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199コメント169KB
自動作成されるキャラクターで短編小説2
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/06(水) 01:39:07ID:hizOHmgG
↓のツールを使って短編小説を書くスレです。

【ちょい役ジェネレータ】
ttp://www.geocities.jp/umatan410/odais1
ttp://www.geocities.jp/umatan410/odais2
男でも女でも使える設定が3つランダムに登場

ツールのホームページ
ttp://www.geocities.jp/umatan410/top



前スレ
自動作成されるキャラクターで短編小説
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1245215313/
0048創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:08:39ID:yl8ie8cX
今回はタイトル付きです。
設定としては、寿司屋での客と板前の会話と思ってください。

【特徴】
いつも黒い服ばかり着てる、
わさびが嫌い、
家族に旅館で働いてる者が居る

4レス投下します。
0049創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:09:24ID:yl8ie8cX

【質問の多い寿司屋】

「わさび、きらい?」
「……えっ?」

突然話しかけられ、手が止まる。
質問の意図がつかめず、思わず聞き返してしまった。

「えっとね、いつも、わさびの入ってないお寿司、でしょ? だから、わさびがきらい、なのかなあって」
「あー……。そうだな、わさびはきらいだ。うん」

いつもそうだが、ずいぶん幼いしゃべり方をする女だ。
たしか、年は25,6といったはずなんだが。

「どうして、わさび、きらいなの?」
「実家がわさびの名産地で、いつも食べさせられていたから、だな」

息継ぎが下手なのか、単に舌足らずなのか。
よくこんなしゃべり方で生きていけるよな。
0050創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:10:08ID:yl8ie8cX

「……いつも? いつも、わさび?」
「ん? ああ、実家が旅館で、お客さんに出す料理の余りが俺たちの食事だったんだよ」
「ああ、そっか。それで……」
「いくら名産地でも、毎日料理に出ると……な」

舌の回転はいまいちだが、頭の回転はまあまあらしい。
客用のわさび料理の残りを毎日食わされていたのだが、
そうはっきり言わずとも理解できたようだ。

「そっか……、うん、わかった」
「ああ」

とりあえず、質問はひと段落というところか。
いつも変な質問の多い女だが、今日はまた特に変な質問だったな。
まあ、さび抜きの寿司ばかりなんて、確かに珍しいだろうけど。
0051創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:10:53ID:yl8ie8cX

「……ねえ、また少し、きいてもいい?」
「ん? なんだい?」
「あのね、いつも真っ黒なのは、どうして?」
「真っ黒? あぁ、俺の格好がか。単に趣味だ。黒が好きなんだよ」

友人達からはおかしいおかしいと言われる。
確かに、頭の上から足の先まで黒尽くしなのは珍しいかもしれないが、
別に黒を着てはいけないというルールはないのだから、文句を言われる筋合いはないはずだ。

「んー……、でも、あまり、いないよ?」
「俺みたいに真っ黒な奴は、だろ? いいんだよ、ほかの連中と俺は違うんだからな」

要領の得ない質問だが、何が言いたいのかはわかる。
もう、常連と言ってもいいほどこの店で顔を合わせてるんだ。
こんな妙な会話も、すっかり慣れたもんだ。

「でも……、なんだか、怖い人みたい……」
「まあな。上から下まで黒づくめなんて、水商売かヤクザ者か。怖いと思われても仕方がない」
「だけど……、ほんとは、こわくないでしょ?」
「いつも俺としゃべってるあんたなら、分かってると思うけどな」
「……うん。こわくない。だいじょうぶ」

かあっ! にくいねぇ、この笑顔が!
思わず独り占めにしちまいたくなるぜこんちきしょう!!
おおっといけねえ、素が出ちまった。
0052創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:11:37ID:yl8ie8cX

「あんたのその笑顔、まるで天使みたいだよな」
「ええ? ……そんなこと、ないよ……」
「恥ずかしがんなって。いつも白い服着てるからよ、ほんと天使みたいに見えるぜ」
「んん……、でも、うれしい。ありがと……」

はにかむ仕草もほんとにかわいいぜ!
こんな俺にも、こんなすげえ知り合いができるんだ。
ほんとにいい店だぜ、ここはよう。
っと、そろそろ時間だ。

「それじゃお客さん、そろそろ店じまいだ。いつも閉店まで付き合ってくれて、ありがとうな」
「うん、たいしょうのお寿司、とってもおいしい。おはなしも、楽しい。また、くるね」
「おう、待ってるぜ! じゃあまたな!!」
「うん、ばいばい」

小さく手を振る彼女に、俺は大声で声をかけた。

「ありがとうございやした! またどうぞ!」

0053創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/12(火) 01:12:20ID:yl8ie8cX
こういうのを叙述トリックっていうのか?
ではまた。
0054創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:27:58ID:66gb91wb
GOー! GOー! 投下ー!

