!この方達を宿へとお連れしろ!」

ポルトガ兵B「ハッ!こちらへどうぞ!」

 ポルトガ兵の一人(おそらく一番偉い人)が親書を持って、王城へと向かい、
とたんに態度が軟化した兵に連れられて、マオ達はそのままポルトガの
宿へと向かう。

0238創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/18(金) 01:33:46.41ID:/QbbvWQY

 ◆◇◆◇ ポルトガ王国:城 ◆◇◆◇

ポルトガ国王「なるほど…バラモス討伐の旅…か」

 ポルトガ国王から声が掛かったのは夜になってから、
アリアハン国王、カンダタ、マオそしてプックルまでも
ポルトガ国王との会食の場に呼び出されていた。

 ポルトガ国王と名乗った男は予想よりも若く、そして
鍛えこんだ体をしているようにも見受けられる。

 年の頃は40そこそこだろうか?アリアハン国王やロマリア国王と
違って随分若い…、もっともイシス女王はさらに若かったが。

ポルトガ国王「たしかに…我が国には魔物と戦い
       外洋を航海する事の出来る船もあるにはある…
       我が国にとっても、魔王バラモスの脅威は
       無視できないし、協力するのもやぶさかではない…が」

 国王はスプーンでスープをすくい、口に運ぶ…。

国王「まわり諄いのう…一体何が言いたいのじゃ?」

ポルトガ国王「…そう、あせるなアリアハン元国王陛下
       要するにじゃ、イシス女王陛下はお主らを
       信頼しているようじゃが、ワシはお主らが
       信用に値する人物かどうか分からんと言う事だ」

マオ「…………書状一つでは、信頼していただけませんか?」

ポルトガ国王「極端な事を言ってしまえば
       この書状がニセモノって可能性もある
       おっと…今のは言っちゃマズイな、イシス王国を
       信用してないって事になっちまう」
0239創る名無しに見る名無し
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2012/05/18(金) 01:41:09.70ID:/QbbvWQY
カンダタ「つまるところ…その書状がホンモノか
     見分ける手段がねぇって事だろ?
     けどよ、そいつはそっちの都合じゃねぇか」

国王「…………カンダタ…お主、ド直球にモノ言うのぅ」

ポルトガ国王「かまわねーよ、そいつに関しては
       ウチの落ち度だ」

 随分とフランクな物言いをする国王だ、
色々交渉する立場だと硬い言い回しよりも、こっちの方が
楽で喋りやすいが……もしかして、合わせてくれているんだろうか?

ポルトガ国王「で、だ…
       一つ仕事をひきうけてくれねーか?」

マオ「…………仕事…ですか?」

ポルトガ国王「そーよ…今まで何人もに人間がトライしたけど
       誰も成功せず、それどころか死体になってくるのが
       殆どって、すげぇ面倒でかつ危険な仕事って奴よ」

 歯に衣着せぬ奴である…。

ポルトガ国王「命の危険もあるが、魔王に喧嘩を売ろうってーんだ
       どうってこともないだろ」

カンダタ「それで?一体何をさせてぇんだ?」

ポルトガ国王「こいつよ」

 ポルトガ国王はスープ皿をスプーンで軽くたたく。

ポルトガ国王「ロマリアと国交断絶して以降
       ウチの国じゃ、香辛料が馬鹿みたいに高騰してやがってな
       安く入手できるって話の東大陸へ言って、香辛料を入手し
       レポートに纏めて欲しい」

国王「東大陸って…アッサラーム山脈よりも東って事かの?
   確かに…山脈を越えようとした者は何人も居たが
   誰も辿り着いたものは居ないと言う」

ポルトガ国王「やってくれるってんなら、ウチの国が責任をもって
       魔物と戦える外洋航海船をウチで新造してやるぜ?
       オマケで、ウチの港を自由に使って船の修理・メンテも
       引き受けてやる…悪い話じゃねぇだろ?」

マオ「…………確かに…悪い話ではないな、
   いいだろう、その話…受けよう。」

//---------------------------------------------
明日が終われば休日なのです、
ゲームしてネタ集めて、書き溜めして、
ビール園行って、そしてRPGツクールが進まない。
そんな訳で、今日はここまで。
0240創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 00:18:42.69ID:d8XH3xT/

 ◆◇◆◇ ポルトガ王国:城下町 ◆◇◆◇

カンダタ「よう、待たせたな」

カンダタ子分「姐さん〜」

マオ「お前達…久しぶりだな」

 キメラの翼を使ってロマリアやカザーブから
子分達を引き連れてきたカンダタ、その数はざっと
20名程。

マオ「すまないな、突然呼び出して」

カンダタ子分「いいんすよ、姐さんの頼みとあれば
       帆船を動かすぐらい訳ないですぜ」

国王「こやつらは?」

カンダタ「俺の子分達よ…
     元々盗賊をしてただけあって、力だけは
     有り余っているぜ」

 ポルトガに帆船を貰ったり、港を提供してもらったり
するのは良いのだが、帆船を動かすためには多数の人員が
必要となる。

 どれぐらいの期間旅をするか分からない以上、ずっと
ポルトガの船員を借りる訳にもいかない。

 船に関しては素人だが、マオが東の国に行っている間に
ポルトガで船の建造を手伝いつつ、帆船の動かし方を
学んでもらうという訳だ。

0241創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 00:20:25.78ID:d8XH3xT/

 それはともかくとして。

マオ「あいつらの勉強が無駄にならないように
   私達もしっかり働かないとな」

国王「じゃのぅ、アッサラームから山を越える
   探検隊を何度も見た事があるが、帰ってきたと言う話は
   一度も聞いた事が無い…無事に帰ってこれると良いのじゃが」

カンダタ「なーに、なんとかなるってもんよ
     俺達はポルトガ国王に抜け道を教えてもらったしな」

 対するカンダタは気楽なものである、
ポルトガ国王はアッサラーム山脈から東へと抜ける山のトンネル
バーンの抜け道を知っているらしく、抜け道を守っている
ホビット族へと紹介状を書いてもらったのだ。

カンダタ「楽しみだぜ、東の大陸
     いったいどんなもんがあるんだろうな」

 ◆◇◆◇ アッサラーム山脈、バーンの抜け道 ◆◇◆◇

 アッサラームから東に抜けると、山の麓に大きい洞窟がある
ホビット族の気難しい中年男がそこに住んでいた。

 中年男の名はノルドと言うらしいく、アッサラームでは随分有名な
人間嫌いらしい。

 マオ達の顔を見るなり、物凄く不機嫌そうな顔をみせたものの
ポルトガ王の使いである事を告げると一気に態度が軟化した。

ノルド「するってぇと、お前さんがたは
    バーンの抜け道を通りたいのかい?」

 ポルトガ王の紹介状を渡すと、ノルドは紹介状を一読して
マオ達に言う。

マオ「ああ、すまないが頼めるか」

ノルド「ポルトガ王の頼みだってーんなら
    しゃーねーか」

 ノルドは立ち上がり、通路にある大岩をどかすと、
人がギリギリ通れる程の大きさの穴が現れる。
 奥は細い通路になっているのか、風が奥から流れ込んでくる。
0242創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 00:21:48.62ID:d8XH3xT/

ノルド「こいつがバーンの抜け道だ…」

マオ「随分狭い通路だ…
   こいつぁ…キラーマシンを置いてきて
   正解だったな」

国王「幾多の人間が山脈を越えようとして命を落としたのに
   こんなあっさりと抜け道があるなんてな。」

カンダタ「ぐお…狭ぇ」

プックル「がふぅ。」

 小柄なマオや国王はともかく、大柄なカンダタやプックルは
なんども通路に突っかかりながら、なんとか抜け穴を抜ける…。

 元々大きな洞窟だったのが、一部落盤したようで
地盤の弱い落盤した箇所を回避するように抜け道を
掘り進めたようだった。

ノルド「洞窟の出口から南まで行けば聖なる河の街
    バハラタだが、強いモンスターが出るぜ…気を付けな」

 ノルドに見送られながら、一向は山脈の下を貫くトンネルをひたすら
歩き続ける。
 どれぐらい歩き続けただろうか、山脈を貫く程の長い洞窟を進み続けると
やがて洞窟の先から太陽の光が差し込んでいる。
 一向が長い洞窟を潜り抜けると、そこはアッサラーム山脈の反対側
山の中腹だった。

カンダタ「っかー!!
     外の空気がうめぇぜ!」

マオ「さすがに疲れた…
   ずっと歩き続けていたからな」

 馬車があれば楽だったのだが、キラーマシンがいつ止まっても
おかしくない状態だったので置いて来たのだ。
 どちらにせよ、抜け道を通り抜ける事は出来なかったんだろうが。

国王「今日はここらでキャンプにするかの?」

0243創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 03:42:52.70ID:d8XH3xT/

 国王が道具袋からテントを取り出そうとした時。

 グルルルルルルル…………。

カンダタ「プー公よ、メシは後だ…
     先にテントをはっちまわねぇとな」

プックル「ガウ!!」

マオ「カンダタ!違う!
   後ろだ!」

 マオが叫び武器を抜き放つ、ゾンビの様に全身ばボロボロになった大きな
赤い犬のモンスター…。
 全部で四頭の腐った犬のモンスターは、見かけによらず俊敏な動きで
走り回る。

国王「デスジャッカルじゃ!!」

 国王がモンスターの名を叫ぶ。

カンダタ「犬野郎が!!」

 カンダタが新調した武器、おおばさみを袋から取り出し腕に装着する。
巨大なハサミが肘の動きに連動して閉じるようになっており、
突き刺した後に肘を曲げるとハサミが閉じると言う凶悪な武器だ。

 上手く当たれば犬の首ぐらい一撃で落とせそうなのだが、
カンダタはデスジャッカルの唱えたマヌーサの呪文包まれてしまう。

カンダタ「くそったれ!」

 カンダタは手当り次第におおばさみを振り回すが、デスジャッカルの
幻影に振り回された当たらない。
0244創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 03:43:24.79ID:d8XH3xT/

国王「うひぃ!危ない!」

マオ「皆!一度下がれ!」

 カンダタの振り回すハサミに巻き込まれないよう逃げ回る国王と
プックルに下がるように命じ、マオは素早く呪文を唱える。

マオ「バギマ!!」

 唱えた呪文を放つと、豪風が幻ごとデスジャッカルを巻き込み、
実体のデスジャッカルのみ上空に吹き飛ばす。

カンダタ「そこか!!」

 跳ね飛ばされて身を起こそうとするデスジャッカルにカンダタは
駆け寄り、右腕のハサミがデスジャッカルの首を跳ね飛ばす。
 さらに、プックルも右手の黄金の爪でデスジャッカルを仕留め、
国王も同時にホーリーランスで止めをさす。

国王「後一頭じゃ!」

マオ「油断するなよ!」

 残りの一頭…だが、
残った一頭が空に向かって高らかに遠吠えすると、森の奥から
何体ものデスジャッカルが現れる。

カンダタ「あれま。」

国王「あらら−!団体さんのお着きだぁ」

 声に呼ばれて、さらに現れたデスジャッカル達
全部で合わせて8頭。
 振出に戻るどころか、最初よりも悪い状況だ。

0245創る名無しに見る名無し
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2012/05/20(日) 03:43:45.23ID:d8XH3xT/
マオ「くっ!」

 4頭同時に飛びかかられるが、マオはなんとか身をかわす
すり抜けざまに剣でデスジャッカルの一体を捕えるが
斬り付けが浅く、致命傷は通らない。

 本能的にマオがリーダーと感じたのだろうか、戦力の半数を使って
マオに襲いかかるとは、ゾンビとは言え大した犬だ。

 マオは再び精神を集中させて呪文を唱える、普通なら絶対
間に合わなかったのだろうが…。
 マオの腕に着けられた星降る腕輪が淡い光を放ち、マオを包む。

 ──ガウ!!

カンダタ「マオ!!」

国王「えぇぃ!貴様等どかぬか!」

プックル「ガウ!ウーガウ!」

 呪文が完成する前にマオに飛びかかるデスジャッカル
普通なら絶対に間に合わず、マオはデスジャッカルの
牙の餌食になる所だったのだろうが。

マオ「バギマ!!」

 二度目の豪風がマオに飛びかかろうとしていたデスジャッカル
達を吹き飛ばす。

国王「お次はヒートギズモに、ハンターフライじゃ!」

 戦いの音を聞きつけたのか、魔物達がさらに現れる。
オレンジの雲のような形をした、火を噴く魔物
ヒートギズモに、ギラの呪文を使う厄介な虫型モンスター、
ハンターフライだ。
0246創る名無しに見る名無し
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2012/05/22(火) 02:07:54.91ID:pMC2Hhxw

 ヒートギズモは参戦するなり大きく息を吸い込み、
炎の息を吹きだす。

国王「うひぃ!」

 狙われたのは一番足の遅いアリアハン国王であり、
襲いかかる炎から逃げ回る。
 背中の荷物に火が引火し、あたふたと逃げ回る。

マオ「国王!」

カンダタ「動くんじゃねぇって!」

 プックルがヒートギズモの前に立ちはだかり、黄金の爪で
ヒートギズモを切り裂く。
その隙にカンダタとマオが引火した国王の荷物を消火する。

国王「数が多すぎるわい!」

 上空にはハンターフライの群れ、地上にはデスジャッカルの
群れに囲まれている、逃げようにも完全囲まれて
逃げ道は塞がれている。

 大陸の東に入って早々…随分と手荒い歓迎を
受けた者である。

マオ「だったら一気に吹き飛ばす!
   バギマ!」

カンダタ「燃え尽きろ!
     ベギラマァ!!」
0247創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/22(火) 02:27:18.16ID:pMC2Hhxw
 マオの放った風の呪文が竜巻を起し、
間髪入れずにカンダタの放った炎の呪文が帯状に伸び上がり、
そのままマオのバギマに巻き込まれる。

 風に煽られたベギラマは炎の竜巻となり、デスジャッカル達を纏めて
消し炭にしてゆく。

国王「呪文が合体したじゃと!?」

カンダタ「このまま右だ!マオ!」

マオ「わかっている!」

 呪文を放出したまま、マオとカンダタは方向転換し
空に逃げようとしたハンターフライも炎の竜巻に巻き込んでいく。
 ややあって呪文炎がおさまり、消し炭になったデスジャッカルや
ハンターフライの死骸が転がっていた。
 大量に居た魔物の群れは綺麗に全て全滅していた。

マオ「カンダタ…まさか、こうなるって知ってて
   狙ってやったのか?」

カンダタ「まさか、偶然だよ…偶然」

国王「にしても、この様子じゃ
   落ち着いてキャンプする事も出来んのぅ」

カンダタ「確かに…な」

 いつもならば、聖水をばら蒔いてモンスターを遠ざけ
見張りを立ててキャンプするのだが、ここまで
モンスターが多いと、ゆっくり休む事も出来ない。

マオ「このまま街へ行こう、
   南にバハラタの街があるとか言っていたな」

カンダタ「仕方が無いか…そう遠くなければ
    良いんだけどな。」

 キャンプを諦めて荷物を分担し、
一向はそれぞれ重い足取りでバハラタの街を目指す。
//---------------------------------------------
 平日だから大して書けない、と言うより平凡すぎる展開
読み手の方々も飽きるだろうな、なんとかしたいけど
スキルが無い、磨くための練習でもあるけど
とりあえず、平日でもあるので、今日はこの辺まで。
0249創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/23(水) 02:32:25.61ID:OROJ3Okh
さんくす、気張って続行させて
もらいます。
//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ 東大陸、バハラタ ◆◇◆◇

 バーンの抜け道を越えて南に進むと、やがて大きく
綺麗な川が見えて来る。

 川沿いに綺麗な石造りの家が立ち並び、街の外には
広い畑が広がっている。

 畑には縦に細長い木が整然とならんでおり、
それぞれ小さな実を付けている。

国王「胡椒の木じゃ、
   どうやら、ポルトガ国王との約束は果たせそうじゃの」

プックル「ガウ!!」

カンダタ「…………そうだと良いんだけどよ」

 カンダタは浮かない顔をしてポルトガの街を指差す。
カンダタの指差した方向から幾つもの黒い煙が上がっていた。

マオ「火事…か?」

カンダタ「どうやら、また面倒事に巻き込まれそうだぜ?」

国王「やれやれ、息つく暇もないのう」

 バハラタの街に入ると、そこかしこに人が倒れていた、
幸いにして死んでいる人間は居ないようだが、まるで魔物にでも
襲われたかのように、酷い有様だった…。

若い娘「………う…うう…」

 街の入り口に頭から血を流して倒れている、瀕死の重傷を負った
若い娘が倒れている。

0250創る名無しに見る名無し
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2012/05/23(水) 02:34:44.94ID:OROJ3Okh

国王「しっかりせんかい!」

マオ「馬鹿!動かすな!
   皆は他の奴らを頼む」

 娘を動かそうとする国王を制止し、マオは
カンダタ達に指示する。

カンダタ「わかったぜ!そいつは任せた!
     いくぜ、国王!プー公!」

国王「よしきた!」

プックル「わう!」

 カンダタ達は荷物を道路の脇に置いて、その中から薬草や
傷薬など、治療に役立ちそうなもの以外をその場に置いて
それぞれバハラタの街の中へ散っていく。

 マオもまた治療の呪文を口にし、手のひらを娘の頭に翳す…。

マオ「ベホイミ!」

 癒しの光が娘の頭の傷を癒して行き、頭の傷口から血の流出が止まり
致命傷の傷が塞がっていく。

若い娘「…………う…うぅ………」

マオ「気が付いたか」

 マオは娘を仰向けに起こしてやろうとするが…、娘の胴に触れると
べったりと手に血が付く。
 仰向けに起こすと…肩口から腰に掛けて、一刀で斬られた後があった。

 頭の傷に加えて重度の傷だ、これで死なずに生きていたとは
この娘の随分と運が良いようだ。

0251創る名無しに見る名無し
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2012/05/23(水) 02:36:06.30ID:OROJ3Okh

マオ「ベホイミ!」

 二度目の回復呪文を唱え、体の傷を塞いてゆく、
娘の服は大きく斬り付けられた上に血でドロドロに汚れており、
とても服として使えるものでは無かったが、この街を歩いているものは
誰も居ない。


若い娘「…あなた…は?」

マオ「私はマオ…ポルトガからアッサラームを越えて
   旅をしてきた者だ」

 マオはマントの留め具を外して娘に掛けてやりながら娘の質問に
応える。

マオ「運が良かったな、頭がぱっくり割れていた上に
   腹を斬られて死ななかったなんて」

マオ「………おっと、まだ立つなよ、傷は一応治したが
   随分と血を失ったみたいだからな」

若い娘「…ありがとう、命を助けられたみたいね」

 マオの差し出した水筒を受け取りながら、娘はマオに微笑み返す。

0252創る名無しに見る名無し
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2012/05/23(水) 02:37:00.17ID:OROJ3Okh

マオ「………何があった?」

若い娘「人攫い達が襲ってきたの
    ……そうよ!…タニアはどこ!?」

 慌てて辺りを見回す娘、しかし慌てて見渡しても、
人攫いはとっくに撤退したようで、その場にはマオと娘しかいなかった。

マオ「察するに、タニアと言う人が
   その人攫いに連れて行かれたのか?」

若い娘「なんとか逃げようとしたんだけど…
    抵抗する間も無く、連れて行かれちゃったわ
    奴らは強いわ!とんでもなく
    たった4人にバハラタの街はこの有様よ」

 娘に言われるがままに、マオはバハラタの街を見渡す
所々の戦闘の後は剣や呪文を使った形跡がみられる。

 呪文が炸裂した後であろう後を見てみると、石畳や
石壁が高熱により溶けた形跡がある。
 相当に高度な呪文の使い手なのだろう…。

 それに…カンダタや国王達が治療している兵士の
盾が真っ二つに両断されたり、鎧をものともせずに致命傷を
与えた後を見るに、相当凄腕の剣士と戦ったのであろう。


国王「すまんの、マオ!そっちが済んだら
   こっちもベホイミを頼む!」

マオ「分かった!」

 国王の呼びかけにマオは娘を置いて、駆け出す
ひとまず考えるのは後だ、バハラタの民を助けるのが
優先だろう。
0253創る名無しに見る名無し
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2012/05/23(水) 02:37:40.88ID:OROJ3Okh

 ◆◇◆◇ バハラタ広場 ◆◇◆◇

 一通り、バハラタの民を治療し終え、くたくたになった後、
民達の好意によって、宿屋の部屋が宛がわれたりはしたが、
怪我人を押し退けて宿に泊まる訳も行かず、辞退した。

 バハラタの川辺にある広場にテントを張り、ひとまずそこで
一休みする事にした。
 街の外と違って魔物に襲われないだけ、随分マシだ。

カンダタ「人攫いだとよ、随分派手にやられたらしいな」

国王「人間を攫うだなんて、世も末じゃの」

マオ「奴隷市場にでも売りとばすとか
   そんな所だろうか、ヒトも魔王も
   やって居る事は大して変わらんもんだな」

マオ「………しかも…相手は余程の使い手だ」

プックル「ばう!」

???「ひぃっ!」

 プックルが吠えると、物陰から様子を伺っていた
男が悲鳴を上げる。
 どうやら、マオ達に何か用事でもあったらしい。

老人「…これ!グプタ!
   すみませんな、旅の方々
   お疲れの所申し訳ないのですが、少々よろしいでしょうかな?」
0254創る名無しに見る名無し
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2012/05/23(水) 02:38:25.32ID:OROJ3Okh

 老人と若い男の二人組が物陰から現れる。

老人「ワシは…バハラタで胡椒屋を営んでいるものでしてな
   こちらは、グプタと申します」

老人「知っての通り、このバハラタは北の洞窟にすむ人攫いどもに
   襲われましてな、ワシの孫娘のタニアも攫われて
   しまいました」

老人「連中は……タニアの命が惜しかったら
   黒胡椒を全て差し出せと」

国王「……その者達…黒胡椒の真の価値を知っておるの」

 実際、ポルトガやロマリアでは胡椒は高級品として取引されている、
ポルトガに至っては黒胡椒と金は等価で交換される程だ。

カンダタ「で、助けてくれって訳だ」

 国王とカンダタが口を挟むと、老人は申し訳なさそうな顔をしつつ頷く。

老人「命の恩人に、さらに面倒を掛けるのは
   気が引けるのですが、貴方がたは強そうじゃ…どうかワシの孫娘を」

グプタ「やはり…ボクが行きます!」

 老人の横で黙っていたグプタが突然声を上げる。

グプタ「見ず知らずの旅の人に、これ以上迷惑をかけるなんて
    ボクが!…ボクがタニアを助け出してみせます!」
0255創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/23(水) 02:40:42.46ID:OROJ3Okh

