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マルチジャンルバトルロワイアルpart20

0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/08/19(木) 21:27:59ID:Xaw0wCT2
様々な作品のキャラを使った上での、小説及び映画で有名なバトルロワイアルの企画を行おうというスレです。
小説・漫画・アニメのキャラが入り乱れていることから、マルチロワという名前になりました。
略して○ロワ。別に見るのに●はいりません。
この企画はリレーSS企画であり、ルールさえ守っていただければ、どなたでも参加可能です。
ルールの項に目を通していただき、分からないことがあれば気軽に本スレで聞いてみてください。
キャラ同士による殺し合いという内容のため、苦手な方は気分を害する恐れがあります。
読み進める際にご注意を、また自己責任でお願いします。

【過去スレ】
いろんなジャンルの作品キャラでバトルロワイアル
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220604468/
マルチジャンルバトルロワイアル part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221055898/
マルチジャンルバトルロワイアル part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221229891/
マルチジャンルバトルロワイアル part4
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221405474/
マルチジャンルバトルロワイアルpsrt5
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221749250/
マルチジャンルバトルロワイアルpart6
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221924153/
マルチジャンルバトルロワイアルpart7(実質8)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227019873/
マルチジャンルバトルロワイアルpart8(実質9)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230130775/
マルチジャンルバトルロワイアルpart10
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232931721/
マルチジャンルバトルロワイアルpart11
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235147692/
マルチジャンルバトルロワイアルpart12
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235724325/
マルチジャンルバトルロワイアルpart13
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237380564/
マルチジャンルバトルロワイアルpart14
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241420923/
マルチジャンルバトルロワイアルpart15
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1243945342/
マルチジャンルバトルロワイアルpart16
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1247322362/
マルチジャンルバトルロワイアルpart17
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1249651246/
マルチジャンルバトルロワイアルpart18
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254322108/
マルチジャンルバトルロワイアルpart19
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1259755793/
マルチジャンルバトルロワイアルpart20
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1268938717/301-400

【したらば】
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11860/
【wiki】
http://www26.atwiki.jp/marurowa
【予約について】
 ・通常5日。延長は2日まで。(合計7日まで)
 ・したらばの予約スレで予約してください
【全キャラクター共通・スタート時の持ち物】
  地図、コンパス、懐中電灯、筆記用具、水と食料、名簿、時計、ランダム支給品1〜3
【MAP】
  (p)ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/70/405fccc08ebbff8b539e6e47e7acf801.png
   上が北、一マス一km四方、端はループしています。(例:A-1から北へ行けばH-1に出る)
0378これより先怪物領域  ◆OQO8oJA5SE
垢版 |
2012/12/16(日) 23:43:43.49ID:5xC48d2K
……ヒルルク、くれは
俺を俺として育ててくれた人たち。
……ルフィ、ゾロ、サンジ、ナミ、ウソップ、ロビン、フランキー
大好きな海賊団の仲間たち。
……レナ、グラハム、レッド、ライダー、リカ、ウルフウッド……
この世界で出会った仲間たち。
大事な、大切な人の顔が次々と浮かんでは消えていく。

でも最後にぼんやりと浮かぶのはあの怪物の目だ。
――寂しそうだった。まるで、あのときの俺みたいに。
大事な人を失った目だった。必死に足掻いている目だった。

ああ、もし俺がもしヒルルクみたいにすごい医者だったら、あの怪物の心も癒してあげられたのかな。
あの時、全部の憎しみや悲しみから救ってくれたドクターやくれはやルフィみたいに。
怪物を友達を失った悲しみから助け出てあげれたのかな。
真っ赤な涙を流す、赤い髪の怪物を。

でもやっぱりできなかった……
ああ、やっぱり俺は、未熟だったよ……。

(チクショウ……悔しいな……助けられないのは、悔しいよ……ルフィ……ドクター……)

その思いを最後に、ガフ、と小さく血を吐いて、その小さな体は二度と動かなくなった。




【トニートニー・チョッパー@ONE PIECE 死亡】
【残り14人】


     *      *      *
0381これより先怪物領域  ◆OQO8oJA5SE
垢版 |
2012/12/16(日) 23:45:03.49ID:5xC48d2K
     *      *      *


