【ひぐらし】こちらスネーク 雛見沢村に潜入した6
■MGSのスネークが雛見沢に来たら……という二次創作(ネタ)スレだ。
単発TIPS・短編・長編構わず投稿してくれ。
※同人ゲーム板より移転致しました。
テンプレは>>2-4
■過去ログ■
(初代〜4スレ目は同人ゲーム板です)
こちらスネーク 雛見沢村に潜入した
ttp://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1144941095/
こちらスネーク 雛見沢村に潜入した2
ttp://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1175824936/
こちらスネーク雛見沢に潜入した3
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1194857842/
【ひぐらし】こちらスネーク雛見沢村に潜入した4
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1210075518/l50
■まとめwiki■
ttp://www29.atwiki.jp/sne_hina
■したらば■
※ネタバレ注意!
こちらスネーク、雛見沢に潜入した職人様用掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10902/
(職人様用掲示板とありますが、ネタバレおkな人は職人じゃなくても大丈夫です)
【本編ストーリーについて】
※本編はキャラ予約制のリレー方式なので、誰でも好きなように続きを書けます。
※続きを書きたい職人さんは「○○と○○予約します(○=キャラ名)」と宣言して下さい。
※登場が未定、または回想シーンのみなどのキャラには( )をつけて下さい。
例:スネーク、梨花、(羽入)予約します」
※( )付きのキャラ以外、予約を重複させないで下さい。
例:A「スネーク+部活メンバー予約します」
B「スネーク、オセロット、忍者予約します」 と予約が重なった場合は、早い者順となりAの方の予約が優先されます。
※他の職人の展開によって予約して執筆していた分が使えなくなった場合、「予約を破棄します」と宣言して下さい。
※本編職人が、予約した日から、二週間以上も続きを更新しない場合、あるいは予約解除の宣言がない場合、
自動的に予約が解除されます。 その場合、再び募集となります。
※本編職人さんは必ずトリップを付けて下さい。第三者による脱退宣言の成り済ましを防ぐ為です。
■「スネークと圭一達が球技で対決」する話を書いて欲しい等、要望を書き込むと、職人さんが興味を持って書いてくれるかも?
創作のヒントにもなるのでどんどん書き込んでOK
■本編以外の短編・長編について■
※「他人の作品」の続きを勝手に書かない。どうしても書きたい場合は作者さんに許可を申請して下さい。
※「他人の作品」の設定を借りた外伝は許可。
一応「○○の設定を借りました」と一言付けたほうが良いかも。
※「他人の作品」の設定を一部借りて(スネークが教師として潜入など)新しく長編・短編を書く事も許可。
※職人さんはトリップを着けることをお勧めします。トリップについては下記を。
■トリップについて■
名前欄に、ダイヤのマークと数字とローマ字の羅列を表示させて簡単に本人(自分)を証明するシステムです。
書き込む際の名前欄に、@#A(@に名乗りたい名前を、Aは自分が覚えやすい文字)を入力して書き込むと、#が◆に変わり、Aは数字とローマ字の羅列に変換されます。
【例】
オヤシロ様#メタルギア
↓
書き込むと……
↓
オヤシロ様◆s7Li6JIQiW
※注意※
上記のAの文字は、毎回トリップを着ける為のパスワードです。
他人に教えたりしないで下さい。
第三者にバレてしまった場合は、違う文字を入力して下さい。
■荒らし、基地外など■
荒らしは絶対スルー。
荒らしはかまってもらいたいだけなのです。煽りもだめ。
荒らしに反応するあなたも荒らしかも?
