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【邪気眼】厨二病で創作するスレ【EFB】
0001創る名無しに見る名無し
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2010/08/30(月) 08:11:35ID:GdoyT6jN
この下らない“日常”というゲエムの中で、上なる者の“呼びかけ”が聞こえる事があるだろう?ここはその言葉を来世に書き残すフィールドだ。

その言葉は長くてもいい。永きに渡る“コトバ”は、お前の強き心の証。
その言葉は短くてもいい。かの米国の長は、短き言葉で多くを語った。

ただお前の内なる欲望をぶちまけろ!Wreak!
0007sage
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2010/09/10(金) 07:10:16ID:9Y3DLi2Z
sage
0009創る名無しに見る名無し
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2010/09/11(土) 19:43:14ID:VM4Y8eC6
上がれ!俺のソウルよ!
0011創る名無しに見る名無し
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2010/09/13(月) 20:04:37ID:+r55FcbF
溢れる・・・・・・・・
0012創る名無しに見る名無し
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2010/09/13(月) 20:27:04ID:+r55FcbF
風が変わったな・・・
何が?

・・・まさか!!
0015創る名無しに見る名無し
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2010/09/15(水) 00:19:35ID:mLDuGpFI
ふっ……あいつの二つ名を忘れたか……?

<<天翔ける不死星鳥>>(シューティング・フェニックススター)と呼ばれた奴の事だ。
舞い戻ってきたんだろうぜ……この現実世界(アストラル・サイド)へとな!
0016金森公義
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2010/09/15(水) 20:09:26ID:JNtjHbE1
現在・過去・未来、宇宙のあらゆるところをはじめ、全ての次元・死後の世界・
あらゆるパラレルワールド・ミクロ&マクロの世界が現実化し、またはるか昔から全生物が
見たもの・聞いたもの・言ったこと・書いたこと・夢で見たもの・想像・妄想・創作したものも、
その数だけそれぞれ世界・存在として具現化して、その全ての世界にいける手段も一瞬で行けるものから宇宙船のようなものなど無数に存在する。
もちろん、具現化した世界の現在過去未来・パラレルワールド・死後の世界も存在し、
具現化した存在が考えたり夢に見たりしたことも、それぞれ別の世界として生み出される。
またそれぞれの世界がいくつか、あるいは全て混ざり合った世界も別の世界として存在し、
これらの世界全てにも、ほかの全ての世界と行き来できる手段が無数に存在する。
また、自分で想像して生み出した世界へは、本人が願えばいつでも行くことができ、生み出した本人はその世界では全能の存在となる。
0017創る名無しに見る名無し
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2010/10/09(土) 10:42:10ID:Qoe18Z1z
ほー。たしかに十代んときこんな時期あったな。
ただ「ちゅうにびょう」の正しい定義がまだわかんない。
ウィキしてみよう
0019創る名無しに見る名無し
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2010/10/11(月) 00:57:39ID:u8EM1svN
 ウ  ィ  キ  ヘ ゚  テ ゙  ィ  ア
「全にして一を知らんとする輩への導」をウィキと(ry
0020創る名無しに見る名無し
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2010/10/11(月) 10:53:05ID:5xcDnCSP
>>19
ウィキペディア
「粗大ごみの山」だろ、大いなるカオスだが時には一握りのコスモスを手に入れるところとかそっくる
0021創る名無しに見る名無し
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2010/10/29(金) 09:50:56ID:mkBQGz5Y
「見ての通り、ご覧の有様だよ・・・」
そう言って農夫は野菜の中身をテレビ局のカメラに見せた
その野菜の中身は外側と違いまるで腐ったようだった「〜以上、世界各地で起きている謎の植物腐敗についてのリポートでした」
そして、スタジオでは専門家達が生物兵器を使ったテロだの、ウィルスの感性だの続けている
しかし、この議論もいつも通りに何も検出出来ない上に短期間で広範囲に蔓延している
という理由で様々な仮設は否定され締め括られるのだ
そう、誰も気付くはずがない気付ける訳が無い
もう一つの世界の戦争が影響している事には・・・
0022創る名無しに見る名無し
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2010/10/29(金) 10:02:42ID:mkBQGz5Y
で、ここは元は設定晒しスレだったんですよね?
わからないのでこういう風に書いたんですが読みにくかったらすみません
話の内容としては
パラレルワールドで大きな戦争→こちらの世界の(なぜかw)農作物に影響
って流れです
そもそも、ついさっき見た夢の話なんで何かに影響を受けた可能性は凄く高いんですが
これからの厨二妄想に使えそうなんでメモも兼ねて書きました
0025創る名無しに見る名無し
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2010/11/22(月) 03:38:17ID:EGhB68Kb
>>22

こいつは、もちっと設定詰めれば生物科学系のSFとして行けそうじゃないか?
面白そう。厨二ぽく無くなるけどwww
0026創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/11/23(火) 12:50:55ID:jmCWN/TN
他のスレに投下したけど、こっちに投下したほうが面白そうなので・・・

【世界観】 

・人間の運命を操ることのできる異世界の魔人、『彼ら』のいる世界。
・『彼ら』は、現世と幽界を自由に行き来できる。

【舞台となる場所】

・現代日本の東京

【主人公】

・十七歳の男子高校生

【主人公の目的】

・とりあえず、生き延びること
・平穏な日常生活を取り戻す

【主人公にとって大切なもの】

・自分の命

【ラスボス】

・主人公の父親

【ラスボスの野望】

・自分が新世界の神となって、新たな世界を作り出す

【ラスボスが主人公と対立する理由】

・主人公の父親は『彼ら』の一員になったのだが、主人公が生き延びてしまったために、その力は完全ではなかった。
・自分の魔力を完全なものにするためには、主人公を生贄にして、その魂を魔界に捧げる必要がある。
0027創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/11/23(火) 12:53:37ID:jmCWN/TN
【ストーリー開始以前に起こったこと】

・主人公の父親は、『彼ら』を呼び出すことのできる、奇妙な石を手に入れる。
・そして、『彼ら』を呼び出すことに成功。『彼ら』の一員になる代償として、自分の家族を生贄に捧げる。

【最初に起こること】

・自動車事故が起こり、母親と二人の兄が死亡、父親は行方不明、主人公は瀕死の重傷を負う。
・しかし、生死の境を彷徨っているとき、何者かとの契約により、命を取り留める。
この契約の結果、主人公は人外の力を手にする。
・そして、契約の証として、手の甲に謎の印が・・・

【それからの展開】

・主人公を抹殺するために、異世界から魔物が次々やってくる。
・主人公は人外の力で、魔物を倒す。

【クライマックス直前に、明らかになる秘密】

・主人公の父親は、家族の命を犠牲にして、『彼ら』の一員となったこと。
・主人公が生き延びてしまったために、父親の魔力は完全ではないこと。
・父親は、自分の魔力を完全なものにするため、主人公を抹殺しようとしていること。
・父親の野望は、自分が新世界の神となって、新たな世界を作り出すこと。
・主人公に人外の力を与えた者の正体は、『彼ら』に対立するもの。
 つまり、『彼ら』の目的を妨害するために、主人公に人外の力を与えた。

【クライマックス】

・父親は、東京に魔界より巨大な魔獣を召喚。
・主人公は、巨大な魔獣の体内に入ると、魔獣の本体を破壊する。

【結末】

・結局は、主人公は自分の父親を倒すことはできなかった。
・最後の闘いで、表向きは主人公は死んだことになる。しかし、主人公は不死の身体を得る。
・主人公は永遠の闘いを宣言すると、父親を追って異世界へ行く。
0028創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/11/23(火) 12:55:01ID:jmCWN/TN
【主人公が得るもの、失うもの】

・主人公は、人外の力と不死の肉体、現世と幽界を自由に行き来できる能力を得る。
・その代わり、平穏な日常生活と、人間関係のすべてを失う。

【タイトル】

・未定

以上、中二病全開のプロットでしたw
0029創る名無しに見る名無し
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2010/11/28(日) 15:35:41ID:wDQtbga8
 高校1年生の時友人が書いた小説を投稿します<許可済み>

       チェンジ・オブ・デスティニーWorld

            プロローグ・変わっていた世界

 「こんな世界、変わってしまえば」 誰でもそんなことを考えてしまうときはあり、それはしかたのないことなのかもしれない。
 だが、それでも人はこの世界という中で生きている、だから世界の中でそんな事を思ってもしかたがないのだ。
とわ言っても、人一人の視野で見える世界は狭い。
そんな風に一個人には毎日日々過ごしている「日常」こそ、世界と呼べるものなのかもしれない。
 そして今、そんな一個人の世界が変わってしまった事を、その者も、その者の日常に関わっている者達も知ってはいなかった・・・・。

             一の欠片 「異変」
 「・・なん・だ・・・」 ここは何処だろう・・・。
 「ん、んん・・・」起き上がるとそこは見たことも無いただ、ただ青白く光っている岩の地面となにも無い空間が広がっていた。
 「・・・・・・・」
 「いったいココは・・・」そんなことを呟いて辺りを見渡すが、見る限りなにも無く人の気配すら無い。
 「俺が・・寝ぼけているのか?」そんなことも思って顔を、叩いてみるが・・・。
 「・・・・・・・」ハッキリと目は覚めている。
 「うーん・・・」まったく、今いる所にも検討もつかずに考えていると、ふと、なにかの気配の様なものを感じ頭を上げる。
そこにはいままでで見たことも無い風をまといながら感じとれる程の力を発している小さな光があった。
 「・・・」その光を見て驚き、声も出ないでいると。
 「汝、選ばれし者、汝に我が力を与えよう。」光から声が発せられた。
 「・・・は?」訳が分らず頭の中がパニックになっているが光はそん事はつゆ知らずと、続けた。
「世界は動きだした、汝その力を手に汝の思うままに生き覚醒し立ち向かい生き残れ」
 「お、おい、いったいどういうことだよ!」
 「汝目覚めし時に理解するだろう・・・」そう言うと静かに俺の中えと消えていった。
 「う、う・・う・・・なん・な・・んだ・・・よ。」そうして、俺自身の意識も遠のいていった。

二の欠片 「いつもの一日」
 「・・・」
 「・・うぅぅん。」
 「ん、・・・ふあ〜〜・・・はぁ・・・朝か。」
 「あれは、夢だったか・・・。」にしても、変な夢だったな。あれは、いったいなんだったんだろう。
あんな夢今までに一回たりと、見たこと無かったよな。「ん〜〜〜〜〜。」などと考えながら一階へ朝食を作りに降りて行く。
 ちなみに、俺こと「風瀬 寛斗」は一人暮らしをしている。かあさんは海外で仕事をしているし、とうさんは、俺が中学に上がってすぐ、不慮の事故で亡くなた。
でも、だからといってとくに不便はしていない。
炊事などの家のことは、大抵できるし。かあさんも、極まれにだが帰ってくるから特に変わったことも無い平凡とした生活を、している訳だ。
 「ふぅ。そんじゃ、いたただきますか。」と、まあこんな感じの起きたら自分で飯を作ってのんびり食いながら、朝のひと時を過ごしている。
「はぐ、んぐんぐ・・・・ん、ごちそうさん。」
ピンポーン「おーい生きてっか」
 どうやらアイツがきたようだ「よう、生きてたか」
「おまえは、朝から元気だなー」
「んなのあたりまえだろ」と、なんとも騒がしく俺の家に訪ねてきたのは、「伊織 知加羅」だ。
「おっしゃ、早く学校行こうぜ寛斗」
こいつとは中学で知り合って高校もいっしょになったいわゆる腐れ縁でいつもテンションがすこし高めなヤツなのだ。
「おまえな、珍しくお出迎えに来てもらってなんだが今、朝飯食い終わったとこなんだがな。」
「なら早くかたずけてさっさと行こうぜ」
「なんでそんな急いでんだよ今日なんかあんのか?」


             
0031創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/01/05(水) 11:53:26ID:NYDYnne+
ちょww流石ww
0032創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/02/12(土) 22:22:34ID:fP4EKiCX
抑えていた人格…その人格に支配され、狂っていく人生…
抗えず、人格に語りかけるしかできない…

みたいな感じでもおk?
0034創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/17(日) 23:34:57.92ID:3omYpB/2
貴様に見切られるほど
俺の居合いは遅くはないぜ

カチャン(刀をしまう音)
0035創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/26(火) 22:45:58.56ID:SFfwRBo3
 二十世紀も終わりに差し掛かる頃。
 世界のありとあらゆる場所に宇宙から大量の隕石が飛来した。
 それらのほとんどは大気との摩擦熱により塵と化したが、それでも残った巨大な破片は地球に衝突し、未曾有の災害を引き起こした。
 破片の数は確認されているだけで七つ。
 まるで前もって落ちるべき場所が決められていたかのように同質量同形状の破片は世界中に散らばっていた。
 隕石衝突の衝撃により起きた天変地異で各国の政府はその機能を失い、世界はあっという間に無法状態と化した。
 
 だが、真の“無法”は、まだ始まっていなかった。

 その“大破壊”と呼ばれた事件が起きた日を境に一部の人々が異能に目覚めたのだ。
 異能に目覚めた人々は人種や性別を問わず身体のどこかに第三の眼が発生し、
 彼らはその超常の力で無法状態の世界を瞬く間に蹂躙した。
 この異常な状況の中で能力を持たない人々は二つに分かれた。
 能力を持つ人々を敬い従いこの大破壊から人々を導く為に使わされた“天使”であり、能力は“恩寵”とする集団。
 能力を持つ人々を“悪魔”、能力を“邪眼”として嫌悪し排斥する集団。
 当然、この二つの集団は荒れ果てた世界で正面からぶつかった。
 異能側の人数が少なかったことや無能力者側にアメリカ軍が合流したこともあり戦局は常に五分五分。
 その戦争――邪眼大戦――は二十年の時を経て決着し、世界は今二つの勢力に分かれての睨み合いが続いていた。

 今まさにこの世界は大破壊と邪眼大戦の傷跡から復興し、不安定ながらも新たな秩序を作り出す。
 誰もがそう思っていたとき、宇宙から再び客人は訪れたのであった……。





とかいう電波が降りてきたんだけどこれで話書いたら需要ある?
0036創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/26(火) 22:56:18.40ID:SFfwRBo3
設定補足
【異能】
 様々な能力があり秩序だって系統づけられてはいない。
 身体のどこかに眼があって物理的にありえないことできるんなら全部これ。

【異能の発現】
 これの原因については後に研究が進み、隕石から放たれるΣ-rayと呼ばれる波動が人の進化を強制的に促したことが判明する。
 隕石を擬似的に生成できる能力者の出現により模倣品が世界に出回ることで、
 異能を手に入れるきっかけが簡単に作れることになった。
 しかし模造品の隕石よりも本物の隕石の光を浴びた人々、
 更に言えば本物の隕石から放たれる光を浴びて能力を得た人々同士の子供、
 の方が能力の発現は容易で、なおかつ強力である。

【技術力】
 戦争によって進歩した。
 メタルギアぐらいだと考えていただいて結構。

【経済状況】
 一部の能力者の能力で生まれた様々な製品が経済を活発化させている。
 戦災孤児も多いし、それを売り買いする奴らも居る一方で、
 戦争の後の復興需要でもうけた人々も居たりする。

【地理】
 だいたいそのまま
 隕石のせいでクレーターが出来た土地はあるし、
 全体的に戦争などで荒廃しているが大陸の形が変わるようなことは起きていない。
004035
垢版 |
2011/04/27(水) 22:46:16.84ID:2auZyYto
【題名未定〜第一話「邪気眼保持者(ギフテッド)」〜】

 俺の生まれる前の話だ。
 この世界がまだ多数の都市国家(ポリス)の同盟で秩序を形成する前の話。
 その頃にはまだ国という物が存在し、俺の親父――といっても血は繋がっていないが――はその国に仕える軍人だったそうだ。
 その頃の親父はまだ人を守ると言うことに使命感を持っており、
 またそこそこに優秀だったために将来を期待された軍人だったそうだ。
 そんなある日、大人達の言うところの“大破壊”が起きる。
 世界中に隕石が降り注ぎ、それと同時に火山の噴火や津波などが発生。
 警察機能は破壊され、もはや当時の政府に政権担当能力など残っていなかったのだそうだ。
 親父の上司も軒並み死んだそうだ。
 偶然、太平洋上に出ていた親父の率いる部隊は大破壊による災害の被害を免れ、
 人部隊丸々無事で彼の故郷であるアメリカ――と呼ばれていた場所――にたどり着いたそうだ。
 食料を奪い合う人々や、女子供が虐げられる姿、更には邪眼保持者の存在を見て、
 親父は自らの信じた物――民主主義への理想――を完全に打ち砕かれた。
 それ以来、彼はその高い指揮能力や軍で作ったコネを生かして崩壊した世界で彼の国を作ることに決めた。
 俺は丁度その頃に拾われたそうだ。
 ちなみに親父の国作りは成功し、彼と彼の仲間の統治の下で百万人の人々が飢えず、また秩序を保って暮らしている。
 誰が彼を独裁者と責め立てるだろうか?
 おそらく誰も……

「スバル、おいスバル、教科書を読みなさい。」
「え、あ……すいません。しっかり話を聞いていませんでした。」

 教室の皆が物珍しそうな顔で見ている。
 そうはいっても俺だって普通の高校生、物思いにふけって教師の話を聞いていないことぐらいある。
 教師は俺の後ろのクラスメイトに教科書を読ませた。

「2004年、日本、中国、ルーマニア、オーストラリア、アメリカ、エジプト、ロシアの順番に巨大隕石が落下。
 その際の災害の結果として世界人口の5/6以上が死亡し、また邪眼の保持者による犯罪などで世界は混乱に陥りました。」
「それじゃあスバル、今の話は聞いていただろう。
 少し難しい質問をするからしっかり答えるように。
 邪眼保持者は能力の危険性によってレベルが振り分けられているが、
 その能力のレベルの振り分けの基準統一に至るまでの経緯について固有名詞も交えて詳細に答えなさい。」

 実際に邪眼保持者と何度も戦った親父からいつものように聞かされている話だ。
 特に問題はない。
004135
垢版 |
2011/04/27(水) 22:47:35.58ID:2auZyYto
「2009年に対邪眼組織カノッサ機関が当時の反邪眼を表明していた有力ポリスの同盟により結成されました。
 そして2011年に共同開発で対邪眼保持者用ロボット『珀導機(センチネル)』の導入を決定。
 邪眼保持者を一掃しにかかりました。
 しかしこの珀導機(センチネル)が一部の邪眼保持者に手も足も出ないことが判明。
 珀導機(センチネル)の効率的運用のために当時の珀導機(センチネル)でなんとか処分できる能力者を、
 邪眼保持者の使う呼び方からとって第二階梯(セカンド)と呼ぶようになりました。
 第一階梯(ファースト)と第二階梯(セカンド)の掃討まではセンチネルが人間に完全に取って代わるようになりました。」
「センチネルが人間に適わない理由は?」
「最新技術により作成されたナノマシンによる超回復、通称ヒーリングファクターが使えない点がまず一つ。
 また行動がワンパターンで……って先生、その質問歴史と関係ないです。」
「あはは、僕がマニアだからね。」
「もう……。」

 チャイムが鳴る。
 これで今日の授業は終わりだ。
 ホームルームが終わると俺はそそくさと家に帰ろうとする。

「おいスバル、今日カラオケ行かねえか?」
「スバル君あたし達と遊びましょうよ!」
「ん〜、ごめん。今日は家庭教師の先生が来るんだ。」

 級友に遊びに誘われるが今日はどうにも無理そうだ。
 級友との交流も重要だが今日の俺にはやらなくてはいけないことがあるんだ。
 親父の掲げる政治理念は哲人政治。
 俺はその政治理念を受け継ぐために学校の勉強に加えて哲学等色々勉強している。
 今日も家庭教師の先生が家に来る手筈になっていた。
 その勉強が終われば居合いの練習だ。
 彼は日本にいた頃に知り合った友人に教わって練習したらしい。
 私がラストサムライだ、と笑っていた。
 そう言う映画が昔有ったらしい。
 大破壊前の文化は現在にほとんど残っていないのでよく知らない。
 親父は友人から貰った日本刀と居合いの技術で銃弾をものともしない邪眼保持者を切りまくったというのが彼の武勇伝の一つだった。
 そう、邪眼保持者。
 邪眼保持者とは…………。

「うわっ!」
「きゃっ!」

 曲がり角に差し掛かると同時に人とぶつかる。
004235
垢版 |
2011/04/27(水) 22:49:04.26ID:2auZyYto
「済まない。」
「いやこちらこそ、う……、ぐっ右腕が!」
「怪我をさせてしまったのか?」
「さ、触るな!私に触ったら……。」

 見れば俺にぶつかった人間は俺より少し年下の少女だった。
 包帯を巻いた右腕を押さえて何か訳のわからないことを言っている。

「怪我したところにぶつかってしまったみたいだな?本当に済まない、医者に連れて行くから……」

 何気なく手をとる。
 次の瞬間だった。

「ぐあああああああああああああああああ!」

 右目に焼けた火箸を突っ込まれたかのような痛みが走る。
 脳には鼠花火を突っ込まれたような苦痛。
 俺は思わず叫んでいた。

【ようこそ、邪眼保持者(ギフテッド)の世界へ】

 頭の中に響く声、意味がわからない。
 ズリュン、という妙な音、それと同時に俺の右目が落ちる。
 尚も続く痛みに俺はあっさりと意識を手放した。
004335
垢版 |
2011/04/27(水) 22:51:01.62ID:2auZyYto
「……あれ?」
「目を覚ましたか。」
「愛善先生……。」
「私のことは親しみを込めてラブ先生と呼びなさい。」
 
 見知った天井、蒼い瞳が俺を覗く。
 ここは俺の家の俺の部屋で蒼い瞳の持ち主である彼女の名前はメアリ・愛善・クランベリー。
 大破壊の前はミスカトニック大学で哲学を専攻していた大学生である。
 今は俺やこの町の大学生に哲学を教えている。
 ちなみに日系人……の筈なのだがおもいっきり碧眼金髪である。

「貴方を女の子が運んできてくれたのよ。彼女?」
「いや……たまたまぶつかっただけで……。頭でも打ったかな?」
「医者に来て貰ったけど大丈夫だったみたいよ。
 多分勉強で疲れていたんでしょう?」
「ああ、その子にお礼を言わないと……。」
「それがその子ったらいつの間にか居なくなっていてねえ……。」
「そうですか…………。」
「まあ同じ町にいるならまたいつか出会うわよ。」
「それもそうですね。」
「じゃあ私は帰るわよ。」
「はい。」
「ところで今の学生ってベッドの下にエッチな本とか隠さないのかしら。
 やっぱりインターネットの時代なの?」
「はい。主にネットで……って何言わせてるんですか。」
「冗談よ、それじゃあまた来週。あーそういえば台所の机の上に貴方のパパからのプレゼントが置いてあったわ。」
「なんですか?」
「なんか細長かったわ〜。」
「……ああ、新しい居合刀かな。」
「じゃ、今度こそ帰るわね。」
「はい、ありがとうございました。」
 
 ラブ先生が家のドアを開けて出ていく音。
 ふわりとおいしそうな香りが漂ってくる。
 彼女が夕飯を作っていってくれたらしい。
 俺は台所まで行って彼女の作ってくれたハンバーグとプレゼントらしい細長い箱を発見する。
 そうだ、そういえば来週は誕生日だったっけか。
 そんなことを考えながら俺はハンバーグを食べようと……窓がカタカタと音を立てて揺れた。
 俺は護身用の木刀を持って窓に近づいた。
 驚くべきことに窓のそばには先ほどの少女が立っていた。
004435
垢版 |
2011/04/27(水) 22:52:16.64ID:2auZyYto
「……おまえはさっきの!?」
「早く家に入れて!手遅れになる前に!」

 俺は迷うことなく窓を開いた。
 彼女は右腕だけじゃなく、左腕にも包帯を巻いて、その包帯は血で真っ赤に染まっていたから。
 親父もこういう時は家に入れて応急処置をしろと言うに違いないと思って。

「ありがとうスバルくん。」
「俺の名前を知っているのか?」
「有名人じゃない、貴方のお父様が。」
「ああ、まあね……。」
「単刀直入に言うわ、私と一緒にこの町から逃げましょう。
 この町において邪眼保持者の受ける扱いくらい知っているでしょう?」
「どういうことだ?まあたしかに邪眼保持者は扱いが悪いが……」
「どうもこうもないわ、貴方は邪眼保持者、我々の言葉で使徒(ギフテッド)になっちゃったのよ!
 貴方のレベルは……第三階梯(サード)、捕まったら権力者の息子でもどんな目に遭うか解らないわよ!」
「はぁ!?」

そう言った直後、我が家のドアが吹き飛んで軍服姿の親父と武装した軍人が家に入ってきた。

「スバル……こうなってしまった以上は仕方あるまいな……クソッ
 この町の市長として、お前の親として、マーク・サンダースが……!
 第三階梯の保持者である正体不明の少女とスバル・サンダースを確保する!」
「どういうことだよ親父!」
「お前だって子供じゃないんだ知っているだろう。
 この町では邪眼保持者は居るだけで拘束の対象なんだ!」
「知っているけど……!」

 大量の銃器が突きつけられる。
 皆本気だ。
 俺が何かしたら本当に撃とうとしている……!?

