マルチジャンルバトルロワイアルpart20
かつて第四次聖杯戦争で、本来の槍の持ち主であるディルムッドが、まさにこのエクスカリバーの風を封じたのをイスカンダルは見ていた。
それがここで生きるとは――――イスカンダルは戦いの流れがこちらに来ていると踏む。
ここで押し込む。そして押し切る。
距離を取られては、また竜巻の壁に阻まれる。
道を切り開いてくれた美琴はもう限界だ。故に次はない。
ここで絶対に逃がしてはならない。
とことんまで押し込み、このまま甲冑組み打ちの間合いで叩き伏せるのみ――
「ぬぅん!」
「ガブッ……!」
イスカンダルは鍔迫り合いから、槍を握ったままの左手を捻り、そのまま敵の顔面に叩き込んだ。
テレパシーではなく、顎を殴られて物理的に発した悲鳴を、ミュウツーが上げる。
さらに右手のファンクフリードを振り上げ、そのまま押しつぶす構えだ。
だがそこで尻尾に足をとられる。
「むう!」
『ガアッ!』
そのまま馬から引きずり下ろされる。
敵は主人のいないブケファラスを切り捨てようと聖剣を振りかざす。
「下がれ、ブケファラス!」
イスカンダルの命令によって、神馬は霊体化して姿を消した。
間一髪、何もなくなった空間を黄金の剣閃が切り裂いたのはその直後。
眼前の獲物を殺し損ねたミュウツーの眼がギロリと、地を這うイスカンダルに向く。
砂塵まみれの偉丈夫は、自分を地に伏せたその尻尾を決して離さぬよう握り締めながら立ち上がった。
「やる。やるな、貴様。流石に強いわい」
『……』
至近距離。
野獣のような笑みの征服王。
一方、全く表情を変えず、視線で純粋に殺意のみを叩きつける怪物の眼光。
「そこまでの強さがありながら、なぜわざわざアルルゥを殺めたのだ」
『……』
「争いを望まぬ子だった。か弱い童だった。貴様ほどの漢が殺さなくてはならん理由はなかったはずだ」
『……』
イスカンダルの瞳は笑っていない。
怒りと悲しみをこめた眼で、まっすぐにミュウツーを見極めようとしている。
「本当に貴様が殺したのか。今、余の心中には疑問が渦巻いている。貴様があの童を殺すような奸物だとはどうにも考えられん」
『オレだ。オレが殺した。貴様がどう思っていようが、それが真実だ』
「なにか理由があるのか。あの時、殺そうと思えば攫うことなどせず殺せた。なぜ攫った。なぜ殺した。真実は何だ」
『……』 命のやりとりの中で、王の眼は戦いとは別のものを見ていた。
ミュウツーがアルルゥを殺したという場面を誰かが見ていたわけではない。
ただミュウツーがそうだと言った。それだけだ。
『オレが、アルルゥを殺すようには思えないだと? ……なぜそう思う。今、この瞬間にも、オレは貴様を殺そうと考えているぞ?』
「余には、貴様が殺戮を楽しむような輩には見えん。ならば戦いには理由があるはずだ。戦いにもならぬ童を殺すのならば、なおのこと」
『それを聞いてどうするというのだ。聞いたところでどうにもなるまい!』
「あるのだな、理由が」
イスカンダルは握っていた尻尾を離す。
全身に纏っていた殺気が霧消する。
「もし、貴様が本当に殺したとしてもだ。理由があってやむなく殺したのであれば、貴様を倒したところでアルルゥの弔いにはならん」
『貴様……!』
殺気をこめて睨むミュウツーに、征服王は雄大にひとつ頷き、そしてその大きな手を差し出した。
「貴様の理由とやらを話せ。それを明らかにせねば、余が戦う理由はないからのう」
『そんなことは関係ない! アルルゥをどんな理由で殺そうと、オレが今、貴様らを皆殺しにすることとは関係ないんだッ!!!!』
◆◆◆ .