"もしも"の話をしよう。

"もしも"、彼の隣に黒髪の少女がいたとしたら。
"もしも"、彼が金髪の少女と親しくなっていたとしたら。
"もしも"、彼がこの場所で幼馴染の少年と再会していたとしたら。

"もしも"、彼の隣に誰かいたならば、彼は人の領域にいたかもしれない。
無茶苦茶で、嵐のようで、でも誰かを確かに愛していて。
主人公たちのハッピーエンドに花を添えるような少しお茶目な世界の中心だったかもしれない。

だがここにいる彼は一人だった。
笑いあう友人も、その心を知る女もここにはいない。
たった一人きりの世界にいるのは、ココロを閉じ込めた怪物だった。

怪物(クレア)は戸惑わない。
故にその歩みは止まらない。
彼の歩む先に広がるのは大舞台。人の領域を超越した怪物たちのオンステージ。

ああ、これより先――怪物領域。


【H−2/1日目 真夜中】
【クレア・スタンフィールド@BACCANO!】
[状態]:疲労(中)、全身に打撲
[装備]:スタンドDISC『スター・プラチナ』@ジョジョの奇妙な冒険、スプリングフィールドXDの弾丸×7、拳銃の予備弾×30
    二重牙@トライガン・マキシマム(20%、70%)、AMTオートマグ(0/7 予備弾×15)
[道具]:支給品一式×5<クレア、一方通行、レヴィ(一食消費、水1/5消費)、クリストファー、カルラ>、未確認支給品(0〜1)
    クリストファーのマドレーヌ×8@バッカーノ!シリーズ、ミカエルの眼の再生薬×3@トライガン・マキシマム
    噴風貝(ジェットダイアル)@ONEPIECE、応急処置用の簡易道具@現実、痛み止め
    パ二ッシャーの予備弾丸1回分、ロケットランチャーの予備弾頭2個
    ○印のコイン、AK47カラシニコフ(0/40、予備弾40×3)、蓮の杖@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、ギラーミンから元の世界へ戻る方法を聞き出す。
 1:優勝のために他の参加者を殺す。迅速に、あらゆる可能性を考慮して。
 2:フィーロを殺した相手が分かったら、必ず殺す。
 3:スター・プラチナに嫌悪感はあるがある程度割り切っている。
【備考】
 ※参戦次期は1931~特急編~でフライング・プッシーフット号に乗車中の時期(具体的な時間は不明)
 ※ほんの一瞬だけ時間停止が可能となりました。
 ※梨花が瞬間移動の能力を持っていると思っています。
 ※名前を聞いていなかった為、カズマとクリスの死を知りません。
 ※もう一度ミカエルの眼の再生薬を服用すれば、命に係わるかも知れないため使用しないほうがよいと思っています。
 ※○印のコインの意味は不明です。使い道があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。


 ※【H-2】の森には火が回り始めています。
 ※【H-2】にチョッパーの書置きが残されています。内容は不明で、読めるかどうかも定かではありません。
0382これより先怪物領域  ◆OQO8oJA5SE
垢版 |
2012/12/16(日) 23:45:54.76ID:5xC48d2K
これにて投下終了となります。
矛盾点などありましたらお願いします。

なお、投下宣言を忘れていて申し訳ありませんでした。
0383創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/16(日) 23:54:25.09ID:iFzTjm8q
投下乙!
暴走チョッパーはかなり惜しいところまでいったけど、あと少し足りなかったか。
それでも最後の最後でクレアを気遣うチョッパーの優しさは良いなぁ。安らかに眠ってくれぇ。、
そしてスタプラにもダブルファング持たせるってのにしびれた!想像すると凄いカッコいいなぁ。
もしクレアが対主催だったら凄い頼り甲斐あるけど、ここでは一人だもんなぁ……うーん色々と考えてしまう。
0384創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/16(日) 23:59:54.74ID:JhFVWtxv
投下乙です!
怪物チョッパー強い!パワーとスピード持った巨体ってそれだけで驚異的すぎる
と思ったらクレアも負けじと本気出して、四門の破壊者!?なんだこの怪物合戦は…!
僅差で負けちゃったけどチョッパー、お前は頑張ったよ……最後に思い出す皆の顔にホロリ
チョッパーのダイイングメッセージとか、一人ぼっちのクレアは傷ついた身体でどこまでいくのかとか気になることが多すぎる!
0385創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/17(月) 00:32:03.76ID:b9XvnTJI
投下乙です!