「あっちゃー、ちょいと遅かったかなあ……。」

 少女はつまらなさそうに呟いた。
 その場にいる全員の視線が俺と彼女に突き刺さっている。
 この異常な状況の中で、俺だけは親父からのプレゼントという細長い箱がわずかに金色の光を放っているのを視認していた。

【題名未定〜第一話「邪気眼保持者(ギフテッド)」〜】
004535
垢版 |
2011/04/27(水) 22:54:55.96ID:2auZyYto
反省点
・第一話だったせいかやりたいことがほとんどできなかった、バトルとか
・早く投下したくて元々一つの話だった物を二つに分けて見切り発車した
・急いで作ったせいで多分日本語がやばい

なんか感想とか有ったら言ってくれると嬉しかったり
続けばいいな
0047創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/28(木) 22:18:49.34ID:jYgFFasU
自分斜視なんだけど
もともと他人と違うって言うことが好きだったためか
素敵な邪気眼設定に使わせてもらっとりますww
004835
垢版 |
2011/04/28(木) 23:47:54.35ID:gd8SPMTy
【題名未定〜第二話「明日無き逃亡」〜】

「さあこちらに来い!」

 少女の腕に手錠がかかる。
 知っている、あれは能力者の能力を封じるための手錠。
 倒した能力者を拘束するために使われるのだ。
 あれがかかってしまえばもう逃げ出せない。
 彼女とてそれを知っているはずだ。
 ならばなぜ抵抗しない?
 俺を巻き込むから?
 違う、俺のために何かする義理はない。
 そもそもこの包囲を彼女だけでも突破する能力が無い。
 違う、そもそも邪眼保持者に対するこの町のセキュリティーは完璧だ。
 四方を高い防壁、地下を広大な迷宮に囲まれ、上空は最新鋭の珀導機が防備している。
 二つある門のチェックは完璧で、数十桁の暗号と防衛部隊が門を守っている。
 彼女もそんなところに入り込む邪眼保持者。
 ならばこの状況を突破できない道理もない。
 じゃあなんだ。なんなのだ。
 なぜ彼女はここから逃げ出さない。

「まさかねえ……、まさかあんたがそれだとは知らなかったのよ。」
「おい喋るな!」
「やめてやめて、もう私に戦う力はないのですお許し下さい。」
「黙れ能力者め!」
「ぶっ殺すぞ!」
「皆さん、賤しくもこの町の平和を守る兵士なんだから子供一人によってたかってそんな……。」
「スバアアアァル!」
「な、なんだよ父さん。」
「お前も含めて能力者なんだ、余計な口を叩くな。
 それが能力の発動の合図かも知れない。
 黙っていればお前も幽閉程度で済ませてやる……。」

 銃口が更に強く突きつけられる。
 口の中まで入って来やがった。
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2011/04/28(木) 23:48:19.89ID:gd8SPMTy
「な、待、待てよおやひ!
 ほれはらにも……」
「今はな。今はそうだろう。
 だがいつかお前はその能力の囁きに負けて、秩序を乱すだけの欲望の固まりと化す。
 明日か、明後日か、それとも一分後か、今も既にそうなのかもしれない。
 お前は私の町を壊す。私は私の町を私の町に住む人々を邪眼保持者から守らねばならない。
 私の町なのだ、私が作り育てた私の町だ。
 民主主義の死の先に私が見つけた一つの答えだよ。」

 兵士が少女を連れて行く。
 あの長くて細い包みからは未だ金色の光が漏れだしている。
 夕映えが如く、黄昏が如く、俺の右目にはその光が映っている。
 あいつらは何も見えていないのか。
 右脚に鈍い痛み、家の中に響く乾いた発砲音。

「親父!」
「市長、ご子息に何を!?」
「保持者といえど、血が繋がっていなくても……」
「黙れぃ!」

 右足だ。
 右脚を撃ち抜かれた。

「どうした、まだ右脚を撃ち抜かれただけだぞ。
 お前は特別良い子だったからなあ……。
 許してやっていたんだぞ、これまでそこそこ我慢していたのだぞ保持者といえど。
 次は左足か?それとも腕か?
 邪眼保持者だけは我が子といえども……!」

 ふと、少女と目が合う。
005035
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2011/04/28(木) 23:52:20.54ID:gd8SPMTy
「おいスバルゥ、早く助けてくれよ。」

 あっけらかんと、それはそれは暢気に、彼女は言った。
 まるで俺が助けることを既に知っているかのように。
 俺が何を出来るのかを彼女は知っているかのように。
 まだ俺ですら知らないのに。
 マジマジと見つめている。
 つぶらな瞳で。
 花のような容で。
 夕暮れの風に揺れた髪をぶら下げて。
 細く華奢な手足をつけて。
 投げやりな態度で。
 ……って俺は何を考えているんだ。
 あいつはこの町に何らかの目的を持って不法侵入した邪眼保持者……。

 そうだ。

 そこで第三の可能性が浮上する。
 こいつは試しているのだ。
 俺の能力を。
 この状況で俺は何を出来るのかを。
 会ったばかりで、街角で偶然ぶつかって、それだけの俺を。

【クク……ようやく状況を理解したか。】

 またあの声だ。意識を失う前に聞こえたあの声。
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2011/04/28(木) 23:53:10.09ID:gd8SPMTy
【自己紹介が遅れたな、俺はお前の能力そのもの。お前の邪眼だ。】

 何故だか解らないがその言葉が真実だと理解できた。

【お前、自分自身の言葉を疑えると思ってるのか?】 

 そんなのどうでもいい。なんで俺の所に来たんだよ。妙なことになっちまったじゃないか。 

【そんなことはどうでも良い、このままだとおめえ、親父に殺されちまうぜ?】

 うるさい、親父は話せば解ってくれる。

【仮にお前は大丈夫でもあのお嬢ちゃんは駄目だろうなあ?】

 あいつは犯罪者だろう。

【犯罪者なら死んでも良いのかよ?】
【あいつはこの町に入ってきただけだ。】

 邪眼を持っているくせにこの町に入ってきた時点で罪だ。
 死に値する。

【町に入っただけでかよ。鳥でさえ自由に空を飛ぶのに人間様は町にも入れてもらえない。】

 邪眼保持者は人間じゃない。
 
【あんたも含めてか?】

「一つ良いことを教えてやるよオトーサン、そいつが“予言の仔”だぜ。
 第三階梯(サード)なんかじゃ済まされない大能力者なんだけどなー。」

 なんだそれ?
 と疑問に思うまもなく親父の顔色が変わった。
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2011/04/28(木) 23:53:51.19ID:gd8SPMTy
「市長お待ちください!」
「その女が時間を稼ぐために言っているだけの虚言です!」

 親父の持つ銃から弾丸が吐き出される。
 俺に向けて真っ直ぐに。
 俺の眉間に向けて真っ直ぐに。
 死ぬ、このままだと死ぬ。
 でも別に良いかな、親父に迷惑かけたくないし。
 ……駄目だ、怖い。
 死ぬのは怖い。死にたくない。
 それだけは嫌だ。 
 やけにスローモーションな弾丸が俺の目と鼻の先まで歩みを進める。

【死にたくない?しかたねえなあ、俺がちぃとばかし能力の使い方を教えてやるよ。】

 身体の中からガラスが割れるような音がする。
 それと同時に世界が白黒に反転し、その中を海蛍のような蒼い光がふらふらと彷徨っている。
 その異様な光景に心奪われている間に俺は俺の身体の支配権を失っていた。
 俺の身体は周りにいた兵士をはじき飛ばすと包みを開けて中から刀を取り出す。
 
【俺の名前は……眼、能力は至ってシンプル】

 名前を上手く聞き取れない。

【名前を聞き取れない?そりゃあお前がまだ目覚めていないからさ。】
【良いか、俺の能力は空間を飛び回る時間素粒子(タキオン)を捉えて、それに衝撃を与える。】
【即ち、“他人と時間を共有しない自分だけの世界を作り出す能力”】
【お前の作り出す世界において、お前は何者にも干渉されず、お前の自由に動ける。】
【平たく言えば制限付きで時を止めるってことさ。制限時間はお前の腕前次第だ。】
【上手く時間素粒子(タキオン)に衝撃を与え続けなきゃ……】

 次の瞬間、その場にいた全員が再び動き始める。
 俺の身体も俺の思うままに動くようになっている。
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2011/04/28(木) 23:54:19.38ID:gd8SPMTy
【こんな感じで時間からの乖離は解除される。】
【今のお前じゃあ一秒保たないだろうぜ。】
【今みたいに無理矢理時間を止めることもできるが邪気の消耗が激しい。】
【一日に一回、五秒までだと思いな。】
【まあ今使い切っちまったけど】

 構わない、一秒止められれば十分だ。

【んたのもすぃー話だこと】

「居なくなっている!?」
「今何があった!?」
「ほーう、そういう能力か。」
「スバルお前!」

 足の痛みが薄れていく。
 これも邪眼の力だというのか?

「悪いな親父」
「……バカ息子め。」

 誰にも見えないほどわずかに親父の口角があがる。
 なぜだ?

「取り押さえろ!」

 兵士達が銃弾を撃ってくる。
 手元にフラフラと寄ってくる蒼い光の玉。
 これが時間素粒子か?
 刀の柄で殴るとそれはガラスの割れるような音と共に破壊された。
005435
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2011/04/28(木) 23:54:54.35ID:gd8SPMTy
【早く銃弾の手前にある次のタキオンを斬れ!】

 銃弾を刀で弾ける筈がない。
 それに弾くにしたって直接当てないと意味が無……

【良いから早く!】

 仕方なくタキオンを斬りながら銃弾の軌道を塞ぐように刀を振るう。
 すると時間が動き始めたと同時に妙なことが起きた。

「どういうことだ?」
【時間から乖離した状態でタキオン以外の物に攻撃しようとしてもすり抜ける。】
【しかしその代わりに攻撃のエネルギーだけは残るんだ。】
【お前の斬撃の軌跡にはお前の斬撃のエネルギーが残る、まあ先にそこに物があればそれも無かったことになるけどな。】
【時間を止めて無敵モードで切りまくりなんてのは無理だ、覚えておきな。】
「じゃあなんでこの刀をつかむことが……?」
【次が来るぞ!】

 足下のタキオンを踏みつぶしながら体勢を低くする。
 タキオンを攻撃しながら行動を続けないと時間の停止は簡単に解除されてしまうようだ。
 先ほどまで俺に銃を向けていた兵士達の足下へ転がり込んだ所で時間停止は解除される。

「いつの間に足下に!?」

 鞘で彼らの足を払う。
 転んだところで再び時間停止、彼らが体勢を崩して倒れる先に斬撃を“設置”する。
 時間が再び動き始める頃には既に俺は少女の前にいる。

「助けてくれ。」
「助けてやる。」

 俺は少女の手をとって駆けだした。
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2011/04/28(木) 23:55:35.15ID:gd8SPMTy
「くそ……構わん、銃殺を許可する!」
「許可が出たぞ!撃て!撃て!」
「囲め囲め!」

 背後から追いかけてくる兵士達。
 俺は少女の手を引いて囲まれないように狭い裏道などを使って逃げる。

「ふふん、良いのかいオトーサンの所に居なくて。」
「あれじゃあ話し合いなんてできねえよ……!」
「居たぞあそこだ!」

 ヘリコプターの爆音。
 強い光が俺達を照らす。
 それを目印に数十人の兵士が俺達の居るところに集まってきた。

「くっそ……!」

 それでも俺達は走り続ける。
 しかしそんな逃走劇も終わりを告げる。

「危ない!」

 背中を押されるような衝撃。
 再び響く乾いた銃声。
 貫かれたのは俺じゃなくて……。

「おいお前!大丈夫か!」
「一人やったぞ!」
「あの女か!」
「許可は出ているがスバル君は出来るだけ殺すなよ!」

 兵士の中に知っている声が混ざっている。
 嫌だ、やめてくれ、そんな事実認めたくない。
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垢版 |
2011/04/28(木) 23:57:05.76ID:gd8SPMTy
「スバル!スバル君!俺だ!大人しく投降してくれ!」

 優しくしてくれていた近所のお兄さん。
 そういえばあの人の就職って警備部隊だったっけか。
 こんな者に、こんな物に、邪眼保持者なんてものになってしまった俺が今更どうしろって言うんだ……。

「その必要はねえ!」

 空から届いてくる爆音。
 その時、全員が目を見張った。
 驚くべきことに空から漆黒に染められたガレオン船が降ってきたのだ。

「そこの少年少女はこの俺様が貰っていく!」

 ガレオン船はヘリコプターの機銃掃射を簡単に弾き返して逆にヘリコプターを踏みつぶす。
 俺達の真上に浮いたガレオン船からは映画に出てくるような海賊の船長の姿をした男が縄ばしごでするすると降りてきた。

「義賊ロジャー・シャンドラのお通りだ!
 退きな退きな!
 さもねえと…………」

 ガレオン船から大量の大砲が顔を出す。
 この謎の闖入者のおかげで俺達を囲む包囲がじわりじわりと後退した。
005735
垢版 |
2011/04/28(木) 23:57:36.46ID:gd8SPMTy
「待て!」

 親父が人の群れをかき分けて近づいてきた。

「おやおやこれはこれは市長様。」
「落ちた物じゃないか王族の末裔が盗賊とはな。」
「民主主義を棄てたメリケン野郎には言われたくないね。
 どうだい?そいつが独裁者の椅子な訳だが座り心地は?」
「そいつらを引き渡して貰う。」
「構いませんが……、貴方の大切な町は良いのですかねシチョーサマ?」
「……貴様まさか!」
「なんせ俺達の船団は金持ちから金を奪うのが大好きな奴らばっかりでしてね。
 もう既にだーいぶ町に入り込んじゃっているんじゃないかなあ?
 それこそ貴方の支持者のところとかさあ!
 良いのかな、こんな子供達の所で油売ってて!」
「ぐ……!兵を市街地に回せ!」
「交渉成立!」

 シャンドラと名乗った男は俺と倒れた少女を抱きかかえる。
 残念ながら俺に抵抗する体力は残されていなかった。
 先ほどの邪眼の連続使用が良くなかったらしい。

「それじゃあなあ!邪眼に翻弄されし哀れな箱庭の住民(コヒツジ)達よ!」

 彼は俺達を捕まえたまま縄梯子に掴まる。
 そこで俺の意識はパッタリと途絶えてしまった。
【題名未定〜第二話「明日無き逃亡」〜】
005835
垢版 |
2011/04/28(木) 23:59:47.43ID:gd8SPMTy
相変わらず邪気眼全然出せねえ
感想とかあったら書いていただけると嬉しいです
一日で書くなよ推敲しろよとかでも結構です
0059創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/29(金) 07:24:02.90ID:9spqU9ba
この板には珍しくハイペースな投下だなあ
006035
垢版 |
2011/04/29(金) 23:19:39.64ID:aICx1qb9
【題名未定〜第三話「その男、変態につき」〜】

「はぁっ、はぁっ……!」

 夜も更けた町を駆ける五、六歳ほどの少女。
 それを三人の男がそれを追いかけていた。

「待て!逃げた奴隷はもうお前だけだ!逃がさないぞ!」

 少女はとある都市を支配する男の奴隷だった。
 来る日も来る日も乏しい食料で無理矢理働かされて、眠る以外に何の楽しみもない日々。
 だが彼女はそれを苦しいと思ったことはない。
 生まれたときからそれしか知らなかったから。
 
「はぁっ、はぁっ!」

 ならば彼女はなぜ逃げたのか。
 それはただ単に彼女よりも年上の――とはいっても十歳にも満たないのだが――にある日命令されたからだ。
 このまま此処にいると酷い目に遭う、貴方達だけでも逃げなさいと言われたからだ。
 結局彼女らの言うままに何人かの仲間と共にその少女は逃げ出したのだ。

「路地裏に逃げたぞ!囲め囲め!」

 少女は小さな身体を生かして道もよく知らない路地裏に逃げ込もうとする。
 ポスンと軽い音がする。
006135
垢版 |
2011/04/29(金) 23:22:49.19ID:aICx1qb9
「ごごごごめんなさい!」
「いってえなあ……前ぐらいちゃんと見てください!
 ――――と思ったらうっほ、こんな夜更けに良い幼女じゃないですか!」
「へ?」

 たしかに少女は前を見ていなかった。
 彼女にぶつかったのはは驚くほど背が高く筋骨隆々な青年だった。
 彼女が前を見ていれば彼に気づかないなんてことはなかっただろう。
 
「おいそこのガキ!」
「その娘をこっちによこしな!」

 追っ手は青年と少女を取り囲むようにして近づいてくる。
 青年は相手の様子と少女のボロボロな衣服を見て全てを察したようだった。

「そいつはこの辺りを支配するピート様の奴隷だ!」
「大人しく渡さないと痛い目見て貰うぞ!」
「痛い“眼”ねえ……。」

 やれやれ、と溜息をついて青年は少女を抱きかかえる。
 
「た、助けてください!お礼なら何でもします!」
「物わかりが良いじゃねえか!さっさとそいつをこっちに……」

 青年は少女を抱きかかえたままとことこと路地裏に向けて歩き去っていく。
 追っ手がまるで見えていないかのようだ。
006235
垢版 |
2011/04/29(金) 23:25:26.01ID:aICx1qb9
「ところであなた、名前はなんて言うんです?」
「てめえどこに行く気だ!?」

 追っ手の男達の言葉は完全無視である。

「え?」
「一応僕は君の命の恩人ですよ?名前ぐらい名乗りなさい。」
「名前は……シキって呼ばれてました。」
「ふぅん、そうかそうか。シキね……、僕の名前はグレイ・グレイブ。
 仲間内ではそう……焔装埋葬(オーバーキリングレッド)って呼ばれている。
 ところでなんでもするって本当?脇のにおいもかがせてくれたりする?」
「待ちやがれ糞ガキ!」
 
 追っ手の男が青年の肩に手をかける。
 それと同時に少女は青年の手の中でビクンと震えた。
 だがその理由は追っ手の男が恐ろしかったからではない。
 シキが怯えているのは彼女の目の前で青年の額がパックリと裂けていたからだ。
 そしてその奥から真っ赤な色をした眼が覗いたからだ。

「何でしょうか。」
「そのガキを渡せって言っているんだろうが!」
「正直おっしゃる意味がわかりません。」

 そう言うが否やグレイは後ろ飛び回し蹴りで男を蹴り飛ばす。
 それを見て男の仲間が拳銃を取り出す。

「皆さんはご存じないのでしょうか?」

 青年は眼鏡の位置を直し、男の手が触れたところをまるで埃がついたのを払うようにしてパンパンと叩く。

「幼女は全人類の宝です。あなた方のようなむさい男達が物扱いしていい存在ではありません。」

 抱きかかえていた少女を地面に降ろし、彼女を庇うような位置に立ってグレイは男達と向き合う。
006335
垢版 |
2011/04/29(金) 23:26:28.09ID:aICx1qb9
「幼女は美しい。
 あのふにふにとした二の腕、あのあどけなく希望に満ちあふれた瞳。
 そ、し、て、わずかに漂う乳臭いあの香り。
 どれをとっても芸術と言うほかにない人類の生み出した最高の存在ですよ。
 穿いていただくパンツについては諸説分かれていますが個人的には純白こそ至高の輝きかと思われます。
 なぜって?
 聖書でも言っているじゃないですか。
 古い革袋に新しい葡萄酒を詰めるなって。
 生まれてまだ十年も経っていないような幼女にそんな色のついたパンツなんて穿かせられますか?
 いいえ、決して穿かせてはいけませんよ。
 彼女らの心が真っ白であるかの如く彼女らのパンツもまた白であるべきだ。
 たまに黄色く染まるのもまた堪らない……んふふ、ああごめんなさい話が逸れましたね。
 とにかく幼女とはすばらしい存在な訳ですよ。
 愛でても良し愛でても良し愛でても良し、こんな素敵な存在この世にはそうそう居ません。
 で、あなたたちですが、なんですか?
 大の大人が小さい子供によってたかって!
 恥ずかしいとは思わないんですか?
 そのうえこの子、見てみなさい。
 このすっかり細くなってしまった二の腕!
 ぷにぷにもふにふにもふわふわもねえよ!
 この肋骨が浮き出てるお腹だってそうだ!
 幼女には三食に加えて一日一回プリンとおいしいオレンジジュースを飲ませないといけないんだ!
 それではじめて頬擦りしたいお腹になるんだ!
 お前らか?お前らのせいなんだよな!
 あとそのピートとかってやつのせいか!
 子供をこんな目に遭わせ続けている奴なんだもんなあ!
 糞が!糞が!クソガクソガクソガクソガクソガクソガクソガ!
 てめえら全員犬畜生だよ!なんでこんな可愛い生命体を!
 てめえらみたいな犬畜生より遙か上の次元にいる存在なんだよ!
 良いか覚えておけこの世には俺と幼女とそれ以外しかいねえ!
 てめえらみてえなそれ以外ですらない屑は!俺が手ずからぶっ殺してやる!
 うわあああああああああああああああああああああああ!」
006435
垢版 |
2011/04/29(金) 23:28:42.83ID:aICx1qb9
 何もせずして何も言わずして彼は自分勝手に怒り狂う。
 感情の炎が荒れ狂う。
 それに伴って彼の身体からは辺りを真昼の如く照らす赤い炎が舞いあがる。
 自縄自縛の自意識過剰の自壊自爆の精神構造。
 当然グレイが長々と話している途中で男達は彼に向けて何度も銃を撃っていた。
 しかしその銃撃は悉く炎の盾の前で雲散霧消する。
 彼らにもう逃げ道は無い。
 とっくのとうに焔の壁が追っ手の男達を包み込んでいたのだから。

「気が……狂っとる。」
 
 それだけ呟いて男達は灰になった。
 灰になって、風に吹かれて、塵に消えた。

「ASH TO ASH,DUST TO DUST.
 吾が恩寵たる灰燼眼、そして吾が能力たる【そして全てはAになる(グレイブキーパー)】、
 そしてそれら全てを与えてくださいました神に感謝します。
 ――――さて、シキさんでしたね。」
「…………。」
 
 目の前で起きたあまりの出来事にシキは言葉を無くしていた。

「おや、驚かせてしまいましたか……。」 

 大丈夫ですか?
 とグレイは彼女に問いかける。
 それと同時に彼女の中で張り詰めていた緊張の糸が切れたのか、彼女は気絶してしまった。

「やれやれ……彼女が起きたらそのピートとかいうお方ともお話しにいかねばなりませんね。
 “予言の仔”を回収しに行った同志との連絡はその後で良いでしょう。」

 グレイは再びシキを抱きかかえる。
 首筋の辺りに花を近づけて思い切り息を吸う。

「うひょおおおおおおおお!たまんないぜえええええええええ!」
 
 駄目だこいつ。
【題名不定〜第三話「その男、変態につき」〜】
0065創る名無しに見る名無し
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2011/04/29(金) 23:41:01.18ID:9spqU9ba
どうしてこうなった!
変態すぎるだろ…
最近なかなかこの手のマジキチキャラ居ないから面白いけど
006835 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/04/30(土) 22:03:49.86ID:hlqgLFCx
一応酉つけるね
構想では三十話くらい
ただしテンション次第で幾らでもだらだら伸びる
うざかったら無視してね
少しでも興味頂けたら感想とか質問とかして頂けるとマジテンション上がります
DDFFみたいに沢山の主人公を使って話を書いていく予定です
スバル以外は個性を強く能力もアクが強い物を優先していく予定
リクエストとかあったら出来るだけ答えたいなーとか
同じ世界観で別の話書いて貰えたら面白いなーとか
その内出してる固有名詞やストーリー構想のパクリの元を書きたいなーとか思ってたり
0069創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/04/30(土) 22:24:03.19ID:oDZPi9fw
雰囲気はアメコミっぽい気がする
キャラの灰汁の強さは一話二話の間は抑えていたのかな
0070創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/01(日) 21:34:43.48ID:TjTSNNr1
三十話で絶対おわらんだろ……
それはそれでたのしみだけど
0071創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/01(日) 21:35:06.58ID:TjTSNNr1
三十話で絶対おわらんだろ……
それはそれでたのしみだけど
0073創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/02(月) 10:18:34.98ID:2SjVK2HC
三十話で絶対おわらんだろ……
それはそれでたのしみだけど
007535 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/02(月) 22:47:17.37ID:9DLpI1Wa
【題名未定〜第四話「日下雅人と言う男・前編」〜】

「本日のロールシャックジャーナル。
 ここから西に50km行ったところにあるスラム街の顔役であるピートのアジトが全焼。
 顔役とその子分達の死体は未だ見つからず。
 事件直前にアジトの中から沢山の子供達をつれた神父服姿の男を見かけたという証言があり、
 警察では事件と事故の両面から調べを進めている。
 ピート氏は黒い噂の絶えない人物であり、今回の事件を天罰だと言う地元の人間も多い。
 ある老人は炎は巨大な十字架の形になっていたと言っていることから、
 スラムの中では救世主の出現と騒ぎになっている。」

 新聞を読んだまま、溜息をつく中年の男性。
 その右手の甲にある黄色い瞳と左手に着いたカメラのような物ががぎょろりと彼の目の前にいる人物を睨んでいた。
 
「グレイ……君は確か悪魔払いだか悪霊払いをしていたのだったよね?」
「はい、大破壊以降大量の霊的な事件が起きており一人の聖職者として……」
「君は確かその後で預言の仔の回収に行った同志【薺】と合流する予定だったね?」
「いやーそれがその途中にちょっぴりトラブルに……。」
「起こしてるんじゃないかトラブル!」
「元々は自衛の為で……」
「自衛って限度あるから!どうみてもオーバーキルだよ!
 十字の炎ってお前以外居ないから!少しこの世界に居る奴なら誰にでも解るから!」
「そうはいってもやはり小さな子供達を虐げる輩は許せませんよ。
 なんてったって【皆殺しの赤(オーバーキリングレッド)】ですからね。」

 男性の目の前にいる青年の名前はグレイ・グレイブ。
 彼の率いる邪眼保持者による組織の一員である。
007635 ◆gga2RGANNc
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2011/05/02(月) 22:50:55.00ID:9DLpI1Wa
「【皆殺しの赤】でも【焔装火葬】でも構わないが任務を放り出すってどういうことなんだろうなぁ?」
「いやー……。」
「グレイ兄ちゃんをいじめるな!」
「そうだそうだ!」
「おっちゃんも悪い奴だろ!」

 中年の男性はグレイが連れてきた大量の子供達を見て苦い顔をする。
 彼は子供が苦手なのだ。
 嫌いではないのだがテンションについていけないのである。

「あっはっはっは、だそうですよ日下さん。」
「笑い事じゃない。薺が消息を絶っているんだ。
 彼女が私的なコネを使って空路で移動していたのは解っているんだが……。」
「彼女ならいつもの独断専行でしょう?彼女無しに我々の組織は成り立たなかったんですし、それくらい大目に見ましょうよ。」
「グレイにーちゃんご飯たべよーぜー。」
「グレイにーちゃんお風呂入ろうよ!」
「「「グレイにーちゃーん!」」」
「グレイ、まずはこのガキどもをなんとかしろ。」
「よし、まずは皆で教会に帰るぞ。そしてお風呂だ。男の子は皆で好きなように、女の子は俺と入りなさい。」
「「「「はーい!」」」」

 中年の男性――日下雅人――はグレイブの性癖を知らない。
 だから彼が子供達に教会に帰ろうと言っても何も思わなかったし、
 その後さらっと行われた爆弾発言についてもまったく気づいていなかった。
 それよりも彼はこの後おそらく自分の所にかかってくるであろうロールシャックジャーナルの取材のことの方が憂鬱だった。
 日下は彼とグレイブの出会いを思い出す。
 当時のグレイブは大破壊で親を亡くした子供の一人だったし、日下雅人は医者の見習いだった。
 
「雅仁……、兄ちゃんは間違ってないよな……?」

 右手の甲でキョロキョロと様々な方向を見ている黄色い眼に雅人は語りかける。
 
「……なんてな。」

 左手の甲についたカメラのような眼を見る。

「井坂先生……、真理は今でも元気ですよ。」

 壁に掛けられている写真に彼は少しばかり苦い表情を見せてみる。
 黒い白衣を着た二人の男、彼の師匠である井坂善久郎と彼、そして彼自身の妻子の映った写真。
 井坂善久郎はもうこの世には居ない。
007735 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/02(月) 22:51:28.90ID:9DLpI1Wa
「グレイブの奴もでかくなった……。
 あいつが世話されるんじゃなくて世話する側なんてな……。
 って、電話か。ロールシャックの奴からじゃないだろうな……?」

 少しばかりセンチメンタルな気持ちを煙草の煙で追い払うと、彼は受話器を取った。

「はい、こちら日下医院……。」
「俺だ、お前らの組織に取材をしたい。」
「待て待てウォルター。」
「安心しろ、用があるのはお前じゃない。
 グレイ神父の方だ。彼があんな義侠心に溢れた男だとは知らなかった。
 詳細は伏せた上でこの町のヒーローとして……。」
「ちょちょちょちょっと待てウォルター。」
「もう遅い、教会の前まで来ている。」
「やめてくれよウォルター・オーバーフロー」
「言っておくが俺は取材に一切の妥協はしないぞ。」

 通話が切れる。
 日下は溜息をついた。

「もう嫌だあいつら……。」

 ウォルターはロリコンという物を心底嫌っており、
 グレイはただ今幼女達と入浴中であり、
 教会には今彼ら以外に誰も居ないと言うことを……、
 その双方と親しい日下雅人は知らない。
 
「お、電話だ。」

 彼は再び鳴った目の前の電話を取る。

「薺さんの知り合いの者ですが日下さんですかか?」

 知らない青年の声だ。
 薺にあんな若い男の知り合いが居たのか?
 と日下は不審に思う。
 なんせ彼が薺という同志に初めて会ったときから彼女は少女のような外見だったのだ。
007835 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/02(月) 22:53:32.37ID:9DLpI1Wa
「こちらは日下医院、私は院長の日下雅人だ。」
「俺はスバル・サンダースって言います。」
「サンダース?」

 彼は宿敵と同じ名字を持った青年に警戒をする。
 彼はスバルの父であるマークに師匠であり命の恩人でもある男を殺されていた。

「用件を聞かせて貰おう。」
「それが……無いんです。」
「は?」
「薺さんって人が俺を庇って頭を打ったせいで一部の記憶がなくなってて……。」
「おい待てお前らどこにいるんだ?」
「空の上です。詳しい場所は言うなって言われています。」
「……迎えに行けばいいのか?それともそっちがこちらに来るのか?」
「薺さんが日下さんとかのことは覚えているらしいんでそっちに向かいたいと思います。」
「場所は解るか?」
「えーっと……」
「おいスバル、私に代われ。」

 電話の向こうで聞き覚えのある声が聞こえる。
 どうやら彼の同志である薺の声だった。
007935 ◆gga2RGANNc
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2011/05/02(月) 22:53:54.39ID:9DLpI1Wa
「おい雅人、私だよ。」
「薺、記憶がないってどういうことだ。」
「うん、どうもこうも記憶がないんだ。
 だいたい……そうだね、君と出会う前の記憶はごっそり無くなってる。」
「グレイブや俺と会った時よりの記憶?私たちの計画の根幹に関わってくるものじゃないか。」
「ああ、全く駄目だよ。」

 よりによってそこ以前のの記憶か、と溜息を吐く。
 
「……じゃあとりあえず俺達は待機しておく。
 無事に帰って来いよ。」
「はーい。」

 通話は途切れた。
 
「まったく……どいつもこいつも……!」

 日下は手近にあった胃薬を飲むと近くにあったソファに寝転がって目を閉じた。
 彼は少しばかりの仮眠に入ろうとしていた。

【題名未定〜第四話「日下雅人と言う男・前編」〜】
008035 ◆gga2RGANNc
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2011/05/02(月) 22:58:37.69ID:9DLpI1Wa
という訳でちょいとだれる部分
この後はアクションアリ恋愛アリの退屈しない部分になる……と良いな
自分の文章力だときついかな

思ったよりも楽しみにしてくれる人がいて俺歓喜です
あちこちに愉快な固有名詞を混ぜているんでにやにやしてくれると嬉しいです
こんな駄文しか書けませんがどうぞ最後までおつきあいください



三十話で終わらないかもね
0081創る名無しに見る名無し
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2011/05/03(火) 07:31:14.12ID:p0R8fIm3
次回も日下さんの話か
群像劇みたいな感じにするのかな?
008235 ◆gga2RGANNc
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2011/05/03(火) 23:56:45.99ID:pDpKxA8O
【題名未定〜第五話「日下雅人という男・後編@」〜】

 1999年、俺は志望していた大学に落ちて浪人生として勉学に時間を注ぎ込んでいた。
 とはいえ俺の故郷に予備校はなかったので都会にある親戚の家から通っていたのだが……。
 まあそれはどうでもいい。
 大事なのは俺が日下雅人ということで、ここが俺の故郷で、今が1999年5月4日と言うことだ。
 俺はたまの休日と言うことで故郷に帰って、お袋の作っていた朝食を食っていたんだ。

「にいちゃんよ、勉強の調子はどうだ?」
「うーん、国語がもうちょっと良ければなあ……」

 俺の弟は日下雅仁という名前だった。
 次男だからという親の考えから人に二を付けて仁にしたのだそうだ。
 こいつは今アメリカに留学してアメフトをやっていて、偶にこちらに帰ってくるのだ。

「一次試験で足下をすくわれたのが痛かったな。
 まあ医学部なんて浪人が半分以上だ、気を落とすんじゃない。」

 俺の父親は俺の落ちた大学の文学部で教授をやっている。
 優しくて暖かい、良い父親だ。

「三人ともお代わりする?」
「お父さんは遠慮しておこう。」
「ああ、じゃあ俺食べる。」
「俺も俺も。」

 そう言って俺と弟は立ち上がり、母さんがまだなにか作っているらしい台所に行こうとした時だった。

「――――――――え?」

 人間が本当に驚くとこういう声しか出なくなるらしい。
 叫ぶでもなく、逃げるでもなく、俺達家族は突然の地震と建物の倒壊に襲われた。
 反応することも出来ずに家の屋根がのし掛かってきた。
008335 ◆gga2RGANNc
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2011/05/03(火) 23:57:10.90ID:pDpKxA8O
「…………あれ?」

 いつの間にか気を失っていたらしい。
 そうか、あれは夢なのか。
 西日で目を覚ます、すごい寝坊しちゃったかも疲れていたんだな、貴重な休日を無駄に……
 見回してみると辺りに散らばる巨大なコンクリート片。
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血真っ赤な血
 コレハダレノチデスカ?

