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クロスオーバー創作スレ5
0171創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 12:50:30.46ID:brnsPD7V
ガンツと五条のクロスです
0172創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 13:26:00.06ID:brnsPD7V
 帝国学園練習コートにて

五条は中学受験を楽々突破し、超次元サッカーを続けていた。
この時点で大学院レベルの頭脳、プロをも軽くあしらう実力を備えていた。
超次元サッカーの頂点である彼に、只のサッカーなど暇潰しにもならないのだ。
しかし、彼も人間。死ぬときは死ぬ。

練習コートの柱にシュートが衝突した。超人の域すら外れた者の全力に、
人の創造物がかなう筈がない。
それは人の子である五条も同様、鉄骨が、衝突す/gajqt§jw/.ap?@g anjpylpg?Cーーーーーー

 気がつくと、そこは部屋であった。
「また 出てきたぞ」
視線を上げると、そこには、人々と、黒い球体、が、あった。
0173GANTZ/GOJOU
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2011/03/18(金) 19:08:50.01ID:brnsPD7V
最後に転送されてきたのはユニフォームを着た男だった。
死んだ人間が転送されてくること、ミッションのことをとりあえず説明したが、この男だけが状況を飲み込めている。スーツの入ったケースを全員に渡したが、彼は何の躊躇もなく着た。
五条勝、と言うらしい。プロサッカー選手かと思い敬語で話していると笑われた。
「ククク・・・オレは中学生ですよ・・・?」・・・マジかよ。
「お名前、お聞きしてもよろしいですか?」
俺はーーー
0174創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 19:36:16.61ID:brnsPD7V
玄野計。
しばらく前から「ミッション」をしてきたという男はそう名乗った。「玄人の玄で玄野だ」
そして、ターゲットの情報が「ガンツ」に映し出された。
「やきゅう星人?お前とはライバルだな」別に、サッカーをしているからといって、野球は嫌いではない。
その後、武器などの説明を受けていると、何かが虚空に描き出された。
球体と靴、そして眼鏡。
球体にはサッカーボールを連想させる溝が走り、青白い光が漏れている。
靴は、今着ているスーツに対応しているようだ。スパイクに似た形をしている。
眼鏡のレンズはスーツの金属部を平たくした形だ。 これらは恐らくーーー
「使え、ってことじゃねえの?」
確かに、オレにお誂え向きだ。

程なく、「転送」が始まった。上から体が消えていき、目の前には野球場が広がっていた。
0175創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 20:11:40.63ID:brnsPD7V
スーツを着ているのは半分程度だろうか。着ているだけで生存率はけた違いに跳ね上がるのだ。
一応アラームが鳴ったら引き返すように呼びかける。ほぼ毎回エリア外に出て頭を吹き飛ばされる者が出る。加藤も、岸本も死んだ。もう誰も死なせたくはない。

標的はすぐに見つかった。既に返り血を浴びている。足元には、スーツを着た死体もあった。
「スーツ着ててもやべぇな・・・」
場慣れした者が一人だけの状況で、どう立ち向かえばいい・・・?
唐突に黒い球が星人の脇腹を抉り飛ばす。
「『ジャッジスルー』・・・まぁ、ルールを気にする必要はありませんがね・・ククク」
0176創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 22:41:16.97ID:brnsPD7V
バットで人間の胴体を分断する化け物相手に、効くとは思わなかった。
恐らく、このスーツによるものだろう。自分にクレーターを作り出すほどの脚力はない。
「来るぞ!!」玄野が叫んだ。
瞬間、立ち直った星人がバットを振り降ろしている。かわしきれないーーーーー常人なら。
『ヘブンズタイム』
ーーー周囲は相対的に止まって見えるほど遅くなる。動いて見えるのはバットと自分だけだ。
これが当たっていればひとたまりもない。  背後をとり、時間を解放する。
そして、銃声と爆音が鳴り響く。
星人の腹がいびつに凹み、よろめく。続いて、 後頭部が破裂する。
0177創る名無しに見る名無し
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2011/03/19(土) 00:32:09.93ID:fRrdqf8g
「今回はお前のお陰で助かった」「ククク・・・礼には及びませんよ」
強力な敵を倒したことで、彼らは失念していた。
ーーー野球にはピッチャーもいるのだ。  豪速球が、玄野の右腕を砕いた。

スイングに比べれば弱い、しかし当たっただけで即アウトということには変わり無い。
だが。
彼は立ち向かう。まだ生きている人間が居るのだ。何より、超次元サッカープレイヤーとして、この程度の壁を砕けずに終わるわけにはいかない。
五条に応えるかのように眼鏡のレンズに二次元マトリクスが表示される。
『シグマゾーン』
ありとあらゆる技を単独で行うまでに鍛錬した五条が唯一単独で使用できなかった技。
しかし、ここにゾーンは表示されている。後は、全力を尽くすのみだ。
「へぇあっ!!」二つのボールがぶつかり合う。

『狂え、純粋に・・・っ!!』

気がつけば、そこは部屋であった。そして、祝福の喝采。
採点の結果、百点を獲得し、『記憶を消されて解放』を選ばせてもらった。今ごろ親も心配しているだろう。足元から、消えてゆく。

あれは夢なのか、布団から出て思う。しかし、足元を見ると、あのときのスパイクが転がっている。記憶だって、消えて無いじゃないか。
0178創る名無しに見る名無し
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2011/03/19(土) 00:35:22.97ID:fRrdqf8g
以上です
連投ごめんなさい
0180エルシャダイ×まどか
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2011/03/22(火) 12:11:49.73ID:jC7FM3ub
  パチン!
ほむ 「話をしよう」

ほむ「あれは今から36…いや、4ループ前だったか…まあ良い」

ほむ「私にとってはつい昨日の出来事だが…君たちにとっては多分…明日の出来事だ」

ほむ「彼女には72通りの渾名があるから何て呼べば良いのか…確か最初に会った時は…」

ほむ「巴マミ!…そうだ、あいつは最初から言うことを聞かなかった」

ほむ「私の言う通りにしていればな…まあ、やな奴だったよ」

ほむ「そんな装備で大丈夫か?」マミ「大丈夫だ、問題ない」

マミ「ウッウッウッ グッグッグッ グアッグアッグアッ」バクン

ーーQBは言っている、ここで死ぬべきでは無いとーー

…ほむ「そんな装備で大丈夫か?」マミ「一番良いのを頼む」

ーーQB は言っている、宇宙を救えとーー

ほむ「ああ、やっぱり今回もダメだったよ あいつは話を聞かないからな」
0181【はじめの一歩】×【ローゼンメイデン】
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2011/04/01(金) 22:57:43.37ID:h5rGAIq2

「ねえ、一歩。強いって、どういう事?」

究極の少女を目指し、少女たちは熱き拳を交わす!!

蒼星石「知ってるかい?リングに燕は二羽いるんだ」

翠星石(勝つんですよ……負けるんじゃ、ねえですよ……)

金糸雀「カウンターに…必要なのは…スピードと……タイミングと……勇気……!!」

雛苺「ヒナは…今の金糸雀を見てると…本当に涙が出て来るの…!!」

雪華結晶「グッバイ、お姉さま!!」

「しんくっ!!しんくっ!!」

「すいぎんとっ!!すいぎんとっ!!」

水銀燈(背負ってる物の重さが違うのよ!!)ひゅん、ひゅん!

『出たぁぁ!!何人もの挑戦者を切り刻んだチャンピオンのフリッカー!!!!』

真紅(目指しているものの違い、思い知らせてあげる!!)ぐお…っ!!

『対するチャレンジャーは体を∞の軌道に動かし必殺の…』

真紅「ああああああ!!」

『デンプシー・ローズだぁぁぁぁぁ!!!』

水銀燈「しんくううううう!!!」

真紅「すいぎんとぉぉぉ!!」


〜究極の少女はゴングと伴に生まれる〜

0183一尉
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2011/04/07(木) 21:58:37.71ID:HiqBcU5U
支援
0184創る名無しに見る名無し
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2011/04/17(日) 21:55:53.63ID:Q0WlJYo7
あげぇ
0185創る名無しに見る名無し
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2011/04/25(月) 21:05:09.03ID:VxS4aDxa
ブラッディネロス

月宮「とうとう見つけたわ。神の遺産の在り処」
倒れている仮面の男の血を口にする謎の女性
月宮この神の遺産があれば烙印を消せる
一方別の場所では
???1「ふむ、あのお方の言われたとおりだ。しかし、俺は貴様と組んでまで使命を実行したいとは思わない。」
???2「私も同じ意見だが、あのお方は今回は二人で遂行しろといわれた、それに従っただけだ」
黒い二人組みは意見を衝突させながら、計画を実行させようとしている。
一人は大きな銃を持ち左腕が機械的なつくりを持つ男で、もう一人は黒い髑髏の顔に左手が鎌になっており、死神のような男だ。
???2「あのお方の命令は絶対だ、余計な行動を起こし、失態をしたらバルスキー様に会わす顔もないだろ。」
二人組みの男が目的地へ急ぐ

月宮「神の遺産は私のものに」
彼女は知らなかった、神の遺産を狙う敵が今の実力では打ち勝てないことに。
0186創る名無しに見る名無し
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2011/05/01(日) 00:35:56.04ID:WFTOo/VH
保守
0187創る名無しに見る名無し
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2011/05/02(月) 22:54:29.60ID:MktVmz3+
一応、続き
月宮「あれが神の遺産」
月宮は廃墟の教会で神の遺産の一つを発見する。
月宮「今回はペンダントのようね」
月宮が神の遺産に手を伸ばそうとする時、銃声が鳴り響く。
月宮「!!」
彼女が振り向くと二人の黒尽くめの男がいると発見する。
月宮「何か用かしら」
???1「その神の遺産に触れないでもらおう」
???2「神の遺産はお前のような下等に相応しい物ではない」
月宮「人間でも混血天使でもないわね。何者なの」
???1「挨拶が遅れたな。俺は戦闘ロボット軍団、暴魂トップガンダー」
???2「私は戦闘ロボット軍団、烈闘士ザーゲン。その神の遺産はあの方が管理するのに相応しい。」
月宮「ロボット!?なぜ神の遺産を機械がほしがるの」
月宮が意外な顔で反応する。
ザーゲン「あの小娘は私が相手をする、トップガンダー遺産の回収を」
トップガンダー「いや、この女はターゲットではないが生かすつもりはない。回収は貴様だ」
月宮「遅いわ」
月宮はすばやく二人の不意をつく。
ザーゲン「少しはできるようだな。」
トップガンダー「久し振りに楽しませてもらおう。」
トップガンダーは銃を構え、ザーゲンは左手の鎌で月宮に切りかかろうとする。
0188Fate/Ascension ルシフェルPV(1/2)
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2011/05/03(火) 04:47:08.24ID:rIcia6ym
時事ネタを少し。

 虚空に指が鳴り響く。
「話をしよう」
 男は誰と限るでもなく、闇に向かって語り始める。
「あれは今から100年、いや、50年前だったか。まあいい。
私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては、多分、明日の出来事だ」
 光の閉ざされた世界で、黒ずくめの男だけが仄かに明るんでいる。ルシフェル、堕ちた明星その人だ。
「彼には72通りの名前があるから、何て呼べばいいのか……確か最初に会った時は、シロウ」
 横を一瞥すると、懐かしげな口調に変わる。
「そう、あいつは最初から言うことを聞かなかった。私の言う通りにしていればな。まあ、いい奴だったよ」


 天界の辺縁。雲の海に浮かぶ台座に男が二人。一人は黒髪、黒服。もう一人は、白髪に浅黒い肌、そして、赤い外套。
「そんな装備で大丈夫か?」
「私を疑っているのか?」
 肩を竦める相手を尻目に、白髪の男は刀を二振り作り出す。挨拶も無しに、人影は空を舞って落ちた。

 俗世に音も無く、男が舞い降りる。荒野は同じ顔の少女で埋めつくされていた。そして、始まる魔術の詠唱。
火、雷、光の奔流が男に放たれる。二つの太刀筋が、魔力を切り裂いた。
「うっ!」
 だが、男は苦しげに呻いた。外套の背は傷ついている。振り向くや否や、次の一撃が体を襲う。
少女の群れは、軍隊蟻のように彼に襲い掛かっていく。立ち上がっては、打ちのめされ、立ち上がっては、打ちのめされる。
ずたずたに引き裂かれた外套が空しく地に落ちる。そして、大勢の少女が、呪文を唱え始めた。間もなく、光の束が押し寄せる。
男は刃の零れた刀を掲げた。

 誰かの指が鳴った。世界が暗転する。
「神は言っている。ここで死ぬ定めではないと」
 声だけが彼の耳に届いた。疑問差し挟む余地も無く、事実が巻き戻されていく。群がる敵が蜘蛛の子を散らすように見える。
自分の体は、重力に逆らい、天空へ昇っていく。そして、見慣れた黒服が視界に移り、そのままフェードアウトした。これは、夢か……?

 白髪の男は、数分前と寸分違わぬ位置に、寸分違わぬ格好で立っていた。ルシフェルは底意地の悪い笑みを浮かべて話しかける。
「シロウ、そんな装備で大丈夫か?」
「……一番いいのを頼む」
 シロウの言葉とともに、白い光が彼を包みこむ。後には、純白の鎧に、身を包んだ男が立っていた。
そして、右手には、弧を描く道具が生み出される。
「何だ、これは」
「これは、アーチだ。神が作り出した知恵の一つ、いや武器か。人類が決して辿りつくことのできない、神の英知として、神が我々に与えたものだ。
これで、穢れた魔術師や使い魔どもを浄化できる。お前の能力なら、これさえも無限に生み出せるはずだ。上手く使いこなせよ」
 「アーチ」が広がると、弧に青白い刃が浮かび上がる。それをシロウは目を瞑って暫く握りしめると、無言で大地へ飛び込んだ。
0189Fate/Ascension ルシフェルPV(2/2)
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2011/05/03(火) 04:48:04.54ID:rIcia6ym
 再び俗世へ軽やかに舞い降りる。周りには、先程と寸分違わぬ同じ顔が並んでいる。
詠唱が始まり、まもなく熱線がシロウに降り注ぐ。が、白の鎧は軽やかに宙を舞い、包囲網から抜け出してみせる。
―体が、軽い……!
 瞬く間に間合いを詰め、アーチを一閃する。少女は苦悶を浮かべることもなく、塵と消えた。
慌しく呪文を詠唱する人形を嘲笑うかのように、神の英知が魔術師の咎を切り裂いていく。
「神は言っている。全てを救えと」
 再び、シロウの脳裏に声が響いた。

 ルシフェルは、地上での乱舞を眺めながら、携帯電話を操作する。
「やあ、私のサポートが心配なのか?」
「いいんじゃないかな。あいつもよくやってくれてるみたいだし」
「いや、君の頼みは断れないよ。神は絶対だからね」

 シロウは進み続ける。ホムンクルス、アンデッド、蟲。切り結びながら、その顔は少しも動かない。
 ルシフェルは、笑みを浮かべて傍らに現れる。
「シロウ、人が持つ唯一絶対の力、それは、自らの意思で進むべき道を選択することだ。
お前は常に人にとって最良の未来を思い、自由に選択していけ」
 いつしか、二人の道先には、歪な建造物の姿が見えていた。かつて、時計塔と呼ばれたものの成れの果てだ。
「さあ、行こう」

「ああ、シロウ。私のかわいい子供たちが悲しみに泣いています」
 禁忌の塔を背に、巨大な甲虫に乗る、魔道服に身を包んだ女性の姿。
「いきなさい、貴方たち。弟の仇を取るのです」
 おぞましい蟲の群れが、空を我が物顔で飛び交った。

 ルシフェルは再び闇の中に立ち、携帯電話を弄くる
「ああ、やっぱり今回も駄目だったよ。あいつは話を聞かないからな。ところで、こんな罪人で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「やれやれ、私は君に最後まで付き合うつもりだよ」