――ああ。
オレに理由なんてないんだ。
オレがミュウツーとして生まれたことにあるのは他人の都合、他人の理由だけだ。
自分の理由なんてない。
ギラーミンどもの都合で踊らされただけだ。
流されて、考えず、流されて、考えまいとして。
そのツケを今更オレに払えなんて言うのか。
レッドもイエローもいなくなった。
もうオレの居場所なんてどこにもない。
それでもオレにツケを払えっていうのか。
生まれようとして生まれたわけじゃない。
戦いたくて戦ったわけじゃない。
流されたくて流されたわけじゃない。
殺したくて殺したわけじゃない。
こんなところにいたくて、オレは生きてるわけじゃない。
だから、せめて、オレはオレの終わりを自分で決める。
それだけは、それだけは、オレから奪わないでくれ。
――――すまない、アルルゥ。
◆◆◆ .
『――オレは、』
「む?」
いくばくかの沈黙があった。
征服王は怪物の言葉をただ、待った。
ビルの上からそれを見下ろす満身創痍の美琴も、固唾を呑んで見守った。
そしてついに解き放たれた声。
『オレはいでんしポケモン、ミュウツー』
『戦うために作り上げられた戦闘生命体』
『改造されて、兵器として生まれてきたオレは生物ですらない』
『だから戦うために理由なんかいらない』
『殺すために理由なんかいらない』
『戦う』
『殺す』
『しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね』
この時点でイスカンダルも、美琴も理解していた。
ミュウツーは怪物になったのだと。
怪物は人と言葉を交わさない。
人の意を解さない。
それほどまでの殺意。
それほどまでの狂気。
追い詰められた獣。
『しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね しね
目の前にいる、モノ、全て、しんでしまえ――――――――!!!!』
◆◆◆ .
出会ったときの最初の一声は――――、
「ミャー」
…………だった。
「あんた、私のクローンなわけ?」
「はい」
気味の悪い都市伝説。
超能力者量産計画。
学園都市ならば、そんな馬鹿げた科学技術が実現できないとはいいきれない。
いつか自分と同じ遺伝子を持つクローンが目の前に現れるんじゃないか。
下らない噂と一蹴しながら、心のどこかでそういうことを考えて怯えていた。
でも、実物が現れてみると、こんなあっさりな感じで――――、
「そこの双子、姉妹ゲンカはよくねーぞ」
「コイツは妹じゃないっ!」
「オイオイ冗談でもそんなこと言うもんじゃないぞ」
アイスクリーム屋のおじさんに姉妹と間違われて、アイスをもらったり。
「オイッ」
「何のことでしょう? と、ミサカはチョコミントの爽やかな余韻を楽しみつつシラを切ります」
そのアイスを盗み食いされたり。
「うん。鏡で見るより分かりやすいし客観視できるわね。こうして見ると結構アリって気も……」
「いやいや、ねーだろ。とミサカは、ミサカの素体のセンスに愕然とします」
「なっ何おう!」
缶バッジ取り合って。
「それにコレは――――お姉様に頂いた、初めてのプレゼントですから」
これじゃまるで本当の姉妹みたいじゃない。 『「妹達」を運用した絶対能力者への進化法』
『二万体の「妹達」との戦闘シナリオをもって絶対能力者への進化を達成する』
『第9982次実験』
『開始時刻』
『八月十五日』
『21:00』
悪ふざけにも程があるわ。
私を殺すとか、代わりにクローンを使うとか、レベル6進化計画とか――――、
「――――さようなら、お姉様」
別れ際の言葉が頭から消えなくて、杞憂であって欲しいと願いながら追いかけた。
人気のない、寂れたビル街の狭間に存在する裏路地。
橋を降りてコンテナ置き場へ。
そこで見たものは――――、
「何で……何でこんな計画に加担したの?」
「アァ? 何だイキナリ」
「答えて! それだけの力があって……無理やりやらされてるわけじゃないんでしょ!