【特徴】
過去の思い出を大切にする、
忘れっぽい、
八つ当たりが多い

11レス投下します。

0055創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:28:40ID:66gb91wb

「なあ」

「おうよ」

「最近、飯のあがりが少ねえよな」

「不景気だからな」

「昔はよかったよな」

「なにが」

「え? いやあだから、昔だよ、昔」

「だから昔がなんなんだよ」

「昔っつったら昔なんだよ」

「だから昔がなんなんだっつうんだよ」

「うっせえ! んなもん忘れちまったよ!」

「いってえ! おい俺に八つ当たりすんじゃねえよ!」

「おめえがしつこいからだろ! ちっとだまってろ!」

「んだとこらやるかあ!」

「やってやろうじゃねえか、かかってこいこるあ!」

「いい度胸だこるるるあ!」

ぶばらちょべふぎゃあくぁwせdrftgyふじこlp

0056創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:29:27ID:66gb91wb

「…………なあ」

「…………おうよ」

「はら、へったな」

「不景気だからな」

「昔はよかったよな」

「だから昔ってなんだよ」

「昔は昔なんだよ、いいじゃねえかそれで」

「けっ」

「いいじゃねえか、それでよ」

「ふん、勝手にしろ」

「…………」

「…………」

「すまん」

「おう」

0057創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:30:10ID:66gb91wb

「なあ」

「おうよ」

「あいつ、あっちでも元気でやってっかな」

「なんだよ、思い出したのかよ」

「ああ、ついさっきな」

「忘れてりゃいいものを」

「忘れられっかよ、あんな思い出をよ」

「さっきまで覚えてなかったくせに」

「…………」

「いって! てめえ……」

「…………」

「ちっ………」

「……幸せ、だったよな、俺たち」

「ああ、幸せ、だったな」

「あいつも、幸せだったかな」

「幸せだったろ、きっと……」

0058創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:30:53ID:66gb91wb

「なあ」

「おうよ」

「はらへったな」

「しばらく何も食ってねえからな」

「なあ」

「おうよ」

「あと何日がまんできっかな」

「賭けるか? いや、賭けても意味ねーか」

「…………」

「…………」

「なあ」

「おうよ」

「もうすぐ、あいつんところ行けんのかな」

「くそ縁起でもねえ、行くなら一人で行け」

「薄情なやつだな、会いたくねえのか?」

「会いたいに決まってんだろ、馬鹿野郎」

0059創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:31:35ID:66gb91wb

「なあ」

「おうよ」

「あいつのひざ、暖かかったよな」

「ああ、そうだな」

「あいつの手、やわらかかったよな」

「ああ、そうだな」

「なんで、死んじまったんだろな」

「忘れたのか?」

「…………」

「…………」

「っ……」

「……すまん」

「………なあ、あいつ、俺たちのこと、何て呼んでたっけ」

「あん? 忘れたのか?」

「いいから言えよ、ほら」

「知らん、忘れちまった」

「ほんとか?」

「うっせ、お前と同じだボケ、忘れられるかよ」

0060創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:32:19ID:66gb91wb

「なあ」

「……おうよ」

「なんだよ、元気ねえじゃねえか、大丈夫か?」

「ふん、ほっとけ」

「なあ―――

ブロロロロロォォオオオーーー

「トラックか……。? おい、大丈夫か?」

「――――――――」

「おい、おい! しっかりしろ! おい!!」

「―――あ、ああ、だいじょぶ、大丈夫だ、はあっはあっ」

「なんだよ、心配させんじゃねえ、まったく」

「はあっ、はあっ、っく、……、っはあ、はあっ」

「……お前、忘れっぽいのにな、なんで覚えてんだろな」

「はあ、はあ……、はあ……、はあ……」

「忘れちまったほうが楽になれんのにな、なんでなんだろうな」

「…………」

「なんか言えよ、俺まで泣けてくんじゃねえか」

0061創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:33:04ID:66gb91wb

「なあ」

「……おうよ」

「あんとき死んでたほうが、楽だったんじゃねえかな」

「ばっかお前なに言ってんだ……、そしたらあいつが、悲しむじゃねえか」

「でもよう、だからって身代わりになって死ぬことはなかったんじゃねえか?」

「それが……、あいつの、いいところなんだろ」

「だからってよう、俺たちかばってトラックの前に飛び出してよう」

「…………」

「おかげで俺たち宿無しだぜ、笑っちまうよな」

「…………」

「おい、聞いてんのかよ、なんか言えよ」

「……うるせえ、ねみーんだよ、ちったあ静かにしろ」

「そのまま寝ちまうなよ」

「……知らねえ、保証はできんな」

0062創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:33:56ID:66gb91wb

「なあ」

「…………おうよ」

「なんだ、まだ寝てなかったのか」

「……お前は元気だな、はらへってる、くせによ」

「いや、けっこうギリギリだぜ、こう見えて無理してんだよ」

「ふん、軽口叩けるうちは、元気な証拠だ」

「あー、こういうのなんつったっけ? ほら、ぶしはかつおでなんちゃらけって」

「武士は食わねど高楊枝……、なんだよ、ぶしはかつおって」

「おーそれそれ、おめえ、よくそんな言葉覚えてたな」

「……ふん、あいつの口癖だったからだろ」

「そうそう、それで、『だから君たちもかつおぶしだけだよー、武士だけに、なんちゃって』てな」

「……お前だって、よく覚えてんじゃねえか」

0063創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:34:41ID:66gb91wb

「なあ」

「…………おうよ」

「あっちにも、こたつってあんのかな」

「……天国には、きっとなんだってあんだろ」

「でもよー、俺達って、あいつと一緒のところに行けんのかな」

「…………」

「だってよお、あいつは人間で、俺たちは猫だぜ? そもそも、猫に天国なんてあんのかなあ」

「……じゃあ、俺が先に行って、確かめといてやるよ……」

「おいおい、笑えねえ冗談言ってんじゃねえよ」

「…………」

「おい、冗談だよなあ、おい、よお」

「…………」

「なんだ寝ちまったのかよ、おやすみぐらい言えっつの」

「…………」

0064創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:35:28ID:66gb91wb

「なあ」

「…………」

「なあ」

「…………」

「なんだよ、勝手に抜け駆けすんじゃねえよ」

「…………」

「言ったろ? こう見えて、けっこうギリギリなんだよ」

「…………」

「ほら、なんつったっけ、武士は食わねど、なあ」

「…………」

「かつおぶし、食いてえなあ」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

0065創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/13(水) 21:36:11ID:66gb91wb

『なあ』

『おお? なんだい君たち、もう来たのかい? 早いなー』

『なあ』

『おうよ、かつおぶしだね、ちょっと待ってな』

『なあ』

『はいはい、後でだっこもしてあげるし、撫でてもあげるよ』

『なあ』
                   フタリ
『ん? どうしたんだい、二匹で向かい合っちゃって。何のお話してんの?』



『なあ』



『なあ』



0066創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:21:38ID:DYRVrrfe
さるさん怖いお。
投下速度落とすお。

【特徴】
八方美人、
金属アレルギー、
セロリが嫌い

14レス投下します。

0067創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:23:02ID:DYRVrrfe

男「どきどき、どきどき」

男「今日こそ、今日こそ僕はプロポーズするんだ、そして、この婚約指輪を渡すんだ!」

男「苦節6ヶ月、ボーナスもつぎ込んでやっと買ったこの10カラットダイアモンドリング!」

男「舞台は夜景のきれいなホテル最上階の高級レストラン!」

男「これだけ準備すれば、絶対に成功する! 大丈夫、僕はいける!」

男「よーしやるぞー、がんばれーまけんなー絶対プロポーズは成k 女「おっまったっせっ!」ばしっ

男「うわお! わおあ! ああぉぉおおんなさん! よ、ようこそいらっしゃいました!」びくびくっがたん!

女「やーわりぃ! 遅れちまったぜ! まった?」

男「いえ、いえいえそんな! ちょうど今! いま来たところですから、はい! まってないです、ほんと!」

女「ていうかだいじょぶ? なにキョドッてんの? つか、背中平気?」

男「はい! 大丈夫です! はい、え、背中? 背中がなにか……痛っ! 背中いった!」

女「いやーわりぃわりぃ、思いっきり叩きすぎちまった」

男「はあぁなにこれすげーいたいはあぁああぁぁあああ」

女「いやー…………」

男「ほわあああぁあおわっちゃあああ」

女「…………………」

男「むふぉおおおおあああ」

女「」ごすっ

男「右ストレートおおぉぉぉ?!」キラーン
0068創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:25:04ID:DYRVrrfe

女「落ち着いた?」ムスッ

男「はい、あの、落ち着きました、すいませんでした」

女「ていうか何ここ、なんでこんな場違いなとこにあたし呼び出されたわけ?」

男「はい、それはですね、あの何と言いましょうか……」

女「まあいいや、とりあえず酒だ、店員さん生2つ!」

男「いや、えっとあのーこのような場所でそういうのはちょっと……」

女「なに? なんか文句ある?」ぎろっ

男「いえ、なんでもないです……、あ、すいませんワインをお願いします」
0069創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:27:04ID:DYRVrrfe

女「ぶーーーー」ぐびぐび

男「あのすいません、ここビールはないみたいなので……」

女「それはもういいんだけどさー、つまみがねーんだよつまみがあ」

男「ああえっと、コース料理ですからおつまみとかそういうのもちょっと……」

女「ていうかさー、こんなちまちましたのじゃなくてもっと塩気のあるやつ食おうぜなあ」

男「はは、そうですね、メインディッシュになればきっとそういうのが来ますよ……」

女「あーなにこれセロリ入ってる! あたしセロリ嫌いなのにったくもーこれあげる、はいあーんしてあーん」

男「いやだから、このような場所でそういうことは……あーん」
0070創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:29:19ID:DYRVrrfe

女「で、話もどるけどさあ、なんでこんな場所にあたしは呼び出されたわけ?」

男「はい! あのですね、ちょっとお話があるといいますかなんといいますか」

女「ふーん……、いつもの居酒屋じゃできない話?」

男「はいその、静かなところというか、落ち着いたところで話したかったというか」

女「ふぅーん…………、雰囲気作りってやつ? ずいぶん生意気なことしてんじゃん」

男「あのありがとうございます、それでですね女さん、あの、僕と、僕と……」

女「ん? なに?」

男「あの、僕と……、ぼく、と…………」

女「なんだよ、早く言えよ」

男「僕と……、僕と、その………… !!僕と結こn 女「店員さーん、ワインもう一本追加でー」
0071創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:31:09ID:DYRVrrfe

女「あーごめんごめん、わりぃね邪魔しちゃって! で、何の話?」

男「あうあうあうあうあう」

女「あん? 男がぶっ壊れちまった。おーいだいじょぶかーあたま平気ですかーちんちnついてますかー」

男「あへあへあへあへあへ」

女「だめだこりゃ。えーっと、なにか殴るもの殴るもの……、っとワインの瓶があるじゃん、よしこれで」すっ

男「ふぁーぶるすこふぁー 女「」がんっ もるすぁっ!!」
0072創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:33:19ID:DYRVrrfe

女「目は覚めたかね? 男君」

男「はい、あの、お騒がせ? いたしました」

女「ん、よろしい」

男「あの、ひどく頭がガンガンするのですが、何かされました?」

女「あたし、世の中知らないほうがいいことってたくさんあると思うんだよね」

男「えっと、あのそれはどういう?」

女「知らないほうがいいことってたくさんあるよな」

男「あの、軽い記憶喪失のような気がするのですが、その」

女「知らないほうがいいよな」

男「はい、おっしゃる通りです」

女「ん、よろしい」
0073創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:35:46ID:DYRVrrfe

