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クロスオーバー創作スレ5
0002創る名無しに見る名無し
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2010/09/04(土) 20:22:31ID:iVfTRyAH
移転前のスレが落ちていたのでスレ立てしました。
スレタイトルがちょっと間違えてしまいましたね
すみません
0012 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 22:24:09ID:apUEAwTq
以前、このスレに投稿していた◆jPpg5.obl6です。
せっかく、新サーバーでスレが立ったので投下させていただきます。

今回は、以前◆ht8000sikさんが書かれていた<仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録>を
自分なりに書いてみました。
オリジナル設定が多々ありますが、それでもよろしい方はお目汚しにどうぞ。

ちなみに、時間軸としてはウェザー撃破〜劇場版の間とお考えください。
0013仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 22:30:28ID:apUEAwTq
とあるマンションの一室。
<上条>という表札がかかった部屋の一室で禁書(インデックス)は悪夢にうなされていた。
「・・・とうま・・・とうま・・・。」

「とうま!」
混沌とした暗黒の世界。
その中では、禁書を世話している上条 当麻が、ボロボロになりながらも何者かと戦っていた。
自身の右手に潜む能力<幻想殺し(イマジンブレイカ―)>を武器にその何者に攻撃を仕掛けようとする上条であったが、
敵の持つ超高速移動に対応出来ず、そのままサンドバックと化していた。
「とうま、逃げるんだよ!」
叫ぶ禁書。
だが、その言葉は上条に届くことはなく、彼はついに力尽きてしまった。
傷だらけになった状態で倒れこむ上条のもとへ禁書が駆け付ける。
「とうま!お願い・・・しっかりして!!」
禁書は一生懸命に呼びかけるが、上条からの反応は一切無かった。

そんな禁書のもとへ、上条が相手をしていた影がゆっくりと現れた。
相手を見る禁書。
彼女の眼には、大きな刀のような武器を持つ、青い装甲に包まれた何者かが映りこむ。
そして、何者かは言い放った。
「絶望が・・・お前のゴールだ。」
自身の武器を振りかざす何者か。
その武器は禁書へ、そして当麻へと振り下ろされるのであった。
0014仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 22:36:10ID:apUEAwTq
「・・・ぅわぁあああああっ!!」
勢いよく飛び起きる禁書。
彼女が着ていた、カエルの着ぐるみパジャマは尋常じゃない汗でぐっしょりとなっていた。
「・・・!とうま!とうま!!」
突然、彼女はベッドから飛び降りると、床で寝袋を敷いて寝ている上条へ大声で叫ぶ。
「とうま!とうま!!とーおーまーぁっ!!!」
「・・・おい・・・なんだよ・・・禁書・・・。」
「とうま!生きてるんだね?!」
「・・・まだ5時じゃねぇか・・・明日は・・・というか今日は土曜なんだから・・・遅くまで寝かせてくれよ・・・。」
「生きてるよね?生きてるよね?!」
「・・・お前の所業で死にそうだよ・・・。」
そう言って、上条は再び寝てしまった。
0015仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 22:43:59ID:apUEAwTq
「ボディガード?」
「そうだよ。今日一日、私がとうまのボディガードになってあげるんだよ!
 だから、感謝するんだよ!!」
上条の言葉に禁書が答える。
一方の上条は大きめのフライパンを振り回しながら、ご飯を炒めていた。
「・・・ったく、3時間前に禁書の夢で叩き起こされるわ、
 今度は『ボディガードになりたい』と言いだすわ、
 終いには『感謝しろ』と言いだすわ・・・どうしたんだよ、いったい。」
「どうもこうも無いんだよ!」
上条の後ろでプンスカ怒る禁書。
それに対し、上条はその様子に目を向けること無く山盛りのドライカレーを完成させると、
一杯を自分の皿へ、残りのドライカレーをフライパンごと禁書に出すのであった。
「とりあえず、これ食って落ち着・・・って、もう食い始めてるか。」
無言で食べ始めた禁書を後目に、上条は自分の分の朝食をさっさと済ませると、
簡単な身支度をし始めるのであった。
「・・・あれ?とうま、どこかに出かけるの?」
「ああ、ビリビリと映画の約束しちまったからな。」
上条の様子にようやく気付いた禁書が、靴を履こうとしている彼に言う。
「映画?」
「ああ。えぇっと・・・『ジェシカの彷徨と恍惚・傷だらけの乙女は何故西へ向かったのか:漂流編』
 ・・・って随分とタイトルの長い映画だこと。」
ポケットに突っ込んであった前売り券を見ながら上条が言う。
「・・・あ、ちょっと待って!」
突然、声をあげる禁書。
その数秒後、彼のもとへ不思議な格好をした禁書が現れた。
「・・・おい。なんだよ、鍋なんか頭に被って・・・。」
「だって、今日はとうまのボディガードなんだよ!だから多少は武装しないと!」
そう言って、右手のオタマを振りかざす。
「お前な・・・そんなフザケた格好で連れて行けるワケ無いだろ。」
「心配ご無用なんだよ!だから、安心するんだよ!!」
自信満々に言う禁書。
それに対し、上条は何かを考え付いたのか、禁書の頭をさするのであった。
「・・・じゃあ、俺の提示した条件を守ったら、ボディガードとして連れてってやる。」
「ホント?!その条件って何、ナニ?!」
「・・・服を着ろ。」
「・・・え?」
そう言って、自身の格好を見る禁書。
先ほどまで彼女の体は修道服に包まれていた・・・はずだったが、
先ほど上条が禁書の頭を撫でた際に彼の持つ<幻想殺し>が発動、
それによって彼女の服はバラバラの布の塊と化したのであった。
「な・・・な・・・な・・・とおまぁっ?!?!」
玄関で裸体を晒しながら、大声をあげる禁書。
だが、上条は禁書が取り乱しているうちにさっさと外へ出掛けてしまったのであった。
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OP:http://www.youtube.com/watch?v=MYbQpDocz6A&feature=related
0016仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 22:52:00ID:apUEAwTq
「・・・それにしてもビリビリの奴、随分と待たせるな。」
学園都市と呼ばれる巨大空間、その中の一画にある映画館の前で上条はひとり立っていた。
「どうせ、またヤンキーかなんかに絡まれて、そいつらをボコって遅刻・・・ってのが関の山だろうな。
 別にやっても文句は無いが、さすがに時間は守って欲しいよ・・・ったく。」
愚痴りつつ、映画館のネオンを何の気無しに見る。
「それにしても・・・。」
上条はふと思い返していた。

それは今朝、朝食の製作にかかる前の出来事だった。

「『青の通り魔』が俺を襲っただって?」
今朝見た悪夢の内容を説明する禁書に対し、上条が聞く。
「そうなんだよ、とうま!夢の中に『青の通り魔』が出たんだよ!それに・・・とうまが・・・。」
禁書は悲しそうな顔をしてうつむく。

『青の通り魔』・・・。
それは、数週間前から学園都市に出没するようになったという、
学園都市に住む人々の命を狙って暗躍する謎の犯罪者の通称であった。
その存在はまったくの謎に包まれており、唯一分かっているのは風のごとく被害者の前に現われ、
そして被害者をサンドバックのように何十発も殴って殺害するという残忍かつ奇怪な犯行手段をとるということであった。
これまでに20人もの屈強な男が被害に遭っているのだが、唯一ひとりの男性が奇跡的に生存したことがあった。
のちに、その被害者は搬送先の病院で息を引き取ったのだが、死ぬ前に彼はこう言ったという。
「青い・・・悪魔だ・・・。」

「『青い通り魔』・・・か。それにしても、禁書は随分と物騒な夢を見てくれたもんだよ。」
つぶやく上条。
その時、彼の頭に禁書の言葉がフラッシュバックする。

『それに・・・とうまが・・・。』

禁書の悲しげな言葉、そして寂しげな顔。
今思えば、夢だったとは言え、禁書は精いっぱいに自分のことを心配していた。
なのに、自分はそんな気持ちを理解せず、それどころか邪魔扱いしてしまった。

「・・・禁書に悪いことしっちまったな。」
ポツリと言う上条。
「・・・しょうがない。映画が終わったらアイツにケーキでも・・・。」
0017仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 23:00:37ID:apUEAwTq
上条が言いかけたその時だった。

遠くの方から聞こえてくる爆発のような音。
その直後、映画館のネオンが・・・いや、ネオン以外にも電灯や自動販売機といった機械が次々とストップするのであった。
「・・・まさか!!」
爆発音の聞こえた方向の空を見る上条。
目線の先には、彼の予想通り、地面から雷のような雷撃が無数に発生していた。
「ビリビリの奴、また何かしでかしやがったな!」
そう叫ぶと、上条は雷撃の方向へ全速力で走りだした。

一方、雷撃の中心地にふたりの姿があった。
そのうちのひとり、青い装甲に包まれた男が言う。
「貴様、いつまで抵抗するつもりだ!!」
「そっちこそ・・・女の子だからってなめるんじゃないわよ!」
一方、もうひとりの存在・・・学校の制服を身にまとった少女も負けじと答える。
「こういうセリフは本来、黒子が言うべきだけど・・・『ジャッジメントですの』だ!覚悟しなさい、『青の通り魔』!!」
「『青の通り魔』だと?勘違いも甚だにしろ、『ドーパント』め!!」
そう言うと、青い装甲の男は右手に持つ大きな剣にUSBメモリ状の何かを挿入し、剣の引き金を引いた。

ENGINE!!ELECTRIC!

響き渡る音声。
すると、青い装甲の男は刀をライフルのように構え、彼女に向かって数発の光弾を発射した。
「おっと!」
飛んでくる光弾に対し、回転して避ける女性。
そして立ち上がり、スカートのホコリを払いながら、ポケットから数枚のコインを取り出した。
「それがあなたの能力?」
「ん・・・?」
「教えてあげる、光線技っていうのはね・・・こうするんだよっ!!」
少女の指から弾き飛ばされる数枚のコイン。
・・・と、次の瞬間、その軌道を追うかのように、
彼女の持つ能力<超電磁砲(レールガン)>によって発生した大量の電気エネルギーが指から放出された。
青い装甲の男を襲う光線。
そのうちの一本は男が持つ刀を吹き飛ばすのであった。
「なんてパワーだ!くそっ・・・人間態にやるのは気が引けるが・・・仕方がない!!」
そう言って、男は腰にある『バイクのハンドルを模したベルト』のクラッチレバーに手をかけた。
0018仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 23:10:28ID:apUEAwTq
TRIAL!MAXIMUM DRIVE!!

音声が響き渡ると同時に、体を青白い炎で包み込む男。
そして、ベルトのアクセルを思いっきり引くと、空高く跳び上がり、キックの体勢に入った。
「甘い!」
一方の少女も、上空の男に向かって再び光線を放つ。
男を捕らえる光線・・・だったが、男の足先から発せられる多量のエネルギーによって光線は無効化されてしまうのであった。
「何っ?!」
驚く少女。
しかし、男はお構いなしに少女との距離をどんどん縮め、ついには彼女を捕らえた。

目前まで迫るキックに対し、思わず腕で顔を覆う少女。
そして目をつぶり、無駄な抵抗とは分かっていながらも、彼女は全身に力を込め、キックからのダメージを抑えようとする。
・・・だが、いつまで経っても、彼女へキックのダメージが来ることは無かった。
この状況を不思議に思ったのか、ゆっくりと目を開ける少女。
その目線の先には、彼女の前に立ち、男の放つキックを右手のみで阻止する者の姿があった。
「・・・上条 当麻!!」
一方の男も叫ぶ。
「・・・!お前、上条じゃないか!!」
着地する男。
その直後、上条は右腕を押さえながら、膝をついてしまった。
少女が上条のもとへ行く。
一方の男もベルトを外し人間の姿に戻ると、彼女同様に上条のもとへ駆けつけた。
「上条!・・・腕が折れているのか?」
「しっかりして!!」
「・・・おい、女!この近くに病院はあるか?!」
「・・・え・・・病院?」
「早く答えろ!」
「・・・え・・・あ・・・ここから5kmほど直進した所です。」
男の表情に対し、思わず敬語で話す少女。
「近くか・・・よし!」
そう言うと、男は再びベルトを腰に付け、赤いUSBメモリ状の物=ガイアメモリを構えた。
「変っ・・・身っ!!」

ACCEL!!

ガイアウィスパーとともに発せられた赤い装甲が男を包み込む。
そして、男は赤き装甲の戦士に変身すると、上条を背負い、なんと自らの体をバイクに変形させるのであった。
エンジンを噴かせ、発進体勢に入る男。
0019仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/21(火) 23:16:24ID:apUEAwTq
この状況にポカンとする少女であったが、突然ハッとし叫ぶ。
「ちょっと、あんた何者なのよ!私に襲いかかるわ、コイツを助けるわ、青くなるわ、赤くなるわ・・・。」
「俺に質問するな。」
「・・・へっ?」
「だが、答えてやっても構わない。答えが聞きたかったら、俺についてくるんだ。」
そう言って、男は猛スピードでその場を後にした。
「え・・・あ・・・ちょっと・・・。」
呆然とする少女。

その時、何者かが彼女の肩をトントンと叩く。
「・・・ん?うおぅっ?!」
驚く少女。
その先には、戦車のような形をしたロボット=ガンナーAがいた。
「な・・・何なのよ、あんた!!」
叫ぶ少女。
それに対し、ガンナーAはマニピュレーターを動かし、彼女と自身の背中を交互に指していた。
「・・・乗れってこと?」
彼女の答えに対し、嬉しそうに首を縦に振るガンナーA。
「・・・まあ・・・とりあえず。」
そう言って、ガンナーAの背面にある、足の掛けられそうな場所に足を置く少女。
そして、ガンナーAも彼女の搭乗を確認すると、先ほどの男を追うかのように猛スピートで発進するのであった。
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Aパートはここまでです。
ここまで私の駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

Bパートは間を空けて投下しますので、よろしければもう少しの間、私の駄文にお付き合いください。
0020とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/22(水) 00:32:21ID:KPJvgWo7
それではBパートを投下します。
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数分後、少女とガンナーAは病院に到着した。
駆け足で病院に入ろうとする少女であったが、ガンナーAも一緒に入ろうとしていたため、
ガンナーAの前に立ち塞がる。
「えぇっと・・・君はホラ・・・あの・・・駐車場で待ってて・・・ね?」
少女の言葉を聞き、少々悲しげな顔をしながら駐車場へ移動するガンナーA。
一方、彼女はそれを見届けると、再び駆け足で病院の受付へと移動した。
「すみません!先ほど入ってきた、腕を怪我した『髪の毛トゲトゲ男』と・・・あと!赤い『バイク男』を見ませんでした?!」
「おい、『バイク男』って呼び名は感心しないな。」
「え?」
振り向く少女。
そこには、先ほどバイクへの変形を披露した男が変身を解除した状態で立っていた。
「あ・・・あ・・・あ・・・バイクおとこぉっ!!」
「黙れ。病院内は静かにしろ。」
そう言って、男は病院に貼られた『院内ではお静かに』と書かれたチラシを指差す。
「あ、ごめんなさい・・・じゃなくて、あんた何者なのよ!」
再び大声をあげる少女。
「・・・名乗ったら静かにしてくれるか?」
「え・・・あ・・・はい。」
「照井 竜、風都警察:超常犯罪捜査課の課長だ。」
そう言って、照井 竜は警察手帳を少女へと見せた。
「風都・・・警察・・・?」
「・・・そうだ。おい、お前。」
「な・・・何よ?」
「名前と住所・・・あと、お前が持っているガイアメモリの名前を言え。」
「ガイアメモリ?」
「そうだ。さっきの戦いから察するに『サンダー』とか『ビーム』とか・・・あとは『エナジー』ってとこか?」
「・・・もしかして、私の『超電磁砲(レールガン)』のことを言ってるの?」
「そうだ。あんな攻撃性のある能力を持った少女がどこにいる。そんな所業をやってのけるのはドーパントぐらいだろう。」
「ど・・・どーぱ?」
0021とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/22(水) 00:41:39ID:KPJvgWo7
「照井さん、ビリビリはドーパントじゃありません。」
その時、照井の後ろから聞こえてくる声。
その声の主は、腕に包帯を巻いた状態で診察室から出てきた上条であった。
「どういうことだ?」
「俺たち学園都市に住む人間は、能力開発によって多種多様な特殊能力を開花させているんです。
 俺の<幻想殺し>しかり、ビリビリの<超電磁砲>しかり・・・。」
「まるで『ハリーポッター』みたいな話だな。」
「確かに、学園都市以外の人から見ればそうかもしれませんがね。
 それにしても・・・どうして風都にいるはずの照井さんが学園都市に?」
「ああ、実は・・・。」
「ちょっと、ストップ!」
話そうとする照井の前に少女が立ち塞がる。
「何だ、ビリビリ?」
照井が言う。
「アンタまで『ビリビリ』って言うな!私にはね、御坂 美琴って名前があるんだから!!」
「・・・で、要件は何だ?」
「えぇっと・・・照井刑事だっけ?何でそんなにコイツと親しげなのよ?!」
「ビリビリ、病院内では静かに・・・。」
「うっさい、バカ!!」
「・・・。」
「早く答えなさい!アンタとそこのバカとの関係は?!」
「さっきも言ったはずだ、俺に質問するな。」
「な・・・な・・・な・・・?!」
クールにあしらう照井によって、いつもは冷静な御坂が爆発寸前と化す。
「・・・ったく。ビリビリ、俺が説明してやるから聞け。」
この状況を見て、上条が口を開く。
「照井さんはな、中学時代に俺がよく行ってたカレー屋さんの店員だったんだよ。」
「・・・カレー屋?」
「ああ、何年か前まで学園都市にあった『恐竜や』って店だ。
 当時、俺はバイクの修理に必要なパーツがあって、一時期資金集めのためにそこでバイトをしていたんだ。」
照井も口を開く。
「バイク・・・。」
ポツリという御坂。
その言葉を照井は逃さなかった。
「ああ・・・お前の壊したディアブロッサのな。」
「壊した?」
「実はな・・・。」
0022とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/22(水) 00:54:27ID:KPJvgWo7
それは、少し前のこと。
学園都市に着いたばかりの照井は長い信号待ちに耐えきれず、暇つぶしにと周りをキョロキョロ見ていた時だった。
ふと目線に入る少女の姿。
それは御坂 美琴であり、彼女はなかなかお札を認識しないジュースの自動販売機と悪戦苦闘していた。
「このポンコツ!何度やったら認識するのよ!!」
いつもは冷静な彼女が怒りを露わにし、そして自販機を蹴りながら言う。
この光景に対し、警察官である照井はバイクを止め、彼女に注意をしようとしたのだったが・・・。

ついにお札の排出回数が10回を記録した時、彼女の怒りは頂点に達し、
そして自身の持つ<超電磁砲>を暴走させてしまうのであった。
彼女の周囲に発生する雷撃。
突然の事態に対し、照井は反射的にアクセル・トライアルへと変身、
超高速移動による防御で雷撃からのダメージを防ぐことは出来たものの、
路端に止めてあったバイクに関してはどうすることも出来ず、雷撃の直撃によって半壊してしまったのであった。

「・・・。」
唖然とする上条。
一方の御坂は冷や汗をかきながら明後日の方向を見ていた。
「照井さん・・・。」
「なんだ?」
「ドーパントだろうが無かろうが、とりあえずビリビリを逮捕しちゃって結構です。」
「な・・・?!」
「心配するな。逮捕はせん・・・が、慰謝料が十二分に貰う。」
「ななな・・・?!」
0023とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/09/22(水) 01:02:04ID:KPJvgWo7
その時だった。
「とおま〜!」
御坂の後ろから聞こえてくる、上条にとって聞き慣れた声。
上条が声の方向を見ると、そこにはバイクのフルフェイスを被り、大きなオタマを手に持った少女がいた。
「・・・禁書?!」
上条が大声をあげる。
一方の禁書は上条の腕に巻かれた包帯をジッと見ていた。
「あ、怪我してる・・・ってことは、やっぱり『青の通り魔』が出たんだね?!」
「これは・・・まあ何だ、ちょっと腕の筋肉を痛めただけだ。心配はしなくて・・・。」
「私を家に置いてったから罰が当たったんだよ!とうまは当分反省するんだよ!!」
「・・・お前な、それが『ボディガードになる』って言った奴のセリフか?
 ・・・ていうか、お前どうやってここまで来たんだよ?」
「家にいたら急に胸騒ぎがしてね、それでとりあえず病院に行ってみようと思ったんだよ。」
「『とりあえず』って・・・随分神がかり的な勘だな。」
「へへーん、神を信じる者は救われるんだよ!だから、とうまも神様を大事にするんだよ!!」
「はいはい・・・。」
「・・・でね、どうやって行こうか考えてたらね、マンションの駐車場にバイクに乗った人がいたから、
 その人に頼んで連れて来てもらったんだよ!」
「バイクに乗った・・・?」
「君が禁書の言っていた『とうま』か。」
彼らの輪に加わるもう1人の影。
「遅かったな、フィリップ。」
照井が言う。
「ああ、頼まれたとおり『青の通り魔』に関しての検索をしてみたが、
 学園都市内の情報はロックのかかった物がほとんどでね。
 とりあえず、ロックのかかってない情報から出来る限りのデータを集めてみたんだが・・・
 熱中し過ぎて遅くなってしまった。」
そう言って、フィリップは照井に1冊のファイルを渡す。
「・・・もしかして、あなたが学園都市に来た理由って・・・。」
御坂が照井に言う。
「ああ、『青の通り魔』を逮捕するためだ。
 今回の事件に関しては警備員(アンチスキル)でもお手上げらしくてな。」
「そこで、僕たちに依頼が来た・・・ってワケさ。」
フィリップが言う。
「ところで・・・禁書・・・と言ったか?
 君は上条に対して『やっぱり『青の通り魔』が出た』と言っていたが、どういうことなんだ?」
照井が禁書に聞く。
「・・・あのね、夢を見たんだよ。」
「夢?」
0024とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/22(水) 01:21:22ID:KPJvgWo7
禁書は照井に説明した。
夢の中で、上条が『青の通り魔』に襲われたことを。
また、禁書の目の前で彼を葬り去ろうとしたことも。
そして・・・。

「『青の通り魔』は最後にこう言ったんだよ。『絶望がお前のゴールだ』って・・・。」
「何・・・?」
顔を曇らせる照井。

『絶望がお前のゴールだ』・・・この言葉は、彼がドーパントと敵対した際に言う言葉のひとつである。
いくら夢とは言え、何故『青の通り魔』がその言葉を・・・?
偶然なのか、それとも・・・?

「・・・あ!!」
突然、大声をあげる禁書。
「どうした?」
「もうすぐ、『フーティックアイドル』の時間なんだよ!
 今日はジミー中田のリベンジ3週目なんだから見逃せないんだよ!!」
「・・・フィリップ、到着してすぐで悪いが、上条と禁書を家まで送ってやってくれないか?
 駐車場にガンナーAが待機してるはずだから、それを使えば2人を同時に送れるだろう?」
「了解した。禁書・・・あと、君も来てくれ。」
そう言って、フィリップは禁書と上条を外へ連れ出そうとする。
「・・・あ、照井さん、先に失礼します。」
そう言って、頭を下げる上条。
一方の禁書は何も言わずにさっさとフィリップの所へ行ってしまった。
「・・・じゃあ、私もこれで。」
「待て。」
自然に帰ろうとする御坂を照井が止める。
「ハハハ・・・やっぱりね。」
「言ったはずだ、『慰謝料を払ってもらう』と。」
「何よ!確かにバイクを壊したのは悪かったけど・・・こんなか弱き女子中学生からお金を取ろうってワケ?
 それとも・・・まさか、『体で払え』とか言うつもり?!」
「そのつもりだ。お前には『体で払ってもらう』。」
「・・・え?」
0025とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/22(水) 01:30:18ID:KPJvgWo7
その日の夜・・・。
「お待たせ。」
学園都市の一画でパトロールを行なう照井のもとへ、ハードガンナーに乗ったフィリップが再び現れた。
「・・・その様子だと、良い情報を得られたようだな。」
「ああ。それにしても、よく彼女が風紀委員(ジャッジメント)と関係あると気付いたね。」
「簡単なことだ。アイツと戦った時、風紀委員のひとりである白井 黒子のことを『黒子』と親しげに呼んだこと。
 そして、アイツが白井 黒子と関係の深い『御坂 美琴』だと名乗ったこと。そこから結びつくのは・・・ってとこだ。」
「なるほど、翔太郎ばりの推理だね。」
「アイツと一緒にするな。・・・それにしても、左の容体はどうなんだ?」
「僕が出掛ける直前まで熱でうなされてたが・・・まあ、問題無い。」

一方、風都の鳴海探偵事務所では・・・。
「まるで遠足前の子供ね。竜くんとの調査前日の夜になって、急に風邪引くなんて・・・。」
鳴海 亜希子がベッドで赤い顔で横になる左 翔太郎の氷のうを取り換えながらつぶやく。
「馬鹿野郎、俺だって好きで夏風邪を・・・フェックショ〜イ!!」
「わぁ?!汚い!!」
そう言って、亜希子は<健康第一>と書かれたスリッパで翔太郎を勢いよく叩くのであった。

「ところで・・・地球(ほし)の本棚での再検索の結果は?」
「ああ、これだ。」
照井の問いに対し、フィリップが1冊の本を取り出す。

学園都市へ来る前、地球(ほし)の本棚にて『青の通り魔』に関する検索を行なったフィリップであったが、
学園都市側からのセキュリティで検索は不十分に終わってしまった。
そこで、照井は偶然出会った御坂に目をつけ、彼女を通じて風紀委員へ協力を依頼、
ハッキングによるセキュリティ解除を行なったのだった。

照井の言った、御坂への『体で払ってもらう』・・・それは御坂の交友関係をフルに利用した協力のことであった。

そして、セキュリティの有無に関係なく検索可能になったフィリップは再度『青の通り魔』に関する検索を再開。
『青の通り魔』、『学園都市』、『風』、『高速移動能力』、『連打攻撃』・・・。
思いつく限りのワードを入れていくフィリップ。
その結果、ついに1冊の本へとたどり着いたのだった。
0026とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/22(水) 01:38:15ID:KPJvgWo7
だが、その本のタイトルは・・・。
「犯人は・・・トライアルのメモリの持ち主だと?」
本を読んで、声をあげる照井。
昼間の御坂との戦いで使用したように、トライアルのメモリの持ち主である彼が驚くのも無理は無かった。
「フィリップ、これは悪ふざけのつもりか?」
照井がフィリップに迫る。
これに対し、フィリップは冷静に答える。
「落ち着くんだ、照井 竜。確かに『青の通り魔』の正体はトライアルのメモリの持ち主だ。
 ・・・だが、誰も犯人は君だと言ってはいない。」
「・・・どういうことだ?」
困惑する照井に対し、フィリップがもう1冊の本を手渡す。
「これは・・・?」
「それも『トライアルのメモリ』に関する本だ。
 ・・・ただし、それは『君の持つトライアルのメモリ』のほうだが。」
「俺の持つ・・・?どういうことだ?本来、地球(ほし)の本棚には1つの存在に対して1冊の本しか存在しないはずでは・・・。」
「『本来』はね。・・・しかし、何らかの作用が記憶に対して働くことで本が増えることもある。
 以前、1つの存在が善と悪に分離したことで本が2冊になったこともあるけど・・・今回の場合は少し違う。
 言うなれば、『新しい存在が誕生し、かつての存在に取って替わりつつある』という表現が正しいかもしれない。」
「新しい・・・トライアルだと?」
「トライアルだけじゃない。僕が調べた限りじゃ、僕たちのジョーカーやヒート、
 他にもナスカやウェザーといったデータにも『新しい存在』が生まれつつある。」
「どうしてこんなことに・・・?」
「・・・そこで、僕はある仮説を立てて検索を行なった。」

無数の記憶や存在に関するデータが保管されている<地球(ほし)の本棚>。
その中央に立つフィリップは検索するワードを唱えた。
「キーワードは・・・『学園都市』、『能力開発』、『ガイアメモリ』、『新たな記憶』。」
4つの言葉によって、またたく間に数を減らしていく本。
その結果、1冊の本が彼の前に現われた。
その本の名は・・・。

「T2ガイアメモリ?」
「ああ。一部のデータは閲覧できなかったが、
 この学園都市に存在する特殊能力・・・<幻想御手(レベルアッパー)>を使って、
 何者かがこれまでのガイアメモリの能力を強化した新型ガイアメモリを開発していることは確かだ。」
「そして『青の通り魔』は、そのT2ガイアメモリのひとつであるトライアルのメモリで罪もない人を襲っているのか・・・。」
0027仮面ライダー × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/22(水) 01:52:48ID:KPJvgWo7
「お〜い、フィリップぅ〜!てるい〜!!」
突然、彼らの耳元に届く少女の声。
彼らが振り向くと、その先には上条の家に帰ったはずの禁書の姿があった。
「禁書!どうしたんだ、こんな時間に?」
「私に質問するな!なんだよ。」
「・・・はい?」
「冗談ジョーダン!・・・はい、コレ!とうまからの差し入れ!!」
そう言って、おにぎりの入った包みを照井に渡す禁書。
「そうか、これを届けに・・・。」
「ところで・・・禁書、彼は一緒じゃないのか?」
フィリップが聞く。
「とうまなら家に置いてきたんだよ。
 『俺が行く』なんて言い出したから、オタマでスネを引っ叩いてなんとか阻止してきたんだよ。」
そう言って大きなオタマを取り出し、嬉しそうな顔をする禁書。
「なんともアクティブなお嬢さんだ・・・。」
そう言って、照井は受け取った包みをフィリップに手渡す。
「とりあえず、禁書は家に帰るんだ。いつ『青の通り魔』が現れるか分からんし・・・それに、もう22時だ。
 良い子は家で寝てなくちゃダメだ。」
「むぅ〜、子供扱いするぅ!それにわたしはとうまのボディガードなんだよ。
 だから、てるい達と『青の通り魔』をふん捕まえて、ボッコボコにしてやるんだよ!!」
そう言って、オタマを振り回す禁書。
それに対し、照井は強めに彼女の肩を掴むのであった。
「?・・・てるい、ちょっと痛いよ・・・。」
嫌がる禁書に対し、照井が厳しい表情で言う。
「禁書、お前が上条を守りたい気持ちは分かる。だが、お前には危険過ぎる任務だ。
 だから・・・ここは俺達に任せてくれ。」
「でも・・・。」
「お願いだ、禁書。俺達を信じてくれ。」
「・・・分かった。でも、絶対にとうまを守るんだよ!そして、『青の通り魔』をボッコボコにしてやるんだよ!!」
「約束しよう。」
「・・・でも、もし約束を守れなかったら?」
フィリップが横から、場の空気を読めてないセリフを言う。
「フィリップ・・・お前な・・・。」
「大丈夫だよ、フィリップ。私はてるいのことを信じるよ。」
禁書が言う。
「禁書・・・。」
「でも・・・約束を破ったら承知しないんだよ!
 破ったら、私に満腹になるまでご飯をご馳走するぐらいのことはしてもらうんだよ!!」
「・・・。」
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30分ほど席を外します。
それと、投稿時のタイトルから何故か<仮面ライダーW>が消えてたみたいです。
気付かなくてスミマセン。
0028仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
垢版 |
2010/09/22(水) 02:34:14ID:KPJvgWo7
再開します。
あと、また投稿タイトルを間違えた・・・。

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その時だった。
会話をする3人のもとへ、ひとりの女性の叫び声が聞こえてくる。
「・・・今の声は!」
「確か・・・みさかの友達の・・・くろこ!!」
「フィリップ、俺が行く!お前はこの子を頼む!!」
「待て、照井 竜。」
駆け出そうとする照井に対し、フィリップが小さなアタッシェケースを渡す。
ケースを開ける照井。
その中には、フィリップが変身に用いる3本のガイアメモリと、メモリガジェットのひとつであるデンデンセンサーが入っていた。
「敵は超高速移動能力の持ち主だ。おそらく、それが必要になる。」
「分かった。」
そう言って、照井はアタッシェケースを持ち、声の方向へ急ぐのであった。

「・・・くっ・・・なんて速さなの・・・。」
一方、風紀委員のひとりである白井 黒子は、傷つきながらも何者かと戦っていた。
学園都市の闇夜を利用し、闇から闇への高速移動を繰り返し、そして移動の度に攻撃を行なうという手法を採る相手。
これに対し、自身の持つ<空間移動(テレポート)>での戦線離脱を図ろうとする白井であったが、
能力を発動させる際に出来る隙を狙われ、逃げることが出来ずにいた。
どうすることも出来ず、防戦一方の彼女に対して攻撃を繰り返す敵。
そして、何度目かの攻撃によって白井は片膝をついてしまうのであった。
何者かが言う。
「ふっふっふ・・・良いものですね。
 屈強な男が一瞬にして倒される様子も滑稽ですが、今日のようにか弱い女の子が徐々に痛めつけられていくというのも・・・。」
「・・・まさか・・・あんたが・・・『青の通り魔』・・・?」
「名乗るほどの者ではありませんよ。もうすぐ私に倒される者に対してね・・・。」
そう言って、『青の通り魔』は一直線に白井へとどめを刺しに行こうとする。

その時・・・。
0029仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
垢版 |
2010/09/22(水) 02:42:13ID:KPJvgWo7
CYCLONE!MAXIMUM DRIVE!!

『青の通り魔』の耳に入るガイアウィスパー。
その直後、サイクロン・メモリの力をまとったビートルフォンが超高速で『青の通り魔』に迫る。
「む?!このガジェットは!!」
突然の事態にビートルフォンの体当たりを正面でガードする『青の通り魔』。
「おのれ・・・ん?」
攻撃体勢に入ろうとしたその時,『青の通り魔』があることに気付く。
先ほどまで自身が攻撃を加えていた白井の姿が忽然と姿を消していたのだった。
「まさか・・・このガジェットは囮!」
「そうだ、『青の通り魔』!」
突然、学園都市の闇夜に響き渡る声。
『青の通り魔』が声の方向を見ると、そこには月夜に照らされた仮面ライダーアクセル トライアルと、
アクセルにお姫様だっこをされた状態の白井の姿があった。
「ありがとうございますわ・・・仮面ライダー。」
「礼は後にしろ。今はこの場から離れるんだ。」
「・・・分かりました。」
そう言って<空間移動>を行ない、白井は戦線離脱する。
一方のアクセルはゆっくりと『青の通り魔』の前に立ち塞がった。
「ジャッジメントだ・・・『青の通り魔』!!」
声をあげるアクセル。
それに対し、『青の通り魔』は言い放った。
「ふふっ・・・まさか、また君に会うとは・・・これも運命なのですかねぇ・・・。」
「・・・『また』・・・だと?」
『青の通り魔』の言葉にアクセルが戸惑う。
「ええ・・・まさか、忘れてしまったのですか?君にとっての『復讐の相手』だった私のことを・・・。」
「・・・!そんな馬鹿な!!お前は死んだはず?!」
「なら、ここにいる私が幽霊かどうか、君の体で確かめてあげましょう。」
そう言うと、『青の通り魔』はトライアル・メモリの持つ超高速移動でアクセルに襲いかかる。
突然の攻撃に吹き飛ばされ、体を壁に叩きつけられるアクセル。
一方の『青の通り魔』は、白井との戦いの時のように闇から闇への高速移動をしてアクセルからの捕捉を逃れていた。
「くそっ・・・フィリップの言ったとおり、これが必要のようだな。」
起き上がるアクセル。
そして、フィリップから手渡されたデンデンセンサーをどこからか取り出すと、ヒート・メモリを挿入した。
0030仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
垢版 |
2010/09/22(水) 02:51:43ID:KPJvgWo7
HEAT!MAXIMUM DRIVE!!

続いて、今度は自身のトライアル・メモリを抜き、代わりにデンデンセンサーの疑似メモリをドライバーに挿入する。

DENDEN!

メモリから流れるガイアウィスパー。
この音を確認すると、アクセルはデンデンセンサーを空高く放り投げるのであった。
空高く跳ぶデンデンセンサー。
そして空中で一時停止すると、上空からヒート・メモリの力を利用した熱源探知を行ない、
そのデータを即座に疑似メモリを通じてアクセルへと転送するのだった。
「・・・そこかっ!!」
『青の通り魔』の所在を突き止めたアクセルがエンジンブレードにルナ・メモリを装填して構える。

LUNA!MAXIMUM DRIVE!!

勢いよく振り下ろされるエンジンブレード。
剣先からは青色に輝くエースラッシャーが放たれ、引き寄せられるように一直線に『青の通り魔』に向かっていく。
そして、ついには『青の通り魔』を捕らえ、大爆発を起こすのであった。
「やったか・・・。」
そう言って、エンジンブレードからルナ・メモリを抜くアクセル。
0031仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
垢版 |
2010/09/22(水) 03:00:22ID:KPJvgWo7
だが・・・。
「君はお忘れのようですね、私の能力のひとつに『幻影を作り出す』能力があったことを・・・。」
突然、アクセルの背後から聞こえてくる声。
振り向こうとするアクセルだったが、その隙を狙って放たれた『青の通り魔』の一撃がアクセルと捕らえ、
彼はエンジンブレードを手放してしまった。
『青の通り魔』はエンジンブレードを拾い上げ、倒れこむアクセルのもとへゆっくりと近づきながら言う。
「もうひとつ、君が行なった熱源探知・・・確かにすばらしいアイディアですが、所詮は虫けらの考え。
 私の『冷気発生』能力の前には意味を成さない代物ですよ。」
ついに、アクセルの目の前まで迫る『青の通り魔』。
「何故・・・何故だ・・・お前は・・・俺が倒したはず・・・。」
「そう、確かにあなたはトライアルの力を手に入れ、そして、私のウェザーのメモリを破壊した。
 だが・・・『ウェザーのメモリを破壊した』からと言って、それが『私を倒した』ことには繋がらないのですから。」
「どういう・・・ことだ・・・?」
「簡単なことですよ。冴子くんの部下に『私』を演じさせただけのこと。
 ちょうど、彼女の部下のひとりがダミーのメモリの持ち主でしてねぇ・・・。」
「何だと・・・。」
「そこで、私は彼に不必要になったウェザーのメモリを譲渡し、風都を出ました。
 ウェザーのメモリではテラーの力に勝てないと分かった今、さらに強いメモリを手に入れる必要があったのでね。
 そんなある時、私はこの学園都市で極秘に開発されていたT2ガイアメモリのことを知り、
 そのひとつをとあるお方から譲ってもらいました。」
そう言いながら、『青の通り魔』は自身の耳から出現したトライアル・メモリを引き抜く。
変化する体。
そして『青の通り魔』は、山高帽を被った紳士へと姿を変えた。
「そして、私はついに手に入れました。
 君たち仮面ライダーや園崎家の連中が持っているような古いガイアメモリには無い、頂点ともいうべき力・・・最強の力をね!」
高らかに叫ぶ男の姿を見るアクセル。

その姿は間違いなく『奴』であった。
かつて自分の家族の命を奪い、そしてウェザー・ドーパントとして仮面ライダーたちと死闘を展開したあの男・・・。

「井坂・・・ 深紅郎・・・。」

つづく
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前編はこれで終了です。
後編ですが・・・実はまだ書きあがっていません。
ですので、続きはいつになるか分かりませんが、
後編が完成した際には私の駄文に再度お付き合いしていただけるようお願いします。
0032創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/09/22(水) 23:24:08ID:M51ReY4Z
>>31
おお!忘れかけていた作品を新たにリメイクとは!! GJ!!



私は◆ht8000sik氏が書いていたWと禁書の作品の続きかと思いました。
◆ht8000sik氏はもうあの作品を書かないでしょうし、◆jPpg5.obl6さん
なりの作り方で◆ht8000sik氏の作品の続きを書いてもらいたいです・・・。
原作レイプ扱いされていたあの作品と、◆ht8000sik氏がどうしても不憫で・・。
出来れば私が書きたいのですが、文書力と構成力のない私ではあの続きを書くの
は不可能だと思いました。
0033 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/23(木) 11:15:36ID:hf2xbxbf
>>32
ご意見ありがとうございます。

私も正直なところ◆ht8000sikさんのW×禁書に対しては微妙だったのですが、
題材としては面白い組み合わせだっただけに、叩きによる連載ストップが残念でした。
そこで◆ht8000sikさんの続きを・・・と思ったものの、やはり文才の無い私には書くことが出来ず(泣)
結果として、今回のような独自路線に走りつつ、井坂先生の再登場のように◆ht8000sikさんの作品を部分的にパク・・・
もといインスパイアさせていただく形となりました。
0034創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/09/23(木) 11:55:27ID:j4I7Q2Xc
>>33

◆jPpg5.obl6さん。ご返事ありがとう御座います。続きではないにしろ、◆jPpg5.obl6さんの書くW × 禁書に◆ht8000sik氏の書いた
W × 禁書に登場したアラブ人兄弟を登場させてもらえないでしょうか?やはり十字教を憎むあのキャラはどうしてもあのままにして
おくのは勿体無い気がします。(原作の禁書自体、あれほど十字教を憎悪するキャラはまだいないですし)十字教に怒りを抱く二人の
兄弟との決着を◆jPpg5.obl6さんなりの決着方法で描いてもらいたいのですが・・・
やはり無理でしょうか?
0035 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/23(木) 13:46:42ID:hf2xbxbf
>>34
すみません、現状を話しますとすでに後編Aパートまで書きあがっているため、キャラの追加は無理です・・・。
アドバイスをいただき感謝しますが、ご期待に答えられず申し訳ありません。

ただ>>34さんの言うように、◆ht8000sikさんのアラブ人兄弟は何かで使えそうですよね。
例えば・・・電王×禁書とかですかね?
十字教への憎しみがイマジンを呼び、さらにそれが新たなダークライダーを生み・・・みたいな。

妄想失礼しました。
0036創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/09/23(木) 19:23:35ID:ngdg/787
投下乙。Wと禁書録のコラボ!とっても面白いぜ。
仮面ライダーアクセルの登場に美琴たちとのバトル!
うまくクロスしてて最高。
そして、蘇った伊坂ァ…!じゃなかった!井坂!
再び訪れる因縁の戦いにワクワクドキドキだな。
続きが気になるぜ。


僕はあんまり◆ht8000sikさんのキャラは登場させてほしくないな。
こう言うの言ってしまうと申し訳ないんだけど、あのキャラには
好感が持てないんだよね。あんまり活躍してるところは見たくない。
それに、◆ht8000sikさんではないとあのキャラは生かせないと思う
他の人が書くとまったくの別キャラだと思う。
僕もあの人が再び書いてくれるのを楽しみにしてるんだけどね
0037創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/09/23(木) 20:41:50ID:Z9jlDxl6
同じく投下乙。まさかの井坂先生の復活w 上条さんの説教が井坂先生に通用するのか
気になりますw



>>36
やはり◆ht8000sikさんのキャラは不評みたいですね。いっその事複数の作者さんで
◆ht8000sikさんのキャラを使用するということにしてみては?クトゥルフ神話みたいに
作者のラヴクラフトだけでなく、複数の作者に描かせるという手法がありますし。十字教を
憎むアラブの兄弟という設定はそのままに、他の作者がその設定を踏まえつつ、作中にキャラ
クターとして登場させるという書き方もありますが、ストーリーの描き方次第であの二人を
好感の持てるキャラにできるとは思います。やはりどんなキャラにもバックボーンは必要だと
いうことですね。
0038 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/09/24(金) 15:13:23ID:cy4jsWoq
>>36
>>37
駄文ではありましたが、気に入っていただきありがとうございます。
後編に関しましては、皆さんになお気に入ってもらえるよう最善を尽くしますので、よろしくお願いします。
とりあえず、10月あたままでに書き上げたいと思っている次第です。

>アラブ人兄弟
>>35でも書きましたが、個人的には『使わずに放置しておくのはもったいないキャラ』と思う反面、
既存のキャラと違い◆ht8000sikさんのオリジナルキャラのため、
>>36さんの指摘のように◆ht8000sikさんの意向に沿った使い方が出来るかは難しいところなんですよね。

「じゃあ、お前は既存のキャラを作者の意図に沿って使えてるか?」と言われると返答しづらいのですが(汗)

>>37さんの意見のように独自に設定を作り上げていくの良いかもしれませんが、
とりあえずは◆ht8000sikさんに復帰してもらい、自身によるキャラ設定の完結が行なわれるのがベスト・・・ですかね?