「父さん?母さん?」

 返事はない。
 見れば解る、コンクリートは偶然にも俺を避けるようにして落ちてきたのだ。
 つまり俺以外の人間に当たるようにしていやだ認めたくない呼びたくない
 ヨベバヨベバヨベバソレハカエッテコナカッタラアイツだったらひょっこりカオヲダシテクレルカモシレナイシ
008435 ◆gga2RGANNc
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2011/05/03(火) 23:57:51.48ID:pDpKxA8O
「ぐうぅ……!」

 まず動こう。
 俺にのし掛かっているコンクリ片は見た目ほど重たい物じゃない。
 俺にのし掛かっているコンクリートを片手で何とか持ち上げると……

 ――――――――ゴロン

 右腕だった。
 見覚えがあった。
 日焼けしてたくましかった。

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 弟の腕だった。
 嫌だ、認めたくない、片手だけで全てのコンクリートをどけてその場から逃げ出そうとする。
 しかしそこで人に呼び止められた。

「おい君、その腕は……大怪我じゃないか!」

 真っ黒な白衣を着た男だった。

「何を言っているんですか?」
「右腕だよ!それが、そこに転がっているのが君の腕だね?今すぐつけられる!よく解らないが私にはそれが出来る能力があるんだ!」

 見ると、俺の右腕はコンクリートに潰されていたらしく原形もとどめずに消え去っていた。
 どうやら血が足りなくなってきたのだろう、またもや俺は意識を失った。

「…………い!……い!おい!起きたまえ!」
「あれ?」

 暖かいベッド、包帯でグルグル巻きにされた腕。
 黒い白衣の男と、彼によく似た雰囲気のする女性。
 俺と同じ年頃だろうか。
008535 ◆gga2RGANNc
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2011/05/03(火) 23:58:57.60ID:pDpKxA8O
「起きたか……。まさか生存者が居るとは思わなかったよ……。
 私の名前は井坂善久郎。医者をやっていて……。」
「弟は!雅仁は!?」

 藁にもすがる思いで俺は目の前の男に尋ねた。
 男は横に首を振るばかりだった。

「腕、そうだ腕!弟の腕は!」
「……すまない。」
「え?」

 女性が包帯をほどいてくれた。
 それは間違いなく俺の弟の腕だった。

「拒否反応は起こらない。神経も直に繋がる。
 だが……。」
「嘘だ…………。」
「すまなかった……。」

 俺の、否、弟の右手をまじまじと見る。
 確かに傷一つ無く繋がっていた。
 手の甲に突然亀裂が走る。
 焼きごてを押しつけられたような痛み。

「うぐがああああああ!?」

 弟の手の甲の亀裂から、突如として黄色い瞳が現れたのだ。
 訳がわからない、こんな滅茶苦茶な状況で生きているくらいならこのまま死んでしまいたいくらいだ。

「伯父さん大変です!腹部からの出血が!」
「馬鹿な!?怪我はもう……!
 いや待てよ、あの状態であれだけ重たいコンクリート片を左手だけで押し上げて……まさか!?」
「な、なんですか井坂さん!?」
「良いか少年良く聞け。
 君が建物の倒壊に巻き込まれてから既に三日以上経っている。
 その状況で君の弟君の腕と君は生きていた。
 これはあり得ないことなんだ。」

 井坂さんは俺の着ていた服をはぎ取る。
 すると俺の臍の下、丹田とも呼ばれる場所に赤い亀裂が走っていた。
 ここにも、眼が有った。
008635 ◆gga2RGANNc
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2011/05/03(火) 23:59:49.71ID:pDpKxA8O
「三日……!?」
「さらに、あの地震と同時刻、世界中で様々な災害が同時に起きているというニュースが来ている。
 その中で生き残った人間の一部が超能力を得たという報告もだ。
 ―――――邪眼が二つ有るだと!」
「超能力……?」
「目覚めた者は物理的な法則をねじ曲げて己の内に眠る無意識の才能を呼び起こされる。
 だがそれと同時に、己の中に眠る無意識の欲望とも戦わなくてはいけなくなるんだ。
 その戦いに負けた者がもう既に能力を使った犯罪を起こしているんだそうだ。」
「……そんな馬鹿な。」
「ああ、バカみたいだが現実なんだ。
 それよりも邪眼が二つ……聞いたことがないな。」
「俺にもその能力があるって言うんですか?
 あと、邪眼が二つっておかしいんですか?」
「二つの意味でその通りだ。君には能力――少なくとも怪力――があるし、邪眼が二つあるってのは異常事態だ。」

 訳がわからない。

「俺の能力って……?」
「覚醒すればその眼に教えてもらえるはずなんだが……。」
「伯父さん、そろそろ回診のお時間ですよ。」
「おっとそうだったか……。では日下君、私は少しこの病室から離れるよ。
 今世界で何が起きているか聞きたければ姪に聞いてくれ。」
「看護婦の井坂真理です。」
「えっと、よろしくお願いします……。
 予備校生の、……予備校生だった日下雅人です。」
「二人とも若いし何があっても五月蠅いことを言う気はないけど……。」
「何を言っているんですか伯父さん!」
「い、い、いいい井坂さん一体何を言っているんですか!」
「真那、言っておくけどただ今人口激減中だからな。
 俺の手伝いも良いが適当に男を捕まえないといき遅れるぞ。」
「や、やめてください伯父さん!
 私まだ大学出たばっかりなんですから!」

 なんと、俺より年上だったのか。
008735 ◆gga2RGANNc
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2011/05/04(水) 00:00:36.03ID:bUw08zoF
「二十代の一年間は泣ける程早いんだ。」
「そんなぁ……。」
「そいじゃあ次の患者見てくるね。」
「あっ!」

 井坂さんは病室を出て行った。

「あの……真理さん?」
「伯父さんが妙なこと言ってすいませんでした……。」
「いえ……。」
「弟さん、残念でした。もっと早く私たちがあの地区に行っていれば……。」
「…………。」

 こういうときに『そんなことはない、助けて貰っただけでありがたい』
 となぜに言えないんだろう。
 まだ気持ちの整理が出来ていないからなのか。

「あの、真理さんも能力を持っていたり……」
「ええ、レベルの低い予知能力です。」
「予知?」
「危ない場所が解ったりとか……。
 眼の名前は捻りがないけど【予知眼(ヨチメ)】って言って、
 能力の名前は【月燈眺(サーチライト)】
 安全な場所を照らし出すサーチライトのつもりです。」
「好きなバンドはあれですか。」
「あれですね。」
「もしかして他人に安全な場所を伝えられたりとか……。」
「私も目覚めてからそうそう日にちは経っていませんから。
 それはこれからのレベルアップ次第ってところですかね。
 他に質問はありませんか?」
「二つほどあります。」
「なんですか?」
「一つは俺金持ってないってことです。」
「もう一つは?」
「俺、医者を目指してて去年大学に落ちたばっかりなんです。
 今現在の日本って大学制度は機能しているんですか?」
「えーっと……。
 お金は貴方に良心が有るなら私たちと一緒に働いて返してくださるとありがたいです。
 大学は……政府が崩壊したみたいですし、向こう五六年は無理だと思います。」
「そんなあ……!?」

 努めて情けなさげな声を出す。
 その程度の元気があるようには見せかけたいのだ。
008835 ◆gga2RGANNc
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2011/05/04(水) 00:02:03.39ID:bUw08zoF
「家族も無くして夢もお終いかよ……。
 ――――いや、待てよ?」

 良いことを思いついた。
 このままここで働かせてもらえば……

「雅人くん危ない!」

 真理さんが俺を無理矢理ベッドの下に引きずり下ろす。
 それと同時に病室の壁が吹き飛んだ。

「おっと!まだ人がいたのか!丁度良いや食料やら金目の物やら出しな!
 さもないとこの病院っぽい建物が全部吹きとんじまうぜ!」

 壁が吹き飛んだ先から現れたのは蜘蛛のように八本の腕を持った男だった。
 どうやら壁を殴って破壊したらしい。

「能力者か!?」
「能力を使って犯罪行為をしている人です!」
「能力?やめろよやめろよこいつは神様からの【恩寵(ギフト)】だ!
 そんなつまらない呼び方するもんじゃないぜ!」
「そんなことはどうでも良いです!ここには患者さんのための食料しかありません!
 貴方たちみたいな人に渡す物は……。」
「…………あっそう。じゃあ代わりに……。」
「きゃっ!」

 蜘蛛男が真理さんに糸を吐きかける。

「女でも貰っていこうか。なかなかべっぴんさんみたいだしよぅ。
 たっぷり可愛がってやるぜぇ?」

 下卑た笑みを浮かべる男。
 下品で野蛮で腹の立つ男だ。
 今すぐこの男を殴り倒したい。
 子供の頃に戻ったかのような純粋で、無垢な暴力への衝動。
 俺の腹の眼の中で戦意の奔流が発生し、それが全身へ回っているようだった。
008935 ◆gga2RGANNc
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2011/05/04(水) 00:02:39.28ID:bUw08zoF
「や、やめてください!」

 蜘蛛男は糸でグルグル巻きにされた真理さんを小脇に抱えて病室を飛び出そうとする。
 だがそんなことは許さない。
 俺はとっさに蜘蛛男の肩をつかんで病室の中に無理矢理引きずり込んだ。

「ぎゃっ!」
「その小汚い手で真理さんに触れるな。
 この人は俺の命の恩人なんだ……!」
「このガキただの怪我人だと思ったら保持者かぁ!?」
「ああそうだ、俺は……そう、【邪眼保持者(ギフトホルダー)】だ。」
「【恩寵保持者(ギフトホルダー)】……ね。」
「駄目です雅人さん!伯父さんがもうすぐ来ますから逃げましょう!」
「いいえ逃げません。ここから逃げても逃げ切れるとは思えない。
 あの糸で貴方は簡単に掴まってしまいます。」
「貴方だって……。」
「違う。俺はこいつと戦える。
 真理さん、俺の後ろに下がっていてください。」
「馬鹿言いやがれ!お前見たところまだ右腕が効いてないみたいじゃねえか!
 その怪力も左腕だけじゃあ……」
「食われる側の獣ってのは妙な所で目敏いんだな。成る程その程度の能力で生き残れるわけだ。」
「このガキ……!」

 男は俺に向けて蜘蛛の糸を吐きかける。
 ―――――――――――――――――――――戦闘だ!
 こいつを叩き潰して良いんだ!
 こいつを殴り殺して良いんだ!
 内側からの闘争本能のうずきが押さえられない。
 俺の目には非常にスローに見えた蜘蛛の糸をつかみ取ってそのまま蜘蛛男を引きずり倒す。
009035 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 00:04:30.43ID:pDpKxA8O
【俺の名前は“留死眼(ルデスガン)”使い方は解るな?】

「勿論!」

 どこからか響いてくる声に高らかに応える。
 俺は頭の中に浮かぶとおりに己が腹の邪眼を起動させる。
 さあ、想起しろ。
 必要なのは集中。
 必要なのは儀礼。
 手術前の医師が如く両手を前に差し出し
 神に祈りを捧げるが如くそれを高く掲げ
 全身に躍動するエネルギーを眼に叩き込むがの如く両腕を腰に当てる。
 イメージするのは最強の自分。
 死すら押し留めた己との内なる生命力の顕現!

「―――――変身!」

 頭に生える巨大な二本の触覚。
 全身は緑色に染まった逞しい筋肉と外骨格で覆われていた。
 首からは虫の羽の意匠が施されたマント。
 右手にだけは金色のガントレットが装着されている。
 緑色の閃光と共に俺の姿は完全な化け物となっていた。
 だがそこに一切の後悔は無い。
 俺が、弟が、無意識に求めていた物、それがすなわちこれだったんだ。

「な、何者だおまえ!?」
「雅人……くん?」

 子供の頃に憧れていたヒーローになる。
 アメフトの選手、医者、形は違えど俺達兄弟の思いは一緒だった。

「【黄昏導く鉄槌(ゴルドスマッシュ)】!」

 右手のガントレットが輝きを増す、俺はそこにありったけのエネルギーを込めて男を殴りつけた。
 俺の拳は蜘蛛男を深々と貫通して、その勢いに任せて俺は遠く彼方へと男を殴り飛ばした。
009135 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 00:05:18.47ID:bUw08zoF
「真理さん。」
「……は、はい。」
「予備校生もとい正義の味方、日下雅人……ってどうでしょう?」
「…………すごく良いと思います。」
「うわあああああああ!」
「井坂先生の声!?」
「伯父さんが危ない!?」
「まだ進入してきた奴が居たのか……。
 真理さん、危ないので着いてきてください。」
「はい。」

 俺は真理さんと共に病室を出た。
 すると病院の中央広間で井坂先生がコウモリのような姿をした男に掴まった上に、
 天井に力尽くで押さえつけられていた。

「井坂先生!」
「ひゃーっはっは!院長をこの病院の高い天井からたたき落とされたくなかったら……」
「雅人君かい!?その姿は……!」
「ちっ!なんだか知らねえがあの蜘蛛野郎しくじったのか!
 まあ良いや……こっちはこっちでもう人質を……!」

 ――――グジュ

「へ?」
「遅いね。」

 それはあっという間だった。

「な、なんだこりゃあ!?」
「私の能力である【ダイヤモンドしか砕けない】は既に発動した。」
「か、壁の中に埋まっていく!
 身動きがとれねえ!無能力者じゃなかったのか!?」
「切り札とは最後までとっておくものだよ。」

 蝙蝠男が病院の壁と一体化していく。

「あれが伯父さんの能力。
 手で触れた物同士を一つにつなぐことが出来るの。」

 あれで俺と弟の腕もつないだのか……?
 視界が霞む。
 どうやら体力の限界らしい。

「真理さん。」
「どうしたんです?」
「部屋まで運んで……。」

 どうやら変身し続けたせいで体力がどんどん減ってしまっているらしい。
 俺の意識は闇の中へと溶けていった。
【題名未定〜第五話「日下雅人という男・後編@」〜】
009235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 00:07:22.15ID:pDpKxA8O
と言うわけで一話長くなることが確定してしまいましたとさ
彼の過去が終わったらまた別のキャラを出します

なんで変身させたかって?
最近マイブームでつい……
0093創る名無しに見る名無し
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2011/05/04(水) 08:07:04.11ID:3DBl7qk4
投下ペース早いな
書き溜めてるの?
009435 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 22:05:10.36ID:bUw08zoF
書きためてないのよ
今日はちょっと時間無いから投下できなさそうっす
009535 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 22:59:33.84ID:bUw08zoF
【題名未定(ネームレスワン)〜第六話「フライングダッチマン号でみる優雅な夢」〜】

「……っと、夢か。」

 夢を見ていた。
 大破壊前の世界の夢らしかった。
 俺と同じくらいの年頃の青年が主人公だった。
 頭が痛い。
 俺は今まで何をしていたんだっけ?

「やっと起き上がりなさりやがりましたかお客様。」
「はふっ!?」

 起きたと同時に俺の視界に飛び込んできたのはメイドだった。
 動きやすいように少し短くしたエプロンドレスから覗く長く美しい脚と服の様々な場所に幾つもぶら下げられた鍵。
 銀色の髪と眼帯に隠された片方しか見えない緑色の瞳が怜悧な印象を与える美人だった。

「はふっ!?とか抜かしている場合ではございませんお客様。
 薺様がただ今意識不明の重体でござりやがります。」
「薺?」

 ああ、俺を預言の仔とか言っていたあの少女か。

「ロジャー様にあなた様が起きやがったらすぐに連れてきやがれと言われております。」
「ロジャーってあの海賊の人?ていうか貴方誰?」
「自己紹介が遅れました。私の名前はステファニー・シャーンドル。
 由緒正しい王族ロージャ家に仕えるメイドでございます。」

 ステファニーと名乗ったメイドはエプロンドレスのスカートを摘むと恭しく俺に一礼をする。
009635 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 23:00:04.84ID:bUw08zoF
「何分英語にはまだ慣れておりませんので言葉遣いがおかしくなる場合がございますが、
 どうぞお聞き流しくださりやがればこちとら幸いでございます。」
「は、はぁ……。あの、ロージャなんですか?ロジャーなんですか?」
「ロジャー様はご自分の名前が嫌いでして、ロージャ・シャーンドルという名前をロジャー・シャンドラと変えておりやがります。」
「そのロジャーって人が俺達を……。」
「詳しいことは後です。とにもかくにもお怪我も無いのでしたらさっさと一緒に来てくださいやがりませ。」
「え、はぁ……。」

 ベッドから起き上がる。

「お客様の刀はそちらに置いてやがります。
 ロージャ様はお客様に帯刀を許可なさってやがりますのでお腰に差しやがって結構です。」
「え、はぁ……。」
「こちらでございます。」

 とりあえず机に置いてあった刀を腰に差すと俺はステファニーの後ろを着いていく。

「あ、あのステファニーさん?」
「いかが致しやがりましたかお客様。」
「俺の名前はスバルと言います。名前で呼んでください。」
「了解いたしましたスバル様。」

 廊下に靴音が響く。
 会話が続かない。
 間が保たない。
009735 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/04(水) 23:01:31.15ID:bUw08zoF
「一体此処はどこなんですか?」

 とりあえず無難な質問。

「空の上、ロジャー様の船であるフライングダッチマン号でございます。」
「空の上?飛行船かなにかですか?」
「いえいえ、種も仕掛けもないガレオン船でございます。」
「じゃあなんでそんなものが……」
「ロジャー様の恩寵(ギフト)である【月を穿つ魔眼(フリーフォール)】の能力のお陰でござりやがります。」
「彼が居なければ飛ばない船……ってことですか。」
「Exactly.この船はロジャー様以外の動力源を一切持っておりません。」
「そんな……。」
「but,We don’t have to worry about it.」

 そう言って彼女は笑う。
 怖いくらいに優しく、柔らかに。

「何故だか解りやがりますか?」

 解りたくもなかった。
 
「うふふ、そんな怖い顔をなさらないでくださりやがりませ。
 王のために家来が命を懸けるのはさして珍しいことではありませんわ。
 この船はロジャー様の王国でござりやがります。」
「そうは言っても……!」
「着きやがりましたわスバル様、この扉の向こうにロジャー様がいらっしゃりやがります。」

 一概に狂っているなどと言ってはいけないのだろう。
 それは解っている。
 それは解っているがそれでも尚、納得してはいけないと思った。
 皆が皆そうなのかは解らないが少なくとも今俺の目の前に居るこのステファニーという女性は……

「いかが致しやがりましたか、ロジャー様が待ちかねてやがります。
 薺様の治療が行われている部屋もこの部屋の奥でございます。」

 余計なことを考えるのはやめよう。
 まずこの訳のわからない状況を打開するためにロジャーという男に会わなければ……。
 俺はそう思って扉を開いた。

【題名未定(ネームレスワン)〜第六話「フライングダッチマン号でみる優雅な夢」〜】
0098創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/05(木) 08:40:53.04ID:VIlxkI85
このメイドのしゃべり方どこかで見たことあるんだけど
何だったっけか
0100創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/06(金) 10:45:20.80ID:gtS+GGbZ
投下乙

1日投稿が無いだけでなぜか不安なんだけど
010135 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/06(金) 23:08:13.89ID:q9VzHGWe
【題名未定(ネームレスワン)〜第七話「強襲のシスターヴァンプ&ワウカラック」〜】

「来たか預言の仔!怪我もすっかり治っているな、やっぱ恩寵を受けた人間は怪我の治癒も早いね。」

 扉を開いた俺の前に現れたのはターバンを巻き、髭を生やした色白の男だった。
 顔立ちから言って東欧と呼ばれていた地域の出身だろう。

「とにかく良く来た、まあ座れや、酒と飯を準備させたぞ!」

 男は椅子に座ったまま俺を手招きする。
 彼の前には立派な椅子と机、それに沢山のご馳走が置いてあった。

「あの……。」
「薺さんのことなら心配要らんぜ、なんせ俺の所にも腕の良い医者が居るからな!」

 ガッハッハッハと笑うシャンドラ。
 話によると義賊らしいが俺の居た街に現れたことはない。
 そして彼の名前を聞いたこともない。

「じゃあどうした?盗んだ金が使われた飯は食えないとでも言うのか?
 なんせかんせまじめな優等生であらせられるからなあ……。
 あっ、そうそう、ちょいとお前のことは調べさせて貰ったぜス〜バルくぅん?」
「いえ、そう言う訳じゃなくて……。」
「安心しな、義賊と言っても俺達は食う為に盗みをするほど困っちゃいねえよ。」
「どういうことです?」
「盗んだ金は全部貧しい人たちにくれてやってるってことさ。」
「じゃあ貴方たちは……。」
「俺達は基本的に郵便屋とか運輸業で儲けているのさ。
 この時代において陸路は危険だろ?
 だから本当に安全に届けたい物は俺達が空路で運べばいい。
 あの“大破壊”で隕石が落ちてからって言う物、磁気嵐ばかりで飛行機なんてろくに飛べねえ。」
「Σ-rayとそれに伴う磁気嵐の話ですか?」
「おうよ!まあそれだから安心して二十一世紀にガレオン船なんて物を空に飛ばせているんだろうけどな!」

 とりあえず俺は彼と同じテーブルに着いた。
 どうやらいかにも海賊という外見に反していい人らしい。
010235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/06(金) 23:09:13.37ID:q9VzHGWe
「スバルくん」
「スバルで良いです。」
「じゃあスバル。」
「はい、なんでしょう。」
「ぶっちゃけた話、お前は薺さんの何なんだ?」
「え?」
「薺程の手練れが銃弾をまともに食らうなんておかしいんだよ。
 恐らく戦闘経験の浅いお前を庇って撃たれた筈だ。」

 確かに……その通りである。

「そんな顔するな、まあとりあえず食いな、アルコールは問題ないだろう?
 毒は入ってないぜ、ほれこのとおり。
 さっさとくわねえと俺が全部食っちまうぞ?」

 シャンドラは俺の目の前でご馳走や酒を口に運んでみせる。
 すごい勢いで食べているはずなのに不思議と下品さは無かった。
010335 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:10:09.37ID:q9VzHGWe
「だが薺はあれでクールっていうか、割と冷たい女だ。
 困った奴を助けはするが弱い奴に手を差し伸べはしない。
 人間とは自分で助かる者、ってのが奴の常日頃からの口癖なんだよ。」
「…………俺は、俺はただあいつとは街角で偶然ぶつかって。」
「ぶつかって?」
「俺が邪眼に目覚めるとすぐにあいつが迎えに来て……。」
「となると今まで見ず知らずの他人ってところか。」
「はい。」
「解せないねえ……。預言の仔だからか?」
「あの、シャンドラさん?」
「なんだ?」
「預言の仔ってなんですか?」
「……そうか、お前は目覚めてから日が浅いから知らないのか。」
「え、ええ。」
「その者天津星を従えて遙かなる虚空より舞い降り地上の万物を幸福の内に支配するであろう。
 彼の者の力は星を退け大地を癒し人々に進化と永久なる繁栄を与える。
 されどその者死する時世界もまた死へと向かい、人々は停滞と衰退に嘆くこととなる。」
「なんですか?」
「俺達のように力を与えられた人間の間に広まっている噂さ。
 そいつが目覚めると皆が能力に目覚めて永遠にこの星が栄えるんだとよ。」
「……うぅん?」
「お前の力ってそんなすげえの?」
「いや……一応時間止められたりとか。」
「何それすごい。ちょっとやってみて。」
「じゃあ刀を使うんで少し失礼して……。」

 椅子から立ち上がる。
 それと同時に俺が来た方向とは逆の方の扉が開いて白衣の男が現れた。
010435 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:11:34.13ID:q9VzHGWe
「キャプテン、良い知らせと悪い知らせだ。」
「よう赤髭!良い知らせから教えろ。」
「怪我はたいしたことなかった。もう完治している。」
「悪い知らせは?」
「彼女、完全に記憶を失っている。自分の名前も言えないんだ。」
「えっ?」
「なぁに?」

 困ったことになった。
 俺はそもそも彼女から彼女について何の話も聞いていないのだ。
 これでは俺が一体これからどうすればいいのか解らないじゃないか。

「赤髭おまえなあ!」
「俺のせいじゃねえぞキャプテン!」
「知ってる!でもどうすんだよこれおまえのせいだぞ!」
「うわすげえ理不尽!?」

 思わず声に出して突っ込んでしまった。

「助けて少年!」
「無理です!」

 出来ない約束はしない主義だ。
010535 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:14:16.30ID:q9VzHGWe
「薺さんの記憶が戻らなくちゃ俺はあの人をどこに送れば良いのか解らないじゃねえか!」
「えぇ!?」
「聞いてなかったんですかキャプテン!?」
「帰ってきたら教えるって言って教えてくれなかったんだよ!」
「無理にでも聞いておいてくださいよ!」
「うるせえ!お前も医者ならなんとかしろ!
 医者は大抵何でも出来るって相場が決まっているんだ!」
「そんなぁ……!何時誰が言ったんですかそんなこと。」
「今此処で俺が言った!」
「ひぇぇぇえ……」
「ところで赤髭さん?」
「なんです?」
「本当に彼女は全く何も覚えていないんですか?」
「えぇっと……、ああそういえば!」
「そういえば?」
「ロジャー様、良い知らせと悪い知らせです。」
「うわああ!?」

 俺の後ろからいきなりステファニーさんが現れる。
 この人には人をビビらせて楽しむ趣味があるのだろうか?