女「でさー男友君と女友ちゃんって付き合ってんじゃん? 二人がさー別々におんなじこと相談してくるわけよー」

男「はあ」

女「恋人が浮気しているかもしれない許せないってさー浮気してる本人が言うセリフじゃないよねー」

男「そうですね」

女「両方に良い顔しなきゃいけないあたしの身になってみろっつうんだよーなあっそう思わねえ?」

男「思います」

女「いっそのことあの二人にばらしちまうかなーあんたの恋人はあんたと同じで浮気してますよーって」

男「それはそれは」

女「でもそしたらさーあたしの良い人キャラが壊れちまうしなー職場じゃ人の良いお姉さんで通ってんだぜー」

男「知ってます」

女「こんな姿見せられるのは男だけだぜ感謝してるぜー」

男「光栄です」

女「おとこーありがとなーあいしてるぜー」チュッ

男「/////」カアアアッ
0074創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:37:48ID:DYRVrrfe

女「さっきから愚痴につき合わせちまってわりぃな」

男「いえ、いつものことですから」

女「でよぉ、男はいったい何の話があんだっけ?」

男「いや、もういいですよ今日は。そんな雰囲気じゃないですし」

女「んだよ気になるじゃねえか、言っちまいな、ほれさっさと」

男「はあ……(まあ、いいか。もし失敗しても、こんな雰囲気ならダメージは少ないだろうし)……女さん」

女「お? 言う気になったか? 聞いてやるから言ってみー」

男「女さん、僕と結婚してください」

女「おう! いいぜ!」

男「……………」

女「」ぐびぐびぐびぷっはー
0075創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 22:40:05ID:DYRVrrfe

男「……あの、僕の話、ちゃんと聞いてました?」

女「あん? らいじょぶらってー、ちゃあんと聞いてましたよ?」

男「……もしかしなくても、だいぶ酔ってますよね」

女「酔ってねーよ! 馬鹿にすんな! ちゃんと聞いてましたー」

男「じゃあ、何て言ったか教えてくださいよ」

女「だからあれだろー? あたしとあんたが結婚するってそーゆーおはなしだろー?」

男「そうですけど……、じゃあ、結婚ってどういう意味か分かってますか?」

女「だからーあたしがウェディングドレスきてーおとーさんと手ぇつないでーあんたとちゅーすんだろ?」けけっ

男「はぁ、まぁだいたい合ってますね」

女「あたし夢だったんだよねー真っ白なドレス着てバージンロード歩くのがさー」

女「そっかーその夢かなうんだー、そっかー結婚かー、結婚………」

女「けっ………こん……………」

男「はぁ……」
0076創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 23:09:04ID:K1BBPtQ3

女 がばっ「おい男! おまえ今なんつった?!」

男「うわわっ! ちょっとなんですかいきなり! 襟首つかむの苦しいですよ」

女「いいから黙って答えろ! おまえ今、なんつった?!」

男「え……、ですからその、酔ってますかって……」

女「」ぎりぎりぎりぎり

男「ちょっ、やめっ、すとっ、ぎぶぎぶぎぶ」ばんばん

女「」ジーーーーッ

男「あ゛ーー、あの、ですね、その……、僕と、結婚してくださいって言いました……」

女「……意味わかって言ってんだろな」

男(目が座ってるよ……こわい……)

男「えっと、そりゃ、結婚の意味は分かってますが」

女「そうじゃなくてだな、この、がさつで、乱暴な女と、お前は結婚するっていう意味だよ、わかってんだろうな」

男「……はい。僕は、がさつで乱暴な、そんな女さんが好きなんです。だから結婚してください」

女「……………」

男(怒らせちゃったかな?)

女「」カァァァッ

男(うわ、顔が真っ赤になった)

女「」バタン

男(そして倒れた)

男「って女さん?! おんなさーん!!」
0077創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 23:12:01ID:K1BBPtQ3

女「………う、うーん……」

男「あ、起きましたか?」てくてく

女「おう……、あれ、ここどこだ?」

男「川沿いの土手の上ですよ。もうすぐ女さんのマンションです」てくてく

女「あぁそう……」

女(あれ? なんであたしはこんなとこにいんだ? あれ?)

女(……まーいっか、どーでも。男の背中気持ちいいし)

女(こいつ、よわっちいくせに背中広いよなあ。やっぱおとこなんだなぁ……)

女「って、なんであたしはお前におんぶされてんだよ!」

男「なんでって、レストランでいきなり倒れたからですよ。ここまで来るの大変だったんですよ?」

女「そりゃ悪かったな……、ってそうじゃなくて! おまっ、ちょっ」ぽかぽか

男「いた、いたた、頭叩くのやめてくださいよ、ちょっと痛いですってば」

女「うるせえ! いいからおろせ! 早くおろせ!」ぽかぽか

男「いた、いたいですって、もうわかりましたよほら、大丈夫ですか? ちゃんと歩けますか?」

女「子供あつかいすんな、ばか」ばしっ

男「いたっ! もう、背中ぶつのやめてくださいよ」
0078創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 23:15:05ID:K1BBPtQ3

女「……………」モジモジ

男「あー…………なんか、恥ずかしいですね」テレテレ

女「……………」

男「……………」

女「………さっき、あたしに言ったやつ、もういっかい言え」

男「えっと……、はい、その……僕と、結婚してください」

女「そ、それって、ぷ、ぷぷ、ぷろぽーずってやつだよな」

男「はい、そうです。本当は、あのレストランでちゃんとしようと思ってたんですけどね」

女「おま、お前は、あたしなんかで、ほんとにいいのか?」

男「はい、それはもう、ぜひ」

女「そ、そうか……」

男「……受け入れて、くれますか?」

女「…………うん」

男「僕と、結婚してもらえますか?」

女「………だいぶ不束者ですが、よろしく、たのむ」

男(念願のプロポーズに成功したぞ!)

女(もし浮気したらぶっ殺す)
0079創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 23:18:43ID:K1BBPtQ3

男「女さん、あなたに受け取ってもらいたいものがあります」きりっ

女「なんだ急に改まって」

男「目をつむってください」

女「え、え?」

男「……………」

女「………」スッ

女(うわー! めぇつむれってなに? なにすんの? なにされちゃうの?)

女(もしかして、ちゅーか? ちゅーなのか? 初キッスなのか?)

女(わわっ、手ぇ握られたぞ、くるか、くるのか? きちゃうのかーーー?!)する

女(ってあれ? こねーじゃねえかよなんだよちきしょう、ていうかなんか指にはまったぞなんだこれ、って)

女「……もしかして、 こ、これって、ゆ、ゆび………」

男「婚約指輪です。受け取ってください」

女「ゆびわ……、ゆびわ、いやーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!」すぽっぶんっ

男「あ、ああ、ああああああああああああああ」

ひゅーーーーーーぅぅぅ………ぽちゃん
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/15(金) 23:23:41ID:K1BBPtQ3

男「あああああ何やってんですか女さん! あの指輪、婚約指輪なんですよ?!」

女「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」

男「あーもう大切な指輪なのにぃいいちょっと女さん聞いてますか?」

女「はあっ、はあっ、あた、あたし」

男「なんですか?! なんで指輪なげちゃったんですか?!」

女「あたし、金属アレルギーなんだよーーーーー!!!」

男「えええーーーーーっっっ!!!」

0081 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/15(金) 23:25:40ID:K1BBPtQ3
はしるーはしるーー
おれーだーけー

さるさんでID変えた。
ID:DYRVrrfe = ID:K1BBPtQ3

次からは↑のトリつける。
ではまた。
0082創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/17(日) 10:36:15ID:rBTjuuFE
とりあえず、感謝の印にアフィリエイトで購入
0083 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 02:04:06ID:q9La0IhM
↑アフェリエイトで何を買った。婚約指輪か?
誤爆スレ用のレスをまじで誤爆ったぽいが、せっかくだしネタにしちゃおう。

【特徴】
人の秘密をすぐ喋る、
趣味はショッピング、
表情が変な事がある

35レス投下します。

0084 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:04:55ID:q9La0IhM

「ねえねえ知ってる? E組の紀子って二股してるらしいよ?」
「えー、紀子ってあの委員長タイプの? B組の武君と付き合ってんでしょ?」
「それがさあ、A組の靖男に告られたみたいでさあ、彼氏に内緒で付き合ってんだって」
「げーまじサイテー。あいつムカつくんだよねー。いつもいつもあたしらのことバカにしててさー」
「『あなた達、少しは勉強したら? 学生として恥ずかしくないの?』とかねー。何様?ってかんじ」
「ぎゃはははは! 似てる似てる。二股とか、自分が一番恥ずかしいじゃん」
「武君まじかわいそー」