--to be continued?--
0190創る名無しに見る名無し
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2011/05/03(火) 21:34:39.42ID:PxxFb587
月宮「あなたたち何が目的かは知らないけど遺産は私の物よ」
ザーゲン「小娘が我が鎌の血錆にしてくれる」
ザーゲンの鎌が月宮の剣と交じり合う。
月宮「血よ」
月宮はそう言うと地面から血の攻撃をザーゲンに与える。
ザーゲン「ぐは」
ザーゲンに月宮の血液攻撃を受け、体制が崩れる。
トップガンダー「この女、少し、手応えがありそうだ。」
トップガンダーの銃口が月宮に狙いを定め、引金を引こうとする。
ドキュン
次の瞬間銃声と同時に月宮の左腕に血が流れ始め月宮に激痛が走る
月宮「しまった」
月宮が左腕を押さえるのと同時にザーゲンが月宮にめがけてダガーで刺そうとするが
ザーゲン「ここまでだ」
しかし、月宮は流れ出た血でザーゲンの腹部を貫く。
ザーゲン「うぐあ」
ザーゲンは倒れる。
トップガンダー「この女、半吸血鬼か」
トップガンダーが再び引金を引こうとする、しかし、月宮に銃弾が当たらない。
トップガンダー「何だ」
???「危なかったな、月宮」
月宮は振り向くとそこに呪符を持った男性を目撃する
???「神の遺産を取りにいって見たら、ずいぶんとにぎやかな展開だな」
月宮「日向」
トップガンダー「援軍か?ザーゲン退くぞ」
ザーゲン「やむを得ないか」
すると二人は廃墟を後にする。
日向「さて遺産は俺のものと」
そう言うと日向は遺産のペンダントを回収する。
月宮「後からやってきて、遺産を取るとは」
日向「おいおい、そんな状態で遺産取る気だったのか?今回のは俺のだ」
そう言うと日向はどこかに消える
月宮「この遺産なら消せると思ったのに」
月宮は自分の胸に刻まれた烙印を見つめる。
それは前回の「深淵の章」を取ろうとした時にできた新たな烙印であり、彼女はこれを消そうとしている。
月宮「今度こそ必ず」
そう言うと月宮は廃墟を後にする。

-- END --
0191創る名無しに見る名無し
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2011/07/20(水) 01:52:29.36ID:w1h/ki4Z
age
0192 ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:14:25.74ID:SeLe0bue
<創発板 3周年記念>にクロス作品を書いてみましたので、投下させていただきます。
・・・自分の中ではちょっと難しいテーマで書いたので、完成度は低いですがお目汚し程度にドウゾ。
0193侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/08/28(日) 18:17:25.40ID:SeLe0bue
それは、夏が終わりに近づこうとしていた時期の夕刻のことであった。

とある海岸に設置された、小さな海の家『れもん』。
そこでは、今日一日の営業を終え、帰宅への準備を行う相沢栄子とその姉である相沢千鶴、
そして『イカ娘』と呼ばれる少女の姿があった。
「えぇっと・・・ガスの元栓切った!水道の元栓もヨシ!」
「こっちもOKよ。」
そう言って、握られた鎖を投げ縄のように回す千鶴。
その後ろには、鎖と南京錠で施錠された冷蔵庫があった。
「あとは・・・イカ娘ちゃんは?」
「とりあえず、ゴミ捨てに行かせたよ。だから、あいつが・・・。」
「・・・すみません?」
突然、栄子の言葉に割り込むかのように入ってくる声。
その声の方向をふたりが見ると、そこにはイカ娘・・・ではなく、見慣れない男の姿があった。
「えぇっと・・・何でしょうか?」
栄子が少し困惑しつつ聞く。
「あ・・・もうお店って閉まっちゃいました?」
「すみません、もう営業は終わってしまったんですよ。」
男の質問に対し、千鶴が答える。
「そうか・・・あ・・・あと、お願いがあるんですが・・・お店のお隣りにテントを張ってよろしいでしょうか?」
「テントですか?ええ、別に構いませんが・・・。」
「ありがとうございます!それじゃ・・・お言葉に甘えて、さっそくテントを設置させてもらいますね。」
そう言って、男はテントを取りに行ったのか、砂浜から道路へ出る階段を急いで登っていくのであった。

「ただいまでゲソ〜・・・。」
数分後、『れもん』の入り口にイカ娘が姿を現わした。
その顔は、ゴミ捨てに少々疲れてしまったのか、少し暗い表情をしていた。
「おう!遅かったな、イカ娘。よし、じゃあ帰るか!!」
「・・・うん?栄子、アレは誰でゲソ?」
指を指すイカ娘。
その先には、テントだけでなく焚火の設置もテキパキと終え、火を前にしてくつろぐ男の姿があった。
「ああ・・・本人曰く、バイクにテント担いで一人旅をしてるんだとさ。
まあ、今日みたくテント張ったり焚火用意したりと・・・しかも、全部ひとりでだから大変なんだろうけど・・・
まあ、あの人なりに気ままな楽しい旅をしてるんだろうねぇ・・・ってイカ娘、聞いてるか?」
栄子が丁寧な説明をしたにもかかわらず、それを無視し、男を見続けるイカ娘。
0194侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:19:37.61ID:SeLe0bue
イカ娘は感じていた。
焚火を見つめる男の表情・・・そこには、栄子のいうとおり、気ままな旅を続ける『楽しさ』がある。
しかし、同時に『悲しみ』や『寂しさ』といった負の感情もそこには存在していた。

「・・・。」
「イカ娘?・・・ったく、先帰るぞ。」
そう言って、千鶴とともに先行して歩き始める栄子。
「・・・ハッ!ま・・・待ってでゲソ!!置いていくこと無いじゃなイカ!!!」
一方のイカ娘は、栄子がいないことにようやく気付き、大声をあげながら彼女らの背中を追うのであった。

「イカ娘ちゃん、どうしたの?」
相沢家の夕食時・・・いつもなら元気良く夕飯を食べるのだが、
今日に限っては食事の進みが悪いイカ娘に対し、千鶴は声をかけるのであった。
「・・・うん・・・少し気になるでゲソ。」
「『気になる』って・・・さっきの男の人か?」
栄子が言う。
「別にただの旅人だろう?気にすることは無いだろう?」
「・・・何か引っかかるでゲソ。何と言うか・・・カンと言うか・・・とにかく、
 栄子には理解出来ないような『繊細な部分』で引っかかるでゲソ。」
「人を鈍感の代表みたいに言うなっ!」
「・・・。」
会話するイカ娘と栄子を後目に、考える千鶴。
そして、何か思いついたのか、立ちあがり、そして台所へと移動するのであった。

数分後、再びイカ娘らのもとに現われる千鶴。
その手には、先ほどには無かった『小さめの発泡スチロールで出来たクーラーボックス』が存在していた。
「イカ娘ちゃん、急で悪いけどお使い頼まれてくれる?」
「うん?良いでゲソ・・・で、要件は何でゲソか?」
「この箱を、さっきの男の人に届けてくれる?たぶん大丈夫だとは思うけど・・・
 まあ、せっかく知り合った印ってことで食べ物を届けて欲しいのよ。」
「了解でゲソ!・・・でも、中身は何でゲソ?」
そう言いながらクーラーボックスのフタを取ろうとするイカ娘。

・・・だが、フタとクーラーボックスの隙間に指を入れようとした瞬間、彼女の体におぞましいほどの恐怖が走った。
凍りつくイカ娘。
恐る恐る、恐怖の発生源を見ると・・・予想通り、マイナスエネルギーを全身にまとった千鶴の姿があった。

「・・・イカ娘、ここは大人しく『開けずに届ける』任務を遂行するのが身のためだ。」
「・・・十二分に了解したでゲソ。」
0195侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:23:08.91ID:SeLe0bue
一方、海の家『れもん』の隣りに形成された小さなコロニー。
そこで、男は夕食の準備に取り掛かっていた。
焚火の上に吊るされた鍋の中でグツグツと煮える湯。
その側で、男は玉ねぎの裁断に取り組むのであった。
「ちきしょう・・・目が痛てぇ!」
目を赤くし、涙を流しながら玉ねぎを切る男。
すると突然、男の耳に少女の声が聞こえてきた。
「お〜い、旅人の人ぉ〜!!」
包丁を握ったまま男が振り向くと、そこには小さなクーラーボックスを抱えたイカ娘の姿があった。
「君は確か・・・『れもん』の人だっけ?」
「そうでゲソ。でも、正確には『れもんの人』ではなく『イカ娘』でゲソ。」
「・・・イカ・・・娘?」
「そうでゲソ!我が名はイカ娘・・・海を汚す人間たちを支配し、美しい海を取り戻すためにやって来た『深海からの使者』でゲソ!!」
そう言って、頭の触手をウネウネとさせながら胸を張るイカ娘。
その光景に対し、男はただただ黙っているしかなかった。
「・・・どうやら、私の偉大さに恐れおののいたようでゲソね・・・あ、『深海からの使者』も大事だけど、
 今は『千鶴からの使者』の方が大事でゲソ!!!」
そう言って、イカ娘は手元のクーラーボックスを男に渡した。
「ん?これは?」
「分からないけど、千鶴に頼まれて持ってきたでゲソ。」
「ふぅん・・・お?」
クーラーボックスを開け、中身を確認する男。
その中には、クーラーボックスの中を丸々占有するほど大きな伊勢海老が入っていた。
「すげぇ!伊勢海老が丸ごと!!」
「・・・!」
表情が変わるイカ娘。
「こりゃ良い!せっかくだからこの伊勢海老を使って、今日はおやっさん直伝の『伊勢海老の味噌汁』にしよう・・・っと。」
そう言って、男が伊勢海老をまな板のある場所まで持っていこうとしたその時だった。
突然、『ロープのような物』が上半身に巻き付き、身動きが取れなくなる男。
手に持った伊勢海老を落としそうになりながらも、体勢を整え、そして後ろを振り向くと、
そこには自身の触手を男に絡ませるイカ娘の姿があった。
「うぉいっ?!何じゃコリャ?!?!」
「・・・お主、海老を持ってきた私に対する『お礼の言葉』は無いでゲソか?」
「・・・あ。ごめん・・・つい伊勢海老にテンション上がっちゃって・・・。ありがとうな、えぇっと・・・イカ娘・・・ちゃん?」
「それで良いでゲソ。」
そう言って、触手を解くイカ娘。
0196侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:26:28.97ID:SeLe0bue
「・・・よし、それでは調理に戻・・・るぅっ?!」
再度、まな板のある場所に行こうとする男であったが、またしてもイカ娘の触手に体の自由を奪われてしまった。
「おいっ!今度は何だ、イカ娘!?」
おもわず、呼び捨てにして怒る男。
対するイカ娘は堂々と言い放った。
「『お礼の言葉』に関してはOKと言ったでゲソ・・・次は『感謝の意を込めた態度』でゲソ!」
「・・・態度?」
「そうでゲソ!」
「・・・態度って・・・具体的には?」
「・・・胸に手を当てて考えてみるでゲソ。」
「イカ娘の触手で腕が動かせられないので出来ません。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・あ〜っ、もう!お主の言った・・・その『伊勢海老の味噌汁』を作って、私にも御馳走して欲しいでゲソ!!」
「・・・ああ〜、そういうことか!いや・・・悪ぃワリぃ!!」
「もう・・・早く作ってでゲソ!」
「だったら、触手を解いて欲しい『でゲソ』。」
「真似するなでゲソっ!!」
怒りながらも男に絡まった触手を解くイカ娘。
一方の男は、3度目にしてようやくまな板のある場所に移動し、伊勢海老の解体にかかるのであった。

「・・・聞いて良いでゲソか?」
解体が終わり、味噌や玉ねぎとともに煮込まれている伊勢海老の頭を見ながらイカ娘が言う。
「何だい、イカ娘?」
「お主・・・何か悩みを抱えていなイカ?」
「・・・どうしてそう思う?」
「理由は分からないでゲソ・・・でも、夕暮れの時に見たお主の表情・・・何と言うか・・・悲しそうだったでゲソ。」
「・・・。」
無言のまま、焚火の中へ流木を投げ入れる男。
そして、燃え上がる流木を見ながら男は語りだした。
「・・・なあ、イカ娘は『仮面ライダー』って知っているか?」
「『仮面ライダー』?『能面ライダー』なら知ってるでゲソ。」
「・・・『仮面ライダー』、それは人類の自由と平和を守るヒーローのみが名乗ることの出来る称号さ。」
「人類を守る・・・ってことは、私にとっては敵じゃなイカ!」
「ハハハ・・・確かにそうかもな。まあでも、敵がお前さんみたいなのだったら、さすがの仮面ライダーでも倒そうとは思わんよ。」
「・・・どういう意味でゲソ?」
0197侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:32:16.08ID:SeLe0bue
「とにもかくにも・・・人々を守るため、長きにわたって『仮面ライダー』は『悪』と戦い続けたんだ。」
そう言って、流木を焚火に投げ入れる男。
「実はな・・・俺も以前は『仮面ライダー』だったんだ。」
「・・・『だった』でゲソ?」
「ああ、かつては胸を張って『仮面ライダー』を名乗っていた。・・・だが、今はもう『仮面ライダー』を名乗る資格は無いかもしれない。」
「どういうことでゲソ?」
「俺は・・・相棒とともに『人間の私利私欲が産み出した怪物』と戦ってきた。
 だが、ある戦いで相棒が死に・・・俺ひとりの力でその怪物と戦うことになった。
 そんなある時、フト思ったんだ。『この戦いはいつになったら終わるんだろうか?』・・・ってね。」
「・・・ゲソ?」
「今の言ったように、敵は人間の欲望・・・例えば、復讐心や支配欲に奪われた人々が人間の姿や心を捨て、怪物と化した存在だ。
 そんな怪物誕生のきっかけとなる欲望は誰にでも存在する。イカ娘にだって・・・もちろん仮面ライダーにも・・・だ。」
「欲望・・・でゲソ。」
「人間の欲は無限に存在する。そして、その欲望が何らかの形で暴走した時、怪物の数は無限と化す・・・そう考えているうちに
 『永遠の戦い』に対する恐怖が芽生えて・・・。」
「もしかして・・・今、旅をしている理由は『戦いから逃げるため』でゲソか?!」
「いや、一応の理由は『有給休暇の消費』なんだが・・・まあ、もしかしたら心の奥で『戦場から離れたかった』って
 いう気持ちがあったのかもしれないな・・・。」
そう言って、男は3本目の流木を焚火の中へ投げ入れた。

・・・だが、流木は焚火の中へ入らず、そのまま暗闇の中を飛んで行ってしまった。
「・・・うん?」
目をこらす男。
よく見ると、その流木はイカ娘の触手に絡め取られており、触手によって宙空に大きな軌道を描くと、
そのままイカ娘の手の中に収まるのであった。
刀の柄を握るかのように流木を掴むイカ娘。
そして、その先を男の顔に向けると、大声で語りだした。
「・・・もう!正義のヒーローのくせにクヨクヨし過ぎでゲソ!!」
「スマン・・・だが、ヒーローだってクヨクヨしたいさ。」
「私を見てみるでゲソ!『人間を支配する』と言って地上にやって来たにもかかわらず、千鶴や栄子に支配されてる・・・でゲソ・・・。」
「・・・言ってて悲しくないか、それ?」
「・・・ちょっと後悔してるでゲソ・・・じゃなくて!正直、私の最初の作戦は失敗したでゲソ。
 でも、近いうちに第二弾、第三弾を行う予定でゲソ!そして、その作戦が成功し、地球の支配者となれば、
 私は『イカ娘』から『全能の支配者』となるでゲソ!!
 ・・・でも、まだ作戦を行えてないから、今は『イカ娘』として頑張っているでゲソ!!!」
「え・・・あ・・・え?いや、『イカ娘』ってお前さんの名前だろ?別に『仮面ライダー』みたいな称号でも何でも無いだろ?」
「細かいことは気にするなでゲソ!と・に・か・くっ!!
 お主は『仮面ライダー』なら『仮面ライダー』という名前を簡単に捨てようとせず、誇りを持ち続けるでゲソ!!!
 そして・・・私も来るべき日まで『イカ娘』という名前に誇りを持ち続けるでゲソ!!!!」
0198侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:36:13.70ID:SeLe0bue
「・・・ふっ・・・ハハハハハ!!」
「何がおかしいでゲソ?!」
「いや・・・スマン。まさか、正義のヒーローである『仮面ライダー』が人間を支配しに来た『悪の使者』に説教されてる・・・
 しかも、その内容はちょっと強引・・・って思ってたら、つい笑っちまってな。」
「失礼なでゲソ!こっちはこっちなりに真面目でゲソ!!」
「・・・だが、ありがとうな。」
「・・・ゲソ?」
突然の感謝の言葉に困惑するイカ娘。
一方の男は、胸からUSBメモリに似た何かを取りだした。
「なあ・・・さっき、俺が旅に出た理由について言っただろう?」
「え・・・確か・・・『有給休暇の消費』とか・・・。」
「あと『戦場から逃げたかった』とか・・・な。だが、本当の理由が分かったよ。」
「どういうことでゲソ?」
「・・・俺は『お前に会いたかった』のかもしれない。」
「ゲソ?!」
「俺は・・・色々な『運命』に導かれて『仮面ライダー』となり、『悪』と戦い、そして・・・相棒を失った。
 最後に関しては『運命』とは思いたくないが・・・もし、俺の人生に関する全ての『運命』が最初から決まっていたのだとしたら・・・。」
「つまり・・・私とお主が会うのは『運命』とでも言うでゲソか?」
「ああ・・・戦いに悩むという『運命』に巻き込まれた俺が、お前さんに悩みを打ち明け・・・元気をもらい・・・
 そして、新たな『運命』へと進む力を得る・・・という『運命』に導かれてここに来たのかもな。」
「・・・。」
「・・・うん?どうした?」
「・・・そんな、ヴェートーベンみたいに『運命』『運命』言われてもよく分からないでゲソ!・・・っていうか、
 『伊勢海老の味噌汁』はどうしたでゲソか?!」
「・・・あ・・・忘れてた!」
そう言って、焚火の上に吊るされた鍋を覗き込む男。
長話をしていたせいで少々煮詰まってはいたが、とりあえず熱々の味噌汁が完成していた。
「ふぅ・・・良かった、出来てるよ。」
「早く食べたいでゲソ!!」
「待ったマッタ!とりあえず、よそってやるから・・・。」
そう言ってオタマを手に取り、鍋をかき回す男。