基地外を見かけたらNG登録推奨。
★現在、本編ストーリーの続きを書いてくれる職人さんを募集中です。
今までのストーリーはテンプレ内にまとめwikiがあるので参考にして下さい。
★現在【CQC体育編】と【ダンボール殺人事件】を書いてくれる職人さんを募集中です。
▼【CQC体育編】は、スネークが雛見沢分校の教師として潜入中という本編設定を借りています。
スネークが体育の授業で生徒達や圭一達にCQC(軍事式近接格闘術?)を教えるというネタです。
特にそれ以外決まっていないので、後は職人さんが自由に題名(○○し編とか)や内容を考えて構いません。
▼【ダンボール殺人事件】はスネークが雛見沢校の教師として潜入中という本編設定を借りています。
雛見沢で、ダンボールに詰められた死体が発見され、ダンボールの持ち主であるスネークに容疑(重要参考人?)が掛かります。
死体が発見された日にはスネークは行方不明になっていて、更に疑わしい状況のようです。
それ以外は何も決まっていないので、後は職人さんが自由に題名(○○し編とか)内容を考えて構いません。
┌─────┐ .┌────────┐ .┌──────┐
│ 書き込む .│名前:│ .│E-mail:│sage │
└─────┘ . └────────┘ .└──────┘
._____
./ / ./|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . .l_
/|スネーク .|/ ./<ガサッ・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄o
○
(大丈夫だ・・・メル欄にsage)
(と入れておけば誰にも見つからない・・・)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Q&A
オリスクないの?
・2007年頃、デザフェまでうpされましたが流れました。 その後、本編職人氏が新規にちょくちょく作っています。
ttp://hangyodori.hp.infoseek.co.jp/の「アップロード掲示板」から探してダウンロードしてください。
現在、6月17日まで収録されています。
書きたいけど、時系列とか展開とかワカンネ
・したらば(職人様向け掲示板)にGO
つttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10902/
投下したいけど規制されたor感想言いたいけど規制中
・「職人様向け掲示板」とありますが、したらば(ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10902/)内の
「【規制中専用】投下・感想スレ」に書き込んで下さい。
このスレッド以外には、先の展開のネタバレが書き込まれているので閲覧には注意して下さい。
また、(本編)職人が規制中の時に作品が投下されている可能性があるので、
その時は規制されていない方に代理投下をお願いします。
知恵先生の扱いはどうなるの?
・元ネタ(月姫)知らない人でも分かる程度に、ほどほどに。
(現時点では傍観者という設定です)
なんでオセロットとかリキッドが一緒に存在するの?リキッドは死んだんじゃないの?
これってMGS2の前なの? 後なの? つうか鷹野達は(ry
・読み進めれば分かります、今後の展開を待っていてください。
「歪んだ世界」という設定ですので、wikiにある矛盾したSS等は「繋がらないカケラ」扱いとなります。
テンプレ以上。
>>1を修正します
■過去ログ■
(初代〜4スレ目は同人ゲーム板です)
こちらスネーク 雛見沢村に潜入した
ttp://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1144941095/
こちらスネーク 雛見沢村に潜入した2
ttp://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1175824936/
こちらスネーク雛見沢に潜入した3
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1194857842/
【ひぐらし】こちらスネーク雛見沢村に潜入した4
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1210075518/
【ひぐらし】こちらスネーク 雛見沢村に潜入した6
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1286116792/ 大変遅くなって申し訳ありません。
2ch側の不備で前スレが消えたとはいえ、すぐに対策を取らなかった私にも非があります。
したらばに投下するなり何なり出来たはずですが、ずるずると引きずって来てしまいました……。
それでも待っていてくれた皆さんに感謝と謝罪の気持ちを込めて投下します。
連投規制がかかったらぶつ切りになってしまうかもしれませんが、ご了承下さい。 研究区は、居住区と様子が異なっていた。
居住区は無骨な作りであったのに対し、研究区は診療所や病院のように清潔な作りとなっている。
ただ、巡回兵がいる事は同じだった。
人の気配は、居住区の時より多い。おそらく、この時間帯でも「研究」をしているから、研究者達がいるのだろう。