教室に女の子特有の甲高い声がうるさく響いていた。
その声は、窓際の机の周りに集まっている4人の女学生から発せられていた。
女三人寄れば姦しいというぐらいである。4人もいればそれはもう非常にやかましいわけだが、
彼女たちの声はことさらに耳障りだった。
乱れた言葉づかい、下品な笑い声、そしてなにより、話している内容が他人のゴシップをあげつらったもので、
当の本人はもとより、赤の他人が聞いても不愉快なことばかりを話している。
そんなに嫌なら聞かなければいいと言われそうだが、そもそも聞くなという方が無理な話だ。
彼女たちのだみ声は本当にうるさく、もはや騒音というレベルだ。
そのため、いつも騒ぎが始まると、教室の中は人もまばらになるのだった。
0085 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:05:56ID:q9La0IhM

「ところでさー。いつも光恵ってそういう話どこで聞いてくんの?」
「え? なにが?」
「だからさー、今日の紀子の話もそうだけど、よく人の秘密知ってんじゃん。どこで聞いてくんのよ」
「あーねー、怖いぐらいよく知ってるよねー。いっつも、あたしらの知らない話もってくるもんねー」
「えー? 別にただの噂よ。ほんとかどうかなんてあたしも知らないし、他のクラスに行ったときたまたま聞いただけよ」
「だけど光恵って他のクラスに友達いたっけ? そんな秘密ペラペラしゃべってくれる友達ほかにいるの?」
「あーひっどー、まるであたしが友達少ないみたいじゃん。そんなことないですー、こう見えて顔は広いんですー」
「ぎゃははは、うけるー」

彼女たちの中心に、一人だけ机の椅子に座って話をする女生徒がいる。
光恵と呼ばれた彼女が、どうやらこういったゴシップを彼女たちに提供する供給源のようだ。
友達が少ないといわれ、口を尖らして光恵が反論する。
その様子を見て、一人が大声で笑い出した。
0086 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:07:02ID:q9La0IhM

「ちょっと何笑ってんのよ」
「だって光恵の顔おもしれーんだもん。なにそれ、ちょー変な顔、ぎゃはははは」
「高子やめなってー、光恵怒ってるよー」
「……別に怒ってないよ。それよりそろそろ帰ろ、あたしおなかすいちゃった」
「ぎゃはははははは」
「ちょっと高子ー、あんたばかみたいよ?」

高子と呼ばれた女生徒の笑い声を残し、彼女たちが去っていく。
教室のドアが閉まり、廊下の奥のほうへ彼女たちの騒がしい声が消え去っていった。
教室に、再び静寂が訪れる。


0087 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:08:21ID:q9La0IhM



夜。
自宅に戻った光恵は、自室のパソコンを起動し、とあるサイトにアクセスしていた。
『秘密の掲示板』
そう題されたホームページを食い入るように見つめ、彼女はぶつぶつと独り言をいいながら
熱心に何かを探していた。

「さーて、今日はだれの秘密を買おうかしら。それにしても便利なホームページよね。ここに
秘密を知りたい人の名前を書き込んでしばらくすると、秘密を書いたレスがつくんだから」

光恵が他人の秘密をよく知っている原因。それは、このホームページだった。
いったい、このホームページとは何なのか。
それを知るために、まずは光恵がこのホームページを見つけた時に遡る。


0088 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:09:32ID:q9La0IhM


ある日、光恵はネットショッピングのページを見て回っていた。すると突然、画面に
ポップアップウィンドウが表示された。
『あなたに秘密売ります』
ただ一言、そう書いてあるだけだった。
最初は、クリック詐欺かウイルスの類だと思った。
これをクリックすると、ありもしない代金を請求されるか、ウイルスに感染するかのどちらかだと
思ったのだが、なぜかそのポップアップを消す気になれず、しばらく彼女はその文字を
じーっと眺め続けていた。
しばらくして光恵は、意を決したようにその文字をクリックした。
リンク先に現れたページのタイトルには、こう書かれていた。

『秘密の掲示板』

そのホームページのルールはこうだった。
0089 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:10:23ID:q9La0IhM


1.この掲示板に秘密を知りたい人の情報を書き込んでください。秘密を書いた『秘密のレス』が帰ってきます。
2.秘密を知りたい人の情報は、なるべく詳しく書いてください。より早く『秘密のレス』が帰ってきます。
3.秘密を見て満足したら、このホームページのアフェリエイトから何か商品を買ってください。
4.このホームページは、あなたが購入したアフェリエイトからの報酬によって運営されています。
0090 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:11:12ID:q9La0IhM


最初、このホームページを訪れてこの文面を読んだとき、光恵は、何をバカなと全く信じていなかった。
どうせ適当なレスが帰ってくるだけで、本当の目的はここに書き込まれる個人情報なのだろうと。
そう思いつつも、他人の秘密を除くというのは非常に興味をそそられるものがあり、
とりあえず、手近なレスをいくつか読んでいった。
レスを読んでいると、光恵はある有名な女性芸能人のことについて書かれているものを見つけた。
そのレスには、交際中の男性の子供を妊娠しており、もうすぐ結婚記者会見があると書いてあった。

「そういえば……」

光恵はニュースサイトを開き、芸能情報のリンクを開いた。
リンクを開いた先では、最近妊娠と結婚の発表を行った女性芸能人の話題が大半を占めていた。

「この人の名前と、このレスの名前、同じだ……」
0091 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:12:13ID:q9La0IhM

ニュースサイトにのっていた女性芸能人と名前と、秘密のレスに書いてあった女性芸能人の
名前が一緒だった。つまり、このレスの内容は正しいということだ。
そして、そのレスがあった日時は、記者会見が行われた日の1週間前だった。

これを見た光恵は、それでもまだ半信半疑だった。どうせその芸能人の所属事務所かマスコミの
中のやつが事前に情報を漏らしただけだろうと。
ほかのレスは、自分も知らないようなただの一般人の名前がずらずら並んでおり、
読んでも本当かどうかわからない内容ばかりだった。
しかし、それでも光恵は疑いきることができなかった。
どのレスを読んでも、必ずそのあとに『ありがとうございます』というレスがついていた。
すなわち、秘密に満足したから、感謝の印にアフェリエイトで購入したということだ。
なにより、女性芸能人の秘密は当たっていた。しかも、事実がわかる1週間前にレスは書き込まれていた。

「ためしに何か、書き込んでみようかな……」

とりあえずレスを書くだけならタダだ。もし秘密のレスがついても、アフェリエイトの購入は
強制ではない。満足しなければ、何も買わなくてもいいのだ。
半信半疑ではあったが、他人の秘密を知るという魅力に抗うことはできなかった。
光恵は、前々から気に入らないと思っていたある女生徒の名前を、その掲示板に書き込んだ。
0092 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 02:12:58ID:q9La0IhM

3日ほどのち、再びそのホームページを訪れた光恵は、自分のレスに返信があることに気付いた。
レスには、書き込まれた女生徒の父が経営していた会社が倒産し、もうすぐ一家が夜逃げすると書かれていた。

「はあ? なにこれ……」

光恵はがっかりした。なんだこれは。こんな非常識なことがそうそう起こるとはとても思えない。
やっぱり、この掲示板は誰かが適当に書いているだけなのだ。この前の女性芸能人のことも、
たまたま当たっただけに違いないと。
急に興味を失った光恵は、サイトを閉じ、ネットショッピングのページに戻っていった。

数日後、ホームルームで彼女は驚愕した。
あのサイトに書き込んだ女生徒が、転校したという話だった。
急なことだった。普通なら、事前に転校するという話があり、皆でお別れ会なりなんなりをするはずなのに、
そういった噂もないうちに、ひっそりといなくなっていた。
まさかと思い、転校した女生徒と仲の良かった友達にそれとなく聞いてみると、はたして、彼女の父が
経営していた会社が倒産したという話を聞かされた。
あの秘密のレスと同じだった。
あのレスに書いてあったことは、本当のことだった。
0093 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:02:07ID:q9La0IhM

「秘密の掲示板……、秘密のレス……」

自宅に帰った光恵は、ここしばらくアクセスしていなかったあのホームページを開いていた。

「ここに書いてあったことはほんとだった……」

ホームページを開いてまず彼女が行ったのは、そのページにあるアフェリエイトから
商品を購入することだった。
もともとネットショッピングをしていたから、とくに何の不都合もなく、
適当なショップから適当なアクセサリーを一つ買った。