ものすごく他人事な意見でスミマセン。
0039創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/14(木) 21:19:22ID:SPzXyBNO
おぉ、W禁書の続きが投下されてた!
今後も禁書キャラがハーフボイルド探偵(笑)に蹂躙されるストーリーを期待しております!

こういう禁書へのアンチ要素を含んだ小説は非常に好みです!
続きも楽しみにしています!

これは私見ですが、いっそフィリップか翔太郎にインデックスでもレイプさせたらどうですか?
より禁書アンチ色が強まって良くなると思います!
0040 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:22:37ID:Pw58xlWa
◆jPpg5.obl6です。
待っている人・・・がいるかは分かりませんが、<仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録>を投下させていただきます。
とりあえず、井坂との対決の行方・・・なんですが、いろいろとシーンを詰めていたら長くなってしまいました(汗)
ですので、だらだらとした展開が続くと思われますが、それでも構わないという方はお付き合いくださいませ。
0041仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:26:14ID:Pw58xlWa
BGM:http://www.youtube.com/watch?v=daYKIeUFvH8&feature=related

仮面ライダーW、今回の依頼は?

「『青の通り魔』が俺を襲っただって?」
「夢の中に『青の通り魔』が出たんだよ!それに・・・とうまが・・・。」

「『ジャッジメントですの』だ!覚悟しなさい、『青の通り魔』!!」
「『青の通り魔』だと?勘違いも甚だにしろ、『ドーパント』め!!」

「犯人は・・・トライアルのメモリの持ち主だと?!」
「この学園都市に存在する特殊能力・・・<幻想御手(レベルアッパー)>を使って、何者かがこれまでのガイアメモリの能力を強化した新型ガイアメモリを開発していることは確かだ。」

「そして、私はついに手に入れました。頂点ともいうべき力・・・最強の力をね!」
「井坂・・・ 深紅郎・・・。」
0042仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:30:13ID:Pw58xlWa
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学園都市の闇夜を疾走するハードボイルダー。
それに乗るフィリップと禁書(インデックス)は一路、禁書の家を目指していた。
「禁書、もうすぐ君の家だ。」
フィリップが、自身の背中に捕まる禁書へ言う。
「うん、ありがとうなん・・・ちょっと待って!!」
禁書が言いかけたその時、彼女の目に何かが飛び込む。
「フィリップ!あれっ!!」
「あれは・・・白井 黒子・・・?」
禁書の指差す方向を見るフィリップ。
その先には、コンクリートの壁に寄り掛かるようにして座り込む、
息も絶え絶えな白井 黒子の姿があった。
すぐさまハードボイルダーを止め、彼女のもとに駆け付けるふたり。
「くろこ!大丈夫?!」
禁書が声をかける。
「・・・禁書・・・ちゃん・・・。」
「喋っちゃダメなんだよ!今すぐ病院に連れてってあげるんだよ!!」
「・・・お姉さまが・・・お姉さまが・・・。」
「お姉さま・・・?」
「フィリップ!みさかのことなんだよ、ソレは。でも・・・みさかがどうしたの?」
「・・・お姉さまは・・・お使いに行った・・・あなたを・・・あの男とともに・・・
 探していて・・・それで・・・偶然・・・逃げてきた私に・・・出会って・・・。」
「『あの男』って、まさか・・・とうま?!」
大声をあげる禁書。
それに対し、白井は静かにうなずいた。

禁書は思い出していた。
夢の中で上条 当麻が『青の通り魔』に襲われていた光景を・・・。
そして、自分の目の前で上条の命が奪われようとしていた瞬間を・・・。

突然、走りだす禁書。
「・・・!禁書、どこに行くんだ?!」
叫ぶフィリップであったが、彼女は一目散に来た道を戻って行った。
「・・・早く・・・行って・・・ください・・・。」
戸惑っているフィリップに対し、白井が言う。
「しかし、君のその怪我は!」
「・・・大丈夫です・・・もう少し休めば・・・病院まで・・・
 <空間移動(テレポート)>・・・出来るくらいの・・・力は・・・取り戻せますから・・・。」
「・・・分かった。僕からは何もすることは出来ないが・・・気をつけてくれ!」
そう言うと、フィリップは再びハードボイルダーにまたがり、禁書同様に来た道を戻るのであった。
0043仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:37:03ID:Pw58xlWa
その頃・・・。

大きな衝撃とともに吹き飛ばされる人影。
その影はコンクリート造りの塀に叩きつけられ、そして大きな穴を開けるのであった。
「やれやれ、人間態の私にさえ太刀打ち出来ないとは・・・仮面ライダーの名も地に堕ちたものですねぇ・・・。」
そう言って、エンジンブレードを下ろす井坂 深紅郎。
一方、井坂からの一撃を受けた仮面ライダーアクセル トライアルは瓦礫の中からなんとか立ち上がろうとするが、
先ほどの戦いで体力をほとんど使い果たしており、起き上がるどころか腕を上げるのもままならない状況となっていた。
「・・・このまま・・・やられる訳には・・・。」
「いえ、君にはこのままやられていただきましょう。そうすれば・・・君の愛していた家族に地獄で会えるのですから。」
そう言って、井坂が再びエンジンブレードを構えたその時だった。
「・・・ん?」
井坂の目に映る、飛来するコイン。
次の瞬間、そのコインは多量の電気エネルギーをまとい、巨大な光線となって井坂に襲いかかった。
突然の事態に光線を避けることが出来ず、多量の電気エネルギーを受ける井坂。
その光景を見ていたアクセルのもとに2つの影が現われた。
「照井さん、大丈夫ですか?!」
「・・・上条!それに御坂!!」
「べ・・・別にアンタを助けに来た訳じゃないわよ。
 本来なら、こういうのは私たち風紀委員(ジャッジメント)の管轄だから・・・って理由だからねっ!!」
御坂 美琴がツンデレ混じりに言う。
だが、アクセルはすぐに反論した。
「・・・駄目だ・・・ここから逃げるんだ・・・。」
「ちょっと、何よ!せっかく助けに来た・・・。」
御坂も反論しようとするが、アクセルは遮って言う。
「あいつは・・・違う・・・。俺達が戦ってきたドーパントとも・・・上条たちが相手にしているような能力者とも・・・。」
「違うって言われても・・・そんなの、戦ってみなきゃ・・・。」
「いいえ、戦わなくても分かりますよ。」
突然、彼らの会話に割り込む声。
その声の主は、御坂の<超電磁砲(レールガン)>の直撃を受けたはずの井坂が無傷で立っていた。
「?!そんな・・・ビリビリの<超電磁砲>を・・・しかも直撃で受けたら、普通なら無事で済まないはず!!」
「残念ながら私は普通の人間では無いんでねぇ、Lv.0の上条 当麻くん。」
「!」
「そして、Lv.5・・・学園都市No.3と言われた御坂 美琴くん。君の能力は確かにすばらしい。
 だが・・・素晴らしいのは能力だけであって、君自体は虫けら以下だ。」
「な・・・?!」
「本来、素晴らしき能力は素晴らしき人間が使ってこそ、その真価が現われるものなのです。私と・・・このメモリのように。」
そう言うと、井坂はT2トライアル・メモリを取り出した。

TRIAL!

ガイアウィスパーを聞き、メモリを自身の耳に刺す井坂。
そして、その姿は『青の通り魔』・・・いや、トライアル・ドーパントへと姿を変えた。
「さて・・・実演へと参りましょうか。素晴らしき能力も持つ者が虫けらなら何の意味も持たないという証明のね!」

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0044仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:47:36ID:Pw58xlWa
「はっ!!」
御坂の手から放り投げられるいくつものコイン。
そして、それらに向かって彼女は電気エネルギーを送り、何本もの光線を完成させてトライアル・ドーパントを狙う。
だが、トライアル・ドーパントは全ての光線を避けてしまう。
しかも、一度に全ての光線を避けるのではなく、ひとつひとつの光線をまるで反復横とびのように避けるのであった。
「そんな・・・早過ぎる!!」
超高速で移動するトライアル・ドーパントに対し、急きょ第二陣のコインを用意しようとする御坂。
だが、トライアル・ドーパントは御坂に急接近、手に持つエンジンブレードの柄で御坂の手のコインを叩き落とし、
さらにはアクセルを思わせるハイキックを彼女の胸に叩きこんだ。
空高く吹き飛ばされる御坂。
「ビリビリ!!」
これに対し、上条 当麻は思わず肩にかけていたアクセルを突き放し、そして吹き飛ばされた御坂を受け止める。
「ビリビリ!!」
上条の腕の中で倒れこむ御坂に声をかける上条。
だが、トライアル・ドーパントの強烈な一撃によって完全に気絶していた。
「くそっ・・・『青の通り魔』!今度は俺が相手だ!!」
御坂を抱えながら叫ぶ上条。
それに対し、トライアル・ドーパントは冷やかであった。
「仮面ライダーでもLv.5でも勝てない私にLv.0の君が挑もうとは・・・虫けらの考えていることは私にはどうも理解出来ませんねぇ。」
「俺達は虫けらじゃねぇ!てめぇのその幻想・・・ぶち殺す!!」
そう言って、上条がトライアル・ドーパントに襲いかかる。
「やれやれ・・・それでは相手してあげましょうかね。」
一方、トライアル・ドーパントはエンジンブレードを再び構えると、上条目がけて叩きつけるのであった。

響き渡る、金属同士がぶつかったような大きな音。
この音にトライアル・ドーパントは勝利を確信した・・・はずだった。
だが、彼の目の前には右手でエンジンブレードの刃を掴む上条の姿があった。
「・・・何?!貴様、この剣を腕1本で・・・。」
「悪いな、周りから『不幸体質』だの『Lv.0』だのと馬鹿にされてるけどな・・・
 俺の<幻想殺し(イマジンブレイカー)>に関しては絶対的な自信があるんでね!」
そう言って、右腕に力を込めてエンジンブレードを抑え込もうとする上条。

確かに、彼の<幻想殺し>はエンジンブレードの持つ攻撃性を抑えることには成功した。
だが、エンジンブレード自体の武器としての物理攻撃性を抑えることは出来ず、彼は右手から真っ赤な血を流すのであった。

「ん・・・?なるほど、どうやら単なるやせ我慢だったようですね。」
上条の血に気付いたトライアル・ドーパントが言う。
「やせ我慢して悪いか?」
「医者として忠告しましょう。やせ我慢は・・・いや、身の丈に合わない無理は自身の身を滅ぼすと!!」
そう言って、腕に力を込めるトライアル・ドーパント。
すると、刃を握った上条ごとエンジンブレードを振り回し、力任せに上条を吹き飛ばすのであった。
地面に叩きつけられる上条。
一方のトライアル・ドーパントはエンジンブレードを肩にかけて、上条に迫る。
0045仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/17(日) 21:57:30ID:Pw58xlWa
その時だった。
「とうま!」
上条の耳に届く聞き慣れた声。
その声の主は禁書であった。
「い・・・インデ・・・。」
喋ろうとする上条だったが、先ほどの一撃で予想以上のダメージを受け、うまく喋れずにいた。
「とうま!・・・お前が『青の通り魔』だな!!」
そう言って、駆けだす禁書。
そして、トライアル・ドーパントの足にしがみつき、得意の噛みつきを始める。
だが、トライアル・ドーパントには何の効果も無かった。
「おやおや、なんとも元気なお嬢さんだ。だが・・・。」
そう言って、噛みつかれている足を上げるトライアル・ドーパント。
「女の子なら女の子らしく、静かにしていただきましょう。」
そう言うと、トライアル・ドーパントは足を勢い良く振りかぶり、噛みついていた禁書を無理やり引き剥がした。
吹き飛ばされ、地面に落とされる禁書。
一方のトライアル・ドーパントはターゲットを上条から禁書へと変更し、彼女へと近づいて行った。
「・・・そうは・・・させるか!!」

TRIAL!MAXIMUM DRIVE!!

声のする方向を見るトライアル・ドーパント。
目線の先には、ボロボロになった体を無理やり起こし、アクセルグランツァーの体勢をとるアクセルの姿があった。
「ほほう・・・まだ立ち上がる力が残っていたとはね。」
全身を青白い炎に包み、トライアル・ドーパントへと駆けていくアクセル。
そして、トライアル・ドーパントを射程圏内に捕らえると、必殺のアクセルグランツァーを放つのであった。

だが・・・。
「・・・何?!」
本来なら技を決め、着地しているはずのアクセルだったが、トライアル・ドーパントも同様にアクセルグランツァーを放ち、
ふたりは同じ体勢で空中に留まっていた。
「互角・・・だと・・・?」
「『互角』?いいえ、私の勝ちです!」
そう言って、着地するアクセルとトライアル・ドーパント。
次の瞬間、アクセルの足の装甲が割れ、そして連鎖するようにアクセルの装甲が全て剥がれ落ちるのであった。
倒れこむ照井 竜。
その姿を見て、上条が駆けようとする。
「て・・・照井さん・・・。」
「おっと、彼に会いたいのでしたら私がお手伝いしましょう・・・地獄への旅を!」
そう言って、上条への連続攻撃を開始するトライアル・ドーパント。
超高速で移動するトライアル・ドーパントは上条を囲むように移動し、
さらにパンチやキックといった打撃攻撃を目にも止まらぬ速度で仕掛ける。
この光景に禁書が叫ぶ。
「とうま、逃げるんだよ!」
叫ぶ禁書。
だが、その言葉は上条に届くことはなく、サンドバックと化した彼はついに力尽きてしまった。
傷だらけになった状態で倒れこむ上条のもとへ禁書が駆け付ける。
「とうま!お願い・・・しっかりして!!」
禁書は一生懸命に呼びかけるが、上条からの反応は一切無かった。

そう、まるであの悪夢のように・・・。
0046仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 22:07:23ID:Pw58xlWa
そして、禁書のもとへアクセル・ドーパントがゆっくりと現れた。
上条を守るかのように、彼に覆いかぶさる禁書。
そんな光景にトライアル・ドーパントは冷笑するだけだった。
「美しい友情ですねぇ・・・。しかし、今の君たちに待っているのは友情でも希望でも無く『絶望』なのですから。
 ・・・そうだ、せっかくですので君たちにすばらしい言葉を贈ってあげましょう。」
そう言って、トライアル・ドーパントは再びエンジンブレードを手に取り、剣を大きく振り上げた。

「絶望が・・・お前のゴールだ。」

勢いよく振り下ろされるエンジンブレード。
そして、その刃は禁書と上条の体を貫いた・・・と思われたその時だった。

再びエンジンブレードから発せられる、金属同士がぶつかったような大きな音・・・いや、エンジンブレードを阻止するため、
ぶつかってきた『剣』がそこにはあった。
「・・・む?!君たちもまさか学園都市に来ていたとは・・・。」
振り下ろされたエンジンブレードをはじき返す何者か。
そして、間髪入れずに自身の持つ『盾』でトライアル・ドーパントを弾き飛ばし、間隔を空けるのであった。

そして、彼は『剣』と『盾』を構えて言った。
「井坂深紅郎、ここからは僕が相手しよう。」
「『僕』・・・じゃなくて『僕たち』だろ?相棒。」
その正体は仮面ライダーW サイクロンジョーカーエクストリームであった!

「その声・・・フィリップなの?!」
「禁書、大丈夫かい?」
Wが持つフィリップの意識が言う。
「うん!・・・そんなことより、てるいと・・・みさかと・・・とうまが!!」
「分かっている。翔太郎・・・病み上がりだが、準備は良いかい?」
「ああ。エクストリームメモリのおかげでバッチリだぜ!」
W内の左 翔太郎の意識が言う。

数時間前まで重度の夏風邪を引いていた翔太郎。
だが、フィリップの危機を察して活動を始めたエクストリームメモリによって風都から学園都市へ搬送され、
その際にエクストリームメモリの持つ治癒能力によって彼の風邪はたちどころに完治したのだった。
それは、かつてウェザー・ドーパントによって重傷を負ったフィリップを完治させるほどの力を持ったエクストリームメモリにとって他愛も無いことであった。

「おのれ・・・W!貴様もT2ガイアメモリの力に屈するがいい!!」
「おーっと、残念ながら俺達は忙しいんでね。またの機会させてもらうよ。」
翔太郎の意識がそう言うと、自身が持つビッカーシールドに3本のガイアメモリを刺し始めた。
0047仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 22:17:05ID:Pw58xlWa
JOKER!!MAXIMUM DRIVE!!
METAL!!MAXIMUM DRIVE!!
TRIGGER!!MAXIMUM DRIVE!!

「こいつで仕上げだ!」

PRISM!MAXIMUM DRIVE!!

4つの強大なエネルギーが集約するビッカーシールド。
これをWは大きく掲げるのであった。
「「ライダー・プリズムフォーメーション!!」」
強烈な光を発するビッカーシールド。
そして次の瞬間、シールドからは3つの光の塊が飛び出し、
それらはそれぞれ仮面ライダーWのサイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの形となって次々とトライアル・ドーパントに向かっていった。
「おのれ・・・こんな技にやられてたまるか!」
自身のメモリの力をエンジンブレードに伝え、マキシマムドライブ状態となったトライアル・ドーパント。
そして、次々と襲い掛かるWに怯むことなく、全てをエンジンブレードで真っ二つに叩き斬るのであった。

だが、トライアル・ドーパントはすぐにあることに気付いた。
「・・・!しまった、これは囮!!」
辺りを見回すトライアル・ドーパント。
だが、トライアル・ドーパントがWの放った幻影に気を取られているうちに、Wたちは怪我をした面々を連れてとっくにその場を後にしていたのであった。
「まさか、私の十八番(オハコ)を彼らが使ってくるとは・・・。」
元の姿に戻り、笑みを浮かべる井坂。
だが、彼の心は完全なる怒りに震えていた。
「良いでしょう・・・最強である私をここまでコケにした罪・・・それがどんなに大変なことであるか、身を持って教えてあげましょう!!」
夜の学園都市に井坂の叫びが響いた。

学園都市内にある大きな病院。
その一室で御坂は目を覚ました。
「ここは・・・?」
キョロキョロとしている彼女の目に病室の窓が目に入る。
窓の外は事件の時の夕闇から昼を通り越して夕焼けへと変化していた。
起き上がり、ベッドから降りようとする御坂。
だが、トライアル・ドーパントから受けた一撃による痛みはまだあるらしく、彼女は自身の胸を押さえながら苦痛な表情を見せた。
そんな時、彼女のもとへ2人の少女が病室へと入って来る。
「・・・!お姉さま!!」
「御坂さん!」
苦しむ御坂のもとへ駆け寄る少女たち。
ひとりはトライアル・ドーパントとの戦いで怪我を負った白井 黒子、もうひとりは風紀委員(ジャッジメント)のメンバーである初春 飾利であった。
「お姉さま、大丈夫ですか?!」
「・・・痛みはだいぶあるけど・・・黒子の怪我に比べたらまだ大丈夫な方よ。」
そう言って、白井の姿を見る御坂。
その目線の先には、ギブスで固定された白井の左腕があった。
「それにしても・・・よくご無事でしたね。」
口を開く初春。
そして、彼女は発言を続ける。
「のちの調査で分かったのですが・・・あのドーパントの名はトライアル・ドーパント。
 風都署から来た照井刑事が変身する仮面ライダーアクセル トライアルと同等の能力を持ち、
 しかもその性能は最新型ガイアメモリの力とガイアドライバーを介さない直刺しによって仮面ライダーの10倍近いパワーを持っているとか・・・。」
「調査乙。それにしてもあの刑事の10倍のパワーか・・・。そりゃあ、頑丈な私も一発で気ぜ・・・。」
突然黙りだす御坂。
その光景を見て、白井と初春が彼女の顔を覗き込む。
0048仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 22:27:06ID:Pw58xlWa
御坂は思い出していた。
トライアル・ドーパントと戦い、相手から猛スピードで繰り出されたキックを自分は防御する間も無く受け、そして吹き飛ばされてしまった。
しかし、今考えればおかしい。
あの夜、戦っていたのはコンクリートの外壁が並ぶ住宅街。
そんな環境で吹き飛ばされようものなら、アクセルのように勢いよく壁に叩きつけられるか、
またはアスファルトの地面に叩き落とされるか・・・いずれにせよ、五体満足ではいられなかったはず。
・・・なのに、自分は軽い怪我で済んでいる。
これはいったい・・・?

そして、御坂は思い出した。
あの攻撃を受けて気を失う直前、彼女のもとへ駆け寄り、そして身を挺して御坂の体を捕えたひとりの男の姿を・・・。

「・・・ねぇ!あの男は・・・上条 当麻はどうなったの?!」
今度は突如として大声を上げる御坂。
この声に驚きの表情を浮かべる白井と初春であったが、御坂は彼女らに構うことなく再度上条の安否を問うのであった。
「早く答えて!あいつはどうなったの?!」
「お・・・落ち着いてください、お姉さま!あの男なら、この病院に収容されてますから!!」
「・・・あ、そうなのね。良かった、無事で・・・。」
「・・・いえ、『無事』とは言えない状況なんです。」
割って入る初春。
そして、突然の発言に理解できない表情を見せる御坂に対し、初春は白井とともに病院内を移動した。

とある病室の前で止まる3人の少女。
その病室には<上条 当麻>と書かれた名札、そして<面会謝絶>と書かれた札がぶら下がっていた。
そっとドアを開ける御坂。
その目線の先には呼吸器を付け、意識不明のままで横たわっていた傷だらけの上条の姿があった。
「そんな・・・そんな・・・。」
受け入れたくない状況を目の当たりにし、目を背ける御坂。
だが、その目線の先にはさらに受け入れがたい現実が待っていた。
彼女の目に飛び込む1枚の名札。
そこには<照井 竜>の名と、先ほど同様に<面会謝絶>の札。
何かに魅かれるように病室のドアを開ける御坂であったが、
そこに待っていたのは上条と同じ様に呼吸器を付けて意識不明のまま眠り続ける照井の姿であった。
0049仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 22:37:41ID:Pw58xlWa
ドアの向こうの現実を忘れるかのように急いでドアを閉める御坂。
そして、彼女は子供のように大声で泣き崩れた。

病院内に響き渡る、御坂の悲しき声。
だが、白井と初春は彼女に対して何もすることが出来ず、ただただ泣き叫ぶ彼女を見るしか出来ないでいた。
そんな時、この雰囲気を打破するかのように初春の携帯電話の着信音が飛び込んでくる。
すかさず出る初春。
「ハイ!・・・あ、刃野さん!・・・え?・・・はい、分かりました。」
風都署の刑事である刃野 幹夫からの電話に顔を曇らせる初春。
「どうしたの?」
「・・・トライアル・ドーパントが出現し、警備員(アンチスキル)と交戦に入りました。」
初春の言葉に驚く白井。
そして、御坂もその言葉に反応するのであった。
「しかし、今までのスキルアウトとは異なるため、警備員や風都署の方も不利な状況にあるそうです。」
「くそぅ・・・こうなったら私たちも出動を・・・。」
「待って。」
いきり立つ白井の前に立ちふさがる影。
それは御坂であった。
「ここは私ひとりで行く。あなたたちはあの男と照井刑事の看病を。」
「ちょ・・・?!お姉さま、何を言ってるんです!仮面ライダーの10倍も持つ怪人にひとりで挑もうなんて・・・。
 こんな時こそ、風紀委員3人の力を合わせて戦わなくては!!・・・もし、私や初春のことを戦力として扱えないというのでしたら、
 我々が壁となって命と引き換えにでもお姉さまの命をお守り・・・!!」
熱弁する白井。
だが、そんな彼女の顔面にひとつの拳が強襲した。
吹き飛ばされ、病院の床に叩きつけられる白井。
すかさず初春が彼女の元へと駆けつける。
「白井さん!・・・御坂さん・・・どうしてこんなことを!!」
御坂を睨む初春。
その目線の先には、稲妻が走る右手を強く握りしめた御坂がいた。
「・・・軽々しく、『命と引き換えに』とか言わないで・・・。」
「・・・え?」
「・・・もう・・・誰も・・・死んで欲しくないのよ!!」
大粒の涙を流しながら、怒りの形相を表わす御坂。
その顔を見て、ふたりは言い返すことが出来なかった。
「もう・・・誰も死なせない・・・私が・・・私が決着をつける!!!」
駆ける御坂。
これに対し、とっさに声をかける初春であったが、怒りに燃える彼女の耳にその声が届くことはなかった。
0050仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 22:47:08ID:Pw58xlWa
そこは、ただただ真っ暗な『闇』の世界だった。
前を見ても黒い光景、後ろを見ても黒い光景、そして上空は黒い空・・・。
そんな空間で照井と上条は立ち尽くしていた。
彼らは考えていた。
自分は井坂と戦い、そして敗れ、気が付いたらこの場所に立っていた。

まさか・・・自分は死んだのだろうか?

「正解だ、ボウズども。」
突然、照井の耳に入る男の声。
照井が振り向くと、そこにはひとりの威容な姿の男が立っていた。

ドクロのような顔、漆黒のボディ、手には傷のついた帽子、そして腰には仮面ライダーWのベルトに酷似した何か・・・。
それはまるで死神のようであった。

思わず、照井が男に質問する。
「お前・・・死神か?」
「死神・・・か。・・・ふっ・・・ふふっ・・・ハッハッハッハ!!」
そう言うと、その男は異様なほど大声で笑い出すのであった。
「何がおかしい!」
笑う男に対し、声をあげる上条。
「はっはっは・・・いやぁ、すまねぇな。まさか『同業者』から『死神』なんて言われるとは思ってなかったんでね。」
「『同業者』・・・?」
「確かに、俺は死神だ・・・だが、それは罪を重ねた悪人に対しての話だがな。一般的に人々は俺のことをこう呼ぶ・・・『仮面ライダースカル』。」

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Aパートはここまでです。
Bパートはちょっとだけ間を置いて投下させていただきますので、もう少しお付き合い願います。
0051仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:07:08ID:Pw58xlWa
それではBパートです。
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「確かに、俺は死神だ・・・だが、それは罪を重ねた悪人に対しての話だがな。一般的に人々は俺のことをこう呼ぶ・・・『仮面ライダースカル』。」
そう言って、変身を解除する仮面ライダースカル。
風に乗って剥がれ落ちる装甲の中からは、白い背広を着たひとりの男が立っていた。
「あんたは・・・いや、あなたは!」
「照井さん、あの男を知ってるんですか?!」
「ああ。所長の父親で・・・確か、名前は・・・。」
「鳴海 壮吉だ。」
「・・・いや、待て!左の話によれば、あなたは死んだはずでは・・・?」
「・・・え?」
「そう、確かに俺は死んだ。だから、この世界にいるんだよ。」
「・・・じゃあ・・・俺たちのいる世界は・・・。」
「そう、お前さんの予想どおり『死の世界』だ。」
鳴海 壮吉の言葉を聞き、愕然とする照井と上条。
だが、一方の鳴海は涼しそうな顔をしていた。
「そう早とちりするなよ、若人。」
「・・・え?」
「ここは『死の世界』・・・と言っても、まだ地獄の1丁目。つまり、生と死の境目みたいなところだ。」
「・・・じゃあ、まだ生き返れる可能性もあるんですね?!」
嬉しそうな顔をする上条。
「ああ・・・だが。」
「だが?」
「・・・さっきも言ったはずだ。俺は罪を重ねた者への『死神』だとな。」
「罪・・・?」
「これを見な。」
そう言って、指でパチンという大きな音を鳴らす鳴海。
すると、漆黒の空にひとつのヴィジョンが映し出された。
照井と上条の目に飛び込む光景。
それは、傷だらけになりながらもトライアル・ドーパントと戦う御坂
「あれは・・・井坂!それに御坂!!」
「ビリビリの奴、ひとりで戦ってるのか?!」
「これが・・・お前たちの『罪』だ。」
冷淡に言う鳴海。
「俺たちの・・・『罪』?」
「ああ、彼女はどうしてひとりで戦っていると思う?」
「ひとり・・・?待ってくれ!ビリビリには風紀委員の仲間がいるはずだ!それなのにどうしてひとりなんだ?!」
「彼女が望んだんだ・・・ひとりでの戦いをな。」
「・・・どういうことだ?」
「あの子は今、復讐の心のみであのドーパントと戦っている。悪と戦う仮面ライダーという存在、そして自らが愛する男という存在、
 これを2つ失った悲しみや怒りによって生み出された心のみでな・・・。」
再び目に入る、トライアル・ドーパントと御坂との戦いが映し出されたヴィジョン。
そこには、トライアル・ドーパントの高速移動による四方八方から繰り出されるキックによってサンドバック状態と化しつつも、
気力のみで立ち上がりファイティングポーズをとろうとする御坂の姿があった。
「分かるか?あの子は刺し違えてでもあのドーパントを倒すつもりだ・・・いや、自殺しに行ってるが近いかもしれないな。
 もう、自分の愛する者を奪われないために・・・そして、自分が二度と悲しまないために。」
「・・・ビリビリ!止めるんだ!!」
思わず叫ぶ上条。
0052仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:18:00ID:Pw58xlWa
「・・・そしてもうひとつ。」
そう言うと、鳴海は再び指を鳴らす。
現われるもうひとつのヴィジョン。
そこには、リボルギャリーのドックにてフィリップとともに何かを作っている禁書の姿であった。
「禁書!」
ヴィジョンに映った禁書の顔を見る照井。
その顔は、寝る間も惜しんで作業に徹していたのか、生気の薄れた顔となっていた。
だが、そこには何かを信じて待っているかのような希望も感じられるのであった。
「あの子はフィリップとともに、あのドーパントを倒すための武器を作っているそうだ。細かいところに関しては俺も不明だがな。」
「禁書・・・。」
三度、指を鳴らす鳴海。
すると、その上空のふたつのヴィジョンが消え、彼らの周囲は再び闇の世界へと戻った。
「・・・それじゃあ、ここで最後の選択だ。返答によってはお前たちを死の世界へ連れていくから覚悟しな。」
そう言って、鳴海はガイアメモリを構えた。

SKULL!!

「変身。」
鳴海の腰に巻かれたロストドライバーに挿入されるスカルのメモリ。
そして、紫の光が包み込み、再び彼を仮面ライダースカルの姿へと変えるのであった。
「さあ・・・お前の罪を数えろ。」
照井と上条を指差すスカル。
これに対し、ふたりはゆっくりと答えた。
「俺の罪・・・それは、悪の手から人々の心を守れなかっただけでなく、さらにはその命までの危険にさらそうとした罪!」
「2つ目・・・帰ってくること、そして悪を倒すことを願っている人がいるにもかかわらず、こんな闇の世界に留まっている罪!!」
「そして・・・最後の罪・・・。」
「それは・・・。」

「「正義が悪に負けた罪!!!」」
漆黒の世界に照井と上条の大きな声が響き渡った。

「・・・。」
無言でスカルマグナムを取り出し、スカルのメモリを挿入するスカル。

SKULL!MAXIMUM DRIVE!!
0053仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:27:14ID:Pw58xlWa
「何をするつもりだ?!」
「こうするのさ・・・。」
そう言って、照井たちに向けてギルティシュートを放つスカル。
だが、その弾丸はふたりの間を通り過ぎ、そして漆黒の壁に衝突した。
砕け散る壁、そしてそこからは神々しいほどの光があふれていた。
「これは・・・。」
「まあ、点数としては70点だが・・・ある程度自分の罪が分かってるから良しとしよう。」
「鳴海さん・・・いや、仮面ライダースカル!」
「その光の道を抜ければ現世に戻れる。そして・・・自分たちの言った罪を十分に償ってこい!
 またここに戻ってきたら承知しないからな!!」
「ありがとうございます!!」
そう言って、駆けだす上条。
続いて照井も駆けだそうとしたその時だった。
「照井 竜・・・と言ったな?」
「え・・・あ・・・はい。」
「・・・いや、なんでもねぇ。」
「・・・?」
「照井さん!早く行きましょう!!」
「あ・・・ああ!!」
そう言って、光の道を駆けていく照井と上条。
そして、崩れた壁は再生し、スカルの周囲は再び漆黒の闇と化した。
「照井 竜・・・か。」
つぶやくスカル・・・いや、鳴海 壮吉。
「まるで若い頃の俺を見てるようだ。だからこそ、亜希子が惚れたのかもしれないな・・・。
 頼んだぜ、仮面ライダーアクセル!上条 当麻!!学園都市と風都の平和を、そして家族としての未来を!!!」

「まだ戦おうというのですか?虫けらの存在で・・・。」
一方、トライアル・ドーパントと御坂の戦いはまだ続いていた。
トライアル・ドーパントの攻撃を受け続け、立ち上がるのもままならない御坂。
だが、彼女の闘志は自身を無理やりにでも立たせるのであった。
「いやはや・・・医学、生命、ガイアメモリとこれまで色々なことを研究し自分なりに理解してきた私ですが、
 未だに君たち虫けらの考えや行動というのが理解出来ませんねぇ・・・。」
そんな時、御坂がポツリという。
「・・・とう・・・ま・・・ライ・・・ダー・・・。」
「・・・ん?」
「もう・・・失い・・・たくない・・・。」
涙をこぼしながらつぶやく御坂。
だが、その言葉は意識を失いかけながらも立ち上がろうとする心の叫びだったのかもしれない。
「そうですか・・・では、失うことのないようあなたも地獄に送ってあげましょう。仮面ライダーが遺した武器によってね!」
そう言って、アクセルから奪ったエンジンブレードを振りかざし、御坂に襲いかかるトライアル・ドーパント。
しかし、限界まで来ていた御坂に動く力など無く、エンジンブレードを前に立ち尽くすのみであった。
「これで・・・最後です!!」
0054仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:37:10ID:Pw58xlWa
御坂に振り下ろされたエンジンブレード。
だが、その刃が彼女を襲う直前、何者かが立ちふさがり、刃の進行を止めた。
「何?!・・・!!」
「残念だったな、井坂。」
トライアル・ドーパントの前に立ち、真剣白羽取りをする赤き装甲の男・・・それは仮面ライダーアクセル=照井 竜であった。
「貴様・・・生きていたのか?!」
「『貴様』?残念ながら俺も生きてるぜ!!」
トライアル・ドーパントのもとへ現われるもうひとりの影。
その影は右手でトライアル・ドーパントの腕を握ると、何かを送り込むかのように右手に力を込めるのであった。
「な・・・う・・・腕の力が・・・?!」
「だから言っただろ?<幻想殺し>をなめるな・・・ってね。」
その声の主は上条 当麻であった。
<幻想殺し>によるエネルギー吸収によって腕の力を失うトライアル・ドーパント。
そして、ついにはエンジンブレードを支えることが出来ず、そのまま落とすのであった。
「今だ!」
即座に反応に、地面に落ちたエンジンブレードを拾い上げるアクセル。
そしてトライアル・ドーパントに連続して切りかかり、相手との間合いを取るのであった。
倒れるトライアル・ドーパント。
・・・と同時に御坂は目を覚まし、現在の状況に気づくのであった。
「・・・あれ・・・私・・・?!」
「ビリビリ、大丈夫か?!」
駆け寄る上条。
「上条・・・。」
「ビリビリ・・・心配かけ・・・?!」
「あんたねぇ・・・この・・・大馬鹿ヤロォおおおおお!!」
御坂のもうひとつの能力である<電撃使い(エレクトロマスター)>が発動、膨大な電気エネルギーが上条の体に流れ、
彼の体はまるでギャグ漫画のような真っ黒焦げのアフロヘアーとなってしまうのだった。
「ちょ・・・待てよ!助けに来て、この仕打ちは無いだろう!!もう一回、地獄の一丁目に行ったら問答無用で地獄行きだってぇのに!!!」
「何をワケの分からないこと言ってるのよ!こっちはどんだけ・・・どんだけ・・・心配したと思ってるのよぉ!!」
大声をあげる御坂。
・・・と同時に、心情が高ぶり過ぎたためか、彼女は子供のように泣き出してしまうのであった。
「・・・ったく。上条、何やってるんだよ。」
「え・・・俺のせいですか?!」
「何言ってるのよ!ぜぇ〜んぶ、アンタのせいなんだから!!だから・・・明日はちゃんと映画に連れていくなり食事をおごるなり・・・
 とにかく私のしもべとして働きなさいよ!!!」
「せっかく現世に帰ってきたのに・・・不幸だ・・・。」
0055仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:47:10ID:Pw58xlWa
「何が不幸だ!それがレディに対して言うセリフか!!」
「やれやれ・・・!おい、上条の処遇についてはあいつを倒してから話したほうが良さそうだぞ。」
そう言って、エンジンブレードを構えるアクセル。
その目線の先には、先ほどの攻撃でダメージを受けながらも立ち上がるトライアル・ドーパントの姿があった。
「おのれ・・・貴様ら虫けらどもにT2ガイアメモリの力が負けるはずがない!」
怒りの声をあげるトライアル・ドーパント。
これに対し上条が言う。
「あんたは重大な勘違いに気づいてないようだな。」
「勘違い・・・だと?」
「確かに俺らはあんたから見れば虫けらだ。力も能力もあんたに劣っている。だが・・・それは見方のひとつでしかない。」
「見方・・・?」
「そう、あんたは子供の頃に習わなかったか?物事というものはひとつの目線で捕えるんじゃなく、色々な目線で見つめ、
 総合的に考えていく・・・ってね。あんたは『力』や『能力』といった点からは優秀だ。だが・・・それ以外は0点だ。
 人の心を理解出来ず、命という存在を軽視するあんたはな!」
「Lv.0の分際でベラベラと・・・言いたいことはそれだけか?!」
「俺もあるぜ。」
アクセルが上条の隣りに立つ。
そして、トライアル・ドーパントを指差して言い放った。
「お前の罪を・・・数えろ。」
「罪だと?フン、私に罪など無い!
 君の家族の命を奪ったのも、学園都市の者を襲撃したのも私の最強への道の実験台でしかないのだからな!!」
「・・・0点。」
「何だと?!」
「もう一度言ってやる。井坂、お前の全てが0点・・・いや、それ以下だ。」
「貴様ら、虫けらの分際で・・・私にそんな減らず口が叩けないようにしてやる!!」
怒りが頂点に達するトライアル・ドーパント。
この言葉に上条とアクセルが構える。
「その幻想・・・。」
「俺たちが・・・。」

「「振り切るぜ!!」」
0056仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/17(日) 23:57:03ID:Pw58xlWa
怒りが頂点に達し、マキシマムドライブ状態となるトライアル・ドーパント。
これに対し、上条が後ろの御坂に向かって叫ぶ。
「ビリビリ!俺たちに向かって<超電磁砲>を放て!!それも生半可なもんじゃねぇ・・・お前の全身全霊を込めた<超・超電磁砲>をな!!!」
「はぁ?!何、そのネーミング!しかも、なんで?!」
「俺たちに質問するなっ!!」
叫ぶアクセル。
「だぁあああああ!!こうなったら、ヤケクソでその・・・えぇっと・・・
 <超・ウルトラ・スーパー・ミラクル・ハイパー・超電磁砲>とやらをお見舞いしてやるから覚悟しなさいよ!!!」
「おい、ビリビリ!名前が盛大に間違・・・ぅおっ?!」
ツッコミを入れようと上条が後ろを見ると、そこには今までにないほどの電気エネルギーを解放していた御坂の姿があった。
彼女の両腕に集められる多量の電気エネルギー。
そして、それらは手のひらという小さな空間に集められることによって凝縮され、プラズマエネルギーと化する。
だが、今までの<超電磁砲>に使っていたような電気エネルギーと違い、
莫大な熱量を持ったプラズマエネルギーの制御に御坂は苦戦を強いられていた。
「くっ・・・行くわよ!!」
叫ぶ御坂。
「OK!・・・照井さん、行きましょう!!」
「ああ!!」
返事をするアクセル。
そして、自身のアクセルドライバーに挿されたアクセル・メモリを抜くと、エンジン・メモリへと差し替えるのであった。

ENGINE!MAXIMUM DRIVE!!