場所は変われど、潜入の基本には変わりがない。
慎重に、かつ何が起きても素早く対応出来るように、俺はゆっくりと進み始めた。
◇
いくつかの通路を曲がり、部屋を横切り、広間を抜けると、エレベーターがあった。
あれで下まで行けそうだ。一旦中層で降り、武器を手に入れ、それから開発区に向かう。
今後の方針を決めた所で、俺は地面を蹴って走り出した。
足音に気づいた兵士が振り返る。それとほぼ同時に兵士の首もとをつかみ、地面へと叩きつけた。
兵士はぐったりとして動かなくなった。体を引き摺って、物陰に隠す。弾倉をいくつか頂戴した。
エレベーター前には、見張りがいなかった。広間にいるのはこの兵士だけだったようだ。
若干不審に思いつつ、エレベーターに近寄る。トラップやセンサー類、監視カメラの類は見あたらない。
――これまで、どの階でもエレベーター付近には見張りがいた。
だがここには誰もいないし、何も無い。……嫌な予感がする。
辺りに気を配りながら、ボタンを押す。普段通りなら、少し待てばエレベーターが到着する――はずだった。
エレベーターが動いていない。動いている気配がしない、と言った方がいいのだろうか。
何度かボタンを押したが、作動音すら聞こえなかった。
……以前、シャドーモセス島でも似た状況があったな。
ため息をついて、エレベーターから離れた。
とにかく、別ルートを探そう。
任務に苦難は付きものだ。最初から上手く行くわけではない。
気持ちを切り替え、別の通路に向かおうとした所で通信が入った。 『ようスネーク。調子はどうだ?』
「桜花」の「父親」であるディープスロートからだった。
『……まずまずだな。今、研究区に入った所だが、エレベーターが作動しなかった』
『作動しない……? 変だな。そこのエレベーターは設定を弄っていないんだけどな』
『そういうこともある。出来れば別ルートを教えてくれると助かるのだが』
それならお安い御用さ、と彼は快諾し、口頭でルートの説明を始めた。
少し離れた所に階段があるらしい。
普段はあまり使われていなく、敵と鉢合わせる可能性も低いそうだ。
『それでも、警備が全くされていないって訳じゃないけどな。ただ、これだけ広いと人手が足りなくなる。
だから監視カメラやらセンサーやら、そういった類のものはあるだろうな』
『そのぐらいなら問題は無い』
『それと警備が強化されているとしたら、サイファーが飛んでいるかもしれない。気をつけろよ。
あと……、……まあさすがに“アレ”は無いか』
『……何の話だ?』
『確か開発中の、人間の思考を搭載したAI兵器がいくつかあるらしいが……完成したかどうかも分からないし、
していたとしても、誰も使わないような階段に配備はされないさ。今の話は忘れてくれ』
忘れてくれ、と言われても記憶に留めておくべき事柄だろう。
AI兵器がどの程度の脅威になるか分からないが、用心するに越したことは無い。
『お前は今何をしている?』
『ちょっと上の方に用事があってね。無事会えればすぐ終わるさ』
『誰かを捜しているのか?』
『まあ、そんな所だ。あんたには……関係あると言えばあるが、今は関係無いって事にしておいてくれ』
……相変わらず、何を考えているか読めない奴だ。そもそも、この男は正体すら未だに分かっていない。
これ以上聞いても無駄だと判断し、ディープスロートから聞いたルートを頭にたたき込んで、階段へ向かうことにした。
階数は決して短くない。
時間がかかりそうだが、……今は子供達の無事を信じつつ、一歩一歩着実に進むしか無かった。 ◇
――人が、斃れていく。
ある者は手足を切り落とされて。
ある者は銃弾を全身に浴びて。
……ある者は、何が原因で斃れたのか分からないほどに、ぐちゃぐちゃになって。
むせ返るような血の臭い。怒号と悲鳴。銃声。
……今日の昼頃から遭遇しっぱなしの、こんな異常事態の連続に…………私の感覚は、すっかり麻痺していた。
私と悟史くんを捕まえている奴らが何を目的として、戦っているのか。
奴らを相手にしている兵士たちは何を守ろうをして、戦っているのか。
私はそれすらも知らないのに……、目の前の惨劇を、見ているしかない。
今確実に分かるのは、私がいる場所が鬼ヶ淵沼の地下にある、謎の施設だと言うこと。
それと、……私の背中にいるのは、間違いなく彼――悟史くんだと言うこと。
……この場所では、生と死が隣り合わせだと言うこと。
それぐらいしか、分からなかった。
「……クリア。……くすくす、みんなお疲れ様。…………先に進むよ」
さっきの女の人が、兵士たちに声をかける。彼女が持っている鉈は赤く染まっていた。
……いつの間にか戦いは終わっていたらしい。
座り込んでいた私は、無理矢理立たせられる。銃を突きつけられ、また歩かされることになった。
その様子をみて、彼女はまた――くすりと笑った気がした。
さっきの光景がフラッシュバックする。
私の首を絞めている悟史くん。
銀色の閃光。月明かり。嘲笑っていた彼女。
ぐるぐる、ぐるぐると、さっきの光景が頭の中でまわる。
――殺されちゃっても、知らないからね。
「…………っ!!」
背筋に寒気が走り、担いでいた悟史くんを落としてしまいそうになった。
兵士達は私の様子を見て、「何をしている」と銃で小突いた。
崩れ落ちかけた膝に力を込めて、私は何とか立ち上がることが出来た。
――しかし、一度頭に浮かんだ不安は拭えなかった。
さっきの女の人の言葉。悟史くんの行動。
……悟史くんは、私を――殺そうとしている?