このホームページのルール

『秘密を見て満足したら、このホームページのアフェリエイトから何か商品を買ってください』

秘密のレスは本物だった。どこのだれが運営しているのかはわからないが、
何か空恐ろしいものを感じていた。
もし、このルールに逆らったらどうなるか。光恵は、試してみようという気すら起こらなかった。


0094 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:04:23ID:q9La0IhM



そして、時間は現在に戻る。特にほしい情報もなかったので、今日は早々に掲示板を引き上げ、
いつもどおりネットショップのサイトを回っていた。
すると、あの時と同じように、突然画面にポップアップウィンドウが現れた。

「また? もうあたし知ってるんだけど……」

光恵がそのポップアップウィンドウを消そうとしたとき、
そこに書いてある文字に違和感を覚えた。
そのポップアップには、こう書かれていた。

『あなたの秘密買います』

秘密を買う。その言葉に興味を持った光恵は、ポップアップをクリックした。
すると、表示されたのはいつもと同じ、『秘密の掲示板』だった。
0095 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:05:35ID:q9La0IhM

「なーんだ。やっぱり同じじゃん」

掲示板の内容を読んでみても、さっきまで自分が読んでいた内容と同じだった。
たぶん、ポップアップの文字が間違っていたんだろうと思い、何気なくホームページの一番上にページを戻すと、

「あれ?」

ホームページのルールが、さっきまでと変わっていた。
0096 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 06:06:51ID:q9La0IhM


1.この掲示板に書かれているレスに、『秘密のレス』を返してあげてください。報酬をお支払いします。
2.レスの内容はなるべく詳しく書いて下さい。詳細な内容であるほど、より多くの報酬をお支払いします。
3.書き込みには誠実に対応してください。もしあなたの書き込みで問題が発生した場合、厳しく対処します。
4.このホームページは、あなたが書いた秘密によって運営されています。
0097 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:07:54ID:q9La0IhM

今まで見たこともないルールだった。
ルールを読むと、秘密を書けば報酬を払うと書いてある。
つまり、本当に自分の秘密を買ってくれるというわけだ。
光恵は、ブックマークに登録してあるいつもの掲示板を開いてみた。
すると、そこのルールはいつも通りの『秘密を売る』という内容だった。
あわててブラウザの戻るボタンを押して先ほどのページに戻った彼女は、今見ている『秘密を買う』ページも
ブックマークすることにした。

「でも、私が知っている秘密を聞きたがっている人っているのかな?」

今まで、この掲示板でいろんな秘密を買ってきたが、
自分が知りたい秘密がすでに書き込まれているということは一度もなかった。
つまり、自分の友人や知人の秘密を知りたいという人は、今まで一人もいなかったのだ。
0098 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:08:51ID:q9La0IhM

「私が知ってる秘密を売りたくても売れないないんじゃ、しょうがないなー」

まあ、もし秘密が売れなくてもそれはそれでしょうがないと半ばあきらめかけていると、
掲示板に新着レスが書き込まれた。
そのレスには、こう書いてあった。

『野崎高校2年D組 山原高子の秘密を教えてください』

そのレスをみて、光恵は息をのんだ。

「え、山原高子って、私の友達のあの高子? うそ……」
0099 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:11:29ID:q9La0IhM

今日、彼女の顔を見て馬鹿笑いをしていたあの女生徒の秘密をしりたいというレスだった。
友達の秘密を売る。さすがの光恵といえども、さすがにそれはできないかな、と思った。
しかし、あまりにもタイミングの良いレスだった。
自分が、秘密を売りたくても売れないと思った矢先のレスで、しかも、

「……でも、あいつ今日あたしのこと笑ったよね。むかつくから、書き込んでやろうかな」

光恵は、高子に腹を立てていた。
怒ってないとは言ったが、もちろん自分の顔を笑われて怒っていたのだ。
0100 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:12:25ID:q9La0IhM

「高子がはいているパンツは、高校生なのに、くまちゃんマークのお子様パンツですっと」

カタカタとキーボードを操作し、光恵は『秘密のレス』を書き込んだ。
以前、体育の着替えでいつも周りから離れて着替えていた高子のほうを見たとき、
たまたま目にしたことを思い出しながら。
隠れながら着替えているぐらいだから、たぶん本人も恥ずかしいのだろう。
秘密というには少し弱いかもしれないが、周りに隠しているという意味では、おそらく秘密になる。
それに、これくらいの秘密だったら、あまり気に病むことなく書き込むことができる。
掲示板を再読み込みし、自分の書き込みが反映されたことを確認すると、光恵はドキドキし始めた。
いつもは自分が秘密を買っていたのに、今日初めて他人の秘密を売った。
報酬がいくらかはわからないが、なにか達成感と優越感を味わっていた。

「なんだろうこれ。なんか、ぞわぞわする」

興奮冷めやらぬ様子の光恵は、とりあえず今日はすることはないと、
顔を紅潮させたまま布団に入るのだった。


0101 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:13:44ID:q9La0IhM



次の日。
光恵は学校に着いたとたん、いつもおしゃべりをしている友達から話しかけられた。

「ねえねえ知ってるー? 高子って、まだくまちゃんパンツ履いてんだってー」
「え……、うそ……」
「ちょっとーなにまじでビビッてんの? 確かに恥ずかしいけどーそんなに驚くことなくねー」
「あ……、ううん、なんでもないなんでもない、言ってる意味が分からなくて、理解するのに時間かかっただけ」
「あーそれひどーい。なんかあたしの言うことっていつも意味不明ってかんじじゃん?」
「ごめんごめん、そんなことないって、ほら教室いこいこ」

言葉では否定したが、光恵は心底驚愕していた。
昨日の今日にもかかわらず、自分の書き込みがすでに友達に知られていた。
いくらなんでも早すぎないか。そんな疑問が頭をよぎる。

ん? もしかしたら……
0102 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 06:15:00ID:q9La0IhM

「ところでさ。その話って誰から聞いたの?」
「え? だれだっけかなー、そうそう、隣のクラスの――」

どうやら、彼女があの掲示板に秘密を知りたいと書き込んだ張本人ではないらしい。
いつも抜けたような物言いをしているが、嘘は決してついたことがない。
言っていることは、たぶん本当のことだろう。
ということは、いったい誰がこの秘密を買ったのか?
考えても分かるわけのない疑問を、光恵はいつまでもぐるぐると考えていた。


0103 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:07:50ID:q9La0IhM



その日の夜。
自宅に帰りパソコンの電源をいれ、昨日秘密を売った掲示板に光恵は早速アクセスした。
するとパソコンの画面に、『ありがとうございます』とポップアップウィンドウが現れた。

「わ。やっぱり、あたしが書いた秘密が買われたんだ……」

ありがとうございますと書かれたポップアップをクリックすると、
パソコンの画面が切り替わり、『あなたの口座に報酬を入金しました』という文字が表示された。

「え……、まじ?」

急いで自分の銀行口座をオンラインでチェックすると、わずかな金額ではあったが、
本当に『秘密の掲示板』名義からの入金があった。
0104 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:08:58ID:q9La0IhM

「うわーなにこれ、ちょードキドキするんですけど」

光恵はいいしれない嬉しさと期待に満ちていた。
自分が書いた秘密が買われた。
それだけの事実で、彼女は舞い上がっていた。
そして、彼女の眼はホームページのルールの、ある一文に行きつく。

『レスの内容はなるべく詳しく書いて下さい。詳細な内容であるほど、より多くの報酬をお支払いします』

生唾を飲みこみ、喉が鳴った。
光恵は思う。もし、もっと過激でだれもが喜ぶような秘密を書き込んだら、いったい幾らもらえるのだろう。
最初に見たあの女性芸能人の秘密を書き込んだ人は、いったい幾らもらえたのだろう。
こうなるともう止まらなかった。
光恵は、自分が知っているありとあらゆる他人の秘密を掲示板に書き込んでいった。
なぜか、彼女が秘密を書きたいと思うと、その秘密を知りたいという書き込みが掲示板に新着していた。
普通に考えればタイミングが良すぎておかしいと思うはずだが、
舞い上がっている彼女はそんなことを気にも留めなかった。
知る限りの秘密を書き込み、その報酬を受け取り、彼女は『秘密の掲示板』に完全にのめりこんでいた。