その男の顔からは、最初に会った時の『悲しみ』や『寂しさ』が消えていたようにイカ娘は感じるのであった。
0199侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:39:53.29ID:SeLe0bue
翌日の早朝。
早起きしてイカ娘が昨晩のコロニーに行くと、男は既に片づけを終え、バイクで旅立とうとしていた。
「お〜い、旅人の人〜!」
「・・・ん?おう、イカ娘か!」
急いで、バイクのもとに駆けつけるイカ娘。
「これからどこへ行くでゲソ?」
「・・・そうだな、もう有給はおしまい!まっすぐ事務所に帰るよ。」
「そうでゲソか・・・また、新たな『運命』と向き合うでゲソね・・・。」
「ああ、せっかくお前さんに俺の悩みを聞いてもらったし、お前さんから伊勢海老と元気をもらったし・・・
 そんな状況で『また逃げます!』なんて言えないだろう?」
「・・・なんだか心配でゲソ。」
「・・・。」
イカ娘の一言に複雑な表情となる男。
そして、ヘルメットをかぶり、バイクのエンジンを始動させるのであった。
「イカ娘!」
「何でゲソ?」
「もし・・・お前が俺みたいに『運命』が怖くなった時、俺のところに来い!
 今度は俺がお前の悩みを聞いてやる!!そして・・・元気を与えてやる!!!」
「大丈夫でゲソ!私は人間を支配しに来た存在・・・だから人間にも『運命』にも屈しないつもりでゲソ!!」
「随分と威勢の良いこと言ってくれるじゃねぇか。」
「・・・でも、もし本当に『運命』が怖くなったら・・・頼むでゲソ・・・『仮面ライダー』!!!」
「・・・『悪』は助けるつもりは無いが・・・まあ、『イカ娘』としてだったらOKだ。」
「頼むでゲソ!・・・あ、最後にひとつ聞いて良イカ?」
「何だ?」
「お主の・・・名前は?」
「・・・あ、そういえば名乗って無かったな。」
そう言うと、男は大き目のバックルのような物が付いたベルトを取り出し、腰に巻いた。
そして、昨夜見せたUSBメモリ状の物をバックルに挿し、バックルを傾けるのであった。

JOKER!!

響き渡るガイアウィスパー。
・・・と同時に男の体は黒い風と紫の装甲に包まれた。

「俺の名は左 翔太郎。またの名をジョーカー・・・いや、『仮面ライダージョーカー』!」

こうして、男は・・・いや、『仮面ライダー』はイカ娘の前から去っていった。
そして、お互いは次の『運命』へと進んでいく。

『仮面ライダー』は、EXEと呼ばれる犯罪集団と戦う『運命』へ・・・
そしてイカ娘は、海の家『れもん』にて低賃金で働かされるという『運命』へ・・・。
「・・・って、それじゃあいつもと変わらないでゲソ!!」

・・・まあ、平和な日々をただただ過ごす『運命』というのも一興ではなかろうか・・・と。

おわり

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以上です。
駄文によるお目汚し失礼しました。
0200創る名無しに見る名無し
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2011/09/02(金) 02:25:58.03ID:Od5JqLn0
タイバニとけいおんのクロス投下します
初SSなので稚拙な文章ですがお許し下さい
時系列はタイバニが空白の10ヶ月の初めの方。
オジサンの扱いがまだぞんざいで
バニーはまだツンがありますが角は大分取れた感じです
0201たいばに!
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2011/09/02(金) 02:28:34.23ID:Od5JqLn0
<シーン1:ロイズのオフィス>

虎徹「日本に出張ですか?!」
ロイズ「そう。今度シュテルンビルドが日本の京都市と姉妹都市の提携を結んだのは知ってるよね? 
その記念イベントの一環として、来月シュテルンビルドの顔でもあるヒーローに来て欲しいと向こうさんからのお願いでね」
虎徹「なるほど、でもそんな話が俺の所に来るなんて珍しいですね。
普通バニーとかスカイハイ辺りが呼ばれそうだと思ったんで…」
ロイズ「本当の事を言うとね、向こうさんからはその二人をリクエストして来たんだけど。
こちらとしてもトップヒーローが二人抜けるとHERO TVが盛り上がらないんで困るの。
それで君は日本語ができるみたいだから、現地での通訳代わりをするということで勘弁してもらったんだよ」
「つまり君はバーナビーのおまけなんだから、彼の足を引っ張るような余計なことはせず、
しっかりサポートして欲しいの。分かった?」
虎徹「あ〜っ、やっぱそんなオチでしたか…」
ロイズ「不満があるの? 嫌だったら辞めてもらってもいいんだよ?」
虎徹「いえ。鏑木・T・虎徹、京都出張の辞令しかと承りました!」
ロイズ「そう、じゃあ分かったらさっさと仕事に戻ってくれる」(追い立てるように手をシッシしながら)
0202たいばに!
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2011/09/02(金) 02:30:43.57ID:Od5JqLn0
<シーン2:休憩室前の廊下>

虎徹「ったくロイズさんももう少し言い方ってのがあんだろうに。でも京都か…、高校の時の修学旅行以来だな。
あん時はよその学校の生徒とモメて、友恵の奴にえらい怒られたっけ」(思い出すようにニヤつきながら)

“ウィーン”(休憩室のドアが開いて入る)
虎徹「オッス!おっはよー!!」
(背後に折紙サイクロンが音もなく近づいてくる)
折紙「タイガー殿…」
虎徹「うわ! 朝から驚かせんなよ折紙っ」
折紙「これは大変申し訳ないでござる。(土下座をしながら)改めてタイガー殿にお願いがござる。
この度の京都出張の件、ぜひ自分と代わって頂きたいのです」
虎徹「おい折紙、みんな見てるから頭上げろよ。お前いくら日本好きとはいえ、そこまでして行きたいのか?」
折紙「もちろんでござる! 京都といえば日本文化の総本山とも言える地。
その真髄を極めるためにぜひとも足を踏み入れたいのでござる」
虎徹「どうせ向こうに行っても役所とかに顔出すぐらいだろうし、観光するヒマなんてないと思うぞ。
後、ぶっちゃけ俺はバニーの通訳代わりなんだよ。お前日本語なんてしゃべれないだろ?」
折紙「うぐぐ…それは確かに…」
虎徹「そうだ!お前におみやげ買ってきてやるよ。新撰組のハッピとかどうだ?」
折紙「おお、かたじけのうござる!」
ネイサン「あらあらそれは聞き捨てならないわね」
キッド「折紙さんばっかりずるいよタイガー!」
虎徹「分かった分かった、みんなにも何か買ってきてやるよ」
キッド「ボク、美味しい物がいいなー」
ネイサン「私はキモノがいいわ、ゲイシャガールが着ているようなの。ブルーローズは何がいいの?」
ローズ「わ、私(アセアセ)、私は何でもいいわよ…(小声で)アンタのくれるものだったら…」(顔を赤らめる)
虎徹「ん?まぁ何でもいいんだな。じゃ適当に考えとくわ」
ネイサン「(も〜ニブチンなんだから)」

“ウィーン”(再度ドアが開く)
バニー「オハヨー、コンニチワミナサン」
虎徹「うわっ! どうしたんだバニーそのカタコト日本語は」
バニー「何って日本語の練習ですよ。今回の訪問はシュテルンビルドとヒーローの好感度を上げるのが狙いですからね。
だったら現地の言葉で挨拶ぐらいは言えたほうが効果的でしょ」
虎徹「確かにそうだけどよ。ちょっとお前らしくないっていうかさ…」
バニー「そうですか? 僕は仕事に関して無駄は嫌いますが、常に全力投球です(キリッ!)」
虎徹「(やっぱお前何か変わったよ)」
0203たいばに!
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2011/09/02(金) 02:33:08.36ID:Od5JqLn0
<シーン3:飛行機の機内>

虎徹「そんで、折紙の奴がハッピ、ファイヤーエンブレムが着物…は高くて無理だからこいつもハッピでいいや。
アントニオが日本酒で、ブルーローズは櫛かカンザシ辺りがいいかな…」
「キッドは食いモンがいいって言ってたから八つ橋にでもすっか。スカイハイのリクエストが“日本的で気持ちが込もったもの…”
何だこりゃ? 面倒だからこいつも八つ橋だな。後、楓には何すっかな…」
バニー(日本語で)「ずいぶん熱心ですね。普段の仕事もそれぐらいやってくれればいいんですけど」
虎徹「俺はデスクワークは苦手なんだよ…。それにしてもこの短い間に日本語本当上手くなったな〜、俺必要ないんじゃね?」
バニー「集中力の差ですよオジサン」
斉藤「(頭の出来の差だろ…)ブツブツ」
虎徹「ひでーな斉藤さんまで。つーか何で斉藤さんも一緒に来てるんですか」
斉藤「(私がいなかったら誰がスーツやバイクのメンテをするんだよ…)ブツブツ」
虎徹「別に出動するわけじゃないからメンテなんて必要ないでしょ。
あっ分かった、ひょっとして経費で芸者遊びでもしようとか考えてるんでしょ?」
斉藤「(ギクッ!)」

アニエス「ボンジュール、ヒーロー。お話中のところ申し訳ないけど、明日からの予定をもう一度打ち合わせするわよ」
虎徹「お、ちょっと待って」
アニエス「明日空港に着いたらその足で市役所に表敬訪問。
その後記念式典に出席したら、次に地元テレビ局の番組撮りとラジオに生出演」
「翌日午前中は女子高で一日教師。そして…」
虎徹「女子高? そういうのって小学校で子供に囲まれるってのが普通じゃね?」
アニエス「今回の日本行きは内容が正直地味だから、華やかな画が欲しいのよ。
子供をあやしてるよりも若い女の子に黄色い声援を浴びる方が人気者って感じがするでしょ」
「それに先生役はバーナビーで、タイガーあなたは通訳に徹してもらいたいけけど、彼の様子からするとその必要も無くなったわね。
とにかくこれが今回の“HERO TV・イン・ジャパン”のハイライトよ」
バニー「任せて下さい。オジサンは何もしないで大丈夫ですよ」
虎徹「はいはい、じゃあ後ろの方でボケッと突っ立てますよっ。ところで何て名前の学校なんだ?」
アニエス「え〜と確か、桜高校とか言ったわね…」
0204たいばに!
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2011/09/02(金) 02:36:01.32ID:Od5JqLn0
<シーン4:朝の通学路>

律「おっはよ〜!ムギー!」
澪「おはようムギ」
紬「おはよう律ちゃん、澪ちゃん」
律「でも珍しいな、いつも朝早いムギがこんなギリギリの時間に来るなんて」
澪「お前がいつまでも寝ているから、私たちもこんなギリギリの時間になったんだろ!(コツン!)」
紬「クスクス、二人共朝から仲がいいわね。昨日お父様が海外で重要なパーティーがあるんで、お母様や執事の斉藤も連れて出張に行ってしまったの。
それで少し羽を伸ばして夜更かししてたら、朝寝坊しちゃったわけ。でもたまにはこういうのもいいわね〜」
唯「おっはよ〜みんな!」
律「唯はいつもギリギリだな〜」
唯「そんなことないよ。今日はいつもより1時間早く起きたんだけど、ギー太を弾いてたらこんなに遅くなっちゃただけだよ」
澪「それじゃ全然早起きの意味ないぞ」
唯「そういえば律ちゃん、昨日さわちゃんが言ってたけど、
今日学校に外国から“ひーろー”の人が来るんだってね。何だろうねひーろーって?」
律「確かにそんなこと言ってたな。後、テレビの撮影も来るらしいぜ」
唯「テ、テレビ! 律ちゃん隊員、これは放課後ティータイムが海外デビューするきっかけになるかも!!」
澪「それは飛躍し過ぎだぞ唯。でもヒーローって一体何だろう?」
律「あれじゃないのか? 日曜の朝とかにやってる何とかレンジャーとか何とかライダーの着ぐるみが来て、
ヒーローショーでもやるんだろ」
澪「小学生じゃないんだから」
律「んで、全身タイツのショッカーが人質とか言って、観客の中からステージに連れて行かれるんだよ。
澪なんかリアクションがデカいから格好の餌食だな(ニヤニヤ)」
澪「や、やめろ! そんな恥ずかしいことできるわけないだろ!!」
紬「ひょっとしたら、中の役者さんの方が来るのかもね」
律「テレビが来るぐらいだからそっちかもしんないな。さわちゃん昨日“明日は何着ようかしら”なんて浮かれてたし」

(門を抜けて校内に入る。校庭に機材車やヒーロー用の大型移動車が止まってる)
唯「お〜、はりうっどせれぶって感じだね〜」
紬「どんな人が来るんだろうね美人の女優さんかな?」
律「いや昨日のさわちゃんの反応からすると、多分イケメン俳優じゃないのか」
(チャイムが鳴る)
澪「やばい! みんな急がないと!!」
0205たいばに!
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2011/09/02(金) 02:37:33.54ID:Od5JqLn0
<シーン4:講堂>

校長「…ということで我が京都市とシュテルンビルド市の姉妹都市提携が結ばれたわけであります。
それを記念して今日は同市の平和を守るヒーローに来てもらい、一日教員を務めてもらうことになりました」
(壇上でヒーロースーツを着て並ぶタイガー&バーナビー)
唯律澪紬「「「「こっちの方かよ!」」」」
律「何だよヒーローショーの方かよ。その内ショッカーが出てくるぞ〜」(澪に向って言う)
澪(耳を押さえながら)「(いやだいやだ、見えない聞こえない…)」
さわ子「どうしたの秋山さん?」
澪「あ、いえ、大丈夫です…」
さわ子「それならいいけど。今日はテレビも来ているんだから、変なとこを見せないようにね」

校長「それではご紹介します。まずこちらがバーナビー・ブルックスjrさん」
(バニー、マスクを取る。黄色い歓声が響く)
女生徒たち「キャー!」「素敵ー!」「マジイケメーン!!」
さわ子「カッコイイー!」
律「アンタもはしゃぎ過ぎだっつーの」

校長「続いてはワイルドタイガーさん」
(虎徹、マスクを取る。生徒達リアクションに困ったように一気に静かになる)
女生徒たち「何かパッとしないわね」「っていうかオッサン?」「あのアイマスク、だっさー」(ザワザワ)
虎徹「(はいはい、大体予想はしてましてたけどね…)」
0206たいばに!
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2011/09/02(金) 02:38:18.75ID:Od5JqLn0
<シーン5:移動車内>

アニエス「挨拶も終わったところで、次は2時限目からバーナビーの授業風景ね。内容はその台本に書いてあるから、臨機応変にアドリブを効かせてくれたらいいわ」
 「授業が終わったら生徒たちと一緒に学食でランチ。その後は昼休みに校庭で生徒たちと談笑しているカットを撮って終了ね」
虎徹「おいアニエス、俺は何をしたらいいんだ?」
アニエス「通訳の必要が無くなったから、タイガーには出番はないわ。次の現場までその辺で待機しててちょうだい」
虎徹「じゃあ、せっかくのいい天気だし校庭で昼寝でもさせてもらうかな」(背伸びをしながら)
アニエス「タイガー、一応ここ女子高だからうろちょろして痴漢扱いされないようにね」
虎徹「しねーっつーの。ったく人のこと何だと思ってんだよ」(ブツブツ)
0207たいばに!
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2011/09/02(金) 02:39:16.76ID:Od5JqLn0
<シーン6:昼休み、中庭に面する渡り廊下>

