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179コメント138KB
【シェア】対テロを舞台に創作するスレ
0001創る名無しに見る名無し
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2011/08/28(日) 20:26:36.84ID:Ik9XhD3F
おそらく新ジャンル?
現代を舞台にカウンターテロリズムをシェアするスレです。
例:「24」「GSG-9」

イスラム過激派のリーダーが暗殺された今、いつテロが起きてもおかしくはない。
我々は、恐れず戦うべきである。

・荒らし、煽りは華麗にスルーしてください。
・実際の人名をなるべく使用しない
・現実から離れたことは投下しない。
・エロ、SF、釣りなどは他のスレでしてください。
・シェアードで進行します。
0030創る名無しに見る名無し
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2011/09/24(土) 11:06:25.05ID:wEGbVMsB
サスペンスタッチか、スリラータッチかの違いだろ
0031創る名無しに見る名無し
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2011/09/25(日) 18:05:05.95ID:JxG4hCQS
「現代」だと銃器の種類とか分布具合とか、警察や軍の特殊部隊に詳しくないといけないし(日本だったら警察のSATとか、陸上自衛隊のレンジャーとかか?)
テロの火種になる世界情勢も調べないといけないから、二の足踏んでるんじゃないの?未来っぽい日本っぽい世界観にすれば、幾らでもでっち上げられるが。
0032創る名無しに見る名無し
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2011/09/30(金) 20:09:47.09ID:bEH2CMvV
>>31
だいたい、日本の分布だと暴力団を中心に中国製のトカレフが多い。
ちなみに中国製のトカレフはロシア製と違い安全装置がない。
そのため、日本に置けるトカレフを使った事件は暴発が多いらしい。
トカレフの威力は相当の物だから、警官の装備とかも見直されている。
その例が南部式拳銃。
当初は、抑止力として働いていたけど、発砲することはまずない。
したら、出世の道はまず閉ざされるらしいからね。
けど、最近は抗争関係で殉職する警官が増えている。
だから、九州、四国、中国、関西、関東はシグに変えている。
0033創る名無しに見る名無し
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2011/09/30(金) 22:16:50.56ID:Ty6MDfFT
オートマチックの? ミネベアじゃなくて?
オートナンブは銃としては機能十分だぞ。それに結構前から、現場での銃の制限は改善されたはずだから、今の警官はやばいと思ったらすぐ撃てるし。
0034創る名無しに見る名無し
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2011/10/01(土) 08:31:29.35ID:AFVm54NA
偶然にもテロリストの落とした銃を拾った中学生の太郎君だったが、
片手で試し撃ちした357マグナムの反動で手首を骨折してリタイア

現実は非情であった
0035創る名無しに見る名無し
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2011/10/02(日) 13:38:57.65ID:nLb/gPxE
>>33
たぶん、ニューナンブのことかな?
どっちにしろ、アメリカみたいにバンバン撃てる奴はいない。
0036創る名無しに見る名無し
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2011/10/02(日) 14:41:40.07ID:jq4Nvb2c
でも日本て警官のオートマチックの装備は法律で規制されてなかったか。
麻取はベレッタとか自由に選べた気がするけど。
0037創る名無しに見る名無し
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2011/10/02(日) 21:30:37.58ID:o8LMdMPb
>>36
麻取りは選べるんじゃないかな?
ふつうの警官に比べて、拳銃の保持弾数、威力が要求される。
0038創る名無しに見る名無し
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2011/10/02(日) 22:14:42.60ID:TH0jsO1R
自動拳銃の装備が認められているのは自衛官、SP、麻薬取締官、SAT隊員など限られている。SATのは事実上のサブマシンガンだけど区分は拳銃弾を利用するから拳銃らしい。制式名も特殊用途自動けん銃。
自衛官も拳銃装備してるのは尉官だか佐官以上からだった気がする。
普通の警官がシグ装備なんて聞いたことない。そもそもオートマチックの装備は禁止されているはず。
0040創る名無しに見る名無し
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2011/10/03(月) 11:13:37.57ID:SX/kS5lR
今制服も使ってるのか。私服だけかと思ってた。
でもミネベアじゃなくて輸入?
0041創る名無しに見る名無し
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2011/10/03(月) 23:15:54.46ID:UosCwb82
国産品じゃないかな?
外国の奴だと日本人の手に合わないとからしい。
ふつうに撃てる人も多いが、手が小さい人も少なくはない。
0042創る名無しに見る名無し
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2011/10/04(火) 05:10:43.63ID:/UY+mdtH
いやまて。ライセンス生産でも規格は同じはずだ。装弾数が少ないだけで。
たしかミネベアは9発。シグで9発と15発の二種類だった気がする。シグは確かに太めなほうだけど。
そんでやっぱり制服警官でもオートマチックは一部だ。
0043創る名無しに見る名無し
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2011/10/06(木) 21:45:56.19ID:ZzirD3+p
う〜んなかなか難しいな…。
どういうテロにするかで、展開がガラリと変わるからなぁ〜
0045創る名無しに見る名無し
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2011/10/20(木) 05:04:36.77ID:k/0j2iZA
半端なグリップで3インチバレルのマグナムを打てば中学生なら捻挫する可能性はあるかもしれないw
44マグナム大好きなアメリカ人でも手首を痛めたって話は結構ある。骨折はレアケース過ぎると思うけど。
0047創る名無しに見る名無し
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2011/10/22(土) 21:17:12.07ID:S7kmyJMY
実弾の22口径だと、BB弾のウエスタンアームズのブローバックガスガンのほうが反動強いらしいw
実際にプロシューターが練習用に購入するケースがあるみたい。
0051創る名無しに見る名無し
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2011/12/14(水) 03:52:52.25ID:j5y0zr/W
悪玉:TVや芸能を通してとある国の民衆を洗脳し思想統制を企むグループ。背後に某国がいる
    普段はとある国の庇護を受けて暮らしている工作員が多数いる
    工作員は、基本思想統制の口コミで活動しているが、某国には兵役義務があり
    ことあらば優秀で非情なコマンドとして行動できるもの多数。黒社会とも深くつながる

善玉:とある国の司法機関直轄の非合法部隊。悪玉の脅威が大きくって、急遽編成される
    あくまで非公式として存在し、逮捕立件の過程をすっ飛ばして法を執行できる権限を持つ
    急造の強権部隊なので、いざこざや青年の主張大会が絶えない。最新装備を持つ

テロリスト:某国の目論見に対するレジスタンス。悪玉の暗殺を目的に動いている
    善玉からすると、微妙な存在で、またもここで青年の主張大会
    戦力的にはもっとも小さく貧乏。しかも悪玉からも善玉からも
    後述のアンチテロリスト勢力からも敵対視される

アンチテロリスト:テロリストの動向、善玉の存在が気に食わない勢力。
    悪玉の、TV芸能をバックとした活動により、潜在的には悪玉を支援する
    最も大きく広い存在。テロリストを社会的に追い詰める役回り
    いわゆる一般大衆でもあり、余程のことがなければ、善玉は手出しできない

悪玉の目的はとある国を某国の統治下におき、とある国民を屈服させること
物語開始時点では、TVの大半に影響力を持っており、次に立法権を狙っている
善玉とテロリストはそれを阻止する、という所では一致した目的を持つ共に非合法な存在だが
とある国(のごく一部)がバックに付いているかいないかの大きな差がある
アンチテロリストに思想はない。TVの言うがままに善玉とテロリストを糾弾し追い詰める
0052創る名無しに見る名無し
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2011/12/21(水) 04:12:06.55ID:/pjcSmbx
「おっはよう〜、ねえ観た観た〜?」
「観たよ〜。受けた〜♪」
「あ、そだ。聞いた?転校生」
「聞いた。3組のでしょ?なんか金郎(かねお)クンに馴れ馴れしくしてるとかって」
「ムカツクよね〜。金郎クン良い人だから断れないのいいことに言い寄ってるってサイテーじゃん」
「だよね〜サイテー!死ねばいいのに」