やはりチョッパーは届かなかったか…
チョッパーもかなり強かったが、それ以上にクレアが強すぎる
クレアの強さが圧倒的すぎて、逆にクレアのむなしさが際立つ気すらするよ
最期まで優しかったチョッパー、安らかに眠ってくれ…

マーダー陣は全員埋められぬ虚しさを抱えて、一体どこまで向かうのか
その先に何を見出すんだろうか…先が気になる
0392 ◆pSc/w7EBTk
垢版 |
2012/12/21(金) 18:38:29.15ID:SqjdEM8k
ロロノア・ゾロ投下します
0394貴方を瞼が憶えている ◆pSc/w7EBTk
垢版 |
2012/12/21(金) 18:39:24.09ID:SqjdEM8k
その男を止めるものなど、何もなかった。
人生の内で最も下らない出来事が、人生の内で最も大きな爪痕を残してから。
空腹、痛み、困難、敗北、屈辱、絶望。
死の恐怖ですら、男の足を止めることはできなかった。
そして、男自身に止まるつもりなど毛頭無かった。
「世界一の剣豪になる」という、どこにあるかもわからない目標に向かって突き進むのだから。
止まっている時間など、ほんの一瞬ですら必要無かった。
息を吸い、血が流れ、身が動く限り。
彼は、ただひたすらに前を向いて進むだけ。
足を止めるブレーキなんて必要ない。
あの日、心に誓ったときからそんなものはへし折っていた。
だから男は止まらない、いや止まれないはずだった。
こんな訳も分からないところで、へし折ったはずのブレーキを見つけるまでは。

彼の足を止めたのは「喪失」というブレーキだ。
あの日、大親友かつ絶対に越えると誓った友を失った日にへし折ったはずのブレーキ。
そのブレーキがいつの間にかそっくりそのまま元通りになっていて、今の彼の足を止めていた。
「世界一の剣豪になる」まで、こんな訳の分からないところで止まっている時間などあるわけがないのに。
彼は、止まってしまった。

この場所で、二人の男が死んだ。
嘘が上手くて、逃げ足が早くて、狙ったモノは外さない、行く行くは勇敢なる戦士を志す男が死んだ。
夢に向かってまっすぐで、自分の気持ちに正直で、どこまでも強くなり続ける、自分を海賊に誘った男が死んだ。

死人は蘇らない。
それは、あの日から知っていることだ。
どれだけ声をかけても、どれだけ涙を流しても、どれだけ起こそうとしても。
死人は、起きあがらない。
分かっているのに、分かっているのに。
あの日へし折ったはずの「喪失」のブレーキは、キリキリと金属音を上げながら彼の足を止めていく。

やがて、男はあの日ぶりに完全に足を止めた。

ぐるりと周りを見渡す。
あの日以来目に入れることがなかったモノが次々に飛び込んでくる。
世界で一番の大剣豪になると誓った幼き頃の自分。
腹が減って死にそうなときに食べた砂利まみれの飯。
曲芸士から始まり猫背やなんやと妙ながらも自分の前に立ちはだかってきた敵たち。
戦いの中を共に潜り抜けていった仲間たち。
男のそんな「過去」が視界に広がり、浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。
そして最後に、男の目に映った「過去」は。
鷹の目に斬られる自分の姿と、動かない体となった幼なじみの姿。
その二つが、交差するように同時に映った。

全ての「過去」が霧のように立ち消えた後、遠い遠いところに見覚えのある顔が映る。
長鼻の男を初めとした横一列に並ぶその集団は、彼が「喪」った者達だった。
笑っているのか、泣いているのか、よく分からない顔で。
彼らは、じっと男を見つめていた。
0395貴方を瞼が憶えている ◆pSc/w7EBTk
垢版 |
2012/12/21(金) 18:39:56.57ID:SqjdEM8k
ふと、目を覚ます。
そこに並ぶのは顔ではなく、ありふれた現実。
先ほど同行者と別れた場所、城の入り口から見える風景だった。
「もし、あたりを探索するなら左手を絶対に城の外壁から離さないで下さいね」
史上最悪の方向音痴である彼が、城の近辺の探索という困難なミッションをこなすことが出来たのはそんな一言のお陰である。
別れる間際に何回も何回も何回も重ねて忠告しておいた甲斐があったというものだ。
そんな同行者のお陰で、奇跡的に彼は城の入り口に再び戻ることが出来たのだ。