老人「グプタ!」

 街の外へと走り出そうとする、グプタ
その背にマオは言葉を投げかける。

マオ「………………………死んじゃうよ?」

 グプタの足がピタリと止まる。

カンダタ「言っちゃわるいかもしれねぇが
    お前さんじゃ、その人攫いとやらに
    殺されるか、捕まるのがオチだぜ?」

グプタ「それでも…
    タニアが酷い目に会うのを、黙って
    見過ごす訳にはいかないんです!」

 再び背を向けてグプタは街の外へと走り出して
行ってしまう。

国王「若いのぅ〜………」

カンダタ「ったく…
    せめて"手を貸してくれ"ぐらい、言えないもんかね」

 ホーリーランスを取り出す国王に、おおばさみを腕に
装着するカンダタ。
 そろいもそろってお節介な奴らだ。

老人「おお!助けに行って下さるのか!」

 実際…人攫いをどうにかしないと、黒胡椒どころじゃ
ないのかもしれない。

マオ(それに…なんだか、嫌な予感がする)

 装備を整え、マオは表情を引き締める
街の惨状を見た時から、嫌な予感がしてならない。

//---------------------------------------------
と、言う所で今日はここまで
本当は人攫いとバトルか、遭遇する所まで
書きたかったんですが、タイムオーバー。
0256創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/25(金) 04:07:05.55ID:vCuEES7H
さて、ここから話を回すのがさらに難しくなる…はず。
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 ◆◇◆◇ バハラタ:北の洞窟 ◆◇◆◇

 バハラタの北に森に囲まれた洞窟がある、
人攫い達の住むアジトであり、どうやら元々は
何かの神殿だったようだ。

 似たような部屋を繋ぎ合わせたような作りで
マッピングしないと自身がどこを歩いているのか
分からなくなるような神殿。

プックル「ばう!」

 本来なら虱潰しに人攫いを探して、遺跡を歩き回る所だが、
プックルの耳と鼻があるのでどこに居るのか特定するのは
そう難しくも無い。

カンダタ「居たぜ、どうやら連中が人攫いみてぇだ」

マオ「国王、プックル
   頭を下げろ」

 遺跡を地下二階まで降りると、色々な生活用品が置いてある
一室に辿り着く。
 声を抑えて物陰に隠れる一行。

国王「ここから見た所、3人ぐらいじゃの」

 ピンクの鎧を着て、大きな斧を持ったガタイのデカい男、
次に、杖を持って緑のローブを着こんだとんがり帽子の短髪の若い娘
最後にピエロのような派手な服を着こんだ男の3人の姿が確認出来た。

0257創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/25(金) 04:08:37.89ID:vCuEES7H

マオ「一人…足りないな
   4人居るとか言っていたが」

カンダタ「どうする?
    戦っちまうか?」

 カンダタは武器を構えるで小声で言うがが、マオは首を横に振る。

マオ「相手はたった4人で街を壊滅させるほどの使い手だ
   それに一人足りないのが気になる、少し…様子を見よう」

 物陰に隠れつつ…呪文を唱えるマオ、
いつぞやシャンパーニの塔でやった、声を増幅するバギの呪文の
応用呪文にさらに手を加えた呪文で、
空気の振動を読み取って、遠くの声を聞きとる呪文だ。

カンダタ「いつもながら…器用だな…お前」

マオ「静かに」

 ◆◇◆◇ 北の洞窟:人攫いのアジト ◆◇◆◇

戦士(男)「とりあえず、奥の牢屋にブチ込んできた
   ったく…手間かけさせやがって」

遊び人(男)「なかせるねー…わざわざ
    たった一人だけで彼女を助けに来るなんて」

 ピンクの鎧を着た男が、ピエロの姿をした道化の男に
話しかける。

魔法使い(女)「全く、アタシらは
    いつまでカビ臭い所に居れば良いんだい」

 椅子に座って雑誌を読んでいた、とんがり帽子の女が
うんざりしたような様子で言う。

0258創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:09:34.27ID:vCuEES7H

遊び人(男)「ほひほひ…勇者が船を持ってくるまでの
     辛抱だってさ、したら身代金替わりの
     黒胡椒を要求して、ポルトガ辺りで豪遊できるさ
     ほひほひ」

 道化の男が下品に笑い、とんがり帽子の女が杖を振るい
道化の男の頬を杖で殴りつける。

遊び人(男)「何をするんだよぉ」

魔法使い(女)「このおバカ!
      ここには人質も居るんだよ!聞かれちゃったら
      どうするんだい!」


遊び人(男)「どうせ顔を見られちゃったんだ
      どちらにせよ、殺すしか無いじゃないか…ほひほひ」

魔法使い(女)「やだね−、これだから男って奴は
      野蛮だから…あーやだやだ」

戦士(男)「……………………………。」

 ふと…魔法使い(女)は、戦士(男)がじっと扉の外を睨みつけている事に
気が付く。

魔法使い(女)「どうしたんだい?」

戦士(男)「…………誰か居る、おい!出て来い!
     そこに居るのは分かっているぞ!」

 戦士(男)は斧を持ち上げ、力任せに遺跡の石壁に叩き付ける、
叩き付けられた斧は石壁をあっさりとブチ砕き、砕いた壁の向こうに
隠れていたマオ達の姿が露わになる。

魔法使い(女)「敵襲かい!」

 戦い慣れをしているのか、魔法使い(女)は呪文を唱え始める、
しかし、それよりも素早く…崩れた壁から素早く何者かが飛び出し、
魔法使い(女)の口に手を当てて、呪文詠唱を防ぐ…。

魔法使い(女)「むぐっ!?」

0259創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:10:36.26ID:vCuEES7H

マオ「動くな!!」

 訳の分からないまま、呪文の詠唱を妨げられ、目を白黒する
魔法使い(女)、口を押えられたまま剣を喉元に押し付けられ。
動きを封じられる。

戦士(男)「ちっ!星降る腕輪だと!?
     ナメた真似を!」

 マオの腕に着けられた腕輪を見て、驚愕の声を上げる戦士(男)、
対処方法を考えようとした所で、横から飛び出した大きな獣と大男に
二人がかりで斧を押さえつけられてしまう。

プックル「ガルルルルルルル…………」

戦士(男)「魔物だと!?それに…盗賊カンダタ!?」

 プックルとカンダタを見て驚愕の表情を浮かべる
戦士(男)。

マオ「国王!」

国王「わかっとるわい!」

 マオが叫ぶと、国王は捕えられた二人を助け出そうと
アジトの奥にある牢屋へと走っていく。

遊び人(男)「ほひ!?王様!?」

マオ「マホトーン!…………妙な動きはするなよ」

 呪文封じの呪文を魔法使い(女)に掛けた上で、口を押えていた手を
放してあげるマオ、もっとも首筋に押さえつけた剣はそのままだが。

0260創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:13:25.81ID:vCuEES7H

魔法使い(女)「何者だい!アンタ!!」

マオ「それはこっちのセリフだ
   お前達こそ何者だ?ただの盗賊には見えないが」

 魔法使い(女)の衣服を調べ、武器を隠し持っていないか
調べるマオ、杖以外に武器はもっていないらしい。

 ロープで3人を縛り上げると、部屋の奥から国王が二人の男女を
連れて戻ってくる。

グプタ「すみません、みなさん
    結局ご迷惑を」

タニア「ありがとうございます、みなさん」

 バハラタで見た覚えのあるグプタと、もう一人がその彼女
タニアなのだろう。

マオ「とにかくバハラタまで逃げろ
   この場は私達に任せて────…………」

???「ライデイン!!」

 室内だと言うのに突如雷雲が発生し、凄まじい電撃が
マオの体を駆け巡る…。


マオ「ぐあああぁぁぁぁぁっ!!」

 突如全身を走った激痛に、マオは膝を折り地面に倒れ込む。

カンダタ「マオ!!
    なんだ!?今の雷は!」

マオ「私は大丈夫だ、
国王!二人を奥へ!」

 ライデイン、話にだけ聞いた事がある、
勇者と呼ばれる素質を持つ者だけが使う事が出来る
雷の攻撃呪文だ。

0261創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:14:35.14ID:vCuEES7H

マオ「早く!」

国王「わかっとるわい!」

戦士(男)「勇者(男)!」

 現れたのは青い鎧を着た黒髪の男だった、手にした盾と剣は
不死鳥の紋が記されており、以前イシスでみた勇者(あちらは女だったが)と
同じ武具だった。

 さらに勇者(女)をそのまま男にしたかのように、顔立ちは良く似ていた。
まるで、兄妹みたいだ。

マオ「…………勇者が…もう一人…だと?」

勇者(男)「おめぇら…
     こんなザコ相手になにを遊んでいやがるんだ」

マオ「ベホイミ!」

 回復呪文を唱えて身を起こす、勇者が二人居る理由は分からないが
この男は敵だ…それだけは間違いないはず。

 星降る腕輪で加速し、勇者に斬りかかるマオ、狙いはいつも通り
必殺の急所─────…。

勇者(男)「おっと…」

 左手に持った盾であっさりと剣を受け止める勇者(男)、同時に背後から飛びかかった
プックルの黄金の爪を右手の剣で難無く受け止める。

0262創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:16:38.09ID:vCuEES7H

カンダタ「ベギラマっ!」

 両手が塞がった勇者(男)を、カンダタの放ったベギラマが直撃する…
呪文が放たれる直前に、マオとプックルが飛び退き、炎の帯が勇者(男)を包み込む…が。

勇者(男)「…なんだこりゃ?これがベギラマか?
     笑わせてくれるぜ」

 全く平然と立っている勇者、どうやら鎧が呪文の効果を軽減しているのか、
致命傷は全然与えられていない様子。

勇者(男)「……ベギラマって言うのはな
     こう言う物を言うんだ!」

 間髪入れずに放った勇者(男)のベギラマが放たれ、カンダタの呪文よりも
数倍太い炎の帯が部屋の中を荒れ狂う。

 激しい炎のうねりに焼かれ、皮膚が焦げる嫌な臭いが
鼻につく。

カンダタ「ぐぁぁぁっ!」

マオ「くあっ!」

魔法使い(女)「きゃぁぁぁっ!」

 カンダタやマオだけではなく、ロープで縛られていた
勇者(男)の仲間達すら、ベギラマの炎は襲いかかる。

魔法使い(女)「ちょっと!何をするのよ」

勇者(男)「テメェらがしっかりしねぇから
     そんな目にあうんだろうが」

0263創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:18:03.42ID:vCuEES7H

マオ「強い……!」

 勇者と呼ばれたこの男の実力は本物だ、実力で言えば
この男は勇者と呼ばれるだけの実力を持って居るのは疑いようもない。

 ならば!切り札を出すまで!

マオ「レムオル!!」

 キィン!!

 マオが呪文を放つと、マオの姿が透明になって掻き消える,
巫女にすら致命傷を与えた、消える攻撃だ。

勇者(男)「味な真似をしてくれるじゃねぇか!」

 勇者(男)はニヤリと笑うと、目を閉じて集中する、
マオが勇者の首を掻き斬ろうとした瞬間!

勇者(男)「オラァ!!」

 突如勇者は目を開き、見えないはずのマオに向かって
手にした剣を突き出す。

 突き出された剣はマオの肩を突き刺し、剣にさされた
激痛にマオは悲鳴を上げる。

勇者(男)「見えない攻撃か、
     面白い事をしてくれるけどな…」

勇者(男)「姿が消えても音までは消せねぇだろ
     ………おっと!」

 マオに止めを刺そうとした勇者は、後ろから再度攻撃した
プックルの攻撃をなんなく躱し、すりむきざまに
プックルの腹に剣を突き立てる。

0264創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:18:57.85ID:vCuEES7H

プックル「ギャイン!!!!」

 悲痛な声を上げてその場に倒れるプックル、
剣の刺さり所が悪かったのか、そのまま地面に倒れて
動かなくなる。

マオ「プックル!」

カンダタ「大丈夫だ!死んじゃーいねぇ!!」

 カンダタは薬草を取り出し、すり潰してプックルの傷口に
押し当てる。

マオ「おのれっ!」

 怒りに身を任せてマオは勇者(男)に突っ込む、
呪文を唱えて再び放つ。

マオ「レムオル!」

勇者(男)「そいつは、効かねぇって言っただろうが」

 キィン!!

 呪文が発動し透明に掻き消える…────が、
透明に消えたのはマオの剣の刀身のみ。

勇者(男)「なんだと!?」

 驚愕の声を発し、咄嗟に慌ててマオの見えない剣を
受け止めようとするが、見えない刃先に間合いを
合わせる事が出来ない勇者(男)。

 鎧のつなぎ目に剣を突き刺し、さらに────。

0265創る名無しに見る名無し
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2012/05/25(金) 04:27:30.73ID:vCuEES7H

マオ「イオ!」

勇者(男)「──────…しまっ!!」

 誘惑の剣を伝って鎧の中で呪文が発動する
勇者が飛び退くよりもはやく、鎧の下…密閉した隙間で
イオの呪文が炸裂し…爆発する。

 ボムッ!!!

勇者(男)「──────…グオオァ!!」

 いかに勇者とはいえ…いかに爆発系の最弱呪文
イオとはいえ、鎧に閉ざされた隙間の中で爆発すれば
その威力は数十倍にも膨れ上がる。

 鎧の隙間から煙を噴き上げながら、今度は勇者(男)が
地面に片膝を付く。

 強度の鎧の内部に呪文が炸裂したからこそ、効果は甚大だった、
すぐに立ち直れそうにはみえなかったが…。

勇者(男)「ベホマ!!」

 勇者の唱えた回復呪文が、勇者の傷を完全に癒す、
これでまた仕切り直しだ。

カンダタ「おいおい…こんなのアリかよ。」

 幾ら…ダメージを与えても、魔力がある限り
勇者は立ち上がる、対してこちら側は最大の回復呪文は
使えてベホイミだ、致命傷を受けると完治する事は出来ない。

マオ「だが…ゼロに戻った訳ではない」

 マオの瞳から闘志が消えたわけでは無かった、
少なくとも、今のイオの呪文で相手の鎧は破壊した。

勇者「光の鎧をぶっ壊してくれるとは
   やって…くれるじゃねぇか!!」

 だが、怒り心頭なのは勇者も同様…勇者攻撃呪文を口にする。
詠唱される呪文は最高レベルの攻撃力を持つ呪文の一つ。

勇者「ギガデイン!!」

//---------------------------------------------
と、いう訳で、今日はここで引きます
やばい…もう朝の4時だ。
0268創る名無しに見る名無し
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2012/05/27(日) 08:45:08.54ID:+pnb2gyH
続き、でも今日は短めで
黒い雷…ロト紋とは懐かしい。
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 勇者が呪文を放つと同時に視界一面が純白の
閃光に埋め尽くされる。

 バリバリバリバリ!!

 雷の轟音が荒れ狂い、衝撃波で空気が振動する。

 荒れ狂う雷の嵐が部屋の中を荒れ狂い、ありとあらゆる物を
焼き尽す。
 仮に魔王の力を持って居たとしても、無傷では済まなかった
かもしれない。

 しかし…激しい閃光と轟音だけで雷が襲いかかる事は
無かった。

マオ「……………………?」

 やがて、眩い光が収まり、目を開けると…。

マオ「…………カンダタ!!」

 マオの前にカンダタが立ちふさがり、その身を盾にして
ギガデインの雷からマオとプックルを守ってくれたのだ。

カンダタ「…………………。」

 白目を剥いてそのまま気絶しているようだった。

マオ「…お前…自分を盾にして」

 確かに、全員にこの雷が直撃したら全滅していただろう、
カンダタに心の中で礼を言い、勇者に対して意識を集中する。
0269創る名無しに見る名無し
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2012/05/27(日) 08:46:05.55ID:+pnb2gyH

───考えろ!マオ!
 倒せなくても良い、一撃を当てる事だけ考えろ!
 恰好悪くても良い!欺け!騙せ!───。

勇者(男)「なかなか…粘るじゃねぇか…
     だが…これで終わりだ」

 勝利を確信した、笑みを浮かべ…ゆっくりと
マオに向かって歩いて来る勇者、勇者の気配に押されて
マオは後ろへと後ずさる。

マオ「…………ひぃっ!!」

勇者(男)「打つ手なしって顔してやがるな」

 一歩ずつ後ろに追いやられ、背中が壁に触れる、
壁を背に剣を両手に持ち、勇者に向けるが
勇者は気にした風も無い。

勇者(男)「言い残したい事があるなら
     聞いてやっても良いぞ?」

マオ「…そうだな…じゃぁ…最後に
   …………………バシルーラ!!」

 追い詰められながらも唱えていた呪文を解き放つ、
バシルーラ、呪文を唱えた対象を強制的に瞬間移動させる
呪文。

マオ「…………………………これまでか。」

勇者(男)「クククク…最後の攻撃にしては
     お粗末だったな…死にな!」

 不気味な笑みを浮かべながら、
マオに向かって剣を振り上げる勇者。
0270創る名無しに見る名無し
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2012/05/27(日) 08:48:40.88ID:+pnb2gyH

 勝利を確信した一瞬の隙の間に、マオは剣を握った
両手を離す。

 ビュッ!!!ザシュッ!!!

 手を放した瞬間、マオの剣が物凄い勢いで飛び出し、
剣の3分の2が勇者の腹部に深々と突き刺さる。

勇者(男)「なんだ………これ……………。」

 突然の事に、自分の腹に突き刺さった剣を見て
理解できないと言う表情を浮かべる勇者。

 答えは単純だ、最初からバシルーラは勇者を対象にして
使ったのではなく、自らが手にした剣を対象にして
かけたのだ。

 後は手を放せば、バシルーラの呪文により
超高速で剣が飛び出すと言う仕掛けだ。

 外したら自分は丸腰になってしまう、非常にリスキーな
賭けではあるが。

勇者(男)「なんだ………これ……………。
     ぐふっ…やべぇ!。」

 勇者が口から血の泡を吹く、表情に焦りがあり、
自らが追い詰められた事を理解したようだ。
 
 だが、遅い!!
0271創る名無しに見る名無し
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2012/05/27(日) 08:50:07.52ID:+pnb2gyH

マオ「うおおおおおおおおっ!」

 マオは最後の力を振り絞って勇者の腹に
突き刺さった剣を握り、そのまま剣を捩じる!

勇者(男)「ギャァァァァァァァ!!」

 剣を捩じった事で、空気が腹部に入り、
勇者が断末魔の声を上げる。


魔法使い(女)「勇者(男)!!」

戦士(男)「もう、やめろ!
     わかった!俺達の負けだ!!」

 勇者の仲間が口ぐちにマオを止めようとするが。

勇者(男)「…ガァァァァァァ!!!」

 勇者は雄たけびをあげて、立ち上がり
腹部に刺さった剣を抜き、捨てる。
 再びベホマの呪文を唱えて、腹部の傷を治す。

 呪文が唱え終わる前に、プックルが駆け寄るが
勇者は盾でプックルの攻撃を受け止め、そのまま
剣を突き立てようとする。

 間一髪…プックルは逃げ出すが。

勇者(男)「…ベホマ!」

 何度目かの仕切り直し、しかも今度はカンダタは
倒れ、武器は無く丸腰…手札は全くない、最悪な
状態だった。

//---------------------------------------------
と、いう訳で今日は短めで申し訳ない
でも、勇者戦が微妙に長くなってしまった。

さて、朝ご飯食べてきますか。
0273創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:52:58.52ID:127oIdOE
さて、数日空くと話を少し忘れるなぁ。
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マオ「…………………化け物め!」

勇者(男)「まさか、こんな手で来るとはな
     油断したぜ」

 鬼気迫ると、言うんだろうか…
丸腰になったマオに、今度は剣を構えながら
間合い詰める。

 今度は勇者に油断や隙は全くない。

 マオは地面に転がった自らの剣に視線を送るが。

勇者(男)「させねぇよ」

 勇者はマオから目を離さないまま、足元に転がった
剣を蹴って、遠ざける。

勇者(男)「俺は勇者のなんだ…、
     テメェらみてぇな、ザコどもに負けるわけにはいかねぇんだ」

????「だったら、少しは勇者らしくしたらどうなの?」

勇者(男)「誰だ!」

 突如、部屋の入り口から声が響く、
現れたのは勇者(男)と全く同じ青い鎧を身にまとい、盾と剣を持った
剣士だった。

0274創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:54:20.02ID:127oIdOE

 勇者と異なるのは、仲間を連れず一人だった事、そして
女だった事。

勇者(女)「勇者が…よりにもよって、
     人攫いだとは世も末ね」

マオ「…………………お前、なんだってこんな所に」

 いつか、イシスやアリアハンであった事がある女勇者だ。

勇者(男)「その恰好テメェも別世界の勇者か、
     テメェには関係ない話だ…
     すっこんでろ!」

 言葉の威勢は良いが、勇者(男)が一瞬弱気になったのを
マオは見逃さなかった。

 しかし、勇者と呼ばれるだけあって、弱気を振り払い
勇者(女)に対して剣を構える。

勇者(女)「そういう貴方もこの世界の勇者じゃないわね
     …やる気?、相手になってあげるわよ」

勇者(男)「ここまでやって、退けるかよ!」

マオ「別世界の勇者?」

 一体何を言っているのだろうか?
マオは疑問に思ったが、それを問いただしている暇は
互いに無い。

 勇者二人が不死鳥を象った全く同じ形の剣を手に
激しい打ち合いを始める、激突した剣から互いに火花が飛び散り、
甲高い金属音がリズムよく鳴り響く。

0275創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:55:10.05ID:127oIdOE

 互角かに思えた戦いはすぐに一方的な展開となる。

勇者(男)「くそったれ!、同じ勇者なのに
     なんだって俺がここまで追い詰められる!」

 勇者(男)の言葉に、勇者(女)はロープで繋がれた、
勇者(男)の仲間達に一瞥くれてから、言葉を紡ぐ。

勇者(女)「知らなかったのか?
     私は一人で大魔王ゾーマを倒したんだ、仲間を引き連れて
     四人がかりで魔王と戦ったお前の強さが通用すると思うな」

勇者(男)「ギガデ…。」

 勇者が呪文を詠唱しかけるが。

マオ「マホトーン!!」

 完全に背にしていたマオから呪文封じの呪文を受けてしまい、
勇者のギガデインは不発となってしまう。

勇者(男)「テメェ!」

 勇者(男)の意識が逸れた瞬間、勇者(女)の剣が一閃し、
勇者(男)の王者の剣を二つに叩き折る。

 呪文を封じられ、武器を失った勇者(男)の瞳から
戦意が失われていく。

勇者(男)「ざまぁ無ぇなぁ…
     これが、世界中に勇者様と崇められた俺の末路かよ」

0276創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:57:04.38ID:127oIdOE

 折れた剣の柄を放り出し、その場に胡坐をかく。

勇者(男)「えぇ?無様なもんだろうよ…
     こう見えても、俺は向こうの世界じゃ
     英雄とか言われていたんだぜ?」

マオ「向こうの世界?どういうことだ?
   確か、別世界の勇者とか言っていたが」

勇者(男)「この世界は俺の知る限り、三つの世界があるんだ
     俺の居た世界、そいつの居た世界
     そして、この世界」

勇者(女)「どの世界も形や住む人々、そして
     街や城…、性別は違えど勇者が居る事
     そして、魔王バラモス、大魔王ゾーマが居る事が
     共通しているのよ」