「松風さん!松風さんあたしの歳知ってますよね!こんなの着れる歳じゃないんですよ!」
 ゆりはタータンチェックのフレアのミニスカートをつまんで広げ、まくし立てた。
「知ってるよ。充分似合うしかわいいじゃないか」
 トーストベーコンつき目玉焼きとオレンジジュース、牛乳の揃ったテーブルについた
松風は、口元をほころばせて言った。
「え?」ゆりは首をかしげた「かわいいですか?」
「うん。まあ素材がいいからだろうね」
 松風はマーマレードの瓶の蓋を開けながら応える。
「まぁた〜、じゃなんで松風さんはあたしに無関心なんですか」
 ゆりは口を尖らせながら食卓につく。
「「別に無関心じゃないよ。そう見えるなら、ぼくの訓練が行き届いているってことだ」
「そんな訓練クソですね。ハニートラップを逆手に取れなくてどうするんですか」
 ゆりは松風の開けたマーマレードの瓶を取って言う。
「女の子が10代に見えちゃハニートラップもへったくれもないよ」
「なんですか。あたしは幼く見えるんですか」
「違うよ。可愛くみえるだけさ」
「な、なにいってんですか……」
 ゆりはまだ幼さの残る頬を少し赤らめ、マーマレードをトーストに塗りつけた。
0053創る名無しに見る名無し
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2011/12/26(月) 23:16:24.64ID:lciGzEW/
「はぁ〜い松風さん、寂しかったでちゅか〜?」
 ゆりが明るい声と共にワンボックスカーの助手席に飛び込んできた。
「せっかく若い子達と接するいい機会な昼休みになんでここに」
 松風は昼飯のウィダーインゼリーの吸口を加えたまま言った。
「だぁって松風さん、ゆりちゃんがいなきゃ泣いちゃうでしょ」
 助手席に落ち着いたゆりはメロンパンの袋を引き破る。
「いい成人男子が泣くのはあしたのジョーを読んだり観たりした時だけだよ」
 松風が吸い終わったウィダーインゼリーの容器をコンビニ袋に落としこみなら応える。
「え〜、それじゃ心うきうきして松風さんのとこに帰ってきたあたしはなんなんですか?」
 ゆりは口元のメロンパンに向けてすこし厚めの唇を尖らせる。
「そりゃあ、ゆりはいつだってゆりだよ。ぼくはゆりほどかわいい女の子にであったことは無いからね」
 当然のことと言うような松風の言葉に、ゆりは全身をもじもじとくねらせた。
「ん〜もぅ〜、でしょ?でしょ?それにね、金郎っちの家に招待されてきたんだよ?」
「そりゃ初期の想定よりはるかに早かったな。さすがゆりだね」
 松風は目を丸くして感心する。
「何言っちゃってんですか。黒髪ショートで活発なでしこをやってれば彼国男子は
我国女子にすぐ食いついてくるって、松風さんの作戦大当たりですよ」
「それもゆりの可愛さがあってこそさ」
「えへ♪」
 ゆりは口の端から舌の先をのぞかせ、顎の前で裏ピースをしてみせる。
 松風はそんなゆりを見つめ、やわらかく眼を細めた。
0058創る名無しに見る名無し
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2012/01/19(木) 15:19:22.78ID:DAf5RjvD
書くとしたら

人類抹殺を目論むテロリストと戦う名状しがたい異星人っぽい何かから巨大ロボットを駆使する小学生

人類抹殺を目論むテロリストと戦う魔法少女

どっちが良い?


立て逃げっぽい>>1の設定は無視するけど大丈夫?
0059創る名無しに見る名無し
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2012/01/19(木) 16:09:49.60ID:WwI3HKlg
>>58
もうスレもこんな状態だし、特殊部隊だろうが魔法少女だろうが対テロのお話であればいいんじゃない?
0061創る名無しに見る名無し
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2012/01/30(月) 02:14:31.13ID:BiFO3OAV
「じゃあよろしくお願いしますよ、松風さん」
 助手席のゆりが左手中指で濃い赤の眼鏡のつるを押し上げた。
 小首をかしげて松風を見やる。
「ok、レンズのカメラ、つるとチョーカーのマイク、問題なし」
「そんだけですか」
 唇を尖らせてゆり。恨めしそうな上目遣いを松風に向ける。
 松風はにっこりと笑った。
「よろしくお願いしますはこっちだよ。金郎クンの親父さんが
抑えているっていうデータ、ゆりにかかっているからね」
 ゆりも目をくりっと見開き、口の両端を引き上げた。
「任せてくださいよ。後悔はさせませんよ♪」
「頼んだよ」
 言う松風にもう一度唇を尖らせる。
「……女の子が喜ぶ頼み方ってあるって言ったじゃないですか」
 運転席の松風に身を乗り出して、軽く唇を重ねる。
「これでよし」
 言ってゆりは満足気に微笑んだ。
「前も言ったけど、それは女の子がおっさんにお願いするときの
やり方なんじゃないかな?」
「松風さんがおっさんだったらあたしもう裸に剥かれちゃってますよ」
 ゆりは勝ち誇ったように笑って応える。
「そうかなあ」
「そうですよ。じゃあ、行ってきますね」
0062創る名無しに見る名無し
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2012/02/02(木) 07:16:23.95ID:yEe9gIMl
「ほんとうに大丈夫なのかよ、ヒロ」
 人気のない金郎邸の、高さ2メートル格子状の閉ざされた門の前、キョウがヒロの背中に言った。
門の脇、更に高い格子の向こうから、監視カメラが二人を睨みつけている。
「大丈夫さ。ミユキがリビングに目を集めてくれている。外に見張りは置いてない」
 ヒロは応える。ピーコートのポケットの中で、握りしめたPPKのグリップが手袋ごしにも熱かった。
「カホ……」
 今は遥か遠い女の名を呟いて、ヒロは門の格子の上辺、槍状の縦棒に渡された横軸を革手袋で握った。
迷うことなく体を持ち上げ、門を乗り越え、掃き清められた真っ白な砂利道に飛び降り、まっすぐに邸に歩き出す。
「おいヒロ」
 キョウは慌てて門を乗り越え、ヒロの後を追った。

『ゆり、望まれざるお客さんが二人、入って行ったよ。警戒』
 眼鏡の弦から骨振動で松風の声がかすかに響く。
「了解」
 ゆりは喉の奥で応えた。黒のチョーカーが拾って外の車で待機している松風に伝える。
「ン?何か言っタ?」
 ゆりの隣を歩き邸の中を案内している金郎がゆりを見て言った。
「ううん、なんかすごいなあってうなっちゃっただけ。この絵、レプリカじゃないんでしょう?」
「わかるノ?マア、安物なんだけどネ。オヤヂが好きなんだっテサ」

「でも……さっきの……なんていうか……」
 ゆりは廊下を歩きながら言い、金郎を見やり、廊下に目を落とす。
少し頬が熱かった。思いに松風が浮かんでいた。
「?あア、大リビングのsexパーティかイ?とキドきアアいうこトがあるんダ。
おとコとオンながタクさン集まルとネ。だいたイミユキが始めるンダ」
「ちょっとどきどきしてる……」
 シンプルな白ブラウスの胸に左掌を当てて、ゆり。
「ボクガ静めテアゲル」
 金郎が肩を抱いた。ゆりの体がびくりと反応する。目が潤む感覚。
 金郎の顔が近かった。その肩越しに廊下の門から現れた少年。足音は絨毯が吸収している。
『そいつらだ』
 カメラになっている眼鏡のレンズで確認した松風の声。