「良い知らせは?」
「巨大な飛空挺が隣につけてきて中から可愛い女の子がロジャー様を呼んでおります。
 デートのお誘いだそうです。」
「悪い知らせは?」
「その可愛い女の子が“血塗れ(シスターヴァンプ)”ターシャだということです。」
「……ファック、まったく仕方がねえなあ。スバル、お前は薺さんのそばに居てやれ。
 それとステファニー……は、俺のそばに居ろ。」
「御意にございます。」
「赤髭も薺さんの側だ。」
「解ったよ船長。」
「……と思ったが戦力バランスが悪い。
 ステファニー、やっぱお前は薺さんを守れ。
 このタイミングでの敵襲ってことは薺さんが目的の可能性が高い。」

 シャンドラは一人で部屋を出て行く。
010635 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:17:39.16ID:q9VzHGWe
「やれやれ、厄介なことになってしまいやがりました。」
「なんか申し訳ないです。」
「問題ないでしょう、ロジャー様が出て行ったからには全部解決なさりやがりま……」

 突然、ステファニーさんが周囲を警戒し始める。

「――――――赤髭さん、医務室に隠れて。」
「へ?」

 船体に穴を空けて部屋のど真ん中に少女が降ってくる。

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
 ここだ!此処だね!此処でいっっっっっぱあい!殺せるんだね!
 そうだよねアラム!」

 ガラス玉のような蒼い瞳、絹のような金色の髪、人形のような少女だった。
 だが彼女は真っ赤な服に白いベルト、腰からは鉞を二本ぶら下げていた。

「勘違いするな。」
 
 それに続いて大柄な男がその穴から降ってきた。
 赤髭さんはそれを見て部屋の奥にそそくさと逃げ出した。
 
「生け捕りにするだけだ。」
「解ったよ!預言の仔と薺って女以外は皆殺しなんだよね!
 そうだよね!そうじゃないなら私怒っちゃうよ!
 キャハハハハハハハハハハハ!」
「余計な時間はないんだ。手短に行くぞ。」
「誰だお前ら!」
「失礼、紹介が遅れた。
 我々は邪眼保持者同盟と東方教会からの使者だ。
 私の名前はアラム・アバエフ……」

 その言葉と同時に男の頭部にはナイフが二三本突き刺さっていた。
 隣にいたステファニーさんの投げナイフだった。
010735 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:18:30.33ID:q9VzHGWe
「スバルさん、そちらの糞ガキをお任せいたします。」
「え、ちょ、ステファ……。」
「戦いの最中に喋っている方が悪いのです。」

 よろめいた男性に向けてステファニーさんが駆けていく。
 相手も二人、こちらも二人、分かれて戦おうと言うことか。
 どうやら戦わざるを得ない状況らしい。
 俺は刀を手にかけたまま少々頭が可哀想な少女と向かい合った……

「その通りだよね!」

 筈だった。

「速ッ―――――!?」

 少女が目にもとまらぬ速さでステファニーの進行方向に先回りする。
 
「私の相手は殺せる相手じゃないと駄目なの!」

 少女は鉞を取り出してステファニーさんに斬りかかる。

「加減ができないからねっ!」

 だが俺がその光景を見ていられたのはそこまでだった。

「少年、戦闘中によそ見か?」

 腹に突き刺さるボディブロー。
 内蔵全てを搾り取られるかのような鈍くて重い痛み。

「俺の名前はアラム、あいつの名前はターシャ。」
「あの写真が正しければお前が預言の仔だよな?」

 男と目が合う。
 あの少女がターシャ?
 ということはシャンドラはどうなったんだ?
 ……出し抜かれたのか、殺されそうにないし。
010835 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:19:50.27ID:q9VzHGWe
「悪いが貴様の身柄は俺達が確保する。
 神に選ばれし恩寵保持者の支配する世界の為だ。
 恨まないでくれ。」
「ふざけるな!お前らの勝手な事情に巻き込まれてたまるか!」
「今、船の甲板では戦闘が起きている。
 お前らがこの船にいるせいで起きた戦闘だ。
 お前らのせいで沢山の人が死ぬんだ。」

 男は頭に刺さったナイフを抜き取る。

「お前が素直に連れ去られてくれるんだったら戦闘はすぐに終わるぜ?」
「お前らが勝手に仕掛けてきたんだろうが!」
「くっくっく……だよなあ。」
「この前から巻き込まれてばっかりだけど!自分を守るために俺も戦わせて貰うぜ!」
「来いよ坊主!楽しませてくれ!」

 男が駆け寄ってくる。
 冷静に見ればなんと言うことはないスピードだ。
 いつもの練習通り。
 ―――――――――刀を抜いて
 ―――――――――刃を振るう
 
「硬い!?」

 金属同士がぶつかる音。
 驚くべきことに男は拳で俺の刀を受け止めていた。

「なんだ、ただのガキかと思ったら仕込まれているんじゃねえか!」
「仕込んでいるのはお前だろ!?」
「はっはっは!俺のアダマンチウム製の拳にびびっちまったかぁ!?」

 男の両手から金属製の爪が生えてくる。

「東方教会“聖遺物回収班”所属!特殊任務対応型聖職者!
 “鉄拳(ワルグス)”!“光腕(ベオウルフ)”!“灰の中から蘇りし者(ヴルコドラク)”!
 アルム・“聖イリアの牙(ワウカラック)”・アバエフ!
 それが俺の名前だ!」

 船のあちこちから騒ぎの気配が伝わってくる。
 しかしそれが彼の名乗りと共に一瞬で消えた。
 消えたような気がした、というべきか。
 圧倒的な存在感だ。
 強い、勝てるかどうか解らない。
 でも俺を守ってくれた人が俺の後ろに今居る。
 だからその恩には報いねばならない。
 世界支配に比べれば実につまらない理由だ。

「元高校生、居合道三段、スバル・サンダース。」

 だが命を懸けるには十分な理由だ。

【題名未定(ネームレスワン)〜第七話「強襲のシスターヴァンプ&ワウカラック」〜】
010935 ◆gga2RGANNc
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2011/05/06(金) 23:23:47.16ID:q9VzHGWe
一人称だとバトル書きづらいの
だからここで切ってしまったの
おやすみ
0110創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/07(土) 00:04:04.96ID:ri1N0nOu
あの、ペースはやいのはすごく嬉しいけど、ネタやら余談やらたまに
あかしてくれたらうれしいんだけど。
0111創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/07(土) 07:30:55.92ID:Gd7O3OQZ
ネタとか余談とかすげえ気になるな
とりあえずアメコミとライダーが好きってことは解る
011235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/07(土) 14:59:26.49ID:UVKy8kRt
とりあえずネタとか余談とかの裏話
かなりの割合でアメコミとかライダーからとか実在の人物からとか映画とかから固有名詞引っ張ってます
主人公の父親の名字、サンダースはコンバット!のサンダース軍曹から
あと日下雅人さんとか仮面ライダー555の草加雅人だしね
彼の設定は仮面ライダーアギトの木野薫だけどさ
ロージャさんの名前は実在した義賊からとってたり
この前出たアバエフさんはX−MENのウルヴァリンだし
対邪眼保持者用ロボットの珀導機(センチネル)もアメコミからとってるし
最初センチュリオンと迷ったのよね
センチネルの派生型として陸震輝、空裂輝、砲陣輝とかあるんだけどまだ出せてない設定
ちなみにシャンゼリオンの固有名詞
フライングダッチマン号は大家族デービージョーンズの乗っている船の名前

ちなみにメイドさんのしゃべり方は元ネタ無し、思いつき
グレイ・グレイブは西尾チックな雰囲気を目指してみたりして

その他質問有ったら嬉しいっす

ちなみに読んでくれたら短くても良いのでコメントつけてくれると嬉しい
滅茶苦茶モチベーションあがる
真っ暗な中だと走るのが怖いけどコメントのおかげで道筋が見えてくる
コメントしてくれる皆さんマジありがとう
0113創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/07(土) 15:53:36.40ID:f37p6/5J
投下乙よん
大丈夫、アメコミっぽいのはロールシャックジャーナルでピンと来たw
011435 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/07(土) 20:59:49.62ID:UVKy8kRt
そうだそうだ
ロールシャックジャーナルで思い出した
あそこの記者のウォルター・オーバーフローっていうのはウォッチメンってアメコミに出てくる最強のヒーローの二人の名前をそれぞれ拝借したものです
彼も物語のメインに絡んでくる予定
鞍握健人とかって記者もあの会社には在籍してるんだけどその人は出るか解らない
ロールシャックジャーナルはそこそこでかい新聞社で世界中の人々に様々な言語で真実を報道しています
邪眼保持者側にも人間側にも寄らない中立ですかね
本社は日下さん達の組織のある街から東にだいぶ離れた方


ウォッチメンで最もクールなのはロールシャッハさん
最もホットな男はオーバーフロー(コメディアン)
二人ともヒーローとしての自らを完全に確立している

個人的な基準だけれどもどんな能力を持っていても自分なりの信念の元に行動しない限りヒーローじゃないと思うんですよ
まあアラン・ムーアさんも同じようなこと言っていたけどさ
だからこの話は能力を持っているだけのただの少年スバルがヒーローになる物語
周囲の状況に流されながら彼が信念を見つけていく為のお話

個人的に好きなキャラはステファニーさん
彼女はわりと致命的なハンディを努力と根性とその他諸々で克服してロジャーに仕えています
ロジャーが二十代前半
ステファニーさんも同じかなあ
二人にも二人の物語があるんだけどそれはまた別の話
ロジャーはステファニーが好きなんだけどステファニーさんは自分がふさわしくないと思っているみたいな
趣味全開なのは日下さん
最初の敵も蜘蛛男と蝙蝠男というまさにライダーの王道
大好きな仮面ライダーの香りが濃厚です
ちなみに彼は邪眼を三つ持っています
自分の、弟の、そして人工の邪眼
アギトの三つのフォームに影響されています
弟の能力を借りた必殺技がゴルドスマッシュ
自分の能力での必殺技がクリムゾンスマッシュ
人工邪眼を使う必殺技がルシファーズハンマー
とこっちは555の必殺技名から

個人的には555苦手なんだけどデザイン性とかは最強だと思ってる
一番好きなのはアギト
プロジェクトG4が最高すぎる
リメイクしたらAtoZ越えるとおもうの

スバルはちょっとシルバーサムライに影響受けているかなあ
戦闘方法は全然別だけどほら、タキオンとか
スバルの刀の材質は……っと、ネタバレになるのでやめておこう
011535 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/07(土) 21:09:09.39ID:UVKy8kRt
あとぶっちゃけ読んでる人の好きなキャラとか教えてもらえると出番増えます
なんかグレイが出た後のレス多いしやっぱグレイ人気なのかな
個人的にはめだかボックスの蛾々丸+マグロ+西尾っぽい長台詞+ロリコンという名の俺の趣味
だったんだよなあ
最近はロリコン卒業しようとして熟女物に手を出しているのでそのうち熟女のことだけで……
まあ一レス分埋め尽くすぐらいの固有結界を決めてくれる奴が出るはずです

まあ熟女物に手を出したところで守備範囲が増えただけですけどね
0116創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/07(土) 22:38:49.64ID:Gd7O3OQZ
もはやロリコンというよりはただの変態だと…
アメコミと特撮がメインねえ
ミリタリー系の興味もある?
0117創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/08(日) 13:00:43.75ID:Y4+2vafy
あふれ出す基礎教養と情熱がすごいな・・・・
少しスレチかも知れないけどかけるジャンルは宙煮以外もある?
0118創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/08(日) 20:11:00.20ID:iiYEUKT8
雑談スレでこの作品宣伝して良いですかね
沢山の人に読んでもらいたい
011935 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/08(日) 22:10:02.05ID:hKvvC98y
>>117
一応オールジャンルオッケーです
ただし推理は良いトリックが思いつかないからちょい苦手
トリックさえ書ければなあ……
あとエロも執筆経験少ないから難しいかな
リクエストあれば他のスレでも書くよ!
>>118
宣伝バッチ来い!
ていうか自分がここに来たばかり何でどのスレがお勧めとかどのスレが活気あるとかよくわからないのよ
自分の作品をよりよくするためにも他の人の作品も見てみたいわ
宣伝で来て貰った人たちから教えて貰ったスレ見に行ければ最高だな
012035 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:23:39.22ID:FOUzsBp+
【題名未定(ネームレスワン)〜第八話「覚醒のシスターヴァンプ」〜】

「おらぁ!」

 アルムの爪がスバルの首筋に伸びる。
 軌道は至って単純、読むことは容易い。
 されどその重たさに受けること敵わず、その速さに躱すこと敵わず。
 ――――無論、常人にとってはの話ではあるが。

「遅いぜおっさん。」

 0,1秒の時間停止。
 世界が灰色に染まっていく刹那。
 スバルの瞳はその刹那で周囲の戦況を把握していた。
 重たい鉞を持ったまま彼の居る方に走り寄ってくるターシャ。
 しまったという顔で彼女を見ているステファニー。
 真っ直ぐに爪を彼に伸ばすアルム。 
 スバルはまず爪の軌道に斬撃を設置し、時間停止解除と同時に一歩後ろに下がる。

「なにっ!?」

 急に刀で切られたような衝撃を爪に受けてアルムは体勢を崩した。

「死ぬ異教徒は良い異教徒だぁああああ!」

 ターシャは自分の接近が完全に予測されていたなどと思っていない。
 彼女はスバルの後ろから二本の鉞を無造作に振り下ろした。

「スバル様危ない!」

 スバルは腰に差してあった鞘を片手で振り回しターシャの鉞の間合いの外から彼女の額を強烈に殴りつけた。
 身体が小さい分派手に吹き飛んでいくターシャ。
012135 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:25:15.43ID:FOUzsBp+
「女子供相手に刀は使わない。」
「ヒュー!見上げた騎士道精神じゃないか!」
「おっさん、悪いけどあんたには容赦しないぜ?」
「望むところだ少年!」

 実のところ、スバルはアルムの攻撃が見えたと言っていたが、
 見えることと反応できることはまったくの別物である。
 プロ野球選手が投げる玉やプロボクサーのパンチと同じだ。
 あれだって少し距離を取れば誰にでも見える。
 スバルは能力によって“見える”を“反応できる”に変えているのだ。
 そうやって力と速度で圧倒的に勝るアルムをスバルは絶妙にいなしている。 
 彼らは一進一退の攻防を続けていた。

 さて、少し時間軸は戻る。
 派手に空中に打ち上げられたターシャ。
 ステファニーはその隙を見逃さなかった。

「くたばれ糞ガキ!」

 彼女は近くに置いてあったモップを手に取るとその柄の先端を地面と激突した彼女の頭部に叩きつけた。
 狙ったのは眼、完全に殺す気の一撃だった。
 実際、彼女はモップでターシャの眼をえぐることに成功していたし、
 脳も幾分か傷ついていたはずだったのだ。

「やりましたね……。」
「な、ステファニーさん!?」
「おいおい少年、戦いに情けは無用だぜ。」
「まだ子供じゃないか!」
「良いねえ……その甘さ嫌いじゃない!
 だがターシャに限ってはその心配が無いんだなあこれが。」
 
 ターシャの割れた頭蓋骨から脳漿と鮮血が飛び散っている。
012235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:25:49.48ID:FOUzsBp+
「さて、これで二対一…………。」

 肉が裂ける音。
 ターシャのではない。
 ステファニーの右脚が鉞によって切り裂かれたのだ。
 


「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
 ―――――――――――私はコンティニューできるのさ!」



 ターシャは笑っていた。
 自らの“血を浴びて”笑っていた。
 先ほど粉砕された頭蓋も破壊された眼球もすべてが綺麗さっぱり元の姿に戻っていた。

「な、言っただろ少年、心配無いってさ。」
「あれがあいつの能力!?ステファニーさん危な……」

 そう言ってスバルはステファニーの援護に回ろうとする。

「おいおい少年、つれないじゃないの?」

 アルムの長く太い丸太のような脚から回し蹴りが放たれる。
 無論彼は時間を止めてその蹴りの間合いの外へ飛び退く。
 何度でも言うがスピードとパワーは完全にアルムが勝っているのだ。
 たとえ一撃であってもフィジカル面は凡人であるスバルが食らえば致命傷である。
 一進一退互角の戦いということはすなわちお互いがお互いに釘付けにされているということなのだ。
012335 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:26:15.85ID:FOUzsBp+
「くそっ!」

 彼の時間停止能力は万能ではない。
 連続発動も出来ないし停止時間だって状況によってまちまちだ。
 ゆえにアルムの攻撃を回避し続ける必要がある以上彼はステファニーを助けられない。

「キャハハハハハハ!」

 鉞がステファニーに向けて次々と振り下ろされる。
 脚の腱を切られている彼女は無様に転がりながらそれを躱すことしかできない。

「お姉ちゃんダンゴムシみたいだね!
 もっともっと私に血を浴びせてよ!」
「抜かった……!」

 ステファニーは近くに置いてあった料理のテーブルになんとか掴まりながら立ち上がる。

「隙有りだよ!」
「貴方がね!」

 残り物の料理を全てターシャにぶちまける。

「この料理を作ったのは私、このステーキを焼いたのも私。
 味が落ちるから私は嫌なのだけどロジャー様がそうしたいと仰りやがるからステーキを熱い鉄板の上に乗せて出したのも私。」

 まずはスープが彼女の視界を塞いだ。
 つぎに熱々のチーズフォンデュが遅れて彼女に襲いかかる。
 そしてトドメが数百度の鉄板である。

「要は血が出なければいい。」

 それなら話は簡単、と彼女は言いたいのだろう。
 だがそれで済むならターシャという少女は若干六歳で戦場に駆り出されていない。
012435 ◆gga2RGANNc
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2011/05/09(月) 22:26:50.26ID:FOUzsBp+
「無敵モードだもん!」

 視界を封じられた状況で彼女がとった行動は前進だった。
 そう、彼女は若干六歳。
 まだ恐怖という物を知らない。
 それに加えて先ほどのステファニーへの攻撃によって彼女の能力の真髄が目覚めようとしていた。

「防御力が上がってる!?」
「そんなんじゃ火傷一つしないんだから!」

 そもそも、ターシャの能力は単なる自己再生などではない。
 ステファニーは自らの血を浴びることによる自己再生と思い込んでいたがそれは大きな間違いなのだ。
 能力名“少女革命(シスターヴァンプ)”
 その能力の実は血液を媒介とした生命エネルギーの吸収。
 他者の血液をあびることで他者の生命エネルギーを吸収し、身体能力の向上などに使用、
 使い切れなかったエネルギーは自らの血液に貯蓄し、有事の際は自らのために使用できる。
 彼女の能力である“少女革命(シスターヴァンプ)”は攻撃がそのまま防御・回復となる非常に戦闘向けの能力なのだ。

「今度は逃がさないよ!」

 至近距離。
 間違いなく鉞の間合い。
 真っ二つ、ステファニーの右手首が真っ二つになる。

「やったあ!出たよ出たよ一杯血が出た!」

 ステファニーの血液がターシャに降り注ぐ。
 ステファニーはうめき声を上げながらも残った左手首でターシャの首を締め付ける。
 そしてそのままターシャを地面に叩きつけて彼女の両手を両膝で押さえつける。
012535 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:27:10.95ID:FOUzsBp+
「ステファニーさん!」
「スバル様、たかが手が一本落ちやがっただけでございます。
 後で医者にでもつけさせれば良い。」
「カ……ハッ……」
「ちっ……!」

 アルムが一瞬だけターシャの方に気を取られる。
 そこで、スバルは時を止めた。

「消えた!?」
「ここだぜおっさん。」

 スバルは刀を水平に構えてアルムの肋骨の隙間を縫うようにして突きを放つ。
 日本の幕末と呼ばれる時代に於いて最強の戦闘集団として名を轟かせた新撰組、
 そのNo.2を張っていた戦術の鬼才と呼ばれる男、土方歳三が考案したとされる平突きである。
 この方法ならば刃を痛めずに心臓を一突きに出来るのだ。
 彼は父に習ったとおりに目の前に居る男の心臓を貫いた。
 貫いただけではない。
 貫いて、その状態で時間を止めて、彼の周囲に斬撃の檻を作り、完膚無きまでにアルムを切り刻む。

「ぐはっ!?」
「言っただろうが……女子供以外には容赦無いって!」
「かははは…………、やられたな、やられちまったな。」

 スバルはアルムから刀を引き抜いて刀に付いた血を払う。
012635 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:28:30.09ID:FOUzsBp+
「言い残すことはあるか?」
「は、ははは……ねーよ。」

 そう言ってアルムは瞳を閉じた。

「これで今度こそ二対一……。」
「ア、アルム……?」

 ターシャがかすれた声で呟く。

「いやああああああああああああああああああああああ!」

 ターシャの絹を裂くような悲鳴。
 力任せに振り回した左腕がステファニーの眼帯をした右目に直撃する。
 力任せに振り回した右腕がステファニーの左腕の骨を粉砕する。
 邪眼の能力は持ち主の精神状態に大きく依存する。
 感情の高ぶりによってターシャの能力はさらに強化されたのだ。
 ステファニーは突然の攻撃に対応できず襤褸雑巾のようになって壁に叩きつけられた。
012735 ◆gga2RGANNc
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2011/05/09(月) 22:29:36.66ID:FOUzsBp+
「ステファニーさん!」
「…………。」
「いやだよ!アルム死なないで!アルムウウウウウウ!遊園地につれてってくれるって言ったじゃん!
 お菓子買ってくれるって言ったじゃん!やだよ!ここでお別れなんてやだよ!」
「すまんターシャ、…………なーんちゃって。」
「「え?」」

 スバルとターシャの声が見事にハモった。
 お前ら本当に敵同士なのかと突っ込みたくなるくらいにハモった。
 
「少年、びっくりしたよ。お前には修繕機構(ヒーリングファクター)を阻害する能力もあるのか……。
 そいつはムラマサブレードか?少しばかり回復が遅れたぜ。 
 まあ関係ないか、これで二対一だなあ少年!」

 アルムがのっそりと立ち上がる。
 まだ完全に傷は治っていないがどうやら血は一時的に止まっているらしい。
 右側に人狼、左側に吸血鬼。

「ここはお化け屋敷か幽霊船か?」
「それよりも恐ろしい場所だな。」
「うふふ、現実だよっ!」

 スバル・サンダースは絶体絶命の危機を迎えていた。
【題名未定(ネームレスワン)〜第八話「覚醒のシスターヴァンプ」〜】
012835 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/09(月) 22:41:47.50ID:FOUzsBp+
連休終了です、皆様お元気でしょうか
連休とは言っても35はそんなの関係ない身分でございまして、
むしろ連休中の方が忙しかったくらいでした
その代わり郷は一日お休みで趣味のカードゲームに没頭したり話のアイディア練り練りしたりしてました
いやーこの物語の重要な要素も隕石なんですけど自分のデッキも隕石のカード無しでは回らないんですよね
どれだけ俺は隕石大好きなんだっていう
スバルの持っている刀も隕石に含まれる鉄「隕鉄」で出来ていたりします
ルパン三世の斬鉄剣と一緒です
話は二時間半くらいで一気に書き上げたので誤字脱字あるかもしれませんごめんなさい

少女革命、はい、どうみてもウテナです。
アルムの能力はまだ明かされていませんがただのウルヴィーのパチモンだと思うと酷い目に遭います
ムラマサブレードとかヒーリングファクターの辺りはまたまたアメコミネタですね
アルムさんは俺の中ではアンデルセン神父っぽいイメージがあってデスね
普段は孤児院で身寄りのない子供達を育てているんですよ
無論変なことは考えてません
どこかの灰色ロリコンとは大違いです
ターシャは一応東方教会では有名な戦闘員です
まだルーキーですし子供なのでアルムという保護者が必須ですけど一応戦果を挙げ続けています
ぶっちゃけこのターシャを正ヒロインに据えて話を進めたいんだけどどうっすかね
アルムがスバルの義父になるかもっていう……
やべえ妄想だけでテンションあがってきた

ねえ良いよね!ターシャちゃん正ヒロインで良いよね!?
薺は諸事情のためどうしても正ヒロインにできないしさ!
してもいいけど絶対お勧めしないからね!
ターシャちゃんでイクからね!ターシャちゃんのイメージは東方のフランちゃんとfateのイリアちゃんとかって言ったらもうどう見ても救いがたい東方厨兼月厨だってばれちゃうよね!
ごめんなさいこんな駄文書き散らかしてごめんなさいきゃっほう!
0129創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/09(月) 22:54:31.85ID:GNFx78Jl
あんたはワツキノブヒロか
と思った
話の作り方とかアメコミ好きとか雑談の雰囲気とか
ともかく投下乙
0130創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/09(月) 23:05:00.71ID:GNFx78Jl
あとターシャちゃんでイクってなんだよ
ちょっとムラムラするわ!
0131創る名無しに見る名無し
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2011/05/10(火) 07:52:26.88ID:f59pvjTL
投下乙
初めてのピンチかなこれ
ていうか時間操作つえーな、主人公だから良いんだけどさ
013435 ◆gga2RGANNc
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2011/05/11(水) 23:14:19.82ID:o7L06tef
皆さん※ありがとう
和月信宏さんは大ファンで一番尊敬してるわ
富樫さんも大好きだったんだけどね……だけどね……
コンスタントに書き続けるってポリシーは彼が大好きだからこそ逆に思ったのよ
あんないい話を途切れ途切れって地獄ですよ
だから自分はつまらなくてもせめてってね
ターシャちゃんは絶対メインヒロインにする、だって可愛いもの
ターシャちゃんぐらい変なの居ないとスバルのキャラも立たないし
自分はいつもはvip発の某シェアワールドスレで投下してました
今も続けているんだけど行き詰まりを感じて修行がてら完全オリジナルを書いているところです
ちなみに某シェアワールドの方でも厨二バトルメイン
ただし楽しいから色々なジャンルをそこに織り込んでいます
根っからのジャンプ信者なのでお話はバトルか恋愛かギャグかスポーツじゃないと書いてて満足できない
ブログはやってないのですよ
自分のブログで話を載せるっていうのもねえ
なんか見てくれる人がここでやるよりスクなさそうだし
リクエスト次第では今やってる話の中に別ジャンルの話を織り込むよ!
怪談っぽくしたかったらグレイにゴーストバスターズやらせるし
ギャグメインにしたかったらグレイに風呂場覗かせるし
恋愛っぽくしたかったらグレイの幼なじみのツンデレ眼鏡シスター出して鈍感主人公&ハーレム(ただし幼女率高)とかやるし

