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擬人化総合スレ2
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/09/18(土) 14:15:20ID:mHq1u7tx
「軍事兵器」から「日用雑貨」まで擬人化創作を手広くカバーするスレッド
『擬人化総合スレ』へようこそ!

擬人化主体のSSや絵、造形物ならなんでもありです

個人的な趣味の道具から、動物、植物、伝説上の生物、天気や水素原子、
文字、検索エンジン等々、とにかく擬人化なら、一次、二次を問わず、なんでもOK!

範囲が広いが気にするな! エロはエロパロ板が君を待ってる!

■前スレ■
擬人化総合スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1233669103/
0078 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/07/18(月) 23:21:59.42ID:NQpllYdU
「・・・あ!ねえねえ、何で私は人間に変身できると思う?」
『歓声』を聞いて何か思いついたのか、突如としてグーが質問を投げかける。
「え・・・何でって・・・『恩返ししたい思い』から不思議な力が生まれるとか?」
「ぶっぶーっ!」
手でおおきくバッテンをつくるグー。
「じゃあ、何で?」
「実はねぇ・・・答えの前にもう一問!私の種族の名前は何でしょう?」
「・・・え?ダイオウグソクムシだろ?」
「そう!そして、それが答えなのです!!」
胸を張るグー。
対する私は理解不能であった。
「あのね、動物の中には『ダイオウ』とか『キング』とか偉あぁぁぁぁい名前が付いていることがあるでしょ?」
「え・・・あ・・・まあ・・・。」
「そういう名前の付いた種族は一番偉いのです!だから、変身することなどたやすいのです!!」
無い胸を突き出すグー。
「・・・じゃあ、なんだ?ダイオウイカとか・・・あとキングコブラなんかも変身出来るっていうのか?」
「そうだよ。だって、あの水泳選手、ダイオウイカが変身した人だもん。」
そう言って、テレビを指差すグー。
その先には、ガッツポーズをとる水泳選手がいた。
そして、その姿は・・・まあ、言われてみればイカっぽい顔つきだが、
グーのいうことを証明するまでには至らなかった。
「・・・あと、鶴とか・・・狸や狐なんかは何なんだ?
 別に名前に『キング』とか『ダイオウ』とか付いてなくても変身出来るぞ。」
「狸と狐はねぇ、葉っぱを使って変身してるでしょ?」
「ああ。」
「あれは、言わばドーピングなんだよね。だから、我々の世界では邪道なんだよ。」
「何がどう邪道なんだよ・・・じゃあ、鶴は?」
「あれは根性のたわものですよ、いやはや・・・。」
「・・・。」
「まあ何にせよ、本来は私みたいな『ダイオウ』クラスの生物しか出来ない技なんだけどね、
 それが根性論者とドーピングにお株を取られちゃって・・・悲しいことこの上なしだね、コリャ。」
「あーそーですか。」
「何、その棒読み感丸出しの言い方っ!『ダイオウ』である私を侮辱するのかっ!!」
「・・・もーしわけありません、ダイオーさま。ワタクシのゴブレーをおゆるしくださいませ。」
「だーかーらっ!棒読みっ!!」
プンスカと怒るグー。
「良いじゃねぇか、テレビ見てゴロゴロ出来る・・・そんな優雅な生活を送れてるんだから、
 十分『ダイオウ』さまじゃないの?」
「・・・うん、それも・・・って馬鹿にしてるなぁっ!!」
「そんなことよりも、ダイオーさま、ワタクシめはオフロにはいってきますので、
 そのあいだにレーゾーコのアジのたたきとヒヤザケをセッティングしておいてくださいませ。」
「棒読みっ!しかも、完全に雑用だしっ!!」
さらにプンスカなるグー。
0079 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/07/18(月) 23:30:04.60ID:NQpllYdU
「・・・昆布のウニまぶし。」
「・・・うっ。」
「グーが用意してくれたら、とっておきのウニまぶし昆布を食べさせてあげるのになぁ〜。
 あと、昨日仕込んでおいた昆布占めのヒラメも・・・。」
食べ物でグーを釣ろうとする私。
私がグーとの共同生活で学んだことは、彼女は昆布が好きだということであった。
その中でも、昆布の佃煮とウニを和えた物が大のお気に入りらしく、
それを知った私はそれのビン詰めをグーの届かない場所に常備し、
そして時折今回のようにウニまぶし昆布を餌にグーを働かせていた。
「どうする、どうする?グーならどうする?」
「うぅ・・・分かったよ!セッティングしてきますよ・・・。」
そう言ってグーはテレビを消し、台所へと消えていった。