 勇者(男)の言葉を勇者(女)が補足して行く。

カンダタ「って事は何か?
     俺や国王もあと2人ずつ居るって事か?」

マオ「カンダタ!無事だったのか?」

カンダタ「なんとかな…全身がいてぇぜ」

国王「つくづく丈夫なやつよ…
   ほれ、薬草じゃ」

 決着が付いたのを知ったのか、タニアとグプタを連れて
奥の牢から戻ってきた国王がカンダタに薬草の束を渡す。
0277創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:57:50.54ID:127oIdOE

勇者(男)「そうだな…盗賊カンダタ
     俺の世界の話では、
     そこの二人を攫ったのはお前とその子分達だ」

戦士(男)「シャンパーニの塔で俺達に敗れて
     見逃してやった後、バハラタに渡って
     人攫いをしていやがったわけだ」

魔法使い(女)「その後は、アレフガルドに渡って
     牢に捕まっていたわね」

勇者(女)「私も世界も似たようなものだった
     この世界のカンダタと…それに国王が
     違う運命を辿っている訳
     ──何よりも、決定的にこの世界が違っているのは」

 ────魔王が呼び出された事────。

 勇者(女)の言葉の続きを、マオは頭の中で補足する。
無理矢理連れ出したアリアハン国王、カンダタを連れまわす事になった
原因も全ては魔王が呼び出された事から話が始まった。

 勇者達の話を聞くに、勇者オルテガの旅の失敗が原因で、
父の敵となる魔王バラモス、その背後に居る大魔王ゾーマを
倒す旅に出た…。

 オルテガは志半ばで亡くなり、大魔王ゾーマを倒すも
元の故郷に帰る事が出来なくなり、アレフガルド(地下世界と言うらしい)
に骨をうずめる事になった。

 ガイア(今いるこの地上世界と言うらしい)に戻る術を探す中、
黒い闇(おそらくイシスで見たような奴)に包まれ、気が付いたら
ガイアに戻れたものの、そこは異なる世界
つまりはこの世界だったと言う。

0278創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 15:58:34.50ID:127oIdOE

カンダタ「んで、こいつらはいったいどうする訳よ」

 ロープで繋がれた勇者(男)達、(今は勇者も仲間と同じくロープに
繋がれている。

マオ「私としてはどうでも良いが…
   面倒じゃないのは…殺しておくか?」

グプタ「いえいえいえいえ…そんな!」

タニア「私達は、無事に帰れるんならそれだけで!」

 マオは被害者二人に視線を送るが、二人は目一杯に首を振って
マオの案を却下する。

国王「そうじゃな…
   ここからならダーマの神殿に預けるのが良いじゃろうな」

プックル「がふ?」

マオ「ダーマの神殿?」

 国王曰く…この東大陸はダーマ神殿の神官達によって、統治されており
冒険者達のトラブルもそのダーマ神殿が執り行っているのだと言う。
 また、冒険者達が転職などをして、新しい道を求めた場合にも
転職やその修行も行っているのだと言う。

勇者(女)「その辺りが妥当だろうな、では
     私は、この二人をポルトガまで送るとしよう
     そいつらの事は任せたぞ?」

タニア「皆さん!本当にお世話になりました」

グプタ「また、バハラタに来る機会がありましたら
    是非、ウチの店にも寄って行ってください」
0279創る名無しに見る名無し
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2012/05/30(水) 21:29:44.87ID:IU5l8tts
0280創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/06(水) 23:46:29.96ID:SF2FJYAO
マンネリ感が半端無い。
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 ◆◇◆◇ ダーマ神殿への山道 ◆◇◆◇

 捕えた勇者達をダーマに引き渡すため、
ロープに繋がれたままの4人を連れて、ダーマ神殿への
険しい道を歩いてゆく、ロープに繋がれた勇者の気配を察してか
ダーマへの道すがら魔物達は一匹も出現しなかった。

 ダーマ神殿はバハラタからずっと北の山奥にあり、
山奥にロマリア城よりも立派で大きな神殿が佇んでいた、
一体どうやって、立派な神殿を山奥に建てたのだろうか。

 それはともかくとして…。

大神官「ぶわっかもーーーん!!」

勇者(男)「…………………。」

 ダーマ神殿の中央の祭壇にのった少女、歳で言えば
10代ぐらいだろうか、他の神官達とただ一人服装が
異なるエラそうな人。(実際偉いのだろう)が勇者達を一喝する。

大神官「勇者たる者が人攫いをするなんぞ、言語道断じゃ!
      この!馬鹿者めが!馬鹿者めが!馬鹿者めが!」

 ぽかぽかぽかぽか…。

 ダーマ神官長が手にした杖で勇者達の頭をポカポカ殴る、
しかし…本人は大激怒しているつもりなのだろうが、
小さな子供が怒っているようにしか見えず、イマイチ迫力がない。

0281創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/07(木) 00:05:08.96ID:WQBRNsg5

大神官「ぜぃ…ぜぃ…ぜぃ…」

ダーマ神官「フォズ大神官様、落ち着いてください」

大神官「これが落ち着いていられるか!
    勇者が悪事を働くなんぞ、世も末じゃ!」

魔法使い(女)「だーから…
       アタシは反対だったのに」

戦士(男)「あ!ずっけぇ!」

 相手が若い少女だからか、態度に反省の色が見られない
勇者の仲間達。

フォズ大神官「…〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 それが…フォズ大神官の神経を逆撫でしたようで、顔を
真っ赤にして怒った表情を見せるが、怒った表情であるにも
関わらず可愛らしい・・と言うよりも、むしろ小動物のような
感じでなんか癒される。

フォズ大神官「…牢にぶち込んでおけ!」

ダーマ神官「ハッ!…ほら!立て!」

 フォズ大神官が命じると、屈強な神官達が勇者達を
引き連れて、神殿の奥(恐らく牢がある方向だろう)へと
退場して行く。

 それを見送って、フォズ大神官と呼ばれた少女は
大きく深呼吸して、落ち着きを取り戻す。
0282創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/07(木) 00:17:45.97ID:WQBRNsg5

フォズ「ご迷惑をおかけしました、
    まさか、勇者が悪事を働くなど…。」

マオ「連中はこれからどうなるんだ?」

フォズ「勇者の資格を剥奪し、Lv1から別の職業に従事させるか
    このまま牢に入れて反省を促すか…
    いずれにせよ、これから裁判で決まる事ですが」

カンダタ「別の職業?」

国王「お主、知らなかったのか?
   ここはダーマの神殿、己の職業や生き方を決める
   ための神殿じゃ」

国王「僧侶として登録し、修行を積めば回復魔術を覚える
   武道家ならば、格闘術を
   戦士ならば剣術や斧術を修行次第で習得できるわけじゃ」

カンダタ「じゃ、魔法使いとして登録すれば
     ババーンと強力な攻撃呪文を覚えるわけか!?」

フォズ「一から魔法使いとして、修行を積み、経験を重ねれば
    もちろん可能です」

 フォズの言葉にカンダタは腕を組んで暫し考え。

カンダタ「なぁ、その職業の中で
     一番凄ぇのってなんだ?」
0283創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/07(木) 00:22:28.33ID:WQBRNsg5

フォズ「攻撃魔術も、回復魔術も使え…
    さらに剣をも使える戦いのエキスパート『賢者』と
    呼ばれる伝説の職業があります」

カンダタ「じゃー、それだ!それが良い!
     それに転職する」

マオ「……………そんな簡単になれるものなのか?」

 伝説の職業と言われるぐらいだ、簡単にその『賢者』とやらに
なれるとはどうにも思えない。

フォズ「そうですね、修行の果てに悟りを開く事が
    できれば…或いは」

国王「あー…無理無理………」

 国王が苦笑しながら手を左右に振る。

マオ「他にどんな職業があるんだ?」

フォズ「そうですね、貴方達の場合は…
    戦士、武道家、魔法使い、僧侶、商人、盗賊、遊び人
    と、言った所でしょうか」

カンダタ「言うまでも無く今の俺は………」

マオ「盗賊だな、どう見ても」

0284創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/07(木) 00:29:47.13ID:WQBRNsg5

カンダタ「…賢者…か。」

 どうせ転職するならば、どの局面でも役に立つと言う
オールラウンダーの『賢者』になりたい。

 しかし、その為の修行は困難を極めるのは間違いない、
何にせよ…伝説の職業と言われるぐらいだ。

カンダタ「手っ取り早く、悟りとやらを開いて
     その賢者とやらになる手段はねぇのかよ」

プックル「………………わふぅ。」

国王「…そう言っている限りは、無理じゃないかの?」

 そんな美味い話がそうそう転がっている訳でもない、
第一、そんな簡単に賢者とやらになれるなら────。

フォズ「ありますよ?…一つだけ」

マオ「………あるんだ」

フォズ「ただし、命は保障できませんけどね」

カンダタ「いいねぇ…俺好みの話になって来たじゃねぇか」

 フォズの言葉にニヤリと笑うカンダタに、
国王とマオ・・そしてプックルは溜息をつく。

国王「…知性の欠片も無さそうな、この男が『賢者』ねぇ」

マオ「『僧侶』とかに転職したとしたら、破戒僧みたいで
   格好良かったんだけどな」

国王「そもそも、何を悟るんだ?こやつが」

カンダタ「………………おめぇら…言いたい放題だな」

//---------------------------------------------
今日はここまで、ペースダウン中で面目ない。
詰むぐらいなら、話を完結させたいけど
その時間も無い訳でして。
0288創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:24:04.36ID:k+TPmFv3
むぅ。
仕事が激しく忙しくなってきたら、
ペースが遅くなるけどそれでも良ければ。
//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ ダーマ神殿北部 ◆◇◆◇

 ダーマ神殿をさらに北上し続ける事、3日
古びた塔が遠くに見えて来る。

カンダタ「あれが、ガルナの塔って奴か?」

マオ「貰った地図によると、そうらしいな。」

 カンダタの問いに地図を見ながら応じるマオ、
フォズ大神官の話によると、最強の職業『賢者』になるための
心得が書かれた書物『さとりの書』がそのガルナの塔に
眠っているらしい。

国王「しかしまた、随分と人が来ているようじゃのぅ」

マオ「私達と同じくさとりの書を求めて来たか
   それとも修行に来たか───────。」

 ガルナの塔へ向かう途中、多くの冒険者達とすれ違い、
また塔には賢者を目指すであろう、冒険者達が入口に
群がっていた。

 ガルナの塔の入口ではダーマ神官の服を着た男が、
大声を上げて列整理していた。

神官「押さないで、一列に並んで下さい
   さとりの書に挑戦される方はこちらに並んでください
   挑戦料は御一人様、一万ゴールドです」

0289創る名無しに見る名無し
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2012/06/22(金) 00:25:46.39ID:k+TPmFv3

マオ「まるでお祭り騒ぎだな。」

カンダタ「い…一万ゴールドだってぇ!?」

 ガルナの塔に群がる冒険者達を客に露店まで出ていると言う。

国王「それだけ人気がある職業って事なのかのぅ
   賢者と言うのは」

マオ「…………そう…らしいな。」

カンダタ「それにしても、すげぇ人の数だな
     200人ぐらい居るんじゃねぇか?」

 集まった人間もそれぞれだ、ドラゴンキラーにドラゴンメイルで
装備を固めた、屈強そうな女戦士から、武道家のくせにひ弱な
体つきをした男まで様々だ。

カンダタ「よう、随分上機嫌だな。」

 塔の入口から出てきた、さとりの書の探索に挑戦した帰りであろう、
商人達にカンダタは声を掛ける。

 その中の一人、女商人が足を止めマオを見て…、その横に連れられた
プックルを見て驚きの表情を見せる。

プックル「…?」

 その横でプックルの喉をなでているマオを見ると、
ひとまず害は無いと知ったのか、安堵の表情を見せる。

女商人「アンタ達も…
    さとりの書を探しに来たってクチ?」

マオ「私が…と言うより、
   コイツがだな」

 マオの視線の先、カンダタを一瞥して…女商人は何か
モノを言いたげにしたが、首を横に振って言葉を飲み込んだようだった。

0290創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:26:30.40ID:k+TPmFv3

 彼女が大事そうに手にしている書物を見て、マオは目を細める。

マオ「それが、悟りの書と言う奴か?」

女商人「運がよかったわ、隠し通路に隠された宝箱の中に
   運よく入っていたのよ」

 辺りを見回してみると、この女商人のほかにも、何人か
さとりの書を手にした冒険者達が嬉しそうにガルナの塔を
後にしていた。

マオ「やはり、賢者に転職したいのか?」

女商人「もちろん!そのためにわざわざ
    ムオルの村からダーマまで来たんだから。
    ここに居る連中は、みんなそうなんじゃないかな」

 女商人の視線につられて、マオもガルナの塔に挑戦する冒険者達の列に視線を送る、
どうやら一人ずつ挑戦するのではなく、まとまったグループ単位でガルナの塔に
挑戦しているらしく、何度目かのグループがガルナの塔に入っていくようだった。

女商人「とにかく、私はダーマに戻って
    この書を読んで賢者の修行に励む積りよ
    それじゃ、貴方達も頑張ってね」

カンダタ「おう、アンタも頑張ってな」

 軽く手を振って女商人はダーマ神殿の方へと歩いていく、
それを見送りつつ。

国王「伝説の職業…と言う割には
   随分と簡単に手に入るんじゃの、さとりの書って奴は」

0291創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:28:10.48ID:k+TPmFv3

マオ「それは………どうだろうな。
   カンダタ、『賢者』って呼ばれる連中を
   どこかで見た事があるか?」

カンダタ「少なくとも、俺はロマリアでは見た事無ぇな…
   もっとも、ロマリアから東のダーマに渡って来る奴は
   俺達ぐれぇじゃねぇの?」

プックル「?」

マオ「バハラタでもダーマでも
   『賢者』と呼ばれる連中は居なかったように見受けられる
   たまたまさっきの連中がさとりの書を見つけただけなのか」

マオ「それとも、さとりの書を手に入れてからの修行が
   大変なのか………」

カンダタ「いずれにせよ、何かがありそうってコトか。」

 カンダタの言葉にマオは頷く。

マオ「連中が手に入れた、さとりの書ってのを
   見てみたい。」

国王「けど、どうするんじゃ?
   1万ゴールド払って、苦労して手に入れたさとりの書を
   赤の他人が少し見せてくれと言って、見せてくれる奴は
   そうはいなかろう?」

マオ「わざわざ頼まなくとも、
   もっと簡単な手段があるじゃないか」

 マオが不敵な笑みを浮かべると、国王やカンダタは嫌な予感が
したのか、なんとも言えない苦笑を浮かべる。

0292創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:28:53.75ID:k+TPmFv3

 塔から出てきた冒険者の一人、見るからに新米戦士で
塔に挑戦する為に、お金を借りて挑戦したのであろう武道家の男に
狙いをつけ、マオは呪文を唱える。

 武道家の男が大事そうに抱えているさとりの書、本当に運よく
手に入れる事が出来たのだろう、すごく幸せそうな顔をしている。

マオ「────ラリホーマ!」

 マオが唱えた強力な眠りの呪文が武道家の男を襲い、
睡魔に襲われた男は道端の倒れそうになる。

国王「おっと…」

 倒れる直前、偶然を装って近くを歩いていた国王が
倒れそうになる男を支え、カンダタと共に木陰に移動させる。

カンダタ「…へへへ…悪いな、ちょっとだけ借りるぜ
     すぐ返すからよ」

 カンダタが小声でつぶやき、塔に集まっていた
他の冒険者達に見えないよう、武道家の男が大事に抱えていた
さとりの書を抜き取る。

 妙に手際が良い辺り、熟練の盗賊の技術を感じさせる。

カンダタ「…はいよ」

マオ「プックル、辺りの警戒を頼む」

プックル「ガウ!!」

 カンダタは手にしたさとりの書をマオに素早く渡すと、
マオはプックルに見張りを任せてさとりの書を開いて視線を落とす、
国王やカンダタも横から本を覗き込む。

0293創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:30:42.13ID:k+TPmFv3

カンダタ「なんだ、この文字」

国王「…なんて、かいてあるんじゃ?」

 カンダタと国王が声を上げるのも当然、人間ではなく
書物は魔物達の間で使う文字で書かれていた。

 適当に数ページ読み、マオはおもむろにさとりの書を閉じる。

マオ「………………………………さとりの書…ね。」

カンダタ「読めたのか?」

マオ「魔法の基本についてちょこちょこと書いてあるぐらい
   わざわざ、人間に読めない文字で書いてあったな」

 本を軽く叩いて埃を落とし、指先でさとりの書をくるくると
回しつつ、マオは言葉を繋げる。

マオ「しかし…こんな落書きを読んだ所で、伝説の職業、『賢者』とやらに
   必要な技術が身に付くとは到底───────。」

プックル「ワウ!!」

 プックルが一声鳴くと、武道家の男が目を覚ます所だった、
木陰に寝かされた事に気が付き、目を覚ますなり大事な本が
無くなっている事に気が付き、大慌てで辺りを見回す。

武道家の男「無いっ!?…俺のさとりの書が無い!?」

マオ「これだろ?そこに落ちて居たぞ?」

0294創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 00:32:31.37ID:k+TPmFv3

 マオが男にさとりの書を返すと、男はひったくるように
本を受け取り、頭を下げる。

武道家の男「ありがとう、アンタ達が
     木陰に移動してくれたのか」

マオ「突然倒れてびっくりしたぞ、余程疲れていたのか?」

武道家の男「ガルナの塔でずっと戦っていたからかな
     疲れが溜まっていたのかもな、アンタらはこれから
     ガルナの塔に挑むのか?」

カンダタ「おう、そのつもりで来たんだけどな」

武道家の男「そうか、頑張れよ」

 素敵な笑顔を残して、ダーマ神殿の方へと歩いていく
武道家の男………少し、罪悪感が無い事も無い。

国王「…………どうするんじゃ?」

マオ「あんな落書きを書いて、法外な値段を巻き上げている
   そこのダーマ神官達に、少し話を聞かせて貰うだけだ
   今は人目があるからな、深夜になったら塔に忍び込もう。」

カンダタ「やれやれ…、どうしていつもこうなのかね
     俺達はよ。」

 マオの言葉にカンダタはため息交じりの言葉を吐き棄て、
国王は肩をすくめる。

//---------------------------------------------
久々に書くと、忘れるわぁ
最近、仕事が忙しくなったのと家の事情で家事もしないと
いかんので、書く暇が全然ないのですよ。

ってなわけで、今日はこの辺りで。
0295創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/22(金) 01:48:30.59ID:muH03OWv
>>294
ゆたりと待ってる!
0297創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/24(日) 17:00:55.01ID:3+nhPTkp
さて、展開考えるのが厳しくなってきました
こう言う物って、全部通しで考えないと
後が厳しくなるやね。
//---------------------------------------------

 ◆◇◆◇ ガルナの塔(夜) ◆◇◆◇

 日が暮れるとガルナの塔に集まっていた冒険者達は
一斉に居なくなる、諦めてダーマに戻った者、近場のキャンプ地で
テントを張るもの、さとりの書を手にして帰った者。

 冒険者達が居なくなった夜の塔ではダーマの神官達が
働いていた。

 ふと、箱を引き摺って歩いていたダーマ神官兵の一人が
物音に気が付き、ランプを物音の方向に向ける。

ダーマ神官「なんだ!?」

マオ「動くな。」

ダーマ神官「っ!!」

 突然背後から冷たい刃先が首筋に触れる。

ダーマ神官「なんの真似だ!」

マオ「偽物のさとりの書を配って、金を巻き上げる
   随分と儲けているみたいだな」

ダーマ神官「に…偽物!?
      いったい何の話だ」

0298創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/24(日) 17:01:41.06ID:3+nhPTkp
 マオがダーマ神官の引き摺っていた箱を蹴っ飛ばすと
中から大量の書物が床にぶちまけられる。

 床に転がった本の中の一冊を国王が手に取り、
ダーマ神官の前にタイトルがわかるように見せる。

 床に転げた本のタイトルは全て『さとりの書』と記載されていた。

マオ「この大量の『さとりの書』は一体何なんだ?」

ダーマ神官「偽物とは失礼な、それは
      フォズ大神官様が直々に書かれたさとりの書だ」

ダーマ神官「賢者になる資格を持つ冒険者を選定するため、
      冒険者達の試練をここで行っているんだ
      気が済んだらとっとと外に出て──……」

マオ「…………………そうかい」

 小さく言葉を吐くと、マオはダーマ神官の方に手を置き、
次の瞬間、ダーマ神官は床に激しく叩きつけられた。

カンダタ「おめぇ、いきなり何を──……」

 さすがにカンダタが抗議しようとした所で、

突如、神官の体が眩い光に包まれる。
 光が収まると、そこには先ほどまで居たダーマ神官ではなく
一体の魔物がその場に倒れていた。

 オニギリのような三角形に小さい手足を付け、小さな手には
自らの身長を超過する長さの杖が握られていた。

 体の全体は緑のシワシワであり、弛んだ皺の間からは不気味な
黄色い瞳が覗いていた。
0299創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/24(日) 17:02:29.33ID:3+nhPTkp