最初はライダーの虹創作やろうかとおもったんだけど
ライダーの虹ってすると制限がきつくなるじゃない
あとライダーって名前を冠するだけで色々言われるし
だから趣味のライダーはあくまでやり過ぎオマージュな日下さんだけにして
あとは中に病バトルで「ぼくのかんがえたヒーローばとる」をやろうかなと

そもそも「正義と悪の優劣」がテーマで書き続けて
前まで書いていた話でその問に自分なりに答えが出ちゃったので
今度は愛とか平和とか自由とか勇気について考えたいんですよね
そのうち荒木御大みたいに人間賛歌をテーマにした話を書きたいんですけど……
まあそれはこれ終わってからかな
個人的に人間賛歌の象徴はステファニーさん
実は彼女、無能力者です
ってこれネタバレかしらん
0136創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/12(木) 08:00:10.24ID:Gb57G7e4
更新まだー?
013735 ◆gga2RGANNc
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2011/05/12(木) 22:14:11.73ID:heGk1d/e
【題名未定(ネームレスワン)〜第九話「ミレニアムファルコンで見る不快な夢」〜】

「すいませーん、ロールシャックジャーナルの者ですけどー。」

 教会の扉が重たい音を鳴らしながらゆっくりと開く。
 
「グレイ・グレイブさんに取材したかったんですけどいらっしゃいませんかー?」

 街を見下ろす小高い丘の上にある教会。
 それがグレイ・グレイブと彼の幼なじみであるシスターの住む教会である。
 丁度そのシスターは買い出しに行っており、教会には不意の来客に応えられる者が居なかった。

「……?」

 ロールシャックジャーナルの記者であるウォルターは今日この教会にアポ無し取材を敢行していた。
 なんせ入ったばかりのネタであるからアポを取る暇も無かったのだ。

「この声、どこから聞こえてくるんだ?」

 子供達の甲高い声がどこからか聞こえてくる。
 彼はその声に導かれるようにしてフラフラと歩きだした。

「子供ねえ……。」

 ウォルターは子供が苦手である。
 彼は記者になってすぐにとある残酷な事件に関わったからだ。
 その事件の被害者は子供で、思い出したくもないような忌まわしい方法で殺され、死体を処分されていた。
 犯人はとある権力者の息子で父親の力によってその犯罪を隠匿されていた。
 まだ新人で、人間の良心というものを信じていたウォルターは絶望した。
 編集長は彼に事件をこれ以上深追いしないように言った。
 翌日、ロールシャックジャーナルは一面でこの事件の全ての真相を暴き立てて、
 記事をもみ消されたと思ってふて寝してた彼をたいそう驚かせるのだがそれはまた別の話。
 とにもかくにもその時のことを思い出してしまうせいかウォルターは子供が苦手で、さらに子供を傷つける輩やロリコンが嫌いなのだ。
 
013835 ◆gga2RGANNc
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2011/05/12(木) 22:14:49.57ID:heGk1d/e
「きゃー助けてぇ!」
「はっはっはっはっは、逃げ回っても無駄だぞ!
 お前はゆっくりと遊んでやるからな?」

 さて、そんな彼の耳に女児の悲鳴と男性の者とおぼしき声。
 どう見ても、もとい聞いても犯罪の香りしかしない。
 彼は怒りに駆られて声の源である部屋の前に立つとその扉を開けた。

「そーれ、これで最後だ!」
「いやああああ!」

 ペソッ!
 気の抜けた音をあげてウォルターの顔に直撃したのは女児用のパンツであった。
 
「グレイさんこの人だぁれ?」
「…………お客様?」
「…………。」

 ウォルターの目の前には非常にこんもりした海パンの青年と一糸まとわぬ姿の幼女が居た。

「あーすいません信者の方ですか?今この子をお風呂に入らせてからお話を伺いますので……」

 こいつが神父なのか?
 悪党の元から子供達を救い出した正義の味方なのか?
 どう見ても変態じゃないか。
 子供からパンツを引っぺがして海パンをもっこりさせている変態じゃないか!
 間違いない、こいつは……こいつはなんなんだ。
 ウォルターは解らなかった。
 善でもなく悪でも無い只の異常性欲者。
 己の欲求の赴くままに善と悪を自在に行き交う自由な存在。

「高い身長、真っ赤な髪の色、グレイ神父ですよね?」
「ええ。子供達の味方、グレイ神父です。」
「はい、失礼しました。教会の方に誰も居なかったものですから……。」

 だからどう行動すべきかウォルターには解らなかった。
 素直に警察に通報すべきだろうか。
 しかし悪事の証拠と言うほどの物もないし……いやそもそも女の子と二人っきりで風呂に入ろうとしてた時点でアウトじゃないか?
 でも嫌がっている様子は無いって言うかむしろ服さえ着ていれば微笑ましかったし……。
 とりあえずウォルターは扉を閉じると元来た方に歩き始めた。
013935 ◆gga2RGANNc
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2011/05/12(木) 22:15:21.97ID:heGk1d/e
「あの、すいません信者の方ですか?」
「え、あ、グレイ神父に取材に来たロールシャックジャーナルの記者の者ですけど……。」
「え!ロールシャックジャーナル!?
 すごいわ大変!もしかして彼何か犯罪でも犯してしまったんですか!?
 まあ年がら年中歩く性犯罪みたいな人ですけれど!」

 ウォルターに声をかけてきた一人の修道女。
 この教会で働いている貴重なシスターである。
 牛乳瓶の底のような眼鏡をしているので顔はハッキリ見えないが割と美人だ。
 しかしウォルターは女性も苦手である。
 ロールシャックジャーナルに就職が決まったと同時に当時付き合っていた朝倉涼子という女性に振られたのだ。

「えーっと……?」
「彼ひどいんですよ!
 いっつもいっつも小さい女の子のお尻ばっかり追いかけ回して!」
「えーっと、詳しくお話を聞かせていただけますか?」
「はい、それがですね……。」
「ちょおおおおおおおおっとまったああああ!」

 シスターがグレイについて話そうとしたその時だった。

「俺は!俺は!俺は小さな女の子のお尻なんて追いかけ回してなどいない! 
 先ほどのお風呂だってそこの馬鹿眼鏡が帰ってこなかったから風呂嫌いの子供を風呂に入れるために仕方なくやっていただけだ!
 だからわざわざ海パン着用と色々自重していたじゃないか!」
「えっ、そうなんですか?」

 風呂上がりのグレイが海パン一丁の上からカソックだけを羽織ってやってきた。

「いけしゃあしゃあと嘘ついてんじゃねえぞこの馬鹿神父が!」
「ぴゃああああああああああ!?」

 シスターが思いきりグレイの尻を蹴飛ばす。
014035 ◆gga2RGANNc
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2011/05/12(木) 22:15:50.91ID:heGk1d/e
「私を買い物に行かせたのはお前だろうが!
 油断も隙もあったもんじゃねえなおい!」
「くそっ……!ばれた!」
「やっぱり悪党だったのか……。」
「違う!悪党じゃないぞ悪党じゃ!
 たとえ悪党であったとしても紳士という名の子供好きだよ!」
「もうやだこの神父。」
「あ、そうだ、馬鹿眼鏡、まだ子供達が沢山残ってるからお風呂入れてあげてね。」
「えー、めんどくさ……。」
「男の子が早く風呂に入りたいってうるさくて……。」
「ちょっと行ってくるわ。」
「アウトオオオオオオオオオオオオオオオオ!
 待って!?今の会話何!?さらっとアウトだったよ!」
「え、だって十二歳未満の男の子って可愛いじゃないですか。
 更に言えば男の子同士がキャッキャワイワイしてるのってメッチャ萌えるじゃないすか。
 ガキ大将×病弱男の子とか!兄弟のように育った×幼なじみ同士とか!
 あと個人的に推したいのはスラム街の悪ガキ×おぼっちゃま、これは蕩れだ。」
「知らないし!ていうか蕩れってなに?そもそもこの教会変態しかいないの?
 そしてなんだよその会話にちょくちょく挟まれる×の文字!」
「か け ざ ん で す !
 そして私は変態じゃない!たとえ変態だったとしても変態という名の淑女です!
 変態はそこにいる神父だけ!
 とにかく行ってきますね!これで今年の薄い本も安泰だ!
 待ってろこの町の淑女達!」
「うわはやっ!風の速度で消え去ったよ!逃げられちゃったよ!
 色々許されないレベルで腐っていたよマジ貴腐してたよ神も仏も無いよこの教会!
 一周回って香ばしいよもうやだここ!」
「此処は教会だ、仏なんて居るわけ無いだろ。
 それよりウォルター、俺の話を聞いてくれ。」
014135 ◆gga2RGANNc
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2011/05/12(木) 22:16:35.06ID:heGk1d/e
「なんだ変態野郎め!とりあえず二人とも警察につきだしてやる!」
「ちょいと待て!あいつはこの教会の稼ぎ頭なんだ。」
「どういうことだ。」
「P.N.ヴィヴィアンガール、サークル名は【非現実の王国】
 この街っていうかこの世界のとある業界において圧倒的な人気を誇る同人誌サークルとその代表者だ。
 本名は高木百合恵、あのシスターです。
 この教会の財政は彼女の書く薄い本の収入によって賄われてます……。」
「おぉう……。」
「彼女の書く薄い本が無いと貧乏な人たちに炊き出しも出来ません。」
「あぁ……。」
「自分も神父としての仕事をしているんですけれど本部から渡されるお金は微々たる物で……。
 寄付してくれるような信仰に厚い人も中々居ません……。
 この状況でもなお彼女の趣味を!いいえ、ちょっと変わった性癖の人間の存在を否定しますか!
 貴方は子供達を路頭に迷わせる気ですか!」
「そう、なのか……。」
「そうです。子供の価値は永遠にして不変だ。
 貴方だってそう思うでしょう?」
「え?」
「子供は良い。純粋だ。
 子供は良い。可憐だ。
 子供は良い。優美だ。
 子供は良い。子供は可愛い。子供はすばらしい。
 至ってシンプルで、誰にも反論の出来ない真理だ。
 つまり子供とは真理だよ。
 真理を追い求めるのは人間という存在の業であろう。
 俺は子供の尻を追い求めているのではない。
 子供の内に眠る無限の真理を求めて子供とふれあおうとしているだけなんだ!
 俺は変態ではない!変態であったとしても!否!変態ではない!
 変態ではなく賢者なのだ!
 変態という名の賢者なんだよ!
 知恵を追い求める無限の探求者(ナボコフエクスプローラー)なんだ!
 あの平らなる胸に頬をすりつけてそのまま脇のにおいを嗅ぎたい!
 あのあどけない小さな鼻をこちょばしたい!
 髪の隙間の地肌を思う存分舌で嘗め回したい!
 ああ幼女!ビバ幼女!美しい幼女!
 はああああああああああ!たまんねえええええええええええ!
 まるまるしたぽんぽんを日が暮れるまでさすりたい!
 私は幼女が好きだ!私は幼女が好きだ!
 スク水が好きだワイシャツが好きだスモッグが好きだこの地球上のありとあらゆる幼女が好きだ!
 君も好きだ!子供が好きだ!幼女は子供だ!
 即ち君も幼女が好きだ!」

 ウォルターの肩をつかみながら大声で絶叫するグレイ。
014235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/12(木) 22:18:50.48ID:heGk1d/e
「幼女さいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
 エブリワンセェィ!!」
「……ロリコンって、有りなのかもしれない。」

 ウォルターはぼそりと呟いた。

「ねえよそれはあああああああああああああああああああああ!」

 絶叫と共に目を覚ます青年。
 
「……夢か。」

 彼は夢を見ていた。

「変態と変態が跳梁跋扈する悪夢か。」
「涼村様。」
「なんだ。」

 青年の枕元には頭に捻子を刺した女性が立っていた。
 彼女の名前はルウ、生活支援用多機能ヒューマノイドである。
 青年こと涼村暁が東方教会に努めることになった直後から彼の世話係として彼に付き従っていた。

「いえ、うなされておりましたので。」
「気にするな。」
「私は機械ですので夢という物を見ません。
 ですから涼村様が……。」
「気にするなと言っているだろうが!」
「……申し訳ございません。」
「それより先行したアルムとターシャの部隊はどうなっている?」
「ただ今敵と交戦中。“既に”目的は達した、と。」
「ふむ、ということは薺とその……預言の仔と接触したということか。」
「はい、アルム様の変身能力の条件は既に満たしたと。」
「ふむ……じゃあ後は撤退のみか?」
「珀導機(センチュリオン)で足止めしているロジャーを突破して撤退する必要があります。」
「ロジャー……月を穿つ魔眼(シャッド=メル)のロジャーか。」
「はい。重力操作系統最強の能力者、ロジャー・シャンドラです。」
「地を穿つ魔、飛翔する深海、這いずる天魔
 墜ちた帝王(シャッド=メル)ロジャー・シャンドラです。」
「アルムとターシャだけで逃げ切るのは厳しいな。
 珀導機は何体墜ちた?」
「既に百機以上と通信がとれなくなっています。」
「解った。陸震機、空裂機、砲陣機の整備は?」
「完璧です。」
「オーケー、それじゃあ時間だし、さっさと行くとしようか。」

 暁は急いで着替えると黒い革のコートを羽織って部屋を出る。

「涼村様、お気を付けて。」
「気をつけて、か。そう言ってくれるのはお前と……姉さんだけだ。」

 姉、という言葉を聞いてルウは少しだけ複雑そうな顔をする。
 だがそんな彼女の様子になぞ気づくこともなく暁は部屋を出る。
 ルウは少しだけ悲しげな表情をして何時までも飛空挺の窓の外を眺めていた。
【題名未定(ネームレスワン)〜第九話「ミレニアムファルコンで見る不快な夢」〜】
014335 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/12(木) 22:30:34.95ID:heGk1d/e
恒例の元ネタ解説は後日……
おやすみなさい
0144創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/13(金) 07:53:07.84ID:KkiVFdnU

今回の元ネタ解説はたのしみだ
014535 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/13(金) 22:08:41.65ID:aZDriJwu
今回の元ネタ解説
ロジャーさんの二つ名の元ネタのシャッド=メルですがクトゥルー神話の神様からいただきました
なんか核爆弾食らっても死ななかったみたいですね
東映チックな特撮怪獣ぽいです
高木百合恵はヘルシングの高木由美江です
非現実の王国とヴィヴィアンガールはアンダーグラウンドアートの天才ヘンリー・ダーガ―の作品より
ルウはファンタシースターのロボ娘
涼村暁はシャンゼリオンの主人公の名前
陸震機、空裂機、砲陣機はシャンゼリオンのメカ
たとえ〜〜であったとしても
はギャグマンガ日和のあれですね

gdgdもここまで
自壊からはまたがんがん進めちゃうぞー
014635 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/13(金) 22:32:23.49ID:aZDriJwu
ところで聞いて下さいよ
この作品のOPって何が良いのかな―ってずっと考えてるんですよ
個人的には90年代とか00年代前半のアニソンとか入れてみたら面白いカナーって思ってたりね
いわゆる二十代ほいほいっでやつですね
封神演義のOPのWILLを脳内でかけてますね、OPは
でも熱いバトルを推したいときはまた別の物も良くなるし……

それはそうとして俺以外に書く人!
誰か俺以外にも書いてくれ!
俺一人だけ延々と書き続けるって結構つらいぞ!
この板にしては人が来てくれるのは解っているんだけど淋しいぞ!
014735 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/13(金) 22:57:13.86ID:aZDriJwu
この調子で終わるのか心配だって?
とりあえず今の戦いが終わったらあと二十四話+五話だと思って下さい
でも伸びるかもなあ……
読み続けている人が居る限り書くんだけどさ
書くんだけどさ……
もっと沢山の人に読んで欲しいわ
どこで宣伝して貰うのが良いのかしら
014835 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 09:36:26.75ID:eQIGuyZp
【題名未定(ネームレスワン)〜第十話「甲板にて」〜】

「くそったれ!数が多すぎる!」

 ロジャー・シャンドラは多数の敵を相手に孤軍奮闘していた。
 
「いきなり撃ってきやがって!」

 最初、彼の船に近づいてきたのは二人の邪眼使いの乗る小型飛空挺だった。
 通信によれば特使として来たと言っているしさほど警戒する必要も無いと思ったのだ。
 
「ノウリョクシャヲハッケン、ハイジョシマス」
「ハイジョシマス」
「ハイジョシマス」

 その船が突然、破片をばらまきながら爆発し、矢のような速さで二つの人影が船内に突貫してきた時にはもう遅かった。
 彼の能力である「月を穿つ魔眼」は目で見えない物に対して能力を発動できないのだ。
 彼は当然その二つの人影を追いかけようと思った。

「ハイジョシマス」
「ああああああああああ!うるせええ!」

 しかしその時には既に何発ものミサイルが船に向けて発射されており、
 それの撃墜に時間がかかっている間に大量の珀導機(センチュリオン)が彼の船を囲んでいたというわけだ。
 多くの船員が期せずして負傷してしまった状態で彼が甲板から引いてしまえば船を守りきれない。
 事実上、彼は一人で甲板に釘付けにされている状態と言っても過言ではない。

「てめえらも潰れろ!【月を穿つ魔眼(シャッド=メル)】!」

 彼の視界の中に映る大量の珀導機。
 そしてそれらの中心にポッカリと黒い月のようなものが浮かぶ。

「真昼の月の夢に死ね!」

 彼の持つ【月を穿つ魔眼(シャッド=メル)】の能力は非常にシンプルだ。
 視界の中の重力を自在に操る、たったそれだけなのだ。
 異常なのはその発動までのタイムラグの少なさと圧倒的な規模。
 その気になれば彼は小型のブラックホールすら生成できた。
 恐ろしく簡単に鉄くずになり、塵になり、どこかに消え去る珀導機達。
 戦うどころの話ではない。
 一方的な虐殺だ。
 下の様子をまったく知ることが出来ないことだけが彼にとっては気がかりだった。

「ん?あれは?」

 彼の視界に三体の珀導機が眼に入る。
 通常の物とは違いそれぞれに赤青黄の塗装が施してあり、その上に人が乗っている。
014935 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 09:36:47.83ID:eQIGuyZp
「這いずる天魔(シャッド=メル)ロジャー!」
「おうおう、雑魚じゃないのがお出ましか?」

 彼は大量のマイクロブラックホールを展開して三体の珀導機を迎え撃つ。
 だが乗っている青年の指示のためかその三体は他の珀導機を犠牲にしながらも、
 迷うことなくロジャーの元に向かってきた。

「ほう、来やがった!」

 青年は珀導機に乗って甲板に降り立つ。

「俺は東方教会“聖遺物回収班”所属、涼村暁だ。
 今この船の中にいる俺の仲間を回収しに来た。」
「ふん、てめえは雑魚じゃなさそうだな。」

 彼の周りを飛び回る三体の珀導機を見てロジャーは笑う。 

「俺は……俺は、弱い。」

 暁は聞こえないほどに弱く呟く。

「あぁん?今なんつった?」
「戦うまでもない、あんたじゃ俺には勝てないと言ったんだ。」
「あーそう!そりゃあいいや!」

 ロジャーは自爆を回避するために少々威力を落とした重力波を放つ。
 甲板に悲鳴を上げさせながらそれは暁と三体の珀導機の元へと迫る。

「見せてくれよ!」
「見せるまでも無いとも言っておいてやる!」

 三体の珀導機は重力波をもろに受けてそれぞれバラバラな方向へと墜落していく。
 あの様子では戦闘は不可能だろう。
 暁もまた重力波を正面から食らった。
 まるで土下座でもするかのように甲板に叩きつけられる暁。
 それを見て大声で笑うロジャー。

「狸寝入りは良いんだぜ暁くぅん?俺はそんなことじゃあ油断しないからよぉ!
 来いよ…………やられた振りなんて止めてさ。
 ―――――Hurry!Hurry!Hurry!」

 暁はむくりと起き上がってロジャーをにらみつける。
015035 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 09:37:13.86ID:eQIGuyZp
「うるさいな……。」
「おしゃべりな性分でね。幸い雑魚珀導機もどっか行ったみたいだしよ。
 お前の相手で暇つぶしでもしようかなーってね。」
「ターシャと……アルム相手に貴方の部下がまともに戦えるとでも?」
「うーん……俺の所の船員じゃ無理だな。」
「なら遊んでいる暇は無いんじゃないですか?」
「いいや、俺の船にはとびきり優秀なメイドが居てね。」
「?」
「そうかそうか、知らないか。
 能力しか見ないお前らには解らないんだろうな。
 人間存在の強さとか、可能性って奴がさ。」
「能力がある人間は無い人間より優秀で、能力が強い人間ほど優れている。
 東方教会では当たり前の教えだよ。」
「じゃあ聞くがお前はどう思う?」
「――――――――!?」
「聞かせろよ、お前自身の考えをさ。
 お前は今まで俺が戦ってきた奴らと違ってなんか事情があるみたいだしなあ!」

 シニカルな笑みをたたえてロジャーは暁を見つめる。

「お前に語る言葉はない。」

 暁は右手を前に突き出して左手を腰に当てる。
 そのまま右手首を捻り、中指と人差し指を額に当てると額にかけていたゴーグルをそのまま目元まで降ろす。

「深淵より生まれし暗黒の運命よ(ブラックアウト)!」

 溢れんばかりの光と共に彼は西洋の騎士が如き装甲に包まれる。
 色は黒、星を抱く宇宙が如き黒。
015135 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 09:37:36.96ID:eQIGuyZp
「変身するタイプか……。
 最近はやりのイケメンヒーローって奴か?
 悪いが俺は古い人間だからな、子供より奥様に人気のヒーローとか認めないぜ。」
「ご託は良い、行くぞ、ロジャー・シャンドラ。」
「おう、良いぜ来いよ。」

 ロジャーは再び重力波を放つ。
 暁はそれに正面から飲み込まれるがまるで何も食らっていないかのように直進する。

「――――なに!?」
「俺の能力の名前は【光輝湛えし絶望(ダーク・ガイア)】
 能力は自分の肉体にかかる重力の操作。
 解るか?」

 暁は床を踏みしめふわりと宙に浮かぶ。
 そして身体を捻り高速で回転しながらロジャーに脚を叩きつける。

「お前の能力は俺に通じない!
 重力千倍!暗黒彗星(ダークパプティズム)!」
「――――――うるせえ。
 今時……必殺技名を叫ぶとか流行らないんだよ!」

 暁の脚をつかんだロジャーは彼を思いきり振り回すと思い切り遠くに投げ飛ばした。
 いわゆるジャイアントスイングである。

「うわあああああああああああああああああああ!?
 その能力で肉弾戦出来るなんて聞いてないぞおおおおおおおおお!?」

 涼村暁の名誉のために言えば、彼の放った蹴りは威力にして5トン。
 大型のトラックが降ってきたのと対して変わらないレベルの威力だ。
 これをそもそも受け止めて軽々投げ返したロジャーがおかしいのだ。

「俺最強、故に最強。」

 周囲に敵の気配が無くなったのを確認してからロジャーは船内に戻る。
 彼の見立てではもうそろそろ二人の侵入者がスバルとステファニーに撃破されている頃だった。

【題名未定(ネームレスワン)〜第十話「甲板にて」〜】
015235 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 09:48:30.48ID:eQIGuyZp
ところでスケルトンズのナミダライフって良い曲ですよね
どこかで売ってないかなあ……
売ってないかなあ……
0153創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/14(土) 11:43:54.11ID:5qJ4Iw9a
ロジャー強すぎワロタ
もうこいつ一人で良いだろ
015435 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/14(土) 17:54:29.30ID:eQIGuyZp
やべえ……深夜のテンションでロジャー強くしすぎた
どうしようマジでどうしよう
0155創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/17(火) 07:18:54.88ID:hJ8FEOyb
やっと後の展開思い付いた
015635 忍法帖【Lv=1,xxxP】 ◆gga2RGANNc
垢版 |
2011/05/17(火) 22:40:26.32ID:iQ1ZrnBH
【題名未定(ネームレスワン)〜第十一話「化け物」〜】

「さて少年……悪いが、来て貰うぞ。」
「お兄ちゃんは殺しちゃ駄目な人類なんだよねー。」
「くそっ……!」

 戦況を分析しよう。
 敵は二人、俺を挟み込むような配置。
 味方はいたが既に撃破されてしまって部屋の隅で虫の息である。
 敵の一人は人狼で一人は吸血鬼。
 正直B級ホラーも良いところの陳腐なシチュエーションなのだが残念これが現実である。
 まあいくら陳腐でも、現実になってしまえば全て同じ恐怖ではあるが……。

「よそ見してたら殺しちゃうよ!」

 鉞が振り下ろされる。
 受け止められるほどの膂力は俺にはない。
 取るべき行動は回避。

015735 忍法帖【Lv=1,xxxP】 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 22:43:25.01ID:iQ1ZrnBH
「はっはっは!二対一は厳しいんじゃないか?」

 狼男の蹴りがあばらに入る。
 鈍い痛み、二三本は持って行かれた。
 船室の壁に叩きつけられて呼吸が詰まる。

「さーて、これでトドメかな?
 神様にお祈りは済ませた?私が代わりにしてあげても良いよ?」
「トドメは刺すな、生け捕りにするんだよ。」

 二人がじわりじわりと近づいてくる。
 このままでは危ない、そう思ったとき、彼女は現れた。

「な、なぁにこれ……?」

 医務室に繋がる扉が開く。
 その中から出てきたのは記憶喪失の彼女。
 名前を薺というらしい。
 彼女は血で真っ赤に染まった船室を見て口をぽかんと開けている。
015835 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 22:48:36.22ID:iQ1ZrnBH
「おっ、居らっしゃったか!」

 狼男が、アルム・アバエフが、薺の元に近づく。
 彼女は俺のせいで記憶を失っている。
 記憶を失う前ならば自衛も出来たのだろうが今の状態ではそれも危ういはずだ。

「お探ししていましたよ予言者殿。」
「誰あんた?」
「覚えてらっしゃらないので?」
「悪いね、自分の名前も思い出せないんだ。」
「薺逃げろ!そいつらお前を狙っているんだ!
 …………って名前まで忘れているの!?」
「説明は面倒なので省かせて頂くが貴方様のお力は我々教会にとって無くてはならない物。
 預言の仔と共に来て頂きます。」
「えー、やだよそんな悪の組織っぽい誘い文句。」
「記憶無くしてもゆるキャラのままなのね。」
015935 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:03:23.30ID:iQ1ZrnBH
「私は何時だって私さ、だから私のやることも居る場所も私が決める。
 行く気になったら君たちの所にも行ってあげるよ。」
「そう言うと思いましたよ、それならば力尽くで連れて行かせていただきます。」
「おい待て!俺はまだ……」

 痛む身体を推して立ち上がろうとした。
 しかし無駄だった。

「駄〜目、お兄ちゃんは私と一緒にここでじっとしててね。
 ……じゃないと殺しちゃうかも。」
「成る程、あの少年はあれだな。物語の主人公っぽい。
 ってことはさしずめ私はすんごい能力を秘めたキーパーソンってところか。」

 小型のナイフが首筋に張り付く。
 時間を止めてもこのダメージでは逃げられる距離などたかが知れている。
016035 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:06:29.14ID:iQ1ZrnBH
「う〜ん、それにしても、ピンチみたいだねえ。」

 薺さんは何の危機も感じていないかのように呟く。
 ステファニーさんも完全に沈黙している、息があるかさえ怪しいくらいだ。
 打つ手がない、俺があきらめかけたその時だった。

「力尽く?」

 船室の扉が大きく開け放たれる。
 
「今誰か力尽くって言ったか?」

 コツコツと響いてくる足音。

016135 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:09:05.09ID:iQ1ZrnBH
「このロジャー様の船から力尽くで何か持ち去ろうってか?」
「ロジャー……さん!」
「遅れて悪かったな少年!」
「あんただれ?」
「薺さん、遅れて申し訳ございませんでした。」
「成る程、私の名前は薺というのか。君は私の何なんだ?」
「命の恩人。」
「馬鹿な……、暁がこんなに早く突破されただと?」
「ヘイマッチョメン、次はもうちょっと骨のある奴を用意しろ。」