 金郎はゆりしか見ていない。ゆりの眼が動いても気にしていない。
目を開けたまま、ゆりに唇を寄せる。
 金郎の背後の少年が、手にしたワルサーPPKのサプレッサーの銃口を上げる。
角からもう一人、少年が現れる。
「ちょ……」
 金郎を押しやる。押し殺したような、低く小さな銃声二つ。
 ゆりを避けるように、金郎の体が廊下に突っ伏す。
「ヒロ!」
 後から現れた少年が小さく叫ぶ。
 ヒロと呼ばれたPPKの少年は、ゆりなど居ないかのように金郎を見下ろし
更に二発撃ち込んだ。背中と後頭部。
『任せる』
 松風。倒すか、見逃すか。面倒はひとつは減った。金郎の父はどう出るか。
0063創る名無しに見る名無し
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2012/02/02(木) 07:54:08.36ID:yEe9gIMl
「警備はどうしたの?」
 ゆりは反射的にヒロに聞いていた。
「殺した」
 ヒロは金郎を見下ろしたまま応えた。弾痕の向こうの何かを覗いているようだった。
 PPKの銃口は床を向いた。
「おいヒロ!」
 もう一人の少年がヒロの肩を掴んで自分を向けた。
「見られたんだぞ!」
 ヒロを見たまま、S&Wチーフスペシャルの銃口でゆりを指す。ハンマーは落ちたまま。
 ゆりの体が反射的に動く。下からシリンダーを掴み、逆の手で手首を抑えてひねり、
黒パンツ脚茶革靴の左踵で少年の膝裏を折る。
 簡単にゆりの手に移ったチーフスペシャルを、跪いた少年の側頭部にポイント。
 ヒロは無反応のままだった。ぼんやりとゆりを見ている。
「おいちょ……!」
 少年が言った。ヒロのPPKは床を向いたままだった。
「あたしは何も見ていない。いい?」
 ゆりは言った。
『了解』
 松風。少年はヒロを見上げ、ヒロはゆりを向いてゆりの向こうの何かを眺めたまま。
「それでいい?」
 少ポイントしたままチーフスペシャルのハンマーを起こす。やけに大きく響くノッチ音。
「いい!いいよ!それでいい!」
 少年が掌を前方に向けて応えた。
「じゃあその子とどこへでも行って。あたしは忙しくなったから」
 ポイントを外し、チーフズのハンマーを落とす。
「あ、ああ、わかったよ……」立ち上がってヒロの腕を掴む「銃は?」
「欲しいの?」
 にっこり笑ってゆり。
「やるよ……ありがとう」
「おいヒロ!」
 急に口を開いたヒロに少年。
「あたしなんもしてないし。こっちこそありがと」
 ヒロにエアキス。背を向け、書斎を目指す。見取り図は頭に入っていた。
0064創る名無しに見る名無し
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2012/02/02(木) 08:58:31.68ID:yEe9gIMl
 大物実業家金郎シニアの一人息子が、憎むべきテロリストに惨殺された件は、
マスコミを大いに賑わせた。
 無論のこと、それが未成年者による、薬物を使用した
乱交パーティの最中であったことは語られることはなかった。
 警察は犯人のテロリストを挙げると主張し奮闘していたが、成果は挙がっていなかった。
 犯人を認識していたのは、我國某機関だけだった。
 彼国情報部は、徹底的に破壊された金郎邸監視カメラ情報を復させるべく躍起になる一方
乱交パーティのメンバーからミユキを、ミユキから無理やりパーティに参加させられ、
そのことで脅迫され再三参加を強要され自殺を選んだたマミを、
マミの恋人だったヒロが銃器を入手していたところまでを把握していた。
0066創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/03(金) 21:29:55.41ID:mFjpEddB
「だっ、誰!?」
 深夜、キョウの用意した隠れ家。寝室に入ったバスタオル一枚のミユキは
ベッド脇の安楽椅子でうたた寝していた、冴えない安物のスーツを着た
中年男のこめかみにベビーコルトを突きつけて言った。
「やあこんばんわ。まだ少し余裕かあるみたいだったんで、のんびりしてたらこんな感じ。
ぼくのことはオッサンとでも呼んでくれればいいよ」
 中年男は眠そうに目をこすりながら応える。
「何しに来たの、オジサン?」
「君を誘いに来たのさ。ヒロくんとキョウくんのとこには相棒が行ってるよ」
 中年は目を瞬かせながら言う。ミユキは目を見開いた。
「殺したの?」
「相棒がそうはさせない。その気なら金郎くん家で殺ってた」
「?じゃ、キョウが言ってた転校生って……」
「このオジサンがその転校生の保護者でね」
 ミユキのコルトの銃口が上を向きかけてこめかみに戻る。微かな殺意。
「証明できるの!?」
「いやあ〜それができないんだよねえ」
 中年は笑いながら、ようやくミユキを向いた。まっすぐに目を見つめる。
 ミユキは中年の縁無し眼鏡のブリッジ部にコルトを向ける。胸の奥で何かが動いた。
 三秒ほど、ミユキの殺意と中年の笑顔の睨み合い。
「……ホントのこと言ってるか、ウソついてるかはわかるんだけど」
 ミユキが言った。胸の奥で動いたものが下腹部に降りてきている。
「どっちだい?」
 言った中年の唇に唇を重ねた。すかさず反応してきた中年と、目を閉じ舌を絡ませ合う。
0067創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/05(日) 11:48:00.97ID:Y/D2R7mR
『ちょちょっと松風さん!何やってるんですか!』
 眼鏡のつるから骨伝導でゆりの声。
 松風は、ミユキの隠れ家の寝室脇、安楽椅子にだらりと腰掛けて、
ミユキのキスに応えていた。
『松風さん!駄目ですよそんなの!帰ってきたら許しませんよ!』
『まあまあゆりちゃん』
『だってこれべろちゅーしますよね?!駄目ですよこんなの!』
 ヒロ、キョウとミユキ。二箇所で行動するためのオペレーターとして参加した
陸奥の声がなだめるが、ゆりは聞きそうになかった、

「もうわかったかな。そろそろ行こうか。二人が待ってる」
 舌と唇を放し、ぼんやりと自分を見つめるミユキに、松風は言った。
 ミユキは少し開いた唇の間から、ゆっくりと熱い息を吐いた。コルトを床に落とす。
「まだよくわかんないな……」
 ミユキは言って、白い脚で松風の右腿を跨ぎ、腰を下ろした。
 体に巻いたバスタオルの裾から、ちらりと黒い繁みが覗く。腿に性器の感触。
『わー!駄目ですよ!援交ですよ援交!』
「お金を払わなければ淫行だよ」
「……オジサンの精子でいっぱい払って」
 ゆりの声は届いていないミユキは、松風の両肩に両手を置いた。
 松風の目を見つめて、軽く自分の唇を舐める。
『何会話に割り込んできてんのこの娘!もーあったま来た!』
『ゆりちゃん、冷静に。敵がきてる、4人』
 ミユキが松風に体重をもたせかけてきた。
 下顎を突き出すように口を開く。
『松風さん聞いた?その娘とえっちしたら絶交ですよ!てか死にますよ!
陸奥さん、あたし松風さん助けに行くんでここよろしく』
『了解。無茶しないように』
『しますよ!』
『だそうです。松風さん、二人をよろしく』
 松風は上身を起こした。ミユキが首に抱きついてくる。軽く唇をついばむ。
「ここはもう危ない。お願いがあるんだ。服を着てオジサンと一緒に来てくれないか」
 ミユキの眼を見て頼んだ。一瞬怯えに震えるミユキの眼。真顔になって、素早く松風にキス。
 松風から身を離し立ち上がった。背を向け、バスタオルを外し、ベッド脇に干した黒の下着に手を伸ばす。
「効くもんだなあ」
 ミユキの背中のラインからまるい尻を眺めながら、松風はつぶやいた。
『最初っからそうすりゃよかったんですよ、もう〜、松風さん!』
 ネクタイのマイクが拾った声に、眼鏡のつるからゆりの声。尖らせた唇が思い浮かんだ。
0070創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/10/07(日) 20:49:15.94ID:p9zXIbTD
 ゆりは機関標準装備の黒の戦闘服、コート、ベレー帽、ゴーグルを身に廃工場へ向かっていた。
 コートの内側にはFNP90、右腰にコルトウッズマン5.7mmカスタム、ナイフ二本。
『標的は一人が二階事務所、三人が地下入り口を探索中。武装K2ライフル二、MP5K二。二階はライフル』
 ゴーグルのベルトから骨伝導で陸奥の声。
「松風さんは?」
 ゆりは喉の奥で言った。工場の敷地に入っている。走り続ける。
『P226持ってる。ドアは抜けるよ』
「その前に蜂の巣じゃないですか」
『この地下階段からまっすぐだから上からよろしく』
「簡単に言わないでくださいよ。あたしまだ松風さんの三分の一も実戦してないんですよ」
 言いつつ工場入り口に到着。壁に背をつけ、一つ深呼吸。
『二階の奴が一階に。入り口は見ていない』
 陸奥。中を覗き込む。ゴーグルの暗視画像に一人。奥へ向かっている。
『向こうは地下入り口に集合中。ゆりちゃん突入どうぞ。松風さんはご自由に』
『ご自由にって。ミユキちゃん、陰に』
 松風の声が少し緊張している。工場内に踏み込んだ。P90のサプレッサーの銃口が先頭。
 10時、オレンジの人影3つ、2時上方1つ。緑に見える鉄骨3本を盾に10時方向へ。
 2人が振り向く。コンクリートの床に身を転がす。視界の隅で三人の銃口が上がる。視線で3人をポイント。
 腹ばいになってFN90を両手で保持、三連射。標的の3人が前にのめる。K2とMP5Kが一丁ずつ微かな音を立てて
あさっての方向へ弾丸を撒く。身を起こし、後方をポイント。熱源は階段途中。射撃。仰け反りを確認、振り返る。
 熱源は2つ。地下への階段?
「一人地下へ」
 喉の奥で呟き、立ち上がって階段へ。錆びた鉄板を撃ち抜く弾丸の音。5つか?
 階段上。解剖を待つ蛙のようにひっくり返った熱源が見えた。松風のP226か。
 念のためセミオートに切り替え、2発ずつ3人に撃ち込む。
 階段下まで歩き、遊び疲れたように転がっていたもう一人にも2発。
0071創る名無しに見る名無し
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2012/10/07(日) 20:52:28.25ID:p9zXIbTD
「4人。クリア」
『お見事。松風さん、処理班goでいいですか?』
『よろしく。ミユキちゃんには見せたくない。お掃除完了まで頼むよ、ゆり』
「ミユキちゃんには甘いんですね?べろちゅーだからですか?」
『ゆりはハードな方が張り切ってくれるからいいかなって』
「あたしにもやさしくしてください」
『やさしくはしてるよ。ぬるくしてないだけで』
「じゃあ後でミユキちゃんにしたのと同じことしてください」
『お二人さん、処理班入ります』
『陸奥さん!大事なとこなんですよ?』
『大事かなあ?』
『ゆりちゃんには大事なことみたいですよ?』
「そうですよ」
『安売りは良くないよ?』
「そこの女子高生に言ってください」
『厳しいね』
「下半身の管理がまじめなだけです」
『ますます言えないよ。今時のいい男ってな、女の子を無条件全肯定するんだろう?』
「じゃあ、あたしのことも全肯定してください」
『参ったなあ』
『今時のいい男ってのは、人格破綻者みたいですね』
『軽く言ってくれるよ』
「松風さんは、いい男じゃなくてかわいい男の子ですよ?」
『年寄り嗤うな、行く道だ』
「子供を叱るな、来た道だ」
『松風さん、ゆりちゃんの育て方、成功しすぎてるんじゃないですか?』
 愉快そうな陸奥の声を聞きながら、ゆりは死体を運ぶ処理班員に笑顔で目礼した。夜は更ける。
0072創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/10/07(日) 21:14:26.08ID:p9zXIbTD
マホーショージョがどうちゃらいうやつでも来ないことにゃあおれのチラシの裏だしなあ
0073創る名無しに見る名無し
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2012/10/09(火) 18:34:00.50ID:DnI5RrkJ
「あ、松風さん、どうでした?どうすんですかあの子たち」
 ケータリングコーナーのテーブルからゆりが言った。チョコのバームクーヘンを自前のフォークで切り分けていた。
「大佐は"仕込む"つもりらしい」
 松風は応えた。右眉が上がり、左目が閉じかかり、口がへの字になっていた。
「嫌なんですか。ゆりちゃんをここまでひきずりこんどいて」
 ゆりの向かいに腰を下ろした陸奥がいつも変わらない穏やかな貌で言った。声に表情はなかった。
「ご家族さ」
「あたしはそうでも、あの子たち殺人犯とその共犯じゃないですか」
 苦い顔の松風にゆり。ケーキは6等分にされていた。
「だからって罪を重ねる道を薦めるのはなあ。少年法なら悪意があろうがなんだろうがおまわりさんにはなれるんだろ?」
「それはあっち側だったらじゃないですか。こっち側じゃ一生日陰もんですよ?」
「ゆりちゃん、ここはオープンスペースだよ」
「気にしませんよ。宗旨変えする気も引き篭もる気も無いですから」
「それ、そういう意味じゃないだろう」
「じゃどういう意味なんですか?」
「多数派の言うこと聞かねえ奴はタダじゃおかねえぞってことですよね?」
「じゃあ、あたしたちは何なんですか?!あたしはそういう人達と一緒に闘ってるつもりですよ?!」
「大勢に影響は無いからね。大事になってない。大局に影響が出るようなら、潰されるよ」
「小さな事だけこつこつと」
「そうなんですか」
 ゆりは小さな、少し厚めの唇を尖らせた。
「一口もらえるかな?」
 ゆりの隣に立ち、顔を寄せて松風。ゆりはケーキの一切をフォークで刺して持ち上げた。
「はい、あーん」
 松風の大きく開けた口にケーキを押し込む。松風、咀嚼。
「親御さんは納得するんでしょうか?」
 顔からも表情を消して陸奥。
「させるらしいよ。内調の暗闇さんがミユキちゃんを欲しがったとかで慌てたらしい」
「また厄介な人が」
「厄介なんですか?」
 苦笑した陸奥にゆり。切り分けたケーキを皿にとりわけ、陸奥に差し出す。
「ゆりちゃんも最初目つけられてたんだけどね。面倒見は良い人だよ」
「ま、とりあえず、少なくともあの三人はうちで仕込むんだそうな」
「そうですか……で、あたしたちは?」
「金翁の動き次第なんだけど、ゆりがぱちってきたリストを洗ってるらしい」
「参政権ですか?」
「んにゃ。反TVデモ」
「もう下火になるでしょうに」
「簡単なところからするのさ。どこも一緒だね」
0074創る名無しに見る名無し
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2012/10/09(火) 19:00:50.44ID:DnI5RrkJ
×オープンスペース 
○パブリックスペース