国王「『げんじゅつし』…じゃと!?
   何故魔物が神官に変装して」

げんじゅつし「おのれ…貴様等
    ふざけた真似を」

 げんじゅつしは素早く呪文を唱えると、手にした杖をふりかざし
止める間も無く呪文を放つ。

げんじゅつし「メダパニっ!」

 杖の先から赤い光が放たれるが、マオとオルテガは
飛び退くようにして避ける、二人が避けた後ろには
国王とプックルが立っており、避ける間もなく赤い光に包まれてしまう。

カンダタ「国王っ!」

マオ「プックル!」

 メダパニの呪文を受けた二人の瞳は、正気の光を失っており
プックルは威嚇の唸り声をあげ、国王はマオに向かってホーリーランスを
構える。

げんじゅつし「…ふひひひひひ…殺しあえ!」

カンダタ「ちっ!汚ねぇ真似をしやがる
     うわっと!」

 プックルの突き出した黄金の爪の一撃を、右腕に大ばさみで
辛うじて受け止めるが、カンダタ反撃の手をためらう。

マオ「なんとか正気に戻すしかないだろう、
   でなければ、気絶させるしか無いだろ!
   …………くっ!」

 いつもより鋭い国王のホーリーランスの連撃を、剣で裁きながら
マオはカンダタに言葉を返す。
 いつもの必殺スタイルの剣術で戦えば、マオの方が実力は遥かに上ではあるが、
手加減しながらだと、国王の攻撃を受け流すのに苦労する。

国王「クケケケケケケケケケ!!!」

カンダタ「こりゃぁ…ひでぇ…」

 混乱…というより、人格的に壊れたような
笑いをしながら、連撃を繰り出す国王に、カンダタは苦笑しつつも
なんとかよける。

//---------------------------------------------
 って所で、これから夜勤仕事に出るので
ここらで引きます。
日曜に仕事…マンドクセ。
0300創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/25(月) 03:14:19.92ID:XLJRXJ4a
しえん
ファイトです
0301創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/28(木) 03:48:52.96ID:mNjHp+PU

国王「クケーケケケ!!!」

 完全に正気を失った国王だが、その動きは
正気の時に劣らぬほど、素早く正確なものだった。

 戦い方は頭ではなく体が覚えているのだろうか?
何れにせよ傍迷惑な事には変わりないが。

 国王の槍の刃先がカンダタの頬をかすめ、
鋭い切り口から血が流れる。

カンダタ「おっさん、いい加減にしろよっ!」

げんじゅつし「くふふふふ…せいぜい励むが良い!」

 混乱した国王とプックルを残して、げんじゅつしが逃げようとするが、
マオに足をからめ捕られ、その場に転げる。

マオ「逃がすと思っているのか?」

 そのままげんじゅつしの頭を足で蹴り付け、気絶させる
意外にあっさりとげんじゅつしは気絶した。
 それよりも厄介なのは。

プックル「グルルルルルル…………。」

 げんじゅつしに混乱させられたプックル、以前はキラーマシンを使って
互角に戦う事が出来たが、キラーマシンが無い今回は
生身で相手をしなくてはならない。
0302創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/28(木) 03:49:31.06ID:mNjHp+PU

 さらに、混乱したプックルと国王が互いに対峙してしまっては、
プックルが国王をかみ殺してしまうので、国王とプックルの
間に割って入らないといけないと言うオマケ付きだ。

 ギンッ!

 プックルの黄金の爪と、マオの誘惑の剣が正面からぶつかり、
激しくぶつかった金属が火花を散らす。

マオ「カンダタ!そっちは任せた!
   プックルの方に近づけるな!」

カンダタ「任せたって言われてもよ!」

マオ「じゃぁ、プックルの方をやるか!?」

カンダタ「すんません、おっさんの方をやります」

マオ「私一人じゃ、プックルの相手はキツイ
   持ちこたえられるウチに国王をなんとかして
   正気に戻してくれ」

カンダタ「わかった、死ぬんじゃねぇぞ!マオ」

 カンダタが国王を引き付けるようにして走り出し、
塔の奥の階段を駆け昇って行き、国王もそれに続く。
マオとプックルが室内に取り残される。

 プックルの爪が一閃し、塔の石壁をぶち破る、
どうやら、国王以上に手加減は難しいらしい。

マオ「バギマ!」

 唱えた風の呪文が荒れ狂いプックルの足を止める、
そのまま剣の峰でプックルの鼻先を叩こうとするが、プックルは
素早いステップでマオの攻撃をあっさりと躱す。
0304創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/07(土) 03:05:10.18ID:GJn6vH0O

最近アクセス出来なかったから詰みにするつもりだったけど
スレが復活した上に紫煙してくれたので続行。
//----------------------------------------------------

マオ「くっ!」

プックル「ガゥ!!」

 すかさずプックルの反撃が来るが、プックルの爪を
再びギリギリで躱すマオ。
 イシスで貰った星降る腕輪が無かったら、今ので
やられていたかもしれない。

げんじゅつし「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」

 動きの素早いマオは後回しにして、プックルは
気絶していたげんじゅつしを前足で掴むと、
喉にかぶりついて生きたまま捕食する。

 辺りにげんじゅつしの血液などが飛び散り、
魔物のなんとも濃い血臭いが充満する。

 マオもカンダタも国王も、一歩間違えれば
げんじゅつしと同じく、生きたまま捕食される事になるだろう。

 とにかく、どうにかしてプックルを正気に戻さないと、
大変な事になる。

マオ「プックル!」

 メダパニの効果を切るには、叩いて正気に戻すか
水でもぶっかけるかぐらいしか手が思いつかない。
 げんじゅつし一匹では腹が満足しなかったのだろうか、
プックルは再びマオに向かって飛び掛かってくる。

 人の力では真面に受け止める事は出来ない、
飛び掛かって来るプックルの力を利用するように
剣を突きの要領で構えるが、プックルは剣を避けるように
マオの背後に回り込もうとする。
0305創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/07(土) 03:05:49.20ID:GJn6vH0O

 しかし、右手に持った剣の攻撃はフェイク
本命はすれ違いざまに唱えた呪文を左手から放つ。

マオ「ラリホーマ!」

 途端にプックルの巨体の動きが鈍くなり、
プックルは部屋の角で丸くなる。
 一か八かだったが、なんとか呪文が効いてくれた。

マオ「ふぅ…正気に戻すのも命がけだ」

 味方になれば心強いが、敵にすれば手強い事
この上ない、プックルに限らず、カンダタや国王でも
同じ事ではあるが。

マオ「…ったく、好き勝手暴れてくれたものだ
   起きろ!」

プックル「ぷぎゃ!!」

 プックルの鼻面を叩くと、驚いて飛び起きる、
驚いたように辺りを見回す。
 どうやら、正気に戻ったらしい。

 戦闘の果てにぶち破られた石壁、倒された石柱
辺りを見回すとまるで廃墟のような有様だ。

プックル「………くーん」

マオ「気にするな、プックル
   たまたま、お前がメダパニを食らっただけだ」

 正気に戻ったプックルはそれらが自分のせいだと
申し訳なさそうな顔をするが、プックルのせいではなく
ただ単に運悪くメダパニが効いてしまっただけ。
 特にそれを責めるつもりは無い。

マオ「…………これは?」

 プックルの攻撃により崩れた石壁の向こうは部屋になっている
らしく、その部屋から青白い光が漏れ出ている。

0309創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/08(日) 09:43:15.37ID:j1t7srEt
>>306-308
支援サンクス、嬉しい事を言ってくれるじゃないですかぃ。
更新速度が遅くてすまん
//---------------------------------------------

◆◇◆◇ ガルナの塔(最上階) ◆◇◆◇

 マオがプックルを正気に戻したその頃、カンダタは
メダパニで混乱した国王に四苦八苦していた。

国王「クケーケケケ!!」

カンダタ「おっさん!いい加減にしないと
     まじでブッ殺しちまうぞ?」

 とはいえ、人の首をも落とすぐらいのおおさばさみで
国王の首を落としたらシャレにならない訳で。

 隙あらばハサミを装着していない側の、左で
顔にジャブでも打ち込んで目を覚まさせてやりたいところだか、
相手が槍なんてモノを振り回しているから、その隙が無い。

 防戦一方のまま塔の上層まで逃げ回って来ていた。

 ガルナの塔は元々、ダーマで転職した者達の
修行の場として作られたらしく、二つの塔を繋ぐために
ロープが張られている。

 よりにもよってそのロープの上で絶賛戦闘中だった。

国王「ケェェェェェ!!!」

カンダタ「正気を失っている割にゃ、
     ロープの上をしっかり渡れるって、どゆことよ!?」

 国王はそのロープの上で器用に槍を振り回し、カンダタの右腕のハサミが
その槍の連撃を受け止める。

 今まで数々の戦いを潜り抜けてきただけあって、二人とも
バランス感覚は大したものだった。

カンダタ「いい加減にしやがれっ!」

 カンダタはロープの上で大きくジャンプし、国王とカンダタが乗った
ロープを大きくしならせる。

 たまらず国王がバランスを崩した隙に、カンダタはロープを左手で掴み
右腕の大ばさみで足元のロープを切断する。

国王「ケエエエエェ…………」

 足場を失った国王は塔の下へと落ちて行き、カンダタも落下していった
国王を追って飛び降りる。

0310創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/08(日) 09:44:42.26ID:j1t7srEt
 ロープの上からは見えなかったが、ロープの下は丁度
屋根の上になっているようであり、思ったより高さがなかったようである。

 元盗賊のカンダタは屋根の上に難無く着地し、不意を突かれた
国王は見事に背中から屋根に激突したようだ。

 国王は大の字になって失神しており、打ちつけたであろう頭の
辺りから血が流れていた。

カンダタ「お…おい…まさか
     死んじゃいねぇだろうな?」

国王「いっ…ててて…ここは何処じゃ?」

 慌ててカンダタが国王に駆け寄るが、国王は何事も無かったかのように。
起き上がる、頭を思いっきり打ちつけた事で、メダパニの呪文が
解けたようである。

国王「うぉっ!?…なんぢゃこりゃぁ」

 起き上がるなり、後頭部の出血に気が付き慌てて騒ぎ出す国王、
どうやら大丈夫なようだ。

カンダタ「ったく、殺さなかっただけ
     有り難く思えっつーの」

国王「……お主か!
   人が気絶している間に後頭部をぶん殴るとは、
   なにかワシに恨みでもあるのか!?」

カンダタ「おおよ、言ってやりてぇ文句は
     山ほどあるっつーの」

カンダタ「けど、そんな事よりもプックルと戦っている
     マオの方が心配だ…
     さっさと助けにいってやらねぇと」

 カンダタは屋根の上から飛び降りれそうな所を
探すが、屋根から地面に飛び降りれそうな所は見当たらない。

 仕方が無いので今立っている屋根の一部をを壊して、
部屋の中に忍び込むしかないようだ。

 国王が鞄から薬草を取り出して自ら治療している間、
カンダタは大ばさみを振るって屋根板の一部を破壊する。

国王「壊す事無いじゃろ」

カンダタ「しかたねーだろ、
     急がねぇと、今度はメダパニ食らったプー公に
     マオが食い殺されちまうぜ」

0311創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/08(日) 09:45:31.17ID:j1t7srEt
 そこまで言って、国王は自分もメダパニを食らって
大暴れしていた事に気が付いたようだ。

国王「…………迷惑をかけたか………すまなかったの」

カンダタ「貸しとくぜ
     うし、行くぜ」

 人が一人分くぐれるぐらいの穴が屋根板に空き、
カンダタは建物に侵入して行く。


 屋根から忍び込むと、そこは小部屋になって居たようだ、
小部屋の真ん中に古い宝箱が置かれている。

カンダタ「おっと、宝箱だぜ…へへへへ」

国王「………お主、急ぐんじゃなかったんかい」

カンダタ「宝箱開けて行く時間ぐらいあるって
     ………お?」

 宝箱を開けると、その中に赤い布が敷き詰められており
一冊の本が大事に納められている。
 一見すると昼に冒険者達が手にしていた「さとりの書(偽)」の
ようにも見える。

 しかし…なんというか、神々しさがあると言うかオーラがある。

カンダタ「なんだ…こいつは…」

 カンダタが恐る恐るその本を開き、中を見ると見た事も無い
文字であるにもかかわらず、頭に直接入って来るような気がする。
 書いて有る事は理解できる、それを言葉にしろと言われると
難しい話だが。

国王「気になるならば、持っていけば良いじゃろ!
   先を急ぐんじゃろうが」

カンダタ「お…おぉ…」

 国王に言われて、カンダタは自らの鞄の中に手に入れた本を
仕舞い込む、部屋の出口を探すが…見当たらない。

 どうやら完全な密室なようであり、今度は室内の床を壊して
下の階に戻らなければならないようだ。

国王「ほれ!床を壊すぞ!
   手伝わんかい!」

カンダタ「………下がってろや」

 国王を後ろに下げて、カンダタは床のひび割れた所(古い塔のようで
ボロボロなのだ)に右手を当てて、呪文をとなる。

カンダタ「………イオ!!」

 放った呪文が爆発し、老朽化した床にあっさりと大穴を開ける。
爆発を巻き起こす呪文イオ、今まではそんな呪文は全然知らなかった
0312創る名無しに見る名無し
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2012/07/08(日) 11:06:32.50ID:j1t7srEt

 今まで知っていた呪文はカザーブに来た魔法使いに酒を奢って
教わったベギラマと数種類の呪文。

 それも見よう見まねで発動しているような、怪しいヘナチョコ
呪文だった訳だが、今発動した呪文は基本がしっかりした
ちゃんとした呪文だった。

カンダタ「この本…まさか…」

国王「ぼーっとしているでないわ!」

 カンダタが手にした本、それはガルナの塔に隠された
本物のさとりの書だった。

 床を破壊して降りた下のフロアは外に繋がっているようで、
元々げんじゅつしにメダパニを食らった所まで無事に
戻ってこれたようだ。

カンダタ「………こりゃぁ…ひでぇ」

 戻って来るなり、あまりの惨状に驚く国王とカンダタ、
部屋の真ん中には食いち散らかされたげんじゅつしの遺体、
そして、崩された石柱やら、壊れた壁やら…。

国王「マオにせよ、プックルにせよ
   ちゃんと生きているんじゃろうな」

カンダタ「………あいつらが簡単に
     やられるとは思わねぇけどな」

 カンダタは青白い光が漏れ出ている崩れた壁の
先の部屋を見て、先に進んで行く。

カンダタ「…どうやら、ここから下に行ったらしいな」

国王「何故分かるんじゃ?」

カンダタ「そこの階段の横、
     小さく目印が付けられているだろ?」

 部屋の中には地下へつ続く階段があり、カンダタは
国王を連れて階段を下りて行く。
0313創る名無しに見る名無し
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2012/07/08(日) 11:07:16.34ID:j1t7srEt


 ◆◇◆◇ ガルナの塔(地下階段) ◆◇◆◇

 国王とカンダタがマオとプックルを追ってくる
その数分前、マオとプックルは青白い光が漏れ出ている
地下室への階段を下りていた。

プックル「ガウ!」

マオ「分かっている」

 階段の奥からする臭いにプックルは気が付いたのだろう、
慎重に進むべきだと注意するプックルにマオは応え、
剣を手にしたままゆっくりと進む。

 ────キャァァァァァァ──!!

 階段の奥から、女の悲鳴が聞こえた気がした
階段の行き止まりはT字路になっており、光が漏れ出ている
方に向かって気配と音を殺しつつ進む。

 半分開いた扉から、部屋の中を覗き込むと…。

 体長にして10メートルぐらいの恐竜のような頭を持ち、
緑のローブと赤いマントを来た魔物と貧相な顔をした
人間の男───そして、服を脱がされて鎖で壁に吊るされた
勇者の仲間の一人、魔法使い(女)が居た。

 青白い光は数々の実験用の魔法器具が放つ光のようで、
部屋の中で強い光を放っていた。

巨大な魔物「……こいつはあの勇者一味の仲間だ
      こいつの魔力は一味の中でも最強だ、
      少しは期待できるとおもうが、やれ」

貧相な男「わかりました、バラモス殿」

魔法使い(女)「やめてぇぇえええええぇ!!お願い!
       何でもするから!!」

マオ(──あいつが…魔王バラモス──。)

 だとすると、プックルと二人だけで下手に飛び込むのは危険だ、
人間の男を倒すぐらいなら訳は無いが、魔王バラモスの方は
そうはいかないだろう。

0314創る名無しに見る名無し
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2012/07/08(日) 11:08:24.54ID:j1t7srEt

 バラモスが指示すると、男は赤い宝石のようなものを手にし、
壁に吊るされた魔法使い(女)へと近づく。

 男が近寄ると、魔法使い(女)は恐怖の表情を顔に貼り付け
身をよじって精一杯の抵抗を見せる。

貧相な男「ええぃ!こいつ、暴れるな!」

バラモス「ええぃ…何をしている、バルザック
     よこせ、ワシがやる」

 魔法使い(女)の必死な抵抗に近づけない男に業を煮やしたのか、
バラモスはバルザックと呼ばれた男から赤い宝石を奪い取り、
魔法使い(女)の前に立つ。

マオ(あの…宝石は見覚えがある、どこでだ…
   それにバルザック、どこかで聞いた事がある)

 左手で魔法使い(女)の顔を掴んで口を空け、右手に持った
赤い宝石のようなモノを口の奥に押し込める。

 魔法使い(女)は飲まされた宝石を吐きだそうと抵抗するが
水で無理やり流し込まれてしまう。

魔法使い(女)「イイイイィィィヤァァァァァ!!」

 魔法使い(女)が絶望に憑りつかれた顔で絶叫し、暴れる…
しかし鎖に縛られた状態ではどうする事も出来ずに
ただ、鎖を鳴らす事しか出来なかった。

 やがて、失神したのだろうか糸が切れた人形のように…
ふと…大人しくなる。

 大人しくなると同時に、バルザックは壁の鎖を外し、
魔法使い(女)の体を床に下す。

 ────ドクン…ドクン…ドクン。

 魔法使い(女)の体から心音が聞こえたような気がした、
やがで、その音は大きくなり続け…、その音に合わせるかのように
魔法使い(女)の体が痙攣する。

0315創る名無しに見る名無し
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2012/07/08(日) 11:11:43.33ID:j1t7srEt
 そんな痙攣が何度か続き、やがて魔法使い(女)の体に異変が起きる、
華奢な魔法使い(女)の体から血管が浮き上がり、全身の筋肉が
異様に盛り上がる…。

 体が徐々に膨れ上がり、口は裂けて牙のようなモノが見える。
頭からは角が伸び、背中の皮膚を裂いて大きな4枚の翼が広がる。

 体がバラモスと同じぐらいの大きさまで巨大化した所で
かつて人間だった頃の体の皮膚が耐えられなくなったのだろう、
透明な体液と同時に、皮膚がボロボロに裂けて皮膚の下から、
まるで脱皮するかのように鱗の覆われた新しい皮膚がむき出しになる。

 現れたのは鱗の体だけではなく、長い尻尾もついでに姿を現す。

 強いて言うならば、竜と人を組み合わせたような生物に
『進化』した。

魔法使い(女)「ギャァアアアアア!!!」

 魔法使い(女)…いや、竜人は
すでに人のものではなくなった声で咆哮をあげる。

 声は衝撃波となって部屋の中で吹き荒れ、部屋にあった
数々の実験器具が砕け散る。

 魔法使い(女)が魔物になった時、マオは赤い宝石の正体を
思いついていた。

マオ(………進化の…秘宝………。)

 かつて…数代前の魔王エスタークが手にし、地獄の帝王と
呼ばれる力を手に入れるに至った禁断の秘術、神と戦い
秘術や宮殿ごと土の下の封印され。

 残された一族は権力を大きく失う事になった。

マオ(それを知る者を、異世界から呼び寄せた…
   と言う事だろうか。)

//---------------------------------------------
ってな訳で、ちみっとだけ核心に近づいた所で
ここらで今日は引いておきます。

ダーマの話が終わるまで書きたかったけど
色々用事が有る訳でして。

0317創る名無しに見る名無し
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2012/07/08(日) 18:26:33.90ID:y68m1AOq
つC
0321創る名無しに見る名無し
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2012/07/10(火) 02:15:51.30ID:ifjik/7i

>>316-320  サンクス、ここからちゃんと話を狙い通りに
回せるかプレッシャーがかかる所です。
と、言うより、いきなり初投稿から話が広がり過ぎ、
たったこれだけの投稿に、3時間ぐらいかかるといふ。
//---------------------------------------------

魔法使い(女)「シギャァアアアアア!!!」

 魔物になった、魔法使い(女)は一声吠えると
手近に居たバルザックに襲いかかろうとするが、
バラモスによってあっさりと捕まえられてしまう。

バラモス「…………期待させておいてこの程度か」

バルザック「……やはり…進化の秘法を完全なものとする為には
     闇の力が足りない、魔力で補えるとも思ったが
     無駄だったようだ」

バラモス「………それで、闇の力とやらを補うには?」

 バラモスの問いにバルザックは机の上に置いてあった一冊の
分厚い古びたノートを手に取りページをめくる。

 ややあって、目的のページが見つかったようで、バラモスに
見せながら言葉を告げる。

バルザック「私の居た世界には、黄金の腕輪と呼ばれる
     古代のアーティファクトがあった、これにより
     闇の力を増幅させ、進化の秘法を完全なものに出来る」

バラモス「ただの、金で出来た腕輪では無いのだろう?」

バルザック「物の価値を知らぬ愚か者どもにとっては、
     ただの金の腕輪だが、その実は金では無い。」

バルザック「魔界でのみ手に入る、希少金属で出来た腕輪
     とか、古文書には記載されていたな
     いずれにせよ…この世界には無い物だろう」

 バルザックはノートを閉じ、机の上に置いてバラモスに拘束されたままの
魔法使い(女)をまじまじと見つめる。

魔法使い(女)「グルルルルル!」

バルザック「ふむ…やはり、人としての知能すら失ったか」

 バルザックは小さく呟くと、棚の中から瓶を取り出し、瓶の中の液体を
布にしみこませ、魔法使い(女)に嗅がせ、

 ややあって、魔法使い(女)の動きが鈍くなる。

 どうやら、眠らせる何かの薬品を嗅がせたらしい。
0322創る名無しに見る名無し
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2012/07/10(火) 02:16:42.10ID:ifjik/7i

 バラモスとバルザックの注意が逸れた所で、マオはプックルに
戻るように手で合図し。

マオ「レムオル!」

 キィン!!