そうだったらどうしようと思って、動悸が激しくなり、全身に汗がにじんでくる。
喉と手首のかゆみが、いっそう強くなる。
……もしかしたら、悟史くんはまだ園崎家のことを恨んでいて。
私をずっとずっと目の敵にしていて……、それで私を殺そうとしたの?
悟史くんに正気が無いように見えるのは、……私の思い過ごしで、………悟史くんは、私を殺す機会を伺っているの?
だからさっきは、……二人きりになれて、周りには誰もいなくて……チャンスだったから、私を絞め殺そうとした…?
……私は、自分を殺そうとしている人を、必死で守っている……?
それが滑稽に見えるから、あの人は、私達を見て笑って――――。
――違う! 悟史くんは、そんな事は思ってない!
首を強く左右に振る。
……私が、悟史くんを疑うなんて。最低の事だ、と思った。
こんなどうしようもない状況で、よりにもよって私が悟史くんを信じないならば……私は、何も信じることが出来ず、疑心暗鬼に取り憑かれてしまうだろう。
……悟史くんの様子がおかしいのは、おそらく奴らのせいだ。悟史くんが望んで、こうなった訳じゃない。
さっきの行動だって…………、きっとそうだ。あんなに優しかった悟史くんが、進んで手を染めるようなことはしない。
それに。
私が彼を信じなかったとしたら、誰が彼を信じるんだろう?
リキッドって奴もマチェットっていう人もオセロットも、悟史くんを道具か何かのようにしか見ていない。
悟史くんは道具じゃない。……私が必ず守りぬく。そして、……一緒に沙都子の所に帰るんだ。
その時は、……みんなで笑いあえるかな。
沙都子は喜んで兄の帰りを迎えて、……悟史くんも正気に戻って、はにかんで。
『約束を守ってくれてありがとう、詩音。…………ただいま』って、言ってくれるかな。
……その未来を見たいから。悟史くんと沙都子にも、見せてあげたいから。
私は戦う。絶対に、助かってみせる。
悟史くんを疑うなんて事……、二度とするもんか! とりあえず以上です。
あと2、3回投下したら、話がぐぐっと大きく動きます(予定です)。
無線ばかりのスネークパートにも終わりを告げられるはず……!
今後、規制等の理由が無い限り、無断で一週間以上スレを空けることを無くします。
一週間本編による書き込みが無かったら、したらばの規制中専用のスレをご確認下さい。
そこにも書き込みが無かったら、「何やってるんだゴルァ」と急かして下さって構いません。
長い間投下出来なくて、本当にすみませんでした。
完結に向かって努力・精進して行きますので、これからもよろしくお願いします。ノシ >>13
うぉおおお乙でした〜
これからもがんばって下さいな。 >>13
復活オメノシ
もう消えたかと半ば諦めてました こっちにスレ経ってたのか
随分続いてるんだな。いつの間にかリレーになってるし。
スネークがシエルにビビりまくってた辺りで止まってたな 私達は、研究区と呼ばれる場所に侵入した。
ジョニーの報告からして、ここら辺にスネークがいる可能性が高い。
手分けして、今まで以上に慎重に探さなければいけない。
もう一回、戦力が均等になるようにくじを引いて、二手に分かれて探すことにした。
今度は、富竹と入江も一緒にくじを引いてもらった。
二人の用事はもう済んだらしく、入江たちが襲われたこともあったので、合流することになった。
「はいはーい! くじは引けたかな? それじゃチームごとに別れよう!」
魅音の号令で、今度は三チームに分かれる。
“みんみんぜみ”は、レナ、羽入、ジョニー。
“つくつくぼうし”は、圭一、沙都子、入江、赤坂。
“ひぐらし”は、魅音、私、富竹という構成になった。
さっきまであった“あぶらぜみ”の名前はなぜか使われなかった。
そういえば、先ほどチーム決めをする時、赤坂と魅音が何か話していた。
……“あぶらぜみ”に何かあったのかもしれない。ゲン担ぎ、ということでその名前を避けたのかもしれない。
兵士と山狗の警護については、以前と同じだ。
何名かは負傷してしまって戦えないけれど、さっきよりまとまって行動しているので、戦力には問題がないと思う。
……結構上手に分かれたな、と思う。