こんなイカレた計画に協力する理由は何!? あの子に恨みでもあったわけ?」
「……理由? 理由ねェ。そりゃあ――」
イカレた最強の能力者。
不吉な気配を漂わせるアルビノの白髪。
顔面をばっくり裂いたような狂った笑み。
学園都市第一位。
そして――――、
「何よ……それ……絶対的な力? ムテキ? そんな……そんな事でッ……アンタはッ! そんなッ!」
まるで子供が無邪気に虫の足をもぐように。
そして飽きたら無造作に捨てるように。
付け根から引きちぎられていた。
コンテナ置き場の砂利の上にどうでもいいみたいに捨てられていた。
血塗れの。
あの子の。
脚。
「そんなモノのために、あの子を殺したのか――――ッ!!!!」
◆◆◆ .
…………アンタ達……何なの……?
おかしいよ……何でこんな計画に付き合ってるの?
殺されちゃうのよ?
こんなの……ワケわかんない…………
――――何でよ!!
生きてるんでしょ!?
命があるんでしょ!?
アンタ達にも……あの子にもッ!!
「ミサカは計画のために作られた模造品です」
「作り物の身体に借り物の心、単価にして十八万円の――――」
「実験動物ですから」
◆◆◆ 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
[状態]:だいぶ再生した
多大な喪失感、大きな動揺、≪体内:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero≫
[装備]:薔薇の指輪@ローゼンメイデン、ナース服、コイン。
[道具]:基本支給品一式(食料一食、水1/5消費)、病院で調達した包帯や薬品類
コイン入りの袋(装備中の物と合わせて残り59枚)、タイム虫めがね@ドラえもん、首輪(ジョルノ)
真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン
ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS、真紅の左腕(損傷大)、不思議の国のアリス@現実他、いくつかの本、ナースキャップ
[思考・状況]
0:アイツと戦う
0:そん次、ライダーの同盟者と合流。
1:首輪を解体できそうな人物(第一候補はグラハム)を探す。
2:一人でも多くの人を助ける、アイツの遣り残した事をやり遂げる。
3:人は絶対に殺したくない。
4:自分と関わり、死んでしまった者達への自責の念。
5:上条当麻に対する感情への困惑。
6:ライダーと行動する。
【備考】
※参加者が別世界の人間、及び参加時期が違う事を聞きました。
※会場がループしていると知りました。
※真紅と情報交換し、ローゼンメイデンの事などについて大雑把に聞きました。
※あすかと情報交換し、スクライドの世界観について大雑把に聞きました。
※地下空間の存在を知りました。地下にループ装置があるのではと推察しています。
※会場は『○』の形に成っているという仮説を立てています。
※全て遠き理想郷(アヴァロン)が体内にあることを知りません。
※ラッドの事を『原石』(天然の能力者)かも知れないと考えています。
※参加者についての情報は以下の通りです。
協力できそうな人物:レナ、沙都子、梨花、ゾロ、チョッパー、アルルゥ、佐山、小鳥遊、グラハム、ウルフウッド
直接出会った危険人物:ゼロ、ラズロ(リヴィオ)、メイド(ロベルタ)、宇宙人(ミュウツー)
要注意人物:白仮面の男(ハクオロ)、ヴァッシュ、水銀燈(殺し合いに乗っているようであれば彼女を止める)
※首輪の機能について、以下のように考えています。
確実に搭載されているだろう機能:「爆弾」「位置情報の発信機」「爆破信号の受信機」「脈拍の測定器」
搭載されている可能性がある機能:「盗聴器」「翻訳機」
※首輪は何らかの力によって覆われていて、破魔の紅薔薇にはその力を打ち消す効果があると考えています。 ◆◆◆
――――オマエはこれより戦いの神になる……
――――オマエは最も多くの死を振りまき……
――――ついには屍の山の頂上で息絶える……
――――地獄からの使者となろう!!!!