唯「それにしても学食、凄い人混みだったね〜」
澪「ヒーローの人、メガネしてるな〜ぐらいしか分かんなかったよ」
梓「私なんて顔すら見えませんでしたよ」
律「梓はお子ちゃまだから、肩車してやれば良かったかな?」
梓「律先輩に言われたくないです。精神年齢はお子ちゃまのくせに」
律「何だと〜中野〜!!」
紬「それにしてもさわ子先生、ヒーローの人にベッタリだったね」
律「生徒差し置いて隣の席をがっちりキープしてたもんな。テレビ局の人も若干引いてたし」
唯「あずにゃん、ねぇあれ…」(中庭の方を指差して)
梓「ヒーローのもう一人の方ですね」
律「はは〜ん、相方ばかり目立ってるから、ふて腐れて昼寝でもしてるんだな」(中庭に下りて近づいて行く)

(虎徹の周りで)
唯「このおじさん全然起きないよ」
梓「この目に付けてるのアイマスクですかね」
律「そうだいいこと思いついた!」(アイパッチに手をかける)
澪「おい律やめろよ!」
律「大丈夫だってこんなによく寝てるし、当分起きないよ」(アイパッチを外す)
梓「何か普通…ですね…」
紬「ちょっと渋くていいかも〜」
律「そうか?」
(虎徹目を覚ます。アイパッチの無いことに気づいて)
虎徹「わ〜!!」
唯律澪紬梓「「「「「ひぃ〜!」」」」」
虎徹「まさかお前ら素顔を見たのか…」
(唯律澪紬梓、首を振って見てないとアピール)
虎徹「いいかヒーローにとって正体を知られるということは死を意味する。そしてそれを逃れるためには、見た人間を死に…」
唯律澪紬梓「「「「「ごめんなさ〜い」」」」」
虎徹「…ってのは嘘だがな。まあ悪気が無いなら構わないさ。
ただ正体が知られると困る人が俺以外にも沢山いるから、そこは秘密にして欲しいんだ」(アイパッチを着けながら)
唯「ごめんねおじさん」
虎徹(時計を見ながら)「しかしよく寝たな〜、もう昼かよ」
紬「あの〜もし良かったら、おわびに部室でお茶でも飲んで行きませんか?」
唯「そうしなよ〜おじさん。美味しいケーキもあるよ」
虎徹「いいっていいって、若い子がそんな気ぃ使わなくたって」(グ〜っと腹の虫が鳴る)
唯「お腹は正直だね」
虎徹「じゃあ、せっかくだからご馳走になりますか」
0208たいばに!
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2011/09/02(金) 02:40:55.65ID:Od5JqLn0
<シーン7:校外、塀の外より>
SP1「こちらSP1号、お嬢様はTVクルーらしき男と会話中。ただしご学友と一緒なので問題はない様子」
SP2「了解。そのまま監視を続けるように…グワッ!!(ザーザー)」
SP1「どうしたSP2号。SP2号…」
(背後から影が迫り、振り向いた瞬間に鞭状の物体が叩きつけられる)“ボカッグシャッ”
暴漢(SPの通信機を手に取り)「そちらの様子はどう?」
手下「チョロいもんでしたよ。でもアニキ、本当にやるんですか? テレビ局も来ているようですが」
暴漢(以下アニキ)「何言ってんの。いつもだったらこの何倍のガードが付いてるのよ。
せっかくのチャンスにビビってんじゃないの! それじゃこいつらを車のトランクにでも詰めといて、次の予定を行くわよ」

<シーン8:軽音部部室>

虎徹「じゃあ君たちは軽音部の部員なんだ」
唯「放課後ティータイムってバンドをやってるんだよ〜。カッコイイでしょ〜」
澪「自分で言うな」
紬「お茶もう一杯いかがですか?」
虎徹「ありがとう頂くよ(どっかで聞いたことあるような声だな…)」
 「でもロックなんて久しく聴いてないな…」
律「おじさんだから演歌ばっかりじゃないの〜?」
虎徹「いくらおじさんでも、まだそんな歳じゃないよ。家じゃレゲエとかジャズが多いかな。でもおじさんだから昔のばっかりだけどな」
梓「(おお渋い!)」
“ピンポンパンポ〜ン”(校内放送のチャイム)
校内放送「3年2組の琴吹さん、ご家族の方よりお電話が入っております。至急職員室までいらして下さい」
澪「何かあったのかな?」
紬「おかしいわね、携帯の方にはメールも着信もないんだけど…」
“ピロロ〜ン!ピロロ〜ン!”(虎徹のブレスレットのコールサイン)
アニエス「ちょっとタイガー! アンタどこでサボってるの!! そろそろ撤収の時間だから、さっさと戻って来なさい!」
虎徹「わかったよ、すぐ戻るからさ」(ブレスレットの通話を切る)
唯「おじさんの携帯凄いね〜」
虎徹「これはヒーロー用の通信ブレスレットさ。テレビ電話にGPS、生命反応まですぐに分かることができる優れものさ」
唯「お財布機能は付いてるの?」
虎徹「お、サイフは付いてないかな…。じゃあ怖いオバサンに怒られちゃうから、そろそろ戻るな」
紬「私もちょっと行ってくるわね」
0209たいばに!
垢版 |
2011/09/02(金) 02:41:39.28ID:Od5JqLn0
<シーン9:校庭>
虎徹「悪ぃ悪ぃ、待たせたな」
バニー「一体どこで油売ってたんですか」
虎徹「女子高生とアフタヌーン・ティータイムさ」
バニー「はぁ?」

(ムギが校門に向ってやって来る)
虎徹「どうした何かあったのか?」
紬「お父様の会社の方から連絡があって、出張先で両親が交通事故に逢ったみたいで…」
虎徹「そうか、気をしっかり持つんだぞ」
(部室から軽音部の面々顔を出す)
唯「ムギちゃ〜ん!」
澪「大丈夫か〜、何かあったのか〜?」
紬「大丈夫よみんな〜、また連絡するわね〜」
(虎徹に向って)「すいませんバタバタしちゃいまして。それでは失礼します」

(ムギ校門で迎えを待っている所に車が止まり、何やらモメている様子。そして車の中から二人がかりで引きずりこまれる)
虎徹「なぁバニー、あれってひょっとして…」
バニー「誘拐…です…ね…」
虎徹「バニー! 俺はハンドレッドパワーであの車を追いかける。で、お前は…」
バニー「能力は出さずにバイクで後から追跡ですね」
虎徹「さすがッ!」
(虎徹能力を発動し、猛スピードで追いかける)
アニエス「ちょ、ちょっと一体何があったの?!」
バニー「誘拐事件発生です。僕たちはこれから犯人を追跡します」
(バイクに跨りバニー出る)
アニエス「面白くなってきたわ、いい画が撮れそうね(ニヤリ)」
0210たいばに!
垢版 |
2011/09/02(金) 23:09:17.75ID:Od5JqLn0

<シーン10:犯人たちの車内>

(誘拐犯は3人。運転席に手下1、後部座席にムギを上半身がアニキ、下半身を手下2が押さえつけている)
手下2「オラッ、ジタバタすんじゃねぇ!」
アニキ「大人しくしてれば危害は加えないわ。これ以上暴れるようなら、どうなるか知らないわよ」
手下1「ア、アニキ! う、後ろから…」
アニキ「どうしたのもう警察に嗅ぎつけられたの?」
手下1「後ろから人が猛スピードで追いかけてきます!」

(ハンドレッドパワーの猛ダッシュで追いつく虎徹。ジャンプして屋根に取り付く)
虎徹「お前ら大人しく車を止めるんだ!」
アニキ「鬱陶しいわね、殺っちまいなさい」
(屋根に向って手下1、2銃を撃つ。しかしハンドレッドパワーには全く通じない)
虎徹「舐めたマネしやがってコノヤロー!」
(虎徹後部座席から撃ってきた弾痕を目印に、屋根をブチ抜き右手を突っ込む。
手探りで手下2の首根っこを締め付け、裸締めの要領で落とす)
(そして右手を抜き再び屋根に張り付き、今度は右前サイドガラスを割り手下1の首根っこをつかむ)
虎徹「このまま締め落として、お前ら全員事故らせても構わないんだぜ。分かったらさっさと止めろ」
アニキ「あんまり調子に乗ってんじゃねーぞゴルァ!」
(屋根をブチ抜き虎徹の腹に強い衝撃が伝わり体勢が崩れ、その勢いで手下1から手が離れる)
虎徹「な、何だ今のは?!」
(追い討ちをかけるように車内から次々と赤い鞭状の物体が、屋根をブチ抜き虎徹を狙うが、何とかかわしている)
虎徹「ひょっとしてこいつは舌?! まさかお前NEXTか」
アニキ「正解。何もNEXTはシュテルンビルドだけにしかいないわけじゃないのよヒーローさん」
 「私はカメレオンの能力を持つNEXT。長く伸びる舌の破壊力は見ての通りよ」
 「で、ここで質問。そのパワーを全開にしてこの子の顔をペロペロしたら、一体どうなると思う?」
虎徹「バカなマネはよせ!」
アニキ「だったらさっさと車を降りなさい。下手に追いかけられても困るから、私たちの進行方向とは反対側に飛び降りるの。
もちろん車は止めないわよ」
虎徹「そんなことしたら俺がケガすんだろうが」
アニキ「ヒーローならそれぐらい問題ないでしょ。それともこの子をペロペロして欲しいの」
虎徹「分かったよ」
(後方に向って後ろ向きで軽くジャンプ。だが地面に付いた反動を利用して車の右後方に張り付き、後部ドアを引き剥がす)
虎徹「俺の手を掴むんだ!」(右手を差し出し、ムギとお互いの手首を掴む)
アニキ「ふざけたマネしやがって!」(舌を虎徹の顔面に叩きつける。その反動で手が離れた際に、ムギの手の中に虎徹のブレスレットが残る)
紬「タイガーさん!」
(車が遠く離れて行く)
0211たいばに!
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2011/09/02(金) 23:11:09.69ID:Od5JqLn0
<シーン11:路上>

(バニーバイクで追いつく)
バニー「ケガはありませんかオジサン」
虎徹「くっそーハンドレッドパワーが無かったら死んでたぞ、アイツら〜」(光が無くなり能力終了。虎徹痛みでうずくまる)
「油断した、奴らの中にNEXTがいる。長く伸びるとんでもない破壊力の舌を持つカメレオンのNEXTだ」
バニー「痛みますか?」
虎徹「能力発動中で肋骨にヒビ入ったぐらいだ。能力無しなら完全に貫通してたな。
だが不幸中の幸いで人質の子に、どさくさ紛れに通信ブレスを渡すことができた。
バレないためにアニエスに俺へのコール発信しないよう連絡してくれ」
バニー「その必要はないみたいです、どうやら追いついたようですよ」
(ヒーロー用移動車が到着)

唯「お〜いおじさ〜ん!」
律「ムギはムギは大丈夫か〜?」
虎徹「おい君たち、何でこの車に?」
唯「ムギちゃんが心配だから、おのおじさんに頼んで乗っけてもらったの」
(後ろでドヤ顔の斉藤さん)
虎徹「ったく、若い女の子に弱いんだから斉藤さん」

<シーン12:移動車内>

バニー「GPSの反応だと連中はここから200メートル先にある廃工場に逃げ込んだようですね」
虎徹「ヤロー、おそらくここが連中のアジトだな。いくぞバニー!」

(ヒーロースーツを装着して登場)
唯律澪梓「「「「おー!」」」」
梓「こうして見ると意外とカッコ良く見えますね」
律「中身はあのおじさんだけどな」
唯「おじさん、ムギちゃんを助けて」
虎徹「ああ任せとけ! 必ず助け出してやる」
斉藤さん(マイク越しに)「行っくぜーテメエらー、あのクソ野郎どもをケチョンケチョンに潰してやれ!」
虎徹「相変わらずマイク越しだと声でかいなー斉藤さん。後、女子高生の前だからって張り切り過ぎっ」
バニー「大丈夫ですか?」
虎徹「平気平気、体が丈夫なのが俺のとりえさ」
バニー「そうでなくて、もう少し待って能力が復活してからの方がいいのでは?」
虎徹「年頃の女の子があんな無法者に捕らわれてるんだ。どれだけ心細いか分かるだろ。だから早く助けてやらないとな」
バニー(しょうがないなという顔をしながら)「分かりました。まぁ能力使えなくて大変なのはオジサンですからね」
虎徹「その一言が余計なんだよ」
0212たいばに!
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2011/09/02(金) 23:12:27.34ID:Od5JqLn0

<シーン13:廃工場外>

虎徹「バニー、配置に着いたか」
バニー「ええ、見晴らしはいいですよ」
虎徹「もう一度作戦の確認だ。お前は天井から潜り込み、俯瞰で敵と人質の位置を確認。そして情報を俺に伝えたら…」
バニー「オジサンが囮として入り口から突入。敵を引きつけ人質の見張りが手薄になったところで僕が突入…」
虎徹「人質を確保したらバニーはそのまま安全な場所まで届けて、再び戻り犯人逮捕って寸法だな」
バニー「でも大丈夫ですか能力無しの状態なのに囮なんて」
虎徹「あのカメレオン野郎から逃げ切るには、お前のハンドレッドパワーが必要なんだ。
それにヒーロースーツを着てるから、重火器さえ無ければ何とかなる。ただあの舌にどれぐらい耐えられるかはわからんが…」
(バニー索敵中)
バニー「やっぱりまだ仲間はいたようです。犯人は全部で6人。武器はせいぜい拳銃ぐらいですね」
虎徹「よし、じゃあ行くか!」
0213たいばに!
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2011/09/02(金) 23:13:49.43ID:Od5JqLn0

<シーン14:廃工場内>
アニキ「…そう娘の声は聞いたでしょ、これは冗談ではないの。娘の命が大切なら3億ぐらいアナタたちにははした金でしょ。もし警察に連絡したり妙な真似をしたら分かるわよね。じゃあ受け渡し方法は追って連絡するわ」
 「さすが大企業のオーナー社長さんね。3億の身代金を快くポンッと出してくれるそうよ。いいわね、愛・さ・れ・て・て」
(ムギ、タイガーのブレスレットを握り締めながら目を逸らす)

“ゴゴゴッ”(工場の表扉が開く音)
虎徹「変態野郎が愛を語るなんてゾッとしかしねぇよ!」
 「ワイルドタイガー参上! ワイルドに吼えるぜ!!」
アニキ「お前らアイツを穴だらけにしちまいな!」
(手下が一斉に発砲するも装甲が弾丸を弾く。ワイヤーガンを天井の梁に引っ掛け手下達の裏側に回りこみ5人を一気に片付ける)
アニキ「くそっ」(ムギを再び人質に取ろうと振り向く)
虎徹「させるかよ」(ワイヤーガンをアニキの体に引っ掛け、自分の方に引っこ抜く)
 「今だバニー!」
(バニー、ハンドレッドパワーを発動しムギを確保。そのまま窓を破り表に出る)

虎徹「これで心置きなくテメーをぶっ飛ばしてやれるな」
(アニキ、キョロキョロ見回しながら逃走ルートを探す)
バニー(アニキが逃げようとしたルートを遮り)「人質はもういない大人しく投降しろ」
アニキ「クソ野郎どもが、せっかくの計画を台無しにしやがって。テメーらだけは必ずブチ殺してやる!」
(アニキの姿が消え、二人が周囲を見回してる死角から舌が襲いかかる)
バニー「何て威力だ、早く対抗策を出さないとパワーが無くなる…」
虎徹「お前は能力+スーツだから大して効かないだろうけど、俺はもう限界だぞ。畜生、カメレオン野郎だけに姿も消せるってわけか…」
バニー「今何て言いました?」
虎徹「いや、もう限界だって…」
バニー「じゃなくてその後の方!」
虎徹「カメレオン野郎か?」
バニー(指で耳をちょいちょいする仕草をしながら)「虎徹さん!」
虎徹「そうか!」
アニキ「緑の奴はもう限界か、だったらお前から地獄に送ってやる」
(タイガーの顔面に向って舌を叩きつけるが、右腕で舌をつかまれる)
虎徹「やれ!バニー!!」
(バニーの跳び蹴りがアニキのみぞおちにヒットする)
アニキ「グワー!!」