0105 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:09:50ID:q9La0IhM


あれから数週間たった。
とうとう、彼女が知る秘密が底をついた。

「あー! もう書き込めることがないよ!! どーすればいいのよー!!!」

すでに目的と手段が入れ替わっていた。
光恵は、報酬目当てではなく、ただ他人の秘密を暴露するという快感に取りつかれ、
次々と『秘密のレス』を掲示板に書き込んでいた。
そして、その快感を得るための秘密がとうとうなくなったのだ。
一種の禁断症状とも言える不快な気分が、今、彼女に襲いかかっていた。

「どーしよう、なんかもうイライラしてたまんない。あーもうどーすればいいの」

あたまをかきむしりながら、光恵はどうすればいいどうすればいいとつぶやいていた。
もう、書き込むための秘密はない。新しい秘密を、どこかから見つけてこなくてはいけない。
しかし今、光恵に秘密をくれるような友人も、秘密を見つけられそうな場所のあてもなかった。
0106 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:10:53ID:q9La0IhM

「もう、こうなったら、これしか……」

そしてついに、光恵は禁断の方法に手をつけた。
すなわち、秘密のねつ造だった。

「どうせ、わかりゃしないわよ。あたしだって、今までこの秘密が正しいって分かったのほとんどないもの……」

そう。確かに、ここに書き込まれる秘密のレスの内容は、確かめようのないものがほとんどだった。
転校していった女生徒のように、後から本当だと分かるケースもないことはなかったが、
ほとんどのレスの内容は、いまだに真偽不明のものばかりだった。
それでも、その秘密を友達に話すと、だれもがその話に身を乗り出してきた。
皆が自分の話を興味を持って聞いてくれる。そのことがとても楽しく、また、えも言われぬ充足感を光恵に
与えてくれたため、今まで光恵は、秘密の真偽など気にしたことはなかった。
0107 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 07:11:48ID:q9La0IhM

「あたしが気にしないんだから、ほかのみんなだって気にするわけないでしょ。だから、きっと大丈夫……」

危険な思考だった。自分が気にしないから他人だって気にしない。
本当にそうであろうか。自分は気にしなくても、他の人は気にするかもしれない。
普通ならそう思うだろう。しかし、光恵はすでに正常な思考ができなかった。
秘密を暴露する快楽に取りつかれ、暴露する秘密がなくなり禁断症状に陥っている彼女は、
根拠のない自分と他人の同一視に身を任せ、踏み出してはならない道に踏み出していた。
光恵が掲示板の更新ボタンをクリックする。
すると、新着レスが書き込まれていた。
0108 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:12:34ID:q9La0IhM

『野崎高校2年E組 青木紀子の秘密を教えてください』

以前光恵が買った、二股をかけているという秘密の帳本人のことが書かれていた。
光恵は息をのむ。

「ちょうどいいじゃない。この女、前から気に食わなかったし。どうせなら、とんでもないこと書き込んじゃお」

そもそも、彼女の秘密を知りたいと思った理由が、ムカつく女だからというものだった。
ガリ勉委員長のくせに彼氏持ちで、しかも自分たちをバカにしてくる。
そんな女が二股をかけていると知った時は、飛び跳ねて喜んだものだった。
そして今、光恵は彼女の秘密を書き込む立場にいた。
0109 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 07:13:36ID:q9La0IhM

「ひっひっひ。そうよ、どうせなら、二度と立ち直れないぐらいひどい秘密を書き込んでやればいいのよ」

光恵が紀子の秘密を買い、それをクラスの友達に話して以降、紀子の様子は目に見えて落ち込んでいた。
どうやら、自分が話した二股の噂が周囲に広まり、それが彼氏の耳に入ったようだった。
光恵はざまあ見ろと鼻で笑っていた。
いつも自分たちをバカにしていた報いだ。自業自得だ。お前みたいなひどい女は、
そうやって落ち込んで黙っているのがお似合いだ。
あの秘密を知った後、光恵は、いつもより高額な商品をそのホームページの
アフェリエイトから買っていた。

「実は紀子は男好きで、彼氏と付き合う前から援助交際をしていた。しかも今、彼氏に冷たくされて余計にさみしいから、
学校の体育教師と浮気をして、彼氏に見せつけるようにいちゃいちゃしているっと」

根も葉もない話だった。
あまりにも幼稚で、愚にもつかない内容だった。
光恵はキーボードをたたき、自分の自己満足のためだけに、掲示板にとんでもないでたらめを書き込んだ。
そしてそれに満足し、レスが反映されたことを確認すると、早々に布団に入り、満足げな笑顔で眠りにつくのだった。


0110 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 21:07:11ID:q9La0IhM



次の日、晴れ晴れとした笑顔で登校した彼女は、教室の様子がおかしいことに気付いた。
ざわざわしているのはいつもと変わらないが、みな、一様に暗い顔をして話をしている。
いったいどうしたのだろうか。多少は気になったものの、昨日のことで非常に気分のよかった光恵は、

「ま、どうでもいっか」

と、我関せずいった風で自分の席に座った。
光恵が席に着いたとたん、いつも彼女とおしゃべりをしている友達が、彼女の周りに寄ってきた。
そして、口々にこう言った。
0111 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 21:08:12ID:q9La0IhM

「ねえ知ってる? E組の紀子が、自殺したらしいよ」

一瞬、言っている意味が分からなかった。

「はあ? 自殺? 誰が?」

光恵は、半笑いを浮かべたまま、ただ、そう聞き返すことしかできなかった。

「だからー、あの二股かけてた紀子が死んじゃったんだってー」
「なんでも、エンコーしてるとか、ガッコのセンセーと浮気してるとか噂流されて、ひどく落ち込んでたらしいよ」
「自分はそんなことしていないとか必死で否定してたらしいけどー、二股してたやつがいうセリフじゃないよねー」
「ぎゃはははは。わりーけど、なんかちょーうけるし」
「まーねー。で、それが原因で、ガッコの屋上から飛び降りたんだってさ」
「…………」
0112 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 21:09:14ID:q9La0IhM

光恵は言葉を失った。
紀子が自殺をした。いくらムカつく女だったとはいえ、自分の知り合いが死んだということはそれなりにショックだった。
しかし、それ以上に彼女を混乱させたのは、紀子が自殺した理由が、昨日自分が掲示板に書き込んだ
嘘の秘密と同じだったからだ。

「うそ……、だって私が書いた秘密はでたらめで、しかも書いたのは昨日で、それがなんで……」

光恵の視線は、宙を漂っていた。
明らかに狼狽し始めた光恵を見て、友達は不審に思いながらも、とりあえず彼女を気にかける言葉を口にした。

「ねえちょっと、大丈夫?」
「調子悪いんだったら、帰ったほーがいいんじゃない?」
「う、うん。ありがと、ごめん、今日私早退する……」

登校したばかりで早退もないだろうが、手早く帰り支度をした光恵は、
何かを探るような友達の視線に見送られ、教室を後にした。


0113 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 21:10:07ID:q9La0IhM



息を切らし、学校から走って家に帰ってきた光恵は、部屋に飛び込むと同時にパソコンの電源を入れ、
『秘密の掲示板』にアクセスした。
頭は混乱の極致にあった。いったいなぜ、昨日の書き込みがすでに皆に知れ渡っていたのか。
しかも、書き込んだ秘密の帳本人が自殺してしまった。
自殺の理由は、明らかに自分が書き込んだでたらめな秘密のせいだった。
わけがわからなかった。自分が、何に巻き込まれているか全く分からなかった。
とにかく、掲示板だ。もしかしたら、そこに何か答えが書いてあるかもしれない。
光恵は、わずかな希望にすがりつくかのように、真偽の分からぬはずだった掲示板を開いた。
画面に掲示板が表示された。すると、それと同時にポップアップウィンドウが目の前に現れた。
0114 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 21:11:15ID:q9La0IhM

「やっぱり」

なにがやっぱりなのか、光恵自身にも分かっていなかったが、
いつもと違う変化が掲示板に表れているのをみて、なぜか安心感を覚え、思わず言葉を口にしていた。
しかし、その安心感は、ポップアップの文字を呼んですぐに吹き飛んでしまった。

『あなたは、当掲示板において重大な違反を犯しました。したがって、ルールに則り、あなたを厳罰に処します』

もう、なにがなんだか分からなかった。
なぜ、自分が罰せられるのか。そもそも、自分が書き込んだ秘密のせいで、本当に紀子は自殺をしたのか。
だって、おかしいじゃないか、自分が書き込んですぐに自殺するなんてありえない。
どうして、どうして。
光恵の考えは支離滅裂だった。論理も何もあったものではなかった。
すでに思考からくさびが外れていたが、次に表れたポップアップを見て、
彼女の思考は完全に現実から滑り落ちた。
0115 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 21:12:16ID:q9La0IhM