「・・・何が『ダイオウだから偉い』だよ、まったく・・・。」
私は湯船の中でぼやいていた。
しかし、ぼやき続けても仕方がないので、ふたたび執筆中の作品のクライマックスについて考察し始めた・・・のだが、
どうも良いオチが思い浮かばない。
「こういう時は『頭を冷やす』・・・それが人間だったな。」
そう言って、私は湯船に張られた氷水の中に体を没した。
全身に伝わる心地良い冷たさ。
そんな刺激が自分の心と体を奮い立たせたのか、私は無意識のうちに湯船の中をスイスイと泳いでいた。
2〜3分潜水し続けたのちに水から顔を出し、呼吸を行う私。
そして、なんとなくこんなことを呟いた。
「・・・考えてみれば、私が変身出来たのもグーの言うとおりなら合点が行く話だったのか。
 ただ・・・知らないほうが良かったかもなぁ・・・南極に取材にやって来た作家さんを見て
 『自分もこの人間みたいに見聞きしたことを大勢に伝える存在になりたい』と思っていたら人間になれたもんだから、
 こう・・・神様的な何かがあったと思ったけど・・・うーん、まあなんだろう・・・。」
そう言って、とくに結論が出なかった私は、とりあえず自分のくちばしを撫でるのであった。

私の名は『皇帝』ペンギン。

おわり

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以上です。
お目汚し、失礼しました。
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/23(土) 06:08:58.91ID:RFKbyxSg
えええええええ何そのオチ!? 日本海産物に侵略されすぎだろw
時期的にどうしてもイカ女を連想してしまうが。

グーは名前がグーよね、グー。
……あんまりダイオウグソクムシっぽいとは思わないんだけど。イラストがあるわけでもなし。
そもそも生態からしてよく分からないところ、擬人化されてもやっぱりよく分からないのは当然か。
元ネタをうまく落としこんでこその擬人化だと思うので、
「グソクムシから見た人間の変なとこ」より「グーの変なとこ」を優先するのがいいのではないかな。
そういう意味では昆布、昆布だいじ。

ジェラシットォー
次回作を待っている。
0081 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/07/23(土) 23:50:13.15ID:DwSBHe33
>>80
感想とアドバイスありがとうございます。

ダイオウグソクムシで1本書いてみたいと思い、
誰もやってなさそうな『恩返しネタ』を思いついたまでは(自分で言うのも何ですが)良かったのですが、
ご指摘の通り、ただの少女止まりになってしまったのが反省点です。
…まあ、ダイオウグソクムシに関する知識が『でっかいダンゴムシっぽい生物』『深海に生息』『かわいい』の3点のみだったという、
勉強不足もあったりするのですが(汗、作品の中で体をコロコロさせるなどをさせてみたのですが…至らなかったみたいでスミマセン)
あと、オチの書き方については星新一作品のようなどんでん返しを多少意識したり・・・です(汗)

ワタクシ、インサーン様に踏みつけ&軽蔑されそうなくらいの根性無しなので次回作を投下出来るか分かりませんが、
もし出来ましたら、再度私の駄文にお付き合い願います(なんとなくですが、今回の作品の続きが書けたらなぁ…などと妄想中)。

…あと、今更気づいたのですが、主人公が「グーのことを、(登場人物の)名前を変えて小説にしてる」と言っているものの、
小説のタイトルは<『グー』との生活>…。

完全にバラしてないか?
0089創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/10/14(金) 13:21:57.26ID:bJVutL90
0090創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/13(火) 02:36:35.63ID:zrKW3E2Q
age
0091創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/09(月) 01:55:18.87ID:1QIrjfTn
>>82
これって宝石乙女の黒曜石かな?
久しぶりに見たけど可愛い
0092創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/11(水) 08:25:06.24ID:mpS2brYe
そうです
0093創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/16(月) 02:52:03.83ID:J5HJz6Qw
今年の擬人化は何が流行るかな?
0094創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/16(月) 02:52:18.12ID:J5HJz6Qw