(アニキと手下たちを拘束しながら)
虎徹「これでもう逃げられないだろ」
アニキ「な…なぜ、俺の場所が分か…ったんら…」
バニー「それはお前がカメレオンの能力だからさ。
確かにカメレオンは保護色を使い周りと同化して姿を消すが、完全に姿を消失するわけではない」
虎徹「そう、目に見えない痕跡は出っぱなしなわけだ、例えば体温とかな」
バニー「そこでカメラのモードをサーモグラフィーに変えたところ、お前の姿はバッチリ映っていた」
虎徹「日本じゃその程度で無敵かもしれんが、俺達ヒーローには通用しないんだよ」
0214たいばに!
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2011/09/02(金) 23:15:11.75ID:Od5JqLn0
<シーン15:夕刻、警察署前>
虎徹「あ〜あやっと開放されたな。ったく何で警察ってのはあんなに取り調べが長いんだ、俺達は悪人を捕まえてやったんだぞ」
バニー「NEXT犯罪もヒーローが逮捕するというのも日本では初めてのケースですからね。
警察もどう扱っていいか分からないんでしょ」
虎徹「おかげで午後からの予定が全部キャンセルになっちまったな」
バニー「アニエスさんも色んなとこにお詫びの電話入れて大変そうでしたね」
虎徹「そっか〜? あの目は美味しい画が撮れてうれしいって感じだったぞ」
さわ子「あの…」
バニー「あの子たちの先生じゃないですか。一体どうされたんですか?」
さわ子「実は生徒たちが、二人にどうしてもお礼がしたいと言いまして。
よろしかったらまた学校の方までいらしてもらって構いませんか」
虎徹「いいんじゃないのか。どうせ後はホテルへ帰るだけだったし。なーバニー」
バニー「ええ構いませんよ」

<シーン16:軽音部室>

紬「今日は危ないところを助けてもらってありがとうございます」
唯「みんなでどうやってお礼をしようか考えたんだけど」
梓「だったらこの軽音部らしく、お茶とお菓子と私達の演奏で二人をおもてなししようと思ったんです」
虎徹「そうか楽しみだな」
紬「じゃあ1曲目『HONEY SWEET TEA TIME』です」

(演奏終了)
“パチパチパチ”(拍手)
バニー「なかなか染みる演奏でしたよ」
虎徹「(また白々しいことを。こいつ前にブルーローズのラジオで『僕はクラシックしか聞きません』とか抜かしやがったくせに。
あの後ブルーローズの奴にどんだけ文句言われたか…)」
 「あーっ!」
バニー「どうしたんですか変な大声出して」
虎徹「今思い出した。この子の声どっかで聞いたことあるなって考えてたんだけど、ブルーローズに似てるんだよ」
バニー「そう言われれば確かに」
紬「ブルーローズ?」
律「ひょっとしておじさんの彼女?」
虎徹「違う違う。俺達の仲間のヒーローで、普段は君達と同じ歌の好きな女子高生さ。
どっちかと言えばウチの娘の方が年近いから、俺から見たら子供みたいなもんだよ」
紬「お子さんいらっしゃるんですか…」
澪「なぁ律、ひょっとしてムギのやつあのおじさんのこと…」
律「そうか? でも…」

虎徹「そういえばバニーよ、お前俺にサーモグラフィーのこと伝えようとした時に『虎徹さん』って言ったな」
バニー「そんなこと言ってません」
虎徹「いや確かにこの耳で聞いた」
バニー「頭の回転も鈍いかと思ったら、耳まで遠くなったんですか。本当しょうがないオジサンですね」
虎徹「お前も素直じゃない奴だな。分かった、じゃあもう一度言ってくんない?」
バニー「お断りします」
(ヤイノヤイノ)

律「でも…」
紬「(結婚してたのは残念だけど…。でも男の人が仲良くしてる姿って、何か凄くいいかも…♪)」
律澪「「ムギが何かに目覚めつつある!」」

終わり
0216創る名無しに見る名無し
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2011/09/09(金) 23:01:20.27ID:GvuIWMNa
ここでまどかとらんまのクロスオーバー連載してもいいでつか?
0218魔法少女?らんま☆マギカ 1-1
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2011/09/10(土) 03:03:13.93ID:JesIZFzu

一人の少女が暗い路地裏を一人で歩いていた。

中学生か高校生ぐらいだろうか、大人以上に育った胸を窮屈そうに制服にしまいこんでいる。

その手のひらには黄色い石が乗せられていた。

石は、裏路地のわずかな明かりを反射して鈍い光を放つ。

「反応なし…ね。」

独り言を小さくつぶやき、少女はあたりを見回した。

闇の中で鮮やかな金髪が輝き、縦ロールが小さく揺れる。

「…あっ」

少女は何かに気がついたように急に立ち止まった。

人気のない裏路地とはいえ、繁華街の一部だ。

メインストリートのざわめきが鳴り響き、小さな音はほとんどかき消されてしまう。

しかし少女は鋭く、ほんの小さな音を、ごくわずかな気配を見逃さなかった。

「出てきて、怖がらなくていいから。」

少女は中腰になり、ビルの室外機に視線を向けた。

そしておだやかな表情で微笑む。

「ぴっ!?」

小動物らしい高い声がした。

少女はゆっくりと足音を殺して室外機の裏に回り込む。

そこには黄色いスカーフを巻いた小動物がいた。

小柄な体躯、平べったい鼻。猫でもない、犬でもない。

「あら、珍しい。」

少女は思わずうれしそうな声を上げた。

ぶっそうな裏路地を徘徊する行動とは裏腹に、歳相応の少女らしく可愛いものは好きなようだ。

なかば強引に、少女はその小動物を持ち上げる。

「かわいい小豚さんね。」

その小動物…黄色いスカーフを巻いた小豚ははじめはジタバタと抵抗していたが、少女の胸に抱きしめられると急におとなしくなり抵抗をやめた。
0219魔法少女?らんま☆マギカ 1-2
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2011/09/10(土) 03:05:25.83ID:JesIZFzu

(どうしよう?)

少女は小豚をながめながら首をかしげた。

街では普通見ることもない小豚、しかも黄色いスカーフが首に巻かれている。

ほぼ確実に誰かのペットだろう。

近くに飼い主らしき人は見当たらない。

この場合、やはり警察に預けるべきだろうか。

しかし、少女としては警察に届けるのは気が引けた。

そのひとつの理由はこの可愛い小豚を少しでもながく愛でていたいということ。

そしてもうひとつ、女子中学生が夜中に一人で裏路地をうろついていたと
分かれば、補導されかねないということだ。

優等生として知られている少女は、できればそういう事態は避けたかった。

(一日くらい預かっても、悪いことにはならないわよね?)

庇護欲と規範意識のはざまで、少女はこの小豚を自宅に連れて帰ることにした。



住宅地の中にある家族向けマンションの、『巴』というプレートのある部屋に
少女は入っていく。

「おなか減ってるでしょう? ちょっと待ってて。」

少女は、小豚をリビングに下ろすと台所に向かった。

そしてしばらくしてスープ皿に入れたミルクを小豚の前に置いた。

「ぴぃ?」

小豚は戸惑ったように、上目づかいで少女を見つめる。

少女は小豚の視線に、にっこりと微笑みを返した。

すると小豚は意を決したようにミルクを舐めはじめた。

ミルクは弱めにレンジで温めている。

この温度ならおなかを壊すことはなく、熱くて飲めないようなこともない。

ミルクひとつにもなかなか気配りがきいている。

「あら?…変な子ねぇ」

少女はつぶやいた。

なぜなら、小豚はまるで感動したかのように目から涙をこぼしつつ、
ミルクをすすっているのだ。
0220魔法少女?らんま☆マギカ 1-3
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2011/09/10(土) 03:06:54.77ID:JesIZFzu

人間以外の動物も、ホッとしたり安心したときに涙を流すのだろうか?

少なくとも少女の知識の中において、そんなことはない。

動物が涙を流すのは乾燥や汚れから目を守るため――

(あっ!)

少女はふいに何かに感づいた。

「ちゃんと体を洗ってあげないと目も痛いわよね。
ごめんね、すぐに気づかなくて。」

「ぴっ ぴ!?」

小豚はあせるように声を出したが、少女は気にも留めず、風呂場へ行った。

シャワーの音が小豚の耳に壁越しに聞こえる。

少女は、再び小豚の前に現れると身構えさせる間もなくつまみ上げた。

「ぴーっ! ぴーっ!」

小豚は激しく抵抗するが、少女はただの女子中学生とは思えない強い腕力で
押さえつけてくる。

「大丈夫よ。お風呂ってとっても気持ちいいんだから、怖がらないで。」

そして、少女は小豚を風呂場へ運び、浴槽に浅く張られた湯の中に放り込む。

少女は小豚の様子をろくに確認もせずに、すぐに風呂場の扉を締めて
着替え始めた。

「ちょっと待っててね。わたしも一緒にシャワー浴びるから。」

いそいそと少女は衣服を脱ぐ。

可愛いペットと一緒にお風呂、そんな平和な日常に少女は憧れていた。

だから、こうして気持ちをはやらせる。

少女はそそくさと衣服を脱ぎ捨て、そして再び風呂場の扉をあけた。

 ガチャリ

「…」

「…」

扉を開ける音を最後に、空気が固まった。

おかしい。

お風呂場には可愛い黒い小豚以外いないはずだ。

では、今目の前にうつるこの青少年は何なのか?
0221魔法少女?らんま☆マギカ 1-4
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2011/09/10(土) 03:08:50.23ID:JesIZFzu

 ガチャン

少女はいったん扉を閉めて、大きく深呼吸をした。

(おちつくのよ、マミ。魔女との戦いで疲れたからってあんな幻覚を
みることないじゃない。冷静に、冷静になるのよ。)

気を取り直してもう一度、少女は扉を開ける。

 ガチャリ

そこにはやはり、全裸の謎の青少年が居た。

いや、正確には全裸ではなく頭に黄色いバンダナを巻いているが。

「そ、そのっ! せめて服は着るべきだと思う。」

謎の青少年は目を泳がせながら言った。

(しゃべった!? これはわたしの幻覚じゃないの?)

だとすれば一体…

「あっ!」

ここにきてようやく、少女は自分が男子の前に裸体をさらしているという
事実に気がついた。

「きゃああああっ! チカン! 変態!」

金切り声をあげ、凄い勢いで少女は風呂場から逃げ出した。

**************************

「…変身体質?」

けげんな顔で、少女は言った。

「俺だってこんなバカバカしい話、信じたくもない。だがな―」

少女と向かい合う青年は、そう言って自分の頭にコップの水をかけた。

 カコンッ

ヤカンが宙を舞って床に落ち、青年の姿は消えた。

その代わりに、黒い小豚が青年の座っていた場所に現れる。

「信じられない…けど、信じるしかないみたいね。」

少女はその小豚に、こんどはヤカンのお湯をかけた。

立ち上がる湯煙に隠れるように、先ほどと同じ青年の姿が浮かび上がる。

「でも、どうしてそんな体質になったんですか?もしかして、魔女の呪い…?」

少女は質問した。

少女にはこういった非常識なことには少しだけ心当たりがあったからだ。
0222魔法少女?らんま☆マギカ 1-5
垢版 |
2011/09/10(土) 03:10:54.06ID:JesIZFzu
「いや、そんなメルヘンなものじゃない。」

しかし青年はきっぱりと否定した。きっと『魔女の呪い』をおとぎ話か
少女アニメの中のものだと思っているのだろう。

「俺はこう見えても武闘家でな、修行の旅をしている。こんな体質になって
しまったのは、中国で修行をしていた時に呪いの泉とやらに落ちてしまったせいだ。」

『呪いの泉』それこそが魔女の呪いではないのか、少女はそう思ったが
口には出さなかった。

この世に実在する魔女のことを語ったところでどうせ少女アニメにでも
影響されたおかしな子だとしか思われない。

相手の言っていることも非常識なのだから信じてもらえるなどと余計な
期待はしない方がいい。

人は、見たものしか信じないのだから。

私だって、見なければ彼の変身体質など信じようとも思わない。

そう考えて、少女はこれ以上話すことはないと判断した。

「そうなんですね。…いきなりさらっちゃった上にチカン扱いしてしまって
すいませんでした。」

少女は話を終わらせるためにまとめはじめる。

「いや、むしろ世話になったな。服まで借りてしまって。」

青年も長居をするつもりはないらしい。

話が終わったと判断してそそくさと立ち上がる。

「いえ、着る人のいない服ですから。もらってくれて構いません。」

「じゃあな、ミルクうまかったぜ。」

青年は手を振って玄関から外へ立ち去った。

(『ミルクうまかったぜ』か…)

少女はそんな台詞を堂々と男らしく言う青年におかしさを感じた。

(でも、悪い人じゃなかったみたいね。)

もしかしたら秘密を打ち明けても信じてもらえたかもしれない。

そんなほのかな後悔が少女の胸に去来する。

「名前ぐらい、聞いておいてもよかったのかな?」

ひとりぼっちの広い部屋で、少女はちいさくつぶやいた。
0223魔法少女?らんま☆マギカ 1-6
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2011/09/10(土) 03:12:50.07ID:JesIZFzu

「あかねさん…」

重い荷物を背負いながら、男はちいさくつぶやいた。

男は見知らぬ町を歩いている。

右も左も分からない、まるで迷路のような町だ。

こんな状況の時、彼の心をはげますもの、それは今口ずさんだ『あかね』
という女性の存在だった。

しかし今日は不思議と『あかねさん』の顔は思い浮かばなかった。

かわりに一昨日会った少女の顔が思い浮かぶ。

少女といってもおそらく2つか3つぐらいしか歳は変わらないだろう。

小豚となった自分をもてなしてくれた優しい少女だった。

正体を知っても丁寧に対応してくれた。

もしご両親にでも見つかっていればえらいことになっただろうに…

そこまで考えたところで、男の頭の中に疑問が浮かんだ。

なぜあの時、彼女の家族はいなかったのか?

独断でペットを拾ってきたというのに誰かをはばかる様子もなく堂々と
自宅に入っていったのはなぜか?

それに貸してくれた男性物の衣服についても「着る人がいない」と言っていた。

もしかして、彼女は家族もおらず、ひとりで暮らしているのだろうか?

男は、少女に同情をいだいた。

何ヶ月も親が家に帰ってこない、彼はそんな家庭環境で育ってきた。

男子らしいたくましい態度していながら、男は孤独に暮らすことの寂しさを
よく知っていたのだ。

「…」

『あかねさん』の名をつぶやくように、男は少女の名前をつぶやこうとしたが
できなかった。

少女の名前を知らなかったからだ。

「名前ぐらい、聞いとけばよかったな。」

男はそんな独り言を虚空に放した。

あたりは人気のない倉庫街。

何の答えも返ってくるはずもない。

しかし、異変は起こった。
0224魔法少女?らんま☆マギカ 1-7
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2011/09/10(土) 03:15:06.56ID:JesIZFzu
突如、目の前に西洋の城のような岩壁が広がり、ニョキニョキと地中から
石柱が生えてくる。

「な、なんだ、これは!?」

あまりのわけの分からなさに混乱する男のまわりに、石柱がまるで生き物の
ように集まってくる。

よく見れば空中にもいくつかの石柱が浮かんでいる。

いつの間にか彼は、すっぽりと石柱に囲まれてしまった。

(よく分からんが、なんだかやばそうだ。)

男は、迷わず石柱に人差し指をぶつけた。

「爆砕点穴!」

叫び声と同時に石柱はこっぱみじんに砕け散る。

「よし、いける!」

そう判断した男は、次々に石柱を破壊していった。

指に触れただけで硬い石が粉々になっていく。

もしこの場に第三者が居たなら、この異空間に負けず劣らず男の存在も
異様に感じたことだろう。

ついには無数にあった石柱のほとんどが消え去り、巨大な甲冑が男の目の前に現れた。

「お前がこいつ等のボスか? なんだか知らないがここから出しやがれ。」

彼の身長の何倍もあろう相手にも、男はまったくひるむことなく凛として言った。

しかし甲冑は聞く耳もないといった様子で、巨大な剣のような腕を男に振り落とす。

それに対して男は、なぜかベルトをするするとズボンから抜いた。

そして、頭上へと落ちてくる馬鹿でかい刃物に対してそのベルトを振りかざす。

不思議なことに、ベルトは鋼鉄のように固くまっすぐに伸び、丈夫な短刀と
なって巨大な剣を止めた。

「妖怪ふぜいが、俺にケンカを売ったことを後悔しな!」

男は甲冑妖怪の刃物状の腕を払いのけると一気にそのふところに飛び込んだ。

そして、甲冑妖怪をベルトで滅多切りにする。

しかし、斬れているのは外側の布切れの部分だけで、内部の鎧はほとんど
傷ついていない。

「くっ、硬い!」

男がそうしている間にも、甲冑妖怪は両腕をクロスさせて男を逃がさないように
しながら、その刃物のような腕で抱きしめようとする。

もちろん、抱きしめられたら男は十字型の切り後を残して四つに裂かれることだろう。
0225魔法少女?らんま☆マギカ 1-8
垢版 |
2011/09/10(土) 03:22:28.32ID:JesIZFzu
「…まったくムカつくぜ。なんでこんなわけのわからないことに
巻き込まれなきゃならねーんだよ。」