ガイアウィスパーが流れるや否や、バイクモードへと変形するアクセル。
一方、上条は変形したアクセルにまたがり、再度御坂に向かって叫んだ。
「ビリビリ!今だ!!」
「どぉりやぁあああああ!!」
御坂の手から解放されるプラズマエネルギー。
そのエネルギーの塊は流星の尾のような光を描きながら、一直線にアクセルたちに向かっていった。
「上条、行くぞ!!」
アクセルドライバーのアクセルを勢いよく引き、飛び上がるアクセル。
その体は宙に浮き、そしてタイミングを合わせたようにプラズマエネルギーと合体、
光り輝くバイクとなってトライアル・ドーパントに向かっていくのだった。
「うぉおおおおお!!」
高速移動で一直線に襲いかかるトライアル・ドーパント。
同じく、敵に向かって一直線に突撃していくアクセル。
磁石のように引きあうふたつはやがて激突する・・・かと思われた。
だが・・・。
「・・・残念ですが、ここは勝ちに行かせてもらいますよ!!」
そう言って、今まで進んできた直線コースから突如として横に逸れるトライアル・ドーパント。
一方のアクセルは敵の突然の行動に対応することが出来ず、そのままトライアル・ドーパントの横を通り過ぎてしまうのであった。
0057仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 00:07:05ID:xV9RbsDo
「私を『0点』呼ばわりしたワリには、こんな猪突猛進な攻撃とは・・・やはり君たちは・・・。」
「いや、あんたは0点だよ。この攻撃をただの体当たりとしか思っていない限りはな!」
叫ぶ上条。
すると、まるでサーフボードの上に立つかのようにバランスをとって立ち上がるのであった。
「・・・何のつもりです?」
「お前を倒すつもりだぁ!!」
右手の<幻想殺し>に力を込める上条。
そして極限まで力を溜めると、その手をまるでテニスのラケットのごとく勢いよく振るのであった。

右手から放たれる<幻想殺し>のエネルギー。
それは手の動きをなぞるかのようにカーブしたエネルギー体となってアクセルの前に現われ、
そしてアクセルの軌道を再度トライアル・ドーパントに向けるのであった。
「何っ?!ならば!!」
再び一直線に向かってくるアクセルに対し、高速移動で避けるトライアル・ドーパント。
だが、今度は<幻想殺し>の力を使うことなくアクセルはUターン、三度トライアル・ドーパントへの攻撃を仕掛けるのであった。
「これはいったい?!」
「<超電磁砲>・・・それはビリビリらしい『一直線にしか進まない』攻撃技だ。だから、あんたはこの攻撃も一直線にしか来ないと考えたんだろう?
 そこで、俺と照井さんはその考えを逆手に取った作戦を採ることにしたんだ。<幻想殺し>で<超電磁砲>の特性である『一直線にしか進まない』性質を消し、
 お前の高速移動に対抗した攻撃を・・・そして、固定概念に縛られたお前の動揺を誘うという作戦をな!」
上条の言うとおり動揺していたため、ついにアクセルの体当たりを受けるトライアル・ドーパント。
一方のアクセルは再度Uターンを行い、体当たりを行なう。

繰り返される、アクセルの攻撃。
その移動によって残された光の軌道は∞(無限)の文字を描き、トライアル・ドーパントにダメージを与えていく。
そして何度目かの攻撃の時、光の軌道を残したまま、アクセルがバイクフォームを解除して現われる。

ACCEL!MAXIMUM DRIVE!!

アクセルドライバーに刺さっていたエンジン・メモリを抜き、再度アクセル・メモリへと差し替えるアクセル。
そして、アクセル・メモリのマキシマムドライブを発動させると、エンジンブレードを構えてトライアル・ドーパントを睨むのであった。

アクセルの脳裏に浮かぶ光景。
それは『笑顔』であった。
父、母、妹、鳴海 亜希子、上条、御坂、白井、そして・・・禁書。
全ての笑顔を守るため・・・仮面ライダーとして戦い続けるため、アクセルは自らの闘志を燃やした!
0058仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/18(月) 00:17:08ID:xV9RbsDo
「・・・ぅおぉおおおおお!!」
闘志同様、アクセル・メモリの力によって燃え上がる体。
その炎はエンジンブレードへと集約され、エンジンブレードを炎の刀へと作り替えた。
「井坂!これで最後だ!!」
叫びとともに炎の刀を振り下ろすアクセル。
その一撃はトライアル・ドーパントを、そして相手の動きを拘束していた∞のプラズマエネルギーをも真っ二つにするのであった。

無限をも打ち砕く一閃・・・新技インフィニティスラッシャー完成の瞬間であった。

「そんな・・・馬鹿な・・・。」
「絶望が・・・お前のゴールだ。」
大爆発を起こすトライアル・ドーパント。
「やった!!」
「照井さん!ついに・・・倒したんですね!!」
アクセルのもとへ上条と御坂が駆けつける。
一方のアクセルもこの爆発を見て戦いが終わったのだと思い、変身を解除しようとベルトに手をかけようとしたその時だった。

突然、3人の体に走る電気のような恐怖の感情。
予測不能の事態にアクセルは再び構え、また上条たちも急いでアクセルのもとに現われる。
「これはいったい・・・?」
「・・・!」
「そんな!!」
爆発によって出来た火柱を見る3人。
その目線の先には、倒したはずの井坂の姿が、そして彼の手にはメモリブレイクしたはずのT2トライアル・メモリがあった。
「馬鹿な・・・メモリブレイクしたはずなのに・・・。」
「残念ですが・・・T2ガイアメモリは普通のとは・・・違いましてね・・・君たちのような虫けらには・・・
 ブレイク出来ない構造に・・・なっているのですよ・・・。」
息も絶え絶えになりながら語る井坂。
「メモリブレイク出来ない・・・だと?」
「そう・・・だから・・・。」

TRIAL!

残された力で再度耳にメモリを挿入する井坂。
その姿はトライアル・ドーパントに・・・しかも、先ほどのアクセルたちの攻撃など無かったかのような無傷の姿となっていた。
「私を倒すことは出来ないのです。ましてや、虫けらごときが神に等しき力を持った私を倒そうなど不可能にも程がある!」
井坂が言う。
その声も先ほどのような満身創痍の声ではなく、ハツラツとした声であった。
「さあ、どうしますか?このまま素直に私に倒されるか・・・それとも、無駄に抵抗して私に倒されるか?」
0059仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 00:27:13ID:xV9RbsDo
「答えはひとつ・・・お前をメモリブレイクするだけだ。」
突然割り込む声。
トライアル・ドーパントが声の方向を見ると、
そこにはハードタービュラーに乗った仮面ライダーW サイクロンジョーカーエクストリームと禁書の姿があった。
ハードタービュラーを操作し、アクセルのもとへ現われるWと禁書。
その姿を見て、アクセルが声をあげる。
「禁書!それにフィリップと左!!」
「待たせたね、照井 竜。だが、今はおしゃべりする暇など無いようだ。」
「・・・ああ。しかし、どうやってメモリブレイクするつもりなんだ?」
「へへぇ〜ん!それに関してはフィリップと禁書が対策済みさ!!」
翔太郎の意識がそう言うと、Wは右手を前に掲げた。
「「プリズムビッカー!!」」
胴体のクリスタルサーバーから現われるWの武器プリズムビッカー。
それを受け取ると、Wはアクセルに渡すのであった。
「これは・・・。」
「もうひとつ・・・禁書、君の番だ。」
「ハイハイなんだよ!」
そう言って、禁書がアクセルに何かを渡す。
「これは・・・ガイアメモリ?」
「そう・・・正確には『地球の記憶』と魔術や超能力といった『特殊能力』を組み合わせたハイブリットメモリといったとこかな?」
「てるい!これとてるいのメモリの力を合わせて、『青の通り魔』をボッコボコしてやるんだよ!!そうすればきっと勝てるんだよ!!!」
元気よく叫ぶ禁書。
「・・・。」
「てるい、どうしたの?」
黙るアクセルに対して問いかける禁書。
それに対し、アクセルが答える。
「禁書・・・今度こそ君との約束を果たす!」
「うん!ファイトなんだよ!!」
禁書の言葉を聞くと、アクセルは自身のドライバーからアクセル・メモリを抜き、
マキシマムカウンターを挿入した。

TRIAL!

響き渡るスターティングシグナルの音。
・・・と同時に黄色くなるアクセルの装甲。
そして、スターティングシグナルの音が最高潮に達した時、アクセルの装甲は砕け、
新たなる青い装甲が包み込むように装着された。
0060仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 00:37:09ID:xV9RbsDo
「頼んだよ、てるい・・・うぅん!仮面ライダーアクセル トライアル!!」

Wから受け取ったプリズムビッカーを掲げるアクセル。
そして、彼はプリズムビッカーのマキシマムスロットにガイアメモリを挿入していく。

ENGINE!MAXIMUM DRIVE!!
RAILGUN!MAXIMUM DRIVE!!
IMAGINE BREAK!MAXIMUM DRIVE!!
ACCEL!MAXIMUM DRIVE!!

マキシマムスロットから飛び出す4つの光。
それらはひとつの球体となってトライアル・ドーパントを包み込んだ。
「な・・・なんだこれは?!」
驚くトライアル・ドーパントを上空へと持ち上げる光。
対するアクセルはプリズムソードを右手に持つと、左手のプリズムビッカーを投げ、マキシマムカウンターに持ち替えた。
押されるマキシマムスイッチ、そして勢いよく回転しだすトライカウンター。
それを確認したアクセルはマキシマムカウンターを空高く放り投げると、プリズムソードを構え、
そして上空で拘束されたトライアル・ドーパントに対しプリズムトルネードの体勢に入った。
「全て・・・振り切るぜ!!」
勢いよく飛び上がり、トライアル・ドーパントを球体ごと斬ろうとするアクセル。

だが、その瞬間、トライアル・ドーパントは自身を捕えていたエネルギーを破壊、
さらにはアクセルの持つプリズムソードをも掴んでしまうのであった。
「何?!」
「言ったはずです!神に等しき力を持った私が負けるはずないと!!」

「そんな!あいつにはプリズムトルネードも効かないのか?!」
上空での光景に対し、叫ぶ翔太郎の意識。
「照井さん・・・。」
上条も落胆した声をあげる。
だが、そんな状況に禁書が叫んだ。
「とうま!そんな悲しい声をあげてる暇なんて無いんだよ!!今はてるいを応援するんだよ!!!」
「禁書・・・。」
「だから、ホラ!みさかも、フィリップも!!仮面ライダー!!!」
「・・・うん!もうひと踏ん張りよ、仮面ライダー!!」
「照井 竜・・・見せてくれ、君の仮面ライダーとしての力を!!」
「照井!!」
「照井さん!・・・いや、仮面ライダー!!」
「仮面ライダー!!!」
0061仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 00:47:07ID:xV9RbsDo
『仮面ライダー!!!』

アクセルの耳に届く仲間の声。
その声が、再びアクセルに力を与える。
「井坂・・・お前の力は『神に等しい』と言ったな?」
「ん?何を急に・・・。」
「ならば貴様の負けだ。何故なら俺は・・・罪を重ねた者への『死神』なんだからな!!」

その時、上空からひとつの光が現われ、プリズムソードのメモリスロットに挿入される。
アクセルの耳に飛び込む、ひとつのガイアウィスパー。
それはハッキリとこう言っていた。

SKULL!MAXIMUM DRIVE!!

「ぅおぉおおおおお!!」
両手でプリズムソードをしっかりと握り、力を込めるアクセル。
「こ・・・この力は・・・!!」
耐えるトライアル・ドーパントであったが、突如力を増したプリズムソードに耐えることが出来ず、手を離してしまう。

その瞬間、全ての人の思いが詰まった一撃がトライアル・ドーパントの体を貫いた。

プリズムソードを手に、地面へ着地するアクセル。
・・・と同時にマキシマムカウンターも彼の左手に収まる。

TRIAL!MAXIMUM DRIVE!!

「9.8秒・・・やはりこれが・・・井坂の絶望までのタイムだ。」
その言葉の直後、大爆発を起こすトライアル・ドーパント。
その直後、噴煙からはT2トライアル・メモリが飛び出すが、
『地球の記憶』と『特殊能力』のふたつの力を持ったメモリブレイクによって機能を停止、
さらには地面に激突し、そのショックで粉々に砕け散るのであった。

こうして、学園都市で起きた『青の通り魔』の事件は終焉を迎えた。
0062仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 00:57:06ID:xV9RbsDo
「てるい!」
アクセルのもとへ駆けつける禁書。
そして勢いよくジャンプし、そのままアクセルに抱っこされるのであった。
「禁書・・・やったぞ!!」
「うん!」
「照井さ〜ん!」
「仮面ライダー!!」
駆けつける上条と御坂。
アクセルは禁書を下し、変身解除する。
「これで・・・終わりよね?」
御坂が問いかける。
「ああ、これで・・・。」

「いや・・・終わりじゃないかもしれない。」
照井の言葉をさえぎる声。
その声の主は変身解除したフィリップであった。
「どういうことなんです?!」
上条が言う。
「確かに井坂のメモリブレイクは出来た。だが・・・井坂自体の姿が見えない。」
そう言って、破壊されたT2ガイアメモリの方向を見るフィリップ。

仮面ライダーたちが行うメモリブレイクはガイアメモリ自体を破壊することであり、
素体となった人間に対してはダメージを与えることはあっても破壊することは無い。
だが、この戦いの場に残されていたのはメモリの破片のみであった。

「それじゃあ・・・また、あのドーパントが出るかもしれないって言うの?!」
「いや、それはねぇ。だが、井坂が生きてる可能性がある・・・って話だ。」
翔太郎が言う。

では、井坂はどこへ消えたのか?

学園都市、戦いの場から少し離れたエリア。
そこに、ひとりの白い服装に包まれた男に肩を貸してもらいながら歩く井坂の姿があった。
「申し訳ありませんね・・・加頭くん・・・こんな醜態を・・・さらす羽目になるとは・・・。」
「いえ、私は上からの命令に従っているだけですから。」
「・・・と言うと・・・財団Xは・・・私を・・・助けると・・・。」
0063仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 01:07:06ID:xV9RbsDo
「いえ。」
「何・・・?」
「上からの命令はこうです。『井坂 深紅郎に財団Xからの言葉を伝えろ』と。」
そう言って、唐突に井坂を突き放す加頭 順。
「どういう・・・ことだ・・・。」
「あなたを助けたのは、あなたに上からの言葉を伝えるという命令が遂行できなくなる故の措置。
 あなたの命を助けるつもりなど財団Xも・・・そして私も毛頭ありません。」
「そんな・・・。」
「財団Xからの言葉をお伝えします。『試作型T2ガイアメモリに関するデータの収集は完了した。
 以後、今回のデータをもとにT2ガイアメモリを量産させる。
 しかし、T2ガイアメモリは財団Xの秘密事項であるにもかかわらず、仮面ライダー側に一部データを露呈させてしまった。
 そのため、少しでも機密漏えいを阻止するため、井坂 深紅郎の口を封じさせてもらう』・・・とのことです。」
「そんな・・・助けてくれ・・・助けてくれ!」
「残念ですが、私は上の命令に従うしかないサラリーマンですから・・・。」
そう言って、加頭はガイアメモリを取り出して構える。

UTOPIA!

変貌する加頭の体。
そして、現われた異形の存在は無抵抗な井坂へゆっくりと迫る。
「う・・・うわぁあああああ!!」
学園都市に木霊する井坂の断末魔。
だが、その声に気づく者は誰ひとりとしていなかった。
・・・いや、ひとりだけその声を聞いていたものがいた。
「随分と派手にやってるな、兄弟。」
加頭の背後に現われるひとりの男。
「おや、あなたは・・・確か、風都でのNEVER増員計画の指揮を執っていたはずでは?」
「ああ・・・だが、Xビッカー一基だけじゃ不安でな。そこで財団Xに何らかの援助を・・・と思って来てみたら・・・。」
「言っておきますが、T2ガイアメモリの譲渡は出来ませんよ?」
「ばれたか。しかしよう、兄弟!なんとかならないのかい?」
「さっきの会話を聞いていたなら分かるでしょう。私は上の命令に従うだけのサラリーマン。
 いくらあなたと同じNEVERと言えど、私の一存であなた方への援助は出来ないのです。」
「そうか・・・。」
「・・・しかし・・・これは私の独り言です。」
「・・・ん?」
「T2ガイアメモリは原本完成後、空路でディガルコーポレーション地下の工場で量産化する予定です。輸送日はまだ未定ですがね・・・。」
「ほほう・・・こりゃ、たいそうな独り言だな。」
「この言葉をどう捉えるかはあなたにお任せします。では、私は次の仕事があるので・・・。」
そう言って、男の前から立ち去る加頭。
「・・・兄弟、ありがたく使わせていただくよ。その言葉も・・・そしてT2ガイアメモリもな!」
叫ぶ男。
その男の手には、ガイアコネクタを模した<E>のガイアメモリがあった。
0064仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 01:17:15ID:xV9RbsDo
『青の通り魔事件』から2週間後。
風都にある風都警察署、その中の会議室に大勢の人が集まっていた。
上条、御坂、禁書、白井、初春、翔太郎、フィリップ、そして亜希子。
何も知らされずに来た8人はどうしたら良いか分からず、なんとなく椅子の上でソワソワとしていた。
「それにしても・・・突然呼び出すなんて、竜くんどうしたんだろうね?」
「さあな・・・照井なりのサプライズでもあるんじゃねぇの?」
「・・・ん?」
突然、禁書が小さな鼻をヒクヒクさせる。
「どうしたんだい、禁書?」
「ねぇ・・・良い匂いがしない?」
「ん?・・・む、これは・・・。」
「・・・間違いなく、『アレ』ですわ。」
「確かに・・・『アレ』の匂いですね。」
「・・・いや、ただの『アレ』じゃねぇ・・・まさか!!」
上条が叫んだ瞬間、会議室の扉が開き、エプロン姿の刃野とその部下で同じくエプロン姿の真倉 俊、
そして割烹料理人のような姿をした照井が現われた。
「待たせたな。刃野、真倉!」
照井の声を受けて、ドアの外から何かを持ってくるふたりの刑事。
真倉は小山のように盛られたご飯が入った平皿が何枚も乗ったカートを、
刃野は先ほどの匂いを発する大きなズンドウ鍋が乗ったカートをそれぞれ会議室に入れるのだった。
刃野からカートを受け取り、ズンドウ鍋の蓋を開ける照井。
そこに入っていたのは・・・。
「照井さん・・・これって・・・。」
「ああ、『恐竜や』バイト中に教わった<フルーツスパイシーカレー>だ。」
「やったぁ!カレーだぁ!!・・・でも、なんで?」
禁書が照井に聞く。
それに対し、照井はさらにカレーを盛り、禁書の前に置いてこう言った。
「約束したろう?トライアル・ドーパントを倒せなかったら、禁書に腹いっぱいご飯を御馳走してやる・・・と。」
「え・・・でも、倒したんじゃ・・・。」
「結果的にはな。だが、一度は敗れ、禁書や御坂を悲しませることになってしまった。
 その罪滅ぼしになるかは分からんが・・・まあ・・・とにかく、俺に質問しないでさっさと食え!」
照井が笑顔で答える。
「えぇっと・・・うんっ!!」
その笑顔に答えるかのように、禁書もいっぱいの笑顔で返事する。

全ての行き渡るカレー。
そして、禁書の「いただきます!」という言葉を合図に勝利の宴が始まった。
「辛っ!でも旨っ!!」
「この味・・・このスパイシーさ・・・ゾクゾクするねぇ!」
「おかわりなんだよ!」
「私も!」
「早っ!ビリビリも早っ!!」
「満腹が・・・お前たちのゴールだ。」
0065仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録 ◆jPpg5.obl6
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2010/10/18(月) 01:27:09ID:xV9RbsDo
会議室に響き渡る嬉しそうな声。
その声は外にも伝わっていた。
そして、その光景をひとりの男が見ていた。
「さすがだ、仮面ライダーアクセル!そして、上条 当麻!!あの時は70点なんて言っちまったが・・・これで100点だ。」
そう言って、頭の帽子を被り直す男。
それは鳴海 壮吉であった。
「もう、心配はいらないようだな。風都には翔太郎、フィリップ、そして照井 竜。学園都市には上条 当麻と御坂 美琴。俺の出る幕じゃねぇ・・・。」
そう言って、鳴海がその場を去ろうとしたその時だった。

彼の頭上を通り抜ける一台のヘリコプター。
そして、それを追いかけるかのように飛ぶ一機の飛行機。
そのふたつが通り抜けた瞬間、風都に何とも言えない不気味な風が流れた。
「これは・・・。」
飛行機の飛んで行った方向を見る鳴海。
「・・・もう一仕事必要かもしれないな。」

その数十分後、風都上空にてヘリコプターが謎の大爆発を遂げるという事故が発生。
さらに、ヘリコプターに積まれていた26本のガイアメモリが爆発の衝撃で飛散、風都中に巻かれるのであった。

今まさに、新たなる『死神』によるパーティタイムが始まろうとしていた・・・。

おわり
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以上で◆jPpg5.obl6版の<仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録>は終わりです。
お目汚し、失礼しました。
0066創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/20(水) 19:02:09ID:eaUjaUrD
乙でした
0067創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/10/25(月) 20:43:01ID:aoWdNaGO
遅ればせながらGJ!
しばらく見ないうちにこんな名作が投下されていたとは嬉しい驚き。
偏ってるわけでなく両方の作品にちゃんと見せ場があるし、やはりクロスSSはこうでなくちゃ!
そして井坂ざまあwwww
0068 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/26(火) 07:59:33ID:zZ0kpbwQ
>>66
返事が遅くなりましたが、ありがとうございます。

>>67
お誉めの言葉をいただき、ありがとうございます。
「『仮面ライダーW』と『とある魔術の禁書目録』のクロスを自分なりに完結させたかった」という気持ちと
「T2ガイアメモリ誕生までの過程ってTVや映画じゃ触れられてなかったよな・・・」という考えから書き始めた今作。
当初は「『W』と『とある・・・』は結構似た点(能力者、独立した都市の中でのストーリーなど)が多いので書きやすいだろう」と思っていたのですが、
主要キャラのほとんどが仮面ライダー並みのパワーを持っているために井坂先生が早めに退場しそうになったり、
逆に井坂先生を強くしすぎたら「あれ・・・とどめはどうしよう?!」と困ってしまったりと、
パワーバランスを保つために(駄文にもかかわらず)何度も書き直したりしました。
そのおかげで最終回前の完成が出来なくなってしまいましたが、結果的に>>67さんやwikiの方などから誉めていただけたのでホッとしている次第です。
0069 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/27(水) 22:42:17ID:YPOv+7vl
先ほど、wikiのほうへの<W×禁書>の掲載を確認しました。
掲載してくださった方、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

ありがとうございます。
0071 ◆jPpg5.obl6
垢版 |
2010/10/29(金) 21:52:24ID:1TZ5blsA
0072 ◆KTa9fD45mg
垢版 |
2010/10/30(土) 12:15:06ID:x7NLZasG
◆jPpg5.obl6です。
どうやら今まで使っていたトリップが>>70に盗まれたみたいなので、トリップを変更させていただきます。

wikiのほうもこれに変更しますので、よろしくお願いします。
0073 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2010/10/30(土) 22:42:14ID:x7NLZasG
トリを◆jPpg5.obl6から上のに変えました(wikiのほうへの申請も完了しました)。
今後、書く機会がありましたら◆n2NZhSPBXUのほうを使いますのでよろしくお願いします。
0074 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2010/10/30(土) 22:51:11ID:x7NLZasG
・・・どうしよう、トリ作成ソフトと別のトリが出てきてしまった。
原因が分からないので、このトリを使っていきます。
あと、もう一回wikiの管理人に申請をしなくては・・・。
0075そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/12(金) 23:42:25ID:h+rWJC4d
あの〜かいてもよろしいですか?
0076そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/12(金) 23:43:10ID:h+rWJC4d
よさそうだな・・・
0077そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/12(金) 23:51:23ID:h+rWJC4d
朝、私は目が覚めた、時刻はAM9;14
「まだ・・・朝か・・・」
私は久しぶりに取れたこの休暇を
存分に楽しむつもりだ、あのウイルスのおかげで疲れている体を休めたい。
と思っていた
すると下の階から声が聞こえた
「ねぇ、アル朝ご飯はいらないのかしら?」
などといつものように嫌みったらしい声を聞き私は身なりを整えた
0078そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/12(金) 23:55:57ID:h+rWJC4d
出だしミス
0081そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:13:31ID:tyRksYwj
では書きますもう一度
0082そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:17:35ID:tyRksYwj
はっきり言えば世界は終わりを迎えようとしていた
空気中に広がったGウイルスは世界中の人に感染した
それにより世界は荒廃し、世界は終わりを迎える・・・と
大半の人間は考えていた
0083そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:20:44ID:tyRksYwj
しかしそんな人の中にもイレギュラーは存在する
その一人が「アルバート ウェスカー」
彼は新しい世界を作るために
エクセラ・ギオネ、リカルド・アーウィングらと共に
「ウロボロス計画」を企んでいた
0085そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:29:15ID:tyRksYwj
また明日書きますね
0086そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:30:45ID:tyRksYwj
必要です・・・・文章苦手です
0087創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/11/13(土) 00:31:18ID:daTiPkNQ
そうですか、残念。
あと気になったんだけど
投下する時60行もあるんだし、一つのレスにまとめてもらえるとありがたいな。
0088そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 00:32:39ID:tyRksYwj
あ、了解です
今後まとめさせていただきます
明日の朝ごろに更新しますね
0089そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/13(土) 10:25:48ID:tyRksYwj
そしてウェスカー達とは裏腹に世界中に拡散したGを
減らしていこうとする物その名は
ルーク・フォン・ファブレら率いる
軍勢が存在していた、その2つの軍勢は言うまでもなく
敵対していたなぜなら
その2つの軍勢のリーダーの考えている事は
「新たな世界の創造」   「世界を救う」
これほどに差が存在していた・・・
ーーーーラクーンシティ周辺ーーーーーー
「・・・たくなんなんだ!?あの化け物は!?」
そんなルークの言葉にジェイドが返事をした
「仕方無いでしょう?ルーク・・・これはマルクトやあなたのお父さんの意志でもあるのですから・・・」
そんなジェイドの諭すような言い方にルークが返す
「わかってるよ・・・目的は敵組織「アンブレラ」の位置特定、及び研究所の破壊だろ?」
そんなのんびり会話している二人にティアが話す
「そろそろ休憩はやめて先に進まない?」
そのティアの言葉に二人は同意した
そのルーク達の前にある死体はG-ウイルスに適応していなかったため
まるで怪物の様な姿をしていたルークはその死体を見てジェイドに質問する
「なぁ・・・ジェイドこいつらってさ不適合者なんだろ?」
そんなルークの質問にジェイドが答える
「えぇ・・・この怪物はおそらくGウイルスに適応しなかったのでしょうね」
そしてルークがさらに質問をする
「ならさ・・・・もし適応したらどうなるんだ?」
そしてルークの質問にジェイドが答える
「それはわかりませんね・・・」
その言葉が終わる前にまるで銃声の様な音が辺りに響き渡った
「なっなんだ!?」
「わかりませんが、とりあえず向かいますよ!!」
そしてその場所を目指して三人は走り出した
0090そして誰もいなくなるか?
垢版 |
2010/11/16(火) 18:01:04ID:bsYjApHs
とりあえずこんなもんです・・・(泣)
文才0なのであまりいい話にはならないと思います
とりあえずここまでで一話の前置き終わりです
しばらく投下できないかもしれませんのでそこらへんよろしくお願いします
今日はちょくちょく確認しますのでもしも
アドバイスをいただけるのならお願いします
0091創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/11/23(火) 19:26:56ID:aJoGyeuY
バイオは分かったけどもう片方の元ネタが分からん
0093 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/11(土) 12:16:14ID:a+ENf8az
2作品以上のクロスってきついですかね?
0095 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/11(土) 15:19:12ID:a+ENf8az
とりあえず触れ込みだけ。
続くかどうかはわからんです



―――『テメェ』がどこの誰かなんて知らねぇ
少年は言った。
相手にではなく自分自身の中にある、何かに。
―――とうの昔に言ったはずだ
『テメェ』と呼ばれた者は答えた。
―――『テメェ』が何をしようとしていたかも知ったことじゃねぇ
少年はさらに言った。
『テメェ』は再び答える。










―――魔術師。
―――荒耶宋蓮。
0096 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/11(土) 15:19:59ID:a+ENf8az

目を覚ますとそこは、どうも学園都市の外部らしかった。
というか、日本の中なのか或いは……
「あら、目が覚めたみたいね」
巫女装束だ……とはかろうじてわかるが、なんか違う。
巫女さんは、あからさまに腋を主張しないと思う。
「……ッ、痛ってぇ……」
「下手に動かない方がいいわよ。布キレみたいになってたからね、さっきまで」
見ると、体中にアザや擦り傷ができていた。
それもそのはず、大天使を相手にして傷一つない方がおかしいのだ。


―――大天使?


自分は、『右方のフィアンマ』という男と戦っていたのではなかったか?
自分は、かろうじて勝利を得、『ベツレヘムの星』を害なく着水させようとしたのではなかったか?
自分は、その寸前に現れた大天使、『ミーシャ・クロイツェフ【ガブリエル】』と対峙したのではなかったか?

自分は、

―――

そこまで思い出して、意識は戻った。
眼前には、心配そうな目つきでこちらを覗きこんでくる巫女の顔がある。
「だいじょうぶ?茫然自失としてるようだけど」
「うわぁ!」
驚いて、飛び退く。
体の傷が疼くが気にしてはいられなかった。
鏡を見れば、耳まで赤に染まってるに違いない。
「……人が心配してるのに。欲情でもしたわけ?思った以上にはしたないわね、男って」
巫女は裸だった。
それも、着替え中のような、半端な裸【脱ぎかけの巫女装束】で。
「いやっ、決してそんなことはないでございますのよ、姫?」
姫と褒めたところ(並み以上に可愛い相手ではあるが)で機嫌は直らんだろうと思いつつも、ひとまずこのピンチ【フラグ建設現場】を回避しようとする。
「……まぁ、いいわ。あなたが男性だということ、しかもこんなにも性欲旺盛だということを忘れていた私の方にも非があるし」
確かに俺は男性だが……、と発言を思い返すが、
―――へ?性欲?
「あの……私めは姫様に何かよからぬことを……」
「あら、見えないの?あのグチョグチョの服」
―――なんだかすごく嫌な予感がする。
ザァー
と、大振りの雨が地面を打つ音も聞こえないくらい、俺の心臓は鼓動を速めている。
しばしの沈黙の後、
「申し訳ございません!」
高速で土下座の態勢に入る。
巫女さんは新しい服に着替えつつ、答えた。
「あら、そんなに悪いと思ってるなら」
言いながら、多分台所だと思われる場所を指した。
「お茶汲んで。濡れたから寒くて寒くて。まったく、雨が降ってる中で女性を労働させないでよね」
新しい服に袖を通し終えると、
「ふぅ。だいたい、なんで大の男があんなところで寝っ転がってんの?あ、気にしてるなら『性欲』以下の言葉は冗談だったんだけど」
このとき。
俺は半分以上本気で巫女を殴ろうと思ったが、止めた。
0097 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/11(土) 15:23:50ID:a+ENf8az

俺の名前は上条当麻。
科学によって超能力が開発され、脳の開発さえすれば誰でもスプーンぐらい曲げられる時代。
そんな時代に逆行するがごとく、この家(?)は古臭かった。
自分の担任である月読小萌の家よりワンランク以上古臭く、どうも科学が異常に発展した超能力開発機関、『学園都市』の中には思えなかったのである。
巫女にも聞いたぜ、こっちの世界のこと。ついでに名前も教えてもらった。
ところで、俺の右手に何があるか知ってるか?
『幻想殺し【イマジンブレイカー】』。”異能の力ならどんなものでも打ち消せる”。
原爆級の火炎だろうが、戦略級の超電磁砲だろうが―――
なんて触れ込みなんだけど、実際そうでもない。あまりに強すぎると、消しきれないこともある。
誰かさんの黒翼然り、聖ジョージの聖域然りな。
でもまあ、さして問題でもない。
そんなことより、重要なのは俺が今立ってる場所だ。
巫女―――名前は博麗霊夢。
話によると、”ここは幻想郷。忘れられたものが来る、素敵な楽園”
俺の能力をもう一度説明する。

”幻想殺し、異能の力なら―――”

そう。
こんなファンタジックな土地が、一体どうして異能の力によるものではないというのだ。
0098 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/11(土) 15:29:44ID:a+ENf8az

「安心なさい、この土地を消し飛ばすほどの力を、”あなたはまだ取り戻していない”」
突然、最初からいたかのように、後ろから声がした。
「―――ッ」
驚き、振り向くが誰もいない。
今度は前から、
「今のあなた程度の『幻想殺し【イマジンブレイカー】』にはこの土地を消すほどの処理能力はないわ」
思考を読んだが如く、上条の疑問を一撃で粉砕した。
「思考と現実の境界を無くす。それだけであなたの思考はダダ漏れよ、上条当麻」
見えた。
女。
―――頭から足先まで見渡す。
気色の悪い目玉がのぞく『空間』に座り込む、女。
「こちらが名乗ってなかったわね。八雲紫よ」
わざとにしか聞こえない、挑発するような声色だ。
上条は答える。
「……つまり、別に”今の俺”程度じゃこの幻想【セカイ】は壊れねぇってことか」
「正確には”今の右手では”ね。まあ、あなた自身と関係がないと言えば嘘になるけど」
上条はほっとする。
彼女―――紫は、聞きたくもないことをだらだらと言っているようだが聞こえないふりを―――
「誰がだらだら話してるって?」
ドガッ
「うぺぇ!?……ケガ人なんですけどぉー!?」
脇腹を蹴られた。普段なら何ともないだろうが、やはりケガのせいか体中が軋む。
「続けるわ。あなたの右手に関してこれ以上言うと約束に反するので言えない。後言うことはないわ。あ、一応、”これから生活する上で質問は?”」
「―――はい!?私めは元の世界へ帰ることを所望しているのでございますが……」
「無理ね。というかさせない。あなたには試練が待っているから、くれぐれも死なないように」
暴言臭いセリフを上条に放ち、彼女は『境界』に足を入れて―――
「待てやごるァ!!」
唐突に、上条の右手が境界に触れた。
「さすがに、『スキマ』程度じゃ右手には敵わないか」
「……外はどうなった。インデックスは?世界は無事なのか?」
上条の視線は、今まで実際に見た物の中でもとくに『真面目』だ。
それは、ひとえに大切なものを気にかけているからである。
「心配はいらないわ。こちらで過ごした日々は向こうではほんの一瞬だと思うから」
そうか、とだけ短く言って、上条はうつむきそれ以上何もいわない。
―――会えないつらさ。
―――独りににさせてしまうこと。
それらをかみしめて、こらえて、うつむいている。
去り際に、紫はこんな事を言う。
「あなたに次会うときには、取り戻しておいてよ、その力。
用意した試練は三つ」


―――『互いに絡み合いながら』

―――『相克する螺旋で待つ』






以上です。
意見お願いします
0099 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 00:05:03ID:1d1Zy2Ns
続きです。
ここから先は自己見解多めになると思います。
度が過ぎるほどではないかと思いますが、苦手な方はご留意ください。


「……」
赤い液体に満たされた容器の中に、人間といえるかどうかすらわからぬ、ヒトガタが浮かんでいる。
―――生命維持は機械に頼り。
―――知能さえも機械に預け。
世界最高峰の魔術師と言われたものは、今や科学技術の塊と化している。
そんな、男にも女にも、老人にも成人にも囚人にも聖人にも見えるものは、一言、

「この野郎…………………………………!!!!」

怒りを込めて呟く。
目の前に、一つの天使【エイワス】が現出する。
「おや、ここしばらくで見ない感情の現れだね」
器の小ささが知れるぞ、と呟く。
「別に望んで感情を排しているわけではないのでね。必要とあらば、排出する他ない」
と、アレイスター。続けざまに、
「……見逃せない誤差だ。一方通行【アクセラレータ】は魔術を会得。浜面仕上は『素養格付【パラメータリスト】』を手に入れる。何より『幻想殺し【イマジンブレイカー】』が―――」
普段にはない饒舌ぶりが、彼の怒りを露わにしている。
0100 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 00:05:53ID:1d1Zy2Ns
―――。
かっ、かっ、かっ。
足音。
窓もドアもないビルの、中。
空間移動能力者【テレポーター】でもなければ入れないビルの、中。
......
ただの魔術師は、アレイスターの前へと歩む。
「……、ッ!」
驚いたのは、エイワス。
青ざめたプラチナのような翼をはためかせ、散る。
「残念だが失礼する。その男は何かと”苦手”でね」
ゴガァア!!と、炸裂音が響く。
「不倶、」
エイワスの去り際に放った一撃も、一言の結界に静止(とど)められる。
「君の作品は不出来だな」
「『相克スル螺旋』程ではないがな」
見えない緊張の糸。
互いが互いを、”敵”としている。
「……何の用事だ」
「言うまでもあるまい」
「上条当麻の失踪は君の仕業か」
                          ............
「わかってると思うが、個人としてやったことではない。興味ある対象が望んだから、そうしたまでだ」
0101 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 00:07:30ID:1d1Zy2Ns
―――トン

魔術師【侵入者】の肩に、手が置かれる。
ビーカーに浮かぶ者の、ではない。

―――歴代最高峰の魔術師、アレイスター=クロウリ―の手だ。
「次元をすでに凌駕するか」
思わずつぶやく侵入者―――荒耶。
二人いるとか、そういう次元ではないのだ。
そこにも、居る。
容器の中にも、目の前にも。
どこにもかしこにも見渡しても――――ッ!





「―――邪魔をするな」
男にも女にも、囚人にも、聖人にも子供にも大人にも聞こえる声で―――!!


「金剛、」


バキィン!
金属がぶつかり合う音とともに、戦闘が開始される。
「準備運動は必要ないのか?」
「君程度の相手なら必要ないさ」
衝撃の杖は、動きを止められていた。
「蛇蝎、」
上方から覆い被さるように、杖を突きだして襲いかかったアレイスターだったが、魔術師は動きもせず、言葉を紡ぐだけでそれを受け止める。
魔術師の右手が、アレイスターの眼前へと迫る。
しかし、当たらない。
『静止』していたアレイスターは、もう居ない。 
次に魔術師を襲うのは、後方、死角からの一撃―――ッ!
「戴天、」
左手で杖は握りとられる。
アレイスターは焦りもせず、呟く。
「消飛べ」
ドン!
短い炸裂音とともに、杖を握られていた位置が爆散する。
しかし、爆風や、熱、音までもが大気の流動と同じく『静止』していた。
この程度の攻撃では、魔術師に届きすらしない。
判断したのか、アレイスターは
「―――神よ、なぜ私を見捨てたのですか」
紅い光線が迸り、魔術師の背後を狙う。
やはり、アレイスターは『空間』や『存在』という次元、概念を凌駕しているようだ。
「ぐっ……」
左手を突き出して、魔術師は応戦し、
「、頂経」
死なない左手は、かつて炎の魔術師を苦しめた一撃をものともしない。
しかし、魔術師は攻撃に転じることができない。
そもそも、視認しているアレイスターに攻撃を当てたところでダメージが入るかどうかもわからない。
「……なぜ魔術を使う」
魔術師は、素直に疑問に思ったことを口にする。
アレイスターは、魔術を捨てた者。そして世界の敵となったもの。
その男がいまだ魔術に頼るというのは、いささか疑問である。
 ........
「私の作品の術式だ。お披露目しておこうと思ってね」
0102 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 00:11:19ID:1d1Zy2Ns
「―――ッ!」
第一の結界が破られる。
「(竜王の殺息【ドラゴンブレス】…!?)」
あらゆるものを『静止』させる結界だが、質・破壊力がケタ違いの竜王の殺息の前ではどんどんジリ貧になる。
「私こそ疑問だ。『抑止力』を相手取る君が、なぜ私に立ち向かう?それでは君が『集合的無意識』に従っているようなものだ」
               ...............   
「逆だ。今後の展開次第では、お前こそが私の抑止力になりうる。アレイスター」
「―――『ペクスヂャルヴァの深紅石』」
会話こそ交わしているものの、戦闘中である。
なにかが来るとすぐに察知した魔術師は、後方へ飛び退こうと足を前に突き出して地面を蹴り―――。
「ぐっ……ぐがぁッ!」
直後、魔術師の足先から足首、脛、膝、へと、強烈な痛みが這い上がる。
まるで関節を強引にずらすような痛み。
思わず膝をつく。
「―――終わりだ」
アレイスターの一言。
そして、魔術師の全身の骨は砕け散―――
 .....
るはずだった。
「……右手……だと……!」
魔術師は右手で足を叩きつけていた。
這い上がる痛みが全身へ渡る前に―――ッ!
 ....
「あの妖怪とは事前に密約を交わしている」
例えばこの右手のように―――と、魔術師。
次の瞬間、爆発的な脚力でアレイスターの眼前へと迫るッ!
「フィアンマと同じ手か。右手を取り込んだ程度でいい気になるな」
迎え撃つアレイスターはねじれた杖を魔術師へ向け、
「      」
聞こえぬ声でなにかを言う。
そして、
―――トン
あまりにも軽い音。
「取り込んだだけでは、大した力にはならぬか。やはり、あの少年が身に付けてこその右手【イマジンブレイカー】」
魔術師の右腕は、肩口から綺麗さっぱり切断されていた。
流血はなく、切断面は空洞であるかのように真黒だ。
「……やはり、お前の領域内【テリトリー】では分が悪いか」
ここは素直にひかせてもらう、と魔術師。
アレイスターは止めない。まるで、いつでも相手にできるとでも言うかのように。
「君よりも優先して相手取るべきなのは――――――」



―――あの妖怪だからな―――。
0103 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 00:12:14ID:1d1Zy2Ns
今の所ここまでです。
では、問題点などをばしばし指摘お願いします。
0104『とある東方と空の境界』 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:00:43ID:psyJ2aiY

かちかちかちかち―――
体中が震えている。
寒さからくるものなのか、恐れからくるものなのか。
答えを探すように、指先をうごめかすが効果はない。
―――そんな曖昧な感覚、エピソード記憶など、もう、ない
どうやら寝かせられているようだと、知識は語る。
「何処だ……」
知識は言っている。

―――この部屋は、『和式』だ。
―――『和式』は、日本特有の形式だ。
―――『日本』は極東にある島国だ。
―――島国とは―――

キリがない。
考えれば考えるほど、知識が鎌首を持たれかけてくる。

「脳に直接電気でも流したのかしら?」
がらっ、と襖が開けられる。
「貴様は誰だ……」
「介抱してくれた相手に向かって、貴様とはね?……八意永琳よ?」
「偶然、医者に拾われたという訳か」
よくわかったわね?と八意。
実際、知識がこの雰囲気は医者だ、と語ったまでである。
「当然、私も名乗るべきだろうが、生憎―――」
「そうね、思い出せないでしょう?」
全く、と溜息を吐くように言い放ってから、
「そこまでひどい傷は久しぶりかな?でも、治せないほどじゃないから安心なさい?」
「―――治るのか」
「私を誰だと思っているの?」
「必然、知る由もない」
「そうね」
笑っているのか、この女は。
笑顔は、こういうものか。

―――もう失ってしまった感覚だ。
「楽しい」とか「面白い」とか。
当たり前のように生きて、当たり前のように感じられたら、

―――それは、何て素晴らしいことなんだろう。
0105『とある東方と空の境界』 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:01:45ID:psyJ2aiY
当然あげてすいません、投下再開したいと思います。



「―――ッ!」
突如として、頭の中に知識が奔流する。
絶対に思い出すことのない、『感覚』。
しかし、頭の中で暴れるように記憶を隠しているそいつは、
  ...
『手加減だ』

とでも言うかのように、たった一つの感覚を思い起こさせる―――ッ!
「―――ひィッ!」
恐ろしい―――透明な、竜王の顎【ドラゴンストライク】。
. . . . . . . . . . . . .
自分が思い描いていた以上の、『恐怖』を具現化させたモノ―――!