◆◆◆ 【E−5 /2日目 黎明】
【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:全快、首輪解除、制限解除
[装備]:約束された勝利の剣@Fate/Zero
[道具]:基本支給品×3<アルルゥ、仗助、ミュウツー>、どこでもドア@ドラえもん(残り1回)、
第一の湖の鍵(E−)第二の湖の鍵(−5)
不明支給品(0〜1)<仗助>、ひらりマント@ドラえもん
トウカの刀@うたわれるもの、サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL、機殻剣『V−Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル
[思考・行動]
1:戦って死ぬ。不退転。
【備考】
※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。
念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。
※V−Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。
使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、
理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。
第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。
※概念空間の存在を知りました。
※首輪解除による制限解除により、支給品に課せられた制限まで解除されるかは後続の書き手に任せます。
【ライダー(征服王イスカンダル)@Fate/Zero】
[状態]:魔力消費(中)、腹部にダメージ(小)、全身に傷(小)および火傷(小)、腕に○印
[装備]:包帯、象剣ファンクフリード@ONE PIECE、破魔の紅薔薇@Fate/Zero、
エレンディラのスーツケース(残弾30%)@トライガン・マキシマム
[道具]:基本支給品一式×3、無毀なる湖光@Fate/Zero
イリアス英語版、各作品世界の地図、ウシウシの実・野牛(モデル・バイソン)@ワンピース
探知機(故障中)、
[思考・状況]
0:ミュウツーと戦う。
0:そん次、グラハム、沙都子との合流地点へ向かう。
1:バトルロワイアルで自らの軍勢で優勝。
2:首輪を外すための手段を模索する。
3:北条沙都子を守る。
4:サーヴァントの宝具を集めて戦力にする。
5:有望な強者がいたら部下に勧誘する。
【備考】
※原作ギルガメッシュ戦後よりの参戦です。
※臣下を引きつれ優勝しギラーミンと戦い勝利しようと考えています。 本当にライダーと臣下達のみ残った場合ギラーミンがそれを認めるかは不明です。
※レナ・チョッパー・グラハムの力を見極め改めて臣下にしようとしています。
※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。
※自分は既に受肉させられているのではと考えています。
※ブケファラス召喚には制限でいつもより魔力を消費します。
※北条沙都子もまずは同盟に勧誘して、見極めようとしています。
※現在の魔力残量では『王の軍勢』をあと一度しか発動できません
※別世界から呼ばれたということを信じました。
※会場のループを知りました。
※オープニングの映像資料を確認しました
【改造スタンガン@現実】
真紅から美琴に渡った。リミッターをはずしており、生命に危険なレベルまで電力を上げることができる。
電池切れでE-5に捨てられた。 投下終了です。お待たせしてすいませんでした。
タイトルは「ポケットモンスター ゴールデンソード&シルバーストーム」です。 投下乙!!
おもしれえええええええええええ!
続き読みてえええええええええええええ!
久々に動いたのはわかってるし、まず続きが来たことを喜ぶべきなのもわかってるけど、なにより続き読みてえええええええ!!
ミュウツーと御坂がいちいちグサグサ来るし、そんななか征服王はひたすら征服王だし、おもしれー! 投下乙!
ミュウツーのいでんしポケモン設定をここでそう活かすかー!クローン妹がいる美琴の心境やいかに!
イスカンダルは相変わらず豪快で、なおかつ他者を見る目があるなあ
しかし、流石に獣と化したミュウツーに勧誘は無理ぽ。追い詰められた獣がどれだけ暴れるのか楽しみで仕方ない 投下乙! 面白いぞー!
美琴といでんしポケモンの邂逅は何を生み出すのか!?
っていうかもうポケモンじゃなく普通のモンスターだよ!
作者に多大な敬意と感謝をこめて、改めて投下乙! 風王結界ってセイバー個人の魔術であってエクスカリバーとは全く関係ないんじゃなかったっけ 投下乙!
ここでおしまいとかまじかー!