男はベルトでの攻撃をやめ、うつむき立ち尽くす。

甲冑妖怪はそれをあきらめととったのか、一気に腕を内側に、
男を切り刻むように抱きつこうとした。

その時、

「獅子咆哮弾!」

強大な閃光が立ち上がり、とてつもない重量をもって甲冑妖怪の頭上に
降り注いだ。

甲冑は押しつぶされ、周りの地面が隕石の落ちた後のクレーターのように
大きく陥没する。

「…ふぅ」

閃光が去り、男はため息をもらした。

足元に転がる甲冑はもはや原型をとどめず、ただの鉄くずに成り果てていた。

男はあらためてあたりを見回す。

相変わらず、あたりは城壁に囲まれた中世欧州の城のようになっている。

「ボスを倒しても元にもどらないのか。」

男はわずかにいらだちを見せたが、それはまるでショッピングモールの
出口が分からなくなった程度の気軽さだった。

さきほどの戦闘になど恐怖も不安も全く感じていないのだ。

「あぶないっ!魔女を相手に油断しないで!」

ふいに、どこかで聞いたような声が響いた。

あたりを振り返ると、さきほどの甲冑がぼろぼろの体をもたげて腰ぐらいまで
立ち上がっている。

「しぶといっ。」

そう言った男が再び戦闘態勢に入るより早く、黄色い光線が甲冑妖怪を包んだ。

「ティロ、フィナーレ!」

こんどこそ甲冑妖怪は霧散し、まるでペンキで壁を塗り替えるように
あたりの風景が変わった。

そこは元の倉庫街だ。

男は妖怪を倒してくれた人物に礼を言おうとその姿を探す。

すると、鮮やかな金髪の少女が目に入った。

「あっ あなたは!」

「おまえは!?」
0226魔法少女?らんま☆マギカ 1-9
垢版 |
2011/09/10(土) 03:24:55.07ID:JesIZFzu

男と少女の声がかぶった。

男は茂みに隠していた自分の荷物から衣服を出して着替えていたし、
少女も西洋のアンティーク人形のような格好をしている。

それゆえ以前にあったときとは全く格好が違い近づくまで気づかなかった。

しかし、近くで見ればはっきり分かる。

それほど互いに印象的だったのだ。

少女は先日、小豚状態だった男をもてなしてくれたその少女だった。

*********************

「俺の名前は響良牙、前にも言ったように武闘家だ。」

「私は巴マミ、信じられないかも知れませんが魔法少女です。」

闇夜の中、二人は改めて自己紹介をした。

「僕の名前はキュゥべえ、魔法少女を作り、サポートするのが仕事さ。」

そして、巴マミの肩の上に乗った小動物も自己紹介をする。

動物がしゃべっていることに若干の違和感を感じながらも、良牙は話を続けた。

「しかし、いったいあの化け物はなんだったんだ?
バラバラに砕いてやったはずなのに蘇りやがった。」

獅子咆哮弾で決着がつかなかったことが、良牙にとっては少々屈辱だった。

彼はそれだけ戦いや強さにプライドを持つ人間だった。

「あれは魔女と言って、人々に災いをもたらすものです。魔法少女は
あの魔女を倒すことが使命なんです。」

「魔女は魔法じゃないと倒しにくいようになっているからね。僕にとっては
魔法を使わずに魔女を倒せる君の存在の方がおどろきだよ。」

マミとキュゥべえがそれぞれ問いに答える。

「魔法じゃないと倒しにくい?ちょっとキュゥべえそれはわたしも初耳よ。」

マミは責めるように言ったが、あまり真剣に怒っている様子ではない。

気心の知れた相手だからできる軽口なのだろう。

「いや、俺が倒したわけじゃない。」

「同じさ。あと二、三発もさっきの技をすればあの魔女は良牙ひとりで
倒せていたよ。」

そういうものなのか、と良牙はどうもすっきりしない感じがした。
0227魔法少女?らんま☆マギカ 1-10
垢版 |
2011/09/10(土) 03:26:56.23ID:JesIZFzu

自分が三発以上必要な敵を巴マミは一撃で倒してしまったのだ。

巴マミが自分よりも数段強いとすればそれで納得するしかないのだが、どうもそうではなくて相性の問題らしい。

「ところで、どうして良牙さんはまだこの町に? 旅をされてるって・・・?」

今度はマミの方から質問が出た。

もっともな問いだ。

あれから二日経ったのに、流浪の生活を送っているはずの良牙とまたこの町で出会うなんて普通は考えられない。

「え、なに! もしかして、ここはまだ見滝原なのか!?」

なぜか良牙は激しく狼狽した。

「もしかしても何も、わたしの家から200mほどしか離れてませんよ。」

良牙が何をあわてているのか分からないが、マミはとりあえず冷静につっこんだ。

「そんなっ! もう何ヶ月も風林館を目指していると言うのにぜんぜん近づけない!」

「風林館ならそんなに遠くないじゃないですか。…もしかして、わたしのことバカにしてるんですか?」

良牙のわけの分からないオーバーリアクションにマミは腹を立てた。

それに対してキュゥべえは冷静に、良牙に質問をする。

「良牙、つかぬことを聞くけど、君はここからどうやって風林館に行く気だい?」

「そりゃあ、富士山が北にあるから、日の昇る方向へ歩いて―」

良牙はおそろしく大雑把な脳内地図を披露した。

しかも冗談めかしてではなくいたって真顔でそれを言っているのだ。

常識を超えたトンチンカンぶりにマミはあきれ果てた。

こうなれば一瞬でも腹を立てた自分がバカらしくなってくる。

「うん、良牙が方向音痴なことはよく分かったよ。」

「なにっ!? なんで分かったんだ?」

良牙の真剣な表情に、もはやマミもキュゥべえもつっこむ言葉すら見つからなかった。
0228218
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2011/09/10(土) 03:39:49.08ID:ieZCHR03
連投規制により第1話終わりまでいけず
今度から分量考えます。
0229魔法少女?らんま☆マギカ 1-11
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2011/09/10(土) 11:58:16.05ID:JesIZFzu
「…ところで、良牙。僕は君の強さとさっきの技に興味があるんだ。」

間が空いたところで、すかさずキュゥべえは話題を変える。

「そこで提案なんだけど、もうしばらく見滝原に居てくれないかい?」

突然のキュゥべえの提案に、良牙もマミも目を丸くした。

「そんなこと言われても、宿を借りる金なんざないぞ。」

良牙は率直に答える。

「だったら、マミの家にいれば良いじゃないか。」

キュゥべえはけろっと言い放った。

「キュゥべえ、なに言ってるのよ!」

「そんな無茶なことできるかっ!」

マミも良牙もあわてて否定した。

「いやいや、別に無茶な話ではないよ。良牙は変身体質なんだろう?
夜寝るときには良牙が変身していれば問題ないんじゃないのかな?
不安なら僕も一緒に居るよ。」

「…それなら、安心だけど。」

マミは愛らしい小豚の姿を思い出し、思わずそう答えてしまった。

「マミにとって、彼ほど強くてしかもグリーフシードを消費しない味方がいる
のは凄く心強いと思うよ。魔女との戦いはずいぶんやりやすくなるハズだ。」

キュゥべえの言葉に、マミは納得したようにうなずく。

秘密を共有し、ともに戦える仲間。

それはマミが心の底で求め続けてきたものだった。

図らずもそれが今、手に入るかもしれないのだ。

「良牙にとっても十分なメリットがあると思うよ。魔女との戦いは君にとって
良い修行になるはずだし、風林館に行きたいのなら僕かマミが暇なときにでも
案内してあげられる。それに流浪の野宿生活も良いけどさ、屋根の下で
ゆっくり眠ることも時には必要なんじゃないのかな?」
0230魔法少女?らんま☆マギカ 1-12
垢版 |
2011/09/10(土) 11:59:18.56ID:JesIZFzu

良牙もまた、キュゥべえの言葉に心が動いた。

魔女との戦いに納得がいっていないのがその理由のひとつ。

それに良牙は流浪の旅と言ってはいるが、実は方向音痴ゆえにろくに家にも
帰れないので結果的に流浪の旅になっているに過ぎない。

修行のためというのは完全な後付だった。

だから屋根の下でちゃんと寝ることのできる生活というものには誘惑される。

「どうだい、二人とも?」

二人の表情の変化を読み取って、すでに勝利を確信したキュゥべえが改めて
返答を求めた。

「え…」

「えっと…」

「「よろしくお願いしますっ!」」

良牙とマミは声をはもらせて互いに頭を下げる。

こうして、魔法少女と武闘家の奇妙な同居生活が始まった。
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/09/10(土) 12:03:02.50ID:JesIZFzu
第1話はここまで

時間軸的にはまどか側は本編開始前、らんま側はだいたいの
レギュラーキャラが出揃ったぐらいとお考えください。
0233魔法少女? らんま☆マギカ
垢版 |
2011/09/13(火) 22:47:56.71ID:c2bTrT8F
第2話投下前に、ちょいコメント
第1話で出てきた魔女は『鎧の魔女・バージニア』(出典:おりマギ)です。
魔法少女時代のイラストはかっこいいのですが、魔女としてはやられやくorz


あと、基本的に感想歓迎。
モチベーションにつながります。
0234魔法少女? らんま☆マギカ 2-1
垢版 |
2011/09/13(火) 22:49:48.78ID:c2bTrT8F

響良牙と名乗る武闘家との出会い。

それは巴マミにとって驚きの連続だった。

変身体質もさることながら、その高い戦闘力はどうしたものか。

彼女は魔女の結界での良牙の戦いを遠巻きに見ていた。

魔女の使い魔に囲まれているから急いで助けようとした矢先、
彼は自力で次々と使い魔を倒していった。

しかもその倒し方がすさまじい。

指先ひとつで触れるだけで防御力に優れた石柱型の使い魔が
こっぱみじんに砕け散るのだ。

そして、ベルトを剣のようにして魔女の攻撃を防ぎ、
さらには巨大な光を出して魔女をぺしゃんんこにしてしまった。

マミははじめ、男性のような体格をした魔法少女なのかと思った。

しかし近づいてみてみれば紛れもなく男性、
それもつい先日会ったことのある青年だったのだ。

その日の晩はかなり長く情報交換が続いた。

魔法少女と武闘家、お互い未知との遭遇だった。

良牙によれば、魔女を倒した光やベルトを硬直させたものの
正体は魔法ではなく「闘気」なのだという。

(まるで少年漫画ね。)

マミはそう思った。

気の概念の源流は格闘技にあるのだが、そんな知識をマミはもたない。

マミにとっては闘気で攻撃するなど漫画の中の話でしかなかった。

そういえば、良牙の武闘家としてひたむきに強さを求める姿勢や
常識はずれな方向音痴もどことなく漫画っぽい。

(少年漫画からそのまま飛び出してきたような人…)

そう考えてマミはつい笑ってしまった。

良牙が少年漫画から飛び出てきた人間なら、わたしは少女漫画だ。

彼と対比することで自分の存在もまたありえないことをマミは
あらためて実感した。

マミは良牙に、魔法でリボンを自在に操り紅茶を注いでみせた。

さすがの良牙も目を丸くしていた。

マミはリボンにもポットにも指一本触れずにお茶を注いだのだ。
0235魔法少女? らんま☆マギカ 2-2
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2011/09/13(火) 22:52:00.13ID:c2bTrT8F

格闘新体操の達人でも触れもせずにリボンを操ることはできないし
闘気でティーポットを動かそうとしても、逆にティーポットを
粉砕してしまうことは目に見えている。

だから、魔法と信じるしかない。それが良牙の見解だった。

もともと不思議なものには慣れっこなので別段おどろきも
しないらしい。

ただの闘気や手品でないとだけ分かれば良牙にとっては
それで十分だったのだろう。

一方キュゥべえの興味は良牙が魔女を倒すために使った技、
獅子咆哮弾にあった。

良牙の説明によれば、獅子咆哮弾は単純な闘気のかたまりではなく
負の感情を重たい気に変化させて威力を増す技だという。

それを聞いたキュゥべえは「やはりそうか!」と
なにやら納得していた。

キュゥべえの言うには負の感情を力に変える獅子咆哮弾は
負の感情のかたまりである魔女に近いところがある。

そのため、威力のわりに魔女にはとどめになりにくいらしい。

(でも、それだけじゃ無さそうね。)

キュゥべえが魔女や魔法少女以外のことに興味を持つのは珍しい。

付き合いの長いマミでもこんなことは初めてだった。

獅子咆哮弾には他に、キュゥべえの興味をそそる何かがある。

マミはそんな確信をいだいた。

それが何かまでは想像がつかないが、もしかしたらキュゥべえの
存在そのものに関わるヒントになるかもしれない…

そこまで考えたとき、マミはハッとした。

「わたしは、キュゥべえを疑っている…?」

***************************

『今日はキュゥべえの奴はついて来ないのか?』

良牙はマミにテレパシーを送った。

『ええ。新人発掘ですって。こう言ってはなんですけど、
彼は普段から営業活動には余念がないんです。』

マミはテレパシーを返しながら、自分の肩の上に乗る小豚の
頭をなでた。マミとしては特に意味のない、ペットを愛でる
だけの行為だ。だが、そんなことにも小豚の顔が赤くなる。

『し、しかしこの状態でも会話できるとは便利なもんだな。』
0236魔法少女? らんま☆マギカ 2-3
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2011/09/13(火) 22:54:39.26ID:c2bTrT8F

テレを隠そうと冷静をよそおう良牙。

マミはクスッと小さく笑った。

ぶっきらぼうで言葉遣いが荒いときもあるが、
決して粗野ではない。

むしろ、なんだか可愛い人だ。

(いい人みたいで良かった。)

これから魔女と戦うかもしれないというのに、自然とマミの
心ははずんだ。

『良牙さんがテレパシーを使えるのはわたしかキュゥべえが
触れているときだけですから、気をつけてくださいね。』

マミは良牙に説明をしながら、自分の指輪に触れる。

すると、指輪は丸い宝石状に形を変え、黄色い輝きを放った。

わずかながら魔力反応がある。マミの瞳に緊張が宿った。

(魔女が…近くにいる!)

『それは?』

マミの肩に乗った小豚が不思議そうに黄色い石を眺めていた。

『ああ、これがソウルジェムです。魔法少女の証であり、
魔女を探す魔力探知機にもなっていて…』

「あ」

説明をはじめたと思ったら、マミは急にテレパシーを切り
口で声を出した。

「良牙さんはちょっと待っててくださいね。」

そう言ってマミは小豚を肩から下ろしそそくさと立ち去った。

(へ? 一体どうしたんだ?)

取り残された良牙は、途方にくれるしかなかった。

*************************

暁美ほむらは、キュゥべえの姿を追っていた。

(ついに、まどかを見つけられてしまった。)

気持ちはあせる。

どうにかして、キュゥべえと鹿目まどかの接触を阻まなければ、
『またもや』鹿目まどかが魔法少女になってしまう。

そうなれば、鹿目まどかはやがて魔女に―
0237魔法少女? らんま☆マギカ 2-3
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2011/09/13(火) 22:56:17.62ID:c2bTrT8F

「…見つけた。」

暁美ほむらの目に、白い犬のような猫のような、奇妙な
小動物の姿が映る。

もはや、手段を選んでいられない。

ほむらはためらいもせず拳銃を取り出し小動物に向けて
発射する。

銃弾は白い獣をかすった。

(はずしたか。)

そう思った、その瞬間、ほむらの腕に黒い小動物が
飛びかかってきた。

「きゃあっ!? なに、コレは?」

手に持っていた拳銃が、その小動物の体当たりにより手から
こぼれ落ちる。

それとほぼ同時に、黒い小動物は見事に着地し、
ほむらに視線を向けて対峙した。

平べったい鼻、突き出た耳、その姿はどうみても豚だった。

キッとにらみつけてくるその目は、ほむらを敵視している。

(何なのこの豚は? インキュベーターの同類?)

ほむらの頭の中を無数の疑問符がかけめぐった。

どうあれ確かなことは、この小豚はキュゥべえ…
彼女の言うところのインキュベーターを守ろうとした。

「敵には、違いないわね。」

ほむらは左腕につけている盾に右手をかざす。

すると、彼女以外のすべてのものが動きを止めた。

ほむらはそのまま右手で盾の裏側から銃器を取り出す。

そして無造作に、小豚にそれを撃った。

銃弾は小豚に当たる手前で、ピタリと動きを止めた。

他のすべてのものと同様にこの空間の背景と成り果てている。
動けるのはほむらただ一人のみだ。

ほむらはもう一度盾に手をかざした。

するとこの世界は再び動き出した。
0238魔法少女? らんま☆マギカ 2-5
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2011/09/13(火) 22:57:45.22ID:c2bTrT8F

が、勢いよく動き始めた弾丸は小豚にあたらず、
コンクリートの地面をけずった。

小豚が時間が動き始めると同時に大きくジャンプを
したからだ。

(かわされた!?)