 そう笑ってロジャーは血まみれの部屋を見回す。
 彼は部屋の隅で襤褸雑巾のようになったステファニーさんを見つけた。

「ずいぶんやってくれたじゃねえか。
 良いぜ、そこの二名、かかってこい。
 手抜かり無く手ぇ抜いてやるからよ。」
016235 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:15:42.14ID:iQ1ZrnBH
「言われなくても!」

 ターシャが俺を蹴り飛ばしてそのままロジャーに飛びかかる。
 それを見たロジャーは酷く凶暴そうな笑みを浮かべて彼女の額を人差し指で思い切り弾いた。
 乾いた音、拳銃の発射音のような音がしたかと思うとターシャはそのまま船の壁の中にめり込んだ。
 期せずして俺のすぐ側の位置である。

「ガキのお守りはガキに任せた。」

 もうこいつ一人で良かったんじゃないかなあ。

「さあて、これからが大人の話し合いだ。」

 にやにやと獰猛な笑みを浮かべながらアルムに近づくロジャー。

「肉食獣って言葉はな、より上位の肉食獣の餌って意味なんだぜ?」
「くそったれ!」
016335 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:17:44.14ID:iQ1ZrnBH
 アルムは彼らが先ほど着地していた辺りの床を思い切り踏みつける。
 床が脆くなっていたのか大きな音を立てて船の床に穴が開く。
 そしてそこに彼は落下していき、あっという間に見えなくなった。

「はん、仲間を見捨てて逃げて行きやがった。」
「あの……ロジャーさん?」
「おうなんだ。」
「どこかで武術でも習ってたんですか?それか肉体強化系の能力でも……。」
「虎がなんで強いのか知っているか?」
「え?」
「強いからだよ。
 おいステファニー!」
「…………。」
「ありゃあ、本当にやばいな。
 スバル、そこのガキを連れて医務室に先に行っていろ。
 俺はこいつの応急処置してから運ぶ。」
「俺も怪我人ですよ?」
「ガキのお守りはガキって言っただろうが。」
「酷いなあ……。」

 なんて軽口を叩きながらも隣の少女、ターシャを背負う。
016435 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:19:50.06ID:iQ1ZrnBH
「あ、医務室ってもしかして私が寝てた部屋?」
「そうだが……どうした?」
「いや、てっきり私、謎の組織に拉致監禁されて居るんだと思って……。」
「思って?」
「あそこにいたお医者さん気絶させて来ちゃった。」
「薺さああああああああああああああん!?」
「ごめんねえ」
「焦るなスバル、医者はあいつ以外にも居る。呼べば良いだけの話だ。」
「今はどこに?」
「先ほどの襲撃で怪我した人たちを治してる。」
「成る程……。」
「ほらさっさと行け、医務室には暴れる能力者の患者を拘束するための器具があるはずだから、
 それでさっさとそこのガキを縛り付けて、
 それから薺さんに俺達の現在の状況をお伝えしろ。」
「あらほらさっさー」
016535 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:23:14.92ID:iQ1ZrnBH
「あらほらさっさて……懐かしいな。」
「これが懐かしいって薺さん年幾つなんですか。」
「それは君に聞きたいよ。懐かしいで思い出したんだけど、その刀って何?」
「え、只の居合刀ですけど……。」
「なんだろう、なんか懐かしいんだよなぁ……。」

 そう呟きながら薺さんは小首をかしげていた。
 そんな姿に自分の記憶の中にある彼女のどこか超然とした姿とのギャップを感じる。
 でもそんな彼女の姿もまた愛らしかった。

【題名未定(ネームレスワン)〜第十一話「化け物」〜】
016635 ◆gga2RGANNc
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2011/05/17(火) 23:31:00.77ID:iQ1ZrnBH
いつの間にか忍者レベルがだだ下がりしてた正で投下がままならなかった……
またこれであげ直しか……
0167創る名無しに見る名無し
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2011/07/30(土) 16:32:56.80ID:lJISwOJ4
ある満月の夜
周りを金色の麦畑に囲まれた小さな小屋の中から
女の呻き声が響く
女は今にも張り裂けそうな大きな腹を抱えながら
蛙のように床を這いまわっていた
0168創る名無しに見る名無し
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2011/07/30(土) 16:35:09.21ID:lJISwOJ4
父となるべきはずの者が帰ってきたのは3日後だった
彼が見るべきは満面の笑みで子供を抱え夫の帰りを喜ぶ妻であるはずだった
彼が見たのは苦しみに顔を歪め産道から夥しい血を流し蛙のように死んでいる妻であった者だった
ただ傍らには臍の緒で繋がったままの赤ん坊が2人まるで母親から生気を吸い取るかのように
0169創る名無しに見る名無し
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2011/09/24(土) 03:47:38.63ID:U+7MIjxq
.
0170!ninja
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2011/09/24(土) 13:08:09.90ID:Nry1BlJD
光を超える速度が実在する!?♪。
0172創る名無しに見る名無し
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2011/11/01(火) 20:52:53.03ID:JiOI41VN
【幻術】
代償を払って使う超能力。
単体でも使えるが触れたものと連動し発動できる。
強さ順にGクラス、マッチクラス、キルクラス。例外に、ロストクラスがある。
【ヘヴンフォール】
崖の上にある地域。平行世界で唯一人が住めるらしい。
王族であるルクシス家が国を治める。
北欧南米アラブ中華系、日本人などがいるが共通言語は日本語。
【“滅廃谷”】
ヘヴンウォール以外の地域。何があるかは不明。
死刑になるかわりにここに来るか懲罰隊に入るか選べる。
【王家人民軍】
王族直属の治安維持機関。マッチクラス以上が各部隊を統括する。
総司令、特務、憲兵、諜報、狙撃、警護、防衛、処刑、懲罰大隊の九機関。 
【扉の間】
平行世界と現世や他の世界をつなぐ扉がある部屋。
町外れの廃墟の隠し部屋にあり、義勇軍拠点防衛部隊が警護をしている
【タロット同盟】
二十二人の幻術士が所属するテロ組織。
【白い悪魔】
暗殺集団。義勇軍と対立。
【ミナリーク事件】
六年前の訓練中に特務軍の剣士が反旗を翻し同部隊のヴァンケルに殺害された事件。
死者23名を出し、特務軍第一分隊は壊滅状態に陥った。
生還した者も兵役続行不可になり退役した者が多い。
0173 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/01(火) 21:13:38.92ID:JiOI41VN
「おれたちは何があっても一生、友達だ。」

もう小学校の頃の話になるだろうか?
俺は小五まで友達がいた覚えがなく、親は心配し柔道をさせたが案の定、失敗した。
黒帯の相手が油断した隙に、投げて受け身を取れず大怪我を負わせてしまったらしい。
運動は無茶苦茶できたが、その時からもうそれを隠すことにした。
小学五年生の春。あるバカが俺の横に転校してきた事は、忘れない出来事だ。

「おれ、名取。よろしく。」

『いちいち、鬱陶しい。』とでも思っていただろう。
なにを言ったかは覚えていないが、休み時間に名取が言ったことは忘れない。

「名取組に入らない?」

こいつはバカだと思う。
だけど、一生忘れない。
名取組には、俺みたいに友達のいない奴がいた。
0174 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/01(火) 22:46:55.32ID:JiOI41VN
「その日、消えた。」 プロローグ「大切な約束」
投下終了です。
0175その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/02(水) 19:33:05.87ID:uLxZC6zu
県立上守西中学 3-A 26席 覇鋤那涼矢 (はすきな すずや)
生まれてこの方名前を正しく 呼ばれたことがない。

「よう、リョウヤ。」

ほら、少ない友達の中の一人の名取さえも間違える。
名取和明というのは、俺の友達。うざいくらいヘラヘラとしているがいい奴だ。
続いては名取組のメンバーの紹介。
この厳つい奴は幕内歩。ボクシング部でインターハイに出場する程だが喧嘩が弱い。
ロン毛なのは河合琢磨。無口だけど毒舌家で腹黒い。

「転校生で金髪って不良だな。」

転校生の椎名了。危ない雰囲気を醸し出している。
関わらない方が良さそうだと心の底から思った。

「知ってる?市街地の廃墟にタイムマシンがあるらしい。」

タイムマシン?
ふざけているしか言いようがない物の一つ。
名取組のみんな食いついた。

「俺、パスするからな。」
「乗り悪いなぁ〜。」
0176 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/02(水) 20:26:30.75ID:uLxZC6zu
怪奇現象なんて信じたことはない。何故か?…つまらないからだ。
俺にとって友達というのはあの三人くらい。
伊達眼鏡をかけて、騒ぐことなく真面目くんを気取る。
よくいるクラスの地味な奴を演じているつもり。
自転車にキーを刺すと、回してロックを解除した。

「…こんなヘタレが、警護対象か?」

どこから呟く声が聞こえた。
校門を出ると、焦るように足音が聞こえてくる。
急いでペダルを踏み込む。
車輪は回転した。

「だ、誰だ!?何が目的なんだ?」

思いっきり叫んだ。
気づいたから、殺されるかも知れない。
覚悟を決める。

「気づいていたか?」
「俺は殺されるようなことした覚えはねぇ。」
「殺さないよ。守るため。」
「守る?」

追跡者は幼稚園児くらいの小さな女の子だった。
腰には、おもちゃの刀をぶら下げている。

「迷子か?」
「こ、子供扱いするな!!!!」
「あんたをここで斬り殺してやってもいいだ。」
「ハハハ。幼稚園児に殺される程、弱くねぇよ。」

目の前から追跡者が消え、前輪が真二つに裂けた。
頬には切り傷ができ、刃が首に向けられている。
0177その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/02(水) 21:50:26.71ID:uLxZC6zu
荷台に立つ追跡者は、刀を腰にしまう。
「え〜と、なんとかリョウヤだな。」
(あんな難しいが漢字読めるわけねぇよな。)
「なんだその目は?」
「“はすきな”って読むんだ。あと、リョウヤじゃなくてスズヤと読む。」

生まれてこの方、正しく名前を呼ばれたことがない。
そんな奴の漢字が幼稚園児なんかに読めるわけがない。

「では本題に入ろ…。」

唐突に自転車が前輪から逆さまにひっくり返った。
宙を舞った体は、背中から地面に叩き付けられる。



ドアを開けたくない。家の中には入りたくは無かった。
姉貴にからかわれる事は目に見えている。
ドアノブを捻ると力を前に込め、ドアを開けた。

「おかえ…兄ちゃん。うわあああああああ。」
「あまり騒ぐなよ。」
「彼女が出来ないからって幼稚園児を襲おうなんて!!」

最悪だった。
姉貴が出てきてしまった。

「涼矢!!!それは犯罪だって!!」
「だぁかぁらぁ、誤解だってばぁぁぁ!!!!」
0178 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/02(水) 22:28:22.40ID:uLxZC6zu
「友達が家を留守にするから預かってくれって。」
「涼矢って、友達いたっけ?」
「ギクッ…ハハハ、姉貴も面白いジョークが言えるようになって…。」

コイツがバカしない限り剣士だとは思わないだろう。
死んではおらず、気絶しているだけだ。



「……!!…ここはどこだ!?」
「俺の家だから、あまり騒ぐなよ。姉貴に誤解される。」

よく考えると、コイツの名前を知らないよな。
っていうより、コイツ何者?
刀を持っているし、強いし、わけが分からない。

「そういえば名前聞いてなかったな。」
「ミラルナ=スランだ。王下人民軍…。」
「厨二設定はいいから、実名で名乗れよ。」

ったく、変なところだけはガキなんだよな。
女なのに、口調はおっさんみたいだし。

「ふざけるな!!!」

ミラルナがタックルし、馬乗りなる。
とてもタイミングが悪く、ドアが開いた。

「どう〜♪兄ちゃん、楽しん…うぎゃああああああ。」
「達也、違う違う違う。だーかーらー誤解だってば!!!」
「来るな!!!ロリコン犯罪者!!」
0179 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/03(木) 09:13:02.38ID:FYM16GJY
「この人が姉貴の早紀。んで弟の達也と妹の柚唯菜。」
「ミラル…じゃなくて、手塚美恵だ。よろしく頼むぞ。」
「よろしくね美恵ちゃん。」

ミラルナは笑いもせず、しかめっ面で無愛想で怒っているように見えた。
もはや、睨んでいるようにさえも見えるが、姉貴達は懐いていると思いこんでいる。
いい加減、笑ってくれないだろうかと心の底で感じた。

「…守られるか…。」



「ボスが監禁されているのはあの家。」

茶髪の髪を後ろで束ねた髪型の女性が話す。
話した相手は、アラブ系の少女で脇座を所持している。

「ボスのために、早く突入したほうがいいかな?」
「相手は危険よ。警護対象以外は排除する。」
0180 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/03(木) 09:19:24.86ID:FYM16GJY
その日、消えた。 一話「最悪なお客様」
投下終了です。
0181 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/03(木) 10:25:26.38ID:FYM16GJY
どこからか、声が聞こえたような気がして目が覚めた。
ベッドから起き上がり、金属バットを持って部屋を出る。
いやな予感がした。
夜中にも関わらず、足音が背後から聞こえる。
錯乱したかのように金属バット振り回した。
金属がぶつかるような感覚と音がする。

「騒がないで。騒いだら殺すわ。」
「俺、何かしたか?」
「警護対象…は…は…な?」
「はすきなすずな。どいつもコイツも警護対象の名前くらい読めるようにしろよ。」

ミラルナとは違う奴。
剣の腕自体が、ミラルナよりも落ちるし、隙だらけだ。

「殺すのか?」

相手は躊躇った。
刃を素手でつかみ、背負い投げをした。
倒れたことを確認し、金属バットを首に向ける。

「もう一人の奴は、どこにいる?」
「ここ。」

頭に槍が向けられている。
少しでも動けば、頭に槍が貫通して死ぬ。
死にたくはない。
そんな中、ミラルナが闇の中から現れた。

「キミー。遅いぞ。」
「ミラルナ…てめぇ!!!」
0182 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/03(木) 12:48:30.27ID:FYM16GJY


士波剛健。王下人民軍総司令部長官。
眼鏡をかけて頭にシルクハットを被り杖をつき、口髭をはやした初老の男。

「コイツはただのガキですよ!!!」
「ミラルナちゃん。子供がガキなんて汚い言葉を使うんじゃないよ。」

ミラルナは不満だった。
現世のただの少年に、警護をするなどイヤだろう。
前までは、王族の警護などをしていたが、今となっては仕事がほぼ無い。

「このガ…じゃなくて少年は何者ですか?」
「僕も知らないんだ。なんたってルクシス陛下、直属の命令だからね。」



「アンタは守らなければならないのだ。」

ミラルナは笑みを浮かべながら言い放つ。
初めて笑顔を見せたが、全く嬉しくはない。
金属バットを床に置いた。
同時に首に注射を打たれて、力が無くなり倒れる。
0183 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/03(木) 22:21:31.29ID:558lKiCX


「おやおや…先客ですかな?」

部屋の中に人がいる。
長官暗殺を考える不平分子がいることは知っている。
とは言え、基地の警備は簡単に突破できやしない。

「私の部屋にいるのは誰かな?かくれんぼは嫌いなんだ。」
「あぁ士波さん。ご無沙汰しています。」
「ジェフィーか、驚かせないでくれよ。」

ジェフィー・アントン。拠点防衛軍チーフ。
彼女なら、暗殺してくる危険性は皆無に等しい。

「数日前に、扉の間に異変がありました。」
「異変?」
「キミー達が通行後に幻術の反応が微かにありました。」
「誰かがこじ開けたというのか?」
「はい、通行者の報告がありませんが、念のため特務を派遣してください。」
「分かった。メクセレス君に報告しておく。」

嫌な予感がした。
微かな幻術反応が何を示すのか。そして何を現すのか。



「あんのクソガキィ。嘗めた真似しやがって。」

目が覚めるとすべて何もかも無かったことになっている。
ミラルナの事も、自転車が斬られた事も全て無かったことにされた。
唯一、存在を証明できる物は頬の傷くらいだ。
平穏な一日が戻ってきたと言ってもいいのだろうか?

「大変だ!!琢磨がいなくなった。」
0184 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 07:40:57.81ID:ZSVls7Jh
名取はブザーも押していないのに、強引にドアを開ける。
息が上がっていた。

「タイムマシンを探していたら行方不明になった。」
「親には言ったのか?」
「アイツ、一人で夜中に探しにいきやがった。」

叫んだ瞬間、足は地面から離れ走り出した。
“守られている”ような事が起きている。
何か胸騒ぎと罪悪感で頭が埋め尽くされた。
直された自転車を必死にこぎ、町外れの廃墟へ向かう。

(クソクソクソ!!!なんで琢磨がぁ!!!)

廃墟が見えてくると、自転車を乗り捨てて走った。
廃墟はの辺りに、住居が存在せず深い林で覆われている。

とてもいやな予感がした。

何かを発見すると吐いた。

血の水たまりの中に、腐敗した死体があったからだ。

琢磨の物ではないが、近くで死んだ奴がいると言うこと。
琢磨の身が危ない。
進むにつれ、損壊の激しい死体が多く転がっていた。
近くには刀を構えたミラルナが、辺りに警戒をしているのが確認できる。

「てめぇ、ここで何しやがだった!?琢磨はどこにいる!!!」
「騒ぐな。拠点防衛から連絡が入った。これ以上近づくな。」
0185 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 17:37:19.68ID:ZSVls7Jh
>>172 もっと厨二っぽく訂正
【タロット同盟】→【反国二十二人衆】

追加設定
【エル・カポ】
ヘヴンフォールの地下街。治安は最低レベル。
人民軍の手が届かないため唯一、犯罪が許される。
【軍法会議】
人民軍の兵士が罪を犯した場合はここで裁かれる。
なお、死刑判決が下った場合確実に処刑される。
【驟雨の流血事件】
十三年前に起きた革命騒ぎ。
王家の独裁に反対した親衛隊兵士達が反乱を起こした。
この事件をきっかけに、人民軍が設立された。
【ヘル・プリズン】
一つしかない刑務所。詳細は不明。
0186 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 17:44:37.72ID:ZSVls7Jh
彼女を無視して、走る。
制止を振り払って、林としたいの中を走った。
そんな中、ようやく廃墟へとたどり着く。
鍵のかけられたドアを突き破ると、叫ぶ。
ただ叫び、走り、探した。

「うるさいよ、殺されたいのか?」

声の先にいたのは、転校生の椎名了。片手には、琢磨を引きずっていた。
そして、不気味なくらい赤黒く染まった棒を持っている。

「てめぇ…ただの不良じゃねぇな…。」
「君こそ、ただの学生ではないよ。」

そう言い放つと、何かに気づき琢磨を床にたたきつける。
何かが飛んできて、それを回避した。
金髪を尻尾みたいにポニーテールにした小さな少女。
ミラルナだ。

「ミラルナ=スラン…有名人に出会えるとは光栄だよ。」
「貴様こそ有名だろ。パケラス・デュフレーン。」

二人とも動きが早かった。
棒と刀が交わり、付着した血が飛散する。
確実に、ミラルナがパケラスを押していた。
だが、それは一瞬の隙とともに消える。

目の前でミラルナが腹部から斬り伏せられる。

早かった。

近くにいた、ミラルナの二人の部下も次々と倒される。

もう終わりだ。

奴は、こっちへと来ていた。
0187 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 18:23:54.83ID:ZSVls7Jh
「いるのは分かっているよ。ダッシュボード。」
「あぁーあ…ったく、ばれちまったか。」

隣の部屋から、男が現れる。
ぼさぼさの黒髪頭に、髭を生やし、中年の男。
片手は義手で腰にウォッカと長い日本刀を携帯している。

「ヘヘヘっ昼間から飲む酒はうめぇんだよ。」
「おっさん、酒臭ぇ…」
「おい…坊主。さっさとダチを連れて逃げな。」

日本刀を抜くと、何故か自分の左腕を斬り裂く。
血がダラダラと流れているが、動じていない。

完璧なぐらい、早かった。
刀で、椎名の肩を斬り裂き、傷口から血が飛び散る。
再び切りかかろうとする刀を避けると素手で顔面を殴る。

「…幻術…が…発動…しない…。」

口から、血を吐くと驚きを隠せないかのように呟く。
幻術?
なんだそりゃ?

「バカ野郎ぉ!!!早く逃げろ!!!奴の標的はてめぇだぁ!!!」

叫ぶ声が聞こえるが、足が動かない。
みんな、俺のせいでこんな目に遭った。
殺される?
逃げろ、逃げないと!!

「死んでよ。」

言葉を放つと共に血が溢れ付いた棒を前に刺す。
肉にナイフが突き刺さるような音がした。
同時に、血が辺りを埋め尽くす。
0188 ◆AdCUWDFkTo
垢版 |
2011/11/04(金) 18:40:45.52ID:ZSVls7Jh
「バカ…野郎。逃げろつったのによぉ…。」

ダッシュボードと呼ばれた男の胸部に棒が貫通している。
俺の腹にも、内蔵の一部に達する程に刺さっていた。
そして、俺は気を失う。

____________ここはどこだ?_________________

真っ白な世界。

何もない。

刺された傷はない。

誰もいない。

ここは天国なのか?

“死にたくないか?”

どこからか聞こえた声。

「死にたくない。」

“友達や、守ってくれた奴はどうでもいいのか?”

琢磨…ミラルナ…おっさん…

「守りてぇよ!!!」

“お前に力を与えよう”



「ハアハア…まだ終わっていねぇぞ。」

ダッシュボードの刀を持つと、構える。
腹部からの血は収まっていたが、痛みはまだあった。
伊達眼鏡を床に捨て、足で踏みつけて壊す。

「まだ死なない?君は面白いよ。」
0189 ◆AdCUWDFkTo
垢版 |
2011/11/04(金) 18:44:15.17ID:ZSVls7Jh
その日、消えた。 二話「その日、はじまり。」
投下終了です。
0190 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 21:12:47.66ID:ZSVls7Jh
どこからか湧いてくる自信は刀に力を与えた。
剣道の経験はないが、見たことぐらいある。
椎名は不気味な笑みを浮かべ、血塗れの棒を構える。

「君みたいな地味な学生に何ができるんだよ?」
「てめぇみたいな厄介な不良を黙らせることだ。」

とにかく、動くが勝ち。
相手のが強いし、早いし、厄介でなおかつ、まだ何かを隠し持っている。
そうじゃないと、死にかけた男が蘇ったのに油断など出来るわけがない。
椎名了。いや、パケラス・デュフレーン。

思考を斬り裂くように、椎名を刀で斬ろうとする。
だが、やはり動きも思考も、早くて回避された。
椎名の棒を避けると、椎名の腹を蹴りあげる。
椎名は苦しそうな顔をしながら、後ろへ仰け反った。
刀を振るが、高い鉄のぶつかりあう音が鳴り響く。
やはり、椎名のが上。一瞬の隙を見て、腕を叩きつける。
刀を落とし、更に怯んでしまい肩を棒を突き刺された。
悲鳴を上げる隙もなく、拳で顔面を殴打される。
隙を付き、椎名の頭向かって拾い上げた刀を突き立てた。

「油断してはダメだよ。」

片手が宙を舞う。
腕の感覚が消えて気持ちが悪かった。
遅れて、腕が無くなったことによる激痛が走る。
0191 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 21:52:39.67ID:ZSVls7Jh
「うあああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああ!!!
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

両腕の肘から、ごっそりと斬り落ちている。
真っ赤な、水たまりの中に肌色の肉の塊が転がっていた。
痛い。死にそうなくらい、痛くて、ただ痛い。
両腕から、血が吹き出し、気分が悪くなり嘔吐物を吐き出しそうになった。

「叫べよ。叫べ。面白いよ。無様だよ。」

怖い。
痛い。
気持ち悪い。
そして、死にそうだ。
いや、もう死んでいるのかも知れない。

「君を殺したら、お友達を殺して、女を痛めつけるよ。」

笑い声。
許せない。
だが、何もできない。
強く…強くなりたい。

「うおおおおお…おっお”お”ぉっ!!!」

刀を口に加え、ただ走りだしていた。
やばい、殺される。
やめろ止まれ…止まれ…
自分でも、コントロール出来ない。
今度こそ、確実に死ぬ。
0192 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 22:08:36.15ID:ZSVls7Jh
椎名は棒を大きく振りかぶった。
一度始まった暴走はもう、止まりやしない。
棒を真二つに斬り裂くと、椎名の肩を斬る。
体中が、破裂しそうなくらい熱く、痛い。


_________________“死ぬのは怖いか?”__________________


「なんでここに呼ぶ?」

“それはまだ言えない”

「なんだよそれ。」

“死ぬのは怖いかと聞いている”

「死んだら、守ってくれた奴を守れねぇんだよ。」

“お前も、成長したな”

「この答えが聞きたいんだろ。」

“なめているのか”

「どうだろうな。」

“お前は戦え”
0193 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/04(金) 22:48:46.35ID:ZSVls7Jh
目をあける。
腕の痛みがあるが、腹部と同じく血は止まっている。
体中傷だらけ。切り傷や痣で肌の色が変色していた。

「君の体は不思議だよ。」
「ったく、ホモみたいなこと言うなよ。」

おっさんがしたように無意識の内に、腕を刺す。
そして、正気に戻れたような気がした。
痛みの中に首を狩るべく、日本刀を強く握る。
椎名は真二つに割れた、棒を握って爪を噛む。

「幻術を使うよ。」

幻術?
何だそれ?
気の棒が破裂し、針のような物体が飛散する。
太股に刺さるが、痛みは感じられず、椎名に飛びつく。

「麻酔針が効かない!?」
「あの世で、悔いろ!!!」

刀を振りおろす。
巨大な斬撃と共に、廃墟の左半分がごっそりと吹き飛ぶ。


________________勝ったのか?________________

「勝ったのか?」

“勝ったのさ”

「殺したのか?」

“死んではいない。奴は片手を失った”

「そうか…ならいいんだ…」
0194 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/05(土) 09:23:18.76ID:N+vomSg8
「動くな、お前を捕縛する。」

茶髪で中国系の青年が、剣を片手に睨みを効かせている。
恐らく、椎名の仲間ではなさそうなのは間違いない。

「落ち着け。椎…パケラスは逃走した。」
「幻術人民法五百弐拾七条第三項に違反したな。」

幻術人民法?
コイツ何者だ?
仲間が倒れているのに助けねぇのか?

「総司令からの伝達だ。お前を、捕縛しろとの命令だ。」
「ぁ…れ…なんか…ちか…らが…」

運悪く、椎名が放った麻酔針が効いてきた。
訳のわからない奴に捕まってしまう。
でも力が入らない。
そして、とても眠い。



「リン、どうやった?」
「抵抗はされませんでしたよ。訳のわからん奴です。」

刈り上げた頭のヒスパニックの男性。
ギブス・ルスチェフ。王下人民軍特殊任務部隊隊長。 

「んにしても、ここまでやるとはな。抵抗されたら死んどった。」

廃墟の半分を吹き飛ばし、林の一部に達している。
ここまでできるのは、Gクラスの幻術士。
かなり、強い幻術士と考えられる。

「隊長、帰還命令です。」
「隊長って堅苦しいやん、アルシャちゃん。」
「兄様。ちゃんづけしないで下さい。」
0195 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/05(土) 11:02:43.04ID:N+vomSg8
その日、消えた。 三話 「現れる勝機」
投下終了です。
0196 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/05(土) 17:57:47.43ID:N+vomSg8
目が開いた。
体が重くて、頭が砕け散りそうなくらい痛い。
涼腕に冷たい感触。
鉄…手錠?