そして来るべき戦いに備え、城の入り口で精神統一を行っていた。
だが、実際は心を無にして落ち着くどころかこのザマである。
「ガラにもねえな……」
はぁ、と溜息をこぼしながら手で頭を押さえつける。
この殺し合いという場で、近い人間の死をいくつも見てきた。
誰も彼も、強制された殺し合いという「くだらない事」で命を落とした。
男がそれを見届ける度に、ある場面が脳裏にちらつく。
「くだらない事」で命を落とした彼女の姿が、彼らと重なるように浮かび上がって来る。

何故か?

彼らと少女を結びつける物、こうなるはずでは無かった死に逝く者の「無念」という思いがあったからだ。
何人もの人間がこの場でそれを遺し、ある者はそれを託しながら死んでいった。
この男も例外ではなく、何人もの死を目撃し、何人もの無念を託された。
「無念」が彼に遺される度に、重なるようにもう一度託される「無念」があった。
それは「下らない事」で命を落とし、大きな「夢」を見ていた少女の「無念」だ。
あの日に受け止めた物が再び遺され、一だったそれは積み重なり、やがて「過去」へと姿を変えて彼の足を止めていた。

それを理解しているのか、いないのか。
男はゆっくりと息を吸い込み、少しずつ吐き出していく。
そして目を大きく見開き、一本の刀を横に薙ぐ。
風切りの音だけが、無音の空間に響きわたる。
だが、男はその一薙ぎで確かに"斬って"いた。
男の体に重くのし掛かっていた「無念」を。
「悪いな」
瞳に、迷いはない。
「てめェらにゃ、構っちゃいられねえんだ」
世界一の剣豪になるという、彼の誓い。
他人に引きずられることもなく、何よりも真っ先にかなえなければいけない夢。
そして、何よりも真っ先に晴らすべき無念。
他者の死をきっかけに振り返った過去を通じ、思い出した映像と共に改めて体に刻んでいく。
「俺は先に進む、お前等を置いて行く」
忘れられないことがある。
忘れてはいけないことがある。
忘れられるはずもないものがある。
他の何かを背負う前に、背負えるだけの器を作らなくてはいけない。
そしてそれには、成し遂げねばならないことがある。
「"無念"で終わらしちゃいけねェモンが、あるからな」
あの日の、そして今この瞬間の誓いを胸に、彼は前を向く。
「まあ、見てろよ」
にいぃ、と自信に満ちた笑顔と共に、腕に巻き付けていた黒いバンダナを解く。
それをいつもより少しきつめに頭に巻き付け、軽く頬を叩いて決意の証を作る。
続けて両手と口に刀を構え、彼の象徴である"三刀流"を作る。
だが一つだけ、いつもとは違う事がある。
それは四本目の刀、心の中にある固い"決意"という刀が。
魔神の如く古城の入り口に立ちはだかる彼を、突き刺すように支えていた。
0396貴方を瞼が憶えている ◆pSc/w7EBTk
垢版 |
2012/12/21(金) 18:41:05.03ID:SqjdEM8k
.
来るべき決戦の準備を整え、彼は宣言する。