“みんみんぜみ”は足りない戦力を、地の利があって知識が豊富なジョニーが補っている。そしてこのチームには兵士達が一番多くついていた。
“つくつくぼうし”は赤坂が道を切り開き、沙都子が後方を守る。圭一は敵の説得も出来るし、入江は怪我の治療が可能だ。
“ひぐらし”は本隊だし、何せ魅音がいる。富竹はああ見えて銃の扱いに長けているから、しっかり守ってくれるだろう。
これはくじの運が良かったからこうなったのか、それともゲーム大会の時のように魅音が自分で割り振ったのか。
まぁ、どっちでもいいか。頼もしい仲間に恵まれた、と思っておこう。
……仲間、か。
向こうがこっちをどの程度信用しているか分からないけど、スネークは私達のとって大切な仲間だ。
近くにいるだろうから、早く合流して、彼の力になってあげたい。
――この時の私は、彼の“敵”の事をよく知らなかったから、そんな事を思っていた。
「……ん? ここはひょっとして……」
チームに分かれてしばらくした後。
魅音が、ある部屋の前で立ち止まる。既に周りの敵は殲滅していた。
「魅ぃ、どうしたのですか?」
「ここ、敵さんが使ってる通信施設っぽくてね。何か頂戴できるものは無いかなー、と」
「……僕も行くよ」
魅音がドアノブを捻り、慎重に扉を開ける。中には誰もいなかった。
彼女が言った通り、中には通信設備らしきものがあった。複雑そうで、よく仕組みが分からない。
富竹も慎重に辺りを見渡していた。……ひょっとしたら、番犬と連絡を取ろうとしているのかもしれない。
魅音がつかつかと設備に近づく。そして、おもむろに装置を弄り始めた。
「使えそうなのですか?」
「多分ね。なにかいい情報が手に入るかもしれないから、ちょっと調べてみるかねぇ」
そう言いつつも、何せ複雑な機械だから、扱いが難しそうだった。
どこかの無線を傍受したり、モニターにどこぞの監視カメラの映像が映ったり消えたりと、せわしない変化が続いていた。
しかし、どれも有力な情報では無かった。
魅音は額にしわを寄せて頑張っていたが、埒があかないと思ったのか、突然叫び始めた。
「……あーもう! なんでこんなややこしいのさ――――あれ?」
ぷつん。全てのモニターが、唐突に消えた。
同じく唐突に、「通信中」を示すランプがつき、またどこかと無線が繋がった。
通信相手が、声を発する。
『……誰だ?』
――その声は、ここにいる誰もが探している人の声だった。
私より早く、魅音が無線機に飛びついて応答する。
「スネーク!? スネークだよね?」
『その声……魅音か!? どうして無線が――』
「ああ良かった! やっと見つかった! おじさん達、ず〜〜〜っとスネークのこと探してたんだよ!
部活メンバーは勿論、監督に富竹さんに赤坂さんって人も、みんなでここに来たんだからさ!」
『どうして来――』
「そうそう、今はちょっと別行動している人もいるけど、梨花ちゃんはここにいるから変わるね」
魅音はスネークに喋る隙を一切与えず、一方的にまくし立てて、無線機を私に押しつけた。
いったい何が起こってこうなったのかよく分からなかったけど、私はとりあえず無線機を受け取った。
「……スネーク、なのですか?」
『……そうだ』
確かに、私達がずっと探していた彼だった。
「無事で何よりなのです」
『そっちも平気か?』
「圭一が山狗や兵士をこっちに引き込んだので、戦力は何とかなっていますです」
『山狗……敵を味方にしたのか……』
彼は驚きを隠せない様子だった。圭一の戦い方に舌を巻いたらしい。
……私だって、こういう戦い方があったんだ、と初めて知って驚いている。
「それと、スネークが知っている人は皆無事です」
勿論、沙都子も助けました。と言った。
『……そうか、良かった』
心から安心した、と分かるような声だった。
もっと話したいこともあるけど、それは会ってからにしよう。
そう思ったので、魅音に無線機を渡した。
「今どこにいるの?」
『地下に向かう階段だ。敵はいないが、長くなりそうだ』
「って事は……研究区かな。どの辺りに向かってる?」
『中層だ。今は――』
「それならちょうどいいや。おじさん達も、研究区に来たばかりだから、たぶん追いつけるね!