体中から嫌な汗があふれ出る。

かちかちかちかちかちかちかちかち―――――――ッ!

「安心しなさい」
女が、私を抱く。
赤子を抱くかのように、そっと。
それだけで、竜は消え去る。

私は、そのまま静かに眠りにつく。
0106『とある東方と空の境界』 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:03:32ID:psyJ2aiY
×当然、
○突然
です。
何度も申し訳ないです。
では、本編です↓



ゾッ――――――!
違和感を覚えた。
―――俺は、何を消しきれないと自ら語った?
「聖ジョージの……聖域……?」
そう。
「インデックスの……魔術……?」
無い筈の、

―――記憶。

上条当麻は、一度死んでいる。
それが何の弾みかまでは、もはや思い出すことは叶わぬだろう。
しかし。

今、彼は死の直前の記憶の一片を思い出している―――ッ!

「待てよ……どういうことだよ……?」
―――『警告』
「誰だよ……インデックスじゃないだろッ―――!」
―――『第六章第十三節』
「この記憶は―――何なんだ……ッ!」
―――『現状、最も難易度の高い敵兵、』



――――――『《上条当麻》の破壊を最優先します』





太陽が顔を出す時刻。
ガバッ
「悪夢だ……」
うなされていたらしい。
夢の中身は思い出せないが、全身から溢れる嫌な汗が苦しめられていたことを物語っている。
―――眠ってしまったのか。
残念ながら一人である。布団もない。
ちょっとでも霊夢の介抱を期待した自分がアホらしくなる。
――八雲紫という女性は試練を用意していると言っていた。
「簡単には……返してくれ無ぇーってことか」
一晩明けたのか、大振りだった雨は止んでいて、輝く朝露は『きれい』なもの、だと知識は言う。
「さぁて……」
結局、簡単に帰れないならすることはない。
―――なんか、手伝えることはないか。
そんなことを考えながら部屋を後に廊下に出る。

0107『とある東方と空の境界』 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:42:35ID:psyJ2aiY
ガタッ

「おおっと。すいません」
誰かにぶつかってしまったらしい。
「おーう、次は気をつけろよぉ」
―――酔ってんのか?
見た目は子供そのもの。
見下げるくらいの背丈で、特徴といえば頭に角が―――
「ちょッ、つの!?」
普通の人ならまず子供が酒に酔ってる所に目が行くはず(角も十分異形)だが、幸いにも彼の周りにはやれ完全幼女な教師だのニコチンとタールのな

い世界は地獄だと言い切る14歳の不良神父だの、とにかく年齢≠外見が多いせいか、その点は自然と受け入れることができた。
「あのー、失礼ですがそちらはどなたさまですか」
「私は伊吹萃香だ!おぼえておけ」
「は、はいっ……」
用がないならさっさと行け、と言わんばかりに怪訝な表情で上条を見る萃香。
(怖いな……)
突然噛み付いてこないだろうか、などと思う。

「お前は霊夢が言ってた『客』か。なら大事にしなくちゃなっ」

すいっ、と。
ごく自然に酒を差し出してくる。
「ほら、やるよ」
「―――え?」
やばいやばいやばいやばい
と、心理状態が大変なことになる。
(ダメだこの子……見境がない……)
死ぬ前は不良な上条だったが、酒たばこの類には手を出していない。
知識は、『上条当麻は未成年』と真摯に語りかける。
「なんだ、私の酒が飲めないのか?」
(うわぁ……典型的だな……)
仕方がないので、
「すいません、では一口」
後で吐き出せるよう少しだけ口に含もうとして猪子に手を伸ばし―――
キィィン
聞きなれたような音とともに、酒は跡形もなく消える。
(やばッ!これも異能なのかよ!)
変なところで反応してしまうのが右手のサガである。
ぷるぷるわなわなと、何かをこらえるようにうつむく萃香。
(絶対切れてるわコレ……やべぇよ……っ!?)
―――なにか来る―――ッ!



0108『とある東方と空の境界』 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:44:03ID:psyJ2aiY
「……見ない力ね」

―――確かに、珍しい力ではある。
異能がなければなにかあるようには見えない。
学園都市の身体検査【システムスキャン】では反応すらしてくれず無能力者【レベル0】判定。
不良の一人も倒せなければ、テストの点も上がらないし、女の子にモテたりもしない。
しかし、今となっては幾多の修羅場をくぐりぬけた、相棒でもある、右手。
確かに、珍しい力だ。

―――気に障ったのか?

どう見ても不機嫌だ。
一体、何が起こるか想像がつかないし、何が起きてもおかしくはない。
一応機嫌でも取ろうと上条は試みる。
「えっと、萃香の力はどんなのなんだ?」
学園都市では、スプーンぐらい曲げられて当たり前。
萃香は、自分の能力【チカラ】が通じなかったからこそ、憤っているのだと上条は確信していた。

一人に一つの能力、という認識は正解だ。
幻想郷でも、特別な力を持っていること自体は珍しいことではない。
ただ、上条の能力は異質【イレギュラー】。

そこに『何か【異能の力】』がなければ発揮されない能力など、まさに『無能の境地【レベル0】』―――!!

萃香は疑問に思う。
上条は、外来者。
なのになぜか能力を持っている。
何かがなければ反応しないような、半端な能力。

その、無能に、自分の能力が、通じない―――ッ!






結果訪れるのは、一つの挑戦。







「私は密と疎を操る能力を持っている」







「おい、上条。勝負しろ」
0109 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 15:46:55ID:psyJ2aiY
ひと段落。
次の投下は夜になると思います。
0111 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/13(月) 16:08:38ID:psyJ2aiY
>>110
あー、確かに不自然ですね。
勢いで流させていただきたい
チャンスがあれば、修正版を投げたいと思います
0112 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/14(火) 15:06:51ID:ithcXARW
ご指摘に従い、微修正したものを投下します。



「……見ない力ね」

―――確かに、珍しい力ではある。
異能がなければなにかあるようには見えない。
学園都市の身体検査【システムスキャン】では反応すらしてくれず無能力者【レベル0】判定。
不良の一人も倒せなければ、テストの点も上がらないし、女の子にモテたりもしない。
しかし、今となっては幾多の修羅場をくぐりぬけた、相棒でもある、右手。
確かに、珍しい力だ。

―――気に障ったのか?

どう見ても不機嫌だ。
一体、何が起こるか想像がつかないし、何が起きてもおかしくはない。
一応機嫌でも取ろうと上条は試みる。
「えっと、萃香の力はどんなのなんだ?」
学園都市では、スプーンぐらい曲げられて当たり前。
萃香は、自分の能力【チカラ】が通じなかったからこそ、憤っているのだと上条は確信していた。

一人に一つの能力、という認識は正解だ。
幻想郷でも、特別な力を持っていること自体は珍しいことではない。
ただ、上条の能力は異質【イレギュラー】。

そこに『何か【異能の力】』がなければ発揮されない能力など、まさに『無能の境地【レベル0】』―――!!

―――萃香は疑問に思う。
上条は、外来者。
なのになぜか能力を持っている。
それも何かがなければ反応しないような、半端な能力。
なまじ周りには強力な能力を持つ者が多いだけに、『持っているくせに大したことのない力』というのはどうも腑に落ちない。

―――知る由もないが、それは学園都市でも無能力者【レベル0】の落第生【おちこぼれ】扱いである。








結果訪れるのは、一つの挑戦。







「私は密と疎を操る能力を持っている」







「おい、上条。勝負しろ」
0113 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/14(火) 15:08:12ID:ithcXARW
wikiに載せていただけるのであれば、
>>112←こちらをお願いします。
お手数をかけて申し訳ございません。
0114 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/14(火) 15:11:18ID:ithcXARW
それでは、続きです。


こつ、こつ、こつ。
余裕を持って歩む。
その男は、荒耶宗蓮。
人間の性に絶望した男。『静止』を操る起源覚醒者である。
「こちらの世界に来るも来ないも、全ては気分次第か」
相手にするのは、幻想郷でも最高位の力をもつ者。
「当たり前でしょう?」
境界を操る―――それは三次元上の部屋の中と外とか、そういったレベルではない。
現実と虚構。
概念の『境界』でさえ操ることが可能。

「」も、境界である。

荒耶の目指す、全ての始まりの知識、「」。

そう。
......................
八雲紫は意図せずとも『根源』へ辿り着いている―――ッ!

「そこまで、『根源』とはすばらしいものかしら」
「私は人間を見限っている。お前のような人智を超越した存在は羨ましい限りだ」
何度も目にした。
人間とは、もはや―――。
「しかし、ただの人間にすぎぬ私が人智を超えるには、『抑止力』を退け『根源』へと辿り着く他、手はあるまい」
「そう。まぁどうでもいいことよ。―――ずいぶん簡単に右手を棒に振るのね」
「あれはあの少年が身につけなければ意味を成さない。実際、アレイスター程度にすら届かなかった」
ただの魔術すら、あの右手は殺せなかった。
それは、右手が弱かったからではない。扱う者が『神浄の討魔【かみじょうとうま】』でなかったからだ。




0115 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2010/12/14(火) 15:13:00ID:ithcXARW
荒耶は、ただ談話しに来たわけではない。

「―――協力するとはどういうことだ?」

「あら、簡単なことよ。ヒントを上げるだけ」
―――荒耶は、この妖怪には絶対に敵わないと確信している。
そもそも、ヒトの身ではバケモノなどに敵うはずはない。
「―――『両儀』。言葉くらいは当然知ってるわね」
「……。それが」
「陰陽の太極、シキ【式】とシキ【識】。そして―――」

「―――『両儀式』。この三つを体に宿す者がいれば―――」

「確かに、間違いなく『根源』への鍵だ。だが、そのような存在が―――」
「いるかどうか。さぁ?そこまで丁寧には教えてあげない。ただ、探すなら駒を用意しなさい」
―――そして、『相克スル螺旋』へと招くのよ―――

―――『死に依存して浮遊する二重身体者』

―――『死に接触して快楽する存在不適合者』

―――『死に逃避して自我する起源覚醒者』


――――――。
一つ一つ、パズルのピースを埋めるように。       


荒耶宗蓮:了
next stage......《矛盾螺旋》
0116 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 15:16:20ID:ithcXARW

「だぁーもうちくしょう!」
ぷんすか、という擬音が似合うような状態である。
あれから何度も萃香は上条相手に攻撃を仕掛けたが、ただの一度としてダメージになることはなかった。
ただし、上条も人の身、それもけが人である。
萃香のあふれ出る体力の前に根気負けし、ギブアップを宣言していた。
「……一回も当たんなかった。なんだその右手は……?」
「……喋らせる気かよこんな仕打ちをしといてコンチクショウ」
げんなり、上条。
時刻は昼飯時である。
グぅ、と、腹を鳴らす。
「……腹減ってるのか?」
―――萃香は心配してるけど、そもそも疲れさせたのはお前だという本音は置いておく。
おもわず、「お蔭様で」と呟いてしまう。
ちょうどいいところに霊夢がやってくる。
「朝っぱらからドンパチやってんじゃないわよ。あ、上条。あなたは昼飯作っといてね」
霊夢自身、作れないということではないのだが、それでも自身で作る飯には飽きが回る。
せっかくの人手なのだ。活用しない手はない。
「……はい?霊夢様特製和食フルコースという俺の希望は……」
「生涯叶うことはないでしょうね」
冷たく言い放つと、そそくさと部屋へ戻る霊夢。
はぁ……と重たい息を吐く。
気づけば萃香もどこかへ行ってしまったようだ。
仕方がないので台所の方へ行く。
食材だけは、和風のものが一通りそろえてあるようで、バリエーションには困らないだろう。
料理をはじめようとする。

―――しかし。
キィイン
聞きなれた音と共に、食材は触れただけで砕け散った。
「……霊夢。悪いが俺には料理は無理みたいだ……」
霊夢は先ほどから後ろでのぞいていたらしい。
「……の、ようね」
他に料理ができる人のあてがないのか、心底落胆する霊夢。
が、突然、
「あ」
と、頭の上に電球が輝いたかのように思いつく。
「あいつなら、まぁ……料理ぐらいできるでしょ」
「……知り合い?」
ええ、と霊夢。
「家、近いのか?」
「そこそこね。ただ、歩くんじゃつらいし飛ぶしかないかぁ……」
霊夢は、「ふぁああ」と背伸びする。
―――年中眠いのか。

「えっ、てか飛ぶってどういうことだよっ!?」
「文字通り。あ、あなたは無理か……」
0117 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 15:17:59ID:ithcXARW
……


「……つかまって」
「無理です」
「こっちも恥ずかしいんだ早くしろこの野郎ぉおおお!!」
ガバッ、と勢いよく上条の左手を握り、抱き寄せる。
上条は霊夢に抱きかかえられながら、霊夢は上条を抱きかかえながら。
二人は空へと舞い立つ。

目指すは、とある魔法使いが住む家。


そのまま眠りに就いていたらしい。
気がつくと外から入り込む朝日が、部屋を柔和な光で包みこんでいた。
「あれが、私の記憶を奪ったモノ」
誰となく、呟く。

―――透明な、竜王の顎。
―――体の芯までを喰らい尽されるような感覚。

体中を駆け巡った『死』の奔流。
思い出したくもないが、頭の中でその記憶だけが異常な存在感を放っている。

「おはようございます。スーツで寝にくくないのですか?」
「……誰だ。昨日とは違う顔だな。釈然としない」
「……師匠もすっかり気に入られたみたいですね。私は鈴仙・優曇華院・イナバ。呼び方はご自由にどうぞ」
「自然、レイセンが適切か」
自らに問いかけるように、言う。
―――ウサギの耳のようなものが、頭にある。
「その格好はどういうことなのだ?意図あってのことか」
「……耳は外れませんよ?言っておきますけど私はこれでも月の人なので」
―――からかっているのか?
「当然、貴様の師匠から私の症状は聞いているはず。その上でからかうか」
「本当【しんじつ】ですよ!まぁ、外来人の方に『信じてくれー』というのも無理な話ですけどね……」
―――嘘、ではない、のか?
表情に偽りの色が見られない。
にわかには信じがたいが―――月の人というのは本当なのだろう。
透明な―――何もない、『記憶』という皿の上には次々とモノがのっかるように。
―――自分で言うのも変な話だが、私はあまりにも『純粋』なのだ。
「……あなたは、お優しいんですね。そんな簡単に信用してくれるなんて―――あ、すいません、私大まかにですけど人の心の中が見えるんです」
「優しい、か。依然、私にはその感覚はつかめん」
「思い出せると、いいですね。おっと、忘れるとこでした」
はい、と何か錠剤のようなものを渡してくる。
「お薬です。師匠から、『飲ませるように』と預かっているので」
「了承した。いただく」
―――ゴクリ。
得体の知れぬものを飲むことに抵抗はあったが、不思議と、あの女の顔を思い浮かべればそんな雑念などかき失せた。
0118 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 17:05:57ID:ithcXARW

ヒュゥ
風を切って空を進むというのは、爽快なことに違いない。
しかし、上条の心に爽快などという気持ちはこれっぽっちもなかった。
(当たってるぅっ!当たってるってぇ!)
口にしては絶対にダメな気がするので、とにかく口を結ぶ。
「……いい?絶対に右手で触らないでよね……!?」
恥ずかしいことなど置いてけぼりにするかのように、霊夢は言う。
実際、霊夢も顔は真っ赤だし心臓はばっくばくだし、余裕などないのだが、
(取り乱したら私の負け……取り乱したら私の負け……!)
そう言い聞かせて何とか『華麗』と言わせるほどには安定して空を飛んでいた。
「見えた」
呟き、少しずつ下降する。
一軒の家が見えた。

「おう、霊夢じゃん。―――誰だ、それ?」

着地するなり何なり、如何にもな格好の『魔法少女』が話しかけてくる。
「こんにちは魔理沙。突然であれだけど、あなた料理できたわよね?」
「何だよ料理ぐらい自分でしろよ」
「さすがに自分の飯には飽きたのよ。それにこいつは使えないし」
冷たい視線を上条へ向ける霊夢。
「使えないとか言うなっ!」
思わず反論。だが、先ほどの飛行が相当応えているのか、霊夢は俯きそれ以上何もいわない。
「……まあいいや。三人分ぐらいなんとかなるでしょ。私は霧雨魔理沙だ。お前は?」
「俺は上条当麻。言っておくけと外来人だからな」
見りゃあわかるよ、と魔理沙。
やはり、この世界の住人には独特の雰囲気があると、上条は感じる。

―――だからこそ、自分は馴染むことは出来ないだろう、とも。
―――いや、馴染んではいけないのだと、確信している。

「まぁ、入れよ。すぐに作るから」
0119 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 17:07:44ID:ithcXARW

「あの女は出かけているのか」
「ええ。場所は聞きませんでした」
―――そうか。
短く答える。
彼女がいないからといって、別段不自由することはない。

―――薬のお蔭か。

いくらかの記憶は戻り始めている。

『我が名誉は世界のために【Honos628】』

己が内に掲げた名も、思い出した。

そして。

―――アウレオルス=イザード。
自らの、名前。

しようとしていたことは、簡単なことだ。

―――ある少女が助けたかった。

―――それは、叶わぬことだった。

―――ある時、ヒトの身に余る力の持ち主を知る。

―――『吸血鬼』。

―――人智を超えた力ならば、少女を救えるはずだったのだ。

―――だが、それはやはり、叶わぬことだった。

――――――自分が救わずとも、少女はすでに救われていたのだから――――――

「吸血鬼、か……果たして自然に存在し得るものなのか……?」
「はぁ、『吸血鬼』ですか。居ることにはいますけども……」

―――何ッ!?

「そうか……そうかそうかそうかそうかそうかそうか……」

「大丈夫……ですか?」







――――――復讐――――――ッ!



―――吸血鬼などいなければッ!


―――私が道を踏み外すこともなかったッ!
0120 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 17:11:50ID:ithcXARW
「莫迦なことは、やめておきなさい」
唐突に、声がかかる。
「あ、咲夜さん。いらっしゃい」
「こんにちは。お薬頂きにいたわ」
「何だ……貴様は……?」
「そうね、あなた程度が挑めるほど、『吸血鬼』は程度が低い種族ではないわ」

「そう、思うか?ならば呼べ。『訪問者、貴様は吸血鬼をここに呼べ』」

キィィン、と。
何かにかかったかのように咲夜は向き直り、

「吸血鬼を……ここに……」
そのまま、帰る。
「ちょっと!……アウレオルスさん、あなた何をしたんですか」


「―――当然、我が術式『黄金錬成【アルス=マグナ】』は、『言葉通りに世界を歪める』―――ッ!」

構える。
それは、武術における『構え』ではない。
悠然と。
ただ、視線だけで敵意を向ける―――ッ!

「……戦うんですか」
「貴様がそれを必要とするならば」
「こちらの世界には『スペルカードルール』というものがあるのですが……」
「当然、」

「『私』『私』と『貴方』『貴様』だけなら必要はないっ!」

殆ど似通ったことを言い合うのを合図に、二者は戦を始める。

「狂え―――ッ!」

狂気の魔眼。
赤く染まったそれは、ヒトの精神をたやすく崩壊させる視線に違いない。

「『貴様の目は私に対して効果を持たない』」
冷静に、呟く。
それだけで。

「……効か……ない……ッ!」
目は通じない。
それなら、とばかりに。
0121 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/14(火) 17:12:35ID:ithcXARW
「―――幻朧……月睨【ルナティック……レッドアイズ】!!!!!!!」

強力な弾幕がアウレオルスを襲う。
しかし、アウレオルスは無駄だ、と嘲笑う。


「『攻撃は無効化。月の者は攻撃の終了と同時に死ね』」


そして。

その場に倒れこむのは、ただの敗者。



神社の縁側。
―――そっと、歩み寄る。
強力な者が、二人並んだ。
それだけで、その場の空気は果てしなく重い。
当人たちはそんなことを微塵も感じはしないだろうが。
「なぁ、紫。あんまり上条を見くびらない方がいいよ」
「私は彼を敵にしてるわけじゃないわ。むしろ鍛えてあげてるのに」
「―――でも、元の世界に帰ったらまた死ぬだけじゃないの。強くさせてどうするのさ?」
「……あっちの世界には、果てしなく気に食わないやつがいるのよ。その気になれば、こちらにも侵攻してくるでしょうし」
「向こうと幻想郷で戦争か!どっちの方が強いんだろうな」
「……貴方には一番最初に戦ってもらいましょう」
紫と、萃香。
友人同士。
それは、お互いが強さを認め合っているからなのだろう。
「―――アウレオルス。派手にやってるみたいね……」
「……どうしたんだ?」
「いや、何でもないわ。用事が出来たから失礼するわよ」
突如として『スキマ』が現れるが、今となっては最早おなじみの光景である。

―――。
0122 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:29:10ID:+3vYy069
それでは続きです


「……誰だ?入れよ」
「失礼するわ」
「なんだ、えーりんか」
「何だとは何?」
「……結局、何の用なの?」
ワイワイガヤガヤと少しの世間話も交えた後、

「私が用があるのは―――上条当麻くん、あなたよ」

「へ?」

それまで完全に蚊帳の外だった上条は、突然名指しにされて思わず間の抜けた声を出してしまう。

「アウレオルス=イザード。聞き覚えはあるわよね?」
「あいつが、どうかしたのか?」
アウレオルス=イザード。
かつて、三沢塾に立てこもり、
―――インデックスを救おうとしていた男。


「―――助けてあげて」
「は?」

永琳はこれまでの経緯を説明する。
―――大事なのは、アウレオルスが『黄金錬成【アルス=マグナ】』を取り戻しているということだ。

かつて。
アウレオルスは自分の中の恐怖に負け、竜王の顎に食われ―――


竜王の―――顎?

透明な、竜王の……

自分は、疑問を持っていた。あれが果たして黄金錬成によるものなのかということを。


今なら解る。


あれは、


..................
自分の中から『何か』が出でいたのだと――――――――――ッ!!!


「……彼が向こうで何をしたかを聞いたときに、こうなることは予測がついたわ。だから、手遅れになる前に……」

「俺のところに、来たってわけか」
こくり、とうなずく永琳。そうか、と上条はいい、
「霊夢、手伝ってくれ」
「……分かった」


上条は再び空を飛ぶ。
0123 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:31:23ID:+3vYy069

目も虚ろなまま紅魔館の門をくぐる。
はっきり言って、『黄金錬成』の完全な支配下に置かれていた。
―――今自分がするべきことは、ただ一つ。

(吸血鬼を……永遠亭に……!)

「お帰り、咲夜」

言うが早いか、



ドン!!



「―――何て無様な。……たかが錬金術師のいいようにされてしまって」
紅く、赤い槍が咲夜の胸を貫いていた。
最初から赤かったのか、それとも幾多の血を浴びるうちに赤く染まったのか。
どちらにしろ、凶力な武器であることには間違いないだろう。
憑きものでも落とされたかのように、虚ろだった目は生気を取り戻す。
―――『黄金錬成』への服従は、主人への忠誠心によってかき消える。
「……申し訳ございません、お嬢様……」
「気にするな。……気に食わないのはアウレオルス=イザードの方だ」
―――復讐をすると。
「八当たりにもほどがある」
―――吸血鬼の存在が、自分を正しい道から踏み外させたのだと。
「……私たちが存在しようがしまいが、アウレオルス、お前は道を踏み外していたさ」
行くぞ、と。

永遠に紅い幼き月が、アウレオルスの幻想を砕かんと動き出す。
0124 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:34:29ID:+3vYy069


ドサッ

「当然、勝者は私だ」
―――記憶が戻った時を思い出す。
記憶の中には、世界のすべてを知るための術式があった。
―――『黄金錬成【アルス=マグナ】』。
アウレオルスは、『黄金錬成【アルス=マグナ】』の構築を再開していた。
永遠亭内にコインの表と裏が出来上がる。
―――裏に居座るアウレオルスに、もはや住民が気づくことはないだろう。
「……来たか」
コインの表側に侵入者がいる。
表側にいるだけならアウレオルスに気づくことはないのであろうが、
「―――ッ!?」
キィイン!
覚えのある音が聞こえたような気がした。
その音は、


―――裏側の自分【アウレオルス】に向かって歩んでくるッ!


部屋の戸が開けられる。
侵入者は倒れている敗者にそっと触れると、後に続いていた者に託す。
「一回殺しただけじゃ、足りねぇのか」
―――こいつは。
「お前は、ただインデックスを救いたかっただけなんだろ!それが何でこんなことをしなくちゃいけない理由になる」
―――目の前のこいつは。
「当然、復讐!仇を相手にすることのどこに非があるか!」
―――竜王の、透明な竜王の顎の
「じゃあそこに倒れてる女の子は何なんだよ!お前を介抱してくれていただけだろ!」
――――――主!
「立ち向かうというならば、必然的に迎え撃つほかあるまい。―――少年、貴様もな!」

『少年は絶命する』

それだけで上条の全身から力が抜ける。
意識は朦朧とし、しかし地面に倒れるところで、
「無駄だ」
右手が心臓に触れる。
以前に『しね』と言われた時も、こうして心臓を触れることで効果を打ち消せた。
「―――以前と変わらぬな。だがしかし、私は負けない」
過去から学ばぬ魔術師など、所栓三下。
―――『黄金錬成』は『幻想殺し』を超える処理能力を発揮する。


『少年の右手は力を失う』
―――右手から、握力が消える。
『少年の右手には魔術を打ち消す効果はない』
―――右手は、

ただの荷物になり下がる。
0125 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:36:47ID:+3vYy069

「アウレオルスさん、あなたは復讐なんてする必要ないでしょう」
「女、感謝するぞ。貴様のお蔭で私は記憶を取り戻せた」
「……あなたが記憶を取り戻せば、黄金練成を扱うすべも取り戻すと、わかっていたわ、ええ。だけど―――」

ドガァァァアアアア!!
爆音とともに、永遠亭の一角は崩れ去る。
―――レミリアの一撃。
たった一撃で、建物は形を失う。
しかし。
「見ておけ、あれが神秘を起こすアルス=マグナ」
油断はない。

『建物は元の形を取り戻す』

「やあ、アウレオルス=イザード。君の仇の登場だ」
「……吸血鬼……?貴様が?ハッ、笑わせるな、これでも吸血鬼の知識は一通り学び終えた身だ」
「そちらこそ」


―――笑わせるな


投擲。
紅い槍がアウレオルス目がけて突き進む。
『槍は推進力を失う』
槍は勢いを失い地面に落ち―――
「その運命は逆転する」
ない。
「―――ッ!」
アウレオルスの顔面目がけて直進し続け、

「―――邪魔だ」
上条の、右肩。
その右肩から生まれる何かに阻まれ、消え去る。

「なん、だ……それは……」
レミリアには解る。
目には見ない、何かが感じられるのだ。
(視えない力の塊……何かが……『在る』!)
アウレオルスと対峙していた少年。
運命を打ち消してレミリアの攻撃を阻む―――ッ!
0126 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:39:45ID:+3vYy069
―――その力の奔流は、まるで、今まで何かに抑えられていたかのように暴れ狂うッ!

が、
                      ......  
「なっ、右手の力は確かに消えた!なぜ貴様は『幻想を殺す』!?……はっ」
「―――莫迦か」
言葉通りに世界は歪められ、
「『幻想殺し【イマジンブレイカー】』、か」
上条当麻は再び右手に力を宿す。
暴れ狂う力の奔流ではなく。
ただ、異能を消すだけの、力。
「アウレオルス」
一歩。
「テメェが」
また一歩。
「なんでも」
次々と。
「思い通りににできるってんなら」
少年とアウレオルスとの間の距離は縮まっていく。

「まずは―――」
「少年、アウレオルスの相手はこの私だ」

縮まった距離は再び開く。
0127 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:43:38ID:+3vYy069
「ぐ……ガァァァ!!」
レミリアの攻撃。
球体状の塊が上条の腹部にあたり、そのまま体を飛ばす。
「て……めぇ……!」
「そちらこそ邪魔をするな。人間ごときに吸血鬼の名の肩を持たれても困る」
「―――どういうことだ……」
「言葉通りだよ。吸血鬼は錬金術師ごときに八当たりされていい種族ではない」

「『吸血鬼は力を失う』。黄金錬成は効力を失っていないぞ」
「―――ッ!?」
思わず膝をつく。
視えない重圧が体にかかっているように、思い通りに体を動かすことができなくなる。
「吸血鬼、そして少年。確かに私がおこなおうとしている復讐は八当たりにすぎない。だが」
アウレオルスは、解っていた。
どうしょうもないことを自分がしているということを。
「―――ならばなぜ私を呼んだ」
「当然」
―――己が内に掲げた名を思い出せ。

―――錬金術師、お前の起源は『愚行』だ。いくら足掻こうとも、そのおろかさを悔いらなければ、名誉など貴様にはない。

―――アウレオルス……私……忘れたくなんかないよ……


――――――あの子は激痛に耐えながら、忘れたくないと笑って告げたのだ!

「―――『我が名誉は世界のために』。世界の崩壊を招くような力など、ここで破壊するべきなのだ―――!!」
0128 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/15(水) 17:45:04ID:+3vYy069
「ほう。確かに吸血鬼は巨大な力だ。だが」
今度は私が反論する番だ、と。
吸血鬼【レミリア・スカーレット】は―――。
「貴様のように、力の振り方を間違えたりはしない」
強大な力を持てば持つほど、それをどう使うかなどという選択支は増える。
しかし、飽くまで己がため、野望に使うか。それとも世界を救うために使うか。
ようは持つ者の扱い方次第である。
―――扱う武器【グングニール】にもそれが表れている。
アウレオルスのような、世界のルールを曲げるような力を持っていても、振りかざす向きを間違えなければ悲劇など起きはしない。
―――レミリアは、強い。
それは単純な実力差ではない。
数百年という時は己が信念を確かなものにする。

「―――魔符・『全世界ナイトメア』」
スペルカードの使用を宣言。
三方向へナイフが展開される。
「一つは敵に向かう」
そう宣言するだけで、いくつかのナイフはアウレオルスへ向かう。
当然、左右に逃げ場はない。
さらにわずかナイフの隙を埋めるように、と円形に射出される光弾。弾幕の前にアウレオルスは―――
『ナイフは敵へ向かう』
「運命操作なら、私が上手【うわて】だ」
ぐっ、と。
両者の力のせめぎ合いを真に受け、ナイフか空中でピタリと動きを止める。
力に耐えきれぬか。ナイフは砕け散る。
0129 ◆9ww4lHcaLU
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2010/12/16(木) 01:58:20ID:J9IEXvV7
すいません、>>122の前にこれが入ります



「……」
さすがに、右手を呪った。
まさか、ここまで適用範囲が広いとは思わなかった。
「一応聞くわ、上条。左手で箸は」
「掴めません」


……


「口開けて」
「無理です」
「こっちも恥ずかしいんだよぉおおおお!!」
半ば押し込むような形で食べ物を上条の喉へと入れる霊夢。
当然、ペースを乱された上条は、
「ゴホッ!」
と咳込む。
「あのなぁ……夫婦漫才なら余所でやってくれよ……」
「これがやりたくてやってるように見えるかしら……ッ?」


―――ひと通りの料理を、胃へと送り込み終える。


「……」
「黙りこくるなら無理してやるなよ……」
慰めているのか責めているのか分からない上条の言い草が、霊夢の心理状態を余計に複雑にする。

(何なのよもう……)


コンコン


玄関の扉を叩く音。
それは、一人の来訪者の現れを告げる。
0133創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/01/12(水) 02:38:08ID:6QejnIvP
ホシュ
0134 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2011/01/30(日) 00:47:14ID:bxI04YpG
あのー、wikiに載せてもらえないのは何かまずいことをしたからなのでしょうか?
0135創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/01/30(日) 02:17:27ID:nqnZMaJ2
番外編のこと?それならwikiに載ってると思うけど
どっか載ってないところとかあったかな?
最近リアル事情で見に行けないこともあって
ひょっとしたら見落としてるのもあるかもしれないけど
0136 ◆9ww4lHcaLU
垢版 |
2011/01/30(日) 04:29:57ID:bxI04YpG
>>135
5話に当たる部分を避難所に投下させていただきました。
お暇なときに目を通していただければ。
0139『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/05(土) 20:29:51.59ID:8KGmWwah
『ハートキャッチプリキュア!』と『魔法少女まどか★マギカ』のクロスオーバーです。
時系列的にはプリキュアが本編終了後、まどかがバス停での喧嘩後です。
基本的にまどかたちの救済ストーリーになるかと思います。
0140創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/05(土) 20:32:45.91ID:8KGmWwah
第一話『出会い』

カーテンの隙間から光が差し込んでいた。朝日。一日の始まりをつげる陽光。
「ほら、起きなよさやか。今日も学校行かないつもり?」
キュゥべえはベッドに包まり、動こうとしない少女に言葉をかけ、器用にもカーテンを開ける。
溢れ出る光。
しかし、少女--美樹さやかは更に深くベッドに潜り込む。
「ほらほら、外は雲ひとつないよ。まどかとも仲直りするチャンスじゃないの」
少女は答えない。眠いのではない。むしろ神経は冴えている。
「ほらほらほら、せっかく望みもかなって魔法少女になったんだし、元気良くいこうよ」
冴えてはいるが、なぜだかだるい。奇妙な覚醒感と怠惰感が二律背半し、無闇に明るい声に嫌悪感がとめどなく湧き出る。
キュゥべえへの、まどかへの、そしてなにより自分への。
「……うるさい」
「しかたないなぁ」
キュゥべえはまたしても器用に窓を開けた。
「そんなんじゃ、魔女をやっつけられないよ? だからグリーフシードだって?」
「--うるさい!」
キュゥべえは口を閉ざしたまま溜息を吐く。
哀れみか、侮蔑か、諦めか、読み取る事は出来ない。
そして去って行った。沈黙が支配する。
以前は良く来ていたまどかからの朝のメールも、あのバス停での喧嘩の日以来、ぽつんと途絶えた
ままだ。
「……おきないと」
さやかはゆっくり、ゆっくり、自分の身体を確認するように起き上がる。
昨日から手に握ったままのちっぽけな自らの魂?ソウルジェムを見つめる。
濃い灰色にくすんでいた。
0141『マギカ☆フォルテッシモ
垢版 |
2011/03/05(土) 20:33:45.60ID:8KGmWwah
美樹さやかは魔法少女である。
少女たちの原初の憧れ、邪悪を働く魔女どもを成敗する正義の味方である。
自らのたった一つの願いのために永遠に戦う使命を背負った、英雄である。

嘘だ。

美樹さやかは魔法少女である。
憧れの人の無残な死をその目に焼き付けながら、単純な思いで戦う事を選んだ軽薄者である。
自ら選んだ選択をどこまでも心配し、危険を犯してまで付いて来てくれる友人を理不尽な理屈で、感情のまま、傷つける、卑怯者である。
その痛みすら我慢できない、臆病者である。
0142『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/05(土) 20:35:10.31ID:8KGmWwah
家には誰もいない。
父は所謂単身赴任であり、共働きのため母も毎日遅くまで帰ってこない。
帰ってこない日も多い。
キッチンでインスタントラーメンをすすりながら、彼女は考える。
--どこで間違っちゃったかな。
最初は本当に正義の味方のつもりだった。
確かにあの事はショックではあったけれど、だからこそ。
マミさんの後を継ぐ、魔法少女になるつもりだった。
自分のためでなく、「みんな」のために。まどかを戦いに追いやらない為に。
だから杏子の人を犠牲にする方針に激怒したし、その時は確かに正義の味方気分でいたのだ。
けれども。
自分の身体がただのぬけがらにすぎないと知った時。
生命を悪魔に売り渡してまで恋焦がれた少年が、いつのまにか自分の前から姿を消した時。
ただただ悪として認識していた少女が自分などより、遥かに辛い事を経験していると知った時。
大切な友達を、助けなければよかったと思ってしまった時。
自分の中の「魔法少女」は、「正義の味方」は、その度に打ち砕かれた。
--最初からかな。
しかし、美樹さやかはその言葉を口に出さない。
「あたしには魔女を倒す以外、価値なんて無いしなぁ」
諦めと自嘲が入り混じった諦観で、一人彼女は呟いた。
そして彼女は外に出る事もなく、ただただ何もせず横になる。
魔女とその使い魔たちが人知れず徘徊する、夜を待ち続ける。気力など起きない。
それが美樹さやかの日常になっていた。
0143『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/05(土) 20:36:57.51ID:8KGmWwah
「……さやかちゃん、大丈夫?」
「なにが」
「ほんとうに、顔色悪いよ。真っ白。ほむらちゃんやあの赤い子だっているんだから、無理しないでたまには休んだほうが--」
「じゃあまどかが変わりにやってくれる?」
「だ、だけどもういつも戦い終わったら糸が切れたみたいに倒れて、気絶して、だからわたし、心配で。
グリーフシードだってもう随分手に入れてないし」
「自分がやらないのに、人に言わないで。なんで毎日毎日ついてくるの」
「……」
深夜の商店街をさやかは淡々と歩いていく。
「でもさやか。もしも万が一の時にはまどかはいた方がいいよ」
キュゥべえを肩に乗せ、まどかはついていく。
「君も正直、一人では辛いんじゃないかい?」
さやかは答えない。
魔法少女は魔女を倒すために存在する。
世に悪と混乱を引き寄せる魔女を打ち倒す、同根の力を持った少女たち。
それが魔法少女である。
だが魔女が残すグリーフシードがないと、魔法少女は生きてはいけない。
少女たちの魂そのものがねじ込まれた水晶、ソウルジェムは生きているだけで「穢れ」を溜め込む。
魔法を使えば更に「穢れ」る。
穢れを溜め込みすぎれば魔法少女の力どころか、日常生活が危うくなる。それが沸点に達すれば、生命は停止する。
するどころか、「魔女」に変化し、この世に災厄をもたらすモノとして転生する。
それを浄化するためのものがグリーフシードである。
魔女は魔法少女のみにしか滅せない。
だが魔女がいなければ魔法少女は魔女になる。
永遠の繰り返しによる悲喜劇の輪舞曲。
代償としてのたった一つの願い。
それが彼女たちの本質。
0144創る名無しに見る名無し
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2011/03/05(土) 20:38:07.90ID:8KGmWwah
さやかは自らの魔女化の危険性までは知りえてないが、自らのソウルジェムが「沸点」に達しかけている事は誰に言われずとも理解している。
原因は簡単だ。
グリーフシードを落とす魔女より、グリーフシードを落とさない「使い魔」の方が圧倒的に多いのだ。
どちらも規模の大小こそあれど、人に悲劇をもたらす。
だが戦闘による力の消費と穢れの溜まりは圧倒的であり、少女たちは自然、選択を迫られる。
常に穢れと魔女化の危険性を犯しながら、「使い魔」をも殲滅する道を選ぶか、
使い魔が巻き起こす災厄を無視し、「魔女」だけを狙うか。
あの赤い魔法少女--佐倉杏子が選択した事は邪悪でなく、
実利性と合理性に導かれた「正義」を選択しただけなのだ。そっちの方が賢い。
さやかは痛感している。痛感しているからこそ、あえて真逆の道を選択し続けた。
その為のソウルジェムの魔力の枯渇であり、汚染された結果である。
そうじゃないと、あたしはなんのために魔法少女になったっていうのよ。
「--あそこ。久々に魔女だ」
少女は駆ける。とうに打ち砕かれた理想を死守するために。
0145創る名無しに見る名無し
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2011/03/05(土) 20:39:49.32ID:8KGmWwah
「さやかちゃん! さやかちゃん!」
結界の先は一面の花畑だった。
桜に百合に牡丹にシクラメン。
ファンタシーでメルヘェンでポップな童話世界。
しかしそこで行われるのは命のやり取り以外の何者でもない。
子供の落書きの夢想とアウトサイダーアートの妄想を混ぜ込んで出来上がった世界には花を咲き散らしたプリティでグロテスクな魔女--Un bourgeon--の巨躯が踊る。
ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。ぐちゅり。
青い剣の魔法少女と化したさやかをぐちゅりぐちゅりと拳で叩き潰していく。
誰が見ても絶望的の状況下で魔法少女は、
「あはは……ははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」
自らの血に塗れた無残な身体で、滅多打ちにされたままで哄笑した。
「どうりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅ!
一瞬の間にタイミングを合わせ、さやかは巨大な拳を剣で切り結び、魔女の本体へと突撃する。
美樹さやかは魔法少女としては決して強くない。
彼女の魔法少女としての本質は癒しであり、決して直接戦闘向きではない。
更に経験不足。本人の才能。ソウルジェムの汚染と枯渇。
それらを痛覚の完全遮断と強烈な脳内麻薬の強制大量分泌で補う。
打たれても、殴られても、斬られても、叩きつけられても、ただただ溢れ出る血と肉と、異常な高揚感で突撃する。
ただただ前へ。
滅するために。
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!
全然痛くないないないないないないないないないないないないないないないないないなぁい!」
魔女が発する、花の形をした刃群に切り刻まれながら懐に入りこんださやかは剣を振りかざし、
「これでおわり」