「零でも何でもブッた斬って、生き残ってやるぜ」

"不敗"を。



止まらない、止まれない、くたばる暇すらない。

もう一度「喪失」のブレーキをへし折り、彼は前へ行く。

進んで進んで進むだけ。

邪魔な物は斬ればいい。

だから殺しに乗る奴も斬る。

この「くだらない事」を考えた奴も斬る。

そして、前に進む。

必ず、手にするために。



男、ロロノア・ゾロが目指すはただ一つ。



【A-2・古城跡入り口/1日目 真夜中】
【ロロノア・ゾロ@ワンピース】
[状態]疲労(中)、全身にダメージ(中)(止血、消毒、包帯済み)、左腿に銃創(治療済み)、右肩に掠り傷、腹部に裂傷、全て回復中
[装備]八千代の刀@WORKING!!、秋水@ワンピース、雪走@ワンピース、治療符@終わりのクロニクル
[道具]支給品一式×2(食料7/12、水7/12消費)、麦わら海賊団の手配書リスト@ワンピース、迷宮探索ボール@ドラえもん、
    不明支給品(1〜3)、一方通行の首輪(血がこびりついている) 、ARMSのコア(ジャバウォック)@ARMS
[思考・状況]
 1:"敗"けない
 2:"背負う"為、"前"へ進む
 3:ルフィ(死体でも)、チョッパーを探す
 4:首輪の秘密が気になる。
 ※参戦時期は少なくともエニエスロビー編終了(45巻)以降、スリラーバーグ編(46巻)より前です。
 ※雪走が健在であったことに疑問を抱いています。
 ※八千代の刀@WORKING!!は僅かにですが歪んでいます。



短いですが投下終了です。
修正として>>395の冒頭に空白の行を三行追加とさせてください。
何かありましたらどうぞ。
0397創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/22(土) 02:33:36.86ID:drlh+R0c
投下乙です!
ゾロは自分の過去と出会ったのか、こいつも色々喪ってるからなあ…
それでも無念を斬って前に進む姿は男前
喪失のブレーキをへし折って不敗を誓う剣豪は、果たして魔王に不敗を貫けるのだろうか
0398創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/22(土) 08:20:50.67ID:94IsbJRi
投下乙です!

やだ…ゾロかっこいい…!(キュン
冗談っぽくいってみたが、冗談抜きに格好いい
正直迷子ばかりのキャラだと思っててすまん!とんでもなく男前だ!

捜索対象のチョッパーも無念の死を遂げてしまったが、
その無念も受け取って進めたらいいな
0404創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/27(木) 01:32:02.51ID:XG2td/DP
支援絵乙ー!
気づいたらロワ復活しててびっくり。
俺もそのうちなんか投下できれば……
0409創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/29(土) 07:27:14.46ID:C6hE611J
○ロワ書き手は(書けという感情に)裏表がない優しい人たちばかりでしたね!
0410創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/30(日) 22:49:48.12ID:khjtqgeZ
しかしいよいよ放送か…感無量だ
第三回〜第四回放送までもいろいろ動いたよな
0411創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/30(日) 23:28:52.70ID:S0vEpizK
ナインと真紅死亡話好きだなー。
あの話も3回放送〜4回放送の間だと思うと確かに凄い動いたな。
0412創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/30(日) 23:48:26.77ID:E6Ui9jUa
真紅とブレンさんのよかったなぁ
二人らしく誇り高くて、それがラッドの目を覚まさせ、美琴に受け継がれていくのが凄くしみた
その続きである裏表トリーズナーズも好きだ

キャラの背負うものが重くなって
全体的にしんみりと切なく深い話が多かった感じがする
死亡話も切ないんだよな
0413創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/31(月) 00:04:43.45ID:66+p5VpU
レナとチョッパー、梨花ちゃまとニコ兄の初期からコンビが連続で落ちたのも印象深かった
「友達ふたり、できてんで」とかもう、もうね…

新しく生まれたのが天使コンビというのが面白いw
そしてロワでもやらかしてくれたな夫妻は!
直前までまじめな話なのにいつのまにかエロくなっていた、何を言っているのか(ryな気分だったぜ
0415創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/31(月) 00:41:09.12ID:haZRbzVN
あれで原作再現だから相変わらず終わクロはなんとまぁww
○同盟連続落ちは厳しいものがあったけど、残ったライダーとグラハムに期待だ。
でも、ビリビリって組んだ相手がよく死ぬよね……w
0417創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/01(火) 00:46:42.66ID:D16AjfZU
あけおめ!
去年はまさかの復活だったから今年もこの勢いでいってほしいな!
0418 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/02(水) 03:02:59.74ID:IFiB39p3
予約スレに書きましたが、一度予約を破棄しました。
待ってくれていた人もいたのに、申し訳ないです。
0421 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 17:29:55.68ID:qGeYnOkp
書き終わったので、用を済ませてざっと読み返して今夜中に投下します。
0425第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:15:35.13ID:qGeYnOkp
 ◇ ◇ ◇





【0】


「『存在』を規定するのはなんだと思う? 『環境』? 『資質』?」





 ◇ ◇ ◇
0431第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:17:02.28ID:qGeYnOkp
 