×下火になるでしょうに
○下火になってるでしょうに   ここはちょっと考えますか
0075創る名無しに見る名無し
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2013/02/24(日) 19:57:44.42ID:iTxYGuio
「あ、いた。松風さん、知ってたんですか?反TVデモを女の子をあてがってやめさせたの」
 ゆりが喫煙所のドアを勢い良く開けて、奥の松風に歩み寄りながら言った。
「こんなとこ来ると早死するよ」
 松風は煙を吐き出しながら言った。喫煙室はふたりきりだった。
「年上の松風さんが言いますか」
「まあぼくの歳までは生きるか」
「悪者に撃たれなければ生きますよ。生き抜きますよ」
「それは何より」
「えへ。……じゃないですよ!なんでTVデモを当局が止めるんですか?!」
 小首をかしげてにっこり笑った途端に真顔に戻ってまくし立て、唇をとがらせる。
 松風は右手人差し指と中指の間に煙草を挟んだまま、2秒天井を仰いだ。
「みんな、なかよく ってことじゃないかな」
「なんですかそれ。それで彼国の我国侵略が止められるんですか!」
「思想侵略は止められたんじゃないかな?」
「でも、せっかくの民間運動を国が止めるんですか?!」
「効果はあったし、あそこでこっちが止めとくことによって、貸しをつくったつもりなんじゃないかな」
「つもりって、借りだと思うような奴らなら思想侵略だってしませんよ!」
「実戦は向こうの勝ち、でも娯楽までは渡さなかった、で決着はついちゃった感じはするねえ」
「実戦て、海の国境の武装による実効支配と国際的な評価と経済ですか。エンタメがバカにされすぎじゃないですか」
「でもないよ。娯楽をなめちゃいけない。気持ちの奥底では負けなかったよねって話だよ」
 ゆりは唇を尖らせたまま松風の顔を見上げ、見つめた。
「……これでよかったんですか?」見つめたまま訊く。
「なるようになったんじゃないかなあ」
 松風は言って、煙草を咥え、煙を吸い込み、吐いた。
 窓の外、向かいのビルの上、少し薄い空を見上げる。
「まだ、参政権の問題は消えてない。ゆりの出番がなくなったわけじゃないんだよな」
「いつでも言ってください。あたし、待ってます」
 きっぱりと言って、ゆりは松風に背を向けて歩き、喫煙室を出て行った。
 松風は、ゆりの後ろ姿を見送り、空に目を戻し、煙草を吸い、煙を吐き、短くなった煙草を吸殻入れに捨てた。
 ゆりの真っ直ぐな瞳が、少し、罪悪感を感じさせていた。
0076創る名無しに見る名無し
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2014/02/25(火) 00:06:17.70ID:9IMmb1ay
「これなんていうんでしょうね?」
 ゆりは二人しかいない喫煙室の壁からコの字に突き出したパイプ状のなにがしかに腰掛けながら言った。つま先が浮いている。
「腰掛けパイプ?かな?背中気をつけて。ヤニがつく」
 松風は吸い殻捨ての近くに立ち、ゆりを向いて言った。口元から火の点いた煙草を放す。外は冬の晴天だった。
「いいですよ。安物だし」
「かわいいのに」
「服が?」
「ゆりも」
「そうでしょう?このかわいいあたしがもうどれだけ悪党を殺してないか知ってます?」
「知らない。ぼくの知らないところで殺してそうだ」
「なんでそんなこと言うんですか」
「最近、少し世の中が平和になってる気がするから」
「ほんとにそう思います?」
「思うけど」
「なんでだと思います?」
「めんどくさいのが勝ってくれて、少なくとも矛先をわかりやすく向けてこなくなったから」
「負けて勝てですか。これで良かったのかな」
「ぼくは事なかれ日和見主義者なので、よかったと思う」
「……例の法案、どうなるんでしょうね」
「表向きはもう問題ないと思う。金生srはもういないしその一党の手ももう届かない。はず」
「でも松風さん風に言えば、我国に価値が無くなったってことですよね」
「それでいいと思うけどなあ。少しさびしいかなあ?」
「よくわかりません。ただ、次があった時、手がつけられないくらい大きくなっていたらヤだなって」
「向こうは大きくなっているかもしれない。こっちは強くなっていたい」
「そうですね」
 言ってゆりは腰掛けパイプからとん、と降りた。松風の顔ををじっと見上げる。
 松風は改めて右手の煙草を見た。吸えるほど残っていなかった。吸い殻棄てに捨てる。
 ゆりが歩み寄り、窓からの陽光を浴びた。
「くさいよ」
「なれてるし」
0078創る名無しに見る名無し
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2014/05/14(水) 23:29:05.74ID:Ap+BNNtX
「翠ちゃん、いけるかい」
 ユニオンジャック柄のくまのぬいぐるみ、通称ジャッくんが背中の翠に言った。質問ではなく確認。
「コンディション・グリーン!おっけー。はわわわわ」
 最後は両頬を引っ張る。自称ドナルドダックの声真似。余裕があるときは「ドナルドダックはわわわわ」と続く。
「じゃあ発進だ。発進まで?」
「3,2,1……」
「Q!」
「れっつごー!」
 全長10メートルの空飛ぶくまのぬいぐるみ、ジャッくんの背中から、跨ったマジカルブルームごと翠は放り出された。
 なぜか自ら脱がなければ脱げないつば広のとんがり帽子の下から背中まで伸びた栗色の髪が後ろに伸びる。
 マナに乗り風を受ける。高度200メートル。眼下はくらい夜の海。夜の空は月光と星明かりが味方になってくれている。
 同高度前方1`先には我国内工作員の手引で結界を突破した華国一個分隊が待っているにも関わらず、翠は弾む笑顔で翔んだ。
0079創る名無しに見る名無し
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2014/05/15(木) 00:04:32.84ID:I7CKaJs+
 洋煌は両手で握ったFSの引鉄を3度引いた。サプレッサーで軽減されているとはいえ、火精が弾ける音は少し甲高く響く。
 5メートル先のデスクの陰で上半身を見せていたK2小銃を構えた男が頭から向こう側に倒れこむ。
「お見事。これで終わりだね」
 洋煌の左手10時方向のドア陰から同じFSを握った陸奥が現れ小さく言った。声はヘッドギアから風精が伝える。
「ありがとうございます、陸奥さん。来てくれなかったら死んでたところでした」
 洋煌は言った。K2でたれて床で死んでいる相棒の愛乃に駆け寄ってしゃがみ込み、血精のアンプルを白い喉に打ち込む。
 程なく銀弾が傷口から転がり出た。風精が弾から抜け出てマナに還ってゆく。
「愛乃ちゃんも毎度むちゃをするなあ……」
 陸奥が痛そうに愛乃を見下ろしながら言った。
「愛乃、家族を亡くしてますからね」
 洋煌も愛乃の歪んだ死顔を見つめて言った。愛乃を見ながら、どこかその向こうを視ていた。
 陸奥は洋煌を見やった。「君もな」その言葉を呑み込んだ。
「これでもう結界の穴は閉じたはずですね」洋煌が陸奥に向いて言った。
「ぴー様も鴉さんなら結界を押し出してるんじゃないかなあ。あとは翠ちゃん次第だね」
「勝った」
 洋煌は笑って言って拳を挙げた。陸奥が合わせる。
0081創る名無しに見る名無し
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2014/05/15(木) 00:08:12.64ID:I7CKaJs+
しかも ぴー様も鴉さんなら ときた。ぴー様と鴉さんなら ですなあ。
なんだこりゃ。
0082創る名無しに見る名無し
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2014/05/15(木) 01:13:00.48ID:I7CKaJs+
「みるきぃゴーガン!」
 登録済み圧縮呪文が翠の体内から雷精と風精を左拳に集めた。大気中のマナから同二精が翠の左手から伸びる弓を形作る。
 残る敵は二人。手強い。箒要らずの身一つで翔んでいる。左上方と右死角後方。魔箒から翔び身をひねる。頭が重力に引かれる。天地逆転。
 一瞬ブラックアウト。死角後方の鉾持ちの敵は 視えて いる。そちらへ左腕を伸ばし右肘を引き絞る。
「しゅーっ!」
 握った右手を引き放つ。後方敵を左拳弓から風雷の線が射抜く。爆炎。
 上方の矛槍持ち敵が錐揉み降下で一気に詰める。
「さっさー!」ブルームを呼ぶ「みるきぃブレイカー!」右腕甲に風雷精の円盾が生成される。盾上部から腕に沿った刃が伸びる。
 接敵寸前魔箒到着。翠の、白と薄緑のフレアスカートから伸びた脚を絡めて姿勢を反転させる。頭を上に接敵。
 視えぬほど近く敵矛槍。ブレイカーを振るう。敵得物の螻蛄首を斬り飛ばす。
 瞬間の交差と離脱。再び魔箒から翔び身をひねる。
 直前翠の身体が占めていた空間を、敵風精の短剣が貫く。敵の殺意に向け風雷の弓矢。
「ゴーガン!しゅーっ!」
 命中、爆炎。身をもうひとひねりした翠は、迎えに来た魔箒の上に直立で着箒。
 大きく息を吐く。左手弓と右腕盾剣が翠のマナに戻ってゆく。へなへなと箒の上に座り込む。頭上には下弦の月。
「ジャッくーん、疲れちゃったー。迎えにきてー」
 言って箒の上に仰向けになる。地上から、街から離れた海の上では。星もまだ明るく見えていた。
0085創る名無しに見る名無し
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2016/05/14(土) 14:24:26.39ID:oHKkThmG
世界唯一の真爆弾被爆国の被爆地に、
旧世紀の世界戦争時の真爆弾投下国現選王が訪れることとなった。
被爆国内外で、投下国選王訪問に対する心の有り様が問われた。
過去を知らず歓迎するもの、過去を赦さぬもの、過去を踏まえ、進まんとするもの。