0096創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/30(月) 19:25:41.67ID:cxWJt0pw
t
0099創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:02:07.39ID:xla2Rj4e
首に纏まり付くネクタイを外して、鞄を放り投げる。今は僕しか使っていないソファーに、豪快に座る。
暇を潰す為にそこらに転がっているリモコンのスイッチを押してテレビを付ける。見る気はないが、雑音でも無いと寂しい。

飯を食う気にはまだなれない為、少しばかり仮眠を取る事にする。
目の間を指で圧して解す。解して、何も考えずに目を閉じて眠る姿勢を取る。
にしてもまだ僕に依存する気なのか……。いい加減、彼女には僕が迷惑を被っていると言わねば……。




彼女と出会ったのは、高校の何年生だったか。とにかく、僕にとって彼女は憧れの的だった。
黒々とした長い髪を風に揺らして、彼女はいつも凛として可憐だった。外見だけでなく立ち振る舞いから何もかもが綺麗だった。
それに比べて、その頃の僕は取るに足らない何処にでもいる平凡な男だ。釣り合う筈がない。
それでも僕はどうしても、彼女と付き合いたかった。そんな日、僕はその気持ちを素直に伝える事にした。

友人からは馬鹿な事は止めろとか散々言われたが、何分若かったから自制する気持ちは無かった。
実行した結果は案の定失敗。彼女は僕に対してこう言った。ごめんなさい。貴方の気持ちは分からないでも無いの。
だけど私には、好きな人が居るからと。だから、ごめんなさいと。

僕はどうしようもなく、引き下がるしか出来ない。不思議な事に、悔しいだとか悲しいみたいな気持は浮かばない。
あぁ、やっぱりと一種予想し切っていた展開だと静観している自分が居る。そのまま、月日が経ち。
最終学年へと昇り、各々が進路を考え始める頃になった。そんなある日。

何故か彼女が僕のクラスにやってきた。僕に話したい事があるらしい。

その時期の僕には既に彼女に対する好意とか興味が無くなっていて、ただ単に呼ばれた事が不思議だった。
放課後、彼女に言われた体育館裏に行くと、彼女が待っていた。告白した時に比べて、少し大人びて見える。
僕がやってきた事に気付いた彼女は、僕の元に歩いてきた。

彼女は何か迷っているのか、少し視線を漂わせる。それから決心が固まったのか、僕に目を合わせて、口を開いた。

付き会って下さい、と。

何で? と失礼ながらそう思った。いや、本当に不思議としか言えない。
大体君は僕を振ったじゃないかと。あの時点で君にとって僕の存在は好意の範疇外じゃないかと。
今年を取った状態ならこんな風に冷静に返せるけど、その頃の僕は若かった。若くて馬鹿だった。

良く分からないけど、初めて彼女が出来るという事に頭が真っ白になった。
言うまでも無く有頂天な気分になっているからだ。失せていた筈の興味だとか好意が一気にぶり返す。
二つ返事で僕はその申し出を引き受ける。そうして、僕と彼女は付きあう事になった。
0100創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:02:37.70ID:xla2Rj4e
とにかく僕は勉強とかそういう事は二の次で、彼女の事を第一に行動する様になった。
彼女が好む服装は何か、彼女がどんな事をしたいか、彼女がどんな所に行きたいか、その事ばかりが頭を支配した。
不思議な事に、それで成績とか素行が乱れるかと言えば逆だ。彼女に尽くそうと考える度に、僕が成す事やる事殆どが上向きになる。

バイトも初めて、たまに彼女が求める物を買う様になった。高価な物から安価な物まで。
流石に夜勤には出れなかったけど、その分少しでも時間があるならバイトに出た。たまの休日は、彼女と過ごす。

彼女は可愛い。可愛いし、綺麗だ。
僕がやる事にいつも笑顔で反応してくれた。僕の話をいつも聞いてくれて、それでいてコロコロと表情を変えてくれる。
僕が何か買ってあげると、決まってありがとうと頬に軽くキスをしてくれた。それだけで良かった。それだけで、僕は生きていけた。

そんなある日、僕は彼女を自宅に招いた。偶然にも、その日は両親が旅行に出かけていた。

近くのビデオ屋でDVDを借りて、自室のベッドに座って肩を寄せ合い、映画を見る。
これ以上無い程、至福の時間だった。しれっと掌を握っても、彼女は拒む事無く握りかえしてくれる。
気恥ずかしさと嬉しさからどうにかなってしまいそうだ。こういう時はと考えて、僕は場を和ませる行動をとる事に決めた。

あ、あのさ。僕を調味料に例えたら、何になるかな?