『あなたの秘密売ります』

あなたの秘密を売る? 買うじゃなくて? あなたに売るでもなくて?
意味が分からない。なにこれ。なにこれ。なにこれ。

ポップアップが消えた。そのとたん、猛烈な勢いで掲示板に新着レスが書き込まれ始めた。
自分の秘密を売るという文字の意味を考える間もなく、次々に掲示板に新しいレスが現れる。
所在なくそのレスを眺めると、そこには、信じられないことが書いてあった。
0116 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/20(水) 21:13:19ID:q9La0IhM


『光恵の家庭は最悪。親父はDVで母親は麻薬中毒。光恵自身も頭が狂ってるんだって』
『2年D組のみーんな光恵のことが嫌いです。だって、私もあいつ嫌いだから無視してるし』
0117 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 21:14:27ID:q9La0IhM

表れるレス全てが、光恵のことについて書かれているレスだった。
しかも、その内容は明らかに嘘だった。
自分自身のことだ。それが本当か嘘か分からないはずがない。
もう、どうすればいいか分からなかった。なぜ、こんな事態になったのか、考えもつかなかった。

「なんでーーー!!! どうしてーーー!!! 私が何をしたっていうのーーー!!!!!」

光恵の大声が、家中に鳴り響いた。
常人では出せない奇声で叫ぶ光恵の声は、いつまでもいつまでも家中をコダマしていた。


0118 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 21:15:38ID:q9La0IhM




「ねえ、知ってる? D組の光恵って子、なんか頭狂って入院しちゃったんだって」
「あー知ってる知ってる。なんか、自殺した子の原因に関係してたって噂もあるよ」
「なんかキモいよねー。むしろ、入院してくれてありがとうって感じじゃない?」
「そうかもそうかも。そうだ、ところでさー、C組のあの子のうわさ、知ってる? なんか――――」


0119 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/20(水) 21:17:01ID:q9La0IhM
軽くネタにするつもりがとんでもないことに……。
世にも奇妙な物語は、SMAP特別編が割と好き。
またね。
0121 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/22(金) 23:32:50ID:/QOHl4d9
即興10レスぐらいでまとめるつもりが、どうしてこうなった。
正直、広げすぎた感はあります。今はちょっと反省している。
というわけで、軽めのいっきまーす。


【特徴】
趣味がクイズ、
怒りっぽい、
頑張ってもトップになれない

13レス投下します。

0122 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/22(金) 23:37:36ID:/QOHl4d9

女「問題です! じゃじゃん!」

男「なんだよいきなり」

女「上は洪水、下は大火事、なーんだ!」

男「風呂」

女「はい! 男くん正解! 10ポイント!」

男「なんのこっちゃ」
0123 ◆31cZ/2c.Zk
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2010/10/22(金) 23:41:59ID:/QOHl4d9

女「では続いて第2問!」

男「えっ、続くの?」

女「トマトとナスとキュウリを積んだトラックがカーブで落としました。何を落としたでしょうか?」

男「ん〜……、ん?」

女「制限時間30秒です」チクタクチクタク

男「んー……、トマト?」

女「理由を答えてください」

男「えーっと、なんか、転がりそうだから?」

女「ぶぶーっ! ぶーぶぶーはーずれー!!!」

男(うざっ)

女「正解はスピードでしたー!! 男くんがはずれたので、私に10ポイントですっ!」

男「あっそ」
0124 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/22(金) 23:46:44ID:/QOHl4d9

女「では第3問!」

男「まだやるのかよ……」

女「パンはパンでも、食べられないパンってなーに?」

男「はいはい、ぱんつぱんつ」

女「ちょっと! 男くん真面目にやってよ!!!」

男「うるせーないちいち怒鳴んなよ」

女「もー!! 男くんがちゃんとやってくれないと楽しくないでしょっ! はい、ちゃんと答えて!!」

男(めんどくせーなー……)

女「はいあと10秒!」

男(いいや、このまま黙って終わらせちまお)

女「3……2……1……、はーい時間切れー! 正解はフライパンでしたー!!」

男(はいはい、終わり終わり)

女「男くんが答えられなかったのとセクハラをしたので、私に50ポイントですっ!!」

男(ずるっ)
0125 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/22(金) 23:49:54ID:/QOHl4d9

女「それでは次の――

男「おい! まだやるのかよ!」

女「えー? クイズ楽しいじゃーん、やろーよー」

男「もういいよ、飽きた」

女「えーー? つまんなーい!!」

男「だーもう、じゃあこれで最後! 最後の問題にしてくれ」

女「ぶー。じゃあじゃあ、最後の問題にするから、ちゃんと答えてね」

男「わかったよ」

女「ちゃんとだよ、絶対だよ、答えてくれないと終わらないからね」

男「あ゛ーもう! わかったよちゃんと答えるよ!」

女「約束する? ゆびきりげんまん?」

男「はいはい、約束します」

女「じゃあはい、ゆーびきーりげーんまーん」

男「……ゆびきりげんまん……」

女「うーそつーいたーらはーりせんぼんのーます、ゆーびきった! よし!」

女「それじゃあ最後の問題です!」

男(やれやれ……)
0126 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/22(金) 23:53:15ID:/QOHl4d9

女「じゃじゃん! 最後の問題は、男くんに関する問題ですっ!」

男「えっ、俺?」

女「男くんはきちんと答えてくれると約束してくれました。なので、ちゃんと答えてくださいねっ」

男「……」

女「たぶん、とても答えづらい問題だと思いますが、しっかり考えて、きちんと答えてください」

男「どんな問題だよ……」

女「なお、難しい問題なので、正解したら100ポイントです! これでいっきにトップですねっ」

男「ったく、いいから早く言えって」

女「もー、そんなにせかさないの! 私だって心の準備とかいろいろあるんだからっ」

男「はあ?」

女「それじゃいくよ! 問題っ!!」
0127 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/22(金) 23:58:41ID:/QOHl4d9




女「わたしは、男くんが大好きですっ!!!」


0128 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:02:46ID:/QOHl4d9

男(!!!!!?????)

女「大好きだからいつもこうやって一緒に遊んでいるのに、男くんはちっとも仲良くしてくれません!」

男(ななななな)

女「そこで男くんに問題ですっ! 男くんは! わたしのことが好きですか!! 嫌いですかっ!!!」

男「………」

女「制限時間はありません! ちゃんと、ちゃんと答えてくださいっ!!」
0129 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:06:50ID:6EpAqRUH

男「………」

女「うう〜〜〜〜!!!!!」

男「………」

女「ん〜〜〜!! もう! 早く答えて!!」

男「……制限時間ないんだろ?」

女「そうだけど! でも! ねっ!!」

男「………」

女「んもう! 早く〜!! 心臓ドキドキして爆発しちゃいそうなの!!」

男「……じゃあ、わかった、答えます」

女「!! はいっ! それでは男くん答えをどうぞ!!!」

男「……おれは、」

女「うんうん」

男「……女のことが、」

女「どきどきわくわく」

男「……ずーーっと前から、」

女「きゃーーー!!!」
0130 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:10:32ID:6EpAqRUH




男「きらいです」


0131 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:14:07ID:6EpAqRUH

女「………えっ」

男「え?」

女「え、えと、ふ、ふぁいなるあんさー?」

男「……ファイナルアン――

女「あー! まってまって!!」

男「なんだよ……」

女「えとほら、オーディエンスとかテレホンとかフィフティーフィフティーとかあるよ? 使わないの?」

男「使わねーよ。つか、使うとどうなんだよ」

女「えと、オーディエンスはわたしで、『好き』のスイッチを押します」

女「テレホンの相手もわたしで、いかに男くんが好きか語ります」

女「それで、フィフティーフィフティーを使うと、『嫌い』の答えが消えます」

男「意味ねーじゃんそれ、答え丸わかりじゃん」
0132 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:17:56ID:6EpAqRUH

女「そ、そうだよ! そうだよ!! だから、男くんはハズレなんだよ!」

男「………」

女「答え変えるなら変えてもいいよ! ほら、正解したら100ポイントだよ、優勝だよ!!」

男「………」

女「……ほんとに、ほんとにいいの? ふぁいなるあんさーなの?」

男「………」

女「………」グスッ

男「……問題です」
0133 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:21:16ID:6EpAqRUH