 小声で呪文を唱えマオは自らの姿をかき消し、気配と音を殺しつつ、
部屋の中に忍び込み机の上に置いてある、さきほどバルザックが手にしていた
ノートを取る。

 〜錬金術記録〜 エドガン。

 使い込まれた分厚いノートには掠れた文字でそんなタイトルが
書かれていた。

 体に何も触れないように、足元にも注意し…音を立てないように
慎重に部屋をそのまま抜け出し、プックルを連れて通路を戻る。

 バルザックとバラモスが居た部屋から離れた所で、盗んだノートを開いて
中を見てみると。

マオ「……大当たりか…。」

 ノートには進化の秘法について、ありとあらゆる知識が
記載されていた、このノートと魔法の知識がある程度以上ある
者ならば、進化の秘法を作り出す事が可能だろう。

 かつてのエスタークが地獄の帝王として、魔界の覇権を握った
究極の技術が今、この手の中にある。

 そして…もう一つ。

 実はバラモスやバルザックが話していた黄金の腕輪の
代りになる物も、マオには心当たりがあった。

 魔界の希少金属───エビル・メタル───。

 金に似た物でありながら、金より強靭であり強い魔力を秘めている物、
そう、いくらプックルの力で魔物に叩き付けても傷一つつかない
この黄金の爪こそが、エビル・メタルそのものなのだろう。

 進化の秘法を完全な状態で使えさえすれば、この脆弱な
人間の体からおさらばできるだろう…、それでいて元の世界に戻れたら
魔界の全てを掌握し…人間を駆逐し、世界を魔族の手に取り戻す事も
たやすいだろう。

マオ(………本当に?……)

 かつての自分ならば、それに疑問を持たなかっただろう、
喜んで進化の秘法を使い、究極の力を手にしていたかもしれない、
しかし、人間はそれすらも超える力を持って居るのではないだろうか?

 ともあれ、身の振り方をどうするにせよ、このノートとプックルの黄金の爪は
切り札になるのは間違いない。
0323創る名無しに見る名無し
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2012/07/10(火) 02:17:22.36ID:ifjik/7i

 ドン!

カンダタ「…うぉわっ!?」

国王「……な…なんじゃ!?…」

 考え事をしながら通路を戻る途中、T字路にまで戻った所で
突如何者かに突き当たる。

マオ「カンダタ、それに国王!」

カンダタ「よう!無事だったか?
     一体ここは何なんでぇ?」

マオ「説明は後でする、とにかく今はここから────」

 とにかくバラモスに気が付かれる前に離れようするが。

???「……なんだ?…そこに誰かいるのか?」

 入口と、バラモス達の居る部屋では無い方の残り一方向から
声が聞こえる。
 マオ達は顔を見合わせると、声がした方へと通路の奥に進む。

 通路の奥は多数の牢があり、冒険者の恰好をした者達が
何十人と詰め込まれていた。

 マオ達の姿を見るなり、牢に捕えられていた人々が起き上がり、
口々に騒ぎ出す、

武道家(男)「…助けだ!助けが来た!」

商人(女)「出して!バラモスが戻ってくる前に!」

魔法使い(男)「ここから出してくれ!
       鍵はそこの壁にある!」

戦士(女)「馬鹿か!騒ぐなって
     気づかれちまうだろ!?」

 思い思い、口々に叫ぶ冒険者達、
昼にガルナの塔の前で見かけた者もその中に居た。

カンダタ「こいつぁ…一体」

マオ「人体実験の候補者…か。
   どうやら…さとりの書をエサに腕の立つ冒険者達を
   集めていたらしいな」

国王「……じ…人体実験
   それにバラモスじゃと!?」
0324創る名無しに見る名無し
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2012/07/10(火) 02:35:53.82ID:ifjik/7i

 マオは壁に掛かっている鍵の束を取り外し、
どれがどの鍵なのかよく判らなかったので、牢の中に
放り込んだ。

マオ「これで、開けられるだろ?
   後は自分達で何とかしてくれ」

 冒険者達は我先にと、鍵の束を奪い合う。

プックル「…がう!」

カンダタ「どうした?プー公?」

 プックルが吠える方向を見ると、奥の牢屋に一人で入れられている
男が言う、奥の牢に捕えられていたのは見覚えのある男であり、
この男なら、特別扱いで牢に入れられているのも納得出来た。

勇者(男)「……よぅ、妙な所で会うな。」

マオ「………勇者(男)…」

勇者(男)「ザマァねぇだろ?
     人攫いの挙句に魔王にとっ捕まったんだぜ?」

 自嘲気味に勇者が笑う。

勇者(男)「それで、オメェは何しに来たんだ?
     俺を笑にでも来たのか?」

マオ「そういう積りでもない…が、
   お前に言っておく事がある。」

 マオはバラモスとバルザックが、魔法使い(女)に進化の秘法を使い、
化け物にした事、そしてそれを目の前で見ながらも何も出来なかった
事を告げた。

 マオが勇者(男)に話す間、勇者(男)は目を閉じて
黙って聞いていた。

勇者(男)「そうか…アイツは…逝っちまったか
     アリアハンからゾーマを倒すまで、ずっと
     付き合ってくれたんだが…、ここで逝っちまうとはな」

勇者(男)「戦士(男)も、遊び人(男)も連れて行かれちまった…
     多分、あいつらもやられたんだな
     今まで星の数程の化け物を斬り殺してきたが
     最後は化け物になって死ぬなんて、笑い話にも
     ならねーや」
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なんか、中途半端な終わり方な気がしますけど
今日はとりあえずこの辺りまでで。
・・・もぉ3時。
0326創る名無しに見る名無し
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2012/07/13(金) 20:00:46.94ID:EiXiTOl6
ドラクエ3やりたくなってきた
0327創る名無しに見る名無し
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2012/07/13(金) 20:37:25.10ID:T6Nd+MBH
勇者さまはハローワークの求人票を眺めていた。

だが、そこには派遣とバイト、しかも給与は最低クラス。正社員の募集などカケラも存在しない。
勇者さまは低学歴な脳味噌で月給を換算してみたところ、月給は約9万円ほどであった。
今まで魔王と戦ってきた勇者さまだが、ファンタジックな夢から目覚めてみれば、月給10万円にも届かない非正規労働者でしかないのだ。

まあ、「魔王」なんてもの持ち出してみたけど、この現実社会における資本主義と新自由主義の方がよっぽど魔王にふさわしいわけだ。
その魔王という名の資本主義が新自由主義の嵐の中で大暴れし、ギリシャとスペインとイタリアがやばいことになり、
過酷な円高で輸出企業は青色吐息となって生産拠点を東南アジアなど海外に移し、日本国内は産業及び雇用の空洞化が進み、
企業は固定費負担を減らすために雇用規制を次々と緩和させ、「痛みを伴う自己責任」の名の下で中産階級は没落し、
格差はさらに邁進し、若年層の多くは非正規雇用の労働者としての生活を余儀なくされ、それゆえ国内市場の縮退が進み、内需は落ち込み、
そして>>1のような頭の弱い底辺低学歴が、このスレに描かれているような中二病丸出しのファンタジーな夢の中に現実逃避をして自分を誤魔化して過ごしているのだ。

確かに慰みは必要だろう。自分は実は「勇者さま」なんだと思ってでもいなきゃ、>>1みたいな卑小で卑屈なプライドの持ち主はやってらんねーもんな。
だが、冒険の旅に出ようとも路銀は必要だし、そのためには仕事をしなきゃならない。
モンスターを斃しても金もアイテムも落としてくれないし、そもそもモンスターなんて居やしないんだから。
そんなこんなで勇者さまはハローワークを尋ねた次第である。

工場内軽作業、早番シフト8時〜17時、時給670円。遅番シフト18時〜翌6時、時給750円。
まあ時給は安いかもしれないけど、軽い作業なら楽かもしれないな、と、勇者さまは思った。
交通費を支給してもらえる、という条件に勇者さまは魅力を感じたのだ。
空飛ぶドラゴンや早駆けの名馬を飼ってるわけでもない以上(つか、そんなもん飼ってても維持費なんかねえよ)、
この世界の住人たちと同じく電車と地下鉄とバスを乗り継いで移動するしかない。金がなきゃ徒歩だ。

こうして勇者さまは、工場内軽作業の仕事を選んだ。これでしばらくは凌げるだろう。
0329創る名無しに見る名無し
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2012/07/13(金) 21:12:05.36ID:orFbTqlf
まじか
更新があるたびにwktkしながら見てたんだがな…
おもしろくなって来たとこだったし
残念だよ。・°°・(>_<)・°°・。
0331創る名無しに見る名無し
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2012/07/14(土) 01:54:23.46ID:1Nog3oI1
「ダメだダメだダメだ!これじゃあ、ダメだ!」
突然、勇者さまこと>>1は絶叫し、最近薄くなりつつある髪の毛をバリバリとかきむしった。

「これじゃあ、この作品をノーベル文学賞に送ったところで、誰も俺の高尚かつ気高い思想を理解してもらえない!」
勇者さまこと>>1の目は不気味なほどに見開かれ、血走っていた。それはもう完全に狂人の目そのものだ。
底辺低学歴キモオタの三拍子を揃え、辛い現実から目を逸らし続け、
ついには己が作り上げた中学生レベルのファンタジー世界に現実逃避した、そんな男の目だ。
そして、ここまで紡ぎあげたオタ臭満載のファンタジーに、突然邪魔が入り・・・
・・・そしてどういうわけか、全く冴えない青春を送っていた青春時代の日々の思い出がぶり返してきた。
女の子にモテず、それどころか気持ち悪がられ、ソツなくできる同級生からは小馬鹿にされ、そしてそして・・・

「うわあああっ!」
堪えきれず、ついに勇者さまは叫んだ。それは魂の叫びだった。
言葉にならない唸り声をひとしきり上げた勇者さまこと>>1は、弾かれたように立ち上がる。
そして机上の原稿用紙をグシャグシャに丸めると、それを叩きつけるようにゴミ箱に投げ入れた。
「くそっ!くだらん邪魔が入りおって!また最初から書き直しだ!」
そう叫ぶと、勇者さまは再びパソコンに向かった。

勇者さまこと>>1のような中二病のファンタジー青年は、とても繊細でデリケートな感性の持ち主なのだ。
例えば「就職」とか「失業保険打ち切り」「生活保護受給申請却下」とか「ハローワーク」とか、
「そろそろ就職決まってくれないとウチも大変なんだぞ!母さんだって心配してるんだ」とか、
「アニメとか漫画とかゲームとかばっかやってないで、何か資格でも取ったら?」とか、
「おまえ、一体将来どうするんだ?10年後とか自分がどうなってるか考えたことあるのか?」とか、
まあ、その辺の微妙なワードを持ち出すと、勇者さまこと>>1はとても傷ついてしまうのだ。
それはまるで敵の悪い魔法使いの放った強力な呪文を受けてしまったように、勇者さまこと>>1のMPを激しく消耗させるのだ。
まあいい。それでも四ヶ月に渡って中二病を発症し続けてこんな中学生ファンタジーを書き続けてきた勇者さまこと>>1なのだ。
そんな彼のような存在こそ、まさに正真正銘のファンタジーなのではないか?

そして数分後、勇者さまこと>>1は、おもむろにパンツを下ろし、貧弱なちんぽを引っ張り出した。
「・・・とりあえず溢れ出る才気を発散させないと、ボクの情熱が内部で核融合爆発を起こしちゃうからな…」
訳のわからないことを呟きながら、勇者さまこと>>1は本棚の隠し引き出しから座右の書を取り出した。

その幼女ロリ専門写真誌(もうご禁制品を開くと、お気に入りの小学五年生の少女・絵梨ちゃんのページを開く。
まだ未成熟なその肉体の瑞々しさに、内藤は溜まらぬ欲情を覚える。
そう、彼女こそ勇者さまこと>>1が書き連ねてきた中二病サーガのヒロインのモデルなのである。
0332創る名無しに見る名無し
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2012/07/14(土) 01:55:47.06ID:1Nog3oI1
「むう、た、堪らないナリ!」
亀頭の被った包皮を丁寧にむきながら、勇者さまこと>>1は自分のちんちんをしごき始めた。
勇者さまこと>>1の頭の中では、写真の中の絵梨ちゃんは既にひん剥かれて裸になっていた。
そしてまだ僅かな隆起しか見せない絵梨ちゃんの両乳房を荒々しく掴み、
そのピンク色の小さな乳首を舌でペロペロと舐める…もちろん勇者さまこと>>1の妄想の中でだが。
恥じらいと不安な表情を見せる絵梨ちゃんを見下ろしながら、勇者さまこと>>1は嗜虐的な微笑みを浮かべる。

「絵梨ちゃんは、俺が開発してやるんだ!」
勇者さまこと>>1の、ちんぽを握り締める手に力がこもる。
「この小娘を性奴隷にして、まだ見ぬ快楽の坩堝の中で甘美なリビドーの溺れるのだっ!」
勇者さまこと>>1の右手はさらに激しく上下する。カビ臭い四畳半の中で、勇者さまこと>>1の生臭い吐息が満ちてゆく。
快楽に顔を歪めながら、勇者さまこと>>1は笑った。その口元からのぞく乱杭歯は黄ばんで虫歯だらけだ。
くすんだ素肌、緩みきった肉体、不潔さ漂うその容貌・・・そんな一人の醜男が今、オナニーに浸っているのだ。
それが、偉大なる中二病ファンタジー作家さまこと勇者さまこと>>1の現在の姿だった。

・・・数分後、勇者さまこと>>1は、華々しく果てた。赤黒くひん曲がった貧弱なちんぽの先端から、生臭い精液が飛び散る。
精液はちゃぶ台の上に広げた幼女の写真誌に飛び散り、恥ずかしそうな笑顔を見せる少女の写真に降り注いだ。

「ああっ!」勇者さまこと>>1は慌てた。
彼にとって女神であり天使である絵梨ちゃんの御真影に、己の汚らわしい精液が粘着してしまったのだ。
勇者さまこと>>1は大急ぎでティッシュを引き出し、大切な絵梨ちゃんの写真にへばりつく己の精液を拭う。
ゴシゴシとこするが、粘ってへばりつく精液は、既に絵梨ちゃんの写真に染みこんでしまっており、中々落ちない。

一瞬、勇者さまこと>>1の脳裏に「もしかして俺、絵梨ちゃんに生で顔射しちゃったのかも!」という戯言が浮かぶ。
そのイメージに酔いしれ、萎びかけた自分のペニス(短小包茎)が少し反応したのがわかった。
そして数秒後、我に返る。
「・・・そんなことより、早くザーメンを拭わないと、絵梨ちゃんの写真がヨレヨレになっちゃうよ!」
と、少し唾液で濡らしたティッシュでこすってみるが、印刷が少し剥げただけであった。

仕方なく勇者さまこと>>1は雑誌を持ち上げた。そのまま絵梨ちゃんの写真を、舌でぺロリと舐め上げた。
自分の口の中に、自分の精液の生臭い臭いが充満し、勇者さまこと>>1は思わずむせ返る。
そしてその瞬間、勇者さまは、ここ数日の中で最高とも言うべきアイデアを思いついたのだった。

「もう、この際だから絵梨ちゃんを食べてしまおう」
そう思った勇者さまは、雑誌の絵梨ちゃんの写真のページをびりびりと破りとった。
そしてその自分の精液の降りかかったページを丸め、口の中に放り込んだのだ。
よく咀嚼する…すると自分の精液の味に混じって、憧れの小学五年生・絵梨ちゃんの甘い味がしたような気がした。
そのページを丸呑みしたころ、勇者さまこと>>1は呆けたような笑顔でケタケタと笑いだした。
勇者さまこと>>1の苦渋の日々は、まだ終わらない・・・。
0333創る名無しに見る名無し
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2012/07/14(土) 11:55:46.25ID:x/34pe1o
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◆破棄:やろうとしていた事。
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 大神官フォズ(本物)を解放?【キャラクター要検討:後の国王が抜ける穴を補完キャラ】

 フォズを仲間にし、カンダタは正式に賢者扱いとなる。

フォズと勇者を連れてバラモスとバルザックの部屋へ、バラモスと戦う。
勇者とマオ一向の力に押されて、バラモスは逃げ出す。【巫女が連れて逃げるでも可?】
 バルザックもバラモスに連れられて逃亡(エドガンの錬金術書がマオに盗まれてしまい、
進化の秘法を新たに作り出せなくなってしまう。)

 ※:黄金の爪はバラモスに回収されてしまい【プックル腕切断?】持ち帰られる。

 化け物となった冒険者(魔法使い(女))との戦い、バラモスが手に入れた黄金の爪を
バルザックが、魔法使い(女)に使い、進化の秘法が完全版となる。
【手に負えなくなって、バラモス逃亡でも良いか?】

 ガルナの塔とダーマ神殿は崩壊?

 魔法使い(女)は無限に進化しつつ、マオや勇者やダーマの冒険者達と激闘、
最終的に仲間である勇者がアストロンを使い、勇者と共にガルナの塔の北の
湖の底に沈む。

 ポルトガから船、

1.西へ向かい、街開発の話
  国王(商人)と別れる(イエローオーブ)。

2.食糧の見積もり間違えて食糧難、
  海賊に襲われ、逆に略奪。
  >>レッドオーブの話になる

3.ブルー、パープル、グリーン、シルバー
  【必要に応じてカット:1000への調整】

4.ラーミア【戦闘にも加入?】バラモス城へ
  【アレフガルドは必要に応じてカット:1000への調整】

  バラモスと対峙、巫女との決着【アレフガルドカットなら
  ここでゾーマ出す】、魔王を異世界から呼んだ理由(進化の秘法を手に入れる為)
  進化の秘法を使って、今の世界からの脱出。【ゲーム世界から脱出する為】

  ※:勇者が魔王を倒す永久ループの輪、ゾーマや勇者(女)はたまたまバグって
  その世界の構造を知るに至った、人と魔王が争う出来レースの世界で
  それを抜け出す為に、N/A【名称未設定】を倒す?【行き方が要検討、
  ギアガの大穴が繋がっているとか?侵攻中に考える事】

5.N/A【名称未設定】を倒し、大団円?
  人と魔物が共存する世界へ〜終了?〜。
//---------------------------------------------
 確かに中二病臭いわな、
中二病ではない作品はあまり無いとも思うが。
支援くれた皆様に感謝を。
                   ─ 終了 ─
033419
垢版 |
2012/07/15(日) 00:34:43.51ID:g+MIxUJw
>>1
お疲れ様でした。
>>19で小煩い事言ってた暇人です。
あの後、あなたが地道に投下を続けるのをずっとROMっていました。

自分で決めたルール
>4.他者の乱入(無いと思うけど)があった時点で、
  そこでひとまずのEND。(プロットが狂うため)
  打ち切り要請があった場合もそこまでとする。

これに則り終了、潔いけれど、読み手としてはちょっと残念。
>>19で例にあげたことが現実になるとは・・・


まず、このスレを投げなかったあなたの意志の強さと、書き続けるプロット構成に驚きました。
こう言ってはなんですが、この手のスレはたいてい数レスで終了か書き手が途中で飽きて逃亡、がパターンで、
レスに書いた通りうんざりしていたので、ずっと投下を続ける人は稀です。


これは自己弁護ですが

もしあなたが投下している間、板の中の他のスレを見ているなら
あなたの後にも単発の台詞系スレがいくつも立っては捨てられ、誰も書かないスレだけが残る状況を見たかと思います。
と同時に、一人で1000レスあるいは512kbを埋めることの労力も、感じたのではないでしょうか。

もしもそれを感じてもらえたなら、19で指摘したことをほんの少しでも理解いただけたのではないかと勝手に思っています。
(↑とても利己的ですね。申し訳ありません)


このSSにちゃんと読者がついていることは、あなた自身がよく解っていると思います。
しっかりした信念を持って地道に投下を続ける人を、創発板住人は必ず見ています。
はじめの方には少なかったレスが、だんだん増えてきたことと思います。
もちろん、レスしてないROMも大勢いたことでしょう(自分もその一人です)。

033519
垢版 |
2012/07/15(日) 00:39:02.45ID:g+MIxUJw
内容について。


よくある勇者魔王モノという印象でしたが、正確にはドラクエVをベースにした(ほかナンバリングキャラや
オリキャラも登場するため)二次創作、に分類されると思います。
独自シナリオで描写もしっかりなされ、良いと思ったと同時に、非常にもったいない! とも思いました。

個人的には、これだけ書けるのならいっそのこと
ドラクエ世界観を用いたオリジナル作品(ダイの大冒険やアベル伝説みたいな)で読みたかったな、という思いです。

人名や地名を既存作品から持ってきているのに、既存作品とのリンクが薄いのはどうか? と
思ってしまい(これは人それぞれ感じ方が違いますが)、
それならばオリジナル設定で、「>>1の考えるドラクエっぽい世界」を見たかった、というのが率直なところです。
言葉は悪いですが、これでは都合のいい所だけ借りて済ませた感が否めなく・・・
しかし2chの台詞系SSでは、十分ありです。何も悪いところはありません。


無礼かつ上から目線な意見、大変失礼しました。どうかご容赦を。


無粋な連中のせいで中断してしまうのは残念ですが、もし良ければまたこの板のどこかのスレで作品を投下して下さい。
0336創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/15(日) 23:58:26.98ID:Y91ZtUCm
To:皆様
感想・ご支援等ありがとうございました。

 実は終了に前に、結構悩んだ次第でして、
最後に残ったのはこの三つでした。

 1.このまま続行。
 2.ダーマ編終了まで続行。
 3.即時に終了。

 物語の結末を書かずに終わるのは、この板の流儀に反するのではないか?
ここで終了するのは読んで頂いた皆様方に対して失礼ではないか?
しかし、自分で決めたルールを自ら破るのはルールの意味が無いのでないか?
それとも安価を取って続行・中止を決めるべきか?