 
 
【1】


 モニターのスイッチを乱暴に消して、ギラーミンは葉巻に火を点ける。
 ニコチンとタールが肺に染み込む感覚を堪能してから、天を仰いで息を吐く。
 白い煙は室内を僅かに漂っただけで、すぐに天井に吸い込まれていった。
 煙草よりも強い葉巻独特の甘い匂いさえ、根こそぎに飲み込まれてしまう。
 とうの昔に勘付いていた事実が、いまのギラーミンには腹立たしい。
 彼がいる部屋は、窮屈で、無機質で、必要最低限の物品以外は存在しない。
 嗜好品のなかで唯一葉巻だけは許されているが、このように空気清浄機能はやけに優れている。
 また部屋を出ることも許されず、この扱いは奴隷や囚人のそれと大差ない。
 かつては宇宙一の殺し屋とまで称されたというのに、現状はこのザマである。

 なにも――脱獄前と変わらない。

 当然、この仕事が終われば、莫大なマージンが入ってくる。
 そういう契約は交わされているし、『上のヤツら』にしてみればその程度大した痛手でもないだろう。
 契約をいちいち守ってくれる理由もないが、同時に約束を反故にしてくる理由もない。
 そういう輩のほうが支払いがいいことくらい、これまで培ってきた経験でギラーミンは承知している。
 ゆえに、仕事を請けた。
 もとより、職を失った身であったのだ。
 自由を得られるのであれば、飛びつかぬ理由がない。

(『誰でもよかった』……ねえ)

 かつて告げられた言葉が、ギラーミンの脳裏を掠める。
 自分を選んだ理由を尋ねた際、『上のヤツら』はそう言ってのけたのだ。
 辺境宇宙の連中でもなければ、名前を聞いただけで震え上がる――宇宙一の殺し屋に向かって、だ。
 あえて反発を買おうとしてきたような、挑発じみた言い方ではない。
 単に当たり前のことを当たり前に告げるだけの、そんな口ぶりであった。

「けッ」

 不快感を露に吐き捨てて、被っていたテンガロンハットを深く押さえつける。
 全身を包むボディスーツやマントと同色の黒い帽子で、強引に視界を覆ってしまう。
 『上のヤツら』がギラーミンをどう見ているのかなど、とうに分かっていたはずだ。
 それを理解した上で、失ってしまった自由を得るために仕事を請けたのではないか。
 むしろ、膨大な選択肢のなかから自分に白羽の矢が立ったのは、運がよかったと言えよう。
 にもかかわらず、どうしていまになって苛立っているのか。

 ――考えるまでもなかった。

 このこじんまりとした部屋には、殺し合いの会場を映し出すモニターが設置されている。
 六時間ごとの放送時刻をただ待つだけというのも味気ないため、ギラーミンは時折そのモニターを眺めて時間を潰していた。
 さしておもしろいものでもなかったものの、この場には酒も女もないのだから仕方がない。
 当初は野比のび太とドラえもんの二人を追っていたが、どちらも早々に脱落してしまった。
 他に気になる参加者もいないため、適当にザッピングして大きな動きのある映像を眺めるのが恒例となっている。

 先ほどもそうしていたところ、一人の少女が脱落した。
 ギラーミンは彼女の名前を覚えていなかったが、数時間後に読み上げることになるのだろう。
 ともあれ、その少女がギラーミンの癇に障った。
 彼女は死んだ。殺された。
 この場での脱落とは、すなわちそういうことだ。
 別段、驚くことではない。

 が――その態度が問題である。
0434第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:18:03.43ID:qGeYnOkp
 
 彼女は満足して死んでいった。
 自ら率先して、他人に自分を殺させた。
 体内に魔獣が棲んでいるからといって、他人に引き金を引かせたのだ。

「気に喰わねえ」

 帽子で表情を隠したまま、ギラーミンは歯を軋ませる。
 死に行くなか、少女は安堵の笑みを浮かべていた。
 これでいいと確信しているかのように、微笑んでいたのだ。
 なにより、それが気に入らない。