そして、旧世紀戦争時の真爆弾などとはまったく関係なく、
投下国選王の被爆国訪問を“歓迎”するものたち。
なりふり構わず経済的支援を引き出さんとする、被爆国隣国の半公然の工作機関、
投下国と戦争中の国境無き信仰国軍と国際麻薬組織、
潰滅したかつての反被爆国テロリスト集団の生き残りとその後継者たち。
0086創る名無しに見る名無し
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2016/07/17(日) 01:58:12.52ID:BiMs+bpW
「で?アザムさんはどちら?」
メルは酒場でのたくるごぎたない男たちに聞いた。
数人ののんだくれのよどんだ目が奥のテーブルを視る。
「どうも」
メルはにっこり笑ってテーブルに向かう。
テーブルの上では、三人の風体賤しからぬ男たちと料理人に囲まれ
砂漠大アオガエルの500グラムほどのステーキが黒い鉄皿の中で香華であろう湯気をあげていた。
メルは二歩歩いたところで身体を翻した。纏った体温調節機能つきポンチョが派手にひらめく。
カウンターの端とその向かいの壁に寄りかかっていたガンマンの利き手の甲から掌を
メルのベルト脇から飛び出したナノワイヤーを曳くちいさなちいさなクナイが貫いていた。
メルはもう一度身体を翻す。ワイヤーがクナイを腰に引き戻し、二人のガンマンが苦痛の声をあげた。
0087創る名無しに見る名無し
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2016/07/17(日) 02:31:52.00ID:BiMs+bpW
体勢を戻したメルは両腕を下から振り上げ、
テーブル席へ上がる階段脇に立った二人のガンマンを指差した。
汚れた白いシャツの袖の中から飛んだナノワイヤー曳きクナイが
ガンマンたちの喉を貫き瞬時に袖口に戻る。
階段脇のガンマン二人は抜いたレイガンを手にしたままその場にくずおれた。
静寂。
から、テーブルについていた三人のうち二人が猛然と立ち上がる。
メルの両腕が再びしなった。立ち上がった一人の男の
高価なのであろう、輝くような白い上着の左胸に生まれた赤い点が拡がる。
ガンマン風のもう一人は迷うことなく窓から飛び出した。
メルのクナイは彼の左足ふくらはぎを貫き戻っていた。
0088創る名無しに見る名無し
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2016/07/17(日) 03:07:06.09ID:BiMs+bpW
窓から飛び出したネロは両掌と右肩から硬い砂と岩でできた地面に着地し一回転した。
起き上がり走り出そうとして、左膝ががくりとおれる。痛い。あの娘っ子め。やってくれやがった。
身を起こし尻を地につける。この辺りは陽がきつい。
「兄貴じゃねえか。なにやってんだ」
左手から声がした。座ったまま振り向く。相変わらずこ汚い格好のクソ弟が黒いフライパンと木のスプーンを持って立ち、笑いかけていた。
「ヒルか。まだ豆とほうれん草の炒め物か」
ネロは言った。不思議と顔は笑っていた。
「当たり。まだもうろくしちゃいなさそうだな。メルにやられたのかい」
「メル?」ヒルに応える「へんてこくのいちの娘っ子か?」
「いい娘だろ?今のご時世、せいぎのみかた になりたがるような女の子もなかなかいない」
言ってヒルはがしょがしょと豆とほうれん草の蛙油炒めをかきこんだ。
「飯を食い損ねた。ステーキだ」
ネロはうらめしそうに言った。
「いっしょに食おうぜ。ごめんなさいって言えりゃあわかってくれない娘じゃあないんだ」
「そうするか。みんなにもちゃんと話さなきゃな」
「兄貴の惜しいとこだ。わかってくれるやつだけが善人てわけでもないんだ」
「お前の惜しいとこは、善人ならだいたいわかってくれるってことを信じないとこだ」
数年ぶりに面をあわせ、案の定二人はダメなすれ違い方をした。
0089創る名無しに見る名無し
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2016/07/17(日) 14:46:19.12ID:BiMs+bpW
「ごめんなさい。痛いですよね」
メルは消毒し止血再生パッチを貼ったネロの左ふくらはぎに包帯を貼り巻きながら謝った。
「大したことじゃない」
ネロは応えた。メルの表情に見とれていた。いっしょけんめい だった。
「そ、そうですよね!」メルが顔を上げた。ちいさく整ったタマゴ型の頭顔に瞳と口が全体との比較においておおきく見えた。いい笑顔。
「いいもんだろ兄貴。おれもときどきケツを射してもらって治してもらってる」
二人に背を向けテーブルについたヒルがちゃちゃを入れ、
カエルのステーキの切り端を口に放り込む。
「してないでしょう!いいんですかしても」とメル。
「すまない。うそをついた」ヒルは振り返りステーキをもぐもぐ咀嚼する口をフォークを持った左手で隠して言った「うまい。これはほんと」料理人にウインクする。
「ずっとこんな感じなんですけど」微笑み返す料理人とヒルを見てメル「子供のころからこうだったんですか?」
「お互いちびっこのころはましだった」ネロは笑った「お互いガキになっておかしくなって、よくぶつかった」
「そのうち」とネロ「すぐに」とヒル「馴れる」と兄弟。
「もう馴れたかも」よろけつつ立ち上がるネロに手を貸そうか小さくじたばたしつつメル。
「終わったらテーブルにつけ。メシを食おう。うまいぞ」
もぐもぐしながらヒルが言った。しあわせそうな笑顔だった。
0090創る名無しに見る名無し
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2016/07/23(土) 02:14:53.44ID:fGMNOyCi
「そんで?ムンマ教原理主義者どもからどんだけ巻き上げたんだい?」
ヒルは言った。ネロと並んで店先ポーチの陽陰で木製安楽椅子に身を沈め、
二人で葉巻を喫っていた。まだ陽射しは黄色い岩の大地を灼いている。
保安官がメルが捕まえたり倒したり殺したりした賞金首たちの代金を
メルのカードに振り込んでいた。メルはにこにこと保安官に語りかけている。