吹き飛ばされた。
0146『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/05(土) 20:41:56.21ID:8KGmWwah
「さやかちゃん! さやかちゃん!」
意識がブラックアウトしていた。
目の前には涙に濡れたまどかが見つめる。
「もうこれ以上無理だよ! 死んじゃうよ! もう逃げよう! 早くしないと!」
「だって……あたしは」
まほうしょうじょだもの。せいぎのみかた。
ゴボォ。
言葉の変わりに血が吹き出す。
「だって、だってもう--!」
「けんさえ……けんさえあれば、……あ、あれ?」
いつのまにか剣はなくなっていた。無駄に魔力を使うものは全てカットされているのだ。
全身が奇妙な形に折れ曲がっている。
ゴボボボボォ。
「血が、血が止まらないよぉ」
まどかは持ってきていた包帯で、せめて止血しようとするが止まらない。
痛覚の完全遮断と脳内麻薬の強制分泌に分配されていたソウルジェムの魔力が、
緊急生命維持のために強制的に集中される。
さやかにとってそれすなわち、「本当の痛み」を味わう事になった。
地獄という言葉さえ生ぬるい、本当の痛み。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
い゛だい゛い゛だい゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛だいい゛だい゛い゛だぁい!」
「さやかちゃん! さやかちゃん! さやかちゃん!」
どぅーん。どぅーん。どぅーん。
不気味な足音を立てながら、魔女はゆっくりとしかし確実に、近づいていく。
それは死の音。
「まどか! もうさやかは無理だ。早く僕と契約して!」
「--キュゥべえ--」
ほむらちゃんは絶対に魔法少女になるなと言っていた。
マミさんのあの無残な姿も今のさやかちゃんの凄絶な姿も目に焼きついている。
あの赤い子とも殺しあうはめになるかもしれない。
でも。それでも。さやかちゃんを助けられるなら。
「わかったキュゥべえ。私けいやく--」
覚悟を決め、言いかけたまどかの横を、
ブゥンッ!
「やってやるです! えりかぁ!」
「おうよコフレッ! プリキュア・おでこ・ぱぁーんちっ!」
「「--へ?」」
青い疾風が駆け抜けた。
0147『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/05(土) 20:43:48.96ID:8KGmWwah
ドゥザァッン……
突然闖入した謎の少女の頭突きに、地響きをたてて、魔女の巨躯は崩れ落ちる。
「……あの娘。ほむらちゃんじゃない」
まどかは、一瞬ほむらが助けに来てくれたかと誤解した。
マミさんの時もそうだったし、杏子が助けに来てくれるとは思えなかったからだ。
しかし、彼女は違った。
さやかと同じく、青を基調としたコスチュームに、青い髪。
背中に付けた白いマント?あれは喋っているのか?背丈で判断すると恐らく小学生ぐらい。
「--あれは」
「--新しい魔法少女?」
「--女の子にあそこまでするなんて!
海より広い私の心も、ここらが我慢の限界よ! 海風に揺れる一輪の花! キュアマリン!」
キュアマリンと名乗った少女はポーズまで決めてみせる。
戦隊ものとか、仮面ライダーでも気取っているつもりなのか。
「くるです!」
「いくよ、コフレ!」
0148『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/05(土) 20:45:51.32ID:8KGmWwah
魔女に、一直線に突撃する少女に向けて無数の花の刃が射出される。
「マリィン・シュートォ!」
ズババババァッ!
少女は無数の水色の光波を打ち出し、その全てを相殺させた。
そして遥か高い空に浮き上がり、
「マリィン・ダイブ!」
ブゥンッ!
ソニックブーム--音速を超えている証左だ?-を発生させた急降下飛び蹴りを放つ。
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ。
魔女の巨躯が吹き飛び、転がる。
「えりか、レッドの種で一気に決着です!」
「やるっしゅ!」
少女は自らの魔法道具--香水の形をしていた--に、
赤く小さな欠片を装着し、ぐるんと回す。
「レッドの光の聖なるパフューム! シュシュッと気分でスピード・アップ!」
「……な」
青い少女は、一瞬で赤く変化した。
いや、そうではない。
燦然とした赤い光を少女が放っているのだ。
「おりゃおりゃおりゃおりゃぁ! マリィン・インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ!」
まどかの目にはもはや捉えきれないレベルのスピードで、少女は零距離光波弾を撃ち続ける。
「インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ! インパクトォ!」
ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ! ドゥガンッ!
衝撃を吸収すらできないよう、周囲を360度、回りながら撃ち続ける。
十発ッ! 五十発ッ! --そして百発ッ!
「これが最後のインパクトォ!」
ドゥガンッ!
最後の一撃で、遥か彼方まで吹き飛ばした。
……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ……
「……消える……」
ダメージ限界を遥かに越えた魔女はゆっくりと、消滅していく。
魔女が消滅した事により、結界も消滅し、彼女たちはもとの商店街へと戻った。
0149創る名無しに見る名無し
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2011/03/05(土) 21:49:29.57ID:8KGmWwah
「あ、あれ? もとの場所にもどってる。フォルテウェーブも出してないのに」
「デザトリアンならどんなにダメージ与えても、最終的に浄化しないといけないです」
そしてころころと転がる、魔女の源。グリーフシード。
「ん? なんぞこれ」
少女はグリーフシードを手に持ち、しげしげと見つめる。
白いマントはキュゥべえのごとき、表現しにくい小動物に変化した。少女の肩に乗る。
「コフレ、これわかる?」
「こころの花じゃないことだけはわかるです!」
「わかってないじゃん!」
そして少女はまどかたちに振り向いた。
「--えっと。大丈夫……じゃないよね」
思わずまどかはコクリと頷いた。
「--はい、大丈夫、じゃないです」
言わなければ。今すぐ。
「あの、今のはあなたが倒した魔女で、そのグリーフシードはあなたたちの物だけど、
それがあれば、さやかちゃんが助かるかも知れないの! お願い! それを私たちに下さい! 
このままだとさやかちゃんが--」
トス。
「ほい、あげる。魔女とかなんとか、わかんないけど」
少女はグリーフシードをまどかに投げた。
こんなに簡単に渡してくれるなんて。
「あ、ありがとう」
0150『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/05(土) 21:50:34.02ID:8KGmWwah
「あ、ありがとう」
まどかはやや困惑しながらもキュゥべえを見る。
「キュゥべえ! このグリーフシードでさやかちゃんを!」
「確証は出来ない。けれどやってみようか」
キュゥべえは、グリーフシードとさやかのソウルジェムを近づけた。
汚染された魔力がグリーフシードに逆流し、ソウルジェムの魔力は新鮮なものに変化していく。
濃い灰色だったソウルジェムは、元の姿に戻った。
「くぅぅっ……」
さやかはその苦痛に呻き声をもらす。
彼女の本質である癒しの魔力がフル稼働し、ズタボロになったさやかの身体をゆっくりと、しかし確実に癒していく。本来魔法少女の時の彼女は全治3ヶ月の怪我が一瞬で治るほどの治癒力がある。ソウルジェムの汚染により制限されていた本来の能力が発揮される。
30分ほどで、美樹さやかの身体は元に戻っていった。
「よかった、よかったぁ……さやかちゃん」
ギュゥ。と、まどかはさやかを抱きしめる。涙が溢れでていた。
「……まどか」
あんなに冷たくしてたのに。どうしてこの娘は。
キュゥべえはなぞの少女に目線を向ける。
コフレとよばれた小動物--妖精、といった方が良いのかもしれない?もまどかたちを見つめた。
「それより君たちに聞きたいことがある」
「キュゥべえ?」
「ボクも聞きたいことがあるです!」
「コフレ?_」

「君たちは魔法少女じゃないね」
「君たちはプリキュアじゃないです!」

「--魔法少女?」
「--プリ、キュア?」

物語は、交差する。
希望と絶望が常に交差するように。
奇跡を手に入れてしまった少女たちの物語は、交差する。
0151『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/05(土) 21:51:07.04ID:8KGmWwah
次回予告
「こころの花そのものがさやかにないです! どうしたですか?」
「「こ、こころの花?」」
「あーもう、なんなんだよおまえらはよ! キュゥべえのお仲間か? ポッキーやるからどっか行け!」
「だから、ここがどこかわからないんですよ! 一体ここはどこなんですか?」
「わからないですぅ!」
「明堂院いつき--プリキュア。魔法少女とは対極の存在のあなたたちが、なぜここにいる?」
「魔法少女とはなんだ? なぜ君はボクの事を知っている?」
「君は魔法少女になる気はないかい? 何でも一つだけ願い事をかなえてあげられるよ」
「魔法は無いわ。世界中全ての人が笑顔になれる魔法なんてね。そう、父は言ってた」
0152創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/05(土) 23:10:41.85ID:P4TATv0z
絶望の影を跳ね除ける物語と、絶望の淵に飲まれていく物語が交差するのか
これは展開によって面白そう
0153創る名無しに見る名無し
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2011/03/06(日) 20:31:34.05ID:l7TBleG+
投下乙
プリキュアとまどかのクロスか、面白そうだ
つぼみたちがまどかの世界にどう絡んでいくか気になるぜ
2つの世界が一緒になってる感じの世界観かねえ
0154『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/11(金) 21:00:15.85ID:TLqnAjKD
第二話、投下します。
元々えりかさやかで短編作れんかなと思って出来たものなので、
えりさや分多めです。

※第一話のタイトル、『出会い』でなく『であい』でした。すみません
0155『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/11(金) 21:01:19.68ID:TLqnAjKD
第二話『であい そのに』

同時刻。放送塔。
風が吹きぬけ、本来誰も登って来れないはずの鉄骨の上に少女は座っていた。
「ったく、しけてんなぁ」
赤い髪に小柄な体躯。チャームポイントの釣り目と八重歯は小悪魔的な印象を感じさせる。
しかしその眼光は鋭い。肉食獣のような、射抜くようななにかを感じさせた。
「馬券馬券馬券、しかも全部外れ。なんでとっとくんだか」
しかしもうちっと有意義な事に使えんかね。大人は。
少女は大量の外れ馬券が入った財布を地上に投げる。
佐倉杏子。
巴マミが死んだ事を知り、最近この見瀧原町に活動拠点を移した魔法少女である。
「しっかし、あいつもようやるよ」
美樹さやか。あんな無駄な事して。マミのやつの後でも継いだつもりなのか。
マミだって、自らのソウルジェムの状態を常に計算して取り捨て選択してたのにな。
杏子は徹頭徹尾、自分のためにしか魔法を使わない。対象は魔女だろうが使い魔だろうが同じ魔法少女だろうが人間だろうが関係なく、邪魔になるものは徹底的に潰す。
彼女はそれを貫く事によって、魔法少女として一つの理を守っている。
――自分のためだけに戦う。
命のやり取りは、結局自らを第一義にしないとやっていけない。
「ひと」のためにと戦う魔法少女は、理想と現実の狭間でいつか絶対に押しつぶされる。
彼女はその事を誰よりも良く分かっている。
なぜなら、かつての彼女は誰よりもそうだったから。
もぐもぐ。もぐもぐ。もぐもぐ。
「――ん?」
大量のハンバーガー――基本的に彼女はジャンクフード嗜好者である――を食べていた彼女は、「上空」から突然の気配を感じた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「――落ちちゃうですぅ!」
そして遥か上空から「落下」してきたのは、同じく赤い髪のツインテールの少女。
ごつん。
二人の少女は、頭から激突した。
0156創る名無しに見る名無し
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2011/03/11(金) 21:01:50.75ID:TLqnAjKD
そこは、幾何学模様の白い部屋だった。
真円状に置かれた様々な種類の椅子。
円卓こそ無いものの、そこは誰かが住むという風情ではなく、会議場を連想させる。
「--ん」
覚醒した少女は、ゆっくりと起き上がった。辺りを見回す。初めて見る光景。
「--ここは」
すらりとした長身に、眼鏡の奥に秘めた怜悧な瞳。
無駄をそぎ落とした、風貌。
「--どうしてあなたはここにいるの?」
--今まで感じなかった気配。バッと振り返る。
真後ろには、黒髪の少女が立っていた。
その姿は清楚だが、眼鏡の少女と同じ様に、どこまでも冷静に、どこまでも冷徹に見つめる瞳。
「--あなたは」

0157『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/11(金) 21:02:20.71ID:TLqnAjKD
気づいたら、誰もいない部屋だった。広く、綺麗に整理された可愛らしい部屋。
だけど、からっぽの、誰もいない部屋。
白い男性用学生服--所謂『白ラン』である--を見につけ、さっぱりとカットされた亜麻色のショートヘアー。ボーイッシュであるがしかし、その顔立ち、身体付きは少女のものだ。
「いつき、だれもいないでしゅ? ここはどこでしゅか?」
彼女の肩に乗った幼い妖精は、彼女に聞く。
うん、と彼女は頷く。どこだろう。
そして、机にポツンと置かれていたノートを手に取った。
「--巴、マミ?」

それは、それぞれの出会いの始まり。
0158『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/11(金) 21:03:22.09ID:TLqnAjKD
「--助けてくれたのはありがとう。感謝する。でもどういう事? 魔法少女じゃないって」
--あんた一体--そう言い掛けたさやかに、キュゥべえは割ってはいる。
「簡単な事だよさやか。彼女にはぼくとの契約の証したるソウルジェムがない」
「え、それって……」
「少なくともぼくは彼女と契約した覚えはないし、願いを叶えてあげたこともない。
掛け値なしの真実さ」
少女は変身を解除する。セミロングの跳ねた青い髪に、浮き立たないがセンスの良さと可憐さを感じさせるファッション。可愛いけれど、やはり身長も相まって小学生にしかみえない。
「あたしだって聞きたいんだけど。さっきのやつはなんなの? 砂漠の使徒の残党? デザトリアンではなかったけどさ。こころの花も無かったし」
「--『砂漠の使徒』? 『デザトリアン』? 『こころの花』? いやあれは魔女で、ころころと転がったのはグリーフシードで」
「--『魔女』? 『グリーフシード』? 大体『魔法少女』ってなんなの?」
会話が通じない。
そういえばグリーフシードも知らなかったみたいだし。
「さやかちゃん。ここは一旦部屋で話し合ったほうが良いんじゃないかな。--もしかしたら仲間になってくれるかもしれないよ。悪い子にはみえないもん」
まどかは安堵と期待の目でさやかを見つめる。事情を話して、仲間になってくれたら。
さやかは溜息を吐く。
結局このザマだ。
結局何も出来ないまま勝手に死にそうになって。
結局まどかを戦いに追い込むことになりそうになって。
結局なんか変な奴に助けられて。
--でも。それでも。
何だかんだいって、これ以上まどかに心配させるわけにはいかない。
素性もわからず、魔法少女でも無い癖に魔女をぶちのめすなんて非常識なやつを迂闊に信用できないけれど、仕方ない。
さやかはもう一度深く溜息を吐いた。
「わかった。いいよ。あたしの家、行こうか」
0159『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/11(金) 21:04:13.46ID:TLqnAjKD
「いってぇんだよ! なにすんだこのバカ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「ごめんで住んだら警察イラネェんだよ! ていうかてめぇ、どこから降ってきやがった!」
「どこからって……こころの大樹?」
「は? こころの……? もしかして頭が大変な事になってる人専用病院から来たとか?」
「なってませんよ! 大体なんですかその言い方!
私にも、大変な事になってる人にも失礼です! 堪忍袋の緒が切れますよ!」
「……いや、既に切れてるぞ。……頭」
ツインテールの少女は、額にずれていた眼鏡を調整し、自らの額をぺたぺたと触る。
切れていた。結構な量の血が手にべっとりとつく。
「--ん。あ、血が……血が--!」
パニックになった少女は思う下を見てしまう。
風が吹き抜ける中、人や車が消しゴムの消しカスのような大きさだ。
なまじ足場は放送塔の鉄骨である。お世辞にも安定性が高いとはいえない。
無論ガタガタ揺れたりする。
「高い……」
「--おい、」
ぶるぶる震えてんぞ、と指摘する前に少女は涙目になっていた。
「一体ここはどこですかぁ……」
0160創る名無しに見る名無し
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2011/03/11(金) 21:05:26.32ID:TLqnAjKD
来海えりか、と少女は名乗った。
そして伝説の戦士、『プリキュア』。キュアマリンであると。
まどかたちと同じ、昨年、中学2年の時にこころの大樹の妖精コフレと契約し、地球と人々の「こころ」の砂漠化を狙う宇宙からの使徒、『砂漠の使徒』と戦いぬいたのだと。
クチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐ。
一応なりとも礼儀として出されたクッキーが脅威の勢いでえりか一人に消化されている。
空気を読まない。遠慮もない。
「そんでね、地球全部砂漠化しちゃったから最後は宇宙で戦う事になってね、スナッキーの大群を殴り飛ばしてね、
ジャキジャキいう熊本さんも殴り飛ばしてね、最後は」
えりかは無い胸をはる。
「『すごい事をしてしまった』んだ! あたしすごいっしょ! あ、クッキーおかわり頂戴」
「もうない。というか手元に大量に残ってるじゃない」
「おいしんだから良いじゃん」
クチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐ。
「わけがわからないよ。えりか、もうちょっと丁寧に言ってくれないかな」
「えー。充分丁寧じゃん。言葉で表現するとそうなんだから」
「丁寧です!」
クチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐ。
「あの、えっと、えりかさん。昨年中学二年生だったって事は……」
「うん。いま中三。まだ14だけど」
マミさんと同学年。
正直、信じられない。
まあ、マミさんは学校の方でも特別スタイルが良い方だったけれど、それでもやっぱり小学4、5年生にしかみえない。
「え、じゃあ、えりか先輩」
「えりかでいいって! 同い年だし」
クチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐクチャクチャもぐもぐ。
「じゃ、じゃあ、えりかちゃん」
0161『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/03/11(金) 21:08:11.09ID:TLqnAjKD
「……どうしてプリキュアになったの?」
まどかは安堵していた。雰囲気も何もかも、全く逆方向だけど、この子はマミさんと同じだ。
魔法少女であろうが、プリキュアであろうが関係無い。この子は多分、嘘をつかない。
だからこそ、聞きたかった。なぜ戦うか。なぜ生命を捧げるか。たった一つの願いのために。
あの赤い子やほむらに聞けなかった事を。
「……」
クッキーを食べる手が止まった。さやかも真剣な表情でえりかを見つめる。
「あたしも聞きたい。あんたがどんな願いで契約したかを」
「…………」
えりかは黙り込み続ける。
「あたしはあんたの事を正直、信用してない。それどころか怪しいヤツだと思ってる。
まどかに言われなきゃ、当然この家に上がらせてない。もしあんたの目的が少しでも人に危害を加えるんであれば、あたしはあんたの敵になる。
どんな事があっても、徹底的に叩き潰す」
「さやかちゃん……」
「まどかは黙ってて。答えられないの? 答えられないんだったらあたしは--」
「--『ズバッ』と」
「……ずばっと?」
「砂漠の使徒がドンダカドンダカって感じに来て、バキンバキンって感じに悪い事やるもんだから、『ズバッ』と解決して、『バギッ』と成敗しちゃるって思ったから」
えりかは、コフレを鉄の爪のごとく鷲掴みする。あくまで真剣な表情。
「……だから、こいつと契約したんだ」
「そうです!」
「……願いは?」
「そんなものないよ?」
「何も願わずに、契約したって事?」
「そもそもそんな事、言わなかったよね、コフレ?」
「そもそも願いを叶えるなんて、そんな魔法みたいな事できないです!」
答えにまるでなってない。
「ふざけないで」
思わず、口に出ていた。止まらない。腹が立つ。
マミさんだって、杏子だって、あのほむらだって、命を渡す覚悟と思いがあるから契約した。
たった一つの願いのために、全てを捨てる。
--いや、捨てざるをえない状況に追い込まれて、その上で選択するのだ。
「死」以外の終わりのない悲喜劇に、参加するのかしないのか。
だから腹が立つ。こいつは「あの日」までの「自分」と同じだ。馬鹿だ。
何でも願い事がかなって、おまけに魔法少女という誰も持ってない「非日常」も手に入る。
それ位にしか考えず、マミさんの孤独をなんにも考えてなかった自分と、同じだ。
「そんな何も考えずに契約して、願いもなにもかなえられずにプリキュアになって、砂漠の使徒ってやつらぶったおして正義の味方気分? 今日も気持ちよかったんでしょ。あたしっていう弱い癖に戦うやつ救えて」
「……さやかちゃん、あの、やめて」
止まらない。一旦堰を切った感情は、止まらない。
「だけどね、あたしはもう何も痛くないんだから」
あの時はソウルジェムが濁ってたから。途中で痛くなったのは、濁って能力が完全に発揮できなかっただけだから。だから。
「痛覚を遮断すればもう何も痛くないし、脳内麻薬を魔力で出せば戦うのは「気持ち良い」し「幸せ」なの。殴られたって蹴られたって斬られたって。死ぬ時だって何も痛くないし、怖くない。
「気持ち良い」まま、「幸せ」なまま死ねるんだから。だから--」
「いや、痛いでしょそれ」
「----!」
あんたの助けは今後一切必要ない、とたたみかける前に、えりかは自然に言った。
説教するというつもりも、何もなく。ただクッキーを頬張りながら。
「あたしは痛いのカットするなんて器用な事無理だしさ、その感覚、良くわかんないけど。
でも殴られたり蹴られたり斬られたりするのって、痛いよ? 死ぬような目にあったら、怖いよ?」
「……」
「さやかってさ、がんばりすぎてんじゃない?」
「-----うるさい!」
美樹さやかは立ち上がる。自らの部屋から出、玄関に。
鹿目まどかは追いかける。部屋から出、さやかの前に。
見つめ合った。
「……ごめんまどか。ついてこないで」
そしてさやかは、外の闇に再び出て行く。

そのソウルジェムは、既に濁っている。
0162『マギカ☆フォルテッシモ』
垢版 |
2011/03/11(金) 21:10:01.52ID:TLqnAjKD
同時刻。
見瀧原公園の椅子に、杏子と花咲つぼみ--放送塔から杏子の力でなんとか降りた後、少女は過呼吸を繰り返しながらそう自己紹介した--は座っていた。
もぐもぐ。もぐもぐ。もぐもぐ。
二人でハンバーガーをもくもく、もぐもぐと食べている。
どうしてあんなとこから落ちてきたのか、おまえ誰なんだという口論を延々しつづけ、そのあまりのラチのあかなさに二人とも、腹の虫が鳴ったのである。
「美味いか」
「初めてですけど。正直、脂っこいです」
「じゃあ食うな」
あ、とつぼみが言う前に、杏子はつぼみのハンバーガーを取り上げ、パクついた。
「……どうしたよ」
つぼみは顔面が沸騰していた。
「だだって、だって、杏子さん! 間接キスですよ。しかも女の子同士で! しかも初対面なのに!」
「はぁ? そんなんどうでもいいだろ。食えりゃあ」
ハムスターのごとく頬いっぱいにハンバーガーをつめながら、器用に杏子は答える。
「大体食べモンでそんな事言ってるやつらは飽食なんだよ。断食ダイエットとかいってるヤツラと同じ位、馬鹿でマヌケだ」
「……」
「おい、どうした?」
「--何か、来ます」

公園は、一瞬にして暗黒舞踊の舞台と化した。
ォォぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん。
抽象画の如く突如沸き立つ魔物、使い魔。
魔女たちの忠実なる僕にして、夢の残骸。
「ちっ」
こんなとこで。
こんなわけわかんないヤツと一緒に。
だが、ここはやるしかない。
杏子は自らのソウルジェムを振りかざし、変身しようと?
「プリキュアの種、いくですぅ!」
「プリキュア・オープン・マイハート!」
「へ?」
突如として輝く赤い光。それは、魔法少女とプリキュアの、二つ目の遭遇。

「大地に咲く一輪の花! キュアブロッサム!」
0163創る名無しに見る名無し
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2011/03/11(金) 21:49:11.86ID:TLqnAjKD
次回予告

「てめぇ、意味わかんねえ事いいやがって! そんな奇天烈なカッコするやつが魔法少女じゃなくてなんだってんだ!」
「プ・リ・キュ・アですよ! それにさっきからその言葉遣いなんですか! 
お父さんお母さんに注意されなかったんですか!」
「うぜえ、超うぜえ……」
「こっちだって堪忍袋の緒が切れそうです!」
「……今時の切れる若者ってやつか?」
「……杏子さんもですね」

第三話『であい そのさん』

※次回予告はその場のノリで適当に書いています。
なので書いてるシーンが本編で出てきたり全然出なかったりします。
0164創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/12(土) 15:14:35.56ID:miblvPB0
投下乙
こういうクロスも悪くないね
プリキュアたちが何故まどかの世界に連れてこられたのか
気になるぜ
0165一尉
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2011/03/13(日) 13:44:05.37ID:VJMIN9eW
支援
0166創る名無しに見る名無し
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2011/03/15(火) 18:38:57.30ID:4gmnZjmN
プリキュアの方はなんつーか、楽観的だなぁ。こまかいけぇ事はいいんだよ!というか。
虚淵時空だといとも簡単に死にそうだw
持ってる空気の差がまさに「世界が違う」w
まどかしか見たことないが、見てて楽しいな
0168まどか×禁書ちょいネタ
垢版 |
2011/03/18(金) 00:37:12.18ID:728g3UiG
まどか8話のキュゥべえの勧誘時にほむらでなく上条が来た場合
QB 「何だ何だ何ですかァ!?」
上条「おい、エントロピーって知ってるか?」
上条「どんな莫大なエネルギーでも均一に分散しちまえばそこからは
エネルギーを取り出せねえ!」
上条「でもな、お前ならベクトル操作で散らばったエネルギーを集中できる筈だ!」
QB「そンなの出来るわけねェじゃねェか!あァ!?」
上条「いいぜ お前が出来ないって思い込んでるなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

QB 「仕方無ェ…やッてやらァ!!」
マドカ「やりましたねとマドカは賞賛の言葉を送ります」
0169創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/18(金) 00:48:51.28ID:ylRPWLVD
上条さんはまどかマギカの鬱展開を跳ね除けそうだけど
あのイマジンブレイカー、ソウルジェムも消しそうで怖いな
0170創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 00:54:32.30ID:728g3UiG
上條の方も何気に両足、左手はダメになってるけど右手だけ無事だ
0171創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/18(金) 12:50:30.46ID:brnsPD7V
ガンツと五条のクロスです
0172創る名無しに見る名無し
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2011/03/18(金) 13:26:00.06ID:brnsPD7V
 帝国学園練習コートにて

五条は中学受験を楽々突破し、超次元サッカーを続けていた。
この時点で大学院レベルの頭脳、プロをも軽くあしらう実力を備えていた。
超次元サッカーの頂点である彼に、只のサッカーなど暇潰しにもならないのだ。
しかし、彼も人間。死ぬときは死ぬ。

練習コートの柱にシュートが衝突した。超人の域すら外れた者の全力に、
人の創造物がかなう筈がない。
それは人の子である五条も同様、鉄骨が、衝突す/gajqt§jw/.ap?@g anjpylpg?Cーーーーーー

 気がつくと、そこは部屋であった。
「また 出てきたぞ」
視線を上げると、そこには、人々と、黒い球体、が、あった。
0173GANTZ/GOJOU
垢版 |
2011/03/18(金) 19:08:50.01ID:brnsPD7V
最後に転送されてきたのはユニフォームを着た男だった。
死んだ人間が転送されてくること、ミッションのことをとりあえず説明したが、この男だけが状況を飲み込めている。スーツの入ったケースを全員に渡したが、彼は何の躊躇もなく着た。
五条勝、と言うらしい。プロサッカー選手かと思い敬語で話していると笑われた。
「ククク・・・オレは中学生ですよ・・・?」・・・マジかよ。
「お名前、お聞きしてもよろしいですか?」
俺はーーー
0174創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/18(金) 19:36:16.61ID:brnsPD7V
玄野計。
しばらく前から「ミッション」をしてきたという男はそう名乗った。「玄人の玄で玄野だ」
そして、ターゲットの情報が「ガンツ」に映し出された。
「やきゅう星人?お前とはライバルだな」別に、サッカーをしているからといって、野球は嫌いではない。
その後、武器などの説明を受けていると、何かが虚空に描き出された。
球体と靴、そして眼鏡。
球体にはサッカーボールを連想させる溝が走り、青白い光が漏れている。
靴は、今着ているスーツに対応しているようだ。スパイクに似た形をしている。
眼鏡のレンズはスーツの金属部を平たくした形だ。 これらは恐らくーーー
「使え、ってことじゃねえの?」
確かに、オレにお誂え向きだ。

程なく、「転送」が始まった。上から体が消えていき、目の前には野球場が広がっていた。
0175創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/18(金) 20:11:40.63ID:brnsPD7V
スーツを着ているのは半分程度だろうか。着ているだけで生存率はけた違いに跳ね上がるのだ。
一応アラームが鳴ったら引き返すように呼びかける。ほぼ毎回エリア外に出て頭を吹き飛ばされる者が出る。加藤も、岸本も死んだ。もう誰も死なせたくはない。

標的はすぐに見つかった。既に返り血を浴びている。足元には、スーツを着た死体もあった。
「スーツ着ててもやべぇな・・・」
場慣れした者が一人だけの状況で、どう立ち向かえばいい・・・?
唐突に黒い球が星人の脇腹を抉り飛ばす。
「『ジャッジスルー』・・・まぁ、ルールを気にする必要はありませんがね・・ククク」
0176創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/18(金) 22:41:16.97ID:brnsPD7V
バットで人間の胴体を分断する化け物相手に、効くとは思わなかった。
恐らく、このスーツによるものだろう。自分にクレーターを作り出すほどの脚力はない。
「来るぞ!!」玄野が叫んだ。
瞬間、立ち直った星人がバットを振り降ろしている。かわしきれないーーーーー常人なら。
『ヘブンズタイム』
ーーー周囲は相対的に止まって見えるほど遅くなる。動いて見えるのはバットと自分だけだ。
これが当たっていればひとたまりもない。  背後をとり、時間を解放する。
そして、銃声と爆音が鳴り響く。
星人の腹がいびつに凹み、よろめく。続いて、 後頭部が破裂する。
0177創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 00:32:09.93ID:fRrdqf8g
「今回はお前のお陰で助かった」「ククク・・・礼には及びませんよ」
強力な敵を倒したことで、彼らは失念していた。
ーーー野球にはピッチャーもいるのだ。  豪速球が、玄野の右腕を砕いた。

スイングに比べれば弱い、しかし当たっただけで即アウトということには変わり無い。
だが。
彼は立ち向かう。まだ生きている人間が居るのだ。何より、超次元サッカープレイヤーとして、この程度の壁を砕けずに終わるわけにはいかない。
五条に応えるかのように眼鏡のレンズに二次元マトリクスが表示される。
『シグマゾーン』
ありとあらゆる技を単独で行うまでに鍛錬した五条が唯一単独で使用できなかった技。
しかし、ここにゾーンは表示されている。後は、全力を尽くすのみだ。
「へぇあっ!!」二つのボールがぶつかり合う。

『狂え、純粋に・・・っ!!』

気がつけば、そこは部屋であった。そして、祝福の喝采。
採点の結果、百点を獲得し、『記憶を消されて解放』を選ばせてもらった。今ごろ親も心配しているだろう。足元から、消えてゆく。

あれは夢なのか、布団から出て思う。しかし、足元を見ると、あのときのスパイクが転がっている。記憶だって、消えて無いじゃないか。
0178創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 00:35:22.97ID:fRrdqf8g
以上です
連投ごめんなさい
0180エルシャダイ×まどか
垢版 |
2011/03/22(火) 12:11:49.73ID:jC7FM3ub
  パチン!
ほむ 「話をしよう」

ほむ「あれは今から36…いや、4ループ前だったか…まあ良い」

ほむ「私にとってはつい昨日の出来事だが…君たちにとっては多分…明日の出来事だ」

ほむ「彼女には72通りの渾名があるから何て呼べば良いのか…確か最初に会った時は…」

ほむ「巴マミ!…そうだ、あいつは最初から言うことを聞かなかった」

ほむ「私の言う通りにしていればな…まあ、やな奴だったよ」

ほむ「そんな装備で大丈夫か?」マミ「大丈夫だ、問題ない」

マミ「ウッウッウッ グッグッグッ グアッグアッグアッ」バクン

ーーQBは言っている、ここで死ぬべきでは無いとーー

…ほむ「そんな装備で大丈夫か?」マミ「一番良いのを頼む」

ーーQB は言っている、宇宙を救えとーー

ほむ「ああ、やっぱり今回もダメだったよ あいつは話を聞かないからな」
0181【はじめの一歩】×【ローゼンメイデン】
垢版 |
2011/04/01(金) 22:57:43.37ID:h5rGAIq2

「ねえ、一歩。強いって、どういう事?」

究極の少女を目指し、少女たちは熱き拳を交わす!!

蒼星石「知ってるかい?リングに燕は二羽いるんだ」

翠星石(勝つんですよ……負けるんじゃ、ねえですよ……)

金糸雀「カウンターに…必要なのは…スピードと……タイミングと……勇気……!!」

雛苺「ヒナは…今の金糸雀を見てると…本当に涙が出て来るの…!!」

雪華結晶「グッバイ、お姉さま!!」

「しんくっ!!しんくっ!!」

「すいぎんとっ!!すいぎんとっ!!」

水銀燈(背負ってる物の重さが違うのよ!!)ひゅん、ひゅん!

『出たぁぁ!!何人もの挑戦者を切り刻んだチャンピオンのフリッカー!!!!』

真紅(目指しているものの違い、思い知らせてあげる!!)ぐお…っ!!

『対するチャレンジャーは体を∞の軌道に動かし必殺の…』

真紅「ああああああ!!」

『デンプシー・ローズだぁぁぁぁぁ!!!』

水銀燈「しんくううううう!!!」

真紅「すいぎんとぉぉぉ!!」


〜究極の少女はゴングと伴に生まれる〜

0183一尉
垢版 |
2011/04/07(木) 21:58:37.71ID:HiqBcU5U
支援
0184創る名無しに見る名無し
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2011/04/17(日) 21:55:53.63ID:Q0WlJYo7
あげぇ
0185創る名無しに見る名無し
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2011/04/25(月) 21:05:09.03ID:VxS4aDxa
ブラッディネロス

月宮「とうとう見つけたわ。神の遺産の在り処」
倒れている仮面の男の血を口にする謎の女性
月宮この神の遺産があれば烙印を消せる
一方別の場所では
???1「ふむ、あのお方の言われたとおりだ。しかし、俺は貴様と組んでまで使命を実行したいとは思わない。」
???2「私も同じ意見だが、あのお方は今回は二人で遂行しろといわれた、それに従っただけだ」
黒い二人組みは意見を衝突させながら、計画を実行させようとしている。
一人は大きな銃を持ち左腕が機械的なつくりを持つ男で、もう一人は黒い髑髏の顔に左手が鎌になっており、死神のような男だ。
???2「あのお方の命令は絶対だ、余計な行動を起こし、失態をしたらバルスキー様に会わす顔もないだろ。」
二人組みの男が目的地へ急ぐ

月宮「神の遺産は私のものに」
彼女は知らなかった、神の遺産を狙う敵が今の実力では打ち勝てないことに。
0186創る名無しに見る名無し
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2011/05/01(日) 00:35:56.04ID:WFTOo/VH
保守
0187創る名無しに見る名無し
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2011/05/02(月) 22:54:29.60ID:MktVmz3+
一応、続き
月宮「あれが神の遺産」
月宮は廃墟の教会で神の遺産の一つを発見する。
月宮「今回はペンダントのようね」
月宮が神の遺産に手を伸ばそうとする時、銃声が鳴り響く。
月宮「!!」
彼女が振り向くと二人の黒尽くめの男がいると発見する。
月宮「何か用かしら」
???1「その神の遺産に触れないでもらおう」
???2「神の遺産はお前のような下等に相応しい物ではない」
月宮「人間でも混血天使でもないわね。何者なの」
???1「挨拶が遅れたな。俺は戦闘ロボット軍団、暴魂トップガンダー」
???2「私は戦闘ロボット軍団、烈闘士ザーゲン。その神の遺産はあの方が管理するのに相応しい。」
月宮「ロボット!?なぜ神の遺産を機械がほしがるの」
月宮が意外な顔で反応する。
ザーゲン「あの小娘は私が相手をする、トップガンダー遺産の回収を」
トップガンダー「いや、この女はターゲットではないが生かすつもりはない。回収は貴様だ」
月宮「遅いわ」
月宮はすばやく二人の不意をつく。
ザーゲン「少しはできるようだな。」
トップガンダー「久し振りに楽しませてもらおう。」
トップガンダーは銃を構え、ザーゲンは左手の鎌で月宮に切りかかろうとする。
0188Fate/Ascension ルシフェルPV(1/2)
垢版 |
2011/05/03(火) 04:47:08.24ID:rIcia6ym
時事ネタを少し。

 虚空に指が鳴り響く。
「話をしよう」
 男は誰と限るでもなく、闇に向かって語り始める。
「あれは今から100年、いや、50年前だったか。まあいい。
私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては、多分、明日の出来事だ」
 光の閉ざされた世界で、黒ずくめの男だけが仄かに明るんでいる。ルシフェル、堕ちた明星その人だ。
「彼には72通りの名前があるから、何て呼べばいいのか……確か最初に会った時は、シロウ」
 横を一瞥すると、懐かしげな口調に変わる。
「そう、あいつは最初から言うことを聞かなかった。私の言う通りにしていればな。まあ、いい奴だったよ」


 天界の辺縁。雲の海に浮かぶ台座に男が二人。一人は黒髪、黒服。もう一人は、白髪に浅黒い肌、そして、赤い外套。
「そんな装備で大丈夫か?」
「私を疑っているのか?」
 肩を竦める相手を尻目に、白髪の男は刀を二振り作り出す。挨拶も無しに、人影は空を舞って落ちた。

 俗世に音も無く、男が舞い降りる。荒野は同じ顔の少女で埋めつくされていた。そして、始まる魔術の詠唱。
火、雷、光の奔流が男に放たれる。二つの太刀筋が、魔力を切り裂いた。
「うっ!」
 だが、男は苦しげに呻いた。外套の背は傷ついている。振り向くや否や、次の一撃が体を襲う。
少女の群れは、軍隊蟻のように彼に襲い掛かっていく。立ち上がっては、打ちのめされ、立ち上がっては、打ちのめされる。
ずたずたに引き裂かれた外套が空しく地に落ちる。そして、大勢の少女が、呪文を唱え始めた。間もなく、光の束が押し寄せる。
男は刃の零れた刀を掲げた。

 誰かの指が鳴った。世界が暗転する。
「神は言っている。ここで死ぬ定めではないと」
 声だけが彼の耳に届いた。疑問差し挟む余地も無く、事実が巻き戻されていく。群がる敵が蜘蛛の子を散らすように見える。
自分の体は、重力に逆らい、天空へ昇っていく。そして、見慣れた黒服が視界に移り、そのままフェードアウトした。これは、夢か……?