自分でも馬鹿馬鹿しい、間抜けにも程がある質問だと思う。当然ながら、彼女は僕の質問にポカーンと口を開けた。
が、すぐにぷっと吹き出すと口元を押さえて笑いだした。笑い方まで上品で僕は惚れ惚れする。
彼女はえっと……と少し考える素振りをして数秒後、答えてくれた。

私にとって、貴方はラー油かな。日常にピリリと刺激を与えてくれるから。甘い刺激を。

ラー油に例えられるなんて思わず、僕も軽く吹き出してしまう。彼女も自分の言葉がおかしかったのか、笑う。
笑いながら、僕達は距離を縮める。縮めて、顔と顔を近づけ会う。高まる鼓動を抑えながら、僕は唇を近づけようとする。
頬だけじゃ嫌だ。僕は正面から、彼女とキスをしたい。心臓が口から出そうになる。

ようやく触れようとした、瞬間。

彼女は人差し指を立てて、僕の唇に当てた。当てて、言う。

まだ、駄目。もっと一緒に過ごしてからじゃないと、やだ。

この胸に溜まった如何ともし難いモヤモヤをどうすればいいのだろうか。だが、彼女が拒むのなら仕方が無い。
僕は物凄く残念な気分になりながらも、彼女の意思を尊重してそれ以上キスを求めない。
それから不完全燃焼的に映画を見た後、彼女を家路へと帰した。別れる前に、彼女は頬にキスをしてくれた。
最初はそれで、モヤモヤした気分はチャラになった。最初、は。
0101創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:03:40.29ID:xla2Rj4e
それから、彼女とデートを重ねて仲を深めていった。いった筈なんだ。僕の中では。
でもどれだけ一緒の時間を過ごしても、彼女は僕にキスを許してくれない。いつも唇同士のキスをしようとすると、拒まれてしまう。
どうして拒むのかと聞きたい気持ちはある。あるけど、もしそれを聞いたら今の関係が終わってしまう気がして、聞けない。
僕達は恋人同士じゃなかったのかと自問自答する時もあった。だけど、彼女はとにかく、僕に優しくしてくれた。ただ、キスしてくれないだけで。

そろそろ卒業の時期になり、僕は適当に近くの大学へと進学する事にした。
彼女はというと、都内の有名大学へと進学するらしい。僕もそこに行きたかったけど、学費も学力も足りなかった。
結局、彼女はキスを許してくれそうに無い。その代わりに、僕達は今まで以上に仲を深めていた。
流石に直接的な性的行動までは踏み込めなかったけど、その寸前の事までした。僕は彼女との別れがひしひしと近づいている事に、焦燥感を覚える。

焦燥感を覚えても、既に進路は互いに決まってしまった。だから、必然的に別れてしまう事になる。
連絡を取り合おうにも、彼女が言うには大学生活がとても忙しくなるからちゃんとメールとか返せるか分からないらしい。
それに、貴方にも新しい生活があるから私の事ばかりに構っていちゃいけない、とも言われた。
僕は反論できなかった。反論するなり、それか君と同じ大学に行くと啖呵を切れる度胸が無かった。

彼女が都内へと引越しする前に、僕の家にやってきた。

彼女の表情は、暗い。やっぱり、彼女も僕と別れるのが辛いんだ。
なら、最後は明るく、それでいて心から彼女を愛してあげよう。僕はそう、心に強く誓った。
ベッドに座ると、彼女は僕に言った。

もう会えなくなるし……しようか?