 死ぬというのに。

 自由を失うというのに。

 どうして、満足しているというのか。

 人間は死ねば、もう終わりだ。
 この仕事を請けて以来、様々な世界について知ることになった。
 それでも、本当にありとあらゆる世界を見てきたというのに、死ねばどうにもならないという点だけは変わらない。
 あらゆる世界における常識を知らぬワケではないだろうに、彼女は死に際に笑ったのだ。

「気に喰わねえ」

 再度、吐き捨てる。
 いや、違う。
 再度ではない。
 再度どころではない。
 もう何度目かになるか分からないほど、毒づいてばかりだ。
 はたして、なにがこんなに気に喰わないというのか。

 ゆっくりと思い返していこうとした――そのときだった。

 微かな物音もなく。
 一切の兆候もなく。

 なにか――形容し難い気配が現れた。

 それも、すぐ近くに。
 この狭い部屋のなかに。
 手を伸ばせば届く範囲に。
0439第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:19:31.24ID:qGeYnOkp
 
「……ッ」

 反射的に、ギラーミンは腰かけていた椅子から跳び上がる。
 凄まじい速度で、視界を遮っていたテンガロンハットをかぶり直す。

 明らかになった視界の先には、一人の男が悠然と立っていた。
 身に纏っているのは、高級そうな黒いスーツ。
 金色の髪はきめ細かく、背中の半ば辺りまで伸ばされている。
 初対面の男だったが、ギラーミンはその目に見覚えがあった。
 猛禽類を連想させる鋭い目付きは、これまで放送の原稿を手渡してきた三人の男女と同じものだ。
 その三人からも奇妙な雰囲気を感じたが、眼前の男は別格だった。
 彼らは得体のしれないものを隠しているような気配を放っていたが、この男だけは違う。
 すべてを呑み込んでしまいそうな――そんな、得体の知れなさを上回る底知れなさがある。

「いったいなにが気に喰わないんだい、ギラーミン」

 ギラーミンの動揺を見透かしたような笑みを浮かべて、男が尋ねてくる。
 それに対して、ギラーミンは平時と変わらぬ口調を作る。

「…………まだ次の仕事には早いはずだ、四人目さんよ」

 すると、男は大げさに肩を竦めた。
 そんな演技じみた動作ののちに、ゆっくりともったいぶって口を開く。

「この部屋に来たのは四番目だが、私は『四人目』などではない」

 ギラーミンが眉をひそめると、男は聞いてもいないのに説明を始めた。

「母(アリス)の葛藤を移し、それぞれに異なる解答を導き出すように生まれた『キースシリーズ』。
 私は、その長兄たるキース・ブラックの『模造品』だ。決して『四人目』ではないし、また断じて『一人目』でもない」

 真の一人目は、殻のなかに潜んでいた父に呑み込まれた。
 ブラックは自嘲気味な笑みを浮かべながら続けたが、ギラーミンにはその意味を察することはできなかった。



 ◇ ◇ ◇
0443第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:20:47.16ID:qGeYnOkp
 
 
 
【3】


 ――――ギラーミンが指をほんの少し動かしただけで、銃口を向けられていた扉は消し飛んだ。

 彼の手元で白煙を吐く拳銃の名は、ジャンボガンと言う。
 その名に恥じぬ威力でありながら、反動は驚くほど少ない。
 『上のヤツら』が用意した得物であり、野比のび太が手にしたこともあるらしい。

「大層なもん用意してくれたもんだ」

 満足げに呟いて放送室を一歩出ると、そこには闇が広がっていた。
 闇のなかにいくつか気配があるが、そのいずれもギラーミンの求める相手ではない。
 ゆえに気配のほうに向き直ることもせずに、目指すべき扉へと歩み寄っていく。

「ギラーミン……!? 貴様、いったいどういうつもりだ!?」

 声をかけられたので仕方なく振り返ると、三人の男女がいた。
 これまで三度の放送の度に、原稿を用意してきた連中だ。

「どういうつもりもなにもねェ」

 彼らも、所詮は『上のヤツら』の指示に従っているだけだ。
 そんな操り人形に用はないので、ギラーミンは短く答えることにした。


「テメェらと違って、俺は俺だ。
 俺本人であって、他の何者でもねえ」


 返事を待たず、闇のなかにある一つの扉に駆け寄っていく。
 緊急時用に備え付けられた『上のヤツら』の元に通じる扉だ。
 扉を開けると、眩い光が漏れ出してくる。
 あまりの光度に内部の様子は窺えないが、ギラーミンは躊躇せずに一歩踏み込んだ。
0444第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:21:49.88ID:qGeYnOkp
 