なら中層で会おう! 居住区入り口と同じように、広間があるらしいからさ、そこで合流しよう。
あ、あとこっちも無線機を持って行くから、また連絡するね。いきなり圭ちゃんとかから、無線が来ても驚かないでよー」
『おい、こっちの話も――』
「善は急げ、って言うでしょ。エレベーターで特急で向かうから大丈夫だって!」
『待て、エレベーターは』
「じゃあ、研究区中層の広間でね!」
ぶつり。魅音が無線のスイッチを切った。
それと同時に、先ほど消えたモニターなどが再び付き、この部屋に来た時と同じ状態に戻った。
魅音が振り返り、得意げな笑みを浮かべた。
「よーし、スネークを発見したことだし、目的地決定! 各チームに連絡して、研究区中層広間でスネークと一緒に集まろう!」
「それにしても魅音ちゃん、凄いね。スネークさんと無線を繋げちゃうなんて」
「あ、あはははは! おおおじさんの手にかかれば、何だって出来るからねぇ!」
「……ボクには偶然、スネークに繋がったように思えたのです」
魅音の様子からして、そうとしか思えなかった。
どっちにせよ、さっきの声は本人だ。目的地も決まった事だし、これでようやくスネークと会える。
彼の目的がここで果たせられれば、私の歪んだ運命も打破出来る。
ようやく、先に進む希望の光が見えた。
魅音が他のチームに連絡し、富竹が通信設備を弄り始めているのを見ながら、私は心強さのようなものを感じていた。 以上です。
今週中(ぐらい)に私がもう一度投下しますが、
来週の投下は◆k7GDmgD5wQ氏に一任することになると思います。ノシ ざり、ざりと耳障りな音を立てた無線機から、声が聞こえる。
『もしもーし、こちら“ひぐらし”、聞こえてるー?』
明るいその声は、我らが部活の部長、魅音のものだ。
だから、俺もそれに明るく返すことにする。
『つくつくぼーし、つくつくぼーし』
俺たちのコードネームである“つくつくぼうし”を、できるだけリアルに表現してみた。
即座に聞こえた、魅音の溜息。
『あのさぁ圭ちゃん、それ、すっごくつまんない』
『くは、マジか』
実に残念そうに悔しがってみせる。
『まあそんだけ余裕があるならそっちは大丈夫ってことかな……。あのさ、圭ちゃん達にも知らせときたいことがあるんだ』
『何だよ?』
『うん、ついさっきだけどね、スネークと連絡が取れたんだ』
『えっ? マジか!』
これには素直に驚いた。
『うん、スネークも無事だね。おじさん達より少し先にいるみたい』
『そっか……、じゃあ、もうすぐ会えるな』
『うん、みんなで無事にスネークのとこまで行くよ』
『ああ、モチのロンだぜ!』
形だけだった明るさが、心のそこから変わっていく。
スネークに会える。
それだけのことだが、それ以上ない勇気と希望に変わった。
『それとさ……、圭ちゃん、今どこらへん?』
魅音が俺達の位置を訪ねた。
『えっと……ちょっと待ってくれよ、監督、地図見せてくれよ』
フロアのマップを持っている監督に、そう言って、俺は監督から地図を受け渡される。
『えーっと、このまま少し行くと、エレベーターがあるな』
『そっか、なら圭ちゃん達が一番乗りかな。もう少し降りるとね、研究区の中層に着くんだ。そこに広間があるんだよ。そこでスネークと合流しようと思う』
『わかった。じゃあ俺達がそこまで行って、先に皆を待っておくぜ』
『無理はしないでよ圭ちゃん。相手は戦闘のプロだからね。赤坂さんだって不覚をとったらやられかねないんだから』
『わかってるさ魅音……、常に状況を把握し、冷静に判断するってんだろ。部活で散々叩き込まれてるからな、油断はしないぜ』
『圭ちゃんがあっさりそう言うから心配になるんだよ……』
『なにー! 信用されてないのか俺!?』
『あれ? 今ごろ気付いた?』
笑いあい、ふざけあいながら、俺達は通信を終えた。