 白髪の男は、数分前と寸分違わぬ位置に、寸分違わぬ格好で立っていた。ルシフェルは底意地の悪い笑みを浮かべて話しかける。
「シロウ、そんな装備で大丈夫か?」
「……一番いいのを頼む」
 シロウの言葉とともに、白い光が彼を包みこむ。後には、純白の鎧に、身を包んだ男が立っていた。
そして、右手には、弧を描く道具が生み出される。
「何だ、これは」
「これは、アーチだ。神が作り出した知恵の一つ、いや武器か。人類が決して辿りつくことのできない、神の英知として、神が我々に与えたものだ。
これで、穢れた魔術師や使い魔どもを浄化できる。お前の能力なら、これさえも無限に生み出せるはずだ。上手く使いこなせよ」
 「アーチ」が広がると、弧に青白い刃が浮かび上がる。それをシロウは目を瞑って暫く握りしめると、無言で大地へ飛び込んだ。
0189Fate/Ascension ルシフェルPV(2/2)
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2011/05/03(火) 04:48:04.54ID:rIcia6ym
 再び俗世へ軽やかに舞い降りる。周りには、先程と寸分違わぬ同じ顔が並んでいる。
詠唱が始まり、まもなく熱線がシロウに降り注ぐ。が、白の鎧は軽やかに宙を舞い、包囲網から抜け出してみせる。
―体が、軽い……!
 瞬く間に間合いを詰め、アーチを一閃する。少女は苦悶を浮かべることもなく、塵と消えた。
慌しく呪文を詠唱する人形を嘲笑うかのように、神の英知が魔術師の咎を切り裂いていく。
「神は言っている。全てを救えと」
 再び、シロウの脳裏に声が響いた。

 ルシフェルは、地上での乱舞を眺めながら、携帯電話を操作する。
「やあ、私のサポートが心配なのか?」
「いいんじゃないかな。あいつもよくやってくれてるみたいだし」
「いや、君の頼みは断れないよ。神は絶対だからね」

 シロウは進み続ける。ホムンクルス、アンデッド、蟲。切り結びながら、その顔は少しも動かない。
 ルシフェルは、笑みを浮かべて傍らに現れる。
「シロウ、人が持つ唯一絶対の力、それは、自らの意思で進むべき道を選択することだ。
お前は常に人にとって最良の未来を思い、自由に選択していけ」
 いつしか、二人の道先には、歪な建造物の姿が見えていた。かつて、時計塔と呼ばれたものの成れの果てだ。
「さあ、行こう」

「ああ、シロウ。私のかわいい子供たちが悲しみに泣いています」
 禁忌の塔を背に、巨大な甲虫に乗る、魔道服に身を包んだ女性の姿。
「いきなさい、貴方たち。弟の仇を取るのです」
 おぞましい蟲の群れが、空を我が物顔で飛び交った。

 ルシフェルは再び闇の中に立ち、携帯電話を弄くる
「ああ、やっぱり今回も駄目だったよ。あいつは話を聞かないからな。ところで、こんな罪人で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
「やれやれ、私は君に最後まで付き合うつもりだよ」

--to be continued?--
0190創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/03(火) 21:34:39.42ID:PxxFb587
月宮「あなたたち何が目的かは知らないけど遺産は私の物よ」
ザーゲン「小娘が我が鎌の血錆にしてくれる」
ザーゲンの鎌が月宮の剣と交じり合う。
月宮「血よ」
月宮はそう言うと地面から血の攻撃をザーゲンに与える。
ザーゲン「ぐは」
ザーゲンに月宮の血液攻撃を受け、体制が崩れる。
トップガンダー「この女、少し、手応えがありそうだ。」
トップガンダーの銃口が月宮に狙いを定め、引金を引こうとする。
ドキュン
次の瞬間銃声と同時に月宮の左腕に血が流れ始め月宮に激痛が走る
月宮「しまった」
月宮が左腕を押さえるのと同時にザーゲンが月宮にめがけてダガーで刺そうとするが
ザーゲン「ここまでだ」
しかし、月宮は流れ出た血でザーゲンの腹部を貫く。
ザーゲン「うぐあ」
ザーゲンは倒れる。
トップガンダー「この女、半吸血鬼か」
トップガンダーが再び引金を引こうとする、しかし、月宮に銃弾が当たらない。
トップガンダー「何だ」
???「危なかったな、月宮」
月宮は振り向くとそこに呪符を持った男性を目撃する
???「神の遺産を取りにいって見たら、ずいぶんとにぎやかな展開だな」
月宮「日向」
トップガンダー「援軍か?ザーゲン退くぞ」
ザーゲン「やむを得ないか」
すると二人は廃墟を後にする。
日向「さて遺産は俺のものと」
そう言うと日向は遺産のペンダントを回収する。
月宮「後からやってきて、遺産を取るとは」
日向「おいおい、そんな状態で遺産取る気だったのか?今回のは俺のだ」
そう言うと日向はどこかに消える
月宮「この遺産なら消せると思ったのに」
月宮は自分の胸に刻まれた烙印を見つめる。
それは前回の「深淵の章」を取ろうとした時にできた新たな烙印であり、彼女はこれを消そうとしている。
月宮「今度こそ必ず」
そう言うと月宮は廃墟を後にする。

-- END --
0191創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/07/20(水) 01:52:29.36ID:w1h/ki4Z
age
0192 ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/08/28(日) 18:14:25.74ID:SeLe0bue
<創発板 3周年記念>にクロス作品を書いてみましたので、投下させていただきます。
・・・自分の中ではちょっと難しいテーマで書いたので、完成度は低いですがお目汚し程度にドウゾ。
0193侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/08/28(日) 18:17:25.40ID:SeLe0bue
それは、夏が終わりに近づこうとしていた時期の夕刻のことであった。

とある海岸に設置された、小さな海の家『れもん』。
そこでは、今日一日の営業を終え、帰宅への準備を行う相沢栄子とその姉である相沢千鶴、
そして『イカ娘』と呼ばれる少女の姿があった。
「えぇっと・・・ガスの元栓切った!水道の元栓もヨシ!」
「こっちもOKよ。」
そう言って、握られた鎖を投げ縄のように回す千鶴。
その後ろには、鎖と南京錠で施錠された冷蔵庫があった。
「あとは・・・イカ娘ちゃんは?」
「とりあえず、ゴミ捨てに行かせたよ。だから、あいつが・・・。」
「・・・すみません?」
突然、栄子の言葉に割り込むかのように入ってくる声。
その声の方向をふたりが見ると、そこにはイカ娘・・・ではなく、見慣れない男の姿があった。
「えぇっと・・・何でしょうか?」
栄子が少し困惑しつつ聞く。
「あ・・・もうお店って閉まっちゃいました?」
「すみません、もう営業は終わってしまったんですよ。」
男の質問に対し、千鶴が答える。
「そうか・・・あ・・・あと、お願いがあるんですが・・・お店のお隣りにテントを張ってよろしいでしょうか?」
「テントですか?ええ、別に構いませんが・・・。」
「ありがとうございます!それじゃ・・・お言葉に甘えて、さっそくテントを設置させてもらいますね。」
そう言って、男はテントを取りに行ったのか、砂浜から道路へ出る階段を急いで登っていくのであった。

「ただいまでゲソ〜・・・。」
数分後、『れもん』の入り口にイカ娘が姿を現わした。
その顔は、ゴミ捨てに少々疲れてしまったのか、少し暗い表情をしていた。
「おう!遅かったな、イカ娘。よし、じゃあ帰るか!!」
「・・・うん?栄子、アレは誰でゲソ?」
指を指すイカ娘。
その先には、テントだけでなく焚火の設置もテキパキと終え、火を前にしてくつろぐ男の姿があった。
「ああ・・・本人曰く、バイクにテント担いで一人旅をしてるんだとさ。
まあ、今日みたくテント張ったり焚火用意したりと・・・しかも、全部ひとりでだから大変なんだろうけど・・・
まあ、あの人なりに気ままな楽しい旅をしてるんだろうねぇ・・・ってイカ娘、聞いてるか?」
栄子が丁寧な説明をしたにもかかわらず、それを無視し、男を見続けるイカ娘。
0194侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
垢版 |
2011/08/28(日) 18:19:37.61ID:SeLe0bue
イカ娘は感じていた。
焚火を見つめる男の表情・・・そこには、栄子のいうとおり、気ままな旅を続ける『楽しさ』がある。
しかし、同時に『悲しみ』や『寂しさ』といった負の感情もそこには存在していた。

「・・・。」
「イカ娘?・・・ったく、先帰るぞ。」
そう言って、千鶴とともに先行して歩き始める栄子。
「・・・ハッ!ま・・・待ってでゲソ!!置いていくこと無いじゃなイカ!!!」
一方のイカ娘は、栄子がいないことにようやく気付き、大声をあげながら彼女らの背中を追うのであった。

「イカ娘ちゃん、どうしたの?」
相沢家の夕食時・・・いつもなら元気良く夕飯を食べるのだが、
今日に限っては食事の進みが悪いイカ娘に対し、千鶴は声をかけるのであった。
「・・・うん・・・少し気になるでゲソ。」
「『気になる』って・・・さっきの男の人か?」
栄子が言う。
「別にただの旅人だろう?気にすることは無いだろう?」
「・・・何か引っかかるでゲソ。何と言うか・・・カンと言うか・・・とにかく、
 栄子には理解出来ないような『繊細な部分』で引っかかるでゲソ。」
「人を鈍感の代表みたいに言うなっ!」
「・・・。」
会話するイカ娘と栄子を後目に、考える千鶴。
そして、何か思いついたのか、立ちあがり、そして台所へと移動するのであった。

数分後、再びイカ娘らのもとに現われる千鶴。
その手には、先ほどには無かった『小さめの発泡スチロールで出来たクーラーボックス』が存在していた。
「イカ娘ちゃん、急で悪いけどお使い頼まれてくれる?」
「うん?良いでゲソ・・・で、要件は何でゲソか?」
「この箱を、さっきの男の人に届けてくれる?たぶん大丈夫だとは思うけど・・・
 まあ、せっかく知り合った印ってことで食べ物を届けて欲しいのよ。」
「了解でゲソ!・・・でも、中身は何でゲソ?」
そう言いながらクーラーボックスのフタを取ろうとするイカ娘。

・・・だが、フタとクーラーボックスの隙間に指を入れようとした瞬間、彼女の体におぞましいほどの恐怖が走った。
凍りつくイカ娘。
恐る恐る、恐怖の発生源を見ると・・・予想通り、マイナスエネルギーを全身にまとった千鶴の姿があった。

「・・・イカ娘、ここは大人しく『開けずに届ける』任務を遂行するのが身のためだ。」
「・・・十二分に了解したでゲソ。」
0195侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:23:08.91ID:SeLe0bue
一方、海の家『れもん』の隣りに形成された小さなコロニー。
そこで、男は夕食の準備に取り掛かっていた。
焚火の上に吊るされた鍋の中でグツグツと煮える湯。
その側で、男は玉ねぎの裁断に取り組むのであった。
「ちきしょう・・・目が痛てぇ!」
目を赤くし、涙を流しながら玉ねぎを切る男。
すると突然、男の耳に少女の声が聞こえてきた。
「お〜い、旅人の人ぉ〜!!」
包丁を握ったまま男が振り向くと、そこには小さなクーラーボックスを抱えたイカ娘の姿があった。
「君は確か・・・『れもん』の人だっけ?」
「そうでゲソ。でも、正確には『れもんの人』ではなく『イカ娘』でゲソ。」
「・・・イカ・・・娘?」
「そうでゲソ!我が名はイカ娘・・・海を汚す人間たちを支配し、美しい海を取り戻すためにやって来た『深海からの使者』でゲソ!!」
そう言って、頭の触手をウネウネとさせながら胸を張るイカ娘。
その光景に対し、男はただただ黙っているしかなかった。
「・・・どうやら、私の偉大さに恐れおののいたようでゲソね・・・あ、『深海からの使者』も大事だけど、
 今は『千鶴からの使者』の方が大事でゲソ!!!」
そう言って、イカ娘は手元のクーラーボックスを男に渡した。
「ん?これは?」
「分からないけど、千鶴に頼まれて持ってきたでゲソ。」
「ふぅん・・・お?」
クーラーボックスを開け、中身を確認する男。
その中には、クーラーボックスの中を丸々占有するほど大きな伊勢海老が入っていた。
「すげぇ!伊勢海老が丸ごと!!」
「・・・!」
表情が変わるイカ娘。
「こりゃ良い!せっかくだからこの伊勢海老を使って、今日はおやっさん直伝の『伊勢海老の味噌汁』にしよう・・・っと。」
そう言って、男が伊勢海老をまな板のある場所まで持っていこうとしたその時だった。
突然、『ロープのような物』が上半身に巻き付き、身動きが取れなくなる男。
手に持った伊勢海老を落としそうになりながらも、体勢を整え、そして後ろを振り向くと、
そこには自身の触手を男に絡ませるイカ娘の姿があった。
「うぉいっ?!何じゃコリャ?!?!」
「・・・お主、海老を持ってきた私に対する『お礼の言葉』は無いでゲソか?」
「・・・あ。ごめん・・・つい伊勢海老にテンション上がっちゃって・・・。ありがとうな、えぇっと・・・イカ娘・・・ちゃん?」
「それで良いでゲソ。」
そう言って、触手を解くイカ娘。
0196侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:26:28.97ID:SeLe0bue
「・・・よし、それでは調理に戻・・・るぅっ?!」
再度、まな板のある場所に行こうとする男であったが、またしてもイカ娘の触手に体の自由を奪われてしまった。
「おいっ!今度は何だ、イカ娘!?」
おもわず、呼び捨てにして怒る男。
対するイカ娘は堂々と言い放った。
「『お礼の言葉』に関してはOKと言ったでゲソ・・・次は『感謝の意を込めた態度』でゲソ!」
「・・・態度?」
「そうでゲソ!」
「・・・態度って・・・具体的には?」
「・・・胸に手を当てて考えてみるでゲソ。」
「イカ娘の触手で腕が動かせられないので出来ません。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・あ〜っ、もう!お主の言った・・・その『伊勢海老の味噌汁』を作って、私にも御馳走して欲しいでゲソ!!」
「・・・ああ〜、そういうことか!いや・・・悪ぃワリぃ!!」
「もう・・・早く作ってでゲソ!」
「だったら、触手を解いて欲しい『でゲソ』。」
「真似するなでゲソっ!!」
怒りながらも男に絡まった触手を解くイカ娘。
一方の男は、3度目にしてようやくまな板のある場所に移動し、伊勢海老の解体にかかるのであった。

「・・・聞いて良いでゲソか?」
解体が終わり、味噌や玉ねぎとともに煮込まれている伊勢海老の頭を見ながらイカ娘が言う。
「何だい、イカ娘?」
「お主・・・何か悩みを抱えていなイカ?」
「・・・どうしてそう思う?」
「理由は分からないでゲソ・・・でも、夕暮れの時に見たお主の表情・・・何と言うか・・・悲しそうだったでゲソ。」
「・・・。」
無言のまま、焚火の中へ流木を投げ入れる男。
そして、燃え上がる流木を見ながら男は語りだした。
「・・・なあ、イカ娘は『仮面ライダー』って知っているか?」
「『仮面ライダー』?『能面ライダー』なら知ってるでゲソ。」
「・・・『仮面ライダー』、それは人類の自由と平和を守るヒーローのみが名乗ることの出来る称号さ。」
「人類を守る・・・ってことは、私にとっては敵じゃなイカ!」
「ハハハ・・・確かにそうかもな。まあでも、敵がお前さんみたいなのだったら、さすがの仮面ライダーでも倒そうとは思わんよ。」
「・・・どういう意味でゲソ?」
0197侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:32:16.08ID:SeLe0bue
「とにもかくにも・・・人々を守るため、長きにわたって『仮面ライダー』は『悪』と戦い続けたんだ。」
そう言って、流木を焚火に投げ入れる男。
「実はな・・・俺も以前は『仮面ライダー』だったんだ。」
「・・・『だった』でゲソ?」
「ああ、かつては胸を張って『仮面ライダー』を名乗っていた。・・・だが、今はもう『仮面ライダー』を名乗る資格は無いかもしれない。」
「どういうことでゲソ?」
「俺は・・・相棒とともに『人間の私利私欲が産み出した怪物』と戦ってきた。
 だが、ある戦いで相棒が死に・・・俺ひとりの力でその怪物と戦うことになった。
 そんなある時、フト思ったんだ。『この戦いはいつになったら終わるんだろうか?』・・・ってね。」
「・・・ゲソ?」
「今の言ったように、敵は人間の欲望・・・例えば、復讐心や支配欲に奪われた人々が人間の姿や心を捨て、怪物と化した存在だ。
 そんな怪物誕生のきっかけとなる欲望は誰にでも存在する。イカ娘にだって・・・もちろん仮面ライダーにも・・・だ。」
「欲望・・・でゲソ。」
「人間の欲は無限に存在する。そして、その欲望が何らかの形で暴走した時、怪物の数は無限と化す・・・そう考えているうちに
 『永遠の戦い』に対する恐怖が芽生えて・・・。」
「もしかして・・・今、旅をしている理由は『戦いから逃げるため』でゲソか?!」
「いや、一応の理由は『有給休暇の消費』なんだが・・・まあ、もしかしたら心の奥で『戦場から離れたかった』って
 いう気持ちがあったのかもしれないな・・・。」
そう言って、男は3本目の流木を焚火の中へ投げ入れた。

・・・だが、流木は焚火の中へ入らず、そのまま暗闇の中を飛んで行ってしまった。
「・・・うん?」
目をこらす男。
よく見ると、その流木はイカ娘の触手に絡め取られており、触手によって宙空に大きな軌道を描くと、
そのままイカ娘の手の中に収まるのであった。
刀の柄を握るかのように流木を掴むイカ娘。
そして、その先を男の顔に向けると、大声で語りだした。
「・・・もう!正義のヒーローのくせにクヨクヨし過ぎでゲソ!!」
「スマン・・・だが、ヒーローだってクヨクヨしたいさ。」
「私を見てみるでゲソ!『人間を支配する』と言って地上にやって来たにもかかわらず、千鶴や栄子に支配されてる・・・でゲソ・・・。」
「・・・言ってて悲しくないか、それ?」
「・・・ちょっと後悔してるでゲソ・・・じゃなくて!正直、私の最初の作戦は失敗したでゲソ。
 でも、近いうちに第二弾、第三弾を行う予定でゲソ!そして、その作戦が成功し、地球の支配者となれば、
 私は『イカ娘』から『全能の支配者』となるでゲソ!!
 ・・・でも、まだ作戦を行えてないから、今は『イカ娘』として頑張っているでゲソ!!!」
「え・・・あ・・・え?いや、『イカ娘』ってお前さんの名前だろ?別に『仮面ライダー』みたいな称号でも何でも無いだろ?」
「細かいことは気にするなでゲソ!と・に・か・くっ!!
 お主は『仮面ライダー』なら『仮面ライダー』という名前を簡単に捨てようとせず、誇りを持ち続けるでゲソ!!!
 そして・・・私も来るべき日まで『イカ娘』という名前に誇りを持ち続けるでゲソ!!!!」
0198侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:36:13.70ID:SeLe0bue
「・・・ふっ・・・ハハハハハ!!」
「何がおかしいでゲソ?!」
「いや・・・スマン。まさか、正義のヒーローである『仮面ライダー』が人間を支配しに来た『悪の使者』に説教されてる・・・
 しかも、その内容はちょっと強引・・・って思ってたら、つい笑っちまってな。」
「失礼なでゲソ!こっちはこっちなりに真面目でゲソ!!」
「・・・だが、ありがとうな。」
「・・・ゲソ?」
突然の感謝の言葉に困惑するイカ娘。
一方の男は、胸からUSBメモリに似た何かを取りだした。
「なあ・・・さっき、俺が旅に出た理由について言っただろう?」
「え・・・確か・・・『有給休暇の消費』とか・・・。」
「あと『戦場から逃げたかった』とか・・・な。だが、本当の理由が分かったよ。」
「どういうことでゲソ?」
「・・・俺は『お前に会いたかった』のかもしれない。」
「ゲソ?!」
「俺は・・・色々な『運命』に導かれて『仮面ライダー』となり、『悪』と戦い、そして・・・相棒を失った。
 最後に関しては『運命』とは思いたくないが・・・もし、俺の人生に関する全ての『運命』が最初から決まっていたのだとしたら・・・。」
「つまり・・・私とお主が会うのは『運命』とでも言うでゲソか?」
「ああ・・・戦いに悩むという『運命』に巻き込まれた俺が、お前さんに悩みを打ち明け・・・元気をもらい・・・
 そして、新たな『運命』へと進む力を得る・・・という『運命』に導かれてここに来たのかもな。」
「・・・。」
「・・・うん?どうした?」
「・・・そんな、ヴェートーベンみたいに『運命』『運命』言われてもよく分からないでゲソ!・・・っていうか、
 『伊勢海老の味噌汁』はどうしたでゲソか?!」
「・・・あ・・・忘れてた!」
そう言って、焚火の上に吊るされた鍋を覗き込む男。
長話をしていたせいで少々煮詰まってはいたが、とりあえず熱々の味噌汁が完成していた。
「ふぅ・・・良かった、出来てるよ。」
「早く食べたいでゲソ!!」
「待ったマッタ!とりあえず、よそってやるから・・・。」
そう言ってオタマを手に取り、鍋をかき回す男。

その男の顔からは、最初に会った時の『悲しみ』や『寂しさ』が消えていたようにイカ娘は感じるのであった。
0199侵略!イカ娘 × 仮面ライダーW ◆ea7yQ8aPFFUd
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2011/08/28(日) 18:39:53.29ID:SeLe0bue
翌日の早朝。
早起きしてイカ娘が昨晩のコロニーに行くと、男は既に片づけを終え、バイクで旅立とうとしていた。
「お〜い、旅人の人〜!」
「・・・ん?おう、イカ娘か!」
急いで、バイクのもとに駆けつけるイカ娘。
「これからどこへ行くでゲソ?」
「・・・そうだな、もう有給はおしまい!まっすぐ事務所に帰るよ。」
「そうでゲソか・・・また、新たな『運命』と向き合うでゲソね・・・。」
「ああ、せっかくお前さんに俺の悩みを聞いてもらったし、お前さんから伊勢海老と元気をもらったし・・・
 そんな状況で『また逃げます!』なんて言えないだろう?」
「・・・なんだか心配でゲソ。」
「・・・。」
イカ娘の一言に複雑な表情となる男。
そして、ヘルメットをかぶり、バイクのエンジンを始動させるのであった。
「イカ娘!」
「何でゲソ?」
「もし・・・お前が俺みたいに『運命』が怖くなった時、俺のところに来い!
 今度は俺がお前の悩みを聞いてやる!!そして・・・元気を与えてやる!!!」
「大丈夫でゲソ!私は人間を支配しに来た存在・・・だから人間にも『運命』にも屈しないつもりでゲソ!!」
「随分と威勢の良いこと言ってくれるじゃねぇか。」
「・・・でも、もし本当に『運命』が怖くなったら・・・頼むでゲソ・・・『仮面ライダー』!!!」
「・・・『悪』は助けるつもりは無いが・・・まあ、『イカ娘』としてだったらOKだ。」
「頼むでゲソ!・・・あ、最後にひとつ聞いて良イカ?」
「何だ?」
「お主の・・・名前は?」
「・・・あ、そういえば名乗って無かったな。」
そう言うと、男は大き目のバックルのような物が付いたベルトを取り出し、腰に巻いた。
そして、昨夜見せたUSBメモリ状の物をバックルに挿し、バックルを傾けるのであった。

JOKER!!

響き渡るガイアウィスパー。
・・・と同時に男の体は黒い風と紫の装甲に包まれた。

「俺の名は左 翔太郎。またの名をジョーカー・・・いや、『仮面ライダージョーカー』!」

こうして、男は・・・いや、『仮面ライダー』はイカ娘の前から去っていった。
そして、お互いは次の『運命』へと進んでいく。

『仮面ライダー』は、EXEと呼ばれる犯罪集団と戦う『運命』へ・・・
そしてイカ娘は、海の家『れもん』にて低賃金で働かされるという『運命』へ・・・。
「・・・って、それじゃあいつもと変わらないでゲソ!!」

・・・まあ、平和な日々をただただ過ごす『運命』というのも一興ではなかろうか・・・と。

おわり

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以上です。
駄文によるお目汚し失礼しました。
0200創る名無しに見る名無し
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2011/09/02(金) 02:25:58.03ID:Od5JqLn0
タイバニとけいおんのクロス投下します
初SSなので稚拙な文章ですがお許し下さい
時系列はタイバニが空白の10ヶ月の初めの方。
オジサンの扱いがまだぞんざいで
バニーはまだツンがありますが角は大分取れた感じです
0201たいばに!
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2011/09/02(金) 02:28:34.23ID:Od5JqLn0
<シーン1:ロイズのオフィス>

虎徹「日本に出張ですか?!」
ロイズ「そう。今度シュテルンビルドが日本の京都市と姉妹都市の提携を結んだのは知ってるよね? 
その記念イベントの一環として、来月シュテルンビルドの顔でもあるヒーローに来て欲しいと向こうさんからのお願いでね」
虎徹「なるほど、でもそんな話が俺の所に来るなんて珍しいですね。
普通バニーとかスカイハイ辺りが呼ばれそうだと思ったんで…」
ロイズ「本当の事を言うとね、向こうさんからはその二人をリクエストして来たんだけど。
こちらとしてもトップヒーローが二人抜けるとHERO TVが盛り上がらないんで困るの。
それで君は日本語ができるみたいだから、現地での通訳代わりをするということで勘弁してもらったんだよ」
「つまり君はバーナビーのおまけなんだから、彼の足を引っ張るような余計なことはせず、
しっかりサポートして欲しいの。分かった?」
虎徹「あ〜っ、やっぱそんなオチでしたか…」
ロイズ「不満があるの? 嫌だったら辞めてもらってもいいんだよ?」
虎徹「いえ。鏑木・T・虎徹、京都出張の辞令しかと承りました!」
ロイズ「そう、じゃあ分かったらさっさと仕事に戻ってくれる」(追い立てるように手をシッシしながら)
0202たいばに!
垢版 |
2011/09/02(金) 02:30:43.57ID:Od5JqLn0
<シーン2:休憩室前の廊下>

虎徹「ったくロイズさんももう少し言い方ってのがあんだろうに。でも京都か…、高校の時の修学旅行以来だな。
あん時はよその学校の生徒とモメて、友恵の奴にえらい怒られたっけ」(思い出すようにニヤつきながら)

“ウィーン”(休憩室のドアが開いて入る)
虎徹「オッス!おっはよー!!」
(背後に折紙サイクロンが音もなく近づいてくる)
折紙「タイガー殿…」
虎徹「うわ! 朝から驚かせんなよ折紙っ」
折紙「これは大変申し訳ないでござる。(土下座をしながら)改めてタイガー殿にお願いがござる。
この度の京都出張の件、ぜひ自分と代わって頂きたいのです」
虎徹「おい折紙、みんな見てるから頭上げろよ。お前いくら日本好きとはいえ、そこまでして行きたいのか?」
折紙「もちろんでござる! 京都といえば日本文化の総本山とも言える地。
その真髄を極めるためにぜひとも足を踏み入れたいのでござる」
虎徹「どうせ向こうに行っても役所とかに顔出すぐらいだろうし、観光するヒマなんてないと思うぞ。
後、ぶっちゃけ俺はバニーの通訳代わりなんだよ。お前日本語なんてしゃべれないだろ?」
折紙「うぐぐ…それは確かに…」
虎徹「そうだ!お前におみやげ買ってきてやるよ。新撰組のハッピとかどうだ?」
折紙「おお、かたじけのうござる!」
ネイサン「あらあらそれは聞き捨てならないわね」
キッド「折紙さんばっかりずるいよタイガー!」
虎徹「分かった分かった、みんなにも何か買ってきてやるよ」
キッド「ボク、美味しい物がいいなー」
ネイサン「私はキモノがいいわ、ゲイシャガールが着ているようなの。ブルーローズは何がいいの?」
ローズ「わ、私(アセアセ)、私は何でもいいわよ…(小声で)アンタのくれるものだったら…」(顔を赤らめる)
虎徹「ん?まぁ何でもいいんだな。じゃ適当に考えとくわ」
ネイサン「(も〜ニブチンなんだから)」

“ウィーン”(再度ドアが開く)
バニー「オハヨー、コンニチワミナサン」
虎徹「うわっ! どうしたんだバニーそのカタコト日本語は」
バニー「何って日本語の練習ですよ。今回の訪問はシュテルンビルドとヒーローの好感度を上げるのが狙いですからね。
だったら現地の言葉で挨拶ぐらいは言えたほうが効果的でしょ」
虎徹「確かにそうだけどよ。ちょっとお前らしくないっていうかさ…」
バニー「そうですか? 僕は仕事に関して無駄は嫌いますが、常に全力投球です(キリッ!)」
虎徹「(やっぱお前何か変わったよ)」
0203たいばに!
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2011/09/02(金) 02:33:08.36ID:Od5JqLn0
<シーン3:飛行機の機内>

虎徹「そんで、折紙の奴がハッピ、ファイヤーエンブレムが着物…は高くて無理だからこいつもハッピでいいや。
アントニオが日本酒で、ブルーローズは櫛かカンザシ辺りがいいかな…」
「キッドは食いモンがいいって言ってたから八つ橋にでもすっか。スカイハイのリクエストが“日本的で気持ちが込もったもの…”
何だこりゃ? 面倒だからこいつも八つ橋だな。後、楓には何すっかな…」
バニー(日本語で)「ずいぶん熱心ですね。普段の仕事もそれぐらいやってくれればいいんですけど」
虎徹「俺はデスクワークは苦手なんだよ…。それにしてもこの短い間に日本語本当上手くなったな〜、俺必要ないんじゃね?」
バニー「集中力の差ですよオジサン」
斉藤「(頭の出来の差だろ…)ブツブツ」
虎徹「ひでーな斉藤さんまで。つーか何で斉藤さんも一緒に来てるんですか」
斉藤「(私がいなかったら誰がスーツやバイクのメンテをするんだよ…)ブツブツ」
虎徹「別に出動するわけじゃないからメンテなんて必要ないでしょ。
あっ分かった、ひょっとして経費で芸者遊びでもしようとか考えてるんでしょ?」
斉藤「(ギクッ!)」

アニエス「ボンジュール、ヒーロー。お話中のところ申し訳ないけど、明日からの予定をもう一度打ち合わせするわよ」
虎徹「お、ちょっと待って」
アニエス「明日空港に着いたらその足で市役所に表敬訪問。
その後記念式典に出席したら、次に地元テレビ局の番組撮りとラジオに生出演」
「翌日午前中は女子高で一日教師。そして…」
虎徹「女子高? そういうのって小学校で子供に囲まれるってのが普通じゃね?」
アニエス「今回の日本行きは内容が正直地味だから、華やかな画が欲しいのよ。
子供をあやしてるよりも若い女の子に黄色い声援を浴びる方が人気者って感じがするでしょ」
「それに先生役はバーナビーで、タイガーあなたは通訳に徹してもらいたいけけど、彼の様子からするとその必要も無くなったわね。
とにかくこれが今回の“HERO TV・イン・ジャパン”のハイライトよ」
バニー「任せて下さい。オジサンは何もしないで大丈夫ですよ」
虎徹「はいはい、じゃあ後ろの方でボケッと突っ立てますよっ。ところで何て名前の学校なんだ?」
アニエス「え〜と確か、桜高校とか言ったわね…」
0204たいばに!
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2011/09/02(金) 02:36:01.32ID:Od5JqLn0
<シーン4:朝の通学路>

律「おっはよ〜!ムギー!」
澪「おはようムギ」
紬「おはよう律ちゃん、澪ちゃん」
律「でも珍しいな、いつも朝早いムギがこんなギリギリの時間に来るなんて」
澪「お前がいつまでも寝ているから、私たちもこんなギリギリの時間になったんだろ!(コツン!)」
紬「クスクス、二人共朝から仲がいいわね。昨日お父様が海外で重要なパーティーがあるんで、お母様や執事の斉藤も連れて出張に行ってしまったの。
それで少し羽を伸ばして夜更かししてたら、朝寝坊しちゃったわけ。でもたまにはこういうのもいいわね〜」
唯「おっはよ〜みんな!」
律「唯はいつもギリギリだな〜」
唯「そんなことないよ。今日はいつもより1時間早く起きたんだけど、ギー太を弾いてたらこんなに遅くなっちゃただけだよ」
澪「それじゃ全然早起きの意味ないぞ」
唯「そういえば律ちゃん、昨日さわちゃんが言ってたけど、
今日学校に外国から“ひーろー”の人が来るんだってね。何だろうねひーろーって?」
律「確かにそんなこと言ってたな。後、テレビの撮影も来るらしいぜ」
唯「テ、テレビ! 律ちゃん隊員、これは放課後ティータイムが海外デビューするきっかけになるかも!!」
澪「それは飛躍し過ぎだぞ唯。でもヒーローって一体何だろう?」
律「あれじゃないのか? 日曜の朝とかにやってる何とかレンジャーとか何とかライダーの着ぐるみが来て、
ヒーローショーでもやるんだろ」
澪「小学生じゃないんだから」
律「んで、全身タイツのショッカーが人質とか言って、観客の中からステージに連れて行かれるんだよ。
澪なんかリアクションがデカいから格好の餌食だな(ニヤニヤ)」
澪「や、やめろ! そんな恥ずかしいことできるわけないだろ!!」
紬「ひょっとしたら、中の役者さんの方が来るのかもね」
律「テレビが来るぐらいだからそっちかもしんないな。さわちゃん昨日“明日は何着ようかしら”なんて浮かれてたし」

(門を抜けて校内に入る。校庭に機材車やヒーロー用の大型移動車が止まってる)
唯「お〜、はりうっどせれぶって感じだね〜」
紬「どんな人が来るんだろうね美人の女優さんかな?」
律「いや昨日のさわちゃんの反応からすると、多分イケメン俳優じゃないのか」
(チャイムが鳴る)
澪「やばい! みんな急がないと!!」
0205たいばに!
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2011/09/02(金) 02:37:33.54ID:Od5JqLn0
<シーン4:講堂>

校長「…ということで我が京都市とシュテルンビルド市の姉妹都市提携が結ばれたわけであります。
それを記念して今日は同市の平和を守るヒーローに来てもらい、一日教員を務めてもらうことになりました」
(壇上でヒーロースーツを着て並ぶタイガー&バーナビー)
唯律澪紬「「「「こっちの方かよ!」」」」
律「何だよヒーローショーの方かよ。その内ショッカーが出てくるぞ〜」(澪に向って言う)
澪(耳を押さえながら)「(いやだいやだ、見えない聞こえない…)」
さわ子「どうしたの秋山さん?」
澪「あ、いえ、大丈夫です…」
さわ子「それならいいけど。今日はテレビも来ているんだから、変なとこを見せないようにね」

校長「それではご紹介します。まずこちらがバーナビー・ブルックスjrさん」
(バニー、マスクを取る。黄色い歓声が響く)
女生徒たち「キャー!」「素敵ー!」「マジイケメーン!!」
さわ子「カッコイイー!」
律「アンタもはしゃぎ過ぎだっつーの」

校長「続いてはワイルドタイガーさん」
(虎徹、マスクを取る。生徒達リアクションに困ったように一気に静かになる)
女生徒たち「何かパッとしないわね」「っていうかオッサン?」「あのアイマスク、だっさー」(ザワザワ)
虎徹「(はいはい、大体予想はしてましてたけどね…)」
0206たいばに!
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2011/09/02(金) 02:38:18.75ID:Od5JqLn0
<シーン5:移動車内>

アニエス「挨拶も終わったところで、次は2時限目からバーナビーの授業風景ね。内容はその台本に書いてあるから、臨機応変にアドリブを効かせてくれたらいいわ」
 「授業が終わったら生徒たちと一緒に学食でランチ。その後は昼休みに校庭で生徒たちと談笑しているカットを撮って終了ね」
虎徹「おいアニエス、俺は何をしたらいいんだ?」
アニエス「通訳の必要が無くなったから、タイガーには出番はないわ。次の現場までその辺で待機しててちょうだい」
虎徹「じゃあ、せっかくのいい天気だし校庭で昼寝でもさせてもらうかな」(背伸びをしながら)
アニエス「タイガー、一応ここ女子高だからうろちょろして痴漢扱いされないようにね」
虎徹「しねーっつーの。ったく人のこと何だと思ってんだよ」(ブツブツ)
0207たいばに!
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2011/09/02(金) 02:39:16.76ID:Od5JqLn0
<シーン6:昼休み、中庭に面する渡り廊下>

唯「それにしても学食、凄い人混みだったね〜」
澪「ヒーローの人、メガネしてるな〜ぐらいしか分かんなかったよ」
梓「私なんて顔すら見えませんでしたよ」
律「梓はお子ちゃまだから、肩車してやれば良かったかな?」
梓「律先輩に言われたくないです。精神年齢はお子ちゃまのくせに」
律「何だと〜中野〜!!」
紬「それにしてもさわ子先生、ヒーローの人にベッタリだったね」
律「生徒差し置いて隣の席をがっちりキープしてたもんな。テレビ局の人も若干引いてたし」
唯「あずにゃん、ねぇあれ…」(中庭の方を指差して)
梓「ヒーローのもう一人の方ですね」
律「はは〜ん、相方ばかり目立ってるから、ふて腐れて昼寝でもしてるんだな」(中庭に下りて近づいて行く)

(虎徹の周りで)
唯「このおじさん全然起きないよ」
梓「この目に付けてるのアイマスクですかね」
律「そうだいいこと思いついた!」(アイパッチに手をかける)
澪「おい律やめろよ!」
律「大丈夫だってこんなによく寝てるし、当分起きないよ」(アイパッチを外す)
梓「何か普通…ですね…」
紬「ちょっと渋くていいかも〜」
律「そうか?」
(虎徹目を覚ます。アイパッチの無いことに気づいて)
虎徹「わ〜!!」
唯律澪紬梓「「「「「ひぃ〜!」」」」」
虎徹「まさかお前ら素顔を見たのか…」
(唯律澪紬梓、首を振って見てないとアピール)
虎徹「いいかヒーローにとって正体を知られるということは死を意味する。そしてそれを逃れるためには、見た人間を死に…」
唯律澪紬梓「「「「「ごめんなさ〜い」」」」」
虎徹「…ってのは嘘だがな。まあ悪気が無いなら構わないさ。
ただ正体が知られると困る人が俺以外にも沢山いるから、そこは秘密にして欲しいんだ」(アイパッチを着けながら)
唯「ごめんねおじさん」
虎徹(時計を見ながら)「しかしよく寝たな〜、もう昼かよ」
紬「あの〜もし良かったら、おわびに部室でお茶でも飲んで行きませんか?」
唯「そうしなよ〜おじさん。美味しいケーキもあるよ」
虎徹「いいっていいって、若い子がそんな気ぃ使わなくたって」(グ〜っと腹の虫が鳴る)
唯「お腹は正直だね」
虎徹「じゃあ、せっかくだからご馳走になりますか」
0208たいばに!
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2011/09/02(金) 02:40:55.65ID:Od5JqLn0
<シーン7:校外、塀の外より>
SP1「こちらSP1号、お嬢様はTVクルーらしき男と会話中。ただしご学友と一緒なので問題はない様子」
SP2「了解。そのまま監視を続けるように…グワッ!!(ザーザー)」
SP1「どうしたSP2号。SP2号…」
(背後から影が迫り、振り向いた瞬間に鞭状の物体が叩きつけられる)“ボカッグシャッ”
暴漢(SPの通信機を手に取り)「そちらの様子はどう?」
手下「チョロいもんでしたよ。でもアニキ、本当にやるんですか? テレビ局も来ているようですが」
暴漢(以下アニキ)「何言ってんの。いつもだったらこの何倍のガードが付いてるのよ。
せっかくのチャンスにビビってんじゃないの! それじゃこいつらを車のトランクにでも詰めといて、次の予定を行くわよ」

<シーン8:軽音部部室>

虎徹「じゃあ君たちは軽音部の部員なんだ」
唯「放課後ティータイムってバンドをやってるんだよ〜。カッコイイでしょ〜」
澪「自分で言うな」
紬「お茶もう一杯いかがですか?」
虎徹「ありがとう頂くよ(どっかで聞いたことあるような声だな…)」
 「でもロックなんて久しく聴いてないな…」
律「おじさんだから演歌ばっかりじゃないの〜?」
虎徹「いくらおじさんでも、まだそんな歳じゃないよ。家じゃレゲエとかジャズが多いかな。でもおじさんだから昔のばっかりだけどな」
梓「(おお渋い!)」
“ピンポンパンポ〜ン”(校内放送のチャイム)
校内放送「3年2組の琴吹さん、ご家族の方よりお電話が入っております。至急職員室までいらして下さい」
澪「何かあったのかな?」
紬「おかしいわね、携帯の方にはメールも着信もないんだけど…」
“ピロロ〜ン!ピロロ〜ン!”(虎徹のブレスレットのコールサイン)
アニエス「ちょっとタイガー! アンタどこでサボってるの!! そろそろ撤収の時間だから、さっさと戻って来なさい!」
虎徹「わかったよ、すぐ戻るからさ」(ブレスレットの通話を切る)
唯「おじさんの携帯凄いね〜」
虎徹「これはヒーロー用の通信ブレスレットさ。テレビ電話にGPS、生命反応まですぐに分かることができる優れものさ」
唯「お財布機能は付いてるの?」
虎徹「お、サイフは付いてないかな…。じゃあ怖いオバサンに怒られちゃうから、そろそろ戻るな」
紬「私もちょっと行ってくるわね」
0209たいばに!
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2011/09/02(金) 02:41:39.28ID:Od5JqLn0
<シーン9:校庭>
虎徹「悪ぃ悪ぃ、待たせたな」
バニー「一体どこで油売ってたんですか」
虎徹「女子高生とアフタヌーン・ティータイムさ」
バニー「はぁ?」

(ムギが校門に向ってやって来る)
虎徹「どうした何かあったのか?」
紬「お父様の会社の方から連絡があって、出張先で両親が交通事故に逢ったみたいで…」
虎徹「そうか、気をしっかり持つんだぞ」
(部室から軽音部の面々顔を出す)
唯「ムギちゃ〜ん!」
澪「大丈夫か〜、何かあったのか〜?」
紬「大丈夫よみんな〜、また連絡するわね〜」
(虎徹に向って)「すいませんバタバタしちゃいまして。それでは失礼します」

(ムギ校門で迎えを待っている所に車が止まり、何やらモメている様子。そして車の中から二人がかりで引きずりこまれる)
虎徹「なぁバニー、あれってひょっとして…」
バニー「誘拐…です…ね…」
虎徹「バニー! 俺はハンドレッドパワーであの車を追いかける。で、お前は…」
バニー「能力は出さずにバイクで後から追跡ですね」
虎徹「さすがッ!」
(虎徹能力を発動し、猛スピードで追いかける)
アニエス「ちょ、ちょっと一体何があったの?!」
バニー「誘拐事件発生です。僕たちはこれから犯人を追跡します」
(バイクに跨りバニー出る)
アニエス「面白くなってきたわ、いい画が撮れそうね(ニヤリ)」
0210たいばに!
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2011/09/02(金) 23:09:17.75ID:Od5JqLn0

<シーン10:犯人たちの車内>

(誘拐犯は3人。運転席に手下1、後部座席にムギを上半身がアニキ、下半身を手下2が押さえつけている)
手下2「オラッ、ジタバタすんじゃねぇ!」
アニキ「大人しくしてれば危害は加えないわ。これ以上暴れるようなら、どうなるか知らないわよ」
手下1「ア、アニキ! う、後ろから…」
アニキ「どうしたのもう警察に嗅ぎつけられたの?」
手下1「後ろから人が猛スピードで追いかけてきます!」

(ハンドレッドパワーの猛ダッシュで追いつく虎徹。ジャンプして屋根に取り付く)
虎徹「お前ら大人しく車を止めるんだ!」
アニキ「鬱陶しいわね、殺っちまいなさい」
(屋根に向って手下1、2銃を撃つ。しかしハンドレッドパワーには全く通じない)
虎徹「舐めたマネしやがってコノヤロー!」
(虎徹後部座席から撃ってきた弾痕を目印に、屋根をブチ抜き右手を突っ込む。
手探りで手下2の首根っこを締め付け、裸締めの要領で落とす)
(そして右手を抜き再び屋根に張り付き、今度は右前サイドガラスを割り手下1の首根っこをつかむ)
虎徹「このまま締め落として、お前ら全員事故らせても構わないんだぜ。分かったらさっさと止めろ」
アニキ「あんまり調子に乗ってんじゃねーぞゴルァ!」
(屋根をブチ抜き虎徹の腹に強い衝撃が伝わり体勢が崩れ、その勢いで手下1から手が離れる)
虎徹「な、何だ今のは?!」
(追い討ちをかけるように車内から次々と赤い鞭状の物体が、屋根をブチ抜き虎徹を狙うが、何とかかわしている)
虎徹「ひょっとしてこいつは舌?! まさかお前NEXTか」
アニキ「正解。何もNEXTはシュテルンビルドだけにしかいないわけじゃないのよヒーローさん」
 「私はカメレオンの能力を持つNEXT。長く伸びる舌の破壊力は見ての通りよ」
 「で、ここで質問。そのパワーを全開にしてこの子の顔をペロペロしたら、一体どうなると思う?」
虎徹「バカなマネはよせ!」
アニキ「だったらさっさと車を降りなさい。下手に追いかけられても困るから、私たちの進行方向とは反対側に飛び降りるの。
もちろん車は止めないわよ」
虎徹「そんなことしたら俺がケガすんだろうが」
アニキ「ヒーローならそれぐらい問題ないでしょ。それともこの子をペロペロして欲しいの」
虎徹「分かったよ」
(後方に向って後ろ向きで軽くジャンプ。だが地面に付いた反動を利用して車の右後方に張り付き、後部ドアを引き剥がす)
虎徹「俺の手を掴むんだ!」(右手を差し出し、ムギとお互いの手首を掴む)
アニキ「ふざけたマネしやがって!」(舌を虎徹の顔面に叩きつける。その反動で手が離れた際に、ムギの手の中に虎徹のブレスレットが残る)
紬「タイガーさん!」
(車が遠く離れて行く)
0211たいばに!
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2011/09/02(金) 23:11:09.69ID:Od5JqLn0
<シーン11:路上>

(バニーバイクで追いつく)
バニー「ケガはありませんかオジサン」
虎徹「くっそーハンドレッドパワーが無かったら死んでたぞ、アイツら〜」(光が無くなり能力終了。虎徹痛みでうずくまる)
「油断した、奴らの中にNEXTがいる。長く伸びるとんでもない破壊力の舌を持つカメレオンのNEXTだ」
バニー「痛みますか?」
虎徹「能力発動中で肋骨にヒビ入ったぐらいだ。能力無しなら完全に貫通してたな。
だが不幸中の幸いで人質の子に、どさくさ紛れに通信ブレスを渡すことができた。
バレないためにアニエスに俺へのコール発信しないよう連絡してくれ」
バニー「その必要はないみたいです、どうやら追いついたようですよ」
(ヒーロー用移動車が到着)