「なんだこりゃああああ!!!」

しかも、手錠だけでなく、牢屋にも投獄されていた。
なんとか法に違反したかららしいが、ここまでされるとは思わなかった…
幸い、体の傷や痣などは治療されている。
切り刻まれたのに、やけに回復が早くて驚く。

「起きたみたいだね。」

褐色の肌に対称のように銀色の頭の女。年は同じくらい。
ミラルナとは違い、背中に弓、腰に矢を携帯している。

「アタシの部下が、どうして殺されたのかな?」
「死んだのか?」
「“ダッシュボード”は死んだよ。」

俺を助けて死んだ。
俺を守って死んだ。
俺のせいで死んだ。

悔しかった。そして、なにより、罪悪感がある。
悔しいんだ。弱くて、守れなくて。

「いいよ。話さなくて。悲しいなら。」
「…たい……強く……もっと…強くなりたい……」

弱くて、何も出来ないなら、強くなるんだ。

「変わってるよ。」
「よく言われる。」
0197 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/05(土) 18:42:08.09ID:N+vomSg8
「紹介遅れたね。アタシはジェフィー・アントン。よろしくね。」
「覇鋤那涼矢。とりあえず、ここから出してくれ。」

幻術人民法って、まず何?
日本人だから、日本国憲法が適用されるはず。
知りもしない法律を守れるわけがない。
それに、俺には守る義務があるわけがない。

「出れないだろうね。」

アントンはニッコリと笑いながら答えた。
っていうか、何で俺がコイツに笑われるんだよ?

「何もしてねぇぞ。」
「まず、事情を聞かれる。あんな事しちゃったらね。」

「その次は、憲兵隊に引き渡されて、拷問だね。」

「そこで吐いたら、軍法会議行きになる。」

「死刑なら、軍関係だから確実に処刑されるね。」

「極刑ならヘル・プリズンに投獄。ゲイ集団のレイプ地獄に遭う。」

強烈な事を言い放ったが、コイツはニコニコしている。
残忍なのか、意味を知らないのか。
もしかしたら、言っていることは嘘なのかも知れない。
つまり、強くなる以前に殺されてしまう。

「バイバイ、覇鋤那くん。」

“君”づけで呼ばれることは初めてだった。
そして、怖い。

「何だよ、アイツ。まったく、何だよ……。」
0198 忍法帖【Lv=40,xxxPT】  その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/05(土) 23:23:25.51ID:N+vomSg8
目の前には、戦っていた時と同じ真っ白な世界。
だが、今度は中央に刀が置いてある。

「俺は間違っていたのか?」

無意識のうちに呟く。
自分の中でも、戸惑いを生じていた。

“お前はどう思うんだ”

「間違っていねぇ。少なくとも、友達は助けれた。」

“なら間違っていない”

「だけど…おっさんは死んだ。俺のせいで。」

“強くなりたいか”

「強くなりてぇよ…弱いのは悔しいんだ…。」

“ならば、時を待て”

「時を待つ?」

“それまでお別れだ”

「ちょ、ちょっと待てよ……まだ……。」

元のコンクリートだけの殺風景な牢屋。
声も聞こえてこなくて、刀も置いていない。
あの声が言う、時とはいつなのか?
0199その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 18:33:50.26ID:9sIxy94F


ズン、という鈍い音と共に建物全体が、激しく揺れる。
遅れて、緊急事態を知らす鐘が基地の中に鳴り響く。
そして、針のような物体が辺り降り注ぎ、屋根が次々と吹き飛ぶ。

「攻撃を受けた!!!全員、防衛体制に入れ!!!」

塔からは、狙撃手が次々と狙撃銃を構える。
剣や刀を抜くが、敵を確認できず、右往左往するしか出来ない。
見えない敵の攻撃は止まったかのように見えた。
‥‥が、しかし、一発の銃声が鳴り響く。

「バカ野郎ォ!!!てめぇらの目は節穴か!?」

狙撃部門チーフ、アン・キュリ。遅れて、観測士のヤン・ガホも気づく。
襲撃者と思われる人は悠々と屋根の上を歩く。
次々と狙撃手達が発砲するが、命中せず屋根が弾ける。

「止まれ!!!止まらないと、敵と見なすぞ!!!」
「いちいち、うるさいよ。」

叫んだ声が彼らの最期。血で出来た真っ赤な霧が埋め尽くす。
包囲した兵士達が、バラバラの肉片になって消える。
狙撃手達は警戒して、次々と発砲するが、着弾しない。

「まったく、君たちは命くらいは大切にしなよ。」

挑発された狙撃手達は次々と引き金を引く。
それを知っていたかのように放たれた銃弾を弾き返す。
0200 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 19:06:12.07ID:9sIxy94F
数百メートル先にいた狙撃兵の脳天が弾け飛ぶ。
至るところに、針のようなものを、飛ばしている。
塔の上にいた狙撃手と観測士達は次々と倒れていく。

「クソがぁクソがぁクソがぁぁぁぁ!!!」
「落ち着け。第二部隊に連絡を入れろ。」

ヤン観測士は息絶えた通信士の通信機をもぎ取ると吠えるように叫ぶ。

「第二部隊、第三部隊、進入者に発砲するな。」
「しかし、ヤン副チーフ‥‥」
「処刑部隊に連絡をつけろ。奴らならどうにかできる。」



「‥‥支援要請か‥‥」

金髪頭を上に立たせた髪型に頬に彫られた赤い四本の線。
キセルを噛み、目付きは悪く、剃りあげた眉。
背中から胸にかけて出来た痛々しい火傷痕。
処刑・粛正部隊隊長“仲間殺し”のヴァンケル・メクセレス。

「ウヒヒヒ。最高だぜぇぇ〜ウヒヒヒヒ。」
「チッ、くだらねえな。」
「そのとおりですわ。まったく、面白くないですのよ。」
0201 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 19:39:03.37ID:9sIxy94F


久しぶりに見た外の光はまぶしい‥‥って夜かよ!!
牢から出され、手錠を外されて、刀も渡された。
あとは家に帰る。
飯も不味いし、何もねぇし、最悪なところだった。

「まさか帰ったりしないだろうな。」

久しぶりに聞いた懐かしく感じる声。

「ミラルナ。生きていたのか!!!」
「んのクソガキ!!何で牢から解放されたか知らないのか!?」
「知るわけねぇだろ!!」
「アンタにしか出来ないことだからだ。」

言っているが意味がわかんねぇよ。
あの黒人の女は、何も言わず解放したんだぞ。

「やっと見つけたよ。」

声すら聞きたくない奴。
椎名了‥‥またの名をパケラス・デュフレーン。
右腕を失った復讐をしに来たのだろう。

「最悪だ、コイツと戦えってことかよ。」

今回は棒では無く、野球用の木製バットを持っている。
付着した血を見る限り、野球に使用したとは考えられない。
確実に、一人以上は殺害している。

「僕から行くよ。」

バットが破裂して、針が次々と飛散した。
刀で弾き返すが、手の甲に刺さり激痛が走る。
それはフェイク。
構っている隙に回り込まれて、腹部に木製バットを打ち込まれる。
肋は数本、折れただろう。
0202 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 20:02:24.15ID:9sIxy94F
口から唾液と胃液の混ざった血を吐く。
腹を押さえて悶絶する俺の頭にバットを振り下ろす。
ギリギリで回避すると、地面が陥没する。

「何しやがった!?」
「体を動きにくくする針だよ。君には、残念だよ。」

声は聞こえたが、目の前からは消えた。
とてつもなく、早い。
探してもどこにも、いない。

「遅いよ。残念だよ。」

後ろにいる。
バットを大きく振りかぶっている。
避けきれない。
ダメだ。殺される!!!

「‥‥そこまでだ‥‥。」

太刀を持った、金髪男。
辺りには黒装束の男女三人が刀を抜いている。

「ヒャハハハハハハ!!!ソイツは俺の獲物だぁぁ!!」

ボサボサ頭の少年は鋸のような刃を持つ刀を振り下ろす。
バットが粉々に砕け散る。

「ウヒヒヒヒ!!!ヒャーハハハハハハ!!!これで術は使えねぇよなぁぁ!!!」
「クソガキの分際で気持ち悪いよ。」
「俺様には褒め言葉にしか聞こえねぇよぉぉ!!!」
「僕はやっぱり、間が悪いよ。クソったれだよ。」

椎名は逃げた。
逃げ足も同様に早い。

「ウヒヒヒヒ。バカだぜぇぇ!!!ヒャーハハハハハハハ!!!」
0203 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 20:23:59.18ID:9sIxy94F
狂った少年の後ろには、紫色の女性と赤毛の男。
隊長らしき男は、無表情でこちらに歩いてきている。
警戒して、刀を構えた。

「‥‥刀は‥脅しの道具じゃない‥‥。」

無表情で男は刃を素手で握ると、なおも近づく。
手から出た血で刃は血だらけが、眉一つ動かさない。

「‥‥殺すつもりで‥向けろ‥‥。」

刀は地面に落ちた。
男はどこからか殺気を放っている。

「あらイヤだ。もうこんな時間?」
「ヒャハハハハハ!!!」
「なんだよ、これでおしまいか?」

四人はどこかへと消えた。
狂気じみた声も、殺気も感じられない。
確かに、強かった。
だが、あの少年は勝った。

‥‥強くなりたい‥‥

「強くなりたいか?」
「強くなりてぇ!!」
0204 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/06(日) 20:26:48.42ID:9sIxy94F
その日、消えた。 第四話「その時、負ける。」
投下終了です。
0205 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/07(月) 18:12:58.79ID:1NysFxYf
・補足説明
王下人民軍について

拠点防衛軍  約700人程度の勢力
××隊  約100人の勢力(懲罰大隊は含まない)
××部門 50〜70人の勢力
××部隊 30人以下の勢力
0206その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/07(月) 20:18:58.79ID:1NysFxYf
また、牢に投獄された。
しかも、今度は見物客付き。

「へぇ‥‥こんな少年がかい‥‥。」

目の前にいるのは、紳士風の格好の初老の日本人。
同じ日本人である為か、不思議と温度差を感じない。
そして、他の奴と違って“殺し”や“狂気”と言うものが感じられない。
横にいるのは、南米系の男。ヘラヘラとしている。

「一応、初めてやな。儂は、ギブス・ルスチェフや。」
「私は士波剛健。出来れば、同じ日本人同士仲良くやりたい。」
「そっちの反応次第でな。」
「一つ目の質問や。何で、幻術が使えたんや?」
「知らねぇよ。変な声聞こえて、おっさんの真似しただけだ。」
「二つ目の質問。何故、“ダッシュボート”が死んだんだい?」

「‥‥すまねぇ‥‥俺のせいだ‥‥。」

「お前が殺ったんか?」

俺は黙りこむ。
否定はしない。
俺が、巻き込んで殺された。
あの時、助けにいかなかったら死ななかっただろう。
あの時逃げれば‥‥
俺は、誰も助けられない。



「どうやら、彼は嘘はついていないみたいだ。」
「何でやと思います?」
「強いて言うならば、長年の勘かな。」
0207 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/07(月) 20:53:39.93ID:1NysFxYf


「貴様を釈放する。」

無愛想な看守が、初めて俺に口を開く。
刀は渡されていない為、戦わせるつもりはないのだろう。
今度は、条件付きでは無さそうだが、警戒はする。

「よかったね。クソみたいな場所から、出れて。」

弓矢を持った、あの黒人で銀髪の女。
何故か知らないが、相変わらず、ニコニコしている。
どこか、可愛らしさがあるが、腹黒さもあった。

「総司令からの伝達。陛下に会うからそこへ行ってね。」

やっぱり、裏があったか‥‥最初から期待してねぇが‥‥
つぅか、陛下って誰だよ?あの、士波って奴か?
あぁ分からねぇ事ばかりで、頭が痛くなる。

「ってかお前は、何時までいるんだよ!?」
「案内係だからね。」
「じゃぁ‥‥早く案内しろ!!」

歩いていると様々なことに気づいた。
床は煉瓦づくりで、白い両開きのドアや長い廊下。
基地と呼ばれる場所の造りは、中世の城と似ていた。
そして、何より様々な人種の人たちがいる。
差別のない世の中で、よかったと思う。

「ところで、リョウヤは彼女とかいるの?」
「呼び捨てなら、名前くらい間違えるなよ。」
「いるの?いないの?」
「いなくて悪ぃかよ!!!」
0208 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/07(月) 21:25:14.32ID:1NysFxYf
ったく、人をからかって面白いのかよ。
生まれてこの方付き合ったことすらねぇ‥‥
けど、人間は最悪の場合一人でも生きていける。
大丈夫だ、今のとこもてなくても大丈夫。

「拗ねないでね。笑いが止まらなくなるから。」

このクソアマ!!
言い返さないからって、調子に乗りやがって!!!

頭や体の内側が、とてつもなくカッと熱くなる。
頭の中には、攻撃命令が流れ今からでも殴りそうだ。

「顔が赤いね。もしかして恥ずかしいとか。」

プチン、と頭の中で何かが切れる音がした。
切れました。コイツには、もう我慢の限界です。
許しません。許せません。
ニコニコした顔が、更に怒りに拍車をかける。

「着いたようだね。陛下には無礼がないようにね。」

チッ、殴る機会は逃したか。
次会ったら、問答無用でぶっ殺す。
それより、陛下というだけにかなり偉い奴な筈だ。
無礼をしたら、首をはねられるかも知れない。
心臓はバクバクで緊張しながらもドアを開ける。
中央にいる、白髪の老人が陛下と呼ばれる人だろう。

「ははははははは初めまして陛下!!!」
「陛下はアチラのお方ですよ。」
0209 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/08(火) 12:04:28.19ID:+GAUV4+6
指を指した方向には、豪華なカーテン付きベッド。
陛下と呼ばれる権力者は、お昼寝中だと、老人は笑った。
敵が攻めてくるかも知れないのに、寝ているとはダメな王様と言うことなのか?
ゆっくりと視線を向けると、ベッドには、まだ小学生くらいの幼女が横たわっている。
陛下?コイツが陛下なら俺は何になる?小学生以下か?

「覇鋤那か?」

どっかのチビとは違い名前はきちんと言ってくれた。
日本人形みたいに長い髪の毛のアラブ人。まだ幼さが顔にある。

「陛下?」
「うむ。」
「陛下ってあの偉いさんの?」
「くどい。」
「んで、用件は何ですか?」
「新兵を鍛えるブートキャンプに参加して欲しい。」

これが、俺が今地獄を味わっている理由。

早々、一日35kgの装備を担ぎ、グランドを千周した。
夜の抜き打ち検査で、変な物が見つかると一晩中、腕立て伏せをする。
何故かいつも俺の所からは、持ってきてもいない物が見つかるワケだ。
飯はパン一きれ。米が食いたいが言ったら、また腕立て伏せ。
訓練の中でも楽しかったのは、格闘。俺より年上の奴が次々と負ける。
嫌いなのは、銃の組立。何故ならば、俺のだけ何時も部品が足りない。
0210 ◆AdCUWDFkTo
垢版 |
2011/11/08(火) 12:24:16.42ID:+GAUV4+6
訓練の中でも、死にそうなのは剣術。
本物の刀を使うため、不慮の事故扱いで何人かは命を落とした。

そして、訓練最終日。
俺は、何とか生き残った。

「リョウヤ。お前だけ追加訓練だ。」

ったく間違えるなよな。
おまえ何日間、同じだったんだよクソ教官。
‥‥って追加訓練!?



「そう怒るな。リョウヤ。」

つまり、過激ないじめの黒幕はミラルナってワケか。
そして、無駄に訓練させやがってよぉ‥‥

「私のこの頭にある、髪飾りを斬れ。」

ポニーテールに結ぶ為の赤い髪飾りを指さす。
失敗すれば、頭ごとごっそり斬ってしまう。
ミラルナは刀を構えた。

「私が先に殺すがいいのか?」

ガキ相手に簡単に斬れるワケがねぇだろうが。
俺だってそのくらいの善良な心はある。
ミラルナは、林檎を刀で刺しその林檎をかじった。

「刀は抜いておけ。さもなくは、死ぬぞ。」

刀が変形すると、虎のような生き物が現れる。
ミラルナは、虎の上に乗ると虎はこちらに向かってきた。
刀を構えて、刀を振りおろす。
だが、虎はビクともせずに、爪で肩を引っかく。
血が飛び散り、痛みを強烈。
ミラルナは虎から飛び降りると次々と刀を振り回す。
0211 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/09(水) 22:49:14.07ID:WxSXkDng
ミラルナは小柄なため、打点が低くて防ぎにくかった。
動きは素早くて、刀で防ぐことがやっとだ。

「アンタはそれ位の雑魚だったのか?」

一筋の刃

それは、早くて一瞬であっという間の一撃だった。
体の内部がカッと熱くなり、気持ち悪さがこみ上げる。
刺されたところは、腹部で内蔵までは達していない。
出欠が酷い。
倒れると同時に、目には煤けた空が移る。


目の前に広がるのは、真っ白な部屋。
いや、この世界自体が真っ白なのかも知れない。
再び来てしまった。
だが、いつものように声が聞こえることはない。
静まり返り、何もなくなり、真っ白な世界。
見捨てられた俺には、どうすることもできない。
これが声が言う、“時”なのかも知れない。
目を閉じて、深く息を吸う。
そして、再び目をあける。

目を開けた、そこには色のある世界がある。
何もしていないのにあきらめた自分が馬鹿馬鹿しい。

「本気でやりやがったなクソチビが。」

刀を構えて、笑う。
どこからでも、戦う勇気が湧いてくる。

真っ直ぐに走る。
覚悟は決めた。だから、殺しても死んでも悔いはない。
0212 忍法帖【Lv=28,xxxPT】
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2011/11/10(木) 02:14:51.13ID:OdUMvCfk
無限の永遠の闇の世界に堕ちろインフィニティエターナルエンドレスダークネスワールドブラックホールブラスト。
0214 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/10(木) 16:48:05.82ID:RXmckwVG


ある男がホテルのベランダで煙草を吸っている。
男には左太股から下と右手首が根本からごっそりと無い。
ライターを持つ手が不思議と揺れるのは、あの事件の後遺症の一部といえる。

「だ、誰だよ?」

男は、気配を感じたのか叫びながら、左手で机の上の拳銃を構える。
背後には誰もいなく、ただ無闇に心泊数は上がっていく。
酒が入っているためか、意識が徐々に薄れる。
男も危機を感じた。
残忍な物取りが目撃者を射殺した事件のニュースを思い出す。

「何が目的なんだ!?俺は金のないただの退役軍人だ!!」

牽制するつもりで叫ぶが、意味もなかった。
男が続いて感じたのは喉に貫通する鉄の感触。
そして、カーペットには大量の血液に埋め尽くされる。
襲撃した者は見えない。だが、拳銃を拾い上げ構えた。
何もいなく、誰もいない。
口から、多量の血液を吹き出すと、男の意識はさらに薄れていく。
そんな男が見た物はあまりにもあり得ない物だった。

「ぐぅっ‥‥。」

そう呟いた言葉が彼の最期の言葉。
同時に、眉間を両断するように刀を突き立てられる。
0215 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/10(木) 18:44:19.58ID:RXmckwVG


憲兵隊が何時にもなく、騒がしく右往左往している。
閑静な住宅街、豪華なホテル、下町の貧民街、ライ麦畑
ヘヴンフォール内の七箇所で十人が無惨に死んだ。
幻術士の学校、幻術育成院もその現場の一つになった。
被害者は、チョ・ヘグ。元人民軍兵士で教員。
抵抗しようと、剣を構えたがザックリと額を斬られ殺された。

「こりゃ面白いわ。暫定幻術反応が無んやね。」

憲兵隊一のおしゃべりの異名を持つ五乃シュン。
若手の科学技官で頭がよく切れる。
彼がそう言うと、近くにいた憲兵も口を開ける。

「“ダッシュボード”の時と同じってことか。」
「ホンマそっくりさんやな。」



眼帯をつけた細身の女性が、ヴァンケルとすれ違う。
眼帯をつけた女性はすれ違い様に呟く。
「お前も気をつけろよ。あの時の生き残りが消されている。」
「‥‥あぁ‥真っ先に死ぬのは俺のはずだからな‥‥。」

ヴァンケルは、パイプから煙を吐くと、空を見上げる。
0216 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/11(金) 15:05:49.87ID:vuetD/Le


刀で何発かは受けられたが、少しのダメージは与えた。
だが、幼稚園児相手に完璧に押し負けている。

あの時のようには出来ないのか?
そういえばあの時は何をしていた?

刃で腕を切る。
痛い。だが勝ちたい。
刀が放った一撃は地を真っ二つに斬り裂く。
一瞬、目の前が霞むがようやく、状況が確認できた。
ミラルナの頬からは血が出ているが笑みを浮かべている。

まだ何か隠している物があるということなのか?
警戒する。
あの虎はまだ動かない。
となると、何が起きる?

突然、目の前から、ミラルナが消える。
目だけで探すが、確認できない。
背後に回られた!?
虎のような生物が飛びつくと、刃で足を刺す。
虎の爪が、左から右から次から次に引っかく。

「痛てぇじゃねぇか猫野郎ォ!!!」

出血する腕を握りしめる。
傷口からは水のように血が流れ出ていく。
痛い。腕が張り裂けるような激痛。
『刀を振れ』と誰に後押しされるように気持ちが高ぶる。

「うおおおおおおおおおお!!!!!」

持っている刀はズシリと重くて手を放しそうになる。
力を最大に出して、持ち上げると体重を前にかけた。

0217 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/11(金) 18:24:32.57ID:vuetD/Le
辺りにあった岩や木々が崩れ落ち、砂煙が舞う。
斬った感覚や手ごたえは無いが、自信はある。
ゴトリ、という低い音が煙の中で聞こえた。

「無茶苦茶だ。」

背後から聞こえた、ミラルナの声。
刀で切り刻んだり、虎が襲ってくること無かった。
油断したら、また連打を食らう。力強く、刀を構える。
腕から、ポトリと少量の血が流れ落ちた。

「欺いたつもりかよ。」

足音が右側から聞こえた。
前にも、背後にもいない。
俺は、戦うため構える。
そして、小さな剣士は走る。

砂煙を斬り裂く二人の刃が、互いにぶつかり合う。
そして、飛び散る鉄の破片。
片方の刀は無惨にも原型を止めなかったことを示している。
そして、両者の刀は、玩具のように崩れさっていた。
鞘だけになった刀をただ見るつめるしか出来ない。

ドローだ。

だが、負けたと同じ。
悔しくもなく、爽快感もない。
ミラルナには、まだ虎のような化け物がある。
もう抵抗は出来ない。すなわち負けだ。

「試験はクリアだ。」

ミラルナの放った言葉は、嫌みとしか思えない。
もっと違う言葉がないのかと心の中で笑う。
結局、俺は弱い。
弱いんだ。
悔しい。
負けたことも、弱いことも。
0218 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/11(金) 18:49:11.76ID:vuetD/Le
虎は襲いかかってこない。
しばらくすると、虎は灰になって消えた。
ミラルナが何を考えているかは正直分からない。

「警戒することはない。」
「普通は警戒するっつーの。」
「そうか‥‥ならば、おい。出てこい。」

ミラルナが叫ぶと、アラブ系の少女が現れる。
片手には、何故か巨大なスタンガンを所持していた。

「てめぇ!?」
「無様だな。まったく、馬鹿な奴だ。」

言い返そうとしたが、体中に激痛が走る。
手足が痙攣して、力なく倒れた。
倒れたのにも関わらず、電流を浴びせられている。
口から泡を吹く。
程なくして、意識が無くなり気絶する。



アラブ系の少女、リリィはまだスタンガンを浴びせる。

「少しやり過ぎではないか?」
「変態男には、この位した方がいいんですよ。」
0219その日、消えた。 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/12(土) 18:31:08.30ID:98UjXdBy


ヘヴンフォールの市街地から南東52km。
敗者の島・・・指定スラム街03「暁」
七区の元工場跡地には様々な事情を持つの人々が暮らす。
辺りは夜。
闇夜を照らす月は、真っ黄色の閃光を放っている。
閃光に照らし出されたのは、金髪のやせ細った少年。
屍の如く、コートを羽織り黙り込んでうずくまっている。

「起きているか?」

黒髪で細身の青年が、少年に語りかける。
少年は、ゆっくりと痣と傷だらけの顔を上げた。
べっとりとした少量の血液を口から吐く。

「‥‥起きてるよ。」
「ったく、まだ生きてたのか。パケラス。」

パケラスは、傷だらけの体を引きずって逃げる。
青年はその行動を馬鹿にするように笑った。
そして、青年は笑いながらゆっくりと歩み寄る。


「‥‥人民軍か?」
「残念、大はずれ。雑魚集団と同じにしては困る。」
「なぜ、僕は君に殺される?」
「何故だと。それは、自分の胸に手を当てて考えな。」

青年は持っていたナイフで、パケラスの膝を刺す。
パケラスは悲鳴を上げず、膝を押さえ込む。

「‥‥まさか、君は

ナイフを左手に持ちかえると、胸部に刺す。

「まったく、お前も馬鹿な奴だ。」
0220 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/13(日) 08:22:33.92ID:rOGIV2eX


軍基地内の医務室で俺は目をようやく覚ました。
腰の辺りがビリビリと痺れて頭が痛い。

「ミラルナの野郎!!!」

あいつは馬鹿か?
警護対象とか言っておいて、本気で殺しにきたぞ。

「リョウヤ、目が覚めたんだね。」
「てめぇ!!!!」

ジェフィーとか言う色黒腹黒女。このクソアマァ!!!!
絶対に忘れない。殴れと言う信号が脳から伝わった。
殴る。殴る。殴る。蹴る。
そして全て受け止められる。

「まーまー落ち着いてね。」
「ってか何でいるんだよ!?」
「君に観光案内しろって士波さんから言われてね。」

観光案内って言ってもここは日本だろ。
別に案内されなくてもだいたい知ってるけどな。
士波さんはなにを考えているかわからねぇ。

「そういや、ここ何処だ?」
「ヘヴンフォールだね。」

ヘヴンフォール?
日本にそんな変な地名があったけな?
とすると外国。けど言語は日本語だしな。

「何処の国だ?」
「国?ここ自体が国だね。」
「‥‥‥‥はぁ?」
「“君たちの世界”とは別次元の世界。パラレルワールドだね。」
「パラレルワールド!?」
「パラレルワールド。」

どうりで変な奴に襲われたりするわけだ。
0221 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/13(日) 13:05:08.27ID:rOGIV2eX
パラレルワールドなら俺は無事に帰れるのか?
まぁいいや。腹も減ったし、観光も悪くねぇな。
と言うより、この世界には何があるんだ?
変な術も使えるし、いろんな外人がいるしなぁ。

「はい〜♪ここが聖☆ドロッフィ寺院だね。」
「☆ってやけにハイカラな教会だな。」

寺院の聖堂の中には、鳥居や十字架などがある。
どうやら、様々な宗教が同じ寺院で活動しているらしい。
大昔に起きた宗教戦争がバカバカしく思えた。

「この世界は平和だ。」
「平和なら、アタシ達はいらないけどね。」

聖堂の窓からは、戦争で死亡した兵士の墓地があった。
案内役曰く、流血沙汰はまだ、年中起きるらしい。
聖堂を出ると、人が行き交うメインストリートに出た。

「食べ物買ってくるから、そこのベンチに座っててね。」
「へいへい。」

そういや、この二日間は何も食ってないよな。
ミラルナの野郎が飯も食わせなかったからなぁ!!!
つぅか、飯ってどんなものだ?
そういや、留置所も訓練所も食パンしかでなかった。
ってなると、まさか買って来る飯って‥‥食パンか。
あっ学校。学校ってどうなっているんだろう?
軽く一週間は休んだ。やべぇな、こりゃ。
0222 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/13(日) 15:02:26.28ID:rOGIV2eX
それは突然起きてしまった。
爆音と破裂音と共に、寺院の屋根が爆発する。
スローモーションに見えた。
剥がれ落ちていく屋根 爆発し飛び散った煉瓦
火だるまになった人々 崩れ落ちる窓ガラス
倒れていくキリスト像 瓦礫に消された十字架
救出に向かう青年たち 道ばたに倒れた老人

「ご機嫌よう。初めまして覇鋤那涼矢さん。」

スピードの戻った世界には、一人の女性がいた。
ゴスロリのファッションに身を包んだ女だ。
後ろには逃げる人々。あまりにもアンバランスな光景。

「わたくしの名前は秋世杏茄。よろしく頼みます。」
「てめぇは何者なんだ!?」
「強いて言うなら、美を求めるものです。」
「美だと?この光景がか!?」
「この爆音、悲鳴、死体。これこそ芸術!!!!」
「ふざけるな!!!」
「おや、分からないようですね。それは残念です‥‥。」

コイツがこの惨事を招いた張本人か?
だとしたら、絶対ぇに許せねぇ。

「わたくし達のお仲間になりませんか?」
「黙れ。もう喋らねぇでいい。」

秋世を睨めつけながらベンチから立ち上がる。
もう歯止めが効かなかった。
落ちていた鉄パイプを引き吊りながら睨む。
0223 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/13(日) 15:57:02.07ID:rOGIV2eX
「わたくしも戦わないとだめですね。」

忍刀を二本、ゴスロリの服装の懐から抜く。
二刀流に構えると、右手の刀で瓦礫を斬った。
その瓦礫を持ち上げて、こちらへと投げる。
耳が契れるような音がして、そこで怯む。
秋世の動きと判断は、すごく早かった。
鉄パイプに右側の刀の刃がぶつかる感覚が微かに伝わる。

「残念です。どうやら、わたくし勝ちです。」

秋世が笑みを見せた瞬間、熱風と爆風が体中を包み込む。
破裂した、鉄の破片が胸部や腹部に突き刺さる。
体中の感覚は無くなり、瞬きすら出来ない。

「悲鳴すら上げないのですか。つまらない。」

秋世の顔からは笑みが消えて、無表情になる。
どうやら、俺が負けのようだ。もう、戦えない。
体が言うことを聞いてくれない。だが、戦いたい。

「動かないでね。秋世杏茄、残念だけど殺すからね。」
「お久しぶりです。ジェフィー・アントンさん。」

ニコニコしながらジェフィーは弓を構えている。
周りには、機関銃や自動小銃で重武装の兵士。
狙撃部門の狙撃手も屋根の上に構えている。

「多勢に無勢ですか‥‥。」

完全に包囲できた。
心は安心している。
0224 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/14(月) 22:45:49.60ID:Az/NNmfJ

「では、みなさんお先に失礼します。」

一人の兵士が秋世に向かって発砲する。
だが、彼女には傷一つ付くことはなかった。
なぜなら、秋世は砂煙とともに消えていたからだ。
俺の身体はようやく主導権を取り戻す。
俺は、地に手を付いて立ち上がる。
腹部からは、致死量ではないが出血していた。
遅れて、脳ミソには激痛が伝わってくる。

「起きあがらない方がいい。救護班を呼ぶからね。」
「ちょっと待て。てめぇ、アイツとはどんな関係だ?」
「肉体関係。」
「てめぇ‥‥まさか!!!」
「な〜んちゃってね。」

ジェフィーは笑顔を見せると、弓を背中に背負う。
背後では、何人かの負傷兵が担架で運ばれていく。

「はい、食べてね。」
「何だよ。これ?」
「ナンだね。カレーにつけて食べる。」
「カレーは?」
「無いようだね。」
「おい!!!」

手渡された、小麦色のナンに噛み付いた。
やっぱり、ただのナン。何でもないナン。
どう考えていても、味はパンにしかない。
腹から出血してるのに、ナン食うのはおかしくね?