そして、魅音から聞いたことを、俺は沙都子や監督、赤坂さんに話す。
「エレベーター、ねぇ……」
沙都子が片目を瞑って、考え込むようにそう言った。
「ああ、そこまで行けば広場まではもうすぐだからな、こうなりゃ俺達が一番槍だ――」
「ちょっと待ってくださいませ圭一さん、そんな簡単にエレベーターまで行くのは自殺行為だと思いますわ」
沙都子が俺にストップをかける。その言葉に俺は少し前につんのめった。
「な、なんでだよ沙都子、せっかく人がやる気だしてるのによ」
「やる気をだして突っ込むのは飛んで火に入る夏の虫ですわ。……圭一さん、これだけ広いフロアなんですのよ。そこにこれ見よがしに中枢に向かうルート……どう考えても罠を張られると思いません?」
「……う」
確かに、よく考えれば沙都子の言うことは正しく聞こえる。
「そうですね。……それに、私達はこの場所のことをよく知りませんから、慎重に動くにこしたことはありませんね」
監督が沙都子の意見に同意した。
「しかし、これから別のルートを探すとなると、少し手間がかかるな……」
赤坂さんは、沙都子の意見には乗らず、ルート変更のリスクを懸念しているようだ。
「た、確かにな、沙都子の言うことは一理あるぜ」
俺はここで、ルート変更の案を握りつぶすことにした。
いや、危険だなんてことはわかってるんだけど、一番乗りして魅音の鼻を明かしてやりたいという単純な勝負心だ。
「でもな、赤坂さんの言うとおり、別のルートを探している間に敵に見つかることだってあるぜ。それなら、最短距離を通って目的地に向かうことのほうがリスクは少ないと思うぜ」
「だからといってあからさまに怪しいエレベーターを使うことはどうかと思いますけど……」
「沙都子、そんならエレベーターにはすぐ乗らなくたっていいだろ? エレベーターに仕掛けがないかどうか調べてから乗ってもいいじゃねーか」
「うーん、なんか虎穴に入るような気がしてならないんですけど……」
ま、調べてから決めても遅くはありませんわね、と、沙都子はしぶしぶ俺の意見に折れた。
これで、行き先は決定した。
俺達は、何が待ち受けるか分からない地獄の入口へ向けて、足を向けることにした。 ……えー、すいませんいきなり投下。
本編氏の投下の穴埋要請を受け、ちょいちょい小出しで参加いたします。
「……全く、何だったんだ」
いきなり魅音から通信が来たかと思えば、こっちの話も聞かずほぼ一方的に喋って、何やら魅音達を合流する事になってしまった。
彼らがここに来ている事は知ってたといえ、何というかもう、呆れるしか無い。
……本当に今回の任務は「厄介」だ。思わず頭を抱える。
あなたを助けに来たのかしらね、と言っていた桜花の言葉を思い出す。
気持ちはありがたいが……、一体、これからどうなるんだ。
危険だから来るなという話は、もう彼らには通じないだろう。
梨花の話だと、圭一が山狗や兵士を味方に付けたらしい。民心獲得工作、と言った所だろうか。
敵地潜入、なおかつ複数で任務を遂行する場合の心得をわきまえているとは、中々彼らも侮れない。
子供達だけでなく、大人もたくさんついているだろうから、……きっと大丈夫だろう。
こっちはこっちで進むしかない。
武器を手に入れる為、かつ魅音達と合流する為に、また一段、一段と階段を下り始めた。
既に、目的地は近づいていた。
◇
研究区中層に侵入。
男子トイレを見つけ出し、鏡を外す。IDカードを入手した。
一連の作業は水が流れるように行えたので、特に問題は生じなかった。
近くの資料室の様子を窺い、覗き窓から中を覗き、ディープスロートが用意した武器がある部屋かどうか確認する。
しばらくして、窓の端の方に「OK」と書かれている部屋を発見した。
ドアの横にある端末に、IDカードを通す。
施錠を示す赤いランプが緑のランプに切り替わり、鍵が開く音がした。ビンゴだ。