唯「お〜いおじさ〜ん!」
律「ムギはムギは大丈夫か〜?」
虎徹「おい君たち、何でこの車に?」
唯「ムギちゃんが心配だから、おのおじさんに頼んで乗っけてもらったの」
(後ろでドヤ顔の斉藤さん)
虎徹「ったく、若い女の子に弱いんだから斉藤さん」

<シーン12:移動車内>

バニー「GPSの反応だと連中はここから200メートル先にある廃工場に逃げ込んだようですね」
虎徹「ヤロー、おそらくここが連中のアジトだな。いくぞバニー!」

(ヒーロースーツを装着して登場)
唯律澪梓「「「「おー!」」」」
梓「こうして見ると意外とカッコ良く見えますね」
律「中身はあのおじさんだけどな」
唯「おじさん、ムギちゃんを助けて」
虎徹「ああ任せとけ! 必ず助け出してやる」
斉藤さん(マイク越しに)「行っくぜーテメエらー、あのクソ野郎どもをケチョンケチョンに潰してやれ!」
虎徹「相変わらずマイク越しだと声でかいなー斉藤さん。後、女子高生の前だからって張り切り過ぎっ」
バニー「大丈夫ですか?」
虎徹「平気平気、体が丈夫なのが俺のとりえさ」
バニー「そうでなくて、もう少し待って能力が復活してからの方がいいのでは?」
虎徹「年頃の女の子があんな無法者に捕らわれてるんだ。どれだけ心細いか分かるだろ。だから早く助けてやらないとな」
バニー(しょうがないなという顔をしながら)「分かりました。まぁ能力使えなくて大変なのはオジサンですからね」
虎徹「その一言が余計なんだよ」
0212たいばに!
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2011/09/02(金) 23:12:27.34ID:Od5JqLn0

<シーン13:廃工場外>

虎徹「バニー、配置に着いたか」
バニー「ええ、見晴らしはいいですよ」
虎徹「もう一度作戦の確認だ。お前は天井から潜り込み、俯瞰で敵と人質の位置を確認。そして情報を俺に伝えたら…」
バニー「オジサンが囮として入り口から突入。敵を引きつけ人質の見張りが手薄になったところで僕が突入…」
虎徹「人質を確保したらバニーはそのまま安全な場所まで届けて、再び戻り犯人逮捕って寸法だな」
バニー「でも大丈夫ですか能力無しの状態なのに囮なんて」
虎徹「あのカメレオン野郎から逃げ切るには、お前のハンドレッドパワーが必要なんだ。
それにヒーロースーツを着てるから、重火器さえ無ければ何とかなる。ただあの舌にどれぐらい耐えられるかはわからんが…」
(バニー索敵中)
バニー「やっぱりまだ仲間はいたようです。犯人は全部で6人。武器はせいぜい拳銃ぐらいですね」
虎徹「よし、じゃあ行くか!」
0213たいばに!
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2011/09/02(金) 23:13:49.43ID:Od5JqLn0

<シーン14:廃工場内>
アニキ「…そう娘の声は聞いたでしょ、これは冗談ではないの。娘の命が大切なら3億ぐらいアナタたちにははした金でしょ。もし警察に連絡したり妙な真似をしたら分かるわよね。じゃあ受け渡し方法は追って連絡するわ」
 「さすが大企業のオーナー社長さんね。3億の身代金を快くポンッと出してくれるそうよ。いいわね、愛・さ・れ・て・て」
(ムギ、タイガーのブレスレットを握り締めながら目を逸らす)

“ゴゴゴッ”(工場の表扉が開く音)
虎徹「変態野郎が愛を語るなんてゾッとしかしねぇよ!」
 「ワイルドタイガー参上! ワイルドに吼えるぜ!!」
アニキ「お前らアイツを穴だらけにしちまいな!」
(手下が一斉に発砲するも装甲が弾丸を弾く。ワイヤーガンを天井の梁に引っ掛け手下達の裏側に回りこみ5人を一気に片付ける)
アニキ「くそっ」(ムギを再び人質に取ろうと振り向く)
虎徹「させるかよ」(ワイヤーガンをアニキの体に引っ掛け、自分の方に引っこ抜く)
 「今だバニー!」
(バニー、ハンドレッドパワーを発動しムギを確保。そのまま窓を破り表に出る)

虎徹「これで心置きなくテメーをぶっ飛ばしてやれるな」
(アニキ、キョロキョロ見回しながら逃走ルートを探す)
バニー(アニキが逃げようとしたルートを遮り)「人質はもういない大人しく投降しろ」
アニキ「クソ野郎どもが、せっかくの計画を台無しにしやがって。テメーらだけは必ずブチ殺してやる!」
(アニキの姿が消え、二人が周囲を見回してる死角から舌が襲いかかる)
バニー「何て威力だ、早く対抗策を出さないとパワーが無くなる…」
虎徹「お前は能力+スーツだから大して効かないだろうけど、俺はもう限界だぞ。畜生、カメレオン野郎だけに姿も消せるってわけか…」
バニー「今何て言いました?」
虎徹「いや、もう限界だって…」
バニー「じゃなくてその後の方!」
虎徹「カメレオン野郎か?」
バニー(指で耳をちょいちょいする仕草をしながら)「虎徹さん!」
虎徹「そうか!」
アニキ「緑の奴はもう限界か、だったらお前から地獄に送ってやる」
(タイガーの顔面に向って舌を叩きつけるが、右腕で舌をつかまれる)
虎徹「やれ!バニー!!」
(バニーの跳び蹴りがアニキのみぞおちにヒットする)
アニキ「グワー!!」

(アニキと手下たちを拘束しながら)
虎徹「これでもう逃げられないだろ」
アニキ「な…なぜ、俺の場所が分か…ったんら…」
バニー「それはお前がカメレオンの能力だからさ。
確かにカメレオンは保護色を使い周りと同化して姿を消すが、完全に姿を消失するわけではない」
虎徹「そう、目に見えない痕跡は出っぱなしなわけだ、例えば体温とかな」
バニー「そこでカメラのモードをサーモグラフィーに変えたところ、お前の姿はバッチリ映っていた」
虎徹「日本じゃその程度で無敵かもしれんが、俺達ヒーローには通用しないんだよ」
0214たいばに!
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2011/09/02(金) 23:15:11.75ID:Od5JqLn0
<シーン15:夕刻、警察署前>
虎徹「あ〜あやっと開放されたな。ったく何で警察ってのはあんなに取り調べが長いんだ、俺達は悪人を捕まえてやったんだぞ」
バニー「NEXT犯罪もヒーローが逮捕するというのも日本では初めてのケースですからね。
警察もどう扱っていいか分からないんでしょ」
虎徹「おかげで午後からの予定が全部キャンセルになっちまったな」
バニー「アニエスさんも色んなとこにお詫びの電話入れて大変そうでしたね」
虎徹「そっか〜? あの目は美味しい画が撮れてうれしいって感じだったぞ」
さわ子「あの…」
バニー「あの子たちの先生じゃないですか。一体どうされたんですか?」
さわ子「実は生徒たちが、二人にどうしてもお礼がしたいと言いまして。
よろしかったらまた学校の方までいらしてもらって構いませんか」
虎徹「いいんじゃないのか。どうせ後はホテルへ帰るだけだったし。なーバニー」
バニー「ええ構いませんよ」

<シーン16:軽音部室>

紬「今日は危ないところを助けてもらってありがとうございます」
唯「みんなでどうやってお礼をしようか考えたんだけど」
梓「だったらこの軽音部らしく、お茶とお菓子と私達の演奏で二人をおもてなししようと思ったんです」
虎徹「そうか楽しみだな」
紬「じゃあ1曲目『HONEY SWEET TEA TIME』です」

(演奏終了)
“パチパチパチ”(拍手)
バニー「なかなか染みる演奏でしたよ」
虎徹「(また白々しいことを。こいつ前にブルーローズのラジオで『僕はクラシックしか聞きません』とか抜かしやがったくせに。
あの後ブルーローズの奴にどんだけ文句言われたか…)」
 「あーっ!」
バニー「どうしたんですか変な大声出して」
虎徹「今思い出した。この子の声どっかで聞いたことあるなって考えてたんだけど、ブルーローズに似てるんだよ」
バニー「そう言われれば確かに」
紬「ブルーローズ?」
律「ひょっとしておじさんの彼女?」
虎徹「違う違う。俺達の仲間のヒーローで、普段は君達と同じ歌の好きな女子高生さ。
どっちかと言えばウチの娘の方が年近いから、俺から見たら子供みたいなもんだよ」
紬「お子さんいらっしゃるんですか…」
澪「なぁ律、ひょっとしてムギのやつあのおじさんのこと…」
律「そうか? でも…」

虎徹「そういえばバニーよ、お前俺にサーモグラフィーのこと伝えようとした時に『虎徹さん』って言ったな」
バニー「そんなこと言ってません」
虎徹「いや確かにこの耳で聞いた」
バニー「頭の回転も鈍いかと思ったら、耳まで遠くなったんですか。本当しょうがないオジサンですね」
虎徹「お前も素直じゃない奴だな。分かった、じゃあもう一度言ってくんない?」
バニー「お断りします」
(ヤイノヤイノ)

律「でも…」
紬「(結婚してたのは残念だけど…。でも男の人が仲良くしてる姿って、何か凄くいいかも…♪)」
律澪「「ムギが何かに目覚めつつある!」」

終わり
0216創る名無しに見る名無し
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2011/09/09(金) 23:01:20.27ID:GvuIWMNa
ここでまどかとらんまのクロスオーバー連載してもいいでつか?
0218魔法少女?らんま☆マギカ 1-1
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2011/09/10(土) 03:03:13.93ID:JesIZFzu

一人の少女が暗い路地裏を一人で歩いていた。

中学生か高校生ぐらいだろうか、大人以上に育った胸を窮屈そうに制服にしまいこんでいる。

その手のひらには黄色い石が乗せられていた。

石は、裏路地のわずかな明かりを反射して鈍い光を放つ。

「反応なし…ね。」

独り言を小さくつぶやき、少女はあたりを見回した。

闇の中で鮮やかな金髪が輝き、縦ロールが小さく揺れる。

「…あっ」

少女は何かに気がついたように急に立ち止まった。

人気のない裏路地とはいえ、繁華街の一部だ。

メインストリートのざわめきが鳴り響き、小さな音はほとんどかき消されてしまう。

しかし少女は鋭く、ほんの小さな音を、ごくわずかな気配を見逃さなかった。

「出てきて、怖がらなくていいから。」

少女は中腰になり、ビルの室外機に視線を向けた。

そしておだやかな表情で微笑む。

「ぴっ!?」

小動物らしい高い声がした。

少女はゆっくりと足音を殺して室外機の裏に回り込む。

そこには黄色いスカーフを巻いた小動物がいた。

小柄な体躯、平べったい鼻。猫でもない、犬でもない。

「あら、珍しい。」

少女は思わずうれしそうな声を上げた。

ぶっそうな裏路地を徘徊する行動とは裏腹に、歳相応の少女らしく可愛いものは好きなようだ。

なかば強引に、少女はその小動物を持ち上げる。

「かわいい小豚さんね。」

その小動物…黄色いスカーフを巻いた小豚ははじめはジタバタと抵抗していたが、少女の胸に抱きしめられると急におとなしくなり抵抗をやめた。
0219魔法少女?らんま☆マギカ 1-2
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2011/09/10(土) 03:05:25.83ID:JesIZFzu

(どうしよう?)

少女は小豚をながめながら首をかしげた。

街では普通見ることもない小豚、しかも黄色いスカーフが首に巻かれている。

ほぼ確実に誰かのペットだろう。

近くに飼い主らしき人は見当たらない。

この場合、やはり警察に預けるべきだろうか。

しかし、少女としては警察に届けるのは気が引けた。

そのひとつの理由はこの可愛い小豚を少しでもながく愛でていたいということ。

そしてもうひとつ、女子中学生が夜中に一人で裏路地をうろついていたと
分かれば、補導されかねないということだ。

優等生として知られている少女は、できればそういう事態は避けたかった。

(一日くらい預かっても、悪いことにはならないわよね?)

庇護欲と規範意識のはざまで、少女はこの小豚を自宅に連れて帰ることにした。



住宅地の中にある家族向けマンションの、『巴』というプレートのある部屋に
少女は入っていく。

「おなか減ってるでしょう? ちょっと待ってて。」

少女は、小豚をリビングに下ろすと台所に向かった。

そしてしばらくしてスープ皿に入れたミルクを小豚の前に置いた。

「ぴぃ?」

小豚は戸惑ったように、上目づかいで少女を見つめる。

少女は小豚の視線に、にっこりと微笑みを返した。

すると小豚は意を決したようにミルクを舐めはじめた。

ミルクは弱めにレンジで温めている。

この温度ならおなかを壊すことはなく、熱くて飲めないようなこともない。

ミルクひとつにもなかなか気配りがきいている。

「あら?…変な子ねぇ」

少女はつぶやいた。

なぜなら、小豚はまるで感動したかのように目から涙をこぼしつつ、
ミルクをすすっているのだ。
0220魔法少女?らんま☆マギカ 1-3
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2011/09/10(土) 03:06:54.77ID:JesIZFzu

人間以外の動物も、ホッとしたり安心したときに涙を流すのだろうか?

少なくとも少女の知識の中において、そんなことはない。

動物が涙を流すのは乾燥や汚れから目を守るため――

(あっ!)

少女はふいに何かに感づいた。

「ちゃんと体を洗ってあげないと目も痛いわよね。
ごめんね、すぐに気づかなくて。」

「ぴっ ぴ!?」

小豚はあせるように声を出したが、少女は気にも留めず、風呂場へ行った。

シャワーの音が小豚の耳に壁越しに聞こえる。

少女は、再び小豚の前に現れると身構えさせる間もなくつまみ上げた。

「ぴーっ! ぴーっ!」

小豚は激しく抵抗するが、少女はただの女子中学生とは思えない強い腕力で
押さえつけてくる。

「大丈夫よ。お風呂ってとっても気持ちいいんだから、怖がらないで。」

そして、少女は小豚を風呂場へ運び、浴槽に浅く張られた湯の中に放り込む。

少女は小豚の様子をろくに確認もせずに、すぐに風呂場の扉を締めて
着替え始めた。

「ちょっと待っててね。わたしも一緒にシャワー浴びるから。」

いそいそと少女は衣服を脱ぐ。

可愛いペットと一緒にお風呂、そんな平和な日常に少女は憧れていた。

だから、こうして気持ちをはやらせる。

少女はそそくさと衣服を脱ぎ捨て、そして再び風呂場の扉をあけた。

 ガチャリ

「…」

「…」

扉を開ける音を最後に、空気が固まった。

おかしい。

お風呂場には可愛い黒い小豚以外いないはずだ。

では、今目の前にうつるこの青少年は何なのか?
0221魔法少女?らんま☆マギカ 1-4
垢版 |
2011/09/10(土) 03:08:50.23ID:JesIZFzu

 ガチャン

少女はいったん扉を閉めて、大きく深呼吸をした。

(おちつくのよ、マミ。魔女との戦いで疲れたからってあんな幻覚を
みることないじゃない。冷静に、冷静になるのよ。)

気を取り直してもう一度、少女は扉を開ける。

 ガチャリ

そこにはやはり、全裸の謎の青少年が居た。

いや、正確には全裸ではなく頭に黄色いバンダナを巻いているが。

「そ、そのっ! せめて服は着るべきだと思う。」

謎の青少年は目を泳がせながら言った。

(しゃべった!? これはわたしの幻覚じゃないの?)

だとすれば一体…

「あっ!」

ここにきてようやく、少女は自分が男子の前に裸体をさらしているという
事実に気がついた。

「きゃああああっ! チカン! 変態!」

金切り声をあげ、凄い勢いで少女は風呂場から逃げ出した。

**************************

「…変身体質?」

けげんな顔で、少女は言った。

「俺だってこんなバカバカしい話、信じたくもない。だがな―」

少女と向かい合う青年は、そう言って自分の頭にコップの水をかけた。

 カコンッ

ヤカンが宙を舞って床に落ち、青年の姿は消えた。

その代わりに、黒い小豚が青年の座っていた場所に現れる。

「信じられない…けど、信じるしかないみたいね。」

少女はその小豚に、こんどはヤカンのお湯をかけた。

立ち上がる湯煙に隠れるように、先ほどと同じ青年の姿が浮かび上がる。

「でも、どうしてそんな体質になったんですか?もしかして、魔女の呪い…?」

少女は質問した。

少女にはこういった非常識なことには少しだけ心当たりがあったからだ。
0222魔法少女?らんま☆マギカ 1-5
垢版 |
2011/09/10(土) 03:10:54.06ID:JesIZFzu
「いや、そんなメルヘンなものじゃない。」

しかし青年はきっぱりと否定した。きっと『魔女の呪い』をおとぎ話か
少女アニメの中のものだと思っているのだろう。

「俺はこう見えても武闘家でな、修行の旅をしている。こんな体質になって
しまったのは、中国で修行をしていた時に呪いの泉とやらに落ちてしまったせいだ。」

『呪いの泉』それこそが魔女の呪いではないのか、少女はそう思ったが
口には出さなかった。

この世に実在する魔女のことを語ったところでどうせ少女アニメにでも
影響されたおかしな子だとしか思われない。

相手の言っていることも非常識なのだから信じてもらえるなどと余計な
期待はしない方がいい。

人は、見たものしか信じないのだから。

私だって、見なければ彼の変身体質など信じようとも思わない。

そう考えて、少女はこれ以上話すことはないと判断した。

「そうなんですね。…いきなりさらっちゃった上にチカン扱いしてしまって
すいませんでした。」

少女は話を終わらせるためにまとめはじめる。

「いや、むしろ世話になったな。服まで借りてしまって。」

青年も長居をするつもりはないらしい。

話が終わったと判断してそそくさと立ち上がる。

「いえ、着る人のいない服ですから。もらってくれて構いません。」

「じゃあな、ミルクうまかったぜ。」

青年は手を振って玄関から外へ立ち去った。

(『ミルクうまかったぜ』か…)

少女はそんな台詞を堂々と男らしく言う青年におかしさを感じた。

(でも、悪い人じゃなかったみたいね。)

もしかしたら秘密を打ち明けても信じてもらえたかもしれない。

そんなほのかな後悔が少女の胸に去来する。

「名前ぐらい、聞いておいてもよかったのかな?」

ひとりぼっちの広い部屋で、少女はちいさくつぶやいた。
0223魔法少女?らんま☆マギカ 1-6
垢版 |
2011/09/10(土) 03:12:50.07ID:JesIZFzu

「あかねさん…」

重い荷物を背負いながら、男はちいさくつぶやいた。

男は見知らぬ町を歩いている。

右も左も分からない、まるで迷路のような町だ。

こんな状況の時、彼の心をはげますもの、それは今口ずさんだ『あかね』
という女性の存在だった。

しかし今日は不思議と『あかねさん』の顔は思い浮かばなかった。

かわりに一昨日会った少女の顔が思い浮かぶ。

少女といってもおそらく2つか3つぐらいしか歳は変わらないだろう。

小豚となった自分をもてなしてくれた優しい少女だった。

正体を知っても丁寧に対応してくれた。

もしご両親にでも見つかっていればえらいことになっただろうに…

そこまで考えたところで、男の頭の中に疑問が浮かんだ。

なぜあの時、彼女の家族はいなかったのか?

独断でペットを拾ってきたというのに誰かをはばかる様子もなく堂々と
自宅に入っていったのはなぜか?

それに貸してくれた男性物の衣服についても「着る人がいない」と言っていた。

もしかして、彼女は家族もおらず、ひとりで暮らしているのだろうか?

男は、少女に同情をいだいた。

何ヶ月も親が家に帰ってこない、彼はそんな家庭環境で育ってきた。

男子らしいたくましい態度していながら、男は孤独に暮らすことの寂しさを
よく知っていたのだ。

「…」

『あかねさん』の名をつぶやくように、男は少女の名前をつぶやこうとしたが
できなかった。

少女の名前を知らなかったからだ。

「名前ぐらい、聞いとけばよかったな。」

男はそんな独り言を虚空に放した。

あたりは人気のない倉庫街。

何の答えも返ってくるはずもない。

しかし、異変は起こった。
0224魔法少女?らんま☆マギカ 1-7
垢版 |
2011/09/10(土) 03:15:06.56ID:JesIZFzu
突如、目の前に西洋の城のような岩壁が広がり、ニョキニョキと地中から
石柱が生えてくる。

「な、なんだ、これは!?」

あまりのわけの分からなさに混乱する男のまわりに、石柱がまるで生き物の
ように集まってくる。

よく見れば空中にもいくつかの石柱が浮かんでいる。

いつの間にか彼は、すっぽりと石柱に囲まれてしまった。

(よく分からんが、なんだかやばそうだ。)

男は、迷わず石柱に人差し指をぶつけた。

「爆砕点穴!」

叫び声と同時に石柱はこっぱみじんに砕け散る。

「よし、いける!」

そう判断した男は、次々に石柱を破壊していった。

指に触れただけで硬い石が粉々になっていく。

もしこの場に第三者が居たなら、この異空間に負けず劣らず男の存在も
異様に感じたことだろう。

ついには無数にあった石柱のほとんどが消え去り、巨大な甲冑が男の目の前に現れた。

「お前がこいつ等のボスか? なんだか知らないがここから出しやがれ。」

彼の身長の何倍もあろう相手にも、男はまったくひるむことなく凛として言った。

しかし甲冑は聞く耳もないといった様子で、巨大な剣のような腕を男に振り落とす。

それに対して男は、なぜかベルトをするするとズボンから抜いた。

そして、頭上へと落ちてくる馬鹿でかい刃物に対してそのベルトを振りかざす。

不思議なことに、ベルトは鋼鉄のように固くまっすぐに伸び、丈夫な短刀と
なって巨大な剣を止めた。

「妖怪ふぜいが、俺にケンカを売ったことを後悔しな!」

男は甲冑妖怪の刃物状の腕を払いのけると一気にそのふところに飛び込んだ。

そして、甲冑妖怪をベルトで滅多切りにする。

しかし、斬れているのは外側の布切れの部分だけで、内部の鎧はほとんど
傷ついていない。

「くっ、硬い!」

男がそうしている間にも、甲冑妖怪は両腕をクロスさせて男を逃がさないように
しながら、その刃物のような腕で抱きしめようとする。

もちろん、抱きしめられたら男は十字型の切り後を残して四つに裂かれることだろう。
0225魔法少女?らんま☆マギカ 1-8
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2011/09/10(土) 03:22:28.32ID:JesIZFzu
「…まったくムカつくぜ。なんでこんなわけのわからないことに
巻き込まれなきゃならねーんだよ。」

男はベルトでの攻撃をやめ、うつむき立ち尽くす。

甲冑妖怪はそれをあきらめととったのか、一気に腕を内側に、
男を切り刻むように抱きつこうとした。

その時、

「獅子咆哮弾!」

強大な閃光が立ち上がり、とてつもない重量をもって甲冑妖怪の頭上に
降り注いだ。

甲冑は押しつぶされ、周りの地面が隕石の落ちた後のクレーターのように
大きく陥没する。

「…ふぅ」

閃光が去り、男はため息をもらした。

足元に転がる甲冑はもはや原型をとどめず、ただの鉄くずに成り果てていた。

男はあらためてあたりを見回す。

相変わらず、あたりは城壁に囲まれた中世欧州の城のようになっている。

「ボスを倒しても元にもどらないのか。」

男はわずかにいらだちを見せたが、それはまるでショッピングモールの
出口が分からなくなった程度の気軽さだった。

さきほどの戦闘になど恐怖も不安も全く感じていないのだ。

「あぶないっ!魔女を相手に油断しないで!」

ふいに、どこかで聞いたような声が響いた。

あたりを振り返ると、さきほどの甲冑がぼろぼろの体をもたげて腰ぐらいまで
立ち上がっている。

「しぶといっ。」

そう言った男が再び戦闘態勢に入るより早く、黄色い光線が甲冑妖怪を包んだ。

「ティロ、フィナーレ!」

こんどこそ甲冑妖怪は霧散し、まるでペンキで壁を塗り替えるように
あたりの風景が変わった。

そこは元の倉庫街だ。

男は妖怪を倒してくれた人物に礼を言おうとその姿を探す。

すると、鮮やかな金髪の少女が目に入った。

「あっ あなたは!」

「おまえは!?」
0226魔法少女?らんま☆マギカ 1-9
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2011/09/10(土) 03:24:55.07ID:JesIZFzu

男と少女の声がかぶった。

男は茂みに隠していた自分の荷物から衣服を出して着替えていたし、
少女も西洋のアンティーク人形のような格好をしている。

それゆえ以前にあったときとは全く格好が違い近づくまで気づかなかった。

しかし、近くで見ればはっきり分かる。

それほど互いに印象的だったのだ。

少女は先日、小豚状態だった男をもてなしてくれたその少女だった。

*********************

「俺の名前は響良牙、前にも言ったように武闘家だ。」

「私は巴マミ、信じられないかも知れませんが魔法少女です。」

闇夜の中、二人は改めて自己紹介をした。

「僕の名前はキュゥべえ、魔法少女を作り、サポートするのが仕事さ。」

そして、巴マミの肩の上に乗った小動物も自己紹介をする。

動物がしゃべっていることに若干の違和感を感じながらも、良牙は話を続けた。

「しかし、いったいあの化け物はなんだったんだ?
バラバラに砕いてやったはずなのに蘇りやがった。」

獅子咆哮弾で決着がつかなかったことが、良牙にとっては少々屈辱だった。

彼はそれだけ戦いや強さにプライドを持つ人間だった。

「あれは魔女と言って、人々に災いをもたらすものです。魔法少女は
あの魔女を倒すことが使命なんです。」

「魔女は魔法じゃないと倒しにくいようになっているからね。僕にとっては
魔法を使わずに魔女を倒せる君の存在の方がおどろきだよ。」

マミとキュゥべえがそれぞれ問いに答える。

「魔法じゃないと倒しにくい?ちょっとキュゥべえそれはわたしも初耳よ。」

マミは責めるように言ったが、あまり真剣に怒っている様子ではない。

気心の知れた相手だからできる軽口なのだろう。

「いや、俺が倒したわけじゃない。」

「同じさ。あと二、三発もさっきの技をすればあの魔女は良牙ひとりで
倒せていたよ。」

そういうものなのか、と良牙はどうもすっきりしない感じがした。
0227魔法少女?らんま☆マギカ 1-10
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2011/09/10(土) 03:26:56.23ID:JesIZFzu

自分が三発以上必要な敵を巴マミは一撃で倒してしまったのだ。

巴マミが自分よりも数段強いとすればそれで納得するしかないのだが、どうもそうではなくて相性の問題らしい。

「ところで、どうして良牙さんはまだこの町に? 旅をされてるって・・・?」

今度はマミの方から質問が出た。

もっともな問いだ。

あれから二日経ったのに、流浪の生活を送っているはずの良牙とまたこの町で出会うなんて普通は考えられない。

「え、なに! もしかして、ここはまだ見滝原なのか!?」

なぜか良牙は激しく狼狽した。

「もしかしても何も、わたしの家から200mほどしか離れてませんよ。」

良牙が何をあわてているのか分からないが、マミはとりあえず冷静につっこんだ。

「そんなっ! もう何ヶ月も風林館を目指していると言うのにぜんぜん近づけない!」

「風林館ならそんなに遠くないじゃないですか。…もしかして、わたしのことバカにしてるんですか?」

良牙のわけの分からないオーバーリアクションにマミは腹を立てた。

それに対してキュゥべえは冷静に、良牙に質問をする。

「良牙、つかぬことを聞くけど、君はここからどうやって風林館に行く気だい?」

「そりゃあ、富士山が北にあるから、日の昇る方向へ歩いて―」

良牙はおそろしく大雑把な脳内地図を披露した。

しかも冗談めかしてではなくいたって真顔でそれを言っているのだ。

常識を超えたトンチンカンぶりにマミはあきれ果てた。

こうなれば一瞬でも腹を立てた自分がバカらしくなってくる。

「うん、良牙が方向音痴なことはよく分かったよ。」

「なにっ!? なんで分かったんだ?」

良牙の真剣な表情に、もはやマミもキュゥべえもつっこむ言葉すら見つからなかった。
0228218
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2011/09/10(土) 03:39:49.08ID:ieZCHR03
連投規制により第1話終わりまでいけず
今度から分量考えます。
0229魔法少女?らんま☆マギカ 1-11
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2011/09/10(土) 11:58:16.05ID:JesIZFzu
「…ところで、良牙。僕は君の強さとさっきの技に興味があるんだ。」

間が空いたところで、すかさずキュゥべえは話題を変える。

「そこで提案なんだけど、もうしばらく見滝原に居てくれないかい?」

突然のキュゥべえの提案に、良牙もマミも目を丸くした。

「そんなこと言われても、宿を借りる金なんざないぞ。」

良牙は率直に答える。

「だったら、マミの家にいれば良いじゃないか。」

キュゥべえはけろっと言い放った。

「キュゥべえ、なに言ってるのよ!」

「そんな無茶なことできるかっ!」

マミも良牙もあわてて否定した。

「いやいや、別に無茶な話ではないよ。良牙は変身体質なんだろう?
夜寝るときには良牙が変身していれば問題ないんじゃないのかな?
不安なら僕も一緒に居るよ。」

「…それなら、安心だけど。」

マミは愛らしい小豚の姿を思い出し、思わずそう答えてしまった。

「マミにとって、彼ほど強くてしかもグリーフシードを消費しない味方がいる
のは凄く心強いと思うよ。魔女との戦いはずいぶんやりやすくなるハズだ。」

キュゥべえの言葉に、マミは納得したようにうなずく。

秘密を共有し、ともに戦える仲間。

それはマミが心の底で求め続けてきたものだった。

図らずもそれが今、手に入るかもしれないのだ。

「良牙にとっても十分なメリットがあると思うよ。魔女との戦いは君にとって
良い修行になるはずだし、風林館に行きたいのなら僕かマミが暇なときにでも
案内してあげられる。それに流浪の野宿生活も良いけどさ、屋根の下で
ゆっくり眠ることも時には必要なんじゃないのかな?」
0230魔法少女?らんま☆マギカ 1-12
垢版 |
2011/09/10(土) 11:59:18.56ID:JesIZFzu

良牙もまた、キュゥべえの言葉に心が動いた。

魔女との戦いに納得がいっていないのがその理由のひとつ。

それに良牙は流浪の旅と言ってはいるが、実は方向音痴ゆえにろくに家にも
帰れないので結果的に流浪の旅になっているに過ぎない。

修行のためというのは完全な後付だった。

だから屋根の下でちゃんと寝ることのできる生活というものには誘惑される。

「どうだい、二人とも?」

二人の表情の変化を読み取って、すでに勝利を確信したキュゥべえが改めて
返答を求めた。

「え…」

「えっと…」

「「よろしくお願いしますっ!」」

良牙とマミは声をはもらせて互いに頭を下げる。

こうして、魔法少女と武闘家の奇妙な同居生活が始まった。
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/09/10(土) 12:03:02.50ID:JesIZFzu
第1話はここまで

時間軸的にはまどか側は本編開始前、らんま側はだいたいの
レギュラーキャラが出揃ったぐらいとお考えください。
0233魔法少女? らんま☆マギカ
垢版 |
2011/09/13(火) 22:47:56.71ID:c2bTrT8F
第2話投下前に、ちょいコメント
第1話で出てきた魔女は『鎧の魔女・バージニア』(出典:おりマギ)です。
魔法少女時代のイラストはかっこいいのですが、魔女としてはやられやくorz


あと、基本的に感想歓迎。
モチベーションにつながります。
0234魔法少女? らんま☆マギカ 2-1
垢版 |
2011/09/13(火) 22:49:48.78ID:c2bTrT8F

響良牙と名乗る武闘家との出会い。

それは巴マミにとって驚きの連続だった。

変身体質もさることながら、その高い戦闘力はどうしたものか。

彼女は魔女の結界での良牙の戦いを遠巻きに見ていた。

魔女の使い魔に囲まれているから急いで助けようとした矢先、
彼は自力で次々と使い魔を倒していった。

しかもその倒し方がすさまじい。

指先ひとつで触れるだけで防御力に優れた石柱型の使い魔が
こっぱみじんに砕け散るのだ。

そして、ベルトを剣のようにして魔女の攻撃を防ぎ、
さらには巨大な光を出して魔女をぺしゃんんこにしてしまった。

マミははじめ、男性のような体格をした魔法少女なのかと思った。

しかし近づいてみてみれば紛れもなく男性、
それもつい先日会ったことのある青年だったのだ。

その日の晩はかなり長く情報交換が続いた。

魔法少女と武闘家、お互い未知との遭遇だった。

良牙によれば、魔女を倒した光やベルトを硬直させたものの
正体は魔法ではなく「闘気」なのだという。

(まるで少年漫画ね。)

マミはそう思った。

気の概念の源流は格闘技にあるのだが、そんな知識をマミはもたない。

マミにとっては闘気で攻撃するなど漫画の中の話でしかなかった。

そういえば、良牙の武闘家としてひたむきに強さを求める姿勢や
常識はずれな方向音痴もどことなく漫画っぽい。

(少年漫画からそのまま飛び出してきたような人…)

そう考えてマミはつい笑ってしまった。

良牙が少年漫画から飛び出てきた人間なら、わたしは少女漫画だ。

彼と対比することで自分の存在もまたありえないことをマミは
あらためて実感した。

マミは良牙に、魔法でリボンを自在に操り紅茶を注いでみせた。

さすがの良牙も目を丸くしていた。

マミはリボンにもポットにも指一本触れずにお茶を注いだのだ。
0235魔法少女? らんま☆マギカ 2-2
垢版 |
2011/09/13(火) 22:52:00.13ID:c2bTrT8F

格闘新体操の達人でも触れもせずにリボンを操ることはできないし
闘気でティーポットを動かそうとしても、逆にティーポットを
粉砕してしまうことは目に見えている。

だから、魔法と信じるしかない。それが良牙の見解だった。

もともと不思議なものには慣れっこなので別段おどろきも
しないらしい。

ただの闘気や手品でないとだけ分かれば良牙にとっては
それで十分だったのだろう。

一方キュゥべえの興味は良牙が魔女を倒すために使った技、
獅子咆哮弾にあった。

良牙の説明によれば、獅子咆哮弾は単純な闘気のかたまりではなく
負の感情を重たい気に変化させて威力を増す技だという。

それを聞いたキュゥべえは「やはりそうか!」と
なにやら納得していた。

キュゥべえの言うには負の感情を力に変える獅子咆哮弾は
負の感情のかたまりである魔女に近いところがある。

そのため、威力のわりに魔女にはとどめになりにくいらしい。

(でも、それだけじゃ無さそうね。)

キュゥべえが魔女や魔法少女以外のことに興味を持つのは珍しい。

付き合いの長いマミでもこんなことは初めてだった。

獅子咆哮弾には他に、キュゥべえの興味をそそる何かがある。

マミはそんな確信をいだいた。

それが何かまでは想像がつかないが、もしかしたらキュゥべえの
存在そのものに関わるヒントになるかもしれない…

そこまで考えたとき、マミはハッとした。

「わたしは、キュゥべえを疑っている…?」

***************************

『今日はキュゥべえの奴はついて来ないのか?』

良牙はマミにテレパシーを送った。

『ええ。新人発掘ですって。こう言ってはなんですけど、
彼は普段から営業活動には余念がないんです。』

マミはテレパシーを返しながら、自分の肩の上に乗る小豚の
頭をなでた。マミとしては特に意味のない、ペットを愛でる
だけの行為だ。だが、そんなことにも小豚の顔が赤くなる。

『し、しかしこの状態でも会話できるとは便利なもんだな。』
0236魔法少女? らんま☆マギカ 2-3
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2011/09/13(火) 22:54:39.26ID:c2bTrT8F

テレを隠そうと冷静をよそおう良牙。

マミはクスッと小さく笑った。

ぶっきらぼうで言葉遣いが荒いときもあるが、
決して粗野ではない。

むしろ、なんだか可愛い人だ。

(いい人みたいで良かった。)

これから魔女と戦うかもしれないというのに、自然とマミの
心ははずんだ。

『良牙さんがテレパシーを使えるのはわたしかキュゥべえが
触れているときだけですから、気をつけてくださいね。』

マミは良牙に説明をしながら、自分の指輪に触れる。

すると、指輪は丸い宝石状に形を変え、黄色い輝きを放った。

わずかながら魔力反応がある。マミの瞳に緊張が宿った。

(魔女が…近くにいる!)

『それは?』

マミの肩に乗った小豚が不思議そうに黄色い石を眺めていた。

『ああ、これがソウルジェムです。魔法少女の証であり、
魔女を探す魔力探知機にもなっていて…』

「あ」

説明をはじめたと思ったら、マミは急にテレパシーを切り
口で声を出した。

「良牙さんはちょっと待っててくださいね。」

そう言ってマミは小豚を肩から下ろしそそくさと立ち去った。

(へ? 一体どうしたんだ?)

取り残された良牙は、途方にくれるしかなかった。

*************************

暁美ほむらは、キュゥべえの姿を追っていた。

(ついに、まどかを見つけられてしまった。)

気持ちはあせる。

どうにかして、キュゥべえと鹿目まどかの接触を阻まなければ、
『またもや』鹿目まどかが魔法少女になってしまう。

そうなれば、鹿目まどかはやがて魔女に―
0237魔法少女? らんま☆マギカ 2-3
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2011/09/13(火) 22:56:17.62ID:c2bTrT8F

「…見つけた。」

暁美ほむらの目に、白い犬のような猫のような、奇妙な
小動物の姿が映る。

もはや、手段を選んでいられない。

ほむらはためらいもせず拳銃を取り出し小動物に向けて
発射する。

銃弾は白い獣をかすった。

(はずしたか。)

そう思った、その瞬間、ほむらの腕に黒い小動物が
飛びかかってきた。

「きゃあっ!? なに、コレは?」

手に持っていた拳銃が、その小動物の体当たりにより手から
こぼれ落ちる。

それとほぼ同時に、黒い小動物は見事に着地し、
ほむらに視線を向けて対峙した。

平べったい鼻、突き出た耳、その姿はどうみても豚だった。

キッとにらみつけてくるその目は、ほむらを敵視している。

(何なのこの豚は? インキュベーターの同類?)

ほむらの頭の中を無数の疑問符がかけめぐった。

どうあれ確かなことは、この小豚はキュゥべえ…
彼女の言うところのインキュベーターを守ろうとした。

「敵には、違いないわね。」

ほむらは左腕につけている盾に右手をかざす。

すると、彼女以外のすべてのものが動きを止めた。

ほむらはそのまま右手で盾の裏側から銃器を取り出す。

そして無造作に、小豚にそれを撃った。

銃弾は小豚に当たる手前で、ピタリと動きを止めた。

他のすべてのものと同様にこの空間の背景と成り果てている。
動けるのはほむらただ一人のみだ。

ほむらはもう一度盾に手をかざした。

するとこの世界は再び動き出した。
0238魔法少女? らんま☆マギカ 2-5
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2011/09/13(火) 22:57:45.22ID:c2bTrT8F

が、勢いよく動き始めた弾丸は小豚にあたらず、
コンクリートの地面をけずった。

小豚が時間が動き始めると同時に大きくジャンプを
したからだ。

(かわされた!?)

ほむらはおどろきを隠せなかった。

彼女は時間停止の能力を持っている。

その能力を使えば銃弾があたる寸前まで、相手は一切の
回避行動がとれない。

それなのにかわされたということは、相手が高速で
動いているか先読みをしているということになる。

どちらにしても、そうとうな戦闘センスの持ち主だ。

(得体が知れないわね…)

ほむらは内心で舌打ちをした。

この得体の知れない存在の相手をしている隙に白い小動物…
インキュベーターはすでに逃げている。

してやられた格好だ。

そうとなれば、人に見つかる危険を冒してまでこれ以上
ここにいるメリットもない。

(わたしも逃げるか…)

ほむらはどこからともなくスタングレネードを取り出し
爆発させた。

すさまじい閃光と煙があたりを包み、それが過ぎた後には
ほむらの姿は消えていた。
0239魔法少女? らんま☆マギカ 2-6
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2011/09/13(火) 22:58:31.87ID:c2bTrT8F

(逃げたか…キュゥべえを襲っていたようだが、
あれも魔法少女なのか?)

黒い小豚こと、良牙は考えた。

あの少女がキュゥべえに向けて撃った銃撃の、発射前に
間に合うように良牙は飛んだはずだった。

しかし、良牙が拳銃を体当たりで飛ばしたのは発砲した
後だった。

おかしい。

構える間も狙う間もなく銃を撃てるものなのか。

いや、それどころかそもそも発砲音すら聞こえなかった。

まるで、時間が飛ばされたようなそんな不思議な気分だ。

種明かしは分からないが、相手がいつ撃ってくるか分からない
のならとにかく動いてよけるしかない。

良牙はそう思い、回避行動をはじめた。

結果的にはそれが功を奏して銃弾をよけることができた。

だが不気味だ。

少女は銃を握ってすらいなかったのに、次の瞬間、
すでに発砲していたのだ。

銃を構えるヒマすらはおろか取り出す時間すら全く
なかったはずなのに。

(チッ、奇妙なガキだ。)

悩んでも仕方がない、早くマミちゃんのところに戻ろう、
そう思い良牙はあたりを見回した。

(…ここは、どこだ?)