「これからだったんだよ。アザムとかって野郎はただの中継ぎだった。でかい話があったらしい」
ネロは陽のまぶしい荒野に目を細めながら言った。大きく紫煙を吐き出す。
「マーシャルネットワークの先走りか?」
「焦りがあるのかもしれん。テラでなんやらきな臭い動きがあるってニュースもあるだろう」
「いやーね。宇宙人に言ってほしいもんだよ」

「人のつまらんメンタリティってな外宇宙人も変わらんのかもしれん。
外宇宙船連絡船ジャック事件は地球人の封じ込めに一役買うだろうしな」
「外に出したくないやつらがいるのか。地球人買いかぶられてんじゃないの?」
「成長しすぎた外宇宙人は丸くなって、やたらとがっつく地球人がこわいのかもしれんな」
「ちびっこ長じガキとなり、ガキ長じてちびっことなり、長じたちびっこは自ら知るガキの悪意に怯える、か」
0091創る名無しに見る名無し
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2016/07/23(土) 12:23:45.55ID:TI4feIMF
「アザムと接触先が当局と地獄に墜ちました。よろしかったのですか?」
アイリが言った。当人に言わせると地味らしいの碧のスーツと
白ブラウス胸元のフラワータイ、スカートから伸びる黒ガーター膝から下とピンヒールは充分にチャニの劣情を煽っていた。
「次の動きを待とう。諦めてくれればそれに越したことはないし」
チャニは言った。アイリの唇が気になっていた。他にもいろいろ。

アイリはくすりと笑った「もうひとつ。アビゲイルとテディを無事に確保したとのことです」
真顔に戻り続ける「二人によると、シャトルのガードにシュンクレスバタリオンが就いていたとのことです」
「どんどん面倒くさくなっていくな」チャニは苦笑した「あとの傭兵二人は?」
「因果率兵器でロストしたそうです。アビゲイルとテディはフォボスに滞在中」
「いいね。テディには、お嬢さんは無事外へ出たと伝えてくれ。次も力を借りたいとも」
0092創る名無しに見る名無し
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2016/08/10(水) 02:00:52.27ID:i15+fLXm
「ヒルさん!」スイングドアを弾き飛ばしメルが飛び出してきた
「ああ。バーベキューを焦がしたわけでもなさそうだ」ポーチの端に立ったヒルは言った
黄色い岩の丘の向こうで、薄い青空に黒煙が小さく上がっている
「クラントン牧場だな。何があった」ヒルと並んだネロが呟く
「あいつらは一家揃ってクソ悪党どもだが、そうそう焼き討ちを喰らうようなやつらじゃないはずだ」ネロは言って短くなった葉巻の煙を喫い、吐き出す