女「え?」

男「さっき俺は、うそをつきました。なぜかというと、恥ずかしいし、照れ臭かったからです」

女「え? え??」

男「さて、では俺は、いつどんなうそをついたでしょうか」

女「……わたしのことが、きらいってとこ?」

男「即答かよ。ん、でも、正解です」

女「えっえっ、じゃあじゃあ!」

男「さっきの答えを訂正します。俺は、女のことが好きです。大好きです」

女「……………」

男「ずっと前から、大好きです……」

女「……………」

男「ファイナルアンサー……」

女「……………」

男「……おーい、聞いてるか?」
0134 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:26:17ID:6EpAqRUH

女「〜〜〜!!! やったー!! せいかいっ! だいせいかいっ!!!」

男「うおっ! ちょ、いきなり飛びつくなって」

女「正解した男くんに100ポイント! 優勝ですっ!!」

男「こら、抱き着くな離れろ恥ずかしい」

女「やだもん! はなれないもん! だって男くんは優勝したんだもん!」

男「優勝したらなんなんだよ」

女「優勝したら賞品がもらえるんだよ! だから今、男くんは賞品をもらってるんだよ!」

男「もしかしてその賞品って」

女「はい! 優勝賞品は、わたしですっ!!!」
0135 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/23(土) 00:27:30ID:6EpAqRUH
頑張ってもトップになれない⇒頑張ったからトップになれない
ということで。

読むにも書くにも、こんくらいハッピーだと気持ちいい。
んでは。
0137創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/25(月) 18:08:14ID:8h2sxMZv
>>83
お題サイトのアフィリエイトね、総菜買いましたよ
0138 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:30:57ID:ffipvmNL
よっし!投下だ投下だ!

【特徴】
一目惚れが多い、
ぼーっとすると眉毛を触る(抜く)、
異様に長い髪

10レス投下します。

0139 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:34:28ID:ffipvmNL



きーんこーんかーんこーん ブチッ


きーんこーんかーんこーん ブチッ



ブチッ



ブチッ

0140 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:38:12ID:ffipvmNL

女「男〜、そろそろお昼ご飯食べにいくよー」

男「んー、んーーーー」ブチッ

女「あんた、また眉毛抜いてんの?」

男「ん? おお……」ふっ

女「ちょ、ちょっと! やだ、机にたまった眉毛こっちに飛ばさないでよ」ぱっぱっ

男「あー、ごめんねー」ブチッ

女「もー、いつまでそうやってぼーっとしてんの? ほら行くよ! 学食混んじゃう」

男「おー……」
0141 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:42:58ID:ffipvmNL

男「はー……」ブチッ

女「で、今度は誰に振られたの?」

男「んー、3年の先輩」

女「きっかけは?」

男「階段のところで、ちょっとぶつかった時。先週」

女「告白したのは?」

男「昨日、先輩の教室の前で」

女「振られた時の言葉は?」

男「『はあ? あんた誰? ていうか髪長すぎ、キモッw』」

女「ふーん、ま、いつも通りか」

男「はー……」ブチッ
0142 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:46:23ID:ffipvmNL

女「いい加減、振られるたびに落ち込んで、そうやって眉毛抜くのやめたら?」

男「落ち込んでるんじゃなくて、ただ無気力なだけなんだけど……、はあ、もうやだ」

女「やっぱ落ち込んでんじゃない。ていうかね、あんた惚れっぽすぎんのよ。今月だけで何人に告白したと思ってんの?」

男「えーっと……、先週は後輩の子で、先々週はB組の子で……、あ、C組の子にも告白したっけ。あと……」

女「ほんっと節操ないわよね。ちょっとは自重ってもんを覚えなさいよ」

男「んなこと言われてもさー、好きになっちゃうのはしょうがないしー」

女「だからってね、一目惚れして即告白とか、どんだけよ。そんなの失敗して当たり前じゃない」

男「好きになるとですねー、止まらなくなるのですよ、まあ色々と」

女「止まりなさい。そして、少しは考えなさい。そのうち、あんたの眉毛なくなっちゃうわよ」

男「んー、善処します」
0143 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:50:56ID:ffipvmNL

女「それよりもさあ、そのうっとうしいくらい長い髪、そろそろ切ったら?」

男「これ? これはー、んー、母さんの遺言で切っちゃいけないことになっててー」

女「切ったら少しはもてるかもよ?」

男「んー、でもー」

女「……遺言? あれ、あんたのお母さん、生きてるわよね」

男「生きてますがなにかー」

女「ちょっと、なに嘘ぶっこいてんのよ」

男「うそってなにがー」

女「髪を切らない理由よ。お母さんの遺言とか言って勝手に死なせるなんて、親不幸もいいとこだわ」

男「あー、それは今の母さんじゃなくて、俺を生んでくれた本当の母さんの遺言だからー」

女「嘘よね」

男「うそですー」

女「ほんとの理由は?」

男「床屋行くのがめんどくさいんですー」

女「…………呆れて何も言えないわ」

男「うー……」ブチッ
0144 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 21:57:33ID:ffipvmNL

女「」ぱくぱく

男「はー……」ブチッ

女「」もぐもぐ

男「………はあ」ブチッ

女「早く食べないと、お昼休み終わっちゃうわよ」

男「んー……」

女「あんたのご飯、眉毛入りよ」

男「うげ……」

女「ほら、ふーしてさっさと食べちゃいなさい」

男「ふー。………ん、とれた。……あっ」からんからん

女「どじ。ヒジぶつけておはし落としてんじゃないわよ、間抜けね―」

男「うう、ひどい……」
0145 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 22:02:14ID:ffipvmNL

女先輩「あの、これ落とされましたよ」

男「あ……、あの、はい、すいません……」

女先輩「気をつけてくださいね、それでは」すたすた

男「……………」ぼーっ

女「………」ぱくぱく

男「……恋って、突然やってくるものですよね」

女「………」もぐもぐ

男「ああ……、俺は、運命の人に出会ってしまった……」

女「………」ごくごく

男「決めた。俺、あの人に告白してくる!」がたっばたばたばた……

女「…………ふんっ」
0146 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 22:06:33ID:ffipvmNL



きーんこーんかーんこーん ブチッ


きーんこーんかーんこーん ブチッ



ブチッ



ブチッ

0147 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 22:10:04ID:ffipvmNL

女「男〜、そろそろ帰るよー」

男「………」ブチッ

女「いやー、今回は早かったわね、一目ぼれから振られるまで。最短記録更新じゃない?」ニコニコ

男「………」ブチッ

女「まあ綺麗な人だったもんね、焦るのも無理ないか。早く告白しないと取られちゃうーみたいな?」ウキウキ

男「………」ブチッ

女「それにしても誠実な返事だったわね〜。あんたの告白聞いて、微笑みながらさ〜」

女先輩『あなたのお気持は嬉しいのですが、初対面ですし、申し訳ありませんがお断りさせてください』

女「だって。今までで一番丁寧だったと思うわよ。よかったじゃない、いつもみたいに邪険にされなくて」ニカッ

男「……なんか、ずいぶん嬉しそうだけど。なんで?」

女「え? 嬉しいっていうか、楽しい? いやほら、やっぱり他人の不幸は蜜の味っていうじゃない、ね?」

男「………ぶう」
0148 ◆31cZ/2c.Zk
垢版 |
2010/10/25(月) 22:14:11ID:ffipvmNL

女「でもこれでわかったでしょ。一目惚れはいいけど……あんま良くないけど、告白するのが早すぎなのよ」

男「……言われなくたって分かってるよ」ぼそっ

女「まずはお友達になって、お互いのことを知りあって、それから告白しないと成功しないわよ」

男「……わかってますー、だから今、実践してるんですー」ぼそぼそ

女「ちょっとお、さっきから何ぼそぼそしゃべってんの? それよりほら、早く帰ろっ」ぱたぱた

男「……何度告白の練習をしても、なかなか本番に挑む勇気がわかないんだよなー……、はあ」

女「えーなに? きこえないよー!」

男「なんでもないですー。教室の入り口で大声ださないでくださーい」

女「男がぐずぐずしてるのが悪いんでしょー! ほら早く行くよー」

男「はあ。俺が本当に一目惚れしたのは、誰かさんだけなんだけどね」

女「ちょっと男、はーやーくー!」

男「はいはい、今行くよー!」
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