そうして、彼女は初めて僕の唇に、自らの唇を重ねてくれた。この時の感触を、僕は永遠に忘れないと思う。
彼女が僕から顔を離す。離して、僕にシャワーを借りて良いかと聞いてきた。僕は勿論首を縦に振る。
彼女が羽織っていているコートを脱いでベッドに置いた。そうして、彼女はシャワーを浴びる為に僕の部屋から出ていく。
その時、コートの中から彼女の携帯がするっと滑るように出てきた。と、メールの着信を知らせるチャイムが流れてきた。

――――――――その時、僕の中で最低で邪な感情が頭をもたげる。
そう言えば、僕は彼女の交友関係だとか、どんな人とメールをしているのかだとか、そういう面でのプライベートは何も知らない。
電話で話す位はあるけど、せいぜいそれ位だ。学校にいる時は他人に関係を知られないよう、互いに関わらない様にしていたし。
一体、彼女はどんな人とメールしてるんだろう。電話を交わしているんだろう。知りたい。

手が、伸びる。駄目だ、こんな事をしちゃという良識的な自分と、もう会える事も無くなるし、構わないだろうという悪質な自分がせめぎ合う。
ふと、ドアに目をやる。まだ、彼女が戻ってくる様子は無い。どうする。どうするんだ、僕は。
自然に、手が携帯を掴んでいた。最低だ。最低だと自分を下卑しながらも、逆らえない自分が居る。欲望に、逆らえない。
0102創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:04:22.45ID:xla2Rj4e

僕は閉じた眼を開いて、彼女の携帯を開ける。そこには、誰かからのメールが来ていた。
送り主は……名前から察するに……男。男? 途端に、僕の中で大きな不安が沸き出る。
このメールを読んじゃいけない気がする。気がするけど、僕の目は僕の意思とは関係無く、メールの文面を読んでいた。


やぁ、久しぶり。

大学に受かったんだってね。おめでとう。心から祝福するよ。

君が俺の通っている大学の後輩になると思うと、凄く嬉しい。

所で、君がラー油だって例えてた彼は元気かい?

やっぱり、俺が言ったとおりだったね。彼と付き合えば付き合う程、君は俺が思う以上に綺麗になってる。

ラー油君は素晴らしいね。ラー油君が燃えれば燃える程、俺と君の恋を背徳的に、刺激的にしてくれた。

でも、もうラー油君とは付きあうのを止めようね。これからは、真面目な恋をしよう。

ラー油君とは比較にならない位、刺激的な恋をしてあげるよ。大学で待ってる。



僕は、携帯を閉じた。



それからは覚えてない。彼女と何をしたのか、何もしなかったのか、それすらも覚えてない。
彼女とスッパリ別れて、僕は大学生となり、それなりに努力して、それなりに社会人になった。
給料相応の部屋に一人暮らし。僕は彼女との一件から、もう誰かを愛そうとする事も、好意を持つ事も止めた。
上辺だけでの関係でも充分だ。仕事上の関係で、たまに飲みに行く程度の関係で充分なんだ。

そんな風に日々を淡々と過ぎていった、そんな日。

会社から帰って行く途中、道路で泥酔状態になっている女性に出くわした。
その人は相当に酔っていて、電柱に寄りかかって今にも倒れそうだ。警察を呼んで保護して貰おう。
携帯を開いて、警察へと電話を掛ける。とても近くの警察署まで歩けそうにもない。
警官が来るまでの間、僕は女性を支えようと近寄って、肩を担ぐ。担いで、声を掛ける。

「大丈夫ですか?」
0103創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:04:51.35ID:xla2Rj4e
僕の声に、女性は聞こえているのか、聞こえてないのか曖昧な返事を返す。
これはいけないかもしれない。そう思いながら、僕は女性の状態を見ようと髪の毛を優しく払う。



……嘘だろ、と思った。色んな意味で乱れてるけど、どう見たって――――――――彼女、だった。




保護に来た警察から聞いた話だが、彼女はあの時、会社の同僚だが上司だかに意図的に酔わされていたらしい。
それをきっかけにセクハラされそうになったのをどうにか逃げだして、ふらふらと歩いている所に僕に見つけて貰ったのだとか。
しかしどうにも、その証言が信用ならないと、警察は言っていた。何故なら、彼女が勤めていたという会社は既に潰れていた。
尚且つ彼女がセクハラされそうになったと言った社員の名前は、その会社の名簿に載っていなかったらしい。