ほむらはおどろきを隠せなかった。

彼女は時間停止の能力を持っている。

その能力を使えば銃弾があたる寸前まで、相手は一切の
回避行動がとれない。

それなのにかわされたということは、相手が高速で
動いているか先読みをしているということになる。

どちらにしても、そうとうな戦闘センスの持ち主だ。

(得体が知れないわね…)

ほむらは内心で舌打ちをした。

この得体の知れない存在の相手をしている隙に白い小動物…
インキュベーターはすでに逃げている。

してやられた格好だ。

そうとなれば、人に見つかる危険を冒してまでこれ以上
ここにいるメリットもない。

(わたしも逃げるか…)

ほむらはどこからともなくスタングレネードを取り出し
爆発させた。

すさまじい閃光と煙があたりを包み、それが過ぎた後には
ほむらの姿は消えていた。
0239魔法少女? らんま☆マギカ 2-6
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2011/09/13(火) 22:58:31.87ID:c2bTrT8F

(逃げたか…キュゥべえを襲っていたようだが、
あれも魔法少女なのか?)

黒い小豚こと、良牙は考えた。

あの少女がキュゥべえに向けて撃った銃撃の、発射前に
間に合うように良牙は飛んだはずだった。

しかし、良牙が拳銃を体当たりで飛ばしたのは発砲した
後だった。

おかしい。

構える間も狙う間もなく銃を撃てるものなのか。

いや、それどころかそもそも発砲音すら聞こえなかった。

まるで、時間が飛ばされたようなそんな不思議な気分だ。

種明かしは分からないが、相手がいつ撃ってくるか分からない
のならとにかく動いてよけるしかない。

良牙はそう思い、回避行動をはじめた。

結果的にはそれが功を奏して銃弾をよけることができた。

だが不気味だ。

少女は銃を握ってすらいなかったのに、次の瞬間、
すでに発砲していたのだ。

銃を構えるヒマすらはおろか取り出す時間すら全く
なかったはずなのに。

(チッ、奇妙なガキだ。)

悩んでも仕方がない、早くマミちゃんのところに戻ろう、
そう思い良牙はあたりを見回した。

(…ここは、どこだ?)

マミはもちろん、キュゥべえも逃げてしまったので
見当たらない。そしてここは見知らぬ町。

この状態では、良牙に帰還できるあては何もなかった。

「ぴーッ! ぴ、ぴー!!」

哀れな小豚の鳴き声だけがあたりに響いた。
0240魔法少女? らんま☆マギカ 
垢版 |
2011/09/13(火) 23:03:22.24ID:c2bTrT8F
連投制限があるので今日はここまで。
第2話後半はあしたにでも投稿します。

今回視点変更が多くなってしまい読みにくくてすいません。

【訂正】
>>237は「魔法少女? らんま☆マギカ 2-3」ではなく
「魔法少女? らんま☆マギカ 2-4」です。
0241魔法少女? らんま☆マギカ 2-7
垢版 |
2011/09/15(木) 07:01:48.27ID:2Bnd6K8N

(我ながら、とんだ失態ね。)

巴マミは黒い小豚…良牙がいなくなっていることに気付き、
頭を抱えた。

そもそもの失敗は、いつもより一杯多く紅茶を飲んだ事だ。

昨晩は話が長くなったので睡眠が足りていない。

だからカフェインを多めにとったのだが、それが裏目に出た。

男性である良牙の前で堂々と事情を説明するわけにも行かない。

しかし、魔女との戦いを控えているのに下手に我慢することも
またできない。

結果、マミはどこに行くかも言わずに良牙を置き去りにして
『お手洗い』に行ってしまった。

いくら良牙でもほんの数分の間に迷子になることはあるまいと
油断していたのだ。

(もし、魔女の結界にでも巻き込まれたら…)

本来の良牙なら並の魔女ぐらいあっさり倒してしまうだろう。

だが、今の小豚状態の良牙では使い魔一匹にもとうてい
勝ち目がない。

(急がなきゃ)

気持ちはあせる。

『マミ、聞こえるかい?』

その時、テレパシーがマミの思考に入り込んできた。

聞きなれたこの声は、キュゥべえだ。

『キュゥべえ、どうしたの?』

『マミとつながって良かった。実は、魔女の結界に飲まれて
しまったんだ。一般人も二人いる。助けに来てくれないかい?』

一般人が魔女の結界に巻き込まれた。…緊急事態だ。
魔法少女の使命を人々を魔女から守ることだと認識している
マミにとって「助けない」などという選択肢は存在しない。

『わかった。すぐ行くわ!』

マミはソウルジェムの示す方向へと走り出した。

『ところで、キュゥべえ。良牙さん見なかったかしら?』

走りながらもマミはテレパシーを飛ばす。
0242魔法少女? らんま☆マギカ 2-8
垢版 |
2011/09/15(木) 07:02:42.72ID:2Bnd6K8N

激しい運動をしながらでも息を切らすことなく会話できる。

これもまたテレパシーのメリットだろう。

携帯電話ではこうはいかない。

『良牙なら、さっき僕が襲われていた所を助けてくれたよ。』

『襲われた!? 魔女に?』

そうだとすれば、良牙も一緒に魔女の結界に巻き込まれた
のだろうか。

小豚の状態でどうやってキュゥべえを助けたのかは知らないが
事態はかなり緊急を要するようだ。

『いや、魔法少女に襲われた…どちらにしてもあの位置なら
良牙もこの結界に巻き込まれている可能性が高い。』

しかし、キュゥべえはマミの予想とは全く異なることを言った。

『どういうこと? 話が見えないわ。』

『すまない。なんで魔法少女に襲われたのか僕にもよく
分からないんだ。とりあえず、考えるのは後にしよう。
良牙や一般人の安全を考えれば魔女を倒すのが最優先だろう。』

『そうね。分かったわ!』

キュゥべえが「分からない」というのは珍しい。

それだけ想定外の事態が起きているということだろう。

だからといってマミは混乱などしなかった。

こういう場合の優先順位ははっきりと決まっている。

第三者の命が最優先。

そう考えることにマミには迷いがなかった。

*******************

鹿目まどかと美樹さやかは混乱していた。

いつものように学校に通い、いつものように放課後は
ショッピングモールへ寄って、いつものように家路につく
はずだった。

それなのに、この異空間は一体、何なのか。

きっかけは鹿目まどかが奇妙な『声』を聞いたことだった。

助けを求めるその声を追って鹿目まどかは閉鎖中のエリアに
入り込み、美樹さやかもそれを追っていった。

暗く閑散とした空きスペースの中で、傷を負った小動物が
倒れていた。
0243魔法少女? らんま☆マギカ 2-9
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2011/09/15(木) 07:04:11.27ID:2Bnd6K8N

まどかがその小動物を助けようと抱きかかえたその時だった。

ショッピングモールの壁がチラシ紙を破くように裂けて、
その中から不規則で奇妙な図面が現れた。

いつのまにか、あたりはその奇天烈な景色に囲まれ、
元のショッピングモールの通路や部屋は消え去っていた。

「冗談だよね、あたし、悪い夢でも見てるんだよね!?」

さやかは叫んだ。

何もかもが常軌を逸している。

血のように赤い色の蝶が巨大なひげの生えた触覚をもたげて
歩き回り、真っ黒なハサミが鳥のように宙を舞う。

とげとげしいイバラはまるで触手のようにあたりをうね回る。

その異形のものたちは二人の少女を取り囲みながら、徐々に
距離を詰めてきた。

(もしかして、おそいかかってくるの?)

まどかもさやかも口には出さないが、その予感を感じていた。

これから自分たちはこの気持ち悪いクリーチャーに食べられて
死んでしまう。

漫画やアニメになれた現代っ子だからこそ、そんな予感が
頭に浮かんでしまう。

恐怖を募らせる二人に、異形のものたちはもう触れてしまう
位置にまで近づいてきていた。

(もうダメ!)

そう思った瞬間、とつぜん赤い蝶が吹き飛んだ。

それだけではない、異形のものたちが次々と後ろに吹き飛び、
まどかとさやかから引き離されていく。

(一体、なに?)

二人の少女は呆然としてそのようすをながめた。

「危なかったわね。でももう大丈夫。」

優しく、強い声がして、金髪の少女がまどかとさやかの
目の前に現れた。

「キュゥべえも一緒ね。」

「ああ、マミ。間一髪間に合ったね。」

それまでまどかの腕の中でじっとしていた白い小動物が
いきなり人間の言葉をしゃべりはじめた。
0244魔法少女? らんま☆マギカ 2-10
垢版 |
2011/09/15(木) 07:05:32.49ID:2Bnd6K8N

「うわっ、ホントにしゃべった!」

さやかが驚きの声を上げる。

「だから、わたしは嘘つかないよー。」

まどかがそれに答えた。

「いや、すまない。マミとのテレパシーと体の回復に集中
していて君たちと会話をする余裕がなかったんだ。」

白い小動物は愛らしい姿とはうらはらに、理路整然と
自分の事情をのべる。

「え? いや、謝るほどのことでも…って、ええ!?
テレパシー??」

しかしさやかはなおさら混乱するだけだった。

「いろいろ聞きたいとは思うけど、その前に、ちょっと
一仕事片付けちゃっていいかしら?」

余裕のある口調で、金髪の少女は怪物たちの前に出た。

彼女がスカートをたくし上げると、大量の銃が落ちてきた。

長大な、数世紀前の西洋の銃のようだ。

金髪の少女はそれを片手にひとつずつ持つと、
怪物たちをめがけて発砲した。

二丁の銃から発砲された二発の弾丸は、吸い込まれるように
二匹の怪物の眉間を貫いた。

金髪の少女は弾を撃った銃を投げ捨てると、そのまま別の
銃を取り、流れるような動作で再び発砲した。

銃弾はまたもや怪物に命中する。

金髪の少女を敵とみなしたのか、怪物たちは奇妙な
叫び声をあげ、次々に少女に襲い掛かっていった。

しかし、何者も金髪の少女に触れることすらできなかった。

少女は踊るように華麗に、全方向から襲ってくる怪物に
銃弾を浴びせる。

銃を撃っては捨て撃っては捨てを繰り返し、
一匹一匹確実に、しかしスピーディーに、マミは
怪物たちを撃ち抜いていった。

「すごい…」

ながめているまどかはつぶやいた。
0245魔法少女? らんま☆マギカ 2-11
垢版 |
2011/09/15(木) 07:06:26.69ID:2Bnd6K8N

気がつけば数え切れないほどいた怪物たちはほとんど
姿を消し、異様だった風景もその『メッキ』がはがれていた。

一仕事を終えた金髪の少女がまどかとさやかの方を振り返る。

「私は巴マミ。あなた達と同じ見滝原中学校の3年生よ。」

その時、どこからか小動物の鳴き声が聞こえてきた。

「ぴーっ! ぴーっ!」

「あら、よかった。良牙さんも無事ね。」

そう言って金髪の少女がしゃがんで手を地面に近づけると、
そこに黒い小豚が走りこんできた。

(『りょうがさん』って、ペットに『さん』付け!?)

さやかは内心つっこむが、この異常事態の中でまだ言葉に
出せるほどの余裕はない。

金髪の少女は変な顔をするさやかを気にもせず、
その小豚を手のひらに乗せ、自分の肩へ移動させた。

「そして、キュゥべえと契約した魔法少女よ。」

怪物たちを一人で退治したその少女は、壮絶な戦いぶりからは
想像できないほど、柔和な笑みをしていた。
0246魔法少女? らんま☆マギカ
垢版 |
2011/09/15(木) 07:09:53.62ID:2Bnd6K8N
ちょっと遅くなりましたが第2話は以上で終了です。

マミがアニメでの一斉射撃ではなく個別に使い魔を倒しているのは
良牙が紛れているかもしれないので誤射しないように配慮しているからです。
0248創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/17(木) 19:31:15.35ID:9muQbZSE
.
0249『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/12/18(日) 19:01:53.92ID:6vW1jlr/
『マギカ☆フォルテッシモ』第三話投下します。
なんか延々凍結してしまっていて、もうしわけありません。
ぼーっとしてたら続きが思いつかなくなり、ここまで放置してしまいました。
これからはなるべく週に一度、土日には続きを投下できればと思います。

第二話のタイトル「いたみ」でした。
0250『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/12/18(日) 19:02:37.26ID:6vW1jlr/
第三話『きず』