 私としましても、全工程の3割程度であるため内容に消化不良感があり、
>>328の書き込みをした後にも、続行か、中止かを散々悩みもしましたが、
>>24のルールがこの板を使わせて頂く大前提であると思い、
まことに勝手ながら、3の終了を選択させて頂きました。

 感想、ご支援いただいた皆様には大変申し訳なく思います。

 私の拙い文章で埋め尽くされた本スレを毎日チェックしてくれた方、
心が折れ中断しかけた時にも、読んでいるので続行して欲しいと言って下さった方、
途切れ途切れの更新であるにも関わらず、待っていて下さった方。
この板のルールをご教示頂いた方など、本当にありがとうございました。
//-------------------------------------------------------------------------
ご指摘についての回答。

>>これでは都合のいい所だけ借りて済ませた感が否めなく・・・

 ご指摘の通りでございます。
実際、SSを書く際の練習として情景を読みやすくかつイメージしやすくするため
「主人公や仲間が喋らず、かつ、読み手がイメージしやすい世界観を舞台とする」
必要があり、物語の舞台としてスクウェアエニックス社の
ドラゴンクエストV〜そして伝説へ〜を選択させて頂きました。

 これにより「首都ロマリアの北部にある、山間に囲まれたのどかな田舎村カザーブ」
ではなく「北にあるカザーブ村」だけで説明が簡素に出来る利点がありますが、
欠点として良い所取りした感じが強まってしまったのかと思います。
 良い所取りした二次創作品は絶対にオリジナルを越える事は出来ないため(ドラクエVを
越えるなんて恐れ多いのですが)独自性を多少強めたつもりですが、やはり世界観と
乖離させる訳にもいかず、中途半端感が出てしまいました。
(結果、表現すべき所を全てドラクエVの設定に逃がし。【良い所取り】と
 映ってしまったのかもしれません【…安価で勇者を】での代筆はそうでも無かったのですが)

 ともあれ、ご指摘頂いた点以外にも自らが痛感した欠点や弱点が多々浮彫となり、
とても勉強になりました。

 3割程度で中断宣言を行った立場としては、再度創作発表板を使わせて頂くのは
烏滸がましく思いますが、機会がございましたらまた是非創作発表板を使わせて頂きたいと
思います。
0340創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/18(水) 04:14:25.29ID:AAdnxuuv
勇者を書いてるくせに、この程度で逃亡するわけか
作者が一番勇者じゃないって点が最大の欠点だな
そんなんだから魔王に勝てないんだよ
0341創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/20(金) 02:07:52.44ID:jZsyaGAX
面白くて一気読みしたけど途中で終わりか、残念。
ところで>>32で名前が出たオルテガの相棒であるサイラスは登場しなかったけどいったい何処へ……
0342創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/20(金) 03:28:02.96ID:KYvZo4u9
>>341
ハロワに行ってるよ
最近まで食品加工工場の遅番やってたんだけど工場が閉鎖になったんだと
0343創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/24(火) 20:04:33.52ID:WbFzBiuf
ニート「俺パソコンに詳しいんだ」

女「へー、ハッキングとかプログラミングとかできるんだ」

ニート「いや、それは出来ないよ」

女「え?CADとか、データベース管理とかできるんだ」

ニート「いや、それは出来ないよ」

女「はぁ?HTML5とか、CSSとかは?」

ニート「え?いや・・・・」

女「エクセルのVBとか、独自関数で表やグラフ作成とかは?」

ニート「ああ、俺パソコン詳しくないわ・・・・」

女「情報はそれに付随する多種多様な技術や知識があり、
  それを運営する経験やノウハウがあって、
  さらにそれに関係する周辺情報を得て、
  初めて知っていると言った方がいいわ、」
0344創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/28(土) 18:48:48.34ID:8OyvlGeO
さて、そろそろ灰汁が抜けてきた頃か
それとも、夏が終わるまで待つべきか。
0346創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/29(日) 13:26:41.87ID:kqOHD6fk
まだだったか、半年ぐらい熟成だな。
0348創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:40:44.34ID:hwoKJLFH
  
 ◆◇◆◇◆ 都内某所の区民公園 ◆◇◆◇◆
  
国王「……今日は生活保護費受給日だのう。
    では、ちょいと区役所に赴こうかの」
  
カンダタ「ちょい待ち!国王さんよ。
      実は先日、区民広報の掲示板に掲示しとったんだが、
      今月から生活保護費申請には、住民登録の審査が行われるらしいぞ」
  
国王「……何?どういうことだ?」
  
カンダタ「いや、だからさ。
      俺たちみたいに区民公園の住人だと、
      登録上の住所地に現住していないわけじゃん」
  
国王「確かワシの住民票は、
    NPO法人が運営する生活保護者用の簡易アパートに住んでいることになっておるはずだぞ。
    そのためにワシは月に三万五千円もNPO法人に支払っておるんだからのう」
  
カンダタ「それがまずいんだよ、国王さんよ。     
      生活保護を受給するために書類上の住所地作っただけで、実際にはそんなアパート無いんだからさ。
      第一、あのNPO法人って、民団出資の平和市民団体がスポンサードしているじゃん。
      協賛団体の中にパチンコ屋の持ち株会社まであるんだし。ぼったくられてんだよ」
  
国王「……そんなこと言ったってなあ。住民登録しなきゃ生活保護費は支給されないからなあ」
  
カンダタ「いや、だからさ。今度そのことが問題になっててて、
      これからは生活保護支給には登録上の住所に確かに本人が所在していることを調査することになったんだよ」
  
国王「んなバカな!一体誰がそんなこと決めたのだ!」
  
カンダタ「まあ、そりゃ政府じゃねえのか?
      ほれ、このあいだ、お笑い芸人の身内が生活保護を不正受給してたって話題になってただろ?」
  
国王「何の話だ?知らんぞそんなの!」
  
カンダタ「スポーツ新聞にバンバンに出てたじゃないか。国王さまはちゃんと読んでないんか?
      ったく、エロ記事と競馬欄くらいしか読んでないから、国王さまも落ちぶれるんだよ」
  
国王「そんなことはどうでもよいわ。それよりも不正受給って何だ!
    まったく不正に生活保護費を受給するなど、許しがたいことだ」
  
カンダタ「(許しがたいって、お前は言える義理かよ、と内心思いつつ)
      つまりだ、その芸人は年収五千万くらいあって結構贅沢してんのにも関わらず、
      その母親は生活保護受給してて、扶養義務を放置してたって話だよ。
      そのせいで世間は大騒ぎしてたんだよ。……本当に知らなかったん?」
  
0349創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:42:35.53ID:hwoKJLFH
国王「(しばし沈思し)
    で、そのことと、ワシの生活保護の審査とがどう繋がってくるんだ?」
  
カンダタ「……本当に何も知らないのか?ちゃんと区民広報掲示板くらい見とけよ。
      あそこは情報の宝庫だぞ。救貧バザーの日程とか、公園の日雇い清掃の募集とか、
      曜日ごとのゴミ回収の内容とか……おっとそういえば、明日はアルミ缶の回収だったな」
  
国王「(カンダタの話を遮るように叫ぶ)
    だから、その掲示板には何が書いてあったんだよ!」
  
カンダタ「落ち着けよ。
      だからさ、これからは地元の保護司と区の担当者が、生活保護費受給世帯の生活調査をやるんだと。
      何か定期的に家に訪問して、経済状況や生活実態をリポートにするんだとか。
      そんで、その調査で生活保護受給の必要性あり、と認められて、
      そこで初めてその証明書とやらがもらえるとか」
  
国王「何でそんなことするのだ!迷惑だ!
    第一、ワシはNPO法人所有の簡易アパートに名義上登録して貰ってるだけで、一度も住んだことないんだぞ!」
  
カンダタ「つか、そのアパート自体元々無いし
      あれは生活保護受給者から吸い上げるためだけの、名義上の住所だけだからな」
  
国王「ああっ!どうすればよいのだ!
    このままではワシは生活保護費を受給できなくなってしまうではないか!」
  
カンダタ「どうせなら、どっかに押し入っちまわないか?
      金せしめられればそれでオッケーだし、駄目なら駄目で法務省の特別な施設にしばらく住めるからさ」
  
国王「……何を言うのだカンダタ!ワシはおぬしのような盗人とは違うのだぞ!」
  
カンダタ「っつっても、国王さまも今やただのホームレスじゃん。
      っていうかさ、本当にあんた、王様だったんか?
      こんな区民公園の片隅で国王さま気取ったところで、
      世間のみんなは国王さまをかわいそうな人を見るような目で見るだけだって」
  
0350創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:43:36.27ID:hwoKJLFH
国王「貴様、ワシを侮辱するつもりか!  
    ワシは魔王によって王座を追われ、王国を失い、  
    そしてここに流れ着いただけなのだぞ!  
    いつかはあの魔王を打ち倒し、  
    この都民公園のわんぱく山に豪華絢爛な王宮を築いて千年王国を打ち立てるのだ!」  
    
カンダタ「んなことしたら、不法占拠で区に訴えられるわ(笑)  
      それにその「魔王」ったって、国王さまの町工場の抵当権を行使した信金の支店長のことだろ。  
      大丈夫だよ国王さま。あの信金、あの後農協系の金融機関に買収されて、  
      今は大手都市銀に吸収合併されちゃったから。  
      おそらくあのときの支店長はリストラ喰らってるって」  
    
国王「(興奮し、怒りを抑えかねた様子で)  
    三日だぞ三日!たった三日待ってくれれば手形保障できたっていうのに!  
    そもそもあいつが運転資金を出し惜しんだのが原因じゃないか!  
    それに三世代落ちの自動研削機だとメーカー指定の品質精度を維持するのなんかそもそも無理だっつーの!  
    二年以上も新規融資を頼んだってのに、あのハゲ散らかした支店長めが、あっさりと審査拒否りやがって!  
    全部あいつのせいだ!あいつのせいで王妃には離縁され、プリンセスは風俗上に身を落とし……」  
    
カンダタ「(国王さまの肩を抑えながら)  
      まあまあ国王さま、落ち着いて落ち着いて。  
      それよりも今はそれどころじゃないだろ。  
      どうするんだ今月分の生活保護費は。  
      区の厚生担当の捺印押した調査証明書を出さないと、生活保護費出ないんだぜ?」  
    
国王「(カンダタの言葉に落ち着きを取り戻し)  
    ……ど、どうすればよいのだ?」  
    
カンダタ「さあな、俺の場合はとりあえず宗教団体の職員ってことにしてるけどな。  
      『真理の家』って新興宗教団体だけど、一応都の宗教法人認定あるんだぜ」  
    
国王「……それ、ワシにも可能かな?」  
    
カンダタ「可能かどうかわからんが、結構キツいぜ。  
      一応、在家信者ってことになると、月額で大体五万くらいのお布施が必要になるしな。  
      ただ、教団施設は職員住居を兼ねてるってことにしてあるから、そこの住所地で登録できるんだけどね  
      例の左翼系NPO法人と違って、一応生活実態らしきものあるし」  
    
0351創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:44:37.03ID:hwoKJLFH
                                                      
国王「……たのむ、カンダタ。  
    ワシもその、何だ……『真理の家』だっけか?の信者にしてくれないかの?」  
    
カンダタ「(腕を組んで)  
      う〜ん、どうしようかな。  
      (チラリ、と国王さまの方を一瞥する)  
      支部長、最近忙しいって言ってたしなあ」  
   
国王「(カンダタにすがりつくように)  
    お願いだカンダタ!早く住民登録できないと、今月分の生活保護費が!」  
    
カンダタ「(思い悩んだ風を装い)  
      じゃあ、国王さま、とりあえず支部長に相談するから、  
      面談料として別途五万円渡してくれないか?」  
    
国王「ご、五万円だと!そんな金、今ないわ!」  
    
カンダタ「じゃあ、この話は無かったということで……」  
    
国王「ちょっと待った!  
    ……今、本当に手持ちが無いんだ。  
    後で返済するから、その分を立て替えてくれないか?」  
    
カンダタ「国王さま、構わないけど、俺の場合、金利はトゴだぜ?」  
    
国王「背にハラは変えられないって言うじゃないか。  
    大丈夫、生活保護費もらったら、いの一番に返済するから」  
    
カンダタ「……本当かい?国王さま」  
    
国王「ああ、本当だとも。  
    だから頼む。  
    早くその、何だっけか?『真理の家』ってところに連れてってくれ!」  
    
カンダタ「(意を決したような顔を作り)  
      よし分かった。  
      じゃあこれから行こうや!」  
    
国王とカンダタ、連れ立って怪しげなビルに入ってゆく(暗転)  
0352創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:45:59.58ID:hwoKJLFH
    
 ◆◇◆◇◆ 勇者さまのご自宅 ◆◇◆◇◆   
    
食卓で家族と一緒に夕食を食べている勇者さま。  
食卓には父親と母親、そして勇者さま自身の三人がいる。  
母親は手早く食事を終えると、空いた食器を盆にのせ、台所に運ぶ。  
    
母親「(台所で洗い物をしながら、勇者さまに話しかける)  
    あんたも来年就職なんだから、  
    いつまでも漫画だとかアニメだとかやめなさい」  
    
父親「そうだぞ、母さんの言うとおりだ。  
    お前もそろそろ進路を決める時期に来ているんだからな」  
    
母親「ほら、同級生だった健ちゃんいたでしょ?  
    あの子なんか、あんたと違ってちゃんと現役で早稲田大学に入って、  
    去年にもう伊勢丹ホールディングスに決まったのよね」  
    
父親「(ビールをすすりながら)  
    まったく、小学校の時は一緒に遊んでたというのに、どうしてこうも差がついてしまったんだろうな」  
    
母親「……そうよねえ、この子もやればできる子なのにねえ」  
    
勇者さまは食事をしながら、母親と父親の話を聞いている。  
それは受難だった。両親の放つ一言一言が勇者さまの心にぶすぶす突き刺さる。  
    
父親「おい、聞いているのか勇者さま。お前も今年はちゃんとしなきゃ駄目なんだぞ!」  
    
母親「父さん、そんなにきつい言い方しちゃかわいそうよ。  
    勇者さまは勇者さまらしく、自分のやりたいことをやれればそれで……」  
    
父親「(母親の言葉を遮るように)だからお前は甘いんだよ。  
    やりたいことをやってメシが喰えるほど世の中は甘くないんだ。  
    みんな色々と我慢をして、苦労しながら仕事をしているんだ。  
    だいたいお前が甘やかすから、勇者さまもこんな風に……」  
    
母親「(今度は父親の言葉を遮り)  
    それはないでしょう!  
    あなたはいつもいつも仕事が忙しい忙しい、って言って、  
    育児や子育ては全部私まかせで、何もしなかったじゃないの。  
    この子の塾や習い事とかそういうの、ちゃんとあなたは見てくれたの?」  
    
0353創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:47:31.80ID:hwoKJLFH
    
父親「何を言っているんだ!  
    今こうしてメシが食べれるのも、俺が外で一生懸命働いて給料を稼いでいるからじゃないか!  
    第一見てみろ、この子はロクに勉強もせずに第一志望を落とし、国立も駄目で六大学にも引っかからず、  
    大学に入ったはいいが、アニメの本みたいのにうつつを抜かしたり、夜遅くまでゲームやってたり、  
    パソコン弄って遊んでいたり、  
    (勇者さまの方を振り返り)  
    お前もお前だ!来年はもう社会人なんだぞ!  
    いい加減にファンタジーだっけか?そんな子供じみた下らないことばかりやってないで、  
    そろそろ自立する自覚を持て自覚を!」  
    
母親「(父の方に向かって)  
    あなた、ちょっと言いすぎよ!  
    この子だって色々考えてるはずよ。  
    自分の将来のこととか、どういう仕事をしたいとか!  
    (勇者さまの方を振り返って)  
    ねえ?勇者さま。これからちゃんと就活するものね?」  
    
父親「今からだって遅いくらいだ。  
    第一、まともに正社員になるのだって難しいご時勢なんだぞ?  
    なぜ今までちゃんと勉強してこなかったんだ?  
    お前の同級生たちだって、とっくにリクルート活動とかしているだろうが?あ?」  
    
ここで勇者さまはふと、先日、大学で行われていた就職ガイダンスのことを思いだした。  
現在の新卒就職状況は大変厳しい状態になっているということや、  
新卒で正社員になれなければ、おそらく非正規雇用まっしぐらだということや、  
できれば大学時代にTOEFLや簿記一級、基礎的なプログラミングの資格などを取っておくべきだったとか、  
そんな話をされたのを思い出し、胸が痛んだ。  
    
もちろん勇者さまにはそんなものは何ひとつとしてない。  
あるのはファンタジーを数ヶ月間書き続ける執念と、ラノベやエロゲについてのマニアックな知識だ。  
その辺の分野ならLv.50くらいはあるはずだ。  
もちろん一人前の社会人としてのレベルは、せいぜいLv.2か3くらい。  
正直自立して生活できる能力など、殆ど無い。  
    
そもそも勇者さまはFラン大学文系卒のヲタでしかなく、実社会で役に立つ知識も技能もない。   
そんな卑小な自分から逃げるために、ますますファンタジーという仮構の妄想に世界にはまってゆく。  
そんな実に寂しい青春の日々を過ごしてきたのだった。   
    
0354創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:49:41.62ID:hwoKJLFH
    
父親「……おい、聞いているのか?」  
    
この時だった。  
勇者さまの中で、何かが弾けた。  
    
勇者さま「(うつむきながら小声で)……うっせーんだよ」  
    
父親「あ?何だって?」  
    
勇者さま「(今度は顔を上げ、睨みつけながら絶叫)……うっせーんだよ!てめえら!!」   
    
突然、怒りだした勇者さまに父親と母親は驚く。  
驚愕の目で勇者さまを見つめる両親の目を感じ取りながら、勇者さまはなおも叫ぶ。  
    
勇者さま「何だよ!進路とか就職とかさ!何だって言うんだよ!  
      そんなのもうどうでもいいじゃんかよ!  
      てめえらで勝手に俺みたいの産んでおいて、好き放題言ってんじゃねえよ!  
      ふざけんなよ!」  
    
わが子の内弁慶ぶりに狼狽し、右往左往する両親たち。  
そんな勇者さまに、母親は何とか一言言い返す。  
    
母親「(少し目に涙を浮かべ)  
    そんなこと言ったって、私たちはあなたのことを心配して……」  
    
「心配」という言葉が、勇者さまの心に突き刺さる。  
その痛みが、更に勇者さまの甘えを暴走させる。  
    
勇者さま「心配なんてしなくていいよ!  
      どうせ俺のことなんでどうでもいいんだろが!」  
  
そう叫んだ勇者さまは、そのまま席を立つと足音をドカドカと踏み鳴らしながら階段を上がり、  
自分の部屋に逃げ込むと、思い切り叩きつけるようにドアを閉めた。  
    
0355創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/30(月) 20:50:48.54ID:hwoKJLFH
    
部屋の中には、勇者さまの現実逃避の世界が広がっていた。   
    
本棚にはラノベ……電撃、富士見ファンタジア、スニーカー文庫などなど。   
それらの表紙には、パンツ見えそうなミニスカの美少女キャラが、実にカラフルに描かれていた。  
実は最近、ハヤカワや創元文庫まで読むようになり、SFや幻想文学、それに伝奇モノにもちょっと興味津々。  
    
そしてバリバリ童貞の勇者さまのオナニーのおかずは、もちろんエロゲ。  
パソコンには海外サイトからダウンロードしたAVが増設HDDにみっちりと詰まっている。   
    
ファンタジーという名の現実逃避世界で、勇者さまはキモヲタニートの王道をひた走っていた。   
ここは天国なのだ。「現実」さえ押し寄せなければ。   
勇者さまにとって、卑小で情けない自分自身と向き合わざるを得ない「現実」世界。  
それは悪夢であり、恐怖の世界だった。この、虚構に満ちたファンタジー天国を打ち崩す、恐怖そのもの。  
    
先ほどの出来事を思い出した。  
両親の言葉はうざかったが、それでもいよいよ自立しなきゃならないことはわかっていた。  
だけど、この心地よい現実逃避空間のぬるま湯から抜け出すことができなかった。  
すると、勇者さまの中で、もう一人の自分が語りかけてきた。  
    
もう一人の自分「……おい、勇者さまよ。  
           お前さ、今のままでいいの?  
           こんな下らんRPG崩れのファンタジーもどきに何時までも浸ってていいんかよ?」  
    
勇者さま「……(返す言葉が見つからない)」  
    
もう一人の自分「勇者さまよ。お前自分の本棚見てみろよ。ほら」  
    
0356創る名無しに見る名無し
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2012/07/30(月) 20:51:41.66ID:hwoKJLFH
    
もう一人の自分が指差す本棚には、先ほど説明したとおり、ラノベと漫画とアニメのフィギュアが並んでいる。  
それはそれはとても極彩色でカラフルな彩りだった。現実ではありえないような、そんな色彩で彩られていた。  
そこには数多くの美少女たちが描かれていた。髪の毛の色が赤だったり青だったり、黄色だったり薄紫だったり。  
そんな美少女たちが実に短い制服のスカートをはためかせ、  
現実じゃまず見れない不思議なポーズで歪んだセックスアピールをしていた。  
    
数百円で現実逃避をさせてくれる、空想世界の恋人たちだ。  
現実の女たちと違い、決して勇者さまを「キモい」とか言って無視したりはしない美少女たち。  
小学校時代からずっと、冴えない、目立たない、うだつのあがらない、ブサイクな子供だった勇者さま。  
そんな勇者さまに安らぎを与えてくれた少女たち。  
    
もう一人の自分「なあ、あんな下らない慰みモノばっかじゃなくてさ、  
           なんでお前は就活用の企業研究本とか無いんだ?  
           お前さ、まともなとこに就職できねえと、こういう現実逃避もできなくなるんだぜ」  
    
勇者さまは目を逸らせた。  
「進路決定」「就職」という言葉が、勇者さまの甘き夢の世界を打ち崩してゆく。  
    
もう一人の自分「会社訪問とかさ、そういうのはじめなきゃならない時期だろ?  
           お前いいの?そうやってファンタジーみたいのに興じて現実から逃げ回ってさ」  
    