「ムンマ教徒どもかな。おれらがアザムを捕まえた逆恨みで」黒煙を見上げたままヒルは言った。ちびた葉巻をくわえ、喫う
「?どうして?捕まえたのはわたしたちなのに」メルはヒルを見上げて言った
「そういうやつらだ。この件はクラントンどもがムンマのやつらに持ちかけた。ムンマどもは慎重だった。だから、アザムだって先乗りだったんだ」ネロがメルを向いて言う
「で、てめえら嵌めやがったなと。こっちとことをかまえる気はまだないと。仲間の生き死にと並んでメンツが大事ってなあ、こわいねえ」煙を吐き出しつつヒル
0093創る名無しに見る名無し
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2016/08/10(水) 02:23:14.93ID:i15+fLXm
「どうなってる?銃ならあるぞ?」店からへろへろ出てきた三人の呑んだくれの一人が言った
「しまっておけ。ムンマのやつらなら手向かいしない相手は殺さん」ネロが振り向いて言った。灰色に近い空色の眼が笑っていた
「アザムを返してやる準備もしといた方がいいかもなあ」ヒルがポーチの天井に右の眉を上げて言った「ブキャナンのじいさまは聞かんだろうが」
「ブキャナン保安官は頑固だがバカてはなく男だ。わかってくれる。だれか伝えれくれ」とネロ
「そしてムンマのやつらもまたしかり。さて、おれらはどうする」ヒルは言った。青い眼が笑っていた
0094創る名無しに見る名無し
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2016/08/31(水) 01:33:22.51ID:Bnpk6Lum
「どういうんだい?」
ヒルは四つ脚のジープ、通称四つ脚ジョングの運転台から聞いた。
「わからんな。妙ちきりんな坊主どもが穴掘ってクラントンどもの遺体を放り込んでる。なんなんだ」
助手席に立ち上がったネロが眼鏡の光学ズーム機能を戻しながら応える。
「行きましょう?」後部シートに立ち脚体上部横渡の外フレームに手を置いたメル「きっといやなことにはならないはず」
0101創る名無しに見る名無し
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2016/12/20(火) 05:07:05.25ID:P7iEsk/l
クラントン牧場はきれいなものだった
兵舎 と呼ばれる、牧童という名のごろつきどもの棲家だった大きな建物だけが黒煙を上げて燃えていた
黒煙は風に吹かれ、同じくらい大きな母屋の上をどこかへ流れていた
「わざわざ人が木材と変わらん樹脂を創り出したのはこころおきなく燃やすためだ、っつったのは誰だったかな」
ジョングの運転台でぼんやり煙を見上げてヒルはつぶやいた
「……ネロさん、大丈夫ですか?いやなことにならないといいけど……」
「平気さ。平気じゃなくても、好きにさせないと兄貴は無駄に荒れる」
ヒルはあきらめたように笑ってメルを見上げた
メルは荷台に立ち、母屋に徒歩で向かう、50メートル先のネロのうしろすがたを見つめていた
「……そうなんですか……」
「そうなんだ。めんどくさいのさ」
「……そうですね……」
メルは母屋を見ていた。ヒルは顔だけで笑って葉巻を取り出した
0103創る名無しに見る名無し
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2016/12/23(金) 07:03:50.27ID:qazbsveo
ネロは母屋の階段手前2メートルの砂岩の地面に立っていた。右からの風が黒いコートを微かに揺らし、兵舎 の、木の燃える臭いを運んできていた。
正面のポーチに、トォニが立っていた。目に後悔は無かったが、かなしげだった。どこか頼りなげに、それでも一人で力強く立っていようとしていた。
トォニの傍らにマリアが寄り添っていた。マリアはネロを気遣わしげに見ていたが、トォニを向いたとき、母の目になっていた。
ネロは、トォニの線の細い立ち姿を見て、共に親の仇を討って初めて悪党どもを殺したころのヒルを思い出した。
ネロは帽子を取って目礼し、燃える 兵舎 をちらりと見てから、もう一度二人に目礼した。
トォニの目が 兵舎 へ行き、ネロに戻った。マリアはちいさくゆっくりと、まばたきと共にうなずいた。
0104創る名無しに見る名無し
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2016/12/23(金) 07:21:59.47ID:qazbsveo
「僕は親父とあいつらが嫌いだった」トォニが言ってちらりと 兵舎 と黒煙を見た。どこか振り絞るような声だった「後金を払うよ、ネロ」
「トォニ」ネロはかぶりを振った「親父さんは「ぎゃふん」と言ったか?」
トォニの目が一瞬丸くなり、その後やわらかく笑った「言わなかった」
ネロはトォニに笑顔を返した「じゃあ契約不履行だ。後金は貰えないな。残念だよ、お若いミスタースポンサー」肩をすくめてみせた。
トォニは声を出して笑い、その場にへたりこんだ。ポーチの床に座り、階段の1段目に足を降ろす。
マリアがしゃがんでトォニの肩にやさしく手をおいた。トォニの頭を抱きしめそうな勢いの笑顔だった。
0105創る名無しに見る名無し
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2016/12/23(金) 08:09:34.04ID:qazbsveo
「親父さんに雇われて用心棒をやり、トォニに雇われて親父さんをぎゃふんと言わせようとし、親父さんの呼んだアザムをとっ捕まえて賞金をちょうだいする。3重契約とかになるのかい?兄貴の倫理観を疑うね」
ヒルはクラントン家の食堂なの壁にかかけられた風景画の前に立ち、絵をながめながらにやにや笑って言った。
「三つめは二つめに含まれてる。文句があるならトォニに返せ」
テーブルの端からネロが返す。ネロの隣でトォニが苦笑する。
「僕に自由にできる金なんてそうなかったからね。賞金は足しにしてよ。それに、三人の助言が無かったら、みんな銃を持ってあいつらにやられていた。せめてものお礼さ」
トォニが言った。ヒルは床に目を落として、誰にともなくちいさくうなずいた。
「お茶が入りますよー」
言いながらメルが厨房から入ってきた。左手にクッキーを満載した皿を持ち、右手で口元を隠していた。明らかになにかが口中に入っていて咀嚼中だった。
メルの後からお茶セットを載せた大きな盆を持ったメイドとマリアが続く。
0108創る名無しに見る名無し
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2016/12/31(土) 08:01:41.74ID:vZBfZseb
「増援を出すことを覚えたのか。賢いのか狡いのか、俺もヤキがまわったか」
チャニはアサルトレイライフルの残エネルギーをちらりと確認しつつ呟いた。残量は戦闘ゴーグル表示量と同じだった。
左持ちにしたライフルの銃口と左半身を建物の角から陽光明るい大通りに晒した。
火星の地方都市の黄色い光の中、路上で炎上している一般車両。三つ。右端に違和感。動き。ヘルメット?銃口!反射的に連射。
レーザーは車両を貫通、手応え。左肩に瞬間の灼熱。撃たれた!
0109創る名無しに見る名無し
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2016/12/31(土) 08:35:14.20ID:vZBfZseb
瞬間、保持力の抜けた腕の持つアサルトライフルが上に持ち上げられる。建物蔭、ゼロ距離にもう一人!7人分隊?!身を左に捻って黄色い砂岩の路上に転がる。
左肩を支点、回転、膝を着く。いたい!砂漠迷彩の膝と戦闘ブーツ!右手でライフルを引き防御。膝のバネで後ろへ跳ぶ。
敵の追撃。右手のナイフ。ライフルを捨てつつ右に大きく踏み込む。鈍い左腕を相手のナイフを持った右腕に軽く当てつつ、左膝を腹に叩き込む。チャニを上にして二人路上に重なり倒れた。
「うん、いい匂いだ。アイリ。戦闘服も似合うよ」
「ありがとうございます。香水を消そうか迷ったのですが」ホログラム戦闘シミュレーターに潜入してきたアイリは、それでも扇情的にチャニに微笑んだ。
0110創る名無しに見る名無し
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2016/12/31(土) 08:48:21.67ID:vZBfZseb
「実戦でかっちりした人数で敵が来るわけがないんだ。シミュレーターに慣れすぎたよ」
チャニは執務室のデスクで改めて反省した。視界のアイリのスーツ姿とシャワールームでの裸体がダブって見えていた。
「デスクと戦闘指令室に慣れてください、ということでしょう」
アイリはなだめるように言って、続けた。
「火星で動きがありました」
0111創る名無しに見る名無し
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2016/12/31(土) 10:34:05.08ID:vZBfZseb
「しっかし、そんなドンパチの支度してても、わからんもんなんですね」
モブエーは お出かけ服 でめかしこんだ お出かけグループ を満載した武装降下用舟艇、通称ヒギンズの服操縦席で発進スタンバイの再確認後、呟いた。
「元から、みのなんちゃかテリトリーだなんだってとこに宇宙人の謎技術で、見えるもんも見えなくなってるってのは、平和なんだか便利なんだか、だな」
モビーブは主操縦席で言って正面モニター一杯の、今では全域の4割が海で覆われた火星を2秒見やった。
「行くか」モビーブは言った。モブエーのうなずきを見て音声通話をオンにする「管制、後部。アルファワンスタンバイ」
『アルファワン、どうぞ。ご武運を』
『後部よし。安全運転で』
管制の少し緊張した萌え声と、後部 お出かけグループ 指揮官の艶やかな声が応えた。

武装降下用舟艇ヒギンズは、吊り下げられていた、国際(今では星間とも)相互安全支援防衛隊火星衛星軌道ステーションのドッキングピアから解き放たれた。イオンエンジンを点火しなだらかに着空、滑空する。

「しかし、オリハルコン提供のあのパワードアーマー、あれ、いいんですかね?どう見てもいきなりケンカ売ってるじゃないてすか」
「ああいうケンカの買い方をするやつららしいぞ。と、もう外は熱そうだな。下もか。ホッキョクグマじゃなきゃいいが」
0113創る名無しに見る名無し
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2017/02/01(水) 17:23:49.72ID:OifM3duX
〉〉32
トカレフとかいつの時代の話だよ
警察白書見ればわかるけど、押収されている拳銃の製造国で多いのはアメリカ