クリムゾンネイル・レールガンが地味に好き
タイトルのセンスもいいなぁ >>663
ググってみても諸説あってハッキリしないのですが、風王結界の由来が、マーリンによる透明になる魔法らしいことからエクスカリバー由来ではなさそうですね。
直ちに修正にかかります ――――そうだ、そんな事もあった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「そんなものか」
放送を聴いたリヴィオが呟いた言葉はそれだけだった。
ミュウツーと分かれて、廃坑にある小屋で放送を聞いていた。
けれど、何も特別な感想を持つこともない。
頭がすげ変わっただけのことだ。
それだけで殺し合いに大きな影響はない。
盤面の更に上にいる者が変わっただけで、駒は変わることはないのだから。
取り除かれた駒の数も順当に落ちているとしかいえないだろう。
同盟者の一人が死んだ所で、リヴィオそのものはやることは変わらない。
同盟は殆ど消滅したに近いが、ミュウツーがまだ居る。
彼を意識しながら、戦えばいいだけだ。
為すべき事を為せばいい。
それ、即ち、生きる事に繋がる。
その為には、いや、リヴィオがリヴィオ・ザ・ダブルファングである為には、やるべきことがある。
人間台風、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの抹殺。
心のそこから決めた、ひとつの思い。
何もかも護ろうとして、何かも諦めていない。
あの真紅の男。
あぁ、そうだ。何もかも手放さないで、理想を語る人間。
なのに、彼は、もう既に取りこぼしているではないか。
彼自身の盟友を護れてないではないか。
「護りたいもの、大切な友達を護れてない癖に、貴方は下らない理想を言ってるのでしょうね」
ニコラス・D・ウルフウッドは、ヴァッシュにとっても唯一無二の盟友ではなかったのだろうか。
自分の使命すらも放り投げて、助けにいくぐらいの。
それなのに、彼は護りきれなかった。
ウルフウッドの話を聞く限りだと、この殺し合いでも出会えてすらなかっただろう。
何が、友達だ。
そんな人すら、護れないのに。
「あぁ……なんだ、そういうことか」
あの男が護れないから、ウルフウッドもまた護れなかったのか。
リヴィオは納得したように、冷めた言葉を口にする。
護るというのは、どんなに大変なことで、そしてどんなに身勝手で、どんなに重いことだろう。
そんなのに縛られて、あの人は逝った。
不死身の人間の理想に縛られて、護れずに逝った。
何かを切り捨てられずに、逝った。
あこがれていた男は、きっとそんな「護る」事に囚われて逝ったのか。 ヴァッシュは、あの男は、護ろうとしていた。
世界の人を、大切な仲間を、身内を、全部、全部。
護りきれてないのに。
護れていないのに。
大切な友達すら失わせて。
ギリっと、リヴィオは歯をかみ締めた。
誰かを護ること。
そんなこと、出来る訳がないだろう。
そんなの、この世界では、無理だ。
いつだって、生き残るに必死で。
いつだって、死ぬ事に怯えて。
他人を護ることが、自分の救いになるなんてこと。
絶対に、あり得てはいけない。
救いになるというなら。
なぜ、ニコラス・D・ウルフウッドは死んだ?
あんな、疲れた表情で、なぜ逝った?
不相応な生き方をして、大切な少女を護れず、何故、逝った?
「……そんなものは――――救いになりえないんですよ。ヴァッシュ・ザ・スタンピード」
だから、そんなものは、救いにならない。
誰も殺さずに護るなんてできやしない。
きっと、このように死んでしまう。
貴方がそんなことをいえるのは、死なないからだ。
絶対的な力を持ってるからだ。 そんなモノが。
今を生きるので、精一杯な人間を惑わすな。
あぁ。
だから、殺そう。
護るという言葉すら、もう聞きたくない。
この世界に、愛も平和もない。
そんなものが救いになるなら…………
ウルフウッドは死ななかったのだから。
そんなものが救いとなるというなら。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードは、ニコラス・D・ウルフウッドを護れてないといけないだろう?