勇者さま「(うつむきながら)……うるさい、消えろ」  
    
もう一人の自分「は?お前、また逃げるのかよ」  
    
勇者さま「うるせえんだよっ!消えうせろ!」  
    
近所中に響き渡るんじゃないかという大声で、勇者さま叫んだ。  
それと同時に、もう一人の自分はまるで霞のごとく掻き消える。  
    
それから一時間後。  
    
勇者さまはベッドの上で、ラノベを読んでいた。  
現実から目を背け、甘き夢の世界でファンタジーを紡いでいる。  
    
そこでは実に都合のよい魔王と巫女と勇者さまが、  
実に都合よく予定調和なイベントをひたすら繰り広げ、そして無益に終わってゆくのだ。  
そこでは何も変わらず、何の実りもない。  
    
今日もまた、ただ無駄に時間だけが過ぎていく(暗転)  
    
0360創る名無しに見る名無し
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2012/08/01(水) 23:19:52.46ID:RyuMeg9X
(*´∀`)
0361創る名無しに見る名無し
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2012/08/03(金) 20:27:50.85ID:IdJsCReA
面接官1「マオ…さんですね?  
      年齢は31歳。  
      ええと、最終学歴はアニメ専門学校卒……じゃなくて中退。職歴無し」  
  
面接官2「(少し困った顔で)あの、マオさん。  
      今まで仕事に就かなかったのは、どうしてなのでしょうか?」  
  
マオ「……私は巫女によってこの世界に召喚された魔王なんです!  
    魔王は下衆な人間どもが行うような卑賤な仕事は行いません!」  
  
面接官1「(マオの履歴書に目を落としながら)そうですか、そうですか。  
      では、どのような理由で当社の中途採用試験をお受けになられたのでしょうか?」  
  
面接官2「(面接官1に続けて)当社はですね、原則として採用は大学新卒、  
      中途採用者の場合は大学既卒の実務経験者のみ、とさせていただいているんですが、  
      マオさんには、実務経験はおありなのでしょうか?」  
  
マオ「実務経験などあるわけがない。私は魔王なのだ。  
   魔王を雇っておくと色々便利だぞ。  
   なにせ私には多くの力があるのだから」  
  
面接官2「力がおありなのですか…。  
      それは一体どのような力なのでしょうか?」  
  
面接官1「(相変らず履歴書に目を落としながら)  
      当社は今のところ新規販路開拓のための営業販売促進営業担当者、  
      それとそのエリアマネージャーを……こちらは特に5年以上の経験者に限定しておりますが、  
      そういった人材を必要としています」  
  
マオ「魔王の力といったら魔力に決まっているだろう!  
   私は今までドラゴンクエストの上位置換のような素晴らしいファンタジーで主役を張っていたのだぞ!  
   このスレの>>1からずっと読んで見ればよかろう!  
   この私のファンタジックかつヒロイックな活躍ぶりに、諸兄らは胸を踊らすに違いあるまい!」  
  
面接官2「……つまりマオさんは、ファンタジー小説の作家だということですか?」  
      (顔に明らかに呆れたような表情を浮かべながら)  
      では、ままでどのような作品を書かれてきたのでしょうか?  
      今まで出版なされたものがあれば、それについてお聞かせ願いたいのですが」  
  
マオ「ファンタジー作家などではない!私は魔王だ!  
   魔王として冒険の旅を続けている、異界の勇者さまなのだ!」  
  
0362創る名無しに見る名無し
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2012/08/03(金) 20:28:34.37ID:IdJsCReA
面接官1「(相変らずマオに一瞥もくれぬまま)  
      では、そのご立派な魔王さまが、何ゆえ当社の中途採用試験を受けることにしたのですか?  
      何か壮大な目的を持って旅をなさっているのなら、  
      我々のような下衆な人間たちが働く卑賤な仕事などやっているヒマなどないのではないですか?」  
  
面接官2「それとわが社はですね、出版社ではございませんが。  
      マオさんのその能力を活かせるようなポストは、ちょっと思い当たりません。  
      今お書きのそのファンタジー小説の原稿を出版社にでも持ち込まれてはいかがですか?」  
  
マオ「だから違うといっているではないか!  
   私はここで正社員として働きたいのだ!  
   期間契約社員でもなく、派遣社員でもなく、個人請負契約でもなく、  
   福利厚生があってちゃんとした雇用保障のある正規雇用の正社員になりたいのだ!」  
  
面接官2「だからですねマオさん。我が社といたしましては、  
      マオさんのこの学歴、職歴、資格では採用はできかねます。   
      普通自動車免許でもおありなら、路線配送ドライバーの期間契約はあるのですが、  
      契約期間は二年十ヶ月、優先的な雇用延長有。  
      マオさんには8トンの中型トラックを運転できる免許は……無いみたいですね」  
  
面接官1「それと鎌田と桜台、それに山科に配送センターがありまして、  
      そちらでは仕分け作業員を随時募集してます。  
      日雇いで、たしか給与は取っ払いですから、結構人気が高いんですよ」  
  
マオ「俺に奴隷の仕事をしろと言うのか?俺は魔王だぞ」  
  
面接官2「(ちょっとムッとし)ドライバーや軽作業の作業員を奴隷呼ばわりするのは、  
      ちょっと失礼ではありませんか?」  
  
面接官1「魔王なら魔力があると思うのですが、  
      その魔力で何かなさってみてはいかがです?  
      最もわが社では、そのような魔力よりもですね、地域営業のノウハウの方がありがたいのですが」  
  
面接官2「(少し意地悪い笑顔をつくり)  
      マオさん、何か魔力はございますか?  
      あれば是非見てみたいのですが」  
  
面接官1「これから新規市場を開拓するのにふさわしい魔力ならば、  
      こちらとしても是非そのお力をお借りしたいですね。  
      とりあえず現在は鎌田地区から桜台地区の中規模事業主の方々の顧客拡大を狙っております。  
      できればあの地域の商工会議所や組合関係者の方へ向けて、  
      本社のサービス内容のプロパガンドをこなせれば文句なないのですが、  
      マオさんの魔力でそういうことは可能なのでしょうか……」  
  
0363創る名無しに見る名無し
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2012/08/03(金) 20:29:45.82ID:IdJsCReA
……十分後、マオはビルから出てきた。  
魔王である自分をその場で不採用と通告する無礼に、マオの両肩は震えていた。  
  
マオはふと考えた。  
確か自分は巫女によってご都合主義の劣化ファンタジー世界に召喚されたはず。  
だが、いつのまにか、さらにファンタジーな世界に飛ばされている。  
  
ここではあのご都合主義の劣化ドラクエファンタジー世界で使えたはずの魔力が全く使えなくなっていた。  
呪文を唱えたら、属性魔法やら回復魔法やら、そういった便利な魔法がたくさん使えたのだ。  
なのになぜかこの世界では、マオはただの失業者に成り果てていた。  
31歳という、もはや若いとはとてもいえない年齢の、職歴学歴甲斐性無しの、  
脳味噌がファンタジーな一人の冴えない男に。  
  
果たして今まで自分がいた世界は、幻だったのではないだろうか?  
  
この世界には国王も巫女もどこにもいない。  
教会より神授された王権ではなく、ここにあるのは立憲民主制に基づく統治体制だった。  
魔法の代わりにあるのは、電気を基にした様々なテクノロジー。  
そしてこの世界を支配しているのは、魔王でも神でもなく、法秩序と資本主義。  
そんな世界でマオは、最底辺の弱者として生まれ変わったのだった。  
  
……いや、と、マオは思った。  
よく考えてみれば、自分は>>1そのものじゃないかと。  
>>1である自分はキモヲタで女にモテず、学生時代からゲームやラノベのファンタジーに逃げ込んでいたじゃないか。  
二次元キャラの美少女を想像しながら、貧弱なちんぽをしごいて情欲を処理していたじゃないか。  
  
現実社会では、とるに足らない存在だったマオこと>>1は、  
そんな卑小で冴えない自分から目を背けるために、自らを魔王と称し、  
>>1から書き連ねたような青臭いファンタジー世界に現実逃避し続けてきたではないか。  
そうやって自分をごまかし、やり過ごし、でも現実の自分は全く成長することなく、  
ドラクエのレベルアップとオナニーにふける時間だけが増してゆき、  
強大な力を持つ魔王どころか、相変らず女にモテない、つまらない無職のキモヲタ男のままではないか。  
  
マオは涙した。  
  
自分の将来を思うと、不安と恐怖で涙があふれ出てきた。  
この先、どんなに生きても、あの妄想の中で己が描き続けてきたファンタジーな世界など、決して来ない。  
そのことを思うと泣かずにはいられなかった。  
そして現実逃避し続けられたあの日々は、本当に幸せだったんだな、とマオは悟った。  
  
今日も日が暮れてゆく。  
  
0364創る名無しに見る名無し
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2012/08/04(土) 19:44:52.14ID:JmXgn+OS
現実社会で一番生活力ないのは巫女だろうな
デリヘルくらいしか思い当たらん

0365創る名無しに見る名無し
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2012/08/05(日) 20:00:51.70ID:G9h7jair
「来たれ!異界の勇者よ!」
巫女さまは客の射精寸前のチンチンを手コキしながら叫んだ。
0366創る名無しに見る名無し
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2012/08/07(火) 20:29:53.90ID:12YgK8Wc
    
 ◆◇◆◇◆ 勇者さまのご自宅 パート2 ◆◇◆◇◆   
    
「……>>1、お前ももう、仕事を選り好みできる段階じゃないんだぞ」   
父親は小声で、>>1にそうつぶやいた。   
  
「……」   
>>1は、絶句した。   
  
結局、あの後も就職活動もままならなかった>>1。  
とりあえず一年留年して、就職は来年に先送りしてしまおう、と思った矢先、   
そのことを知った父親に怒られ(うちはもう金がないんだぞ!)、   
それを言われて逆ギレし(何だよ!俺のことが大事じゃないのかよ!)、   
心配そうにオロオロする母親(もう大人なんだから、そろそろしっかりしなさい)に向かってついに内弁慶を大爆発。   
  
「何だよ!だったらなんで、俺のことなんて生んだんだよ!」   
家中に響き渡るような大声で>>1は叫んだ。   
それはもう、魂の叫びだった。とても大学(Fラン)四年生になる男のものとは思えない、幼稚さに満ち溢れた叫び。  
  
ふと見ると、目の前で母親が目から涙を浮かべている。  
それを見た瞬間、>>1は一瞬、心が痛んだ。  
それは何か触れてはいけない傷に、思わず触れてしまったような、そんな痛みだった。   
  
だがそれを振り切るように、>>1は叫んだ。   
「誰もあんたらに”生んでくれ”って頼んでねーよ。なのにあんたらが勝手に俺を生んだんじゃねーか!責任とれよ!」   
もちろん言ってる自分も、これが馬鹿げた暴論だってことは重々承知だ。  
だが、叫ばずにはいられなかった。そうやって無茶を叫ぶことで、>>1は現実に向き合うことを必死に拒絶しているのだ。  
そうしなきゃ、ちっぽけな自分のプライドが潰れてしまいそうなのだ。  
  
すると、父親が怒鳴った。  
「…か、かあさんに、何てことを言うんだっ!」   
最近、老いが目立ち始めた父。髪に白いものが混じり始め、頬には確実に皺が刻まれている。  
気苦労とストレスをぐっと耐え忍ぶことで、父は若さと精気を確実に奪われている。   
その気苦労の要因の一つが、間違いなく>>1の就職や将来のことであるはずだ。   
それは、>>1も気付いていた。だがそれでも>>1は自分のその甘えを受け入れることができなかった。  
  
目の前の父は>>1をグッ睨んでいる。だがその瞳は、怒りの色ではなく、悲哀が浮かんでいた。   
何とか、この息子をちゃんと社会に送り出してやりたい、というそういう思い。   
  
マンガやアニメやエロゲ、ライトノベルに興じ、エロゲの萌えキャラとの虚構の恋にはまる馬鹿息子。   
ヒマさえあれば魔王だの勇者だの巫女だのが出てくるファンタジーに逃げ込み、  
そこでありえない夢を見続け青春を無駄に浪費し続ける駄目息子。   
そんなどうしようもないFランの息子でも、父にとっては血を分けた可愛い息子に違いないのだ。   
0367創る名無しに見る名無し
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2012/08/07(火) 20:31:15.06ID:12YgK8Wc
ここ最近急激に老けが目立ってきた父。恐らく父の中の何かも、もはや限界に近いのだろう。   
それは、>>1も薄々察しがついている。だが、……だが。   
  
>>1には、その現実と向かい合う勇気はなかった。   
中学二年生くらいの童貞少年が思い描くようなパクリまみれの劣化ファンタジー世界に逃げ込み、  
そこで美少女たちと一緒に冒険して魔王と戦ったり、  
ファンタジックな妄想世界の中で萌えキャラと称する二次元娼婦たちとご都合主義のドラマに興じたり、  
とにかくその手の現実逃避のためのありとあらゆるジャンクを詰め込んだ甘き夢の世界にうつつを抜かし、  
そこで己を徹底的にスポイルし続けてきたのだ。  
もはや、目の前の小さな現実を受け入れるだけの強さを、>>1は持ち合わせてはいなかった。   
  
  
……気付くと>>1は、母親を足蹴にしていた。   
年老いた母親の体は、とても小さく弱々しい。   
かつて自分を抱きしめてくれた母親の、そのやわらかい肉は、既に老いさらばえて萎んでいた。  
その感触は、母の肉体を打ち据える己の拳にも伝わってきた。そしてそのたびに>>1の心は痛んだ。  
だが、>>1は、母親に暴力を留めることができなかった。  
何かを叫び、泣き喚きながら、振り上げた拳を母親に向かって振り下ろす。   
  
それは母が自分に抵抗できないことを、ちゃんと悟った上での行動だった。  
それをわかった上で母を打ち据えることが、途方も無い甘えであることを、>>1もさすがに悟っていた。  
だが、もう、どうすることもできなかった。  
妄想世界に逃げ込むことで徹底的にスポイルされた自分に、それを受け入れる強さは残ってなかった。   
もはや>>1は、泣き喚き甘えることでしか、己を支えられなくなっていた。  
  
父が自分を押さえ込んでいる。   
その父の、かつてより腕力を失ってしまった父の腕の中で、>>1は喚き散らしていた。   
「やめてくれ!もうやめてくれ!」そう父は叫ぶ。  
だが、父のその声は>>のすぐそばで叫んでいるにも関わらず、どこか遠くから響いてくるように聞こえた。  
目の前で母は床に突っ伏していた。母の背中が震えているのが見えた。  
その母の背中の小ささに、>>1は慄然とした…。   
  
しばらくしてようやく、>>1は正気を取り戻した。   
そして、今、自分がやってしまったことへの恐怖が、一気に>>1の精神に襲い掛かる。   
母は泣いていた。くぐもったようなか細い泣き声が、>>1の耳に届いた。   
  
「……わああーっ!」   
一際大きな声で、>>1は叫んだ。   
それと同時に、自分を羽交い絞めにしようとしていた父を振りほどき、食卓から駆け出した……。  
0368創る名無しに見る名無し
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2012/08/07(火) 20:32:55.93ID:12YgK8Wc
……ところで>>1さん、貴方は一体どちらへ向かわれるのですか?   
  
目指すは、そう、決まってる……………中二病劣化ファンタジーワールド!   
  
全てが都合よく作られた妄想世界の中に、再び>>1は逃げ込むのだ。   
「来たれ異界の勇者さまよ!」そんな巫女さまの誘いに乗じて。  
辛き現実から目を逸らし、甘き夢だけが虚しく漂う、あの虚構の世界。   
そこには、卑小な>>1を決して傷つけない都合のよい虚構が待っている。   
そこには、卑小な>>1を脅かさない都合のよい冒険が待っている。  
そこには、卑小な>>1を決して「キモい」と言って敬遠しない、二次元の美少女たちが……待ってくれているのだ。   
  
  
……そして二時間後、>>1は、再び妄想ファンタジーの甘き夢を見ていた。   
呆けたようなツラで、勇者や巫女や魔王だとかとの冒険の世界を漂っていた。  
こうしている間にも現実社会の時間は確実に、確実に流れ去ってゆく。   
だが、その確実に刻まれる時の流れは、>>1の思い描く妄想の世界には届かなかった。   
  
今日もまた、夜が更けてゆく……。  
0372創る名無しに見る名無し
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2012/08/11(土) 15:21:48.17ID:2t3vnSxh
マオとオルテガは須磨海岸に行った。
目的はナンパだ。
真夏のビーチエンジェルたちとのねっとり甘いアバンチュール。
その期待に股間を熱くさせていた。
0373創る名無しに見る名無し
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2012/08/13(月) 03:20:57.60ID:jt6QlEvU
そこでマオとオルテガは人生初のナンパを敢行しようと意気込んでいた。
なにせ二人はこの日のためにホットドックプレス「ナンパからセックスに持ち込む方法」を入念に読んできたのだ。
ようやく到着。マオとオルテガと僕たちは海に出た。マオはすでに勃起している。
砂浜に一歩踏み出してみると、熱くなった砂が足の裏に焼きついた。
二人は「熱い! 熱い!」と言いながら爪先立ちで移動する。
海パンがテントのようになったキモオタ二人が爪先立ちで歩く姿は文字通り変質者である。
どうやら二人は目覚めてしまったようだ。


0374創る名無しに見る名無し
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2012/08/15(水) 18:25:16.99ID:pvTByLUC
いや、目覚めてはいないだろ
ただメタっぽい設定とかってもう氾濫しすぎてて今更って感じ
0376創る名無しに見る名無し
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2012/08/29(水) 05:21:57.26ID:PlwRExrd
マオとオルテガは砂浜にしゃがみこんだ。
二人は手と手を取り合い、互いの目を見つめ合う。
真夏の日差しの下で二人のキモオタが見つめあう姿は文字通り変態である。
もちろん二人の海パンは股間部分が思い切りテントを張っている。
マオはオルテガに、オルテガはマオに欲情しているのだ。
二人は目覚めてしまったのだ。
ジリジリと照りつける太陽の下で、二人はもう二時間も微動だにせず見つめ合っていた。
周囲の海水浴客はそんな彼らを薄気味悪そうに見ていた。
だがマオもオルテガも全く気にしていなかった。
そして太陽が西に傾いたころ、二人は互いの体を抱きしめあった。
抱きしめあった二人はゆっくりと顔を近づけてキスをした。
その瞬間、神戸の街は大爆発した。
夕闇の空に突然巨大なドラゴンが現れ、そのドラゴンが放ったフレアで一瞬で街が消滅してしまったのだ。
だがマオとオルテガは気付かない。
二人はキスしたまま砂浜に倒れこみ、そのまま互いの体を貪りあった。
そして被災してきた神戸市民たちは彼らを発見し、手にしていた猟銃で二人を射殺した。
こうして神戸の町に平和が戻ったのだ。
0377創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/01(土) 18:56:41.40ID:l2cQxkrO
たしかに神戸の方がファンタジーの舞台にふさわしい気がする
そして東へ向かって伏魔殿こと大阪城へ
0379創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/05(水) 19:25:13.21ID:kRBFdw9w
おやおや、何がうれしいのだ?

そんなことよりも勇者よ、君は今、岐路に立たされているのだよ。
神戸の街に平和が戻っても、それはあくまで神戸市街地からせいぜい西宮の夙川くらいまでなのだ。
その先の尼崎は未だにヨハネスブルグ状態。尼崎市民はみな武装し、毎日のように市街戦が行われているような状況。
しかもやっかいなことに、日が沈むと庄下川から水棲の眷属たちが沸いて出てきて市民たちを襲うのだ。
彼らには人間の持つ通常兵器は効きにくい。もう少し破壊力のある兵器でなければ完全に殺すことはできないのだ。

さて、尼崎パルチザンの連中は尼崎の火力発電所あたりを占拠し、いまだに市軍に対して抵抗を繰り広げている。
彼らは海上より密輸された豊富な武器や食料を背景に阪急尼崎駅前付近までしばしば威力偵察を行っており、市軍に対して毎日のように攻撃を加えているのだ。
市民たちの中にも尼崎パルチザンに対して協力的なシンパも多く、市軍による粛清を行っても地下活動にいそしむ始末。
先日も尼崎パルチザンに内通していた市役所の下級職員が阪急尼崎駅前の中央公園で公開処刑されたのは記憶に新しい。
市行政本部の内部情報、とりわけ市民の個人情報や尼崎市軍の年次戦略要綱の資料などをパルチザン側に渡した罪に問われたのだ。
その職員は噴水台の上に設えた処刑台の上にくくりつけられ、市軍憲兵隊の銃殺隊によって銃殺の憂き目にあった。
その後、その市職員の死体は庄下川の川べりに吊るされ、夜な夜な出没する水棲眷属に食い散らかされた。

勇者よ、君の心の故郷である尼崎がこのような運命を辿っているというのに、何ゆえ君は埼玉県川口市の戸田公園で遊び呆けているのだ?
君は今こそたたなければならない。地獄と化した尼崎を開放し、そして更に東へと向かい、難波に救う魔王を打ち倒さねばならないのだ。
それは君にしかできない仕事だ。もちろん今のヒモ生活も悪くないだろう。なにせ女のマンションで一日中ゴロゴロして、たまにパチンコ行って、酒飲んで、
それで女を夜な夜な満足させてやれば気楽に暮らせるのだからな。
だがそれでいいのか?君は君自身の青春をそんな無益に浪費してもいいのか?
君は勇者なのだ。尼崎を救い、大阪帝国を破壊するために、今こそ君が立ち上がらなければならないのだ。

0380創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/08(土) 18:41:04.75ID:jESza/Iw
勇者は目覚めた。

目覚めた勇者は枕元の時計を見る。
時計に表示された時刻は10時42分。もちろん午前。

そういうえば今日は大学の講義は二時間目からあったはず。
マーケティング概論、午後からは商法と第二外国語のドイツ語T。
商法とドイツ語は一年のときの必修科目である。
既に勇者さまは二留して三年生になっっている。
今さら一年に混じってこんな科目を受けなければならないことに、勇者さまは軽くイラついた。
どうせいまから行っても二時間目の授業は間に合わない。
昼過ぎに出ていけば商法の授業には間に合うと勇者さまは思い、もうひと眠りすることにした。

昨日はバイト明けにトモカズとヤッシーとセンター街でナンパ。
無事フリーターの女三人組をゲットし、そのまま円山町へ。
勇者さまの女は少々ブサイク。まあ他の二人も似たようなものだったが。
でもオマンコはオマンコだと気合をいれて正常位でガンガン突きまくり、フィニッシュは思い切り顔射。