今の時代でわざわざ拳銃持ちたがる連中(ヤクザやガンマニア)だからブランドにも拘りがある

あとトカレフはオリジナルの旧ソ製も安全装置はないし、生産性を上げるためにあえて安全装置を排除しているのがトカレフの特徴の一つ

逆にノリンコ(中国製)のトカレフは輸出モデルには安全装置がある

トカレフの9ミリモデルを撃ったことあるけど、特に良いとも悪いとも感じなかった

シンプルなまさに「撃つためだけ」の銃といった感じ
0114創る名無しに見る名無し
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2017/03/11(土) 10:56:34.01ID:c5j5RCYR
「ひこうきを使えばいいのに。連邦保安官さんたちはおかねもちなんですよね」
メルは言って、火星みどり豆の雑炊を、木みたいな樹脂でつくったお椀から木みたいな樹脂でつくったスプーンで口に運んだ
荒野。岩山の中腹。今日もまた晴れ
「せかいかんがめんどくさいんだ」
ヒルは身も蓋もなく応えた。同じく豆雑炊を咀嚼する「うまい」
「お塩とかその他もろもろいろいろ倍にしました」
メルはうれしそうに目を輝かせた
「そっちもそうなのか?」
ネロが言った。メルの持った木みたいな樹脂の椀に目をやる
「増量前です」
にこにことメル。掬って口に入れ、咀嚼し、にっこり笑う
「おれも次からはそっちにしてくれ」
ネロは言って笑顔を返し、雑炊をたいらげた
0115創る名無しに見る名無し
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2017/03/11(土) 11:44:37.21ID:c5j5RCYR
「いつもありがとうございます」
メルは岩山の植物繁茂地湧き水で食器を洗いながら、岩の上にちょこんと鎮座していた、成人男児のげんこつくらいの大きさの火星(大きくない)アオガエルに小さくあたまを下げた
カエルはうなずく代わりに(メル見るところの)のどを一度大きく(カエルは(比較的)小さい)脹らませた
「メル!アザムさんのトーマルカーゴ隊が動いた。おれらも行くぞ!」
ヒルの嬉々とした声が聴こえ、メルは驚いたように目を丸くしてカエルに顔を向けた
カエルは、げこ、と鳴いた。行ってこい。またな。メルにはそう聴こえた
0116創る名無しに見る名無し
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2017/04/26(水) 00:59:08.02ID:OSnlbYdq
夜中の桟橋。四人目の見張りをサプレッサー装備のP90でずたぼろにした粉砕ゆりは、マガジン交換をしつつ目的のヨットに三歩で走り寄った。
キックブーツの反発力を利用し跳ぶ。舷側手すりを左手で掴み、勢いで身体をデッキに放り込む。
転がり、逆舷側へ。船室口辺りからサプレッサーで圧し潰された銃撃音の圧し出す小銃弾がゆりの動きを追う。
弾丸に追われながら、ゆりは銃把を握った右手でP90サプレッサーの銃口を船室口へ向けつつ、左足脛膝腰で踏ん張り重心移動、させながらのフルオートでの連続点射。
二射目から左手をP90マガジン上部に添える。右腿に打撃!コートとパンツの防弾層は耐えてくれた?右脚に力は入る。三射目。敵が怯む。弾腿にめり込んでたらやだなあ。四射目。敵沈黙。
0117創る名無しに見る名無し
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2017/04/26(水) 00:59:34.32ID:OSnlbYdq
半秒状況確認。一番明るいのはハーバーの明かり。船室へのドアは開いている。迷わずフラッシュグレネード。点火し放り込む。
破裂音、閃光!点火時点でゴーグルが察してゆりの眼を護っている。食い気味に、転がった小銃敵の頭にP90点射し球形のレンコンにしつつ船室に跳び込む。着地。右腿に鈍痛。つぐろぢんで済んだ?
船室。くらい。半円のソファに投げ出されたように人影。女一、男一、男の陰に抱かれてちびっこ一。迷わず女をソファごと蜂の巣にする。他には?奥からは?なし。
「おまっとさんでしたー」ゆりは男に言った。
「夜中の太陽などあってはならんものだ」入り口に背を向け、ちびっこを守っていた男、松風が身を起こし、眩しそうに目を開けて言った。
「あたしは夜中の太陽に含まれませんか?」
「月とか星とかはいいのさ。……たいようもほしか」
0118創る名無しに見る名無し
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2017/04/26(水) 01:21:48.97ID:OSnlbYdq
桟橋を見下ろせる高台。路肩に停めたバン。東の水平線が白々としていた。
「奥さんは?」
「陸奥さんと錠さんとヒロたちが」
「みんなは?」
「誰も死んでない。死んではないです」
「なによりで」
「……これで、少しは報われましたよね」
「ぼくらは。殿下、向こうでも、あの笑顔でいてほしいなあ」
「そうですね。でも……」
「でも」
「これからも あいつら は、手を組んで 来るんでしょうか」
「今まで気づかなかったけど、ぼくらは彼らにとっての お互いの敵の敵、じゃなかったんじゃないかな」
「敵は大きくなった。あたしたちは、きっと、強くなった」
「そう信じよう。前の方は要らんとして」
「ひとまず、景気よく」
ゆりは指を鳴らし、ハーバーを指差した。
戦場となったヨットが爆発炎上した。
0120創る名無しに見る名無し
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2017/05/05(金) 20:20:41.47ID:/vgiN97y
「ジュニアを還してもらうぞ」
扉脇の壁に寄りかかった錠が言った。シリコンを抜いた頬はやはり痛々しかった
「ジュニア?」クソの一人が言った。ヒロの顔を倍の大きさにしてくれたクソだった
「あいつさ。なんっつたかな、ショーン・コネリーが親父で、ハリソン・フォードの当たり役の……」
「インディアナ・ジョーンズ」クソが言った
「そうそう」右口角を上げて錠はサプレッサーつきの1911A1から.45ACPをクソのみぞおちにぶち込んだ「日本人はインディアナなんて呼ばねえんだよ」
続き扉の陰から音もなく現れた陸奥のMP7が二人のクソを薙ぎ倒す
ボス格のクソが陸奥に目をやった瞬間、錠の1911が二発の.45を最後のクソの胸に叩き込んだ
「ヒロ!」「無事か?!」深雪とキョウの声
「奥さんは奥で無事だ。おれは無事じゃない」
ヒロはなんとか言って、胸の穴が立てる空気の出入りする音を聴きながら気を失った
0124創る名無しに見る名無し
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2017/07/04(火) 06:06:37.35ID:qkekd9Lc
「降下予定空域まで120秒!」
武装降下用舟艇、通称ヒギンズの副操縦席でモブエーが言った。窓の外は火星の蒼天が拡がっていた
「聴いたなお嬢さん。うちのガキどもをよろしく頼むぞ」 主操縦席のモビーブは続けて言った
「こちらこそ。みなの力を借りるわ」飛び入り降下部隊長、コード"ゲイル"の艶やかな声が返ってきた
――星間相互安全支援機構特務機関と民間の せいぎのみかた オリハルコンが組んだ、外宇宙人と地球および太陽系星系連合の思惑の交じった火星の田舎の小競り合いって……?
「"蓋"を開けるぞ!跳ぶときあんたたちゃなんて言うんだ?ジェロニモ!?」
モビーブはめんどくささを振り切るように声を上げた
「多分あなたの奥さんがオルガスムす時の声」ゲイルが言った
「是非聴きたいね。通信は絶やすな。うちの嫁ほど品のない声でないことを期待する」
「任されて」
0125創る名無しに見る名無し
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2017/07/04(火) 06:35:07.47ID:qkekd9Lc
「今のは艇長の奥さんに礼を失しているんじゃないのか?」
アビゲイルのとなりの くまのみょん太くん仕様パワードアーマーからの接触通話で、自称オリハルコン特務曹長ソウミ・マガラのまだかわいらしい声が聞こえた
――ハイスクールにも行ってないかもしれない女児が人殺し?
アビゲイルは改めて思いつつ口を開いた
「わかってくれる、わかってほしい、って甘えがあればこそ言える暴言だってあるのよ」
アビゲイルは開きつつある降下口の火星の空と大地に目を向けたまま応えた。頭で考えてはいなかった

「……艇長……?」
「……いいイキっぷりだなあ……」
0126創る名無しに見る名無し
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2017/07/10(月) 01:29:59.74ID:53/bAQDj
「お前らのガンはたまかずが多すぎだろう」
錠が弾倉に弾丸を詰め込みまくっているゆりと松風に言った
ゆりは5.7ミリ、松風は9ミリを満載した弾倉を、えっちらおっちらつくっていた
「ぼくらは数撃たにゃあたらんのです」
松風が当たり前のように応えた
「…‥お前ね、二人してシューティングレンジでリーサルウェポンごっことか言ってアンパンマンの顔描いて遊んでるやつらの言うこっちゃねえだろう」
「てへ」ゆりがペコちゃんウィンクを錠に返す
「てへてなあ」錠は紙箱からパラベラム弾をひとつ抜きあげ「仮にも他人様の命をちょうだいするんだぞ。クソどもだけたあいえ」
「……だからかもしれませんね」松風が動きを止めて言った「その場になると、こわいんですよ。多分」
松風の言葉に錠の、9ミリ弾丸を弄んでいた指と笑っていた表情が固まった
ゆりの眼が二人を見た
「あ。ここか。行けます?」
瞬間止まった空気を動かすためか、図ったようにドアを開けた陸奥が言った
「陸奥、お前もお前ね」錠が笑って言った
「なんです?」と陸奥
「ボーイズトークが盛り上がっちゃって」とゆり
「じゃました?」
「いや」松風は満車のマガジンをP230に叩き込んでスライドストッパーを解除し立ち上がった
230のセフティを入れると、腰裏のホルスターにぶち込んだ。脇の226と予備弾倉の重みはそっちのホルスターが分散させてくれていた「行こう」
「いいか?」錠がゆりに
「あぃ、さ!」ゆりもマガジンをウッズマンカスタムにぶち込んで、初弾を装填しつつセフティをかけながら、トリガーガードに指を挿すこともなくくるりと舞わし、右腰のホルスターに放り込んだ
陸奥は松風に向けて両眉を上げてみせた。松風は表情だけで笑ってみせた。松風、陸奥、ゆりが錠に習ったことのひとつだった
錠は大きく笑った。もちろん表情だけで
0127創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 12:29:52.18ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

8Y6JE34O59
0128創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 06:57:42.36ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

Y91KR
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