一体彼女に、僕と別れて以降、何があったのかは分からない。けれど、一つだけ分かる事がある。

もう、僕が憧れていた彼女はどこにもいないという事だ。いや、そんなモノは最初から、いなかったのかもしれない。

彼女とイヤな再会をしてから数日後、一体どこから、多分警察から情報を得たのだろうが、彼女が僕の元を訪ねてきた。
色々とお礼をしたいのだとかで、両手に袋一杯の食材を持ってきて。彼女は、僕の事を覚えていない様だった。
丁重にお断りしたかったのだが、そうするとまた面倒臭い事になりそうなので家に上げてしまった。
彼女の手首には、傷の後が何本も走っていた。多分、何が起こったのかと言えばそういう事なのだろう。

その日を境に、彼女は度々、僕の家に料理を作りに来るようになった。
最初から僕と顔見知りになったかのように、親しく慣れ慣れしく、彼女は僕の家に来ては料理を作る。
出来あがった料理は普通に旨いから、僕はどうも断る事が出来ない。それに、日に日に手首の傷が増えてる気がするし。

一度はもう来ないでくれと言おうと思った。だけど。
鼻歌交じりに料理を作り、僕に手料理をふるまっては、僕が食べているのをにこにこと笑いながら見ている彼女を見る度に僕はどうにも。
どうにも、家に来ないでくれといえない。何だか、こんな事を言うのはおこがましいとは自覚しながらも、彼女の生きがいが……。

彼女の生きがいが、僕に料理を作る事しかない様に思えて。



……インターホンの音が鳴ってる。彼女が来たみたいだ。
閉じている目を開けて、ソファーから立ち上がる。今日は一体、どんな料理を作ってくれるんだろう。
不本意ながらも、軽く期待している狂った自分が居る。にしても、恋人でも無ければましてや友人でも知人でも無い。
0104創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/05(土) 00:06:13.13ID:xla2Rj4e
ただ、僕の生活に食という原動力を与えてくれる頭の変な女との関係は、いつまで続くんだろうなとふと考える。
多分、彼女が飽きるか死ぬかまで続くんだろう。それがいつなのかは分からないが、彼女がその気なら続けてあげるつもりだ。
にしても今はこうして関係を保ってられるけど、いつあの女が爆発するかは分からない。
そこら辺のスリルまで含んで、僕は今の関係を楽しんでる。そうだな……あの女を物に例えるなら……。

僕の原動力となりながらも、いつ引火して爆発するか分からない、危険な代物。

そうだ、重油だ。僕がラー油なら、君は重油。

油同士、お似合いじゃないか?



0107創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/22(火) 09:00:46.79ID:162fNhNm
油感がいい作品でしたな
0109創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/11(土) 07:50:47.80ID:mZLA/pTO
0112創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/31(月) 11:10:26.14ID:8UWCdrDe
衛星が擬人化できる時代になったので粒子加速器も擬人化しても良いと思うんです。
0113創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/31(月) 17:24:43.11ID:/lmysMyI
  ●●●ケネディ大統領は何故、死なねばならなかったのか?●●●
  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/3729/1226114724/53

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2013/10/03(木) 18:30:08.77ID:wzs4p9f1
.
0116創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/10/04(金) 06:44:48.20ID:4kqE09F5
ん「お願い…。わたしの名前を呼んで…」
し「クックックッ…。わしの名を唱える者には、永遠の眠りを賜るぞ」
0117創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/27(木) 11:10:50.31ID:/5cZnKfm
0118創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/08/18(月) 01:44:57.99ID:8aBYP0fb
 
0119創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/07/21(火) 04:36:30.04ID:sZfJ3SiZ
うーんこの
0120創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/05(金) 06:57:37.47ID:HHjEZImo
a
0121創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 12:08:56.86ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

B1QQDNKM1G
0122創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 07:14:28.29ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

ZJ042
0123創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 20:39:07.35ID:f1dClnnX
DPX
0125創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 15:09:49.67ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

T74
0126無なさん
垢版 |
2018/10/24(水) 17:02:05.58ID:2RClX0wV
もう森羅万象あらゆるものが擬人化されまくったので、これから新しく擬人化作品を作る人は誰かの後追いにしか成らないのではないか。

数字ちゃんってどうだろう。
1〜∞の数字を擬人化。キャラクター数は∞。
お互いに掛けたり割ったり足したり引いたり組んず解れつ。
素数姉妹の中でも一番年若のM77232917ちゃんは特に人気。
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