「大地に咲く一輪の花! キュアブロッサム!」

赤き閃光の輝きを放ち、現われたのはもう一人の、奇跡を手にしてしまった少女。
ピンクと白を基調とした可憐な姿。肩に乗る、ピンクと白を基調とした小動物。
無数の使い魔たちは一斉にその触手を躍動させる。コンクリートは抉られ、少女はダンスを踊る様に華麗に、時にもたつきながらも避け続ける。
「ブロッサム・シュートォ!」
少女から大量に放出される桜色の光波弾は使い魔群に直撃する。怯んだその一瞬の隙に、少女はあえて敵との距離を零距離に飛び込む。
「てやぁぁぁぁぁぁ!」
拳。
足。
肘。
膝。
全てが華麗に繋がっていく連撃を叩き込む。
……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉをおん……
消滅していく使い魔。しかしその数はいまだ無数。
「杏子さん、危ないから逃げてください!」
「早く逃げるですぅ!」
「--……」
そんなわけにいくか。
佐倉杏子はすぐに自分を取り戻し、自らのソウルジェムをかざす。赤き閃光に包まれる。
「--へ?」
赤き魔法服に烈槍。彼女もまた魔法少女へと変身を遂げる。
「きょ、杏子さん?」
「ぼやぼやしてんじゃねぇ!」
周りを取り囲んだ使い魔、Adolfoたちを杏子はその烈槍をもって薙ぎ払う。
槍はその節毎に三節棍の如く分離し、ぶん、と鈍い音と同時に振るわれ、生命を宿したかのように流麗な動きで使い魔たちを切り裂いていく。
「そうりゃぁ!」
ぶん。
……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉをおん……
殲滅は一瞬だった。
異空間と化していた見滝原公園は元の空気、空間に戻る。
ぱちぱちぱち。
「す、凄いです杏子さん! こんな街にもプリキュアがいたなんて!」
「すごいですぅ!」
「はぁ?」
スチャ。
彼女は少女に惜しみない拍手を向け、拍手を向けられた彼女は、その少女に槍を向けた。
「てめえさ、いい度胸じゃねえか」
「--はい?」
0251創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/18(日) 19:02:57.12ID:6vW1jlr/
「な、何するんですか杏子さん! そんなもの人に向けるなんて! 危ないですよ!」
「あぶないですぅ!」
「危ないから向けてんだ。大体そんなもんもなにもさ。魔法少女の縄張りって知ってるか?」
「まほう、しょうじょ?」
大体最初の段階で何で気づかなかったんだろう。
あんなとこから落ちてくるなんて、それ以外考えられない。
こいつは魔法少女だ。あたしと同じく、マミの後釜を狙って来た。
肩に乗っかってるなんか変な奴は多分キュゥべえの親戚かなんかだろう。あいつに親戚がいるかはおいといて。にしても。
さやかに続いてこんな変な奴まで出てくるとは。今時の魔法少女はどうなってるんだ。
「質より量、に方針転換でもしたんかな、あの野郎」
「あの、話が見えないんですけど。大体魔法少女って」
「今のは独り言。……とりあえずさ、マミの奴がおっちんだから来たんだろうが、もうここはあたしがいるんだよ。……まあ一緒に食いモン食った中だ。今回は見逃してやるからさっさとこの街から去」
「お断りします」
「そうそう言って素直に……おい」
杏子は烈槍をブロッサムの顔に近づけ、刃先でその頬をつんつんと叩く。
「お前さ、何言ってるかわかってるか。ついでに状況も」
「杏子さんが何言ってるかも、ついでに状況もわけがわからないから、お断りしたんです。大体プリキュアなのにそんな危ないもの人に向けて良いと本気で思ってるんですか! お父さんお母さんが悲しみますよ! 私の堪忍袋の尾も切れますよ!」
「……」
杏子は溜息を吐く。
さやかより扱いにくいやつだ、こいつ。
何考えてんのかわかんねぇし、大体プリキュアってなんだ。
なんかお互い大事な部分で勘違いしてるような気がする。けど。だからこそ自分の流儀で。
自らの理を、貫き通す。
「しょうがない。言ってもわかんないか」
杏子は槍を自らの手元に戻す。
「よかった。わかって--」
「だったら痛い目見ないとわかんないよねぇ!」
杏子は、猛然と飛び掛かった。
0252創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:06.04ID:6vW1jlr/
俗に剣道三倍段という言葉がある。
空手、柔術、合気道等素手でもって戦う武芸者が武器を持った相手と戦う場合、
最低三倍の段差、実力差がないと対等に戦えない、という意味である。
単なる格言ではない。
生物の主となるためにあえて、脆弱な肉体を手にした人類がその代償として手に入れた「道具」、「武器」の重み。
それを体言したことばである。
「だからなんでわからないんですかぁ! 私は魔法少女なんかじゃありませんって!」
「うっせぇ! そんな奇天烈なカッコしたやつが魔法少女じゃなくてなんだってんだ!」
「プ・リ・キュ・アですよ! キュアブロッサムです! あ、あたたいたいたいたいた!」
だがしかし、徒手空拳であるブロッサムは烈槍の猛烈な突き
‐最もモーションが少ない動きである?の連撃を受け止め、かわし、時によろけながらも受け流す。
その姿に杏子は舌うちする。
こいつ、素人じゃない。少なくともなったばかりの奴にこんな動きは出来ない。
杏子は機動力とそれに起因する攻撃力を最大の武器とする。
その極端な魔力の分配、ブーストは、自らの防御力をも犠牲としている。
そのための槍である。
いつ偶然相手の一発が入るかわからない「剣」での近距離戦、
一発撃つ事に確実に魔力を消耗していく「銃」「弓」での遠距離戦でなく。
とりあえず自らの安全圏を確保できうる中距離での槍、電光石火の連撃。
その一点のみにブーストを掛けた攻撃を防御しきれるというのは尋常ではない。
が。
「一芸だけに秀でてるわけじゃないんだよ!」
「--!」
一瞬で鎖と化した槍がブロッサムに絡みつく。
杏子はそのまま遥か空高く、ブロッサムを放つ。
「--な、な」
「おらぁ!」
そして、地面に叩きつけた。
0253創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:32.28ID:6vW1jlr/
響き渡る轟音。砂煙が舞う。地面には立派な穴が穿つ。
「あっちゃぁ」
やりすぎちったかな。ちょっと痛い目みさせるにしても、これはまずい。
率直な話、死んでもおかしくない。というか死んでないとおかしい。そんなレベルだ。
が。
「……すごい痛い」
「……おいお前」
なんで生きてる、そう杏子は言おうとして、言えなかった。
ブロッサムは立ち上がる。土煙にまみれながら、傷にまみれながら。涙目になりながら。
烈槍に縛られながら。ふらつきながら。それでも杏子に近づいていく。
「杏子さんはなんでそんな簡単に暴力をふるうんですか!」
「そうですぅ!」
こいつの負った傷は深い。
「そもそも私、魔法少女とやらじゃないです! プ・リ・キュ・アなんですよ! 大体縄張りとかいうけども、何で話し合おうとしないんですか! 話せばきっとわかったはずです! 何でわからないんですか!」
「そうですぅ!」
連撃など必要ない。手をちょっとだけ動かしさえすれば、それで終わる。
しかし、杏子は動かない。動けない。自分でもなぜだかわからない。
そして、顔と顔が、グッと近づく。
「もう、堪忍袋の尾が切れました! 」
「きれましたぁ!」
「……」
けれども、今夜、初めてこの少女に出会ってから幾度も去来した思いが脳裏をよぎる。
--なんなんだこいつ。
そして二人の世界は。
「--杏子、一体どういう事? その子は?」
青き少女によって破られた。
「--さやか」
0254創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:54.21ID:6vW1jlr/
自らの身勝手な思いでまたまどかを傷つけてしまった。なんにしろ、マミさんが死んで以来あんなに安堵しほっとしたまどかを見たのは初めてだった。
ほんとうは自分がその役目をするべきなのに、傷つけてばかりいる。
えりかの、そのあまりにシンプルで純粋な動機にある種の憤りと、理不尽な怒りがこみ上げたのは事実だけれど、あたしはまどかを、みんなを守りたいはずだったのに、傷つけてばかりで。
なのに魔法少女でもなんでもないやつが颯爽と現れたあげくに魔女を殺して。
あたしはなにも出来ない。
だからほら、浄化したはずのソウルジェムはもう灰色にくすみ始めている。

美樹さやかはただ行くべき所もわからず、ただただ街を歩いていた。
家には戻れない。何て言えば良いのかわからない。どこに行けばいいのかも。どこに行くかもわからない。いや、どこにも行く所などないぐらい、わかっている。
「--ばかみたい」
さやかは深く、深く溜息を吐き、顔を上げ。
そして、目を疑った。
見慣れた公園に、杏子と見知らぬ少女がいた。それも二人とも魔法少女の姿で。
どういうわけか、見知らぬ少女は傷だらけであり、あげくあの変幻自在の槍で縛られている。
その状況だけみれば杏子が圧倒している。いつでも止めをさせる。
だが少女は彼女に怯んでいない。縛られた状態でずんずんと杏子に近づいていく。
そして杏子は、その圧倒的有利の立場にありながら、動かない。
--それとも動けないのか。
0255創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:07:17.83ID:6vW1jlr/
「そもそも私、魔法少女とやらじゃないです! プ・リ・キュ・アなんですよ! 大体縄張りとかいうけども、何で話し合おうとしないんですか! 話せばきっとわかったはずです! 何でわからないんですか!」
「もう、堪忍袋の尾が切れました! 」
「きれましたぁ!」

―プリキュア。
--来海えりかの、仲間?
少女のその言葉にさやかは驚愕した。魔法少女だけでない。「プリキュア」も三滝原に集結しつつあるというのか。もしそうだとしたら何のために?
「--杏子、一体どういう事? その子は?」
思わず声に出ていた。振り向く杏子と少女。
「--さやか、こいつどうしよう」
杏子は明らかに困惑していた。どうしようも何も無い。
普段通りの彼女であればとうに決着はついている。
「いや、どうしようって--」
なんて答えればいいのか。
「お知り合いですか! 杏子さんに話してやって下さい! 暴力はいけませんって!」
一方の少女は希望に溢れた瞳でさやかに懇願する。
その瞳は純粋で、だからこそ私には痛く感じる。そう、それはまるで。あいつと。えりかの瞳と--
さやかは自分と同じ青を纏いながら、対極の幻想を持っていられる少女を思い浮かべ。
「ちょっぉぉと、待ったぁあ!」
「まつです!」
「「「---!」」」
そしてその青き少女‐‐来海えりか。キュアマリンは、天空から降ってきた。佐倉杏子目掛けて。
「プリキュア、おでこパァンチ!」
それはまさに、天空からのヘッドバッド。
「――な、な」
てめぇなにしやがんだ、と叫ぶ間も無く。
ゴツゥン!!!
響きわたる轟音に、その風圧で巻き起こる砂嵐。
佐倉杏子はまたも、空から落ちてくる女の子に頭突きされた。それも思いっきり。クリーンヒットで。
一日二回目の新記録であった。
そして意識も飛んだ。
0256創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:07:46.97ID:6vW1jlr/
「てめぇなにしやがんだこの野郎!」
「そっちこそブロッサムになにしてんのよ!」
「この赤いのと知り合いか!? だったらさっさとこの町から一緒に出てけ!」
「なによ!? ひとの親友をあんなボロ雑巾にして!」
「うっせぇ! だったらてめぇもボロ雑巾にしてやろうか!」
むうううううう。
ああ言えばこう言う、である。
変身を解いた杏子とえりかは、首根っこを掴み合い零距離で睨み合い、罵り合っていた。
何なんだ、何だこいつら。もはや魔法少女の掟も仁義も常識も、全部すっぽかした連中ばかり集まって。この町は、見滝原は、一体どうなってるんだ。
杏子はやられたら百倍にしてやる返すタイプであり、えりかも当然同じである。
当然罵り合いは倍倍ゲームとなり、エスカレートしていく。
その横で。
「ぼ、ぼろ雑巾……」
「ひどいですぅ」
「だ、大丈夫? さ、さやかちゃん! 魔法でなんとか出来ないの!?」
「え、えっと……」
「大丈夫。所々打ち身はあるけど、骨も筋肉も致命的な事にはなってないよ」
「ないでしゅ!」
「あ、ありがとうございます、えっと」
「ボクは明堂院いつき。いつきでいい」
鎖が解かれた瞬間、ダメージ過多による強制変身解除で薄いワンピース一枚となっていた花咲つぼみを、鹿目まどかは介抱していた。そしてその横で傷ついたつぼみの様子を見る、白い学ラン姿の少女、いつきと肩に乗る妖精。--ポプリと言っていた--。
キュアマリンが頭突きをかました直後、二人は公園に来たのだった。
そして見たのは、首根っこを掴んで怒鳴りあい、罵り合う杏子とえりかと、白いワンピース姿で傷つき、倒れている赤い髪の少女。そしてただただ呆然と見ているさやかだったのである。
0257創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:11:12.38ID:6vW1jlr/
一方。
むうううううううううううう。
「「こうなったら--」」
二人は一旦つかみ合いをやめ、杏子は自らのソウルジェムを取り出し、えりかはココロパフュームを取り出す。それは幻想と化すための器具。魂。
「あっ--」
「「決着つけて--」」
二人が構えた瞬間。
「「やめなさい」」
混乱の極致にあった公園を、二つの怜悧な声が響いた。
「佐倉杏子。あなたはもう少し冷静な人だと思っていたけれど」
「えりか。私たちは愛で戦いましょう、と前に言ったわよね」
「「「----!!!」」」
「このままだと、あなたの敵になるしかないのだけれど」
「愛ではなく、それは憎しみよ。しかも最低のね」

「--ほむらちゃん」
「--ゆりさん」
暁美ほむらと、月影ゆり。
突如現れた、悠然と立つ黒髪の二人の少女。
かくして奇跡を手に入れてしまった少女たちは、運命の歯車に操られるかのごとく、集合する。
「困ったものだね。これだけいきなり集まったら」
そして電灯の上に立つ白いシルエット--キュゥべえ。
きゅっぷい、とキュゥべえは喉をならす。

物語はまだ、始まったばかり。

つづく。
0258創る名無しに見る名無し
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2011/12/21(水) 06:07:44.74ID:lhxUDSys
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0261創る名無しに見る名無し
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2012/03/10(土) 03:30:06.20ID:uwLvKXxg
想像がつかんw
0262創る名無しに見る名無し
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2012/05/19(土) 10:55:15.27ID:vUo/Pm8F
これはどうなるか分からんな
0263創る名無しに見る名無し
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2012/06/18(月) 14:38:15.68ID:gPUUVDYC
 
0264創る名無しに見る名無し
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2012/07/04(水) 21:53:57.86ID:WWN9BWxA
復活age
0265創る名無しに見る名無し
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2012/09/17(月) 13:50:45.54ID:AJj38Kt5
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0266創る名無しに見る名無し
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2012/09/27(木) 16:26:44.46ID:rqTQRFpE
野比のび太
「『ドラえもん』の野比のび太です。これから色々なアニメキャラを交えてこの僕と『プリキュア5』の夢原のぞみさんの学力比較について討論しましょう。」
0267創る名無しに見る名無し
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2012/12/29(土) 00:50:30.06ID:uKy4Gi+W
ナイフ。 数百はあろう小振りの刃物が宙を舞っていた。
原因、それは男女のキャッチボール。
片方のメイドは向かってくるナイフの集団を、マシンガンのように素早く、且つ手が傷つかないよう慎重に指に挟み取っては投げ、更に懐から新しいものを取り出して投げ放つ。
もう片方の男の場合、女と同じように向かってくるナイフを指で挟み取って投げる、しかし、奇妙な事に、勝手に方向転換し放たれていくもの、砕かれるものがある。
取りこぼしが男の身体に刺さりかけた瞬間、弾かれる。
奇妙な事は二人の周りの状況にあった。
支えが切れて数mの所で浮いているシャンデリアと、それと同時に宙に浮いたガラス達、故障のように止まった時計・・・。
全て止まっている。

(よもや、このDIOと同じ“能力”を持つ者と出会うとは・・・。
この世界に来たのは全くの無駄ではなかったな)
(早くコイツを妹様の餌にしないと・・・お嬢様の誕生日に間に合わなくなるじゃない!)

その頃、地下では・・・
「馬鹿な・・・こんな・・・餓鬼、がぁ・・・!?」
「おじさんがヴァニラ・アイスってことは、その血もバニラなんだよね?
だから、いっぱい吸わせて!」
「ふざけるなッ、この餓鬼g
「きゅっとしてドカーン」
0269創る名無しに見る名無し
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2012/12/29(土) 21:24:28.75ID:QAnBddg3
乙。でもその二人を摂取すると顔が濃くなりそうw
0270青空町耳嚢 〜創作発表板五周年企画SS〜  ◆ftPUzYFINd55
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2013/08/27(火) NY:AN:NY.ANID:+PHEKoDF
青空町耳嚢 第9/21話
【ぺしゃんこ】

 数ヶ月前、ビルの倒壊に巻き込まれたときのことである。
 倒壊というと、語弊があるかもしれない。
 大通りを歩いていると、ビルが突然ぐにゃりと、まるで空気の抜けたビニール人形のように倒れてきたのだ。
 おどろいている間に逃げ遅れ、私をふくめあたりの通行人は軒並みビルの下敷きになった。
 下敷きといっても、羽毛布団を何重にも重ねて乗せられているようなもので、命の危機は感じない。
「なんだこれ?」「出れない」「助けて」巻き込まれた人間がめいめいに騒ぐ。
 私の場合は幸いなことに、上半身は挟まれずにすんだので、周囲のあちらこちらのビルが同じようにぺしゃんこになって、自分達と同じような境遇の集団がいくつもできているのを見て安心できたし、息苦しさもなかった。
 ただ、はさまれている下半身はまったく動かせず、すごく重苦しい。
 同病相哀れむというか、少しの心細さから、隣に挟まっているサングラスの男に話しかけた。
「やっかいなことになりましたね」
「びっくりしたダ〜」
 サングラスの中年男はぽりぽりと頭をかいた。
 髪を紫に染めたモヒカン頭。
 ガラの悪そうな口ひげ。
 鋲のびっしりついたグローブと、張り出した肩あて。
 年甲斐もないパンク野郎なのか?
 つい声をかけてしまったが、普段の生活ではまずお近づきになろうとは思えない奇妙な中年男の姿に私はすこしひるんだ。
 男はぼやいた。「町中これじゃあ、配達先もどうにかなっていそうで心配ダ〜」
「仕事中だったのですか?」
 こんな格好が許される配達業なんて、やばい物の運び屋ぐらいしか思いつかないが。
「ワシ、陽昇町の日向ストアで働かせてもらってますダ。お酒やジュースのご用命ならお任せダ」
 酒屋の店員とは。店長の度量の大きさに感心する。
「これ、店の名刺ですダ。青空町でも配達OKダ〜」
 こんな状況でもちゃっかり店のアピールをするところといい、外見はともかく中身はわりと真面目な男のようである。
 名刺をうけとると、男はにっこりと笑った。
「そいじゃ、ワシは配達の続きをしに行くダ。お兄さんもよい一日を」
 おいおい、何を言っている。私と同様、下半身をビルにはさまれて身動きとれないはずでは、と思ったその時。
 ぷしゅっと、サングラス男が急にしぼんだ。
 ひらめのようにぺちゃんこになったその体は、ビルの下からくにゃくにゃと抜け出して、そのまま宙を泳ぐように遠ざかっていった。
 ビルが元の形に戻り、私が助かったのは、それからさらに数時間後のことだった。


 陽昇町の日向ストアといえば、今では「どんなことがあっても必ず配達にくる」ことで有名な酒屋となっている。


【終】

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クロス作品:絶対無敵ライジンオー&元気爆発ガンバルガー
関連スレ:エルドランシリーズSS総合スレ3【雑談・チラ裏OK】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1374687646/

【8/27】創作発表板五周年【50レス祭り】
詳細は↓の317あたりをごらんください。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ34
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1361029197/
0271創る名無しに見る名無し
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2014/02/16(日) 19:37:32.69ID:ReqrnfE7
幕末の京の闇は深い。
その中を一つの影が歩いている。
その眼はまわりの闇を写したように冥い。
酔っている。だが乱れてはいない。
赫髪、頬には一筋の傷。
人斬り抜刀斎の名で恐れられている男、緋村 剣心である。
と、突然その足を止める。(後ろに、誰かが・・いる?)
遠くない。だが、今まで気づかなかった。
「くくく」
笑い声が聞こえてきた。
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