部屋に潜り込む。入ってからすぐ、内側から扉をロックした。
中央にあるテーブルに、武器らしきものが置いてある。
歩み寄って何が置かれているかを確認した。
――正直、あまり期待はしていなかったのだが、かなりの物を手に入れられた。
一番最初に目に付いたものは、M4だった。
手に取り、動作を確認してみる。驚くほどに手に馴染んだ。
色々とカスタマイズが出来るようなので、必要に応じて使ってみよう。
他には、チャフグレネード、スタングレネード、グレネードが3つずつと、M4の弾倉があった。
それと、ここの施設の地図も置いてあった。これはかなり助かる。
地図を広げ、現在地を割り出す。魅音が言っていた広間と思われる場所はそう遠く無かった。
……十分だ。十分過ぎるほどの、収穫だった。
ここにはもう用は無い。子供達と合流しに行こう――と思い、扉の方へと向かった。
――外に、複数の人の気配がある。
今出るのはまずい。壁に耳を押しつけ、外の様子を窺うことにした。
「例の侵入者はどこだ?」
「もうここの区画に入ってきているらしい。上の方がやられたって報告があった」
「そりゃまずいな……。俺が聞いた話だと、連中は容赦なく兵士を殺して回ってるとか――」
……「容赦なく」兵士を殺して回る、だと?
魅音達ではありえない。だとしたら誰が――、……まさか、フォックスが?
「ちょっと待てよ、“侵入者”ってのは子供連れの訳分からない集団の事じゃないのか?」
「……いや、どこかの戦闘部隊だろ?」
「単独潜入の工作員って話は?」
「……ったく、何でこんなに情報が錯綜してるんだ。どれも嘘とは思えないし、一体ここで何が起きてるんだ――」
“子供連れの訳分からない集団”とは魅音達のことだろう。
“単独潜入の工作員”は、俺か、ここに来ているとしたらフォックスのことだ。
ならば――“戦闘部隊”とは?
「おい。何をしている」
別の声が会話に加わった。兵士達が慌てて姿勢を正す気配があった。
どうやら彼らの上司が来たらしい。
「侵入者排除も大切だが、我々には他にも任務がある。小此木隊長にどやされるぞ、早く雛を探せ!」
「はっ!」
足音が遠ざかっていく。
――しばらくして、何も聞こえなくなってから外に出た。
先ほど手に入れた情報を整理すると……どうも嫌な予感がする。
「ここの兵士を皆殺しにしている」「侵入者は戦闘部隊」。
それは、魅音達やフォックスではあり得なかった。
……この雛見沢には――奴がいる。
そいつは、ここに来ていても何らおかしくはない。
――シャドーモセス島で戦い、そして目の前で死に、もう二度と会うまいと思っていた、――兄弟は。
「……リキッドか」
奴が部下を引き連れているとするならば、それは「戦闘部隊」に他ならない。
それこそ何の躊躇もなく、自らの目的を達成するため、敵を排除するだろう。
その考えに至って、……背筋に寒気が走った。
子供達が危ない。
いくら大人がついているとはいえ、戦える人数は限られている。
もし、銃口が彼らに向けられるようなことがあったならば――。
入手したM4を持ち直し、深呼吸をした。
……先へ急ごう。
今は、それしか出来ない。
――“雛”を探せ、という会話も気にはなったが、この時はまだ何の事か分からなかった。 酉がなんかおかしいけど本編です。以上です。
終盤の盛り上がりが来るまでは、ちまちま投下します。ノシ ……また変なトリップになってしまった。これで直ったはず。
投下ペースが遅くて申し訳ないですが、力の及ぶ限り続けていきたいと思っております。
よろしければおつきあい下さいませ。ノシ おつおつですおー。
細かくて失礼、2行目、
> いきなり魅音から通信が来たかと思えば、・・・何やら魅音達を合流する事になってしまった。
なにやら魅音達「と」ですかね。
しょっぱななのでおもわず目についてしまいましたごめんなさいw