「やべぇ死にそうだ。」
「そんなに美味しい?」
「違ぇよ!!!てめぇの目は節穴か!!!」
0225 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/15(火) 17:41:17.45ID:g53pp9jf
複数の兵士に持ち上げられると担架に叩き付けられた。
まるで、腹部からの出血を気にすらしていない。
持っていた少量のナンを口に一気に放り込む。
なぜだか、口がパサパサになり無性に喉が乾いた。

「ったく、早く家に帰りてぇよな‥‥。」

姉貴や達也、柚唯菜のことが心配になった。
それに、琢磨の生死が何よりも気になっている。

「何で俺は、アンタらに守られるんだ?」
「人民軍の損害になりうる幻術士だからね。」
「損害?金とかのか?」
「金じゃない。ま、詳しくは言えないのだけど。」

士波剛健は片足を引き吊り、杖を付きながら現れる。
相変わらず、紳士風の姿なので背景とはミスマッチだ。
俺は、寝ころんだ担架から上半身を起こす。

「なぜ詳しく言えないんだ?」
「幻術院の決定さ。言っちゃったら粛正の対象になるワケ。」

どうやら、俺はあの幼女陛下殿から守られているらしい。
自分は小さい頃から価値のない人間だと思っていた。
だが、利益になりうる人間と聞いて少し嬉しい。

「その前に、腹の傷を治してくれねぇかな?」
「死を待つのみって言ったらどうする。」
「死なねぇよ。このくらいじゃまだ死ねねぇ。」
0226 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/17(木) 22:11:50.73ID:4uOHusAE


地の海と化した廃工場の中心に青年はいた。
月夜に照らされ、血を浴びながら眠りについている。
隣には、ズタズタに引き裂かれたパケラスの死体がある。
天井や屋根は無く、悪臭は漂っていない。
そんな、空間に一つの足音が近づいてくる。

「おや、殺してしまったのですか。フリュウさん。」
「なんだよ、手柄無しか。使えねぇ奴だ。」

フリュウと呼ばれた青年は秋世の首元にナイフを向ける。
パケラスの血が、秋世の服の襟に付着した。
ナイフの刃先が首の皮の表面に浅い切り傷を作らせる。
少量の血液が、秋世の首から流れ落ちる。

「わたくしを殺さないのですね。面白い。」
「お前の格好のが笑えるさ。コスプレ女。」
「コスプレ?貴方は、やはり頭がお悪いようですね。」
「うるせぇ!!!」

ゴスロリ女、秋世は血の水たまりを踏みわける。
秋世は、死体となったパケラスを掴むと口に愛撫した。
自分の舌を冷たくなった舌を、絡めさせる。

「ったく、死体とディープキスなんて馬鹿みたいだな。」
「では、馬鹿はどちらのことでしょうか?」
「あぁん!?」
「冗談ですよ。」

さっきまで愛撫していた死体の刀で貫く。
死体は滅茶苦茶に破裂する。
0227 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/18(金) 17:00:33.18ID:vRMnKRLv
第六話「新たなる敵、そしてはじまる。」
投下終了です。
0228 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/22(火) 16:24:18.95ID:pENMYU6b


気になる事というのは、人にとって命取りである。
例えば、異性が気になるのなら、そのまま尽くさないとならない。
特定の物が気になるなら、それは出費が増える。
ギブス・ルスチェフにとってそれは妹のアルシャだった。

「アルシャちゃ〜ん。最近、冷たいんちゃう〜?」
「兄様。チャン付けで呼ばないでください。」

俺は、ギブス・ルスチェフは知っていた。
士波さんが信用する男だと言うことは知っていた。
ヘラヘラしていて、明るくていい人だと思う。

「お、ハスケナ君やないの。調子どうかいな?」
「兄様、ハスケナでは無く、覇鋤那です。」

ギブスには出来れば気づかれたくはなかった。
なぜならば、見てはいけない気がしたからだ。
士波さんが期待している男が、シスコンだとは思いたくない。

「妹さんですか?」

あーあ、こりゃ言っちゃいけないワードだわ。
普通はそいつに、触れちゃいけないよな。
殴られるかな、蹴られるかな、殺されたりして。

「そーそ、可愛い可愛いアルシャちゃん。」
「兄様‥‥。は、恥ずかしいですから止めてください。」
「そうや、覇鋤那クン。アルシャちゃんの相手してくれへん?」
「相手?何スカ、ソレ。」
0229 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/22(火) 16:57:20.21ID:pENMYU6b
「‥‥兄様、失礼ですよ。」

なんだ、失礼なことって。
格闘とか、またするのか。イヤだなぁ〜。
でも、そこまで恥ずかしがることは無いよな。
いや、デートか?
え、まさか‥‥そんなやらしい事するの?
おいおい!!!ソイツはヤバいって、自分の妹を!!!!
いろいろな意味で緊張し、心臓が高鳴っている。




   − − − − − − −




「え!?何これ?」
「アルシャちゃん。十分、楽しみや。」

活版印刷のインクの臭いが鼻へと伝わる。
広い部屋に頭五つ分の棚が、ズラズラと設置されている。
棚の中には、色の異なるファイルや分厚い本が並ぶ。
その部屋の名前は『刑事資料室・図書館』
部屋中に埃を被り、本は日焼けして小麦色になっている。
あまりにも、不潔。

「覇鋤那クン。って事で、妹を頼んだで。」
「ちょ、ちょっと初めて何だけど‥‥。」
「なんやそれ。覇鋤那クンはそないど偉い身分なんか?」
「う、うるさい!!!!」
「儂は、会議でなアカンかわ後はヨロシクな。」

おかっぱヘアーの美少女と二人っきりにさせられた。
俺は、初め方もやり方も仕方も知らない。
本当にどうすればいいのか、分からない。
0230 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/22(火) 17:32:12.25ID:pENMYU6b
「始めましょう。」

え、ちょっと。いきなりだし、急すぎるって。
初めてなんだから、もう少し心の準備が必要だって。
始めるのか?

「はいっっっ!!!!!!!」
「さすが、“黒髪の掃除人”やる気が違いますね。」

“黒髪の掃除人”?
ギブスに変なあだ名つけられているのかよ。
やる気。じゃなくて緊張しているんだけどな。

「では『第七死刑記録』を探してください。」

はい? え、どういう意味。
まず、死刑記録を探させて何になるワケ。
もしかしたら、思い違いなのかな‥‥。

「てっいうか、今から何するんだ?」
「掃除です。」

あーナルホドね。俺の思い違いらしい。
って何でだよ!?
掃除するだけなのに、恥ずかしがりだろ。
まさか、“掃除人”という意味を間違えている?
ま、いいや。『第七死刑記録』を探せばいいんだろ。

「あったぜ。」
「‥‥‥。」

無視ですか。あーあー、貴方は無視しますか。
俺は、無視されることが一番嫌いなんですよ。
さすがに、誰でもその行動には頭にきますよ。

「聞いてんのか?」
「あ、すみません。ありがとうございます。」
「ギブスさんとは血がつながっていねぇんだろ。」
0231 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/22(火) 17:55:43.87ID:pENMYU6b
「‥‥兄様には絶対に言わないで下さい‥‥。」
「隠しきれねぇよ。」



何年前になるのでしょうか?
まだ、私が幼かった頃のお話しです。
私は、その時五歳。兄様は十二歳。昔だけど忘れません。
私は両親から見捨てられて、友達もいなく孤独でした。
私は、犯罪に手を染めて何とか生きていました。
そんな時に、私はある家に盗みに入りました。
その家が、兄様とその妹が住んでいた家です。

「なにをしているの?」

本物のアルシャ・ルスチェフと初めてあった瞬間です。
私はその時焦って、持っていた物を投げ、頭を下げました。
謝れば少しくらいは許してくれると思いました。

「‥‥これ、食べる?」

その時、彼女はクッキーを手渡してくれました。
とても美味しくて、涙がでてきました。
初めての友達。忘れません。

私と彼女は、いつも二人で遊びました。
とても楽しくて嬉しかった。

けど、私は知りませんでした。
彼女は、重い病気を患っていたことを。
いつものように、家へ行くと、彼女は居ませんでした。
彼女の部屋から聞こえたのは、泣き声。
危機を感じて、私はその部屋へと入りました。
0232 ◆AdCUWDFkTo
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2011/11/22(火) 21:06:06.28ID:pENMYU6b
彼女は死んでいました。
部屋に入ると、ベットに横たわる死体をゆっくりと見ました。
彼女の顔は、とても晴れやかでした。
泣き声は、窓の外。兄様は外で一人で泣いていました。

私は、彼女が死んでから数日間、彼女の家に訪れました。
彼女は帰って来るかもしれないと思っているからです。
幼すぎて、死を受け入れられませんでした。

ある日、私は彼女は帰ってこないと気づきました。
悲しかったです。
涙が枯れる位、泣きました。
その声に気づき、兄様に初めて会いました。
兄様は、廃人同然でした。
兄様は妹の死を受け入れなかったのでしょう。

「アルシャ‥‥アルシャ‥‥なのか‥‥。」

彼は、私のことを彼女と思いこんでいました。
言っている意味は最初、分からなかったです。
私はその時焦りました。

「‥‥お、お兄ちゃん。」

その時ついた嘘が始まりでした。
0233創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/25(金) 03:08:38.15ID:+Sa1prL2
思いつきで殴り書いてみた。続きを書ける気がしないけれども。

ヒーローになりたかった。十数年前のあの日、瓦礫の底の僕を引き上げた名も無き彼のような。
けれど今僕はここにいる。世界の東の果て。湾に浮かぶ人工島。猥雑な街並みの中。
なんて人生だ。

僕を助けたのは救急隊員だった。だが現実として僕が辿り着いたのはラングレーの工作員。
砂漠の国を這いずり回り、僕らの世界を壊す連中の情報を掻き集める自由と正義に仕える愛国者。
あの日僕は珍しく銃を手にしていた。突き止めたばかりの異教の狂信者の巣窟を軍と共に強襲
する作戦。ラングレーはオブザーバーとしての参加だった。
脳医学的処置を施された僕らは仲間を我が身の様に、敵は血肉の通わない案山子同然と感じて
いた。その筈だった。僕は軍の特殊部隊の連中の様とまではいかないまでも、役立たずとは言
われない程度の仕事を果たしていた。立ちはだかる的を撃ち抜く作業。それが男であろうと女
であろうと、老いも若きも関係なく、ただ身体に穴を空けていく。
突入から数分が経った。目前に踊り出る人影。躊躇なく照準を合わせる。引鉄を引く。三点射。
抜殻が倒れる。その筈だった。けれど視線は照準の先にある二つの目に縫い付けられていた。
僕はそれが何であるかを認識した。先刻まで案山子だったそれ。年端もいかぬ少年。眠らされ
ていた何かに凍りつかされた指。だが彼にとっての僕は憎むべき異教の尖兵、それ以上でも以
下でもなかった。眼も眩む閃光。焼けるような感覚。
そうして僕の右腕と左目は吹き飛んだ。

今、それらがあるべき場所には生体工学の粋を凝らした代替物が収まっている。
なんて人生だ。
僕らの世界を守る英雄にも、作戦を遂行する一兵卒にもなれなかった僕が辿り着いたのはコン
クリートで出来た継接ぎだらけ卒塔婆が並ぶ街。
僕はそこで顔も知らぬ誰かの秘密を売って生活している。まったくなんて人生だ。
0234 忍法帖【Lv=22,xxxPT】
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2011/12/14(水) 02:48:01.61ID:E1OeASsD
エターナルディメンションユニバースフォースドリームパワーネガティブエネルギーナイトメアスタースペースギャラクシーブリザード!?♪。
0235創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/21(水) 06:06:09.33ID:lhxUDSys
.
0236創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/09(月) 06:12:32.22ID:addH3X2J
age
0237創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/11(水) 08:22:36.54ID:mpS2brYe
0238創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/15(水) 08:01:41.44ID:aw/kXpLI
0239創る名無しに見る名無し
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2012/03/10(土) 02:56:02.22ID:uwLvKXxg
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      ≡ : 選 ≡    /: : : : : : : ヽ: : : : : : ヽ    ≡ 世  そ  ≡
      ≡ : 択 ≡   /: :_: . . . : : : : : )、: : : : : : :ヽ   ≡ 界  れ ≡
      ≡ ! か ≡  l: : :\ヽ,.久-‐'"  ヽ: : : : : : :l   ≡ の  が ≡
      ≡      ≡ l: : : :/゙丶、\_   ,,.゙ ヽ: : : l   ≡       ≡
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              / -‐'/-ィテ、-ヽ   ゙丶 、`)ヘ)
             /   lヘ `‐''" ,. -)     ゙丶/
            //  / ヽ  ̄ ヽi_,. -‐------、  ヽ, 、
          ,、/ i   _ -‐'ヽ ̄ ,.==-、   | /ヽ-へ \
         / )  _/   ヽ、  'ヘ--‐'   / | \  \ ヽ,、
       /  / ̄/     /lヽ、     / ,. ゝ \_ -‐''  \
      /\/__/       l l ゙ ー-- '",. /  |、_ヽ  \  \
   ========= l l/ | /\ / ̄ ヽ   /   |    \  ゙丶、_
   \、   \\つ ピッ   | | |/  |/    |  /    l          ヽ、
   \\_. -‐ /n \    | |  ◎/     l/__ ___ l_  _       i
    | \ -‐¨◎   ゙i ̄)  | |   l _ --‐‐ ̄i  | |  |  ヽ|  |      ヽ
    ヽ -\゚   ピッ `´\_ | |__|    ,.   ハ_| L.-┘_,,| └-i____\
     l __r--‐=フ     |) |   レ-‐''"/   <    i-‐¨ ,.  ┌┘┌┘└‐┐
    .l / `i-'"    /Y.| |      / ∧  ゝ.   └'二フ /l.  |    フノ|. | ̄
     l l" ‐"ヽ\-‐'''"  ̄l.| |     ∠ - ' `´       レ'  L_」   ´ L.l
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0240創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/17(土) 13:41:19.60ID:cqmH8pY6
ある日突然、町が霧で包まれて、町の外に出ることができなくなる。(霧の正体は、一切説明されない)

町の中では、常識ではありえないような方法で、人が次々に殺される

連続殺人の犯人探しが始まる。
主人公の恋人が犯人とされて、町の人々に追いかけられる。主人公は恋人を匿う。

しかし、犯人は恋人だった!
恋人は超常的な能力を身につけて、それで連続殺人を繰り返していた。

主人公も、いつの間にか、超常的な能力を身に着けていた。

町の人も全員なんらかの超常能力を身につけていて、本格的な殺し合いが始まる

主人公は、身についた超常能力で、町の人を次々殺す。最後に恋人も殺す

町の住民が、主人公を残して全滅すると、霧が晴れる。
主人公は町の外に出る

そこには、生き残った人間が、魔獣となって殺しあう、異様な世界があった。終わり。

以上、厨二病バリバリのストーリーを考えてみましたw

0241創る名無しに見る名無し
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2012/03/18(日) 02:46:41.82ID:f+WBmSwY
【タイトル】
Jutsushi

【ジャンル】
王道能力バトル

【舞台】
架空の現代東京

【特殊能力】
「術師」の血を受け継いだ一部の人間だけが使える超能力。
種類は念力やスタンド能力みたいなものまで幅広いが、使える能力は一人一つと決まっている。

【術師の特徴】
見た目は普通の人間だが、高い身体能力や回復力を備えている。

【主人公】
都内の公立高校に通う不良高校生「火神龍平(ひのかみりゅうへい)」。


リアルが忙しいんでペースは遅くなるかもしれないけど、需要あればやってみるわ。
0242創る名無しに見る名無し
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2012/03/18(日) 02:47:41.36ID:f+WBmSwY
↑足し忘れ。
【冒頭】
かつて火を操り、水を呼び、風を起こし、地を裂く力を持った不思議な一族がいた。
古来の人々は彼らを神の「術」を使う者として畏れ、そして崇めた。

時は現代。人々は知らなかった。
この現代にも「術」を使う特殊な人間達がいたことを。
そして人々は忘れていた。
かつて彼らのような存在を「術師」と呼んでいたことを。
0243創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/20(日) 00:10:41.71ID:bew20Kwl

0244創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/27(水) 01:00:39.37ID:tq8hohZD
0246創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/30(土) 04:57:07.50ID:lM2b3Yfv
その目気色悪すぎこっち見んなど田舎富山男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎富山男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎富山男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎富山男死ね。
0247創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/30(土) 22:02:50.71ID:yYPRnEvj
GANTZ風魔法少女というのを考えた。

・自殺した少女が魔法によって再生され、魔法少女になって妖魔と戦う。
・魔法少女の意志とは関係なく、魔方陣を使って、妖魔のいる魔空間に転送される。
・妖魔を倒せば、魔空間は消滅し、元の世界に戻れる。
・妖魔との戦いで、魔法少女たちは、むごたらしく死んでゆく。
0248創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/06/30(土) 22:07:24.60ID:yYPRnEvj
・が、元の世界に戻れば、何事もなかったように再生されてしまうために、
 少女たちは、「今の自分」が何者であるのか、深刻な悩みを抱えてしまう。
0249創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/11(土) 07:44:44.50ID:mZLA/pTO
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0250創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/16(木) 19:28:40.57ID:x1M3LJMA
ツイスト→鰐
カットオフシグナル→狼
エコーロケーション→海豚
アナフィキラシーショック→蜂
リアル野生動物が持つ厨二技
0251創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/16(木) 19:34:20.44ID:x1M3LJMA
ちなみに鰐が獲物を捕らえる際に行うツイストと呼ばれる行為はデスロールとも言われるらしい…
0253創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/16(木) 22:28:35.59ID:x1M3LJMA
>>252
蝙蝠にしては邪悪さに欠けるネーミングだから除外した
0254創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/29(水) 07:13:20.11ID:UY9d48Sa
その目気色悪すぎこっち見んなど田舎男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎男死ね。その目気色悪すぎこっち見んなど田舎男死ね。
0255創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/09/18(火) 11:06:10.10ID:VZWtMuCm
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0256創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/06/03(月) 03:59:46.71ID:yzY4mUb5
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0257創る名無しに見る名無し
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2013/06/03(月) 04:09:18.34ID:MTqadHhp
すいませーん
別のスレからきましたー
0258創る名無しに見る名無し
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2013/06/03(月) 04:19:34.54ID:yzY4mUb5
うん
0259創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/10/03(木) 18:35:00.27ID:wzs4p9f1
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0260創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/01/21(火) 17:35:57.05ID:r6J4tu1z
 
0261創る名無しに見る名無し
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2014/03/06(木) 02:35:28.49ID:N/ZruZLu
0262創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/09/05(金) 22:15:18.35ID:IZ2Vtz5K
ふ…くだらんスレだ…
0263 ◆???
垢版 |
2014/09/06(土) 00:33:36.47ID:q8v56OWH
カゲプロ厨キメェ
ツイッター@4d0d4
0264なろう作家MURYATA
垢版 |
2015/01/12(月) 07:53:50.89ID:AUnkOBUz
今書いてる小説のアイデア投下
世界観 魔術観測で科学が廃れていった時代
名称 自然科学の最後の晩餐(サイエンス・パーティー)
能力 七人で構成されるアメリカにある最後の科学研究者たち
本音を言えばアメリカを中心とした各国が予算を魔術方面に集中させ
それで廃れていった科学だが、大規模退職を防ぐためにアメ主導で行っている
「段階的科学停止計画」における、「最後の科学者」
各方面一人のスペシャリスト七人で構成され、個人単位の兵器として転用できる
技術を各々持ち合わせており、並みの魔術に引けを取らない
正確には日本のみが科学技術を開発しているが、魔術工学の学者に研究を多少
割り当てている程度で、科学技術の進歩はほぼ止まったと見ていいだろう
一人目 人体工学 パワードスーツと人体の弱点への攻撃
二人目 情報工学 一人目による「弱点」を効率的に叩く方法を
骸鎧(空のパワードスーツ)へユビキタス・コンピュータで送信・制御
三人目 医学薬学 バイオテクノロジーによる生物兵器などを鎧骸に搭載
四人目 地球科学 立っている場所半径500キロに埋まる化石から
古代生物の復活、石油などからほぼ無尽蔵のエネルギーを生み出す
五人目 化学 超高分子による超高分子でユビキタス・コンピュータの
超ナノマシン化、生物兵器の最適化、古代生物の戦闘用DNA改変等
六人目 物理 素粒子操作、統合物性値最適化など
七人目 数学 思想概念的な技術、それはもう能力と形容しても
いいかもしれないくらいの絶対的・抽象的な力
0265創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/03/25(金) 19:08:23.76ID:/pyeCC9a
0266創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/05(金) 07:16:32.37ID:HHjEZImo
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0267創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/12/26(月) 05:01:19.14ID:7wB2vnP/
いいスレ見つけたと思ったら過疎ってて悲しい
0272創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/06/26(月) 17:24:12.66ID:qjBx4ghj
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0273刻音 コク
垢版 |
2017/06/27(火) 20:44:27.65ID:W+k79+xA
我、ありとあらゆる者を裁く、真実を司る者なり。
0274創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 12:06:26.91ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

FQP3681FRL
0275創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 07:16:42.19ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

Q5J59
0276創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 20:36:53.18ID:f1dClnnX
0RA
0277創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/08/18(土) 03:37:53.62ID:rGREKmJJ
遥かの青藍を写す黒檀の地よ
深き閃緑を沈む謐白の空よ
その悉くを睥睨す赫々の皇よ
地を均す悪夢と蹂躙の音色に耳を傾けよ
悪夢の体現者と蹂躙の継承者が二重奏に賛歌を繋げ
巡る世界の奔流は 逸脱の叡智を踏む
形象せよ
ーーーーー「万象回帰(ワールド・リセット)」

痛いっ!でも気持ちいい、、、
0278創る名無しに見る名無し
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2018/10/17(水) 15:21:15.65ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

MEG
0279創る名無しに見る名無し
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2019/03/01(金) 17:53:13.18ID:v5d5i9te
未熟な戦士でもできるネッツで稼げる情報とか
混沌の時を彷徨いし者は覗いてみるといいかもしれません
天の使いに見初められることありますよーに『鐘の音が夢の雫になる方法 羽山のサユレイザー』とはなんですかね

MAG
0280創る名無しに見る名無し
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2019/08/21(水) 06:02:20.57ID:5u5BIsiK
ーーーー『異形』

其れは貌(かたち)あるモノ
其れは貌無きモノ
其れは全て
其れはゼロ
其れは虚構?ーーーー否
創りしモノの為に
失われしモノの傍らに
望めば全ては手に入らん
其れは心

ーーーーーゆえに異形。
0281創る名無しに見る名無し
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2020/07/04(土) 14:16:47.15ID:XqWLYPcl
15年くらい前の妄想設定がふと記憶から蘇ったので供養

ヒロインは超強いけど定期的に暴走して街一つ壊滅させる能力持ち
主人公は不死身の能力持ちでヒロインの暴走に耐えられる
国を渡り歩いて壊滅させながら2人旅を続けてる設定

ある国で能力を治療する研究してる王子に会う
王子はヒロインに惚れ気味、主人公は研究の完成を待つため国に滞在することにする
少し経って研究所が何者かに破壊されたニュースがあり、それを聞いた主人公は国を出ようとする
国境まで王子が追いかけてきて主人公とヒロインが研究所を破壊したことがバレる
理由は主人公がヒロインとの依存関係を失いたくなかったから

主人公は能力に依存していて弱く王子に追い詰められる
主人公はヒロインを暴走させて王子を殺しにかかるが王子が苦戦の末色々覚醒してヒロインを止める
自分でも暴走を止められるのだから自分の元に来いとヒロインを説得する王子
ヒロインが自分の意思を持って研究施設を破壊したことを告白し王子絶望
それでも諦めずヒロインを治療して普通の人生を送らせようとする王子
主人公が色々覚醒してなんとか逃げ切る

エピローグでその後も王子は諦めず研究を続けているニュースが入る
ヒロインが暴走を制御したいと主人公に相談
能力による依存がなくてもヒロインが自分を必要としてくれることに気づいた主人公がちょっと前向きになって終わり
0284創る名無しに見る名無し
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2023/09/25(月) 05:32:04.35ID:1Fk+0BTK
ものまねと同じで
こんちには。◯◯です
つった瞬間にまあですよ
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