護れてないじゃないか。 救えてないじゃないか。
大切な友達すら。
「だから、俺は…………」
ふと、目に入ったものがあった。
小屋の壁に掛かっていた黒い外套と、黒い帽子だった。
今の自分の服が余りにも血まみれだった事に気付き、それを羽織る事にする。
血塗れで感付かれても面倒だから。
休憩は終わりだと、リヴィオは小屋をでて、思い走り出す。
「――貴方を殺すんです、大切な友達すら、護れなかった貴方を、ね」
護りえなかったもの。
それが、ウルフウッドを狂わし、死に至らしめたというなら。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードはきっと、ニコラス・D・ウルフウッドを殺したのだろう。
だというなら、自分は、俺は、僕は、
「――――誰が、この力を何かを護る為につかってやるものか」
もう誰かを護る事は、絶対にないのだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ あの時、護った事を思い出した。
高いところから落ちそうになった少女を護った、記憶。
誰かに頼りにされた、唯一の記憶。
けれど、それは、もう遠い昔で。
きっと、もう、それは、二度と思い出すことはないだろう。
今、偶然にも誰かを護る決意をしたリヴィオと同じ姿をした、リヴィオが居る。
けれど、それは近いようで、絶対的に遠いモノ。
ニコラス・D・ウルフウッドが救い。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードが頼りにした男。
そんなものには、何処にも無く、遠いモノで。
何もかも正反対になってしまったモノ。
そんな、モノが、そこには在った。 【H−3 南部/2日目 深夜】
【リヴィオ・ザ・ダブルファング@トライガン・マキシマム】
【状態】:ラズロ帰還、両手両足にダメージ、筋肉断裂、全身にダメージ(大)、背中のロボットアーム故障
【装備】:黒衣の外套、パ二ッシャー@トライガン・マキシマム(弾丸数35% ロケットランチャーの弾丸数1/2) ラズロのパ二ッシャー(弾丸数35% ロケットランチャーの弾丸数0/2)@トライガン・マキシマム
【道具】:支給品一式×9(食料一食、水1/2消費)、スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾20発)@BLACK LAGOON、
M94FAカスタム・ソードカトラス×2@BLACK LAGOON、.45口径弾×19、.45口径エンジェルアーム弾頭弾×2@トライガン・マキシマム
ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険、.45口径弾24発装填済みマガジン×2、.45口径弾×24(未装填)
天候棒(クリマ・タクト)@ワンピース、ミリィのスタンガン(残弾7発)@トライガン・マキシマム
三代目鬼徹@ワンピース、コルト・ローマン(6/6)@トライガン・マキシマム
投擲剣・黒鍵×4@Fate/zero、レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL、コルト・ローマンの予備弾35、グロック26(弾、0/10発)@現実世界、
謎の錠剤入りの瓶@BLACK LAGOON(残量 50%)、パ二ッシャーの予備弾丸 1回分、キュプリオトの剣@Fate/Zero
詩音の首輪、包帯、デザートイーグル50AE(0/8)
【思考・状況】
0:このまま南下する
1:覚悟は決まった。参加者の排除。特にヴァッシュ・ザ・スタンビート。
【備考】
※原作10巻第3話「急転」終了後からの参戦です。
※ウルフウッドの死体はそのままです 投下おつです。
そーだよなー、ヴァッシュは守れてないし、ウルフウッドは救えていないんだよなあ。
最悪のIFからやってきたリヴィオに出会ったらヴァッシュはどうなるんだろうか。 投下乙です
リヴィオはもう戻れないのか…
そして更に予約きたー! 投下乙!
リヴィオの覚悟の描写が素晴らしい…素晴らしい
参戦時期のちょっとしたズレがここまで正反対なキャラになるとは
一つ一つのセリフがとてもリヴィオらしくて好きだな ☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆ 家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
EP8BNMAEZP 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
I7BAO 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
T8W