満足した勇者さまはシャワー浴びている女を置いてそのままホテルを抜け出したのだ。
とりあえずホテル代はテーブルに置いておいたので、文句はあるまい。

その後勇者さまはメールで連絡取り合ってトモカズとヤッシーと合流。
「村さ来」で安酒飲みながらさっきやった女の話で盛り上がった。
ヤッシーの相手の女はやたらフェラが上手かったらしく、しかも潮吹きまくりだったとか。
今度また会ってセックスしようと約束してメアド交換したんだとか。

その後もヤッシーはビールジョッキをあおりながら「あんな上手いフェラは今までされたこと無かった」と熱弁。
「そんなフェラ上手いんなら俺にも試させろよ」とトモカズが言うと、ヤッシーは「なら今から4Pしねえ?」
いいねえ、とトモカズが応じたが、勇者さまは疲れていたので、「今日は帰るわ。4Pはまた今度に」と言い残し、店を後にした。

勇者さまはそのまま埼京線に乗り込み、戸田公園へと帰った。
そして同棲中のOL、真由美と一発濃厚なセックスをした。
その後、精魂尽き果てた勇者さまはつい先ほどまで寝てた、というわけだ。

窓からは眩い日差しがさしこんでいる。
既に真由美は出社しており、マンションには勇者さま一人。

真由美はかなりの美人であり、しかも結構いい体をしている。
トモカズとかは勇者さまのことを羨んでいるし、勇者さまもまんざらではない。
ただ、外では真面目な印象を持つ真由美は、セックスになるとかなり弾ける。
勇者さまの開発が良かったのかもしれないが、真由美はセックスになると貪欲なのだ。
勇者さまもこれに一生懸命応えてやるのだが、少々辟易している。

もっとも真由美とのセックスは、勇者さまがこのマンションにいさせてもらうための家賃みたいなもの。
決してセックス自体は悪くないのだから文句は言えまい。

もう一眠りしようとしたが、中々寝付けなかった。
寝付けないまま勇者さまはベッドの上で仰向けになり、天井を見上げた。
あのあとトモカズとヤッシーはフェラが上手い女と3Pしたんだろうかと、勇者さまはふと思った。

勇者さまは今年20歳。まもなく21歳になる。
大学はいまだ一年生。現役で入っているのだが、その後色々グダグダして二回留年し、今年で三年目。
親は仕方なく学費を出してくれているものの、息子が今このような状態なのを見て果たしてどう思うだろうか?
真由美は真由美で「あたしが全部面倒見てあげるから」とよく言う。
それは暗に勇者さまに結婚を迫っているように思える。
真由美は今年で26歳。現在はさる銀行のOLであるが、真由美の実家は横浜にある貿易商であり、金持ちだ。
真由美とひっついていれば、大学でポシャっても、なんとか真由美の実家の貿易商にもぐりこめるだろう。

そんなことを考えていると、腹が減ってきた。
勇者さまはのっそりとベッドから起き上がり、キッチンへと向かった。
0385創る名無しに見る名無し
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2012/09/20(木) 17:59:59.20ID:/9B3hz30
トイレの扉を開けると、そこに真由美がいた。真由美は死んでいた。
狭いトイレの中で便座に腰掛け、壁に寄りかかるような姿勢で。
用を足そうとしたのだろうか、足首のところに勇者さまも見慣れている真由美の下着が丸まって絡んでいる。
そして水色の寝間着(真由美はスウェットの上下姿で寝る習慣があった。本人が言うには「その方が楽だから」)は、
どす黒い血で染まっており、あふれ出た血は真由美自身が座っている便器の中へポタポタの流れ落ちている。
その血の出所は、真由美の心臓の辺りだった。そこにはステンレス製の三徳包丁の柄が突き立っていた。
そしてその顔は、凄まじい形相を顕わにしていた。大きく開かれた口からは、まるで別の生き物のような舌がデロリとはみ出ていた。
目はカッと見開かれており、眼球が反転して白目を剥き出しにしている。
端正な真由美の顔が、それが本人とは俄かに信じがたいほどに歪んでいる。

勇者さまはトイレのドアノブを握ったまま、そこで立ちすくんでいた。
目の前の光景が信じられなかった。およそ現実とは思えなかった。
突然、今まで続いてきた日常から乖離したその状況を前に、勇者さまの思考は完全に制止してしまっていた。
おそらく数分、いや、それ以上の時間、そのままの姿勢で真由美の死体を見続けていただろうか?
勇者さまは激しい尿意を覚え、我に返った。
まず小便をしなければ、と勇者さまは思った。だがその小便をするトイレは、今、真由美の死体が占拠しているのだ。
ふと、事件現場は警察がくるまでそのまま保存しなきゃいけないんだよな、ということを思い出す。

というか、そもそもこれは事件なのだろうか?真由美は殺された?
とすれば誰が?どこのどいつが真由美を殺したんだ?
まさか俺?そんなバカな。俺はついさっきまで爆睡していたんだぞ!

そんなことを思っている間にも、勇者さまの尿意は激しさを増してゆく。
早く俺を楽にしてくれ!と、膀胱が勇者さまに訴えてくる。
とはいえ、便器は今、真由美が・・・

「くそっ!」
勇者さまは洗面台の下の掃除用のバケツを引っ張り出した。
そんなことをしている間も、尿は出る寸前まできている。
勇者さまはバケツの中身をその辺にぶちまけ(昨日ぞうきんで搾った水が僅かに残っており、それが床にバチャ!とこぼれた)
ジャージ(勇者さまの寝間着)とパンツ(ボクサーショーツタイプ)をズリ降ろし、ちんぽを引っ張りだす。
引っ張り出したその瞬間に、尿が迸った。その一部が勇者さまの手にかかり、勇者さまは「くそっ!」と再び毒づく。
尿は黄金色の放物線を宙に描き、ジョロジョロと音を立てながらバケツに満ちてゆく。
よほど溜まっていたのだろうか、次から次へと尿が迸り出て尽きる様子がない。
尿が放つツンとしたアンモニア臭が、勇者さまの鼻を突く。
もちろん勇者さまのちんぽは、右曲がりだ。
0387創る名無しに見る名無し
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2012/09/25(火) 18:19:30.17ID:/1TuIBym
勇者さまのカリ高どす黒右曲がりの巨大ちんぽは、まさしく女殺しの聖剣といえよう
0389創る名無しに見る名無し
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2013/02/19(火) 19:23:21.20ID:2gLfzrgS
永沢勇が目覚めると、目の前では現代文の授業が行われていた。
柔らかな初夏の風が開かれた窓から教室に吹き込む。
その潤いを含んだ風が、勇者の頬を優しく撫ぜた。

目の前の席では、笠木邦子がノートに書き込みをしていた。
ブラウスの上から、邦子のブラの紐が透けて見える。
勇はそれをしばらく凝視した。
邦子は比較的豊満な乳房を持っている。
こんな細い紐であの豊満な乳房を支えてるのかと、勇は少し驚く。

隣の席では、山崎和彦が同じくノートを広げ、黒板の板書を筆記していた。
和彦は私大の理系を目指しているため、現代文はそれほど重要じゃないはずだ。
おそらく指定校推薦枠を狙っているのだろう。そう勇は思った。

教師の佐々岡孝治は、四十過ぎの中肉中背の男だ。眼鏡を掛け、幾分薄くなった髪を丁寧に撫で付けている。
どこか草臥れた感じのする風体だが、授業に臨む態度はとても精力的で、よく響き渡る声で朗々と話す。
勇は小さく欠伸をし、軽く目をこすると、広げた教科書に目を落とした。

いつも通りの、いつもの生活だった。
おそらく今後も変わることのない、平和で平凡な生活。
勇は何時しか、佐々岡の授業に集中していた。

 ◆

坂上陽一はトイレにいた。

トイレの個室の、洋式便器の便座の上に腰かけている。
個室の扉は開いたままだった。
通りかかった教師がトイレを覗きこんだとき、個室の扉が閉まっていたら不審に思うかもしれないからだ。
今は授業中だ。陽一のクラス、すなわち二年六組では、現在佐々岡孝治による現代文の授業が行われている。

陽一は震えていた。昨日の放課後に自分が見たことが、本当だったのだろうか、と改めて思った。
嘘であってほしい、と思った。昨晩はそれでずっと震えていたのだ。

昨日の放課後、陽一は確かに見たのだ。
佐々岡孝治が、二年六組の教室で死んでいたのを。

昨日の放課後、日も沈み、間もなく学校全体が閉まる午後六時過ぎ。
陽一は急いで教室に忘れたケータイを取りに戻ったときだった。
二年六組のある二号館はすでに無人であり、わずかな照明だけが廊下を点々と照らしていた。
普段の活気あふれる学校とは思えないほどに、そこは静まり返り、不気味だった。

陽一は少しおびえながら階段をあがってゆく。
なんか気味が悪いな、と思いつつ、足取りは軽かった。
実は陽一は、最近バレー部のマネージャー、高木京子と付き合い始めていた。
部活の終わりに、京子からメール見た?と尋ねられ、
カバンを探したとき、ケータイを教室に忘れたことを思い出したのだ。
0390創る名無しに見る名無し
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2013/02/19(火) 19:25:56.84ID:2gLfzrgS
教室のある三階に上がる。もうそこには誰もいなかった。
外もすでに薄暗く、まだ練習を続けている野球部の連中が上げる声が、遠くからかすかに聞こえるだけだ。
さすがに不気味だった。陽一は窓の外をなんとなく見ながら廊下を進む。
窓の外には、中庭と三号館が見える。三号館もすでに真っ暗だった。

ふと、陽一は足を止めた。二年六組の教室から、何か物音が聞こえた気がしたのだ。
それは何かのうめき声のように聞こえた。それと、数人の人間の、ささやくような声。
陽一は息をひそめる。何かの勘違いではないか、と思った。
だが、確かに物音は聞こえた。ささやき声、何かを詠唱するような、そんな調子の声?
うめき声はまた、くぐもった悲鳴のようにも思えた。苦悶したようなそんな声だった。

教室に誰か残っているのか?と陽一は思った。だとしたらそれはいったい誰だろう。こんな時間に。
こんな時間に学校に残っているのは、教職員を除けば練習熱心な野球部やラグビー部くらいのはずだ。
陽一はゆっくりと前へ進んだ。足音を立てないように。
何かまずいような気がしたのだ。嫌な予感というやつが。
このまま進んだらやっかいなことが起こりそうな、そんな気持ちがした。

よく注意してみると、教室の廊下側の窓には、内側から厚手のカーテンらしきものがかかっている。
そんなもの、二年六組の教室にはなかったはずだ。だとしたら取り付けたのだろうか?
そしてそのカーテンのわずかな隙間から、光が漏れているのが見えた。
しかも赤い、揺らめくような光だ。カーテンの隙間からか細くだが、まるでたなびくように揺らいでいる。

何かの悪戯だろうか、と陽一は思った。
さっき体育館から二号館を見たとき、そんな明かりのともってる教室などなかった。
照明の落とされた教室の窓だけしかなかったはずだ。

二年四組の教室に差し掛かった。
もうその時には、教室から漏れ聞こえる物音や声は、否定できないものになっていた。
明らかに、六組の教室から不気味な声が聞こえる。しかもそれは一人ではない。
何人もの人間の声が、ささやくような、呻くような、くぐもった声が発せられているのだ。
0391創る名無しに見る名無し
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2013/02/19(火) 19:32:36.41ID:2gLfzrgS
陽一は、引き返そうかとも思った。
ケータイは教室の自分の机の中に入っている。確かにないと不便だが、明日学校に来れば戻ってくるのだ。
自分のクラスなんだし、誰かに盗まれるとも思えないし、机の中にある以上、誰かに覗かれる心配も、まあないだろう。

だが、なぜだろうか、陽一はそのままゆっくりと進んだ。
もしかしたら誰かのたちの悪い悪戯なのかもしれない。
いや、ひょっとしたら誰かが教室でセックスしているかもしれない。
そう思った。そっちの方がありそうだった。

陽一の頭の中で、では誰と誰が教室でヤッてるだろうかと想像した。
二年六組の連中で彼女持ちのやつといえば、何人もいた。

クラスの中で付き合っているのは、小暮芳人と松田良美、中畑凱斗と渡瀬ミキ、
いや、こいつらはそんなことやりそうもない。

他のクラスの女子を引っ張り込んでる可能性はある。
永沢勇あたりは、前に二股バレてえらいことになってたが、最近またあちこちに手を出している、って話だ。

陽一は、永沢勇のことを思い出し、少し歯噛みした。
陽一が高校に入って、いいな、と思っていた四組の駒田涼子をあっという間に落としたのが勇だったからだ。
後に他校の女子とも付き合っていたのが発覚し、一度は別れたらしい。
だが、最近また仲良くなっている、と聞く。そういえば先日も廊下で仲良さげに話しているのを見た。
まさか勇が涼子を連れ込んで、と陽一は思った。勇ならそれくらい大胆なことをやりそうだったからだ。

もしそうなら、覗いて見てやれ、と陽一は思った。
涼子はかなりの美人で、スラリとしてスタイルもいい、それが勇にもてあそばれてるのを見るのは癪だが。
どうせなら写メでも撮ってやろうか、と思ったが、そのケータイは今、教室の自分の机の中だった。
チッ、と陽一は軽く舌打ちした。

二年五組の教室を過ぎると、もうそこは二年六組だ。
教室から漏れ聞こえてくる声は、もうはっきりととらえることができた。
セックスの時の声にしては、確かに変だな、と陽一もさすがに気づいた。

扉の前まで来た。
今ここで開けると、まずいものに鉢合わせしてしまいそうだ、と陽一は思った。
ふと、先ほどの廊下側の窓にあるカーテンの隙間の方を見た。
そこからは細いオレンジ色の光が、廊下に射している。
そこから覗いてやろう、と陽一は移動した。
0393創る名無しに見る名無し
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2013/04/28(日) 04:18:31.33ID:8jZqBVOR
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0395創る名無しに見る名無し
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2013/06/07(金) 16:32:12.82ID:oqkPalya
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0398創る名無しに見る名無し
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2013/09/18(水) 18:32:34.40ID:qffMtC6H
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0399創る名無しに見る名無し
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2013/11/14(木) 00:51:55.92ID:kFDE9MEo
                {Y/
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             //   ヽ \ \丶、
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          | l ト{l\l{ }ノイ}_ハー''!   |
          { l {,r笊   r笊ヾ|  !_l l lハ
          l/ハ. ヒソ    ヒソ '|  !_}从{`ゝ
          |  | "  '    " i /l| ! ヽリ
          /イ 入   'ヽ   |   l | 从}
           |∧ l> _ .イ  ! {/||_/}/    ダカダカダカダカダカ
                ヽ| lr‐ィ'} /"|イlム__
                } l-ム/_/l_./!.! ./ / ヽ
            /{ミ}__7><__〈.{-}/ /'´ ∧
             / /{Y}_/‖ヽ-'{><} ム  ∧
            } |/ヽ} | || [/ ‖ } ./{   /∧/
          r' / \ ヽ!/ /.リ / ヽ{ムヘ/ヽ
    __     / | /  \シ´  / / r「|ヽヽ} _∧ 
===t'=//}7ニニ====    \  | | ,.ヘ _  ‖ヽ-ヽ
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  x-=メ ̄´ _______  ̄ミ'kx、 /  V_   /
 [x-=<´ ̄            ̄`>kx]〈     ̄
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0400取扱説明書っぽく
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2013/11/29(金) 21:44:39.94ID:MNDHKaG1
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   ヽ  ヽ ヽ ヽヽ、  ´、| || | | | (~l| .∩|| `' | |∩|| ‖ || l二(_´ ̄)、ヽ///  |\/
    ヽ  ヽ ヽ_」 ヽ、 |~| || '' | | U || U || |.、 | |U|l、  || l二',-:ニ/ / / メ /   |
    ヽ/ヽ    _/ヽ | |__||__|~|__| `―-.^゙,ニフl.ニl、ロ b ∠、二'L_/(__/ | / /\|
    <   L- ̄/V二/´-'―`ー | |` ̄| |   | | `ー'| |   `―``―、__ノ|/  /
     ヽ∠― ̄          \\ [_]  [_] .//           \/
                       \\      //
                        \\   //ドラゴンクエストU
                         \\//  〜悪霊の神々〜
                           \/
〜〜ムーンブルクの城〜〜

今から およそ 100年前――

3人のロトの子孫たちの 手によって

大神官ハーゴンと 破壊神シドーは 倒されました。

一度は廃墟となった ここムーンブルクの城でしたが

100年が過ぎた 今では すっかり復興を遂げていました。

そして今、新たな物語が この地より始まるのです――
0401創る名無しに見る名無し
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2013/12/02(月) 03:54:52.82ID:UR0rRVb3
         「|           「i:.:i:.:.:.:ヽ、.:.:.:.:.:;.:-‐`ー- / / /_//_/ ::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::!_/
         | | [][]  ,. -─- 、,) i:..:.:.:.:.:.:.:.>'´:::::::::::::::: / ,、`ヽ. ::::::: `"''<::::::::::::::::::::::::l:::::!」
         | .二ニl /      ヽ|:.!.:.:.:/:::::::::::::::::::::: /_/ `'ー' ::::::::::::::::::::::ヽ,,.. -──- 、
         | |  /         ヽ.'"::::::::;'::::::::;::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::: /      
 「| [][] __[][] |_|   !    痴     ', :::::::!::::::/;::::::::;:::::::::::ハ::::::::::::::::::::::ヽ. i   盗  
 |└┐ | |. _________/     漢      i ::!:::i::::/ i:::::::::!:::::::/ i::::::i::::::::::!:::::::: !   撮 . 
 |_| ̄  ̄ ̄     `ヽ.    は   .   > レ''、」_:::::/!:::/   i::::/i::::::::/i:::::::: |.   は  
/.    援      |.    す      ! ::レ'7'´i7>'、レ'   レ' ,_|::::/_ |:::::::: !   す
'   .  交      |.    る     | 「__! !  !┘.!`    ,ァ'r-=ニ」、!::::::/ !   る
.   .A は       !    .     / :::|__,!'` `'ー'       !-''´ .! | |/:::: ',.  
   V す       >    _____,/ ::::ノ:::::! ""    ,      '、__ンノ ト--i ヽ.,__  ______ノ
   で る       i      `ヽ. ::::/:::::::人     、_        ,,,, ,:'!二'i_ノ::: |/ :::|::::!
   は   .       ,'  最    Y:::::::::/::::::/\   i/ ̄`ヽ.    //::::::::ハ:::::::/::::ハ:::::|::::!
   男        /   低    i :::::::i:::::/!.:.:.:i`ヽ, ヽ、___ノ  ,,.イ:/::::::::/::::!::: __/_ !:::::|::::|
   優      /   . だ    | ::i:::|イ7´ ̄7:.:.:.i`' ーァ ''7´:.:.:.|;'::::::::/ ̄` / 7 、_」: _!::::!
      ____,..イ      ...わ .  | ハ:::! ! !.:.:.:/:.:.::.:.:ト   _/:.:.:.:.:.:!::::::/ i  / / /_//_/ ::!
0402創る名無しに見る名無し
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2013/12/11(水) 02:51:01.89ID:cKebWCW0
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      \:::{           j「:::::ー-く                /:::/┐          ヽ
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.       く`ー-‐=::} 、        辷ー<: : : : : : : : : :}_/ : : : `7//       /
          )ー-:::::,′::、       /乙¨ : : : : : : : ノーァ'^¨ ̄て/       /
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          ):::/    ::、       `¨て __彡'′イ    /        .  ´
0403創る名無しに見る名無し
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2014/07/24(木) 23:57:03.51ID:Y7FV3qR/
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0404創る名無しに見る名無し
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2014/07/24(木) 23:58:13.15ID:Y7FV3qR/
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0405創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:00:33.17ID:s8qN1Xpd
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0406創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:01:06.15ID:Y7FV3qR/
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0407創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:04:48.22ID:s8qN1Xpd
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0408創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:05:21.09ID:Y7FV3qR/
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0409創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:05:53.58ID:s8qN1Xpd
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0410創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 00:06:25.37ID:s8qN1Xpd
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0411創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 03:18:53.31ID:s8qN1Xpd
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0412創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 03:19:25.94ID:s8qN1Xpd
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0413創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 03:20:12.26ID:s8qN1Xpd
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0414創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 03:20:45.20ID:s8qN1Xpd
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0415創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/07/25(金) 03:21:23.17ID:s8qN1Xpd
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0416創る名無しに見る名無し
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2014/07/25(金) 03:21:55.02ID:s8qN1Xpd
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0417創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/07/03(日) 18:20:34.16ID:zNI6/ChW
なんかクソが荒らしてたみたいだけど支援
0419創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/07/10(月) 04:32:33.14ID:ugHrL6M5
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆
0420創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 10:26:16.32ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

MRXPFGEI27
0421創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 08:42:37.89ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

T2U60
0422創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 19:13:56.37ID:f1dClnnX
CT4
0423創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 19:03:09.14ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

JY0
0424創る名無しに見る名無し
垢版 |
2020/11/22(日) 05:44:23.71ID:1r6Zg8Q0
- 日本人チョロすぎ!(笑)マスコミの日本人民族浄化計画 -
壱、日本人の精神を腐敗・堕落させ愚民化させろ.
弐、日本人の女を集中的に狙い洗脳しろ!
参、ネトウヨ、ヘイトスピーチ等の言葉を浸透させ、同胞への批判を封じろ!
肆、「同性婚・LGBTを全面肯定しない者は差別主義者だ!」という雰囲気を作れ!
伍、中身のないアニメを流行らせ、クールジャパンをオワコン化させろ.
陸、「未だにガラケーの奴は笑い者」という雰囲気を作れ!
漆、「日本人の男VS日本人の女」の対立を煽り、分断しろ
捌、日本人同士で恋愛・結婚させない、子供を生ませないよう誘導しろ.
玖、日本同士で結婚していたら離婚させる方向に仕向けろ.
拾、海外セレブやハーフモデルをもてはやし、「日本人は劣等人種だ!」と植えつけろ。。
拾壱、イケメンブームを定着化させ、「男は外見が全てだ!」と洗脳しろ。
〜ソース〜
電通トップ 成田豊は朝鮮生まれ
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/成田豊
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