マミはもちろん、キュゥべえも逃げてしまったので
見当たらない。そしてここは見知らぬ町。

この状態では、良牙に帰還できるあては何もなかった。

「ぴーッ! ぴ、ぴー!!」

哀れな小豚の鳴き声だけがあたりに響いた。
0240魔法少女? らんま☆マギカ 
垢版 |
2011/09/13(火) 23:03:22.24ID:c2bTrT8F
連投制限があるので今日はここまで。
第2話後半はあしたにでも投稿します。

今回視点変更が多くなってしまい読みにくくてすいません。

【訂正】
>>237は「魔法少女? らんま☆マギカ 2-3」ではなく
「魔法少女? らんま☆マギカ 2-4」です。
0241魔法少女? らんま☆マギカ 2-7
垢版 |
2011/09/15(木) 07:01:48.27ID:2Bnd6K8N

(我ながら、とんだ失態ね。)

巴マミは黒い小豚…良牙がいなくなっていることに気付き、
頭を抱えた。

そもそもの失敗は、いつもより一杯多く紅茶を飲んだ事だ。

昨晩は話が長くなったので睡眠が足りていない。

だからカフェインを多めにとったのだが、それが裏目に出た。

男性である良牙の前で堂々と事情を説明するわけにも行かない。

しかし、魔女との戦いを控えているのに下手に我慢することも
またできない。

結果、マミはどこに行くかも言わずに良牙を置き去りにして
『お手洗い』に行ってしまった。

いくら良牙でもほんの数分の間に迷子になることはあるまいと
油断していたのだ。

(もし、魔女の結界にでも巻き込まれたら…)

本来の良牙なら並の魔女ぐらいあっさり倒してしまうだろう。

だが、今の小豚状態の良牙では使い魔一匹にもとうてい
勝ち目がない。

(急がなきゃ)

気持ちはあせる。

『マミ、聞こえるかい?』

その時、テレパシーがマミの思考に入り込んできた。

聞きなれたこの声は、キュゥべえだ。

『キュゥべえ、どうしたの?』

『マミとつながって良かった。実は、魔女の結界に飲まれて
しまったんだ。一般人も二人いる。助けに来てくれないかい?』

一般人が魔女の結界に巻き込まれた。…緊急事態だ。
魔法少女の使命を人々を魔女から守ることだと認識している
マミにとって「助けない」などという選択肢は存在しない。

『わかった。すぐ行くわ!』

マミはソウルジェムの示す方向へと走り出した。

『ところで、キュゥべえ。良牙さん見なかったかしら?』

走りながらもマミはテレパシーを飛ばす。
0242魔法少女? らんま☆マギカ 2-8
垢版 |
2011/09/15(木) 07:02:42.72ID:2Bnd6K8N

激しい運動をしながらでも息を切らすことなく会話できる。

これもまたテレパシーのメリットだろう。

携帯電話ではこうはいかない。

『良牙なら、さっき僕が襲われていた所を助けてくれたよ。』

『襲われた!? 魔女に?』

そうだとすれば、良牙も一緒に魔女の結界に巻き込まれた
のだろうか。

小豚の状態でどうやってキュゥべえを助けたのかは知らないが
事態はかなり緊急を要するようだ。

『いや、魔法少女に襲われた…どちらにしてもあの位置なら
良牙もこの結界に巻き込まれている可能性が高い。』

しかし、キュゥべえはマミの予想とは全く異なることを言った。

『どういうこと? 話が見えないわ。』

『すまない。なんで魔法少女に襲われたのか僕にもよく
分からないんだ。とりあえず、考えるのは後にしよう。
良牙や一般人の安全を考えれば魔女を倒すのが最優先だろう。』

『そうね。分かったわ!』

キュゥべえが「分からない」というのは珍しい。

それだけ想定外の事態が起きているということだろう。

だからといってマミは混乱などしなかった。

こういう場合の優先順位ははっきりと決まっている。

第三者の命が最優先。

そう考えることにマミには迷いがなかった。

*******************

鹿目まどかと美樹さやかは混乱していた。

いつものように学校に通い、いつものように放課後は
ショッピングモールへ寄って、いつものように家路につく
はずだった。

それなのに、この異空間は一体、何なのか。

きっかけは鹿目まどかが奇妙な『声』を聞いたことだった。

助けを求めるその声を追って鹿目まどかは閉鎖中のエリアに
入り込み、美樹さやかもそれを追っていった。

暗く閑散とした空きスペースの中で、傷を負った小動物が
倒れていた。
0243魔法少女? らんま☆マギカ 2-9
垢版 |
2011/09/15(木) 07:04:11.27ID:2Bnd6K8N

まどかがその小動物を助けようと抱きかかえたその時だった。

ショッピングモールの壁がチラシ紙を破くように裂けて、
その中から不規則で奇妙な図面が現れた。

いつのまにか、あたりはその奇天烈な景色に囲まれ、
元のショッピングモールの通路や部屋は消え去っていた。

「冗談だよね、あたし、悪い夢でも見てるんだよね!?」

さやかは叫んだ。

何もかもが常軌を逸している。

血のように赤い色の蝶が巨大なひげの生えた触覚をもたげて
歩き回り、真っ黒なハサミが鳥のように宙を舞う。

とげとげしいイバラはまるで触手のようにあたりをうね回る。

その異形のものたちは二人の少女を取り囲みながら、徐々に
距離を詰めてきた。

(もしかして、おそいかかってくるの?)

まどかもさやかも口には出さないが、その予感を感じていた。

これから自分たちはこの気持ち悪いクリーチャーに食べられて
死んでしまう。

漫画やアニメになれた現代っ子だからこそ、そんな予感が
頭に浮かんでしまう。

恐怖を募らせる二人に、異形のものたちはもう触れてしまう
位置にまで近づいてきていた。

(もうダメ!)

そう思った瞬間、とつぜん赤い蝶が吹き飛んだ。

それだけではない、異形のものたちが次々と後ろに吹き飛び、
まどかとさやかから引き離されていく。

(一体、なに?)

二人の少女は呆然としてそのようすをながめた。

「危なかったわね。でももう大丈夫。」

優しく、強い声がして、金髪の少女がまどかとさやかの
目の前に現れた。

「キュゥべえも一緒ね。」

「ああ、マミ。間一髪間に合ったね。」

それまでまどかの腕の中でじっとしていた白い小動物が
いきなり人間の言葉をしゃべりはじめた。
0244魔法少女? らんま☆マギカ 2-10
垢版 |
2011/09/15(木) 07:05:32.49ID:2Bnd6K8N

「うわっ、ホントにしゃべった!」

さやかが驚きの声を上げる。

「だから、わたしは嘘つかないよー。」

まどかがそれに答えた。

「いや、すまない。マミとのテレパシーと体の回復に集中
していて君たちと会話をする余裕がなかったんだ。」

白い小動物は愛らしい姿とはうらはらに、理路整然と
自分の事情をのべる。

「え? いや、謝るほどのことでも…って、ええ!?
テレパシー??」

しかしさやかはなおさら混乱するだけだった。

「いろいろ聞きたいとは思うけど、その前に、ちょっと
一仕事片付けちゃっていいかしら?」

余裕のある口調で、金髪の少女は怪物たちの前に出た。

彼女がスカートをたくし上げると、大量の銃が落ちてきた。

長大な、数世紀前の西洋の銃のようだ。

金髪の少女はそれを片手にひとつずつ持つと、
怪物たちをめがけて発砲した。

二丁の銃から発砲された二発の弾丸は、吸い込まれるように
二匹の怪物の眉間を貫いた。

金髪の少女は弾を撃った銃を投げ捨てると、そのまま別の
銃を取り、流れるような動作で再び発砲した。

銃弾はまたもや怪物に命中する。

金髪の少女を敵とみなしたのか、怪物たちは奇妙な
叫び声をあげ、次々に少女に襲い掛かっていった。

しかし、何者も金髪の少女に触れることすらできなかった。

少女は踊るように華麗に、全方向から襲ってくる怪物に
銃弾を浴びせる。

銃を撃っては捨て撃っては捨てを繰り返し、
一匹一匹確実に、しかしスピーディーに、マミは
怪物たちを撃ち抜いていった。

「すごい…」

ながめているまどかはつぶやいた。
0245魔法少女? らんま☆マギカ 2-11
垢版 |
2011/09/15(木) 07:06:26.69ID:2Bnd6K8N

気がつけば数え切れないほどいた怪物たちはほとんど
姿を消し、異様だった風景もその『メッキ』がはがれていた。

一仕事を終えた金髪の少女がまどかとさやかの方を振り返る。

「私は巴マミ。あなた達と同じ見滝原中学校の3年生よ。」

その時、どこからか小動物の鳴き声が聞こえてきた。

「ぴーっ! ぴーっ!」

「あら、よかった。良牙さんも無事ね。」

そう言って金髪の少女がしゃがんで手を地面に近づけると、
そこに黒い小豚が走りこんできた。

(『りょうがさん』って、ペットに『さん』付け!?)

さやかは内心つっこむが、この異常事態の中でまだ言葉に
出せるほどの余裕はない。

金髪の少女は変な顔をするさやかを気にもせず、
その小豚を手のひらに乗せ、自分の肩へ移動させた。

「そして、キュゥべえと契約した魔法少女よ。」

怪物たちを一人で退治したその少女は、壮絶な戦いぶりからは
想像できないほど、柔和な笑みをしていた。
0246魔法少女? らんま☆マギカ
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2011/09/15(木) 07:09:53.62ID:2Bnd6K8N
ちょっと遅くなりましたが第2話は以上で終了です。

マミがアニメでの一斉射撃ではなく個別に使い魔を倒しているのは
良牙が紛れているかもしれないので誤射しないように配慮しているからです。
0248創る名無しに見る名無し
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2011/11/17(木) 19:31:15.35ID:9muQbZSE
.
0249『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/12/18(日) 19:01:53.92ID:6vW1jlr/
『マギカ☆フォルテッシモ』第三話投下します。
なんか延々凍結してしまっていて、もうしわけありません。
ぼーっとしてたら続きが思いつかなくなり、ここまで放置してしまいました。
これからはなるべく週に一度、土日には続きを投下できればと思います。

第二話のタイトル「いたみ」でした。
0250『マギカ☆フォルテッシモ』
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2011/12/18(日) 19:02:37.26ID:6vW1jlr/
第三話『きず』

「大地に咲く一輪の花! キュアブロッサム!」

赤き閃光の輝きを放ち、現われたのはもう一人の、奇跡を手にしてしまった少女。
ピンクと白を基調とした可憐な姿。肩に乗る、ピンクと白を基調とした小動物。
無数の使い魔たちは一斉にその触手を躍動させる。コンクリートは抉られ、少女はダンスを踊る様に華麗に、時にもたつきながらも避け続ける。
「ブロッサム・シュートォ!」
少女から大量に放出される桜色の光波弾は使い魔群に直撃する。怯んだその一瞬の隙に、少女はあえて敵との距離を零距離に飛び込む。
「てやぁぁぁぁぁぁ!」
拳。
足。
肘。
膝。
全てが華麗に繋がっていく連撃を叩き込む。
……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉをおん……
消滅していく使い魔。しかしその数はいまだ無数。
「杏子さん、危ないから逃げてください!」
「早く逃げるですぅ!」
「--……」
そんなわけにいくか。
佐倉杏子はすぐに自分を取り戻し、自らのソウルジェムをかざす。赤き閃光に包まれる。
「--へ?」
赤き魔法服に烈槍。彼女もまた魔法少女へと変身を遂げる。
「きょ、杏子さん?」
「ぼやぼやしてんじゃねぇ!」
周りを取り囲んだ使い魔、Adolfoたちを杏子はその烈槍をもって薙ぎ払う。
槍はその節毎に三節棍の如く分離し、ぶん、と鈍い音と同時に振るわれ、生命を宿したかのように流麗な動きで使い魔たちを切り裂いていく。
「そうりゃぁ!」
ぶん。
……ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉをおん……
殲滅は一瞬だった。
異空間と化していた見滝原公園は元の空気、空間に戻る。
ぱちぱちぱち。
「す、凄いです杏子さん! こんな街にもプリキュアがいたなんて!」
「すごいですぅ!」
「はぁ?」
スチャ。
彼女は少女に惜しみない拍手を向け、拍手を向けられた彼女は、その少女に槍を向けた。
「てめえさ、いい度胸じゃねえか」
「--はい?」
0251創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:02:57.12ID:6vW1jlr/
「な、何するんですか杏子さん! そんなもの人に向けるなんて! 危ないですよ!」
「あぶないですぅ!」
「危ないから向けてんだ。大体そんなもんもなにもさ。魔法少女の縄張りって知ってるか?」
「まほう、しょうじょ?」
大体最初の段階で何で気づかなかったんだろう。
あんなとこから落ちてくるなんて、それ以外考えられない。
こいつは魔法少女だ。あたしと同じく、マミの後釜を狙って来た。
肩に乗っかってるなんか変な奴は多分キュゥべえの親戚かなんかだろう。あいつに親戚がいるかはおいといて。にしても。
さやかに続いてこんな変な奴まで出てくるとは。今時の魔法少女はどうなってるんだ。
「質より量、に方針転換でもしたんかな、あの野郎」
「あの、話が見えないんですけど。大体魔法少女って」
「今のは独り言。……とりあえずさ、マミの奴がおっちんだから来たんだろうが、もうここはあたしがいるんだよ。……まあ一緒に食いモン食った中だ。今回は見逃してやるからさっさとこの街から去」
「お断りします」
「そうそう言って素直に……おい」
杏子は烈槍をブロッサムの顔に近づけ、刃先でその頬をつんつんと叩く。
「お前さ、何言ってるかわかってるか。ついでに状況も」
「杏子さんが何言ってるかも、ついでに状況もわけがわからないから、お断りしたんです。大体プリキュアなのにそんな危ないもの人に向けて良いと本気で思ってるんですか! お父さんお母さんが悲しみますよ! 私の堪忍袋の尾も切れますよ!」
「……」
杏子は溜息を吐く。
さやかより扱いにくいやつだ、こいつ。
何考えてんのかわかんねぇし、大体プリキュアってなんだ。
なんかお互い大事な部分で勘違いしてるような気がする。けど。だからこそ自分の流儀で。
自らの理を、貫き通す。
「しょうがない。言ってもわかんないか」
杏子は槍を自らの手元に戻す。
「よかった。わかって--」
「だったら痛い目見ないとわかんないよねぇ!」
杏子は、猛然と飛び掛かった。
0252創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:06.04ID:6vW1jlr/
俗に剣道三倍段という言葉がある。
空手、柔術、合気道等素手でもって戦う武芸者が武器を持った相手と戦う場合、
最低三倍の段差、実力差がないと対等に戦えない、という意味である。
単なる格言ではない。
生物の主となるためにあえて、脆弱な肉体を手にした人類がその代償として手に入れた「道具」、「武器」の重み。
それを体言したことばである。
「だからなんでわからないんですかぁ! 私は魔法少女なんかじゃありませんって!」
「うっせぇ! そんな奇天烈なカッコしたやつが魔法少女じゃなくてなんだってんだ!」
「プ・リ・キュ・アですよ! キュアブロッサムです! あ、あたたいたいたいたいた!」
だがしかし、徒手空拳であるブロッサムは烈槍の猛烈な突き
‐最もモーションが少ない動きである?の連撃を受け止め、かわし、時によろけながらも受け流す。
その姿に杏子は舌うちする。
こいつ、素人じゃない。少なくともなったばかりの奴にこんな動きは出来ない。
杏子は機動力とそれに起因する攻撃力を最大の武器とする。
その極端な魔力の分配、ブーストは、自らの防御力をも犠牲としている。
そのための槍である。
いつ偶然相手の一発が入るかわからない「剣」での近距離戦、
一発撃つ事に確実に魔力を消耗していく「銃」「弓」での遠距離戦でなく。
とりあえず自らの安全圏を確保できうる中距離での槍、電光石火の連撃。
その一点のみにブーストを掛けた攻撃を防御しきれるというのは尋常ではない。
が。
「一芸だけに秀でてるわけじゃないんだよ!」
「--!」
一瞬で鎖と化した槍がブロッサムに絡みつく。
杏子はそのまま遥か空高く、ブロッサムを放つ。
「--な、な」
「おらぁ!」
そして、地面に叩きつけた。
0253創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:32.28ID:6vW1jlr/
響き渡る轟音。砂煙が舞う。地面には立派な穴が穿つ。
「あっちゃぁ」
やりすぎちったかな。ちょっと痛い目みさせるにしても、これはまずい。
率直な話、死んでもおかしくない。というか死んでないとおかしい。そんなレベルだ。
が。
「……すごい痛い」
「……おいお前」
なんで生きてる、そう杏子は言おうとして、言えなかった。
ブロッサムは立ち上がる。土煙にまみれながら、傷にまみれながら。涙目になりながら。
烈槍に縛られながら。ふらつきながら。それでも杏子に近づいていく。
「杏子さんはなんでそんな簡単に暴力をふるうんですか!」
「そうですぅ!」
こいつの負った傷は深い。
「そもそも私、魔法少女とやらじゃないです! プ・リ・キュ・アなんですよ! 大体縄張りとかいうけども、何で話し合おうとしないんですか! 話せばきっとわかったはずです! 何でわからないんですか!」
「そうですぅ!」
連撃など必要ない。手をちょっとだけ動かしさえすれば、それで終わる。
しかし、杏子は動かない。動けない。自分でもなぜだかわからない。
そして、顔と顔が、グッと近づく。
「もう、堪忍袋の尾が切れました! 」
「きれましたぁ!」
「……」
けれども、今夜、初めてこの少女に出会ってから幾度も去来した思いが脳裏をよぎる。
--なんなんだこいつ。
そして二人の世界は。
「--杏子、一体どういう事? その子は?」
青き少女によって破られた。
「--さやか」
0254創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:06:54.21ID:6vW1jlr/
自らの身勝手な思いでまたまどかを傷つけてしまった。なんにしろ、マミさんが死んで以来あんなに安堵しほっとしたまどかを見たのは初めてだった。
ほんとうは自分がその役目をするべきなのに、傷つけてばかりいる。
えりかの、そのあまりにシンプルで純粋な動機にある種の憤りと、理不尽な怒りがこみ上げたのは事実だけれど、あたしはまどかを、みんなを守りたいはずだったのに、傷つけてばかりで。
なのに魔法少女でもなんでもないやつが颯爽と現れたあげくに魔女を殺して。
あたしはなにも出来ない。
だからほら、浄化したはずのソウルジェムはもう灰色にくすみ始めている。

美樹さやかはただ行くべき所もわからず、ただただ街を歩いていた。
家には戻れない。何て言えば良いのかわからない。どこに行けばいいのかも。どこに行くかもわからない。いや、どこにも行く所などないぐらい、わかっている。
「--ばかみたい」
さやかは深く、深く溜息を吐き、顔を上げ。
そして、目を疑った。
見慣れた公園に、杏子と見知らぬ少女がいた。それも二人とも魔法少女の姿で。
どういうわけか、見知らぬ少女は傷だらけであり、あげくあの変幻自在の槍で縛られている。
その状況だけみれば杏子が圧倒している。いつでも止めをさせる。
だが少女は彼女に怯んでいない。縛られた状態でずんずんと杏子に近づいていく。
そして杏子は、その圧倒的有利の立場にありながら、動かない。
--それとも動けないのか。
0255創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:07:17.83ID:6vW1jlr/
「そもそも私、魔法少女とやらじゃないです! プ・リ・キュ・アなんですよ! 大体縄張りとかいうけども、何で話し合おうとしないんですか! 話せばきっとわかったはずです! 何でわからないんですか!」
「もう、堪忍袋の尾が切れました! 」
「きれましたぁ!」

―プリキュア。
--来海えりかの、仲間?
少女のその言葉にさやかは驚愕した。魔法少女だけでない。「プリキュア」も三滝原に集結しつつあるというのか。もしそうだとしたら何のために?
「--杏子、一体どういう事? その子は?」
思わず声に出ていた。振り向く杏子と少女。
「--さやか、こいつどうしよう」
杏子は明らかに困惑していた。どうしようも何も無い。
普段通りの彼女であればとうに決着はついている。
「いや、どうしようって--」
なんて答えればいいのか。
「お知り合いですか! 杏子さんに話してやって下さい! 暴力はいけませんって!」
一方の少女は希望に溢れた瞳でさやかに懇願する。
その瞳は純粋で、だからこそ私には痛く感じる。そう、それはまるで。あいつと。えりかの瞳と--
さやかは自分と同じ青を纏いながら、対極の幻想を持っていられる少女を思い浮かべ。
「ちょっぉぉと、待ったぁあ!」
「まつです!」
「「「---!」」」
そしてその青き少女‐‐来海えりか。キュアマリンは、天空から降ってきた。佐倉杏子目掛けて。
「プリキュア、おでこパァンチ!」
それはまさに、天空からのヘッドバッド。
「――な、な」
てめぇなにしやがんだ、と叫ぶ間も無く。
ゴツゥン!!!
響きわたる轟音に、その風圧で巻き起こる砂嵐。
佐倉杏子はまたも、空から落ちてくる女の子に頭突きされた。それも思いっきり。クリーンヒットで。
一日二回目の新記録であった。
そして意識も飛んだ。
0256創る名無しに見る名無し
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2011/12/18(日) 19:07:46.97ID:6vW1jlr/
「てめぇなにしやがんだこの野郎!」
「そっちこそブロッサムになにしてんのよ!」
「この赤いのと知り合いか!? だったらさっさとこの町から一緒に出てけ!」
「なによ!? ひとの親友をあんなボロ雑巾にして!」
「うっせぇ! だったらてめぇもボロ雑巾にしてやろうか!」
むうううううう。
ああ言えばこう言う、である。
変身を解いた杏子とえりかは、首根っこを掴み合い零距離で睨み合い、罵り合っていた。
何なんだ、何だこいつら。もはや魔法少女の掟も仁義も常識も、全部すっぽかした連中ばかり集まって。この町は、見滝原は、一体どうなってるんだ。
杏子はやられたら百倍にしてやる返すタイプであり、えりかも当然同じである。
当然罵り合いは倍倍ゲームとなり、エスカレートしていく。
その横で。
「ぼ、ぼろ雑巾……」
「ひどいですぅ」
「だ、大丈夫? さ、さやかちゃん! 魔法でなんとか出来ないの!?」
「え、えっと……」
「大丈夫。所々打ち身はあるけど、骨も筋肉も致命的な事にはなってないよ」
「ないでしゅ!」
「あ、ありがとうございます、えっと」
「ボクは明堂院いつき。いつきでいい」
鎖が解かれた瞬間、ダメージ過多による強制変身解除で薄いワンピース一枚となっていた花咲つぼみを、鹿目まどかは介抱していた。そしてその横で傷ついたつぼみの様子を見る、白い学ラン姿の少女、いつきと肩に乗る妖精。--ポプリと言っていた--。
キュアマリンが頭突きをかました直後、二人は公園に来たのだった。
そして見たのは、首根っこを掴んで怒鳴りあい、罵り合う杏子とえりかと、白いワンピース姿で傷つき、倒れている赤い髪の少女。そしてただただ呆然と見ているさやかだったのである。
0257創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/18(日) 19:11:12.38ID:6vW1jlr/
一方。
むうううううううううううう。
「「こうなったら--」」
二人は一旦つかみ合いをやめ、杏子は自らのソウルジェムを取り出し、えりかはココロパフュームを取り出す。それは幻想と化すための器具。魂。
「あっ--」
「「決着つけて--」」
二人が構えた瞬間。
「「やめなさい」」
混乱の極致にあった公園を、二つの怜悧な声が響いた。
「佐倉杏子。あなたはもう少し冷静な人だと思っていたけれど」
「えりか。私たちは愛で戦いましょう、と前に言ったわよね」
「「「----!!!」」」
「このままだと、あなたの敵になるしかないのだけれど」
「愛ではなく、それは憎しみよ。しかも最低のね」

「--ほむらちゃん」
「--ゆりさん」
暁美ほむらと、月影ゆり。
突如現れた、悠然と立つ黒髪の二人の少女。
かくして奇跡を手に入れてしまった少女たちは、運命の歯車に操られるかのごとく、集合する。
「困ったものだね。これだけいきなり集まったら」
そして電灯の上に立つ白いシルエット--キュゥべえ。
きゅっぷい、とキュゥべえは喉をならす。

物語はまだ、始まったばかり。

つづく。
0258創る名無しに見る名無し
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2011/12/21(水) 06:07:44.74ID:lhxUDSys
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0261創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/10(土) 03:30:06.20ID:uwLvKXxg
想像がつかんw
0262創る名無しに見る名無し
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2012/05/19(土) 10:55:15.27ID:vUo/Pm8F
これはどうなるか分からんな
0263創る名無しに見る名無し
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2012/06/18(月) 14:38:15.68ID:gPUUVDYC
 
0264創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/07/04(水) 21:53:57.86ID:WWN9BWxA
復活age
0265創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/17(月) 13:50:45.54ID:AJj38Kt5
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0266創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/27(木) 16:26:44.46ID:rqTQRFpE
野比のび太
「『ドラえもん』の野比のび太です。これから色々なアニメキャラを交えてこの僕と『プリキュア5』の夢原のぞみさんの学力比較について討論しましょう。」
0267創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/29(土) 00:50:30.06ID:uKy4Gi+W
ナイフ。 数百はあろう小振りの刃物が宙を舞っていた。
原因、それは男女のキャッチボール。
片方のメイドは向かってくるナイフの集団を、マシンガンのように素早く、且つ手が傷つかないよう慎重に指に挟み取っては投げ、更に懐から新しいものを取り出して投げ放つ。
もう片方の男の場合、女と同じように向かってくるナイフを指で挟み取って投げる、しかし、奇妙な事に、勝手に方向転換し放たれていくもの、砕かれるものがある。
取りこぼしが男の身体に刺さりかけた瞬間、弾かれる。
奇妙な事は二人の周りの状況にあった。
支えが切れて数mの所で浮いているシャンデリアと、それと同時に宙に浮いたガラス達、故障のように止まった時計・・・。
全て止まっている。

(よもや、このDIOと同じ“能力”を持つ者と出会うとは・・・。
この世界に来たのは全くの無駄ではなかったな)
(早くコイツを妹様の餌にしないと・・・お嬢様の誕生日に間に合わなくなるじゃない!)

その頃、地下では・・・
「馬鹿な・・・こんな・・・餓鬼、がぁ・・・!?」
「おじさんがヴァニラ・アイスってことは、その血もバニラなんだよね?
だから、いっぱい吸わせて!」
「ふざけるなッ、この餓鬼g
「きゅっとしてドカーン」
0269創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/29(土) 21:24:28.75ID:QAnBddg3
乙。でもその二人を摂取すると顔が濃くなりそうw
0270青空町耳嚢 〜創作発表板五周年企画SS〜  ◆ftPUzYFINd55
垢版 |
2013/08/27(火) NY:AN:NY.ANID:+PHEKoDF
青空町耳嚢 第9/21話
【ぺしゃんこ】

 数ヶ月前、ビルの倒壊に巻き込まれたときのことである。
 倒壊というと、語弊があるかもしれない。
 大通りを歩いていると、ビルが突然ぐにゃりと、まるで空気の抜けたビニール人形のように倒れてきたのだ。
 おどろいている間に逃げ遅れ、私をふくめあたりの通行人は軒並みビルの下敷きになった。
 下敷きといっても、羽毛布団を何重にも重ねて乗せられているようなもので、命の危機は感じない。
「なんだこれ?」「出れない」「助けて」巻き込まれた人間がめいめいに騒ぐ。
 私の場合は幸いなことに、上半身は挟まれずにすんだので、周囲のあちらこちらのビルが同じようにぺしゃんこになって、自分達と同じような境遇の集団がいくつもできているのを見て安心できたし、息苦しさもなかった。
 ただ、はさまれている下半身はまったく動かせず、すごく重苦しい。
 同病相哀れむというか、少しの心細さから、隣に挟まっているサングラスの男に話しかけた。
「やっかいなことになりましたね」
「びっくりしたダ〜」
 サングラスの中年男はぽりぽりと頭をかいた。
 髪を紫に染めたモヒカン頭。
 ガラの悪そうな口ひげ。
 鋲のびっしりついたグローブと、張り出した肩あて。
 年甲斐もないパンク野郎なのか?
 つい声をかけてしまったが、普段の生活ではまずお近づきになろうとは思えない奇妙な中年男の姿に私はすこしひるんだ。
 男はぼやいた。「町中これじゃあ、配達先もどうにかなっていそうで心配ダ〜」
「仕事中だったのですか?」
 こんな格好が許される配達業なんて、やばい物の運び屋ぐらいしか思いつかないが。
「ワシ、陽昇町の日向ストアで働かせてもらってますダ。お酒やジュースのご用命ならお任せダ」
 酒屋の店員とは。店長の度量の大きさに感心する。
「これ、店の名刺ですダ。青空町でも配達OKダ〜」
 こんな状況でもちゃっかり店のアピールをするところといい、外見はともかく中身はわりと真面目な男のようである。
 名刺をうけとると、男はにっこりと笑った。
「そいじゃ、ワシは配達の続きをしに行くダ。お兄さんもよい一日を」
 おいおい、何を言っている。私と同様、下半身をビルにはさまれて身動きとれないはずでは、と思ったその時。
 ぷしゅっと、サングラス男が急にしぼんだ。
 ひらめのようにぺちゃんこになったその体は、ビルの下からくにゃくにゃと抜け出して、そのまま宙を泳ぐように遠ざかっていった。
 ビルが元の形に戻り、私が助かったのは、それからさらに数時間後のことだった。


 陽昇町の日向ストアといえば、今では「どんなことがあっても必ず配達にくる」ことで有名な酒屋となっている。


【終】

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クロス作品:絶対無敵ライジンオー&元気爆発ガンバルガー
関連スレ:エルドランシリーズSS総合スレ3【雑談・チラ裏OK】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1374687646/

【8/27】創作発表板五周年【50レス祭り】
詳細は↓の317あたりをごらんください。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ34
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1361029197/
0271創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/16(日) 19:37:32.69ID:ReqrnfE7
幕末の京の闇は深い。
その中を一つの影が歩いている。
その眼はまわりの闇を写したように冥い。
酔っている。だが乱れてはいない。
赫髪、頬には一筋の傷。
人斬り抜刀斎の名で恐れられている男、緋村 剣心である。
と、突然その足を止める。(後ろに、誰かが・・いる?)
遠くない。だが、今まで気づかなかった。
「くくく」
笑い声が聞こえてきた。
0272創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/16(日) 20:42:48.46ID:ReqrnfE7
剣心はゆっくり振り返りその気配と対峙した。そこには一人の男が立っていた。
男は笑っている。その笑い声に乗せて殺気が伝わって来る。
「幕府の・・・刺客か 」
それは問いではなく、確認の言葉。
男もそれには答えず、
「シノギとは言え、幕府の依頼を受けてみれば相手は飛天御剣流。これは宗家よりも運がいい、か」
「宗家・・・?」
「こちらの話よ」
そう言う男の気配が変わる。
「覚えずともいいが、お前を殺す男の名」
(・・・!来る!)
「不破と言う」
0273創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/20(木) 01:41:58.49ID:OFL9M1cZ
続きはー
0274創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/02/22(土) 01:03:36.91ID:lyWOvso/
「不破」
その名を口にした時、その身はすでに飛び出している。
たちまち縮まる、両人の距離。剣心も逃げるのは無理と身構える。
突っかける不破は腰に刀を挿しているが、無手。
対する剣心はその名のとおり、抜刀の構え。
と、ふいに不破の口がすぼまる。口笛のように、だが吹き出すは音色ではなく・・・
つぶて!
訃霞、その名は知らないが顔面に迫るソレをとっさに避ける剣心。
その間に己の間合いに入る不破。剣心刀を抜くことが出来ない。
そして不破はその勢いのままの、蹴り!
0275創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/03/16(日) 11:51:01.89ID:kcGJruFC
鋭く弧を描く不破の足。
当たるかに見えた蹴りを、剣心は身を捻り際どく避ける。
剣心そのまま身体を回転させ、不破の死角に回り込み、そして・・・
飛天御剣流、返し技
龍 巻 閃
蹴りを放ったままの体勢の不破に刃が吸い込まれ・・・
いない!
空を切った刀の上、蹴り足に乗せて不破の身体は中に舞っている。
そして、不破も身体を回転させている。その廻し蹴りが、今度こそ、剣心の頭部に・・・
炸裂!!

剣心の頭と同時に意識も弾き飛ばされる。
崩れ落ちる剣心に不破の追撃。朦朧とした瞳に、迫る不破の踵が写される。
(来たるべき「新時代」のため、こんな場所で死ぬわけには、いかぬ!)
剣心とっさに左手を峰に沿え刀をカチ上げた。



0276創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/03/16(日) 12:14:54.59ID:kcGJruFC
不破の身体から血がしぶく。だが、浅い。
一瞬早く、身を引いた不破は蹴りの軌道を変え、剣心の腕に当て刀を逸らせていた。
そのまま距離をとる不破。「くくく、旋を喰らってなお、反撃するか」
それを睨みつける剣心。
(飛天御剣流の技、二度までもかわすとは・・・)
「だが、俺もここで死んでは今まで斬った者に、顔向け出来ぬ」
「くくっ、それだ。その人斬りの目」
不破が笑う。獣の笑み、鬼の笑みだ。

不破の名前がいいのが浮かばない。
0279創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/02/13(金) 03:36:53.22ID:udr6X91h
わぁお…
書き込みないなあ
0280創る名無しに見る名無し
垢版 |
2015/02/15(日) 22:16:27.98ID:np2nSWm2
間がすごく空いちゃったけど、誰も書き込んでないんで不破vs剣心終わらせちゃいますね。

剣心が疾走る。飛天御剣流の特徴、その剣の速さを生かした先の先。
不破に襲いかかる斬撃の嵐。しかし、
不破その全てを避ける。そして反撃の蹴り!
剣心もそれは読んでいた。身を沈めてかわし…龍昇閃!
不破は一度見た技、間一髪身をひねり受け流す。だが剣心そこに連撃の龍槌閃!
「チィィ!」
さすがに慌てて後方に跳ぶ不破。しかしさらに追撃の…龍巻閃!!
不破の胴に吸い込まれるように走る銀光。不破はとっさに後ろに倒れ込み避ける。
そしてそのまま逆立ちとなり剣心に蹴り足を突き上げる!
しかし剣心も、御剣流の読みでそれわかわすっ。そして飛天御剣流の技は二段構え、剣心の左手に握られた鞘が次なる斬撃を…
いや、不破も天頂にある足の軌道を変え剣心の死角から…
「双龍閃!」
「弧月の…裏」
二人の技が同時に決まった。
0281創る名無しに見る名無し
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2015/02/16(月) 07:42:59.18ID:9Br9yYSB
相打ち…
しかし体勢の差で剣心が有利。
そのまま、強引に不破に覆い被さる。
上から見下ろす剣心。逆刃に握られた刀が不破の喉に向けられている。その手は不破に押さえられている。互いに密着し動くことが出来ない。
刀がじりじりと押し込まれる。一片の慈悲も許さぬ、剣心の冷酷な眼差し。
それに対し不破は、…やはり笑み。
不破に気が満ちていく。
「この技にまだ名はないが…いつの日か修羅を殺す、技!」
「…!!」
密着した不破の足から衝撃が放たれ、剣心の身体が弾き飛ばされる。
(肋骨が、やられたかっ?)
口から血をしぶきながら距離をとる剣心。しかし不破も起き上がり距離を詰める。
(この身体、撃ててもう一撃)
剣心、刀を鞘に収める。
そして、
抜刀の構え!
0282創る名無しに見る名無し
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2015/02/17(火) 00:45:15.70ID:GjB92pH5
迫る不破。人の域を超えたその速さ。
迎え撃つには神速の剣しかない。
剣心はわずかに腰を落とす、その動きを加速に変え剣に伝える。そして、放たれる渾身の抜刀!
不破の身体から血がしぶく。
しかし、その剣は一歩神速に届いていなかった。当たったのは鍔もと、深くは切れていない。
そして、不破は懐に潜り込んでいる。
「不破圓明流奥義、無空波」

剣心は仰向けに倒れている。そこに近づく不破の足音。そして…
そのまま遠ざかっていく。
「殺さないのか?」
「死にたいのか?」
「今までこの手で数多の志士を斬ってきた。敗北は死。俺一人だけ逃れようとは思わん。」
0283創る名無しに見る名無し
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2015/02/17(火) 07:54:58.16ID:GjB92pH5
「だか、俺には関係ない。最後の抜刀術、迷いが感じられた。お前はまだ飛天御剣流の奥義を極めてはいまい」
不破は続ける。
「未完成の飛天御剣流を殺しても意味はない。お前が真に飛天御剣流を納めた時…改めてお前を殺す!」
そのまま去っていく不破。
しかしその約束がはたされることはなかった。不破のその後は歴史の闇に消え我々が知ることは出来ない。

不破の去った逆より足音が近づく。
「驚いた、死んでるかと思いましたよ」
「また…死にぞこなってしまったよ」
「…そのままじゃ、風邪を召してしまいますよ。」
「そうだな…」
剣心はその後、幕末を生き抜き明治の世でるろうにとして新たな生を得ることになる。
その剣心を、我々は知っている。

0284創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/07/25(月) 03:48:15.35ID:b+gL+ENO
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0285創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/31(水) 04:50:22.07ID:cOHXDcjI
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0286創る名無しに見る名無し
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2016/11/29(火) 18:03:40.54ID:NEHkrobz
  「忍たまたちの実戦研修」
「忍たま乱太郎」と「信長の忍び」のクロスオーバー。
乱太郎たち3人が才蔵、くノ一3人娘が千鳥の配下になって働く。
0296創る名無しに見る名無し
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2017/06/13(火) 02:11:59.09ID:KLpfAdLS
「この素晴らしい異世界交流に祝福を!」
・ウィズの店に、ヴィーシャ副官が来てマジックアイテムを見定める
『この空飛ぶ女中尉に魔銃を!』

・ダクネスが女子大生小説家の霞詩子(霞ヶ丘詩羽)に言葉攻めを浴びせられる
『この冴えない小説家にラノベ展開を!』

・物語冒頭で行く世界を見誤った佐藤和真や女神アクアが、擬人化動物に出会う
『この素晴らしい世界にフレンズを!』

3つ目はさっそく第2話の時点から…
0297創る名無しに見る名無し
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2017/06/13(火) 02:41:21.32ID:KLpfAdLS
サーバル「食べちゃうぞ」
和真「食べるな、絶対に食べるなよ?」
アクア「キャー食べないでー女神のあたしを食べるなんてひどすぎるわ。」
サーバル「食べないよ。」
和真「こいつ、おなか減ってねえのか?」
アクア「知らないわよ。」
サーバル「ごめんね、わたし、狩りごっこが大好きで!あなた、あまり狩りごっこが好きじゃないケモノなんだね!」
和真「狩りごっこって何だ?よくわからないぞ?RPGの事か?」
アクア「何か、来る場所間違えたみたいね。和真あんたのせいよ。」
サーバル「わたしサーバル、あなたの名前は?」
「俺の名前は佐藤和真…」
「さっきも言ったでしょ?あたしは水を司る女神アクア。よろしくね」
サーバル「このさばんなちほーは、わたしの縄張りなんだ…。」
アクア「へぇそうなんだ。」
サーバル「さばんなちほー以外にも色んなちほーがあるんだ。そしていろんなフレンズもいっぱいいるんだよ。ここに住んでいるのはみんなフレンズと呼ばれているのさ。」
アクア「じゃあ、あたしは女神のフレンズだね。」
和真「俺は何のフレンズなんだろう。」
サーバル「あ、だめ!それはセルリアンだよ!逃げて!」
和真「ここに来る時に何も装備してないぞ」
サーバル「あれはセルリアンっていうんだ。ちょっと危ないから気をつけてね」
アクア「あたしは女神よ、女神を危険にさらしたらアクシズ教信者のみんなが悲しむじゃない。」
サーバル「でも、あれくらいのサイズなら自慢のツメでやっつけちゃうよ!」
そしてサーバルはアクシズ教徒となった。
0298創る名無しに見る名無し
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2017/06/13(火) 03:07:42.59ID:KLpfAdLS
ウィズ「何ですか?この銃は。」
ヴィーシャ「ここに来るまでに使っていた愛用の銃です。」
ウィズ「で、それをどこで?」
ヴィーシャ「もらったんです。同じものがほしいっていって。カタログにも載ってたんで。」
ウィズ「カタログ?何ですか?」
ヴィーシャ「鍛冶屋じゃこんなものは作れないですよね。これを持っていたらあの時みたいに空も飛べるはずですきっと。」
ウィズ「え?空飛べちゃうんですか?」
ヴィーシャ「しかし、ここのマジックアイテムはろくなのないですよね、どれもこれも。」
バニル「お客様困ります」
ヴィーシャ「仮面がしゃべったー」
ウイズ「紹介するわ、このお店のお得意さんのバニルさん。」
バニル「どうぞお見知りおきを」
ヴィーシャ「ところで、この銃って普通の銃じゃないんですよね、何か使ってたら…。」
バニル「では失礼、これはすごい。魔法銃といって、銃弾をこめないで撃つと、魔法力を消費する銃です。
この銃にまたがれば空だって飛べます。価値は『それを売るなんてとんでもない』。大事にしてください。」
ヴィーシャ「ハァ、上司のいってた存在Xかと思いましたわ。この銃は大事に使います。」
こうしてヴィーシャはアクセル周辺のジャイアントトードを1匹残らず駆逐した後、空を飛んでベルゼルグ王国の城へ。
0299創る名無しに見る名無し
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2017/12/27(水) 12:07:17.75ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

TESHK5KTO4
0300創る名無しに見る名無し
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2018/05/21(月) 07:15:55.58ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

O0XJU
0301創る名無しに見る名無し
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2018/07/03(火) 20:37:40.91ID:f1dClnnX
BH6
0302創る名無しに見る名無し
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2018/10/17(水) 16:58:49.71ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

VJP
0303創る名無しに見る名無し
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2019/07/01(月) 19:12:45.64ID:XypK24hq
ガンゲイルオンライン&グリッドマン
0309創る名無しに見る名無し
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2020/06/29(月) 00:00:48.25ID:ww5BNMF3
ド級編隊エグゼロス+ヒーロークロスライン
0311創る名無しに見る名無し
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2021/03/01(月) 12:12:49.34ID:IKCY8Gwn
呪術廻戦&ガガガ文庫のあれ
0312創る名無しに見る名無し
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2021/04/18(日) 14:43:19.72ID:MQjYCyuo
蜘蛛ですが何か?+小林さんちのメイドラゴン
蜘蛛子があの姿&能力のままこちらの世界に飛ばされて来る。
それも人の居ない大平原に遊びに来たトール・カンナ・小林の前に。
小林を守るため蜘蛛子に戦いを挑むトールとカンナ。
状況を把握出来ないまま取り敢えず全力で応戦する蜘蛛子。
地竜をも倒した魔力と猛毒の前に倒れる二匹のドラゴン。
勇気を振り絞って蜘蛛子に立ちふさがる小林。人の姿に戻り必死に
声を振り絞るトール。「に、逃げて・・・小林さん・・・」
次の瞬間、小林の前で蜘蛛子が転げ回り始める。唖然とする小林。
しかしトールとカンナには蜘蛛子の心の叫びが聞こえていた。
(ズルいぃーっ!人間の姿になれるなんてえぇーっ!!)
トール「あなた人間の言葉が解るの?」話合いの結果、彼女が
女子高生の生まれ変わりと判り認識阻害で匿う事になるのだった。
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