 
 ――――瞬時に、視界が切り替わる。


 次の瞬間には、ギラーミンはこれまでいたのとは違う場所に立っていた。
 殺し合いの説明を行った大広間でも、窮屈な放送室でも、闇だけが広がる空間でもない。
 完全に異なっている、また別の場所。
 遠く離れた地点なのか、あるいはすぐ近くなのか、そもそも同一世界であるのか否か――
 推測することさえまったく不可能であるが、ともかくギラーミンが求める相手はそこにいる。

 あるいは――在る。
 もしくは――有る。

 なんにせよ、たしかにそこに存在していた。

「よォ……遅れたな」

 そう、遅れた。
 あまりにも、遅れてしまった。
 殺し合いが始まってから二十時間ほど経過しているが、そんな程度ではない。
 二十時間前よりずっと早く、こうして相対するべきだったのだ。
 なぜなら、ギラーミンは決闘者であるのだから。
 すでに大局が決まっていてなお、一対一の決闘を申し込むような男であるのだから。
 なまじ決闘後も生き延びてしまったために、刑務所などに収容されてしまったために、うっかり忘れてしまっていた。

 欲しているのは自由などではない。
 仕事を成し遂げるという成果でもない。

 ただ、納得をしたいのだ。

 戦争屋は生き抜くためにあらゆる手段を使うが、決闘者は――納得がいく結末を得るために手段を絞る。

 なぜ、満足した笑みが気に入らなかったのか。
 そんなものは、一度気付いてしまえば明白だった。
 自分がどういう人間であったのか思い返せば、すぐに分かった。
 なによりそれを求めていたはずの自分が、それを放棄していたからに他ならない。
 ギラーミンがギラーミンであるのなら、他ならぬギラーミン自身を許してはならなかったのだ。

(…………感謝してやるぜ)

 自分自身を思い出すきっかけを与えてくれた男に、ギラーミンは胸中で頭を下げる。
 そうしてから、テンガロンハットを高く掲げた。

「こいつが合図だ」

 言って、テンガロンハットを上空へと放り投げる。
 戦争屋なら問答無用で銃を抜くだろうが、ギラーミンはそれをしない。
 舞い上がった帽子が地面に触れるのを待ちながら、口角を吊り上げる。
 少し前まで苛立たしかった笑みとて、現在のギラーミンには浮かべることができるのだった。



 ◇ ◇ ◇
0446第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:22:22.05ID:qGeYnOkp
 
 
 
【4】



 闇の広がる部屋に残された三人は、ギラーミンが入っていった扉を見据えている。
 扉の向こうからは銃声はおろか、物音一つ聞こえてこない。
 すでにギラーミンが入ってだいぶ経っているが、はたしてどうなったのであろうか。
 誰一人として口を開こうとせず、闇のなかには静寂が広がっていく。

「――ふふ。この場合、放送はどうなるのだろうな?」

 静寂を破ったのは三人の誰でもなく、放送室から戻ってきたブラックだ。
 三人は目を見開いたのち、合点がいったような表情となる。

「ブラック兄さん、貴方がギラーミンをけしかけたの?」

 問いかけたのはバイオレットだったが、その疑問は三人共通のものであるらしい。
 シルバーとグリーンは驚いた素振りも見せずに、ブラックに鋭い視線を飛ばしている。

「けしかけた? バイオレット、君がなにを言っているのか分からないな」
「その演技に付き合うのにも飽きた」
「辛辣だな、シルバー。
 飽きるほど長い付き合いじゃないだろう。私たちが作られてから、三日と経っていないのだから」

 やれやれと口に出して、ブラックは長い金髪を掻き揚げる。

「私が他人をけしかけたりなどしないことは、『アレックス』の記憶を持つお前がよく知っていることだろう?」

 シルバーの視線が、よりいっそう鋭くなる。
 キースシリーズ随一の威圧感が膨れ上がるが、ブラックは意に介さずに続ける。
0447第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:22:53.20ID:qGeYnOkp
 
「私は、父とは違う。
 他者の意思に干渉などしない。あくまで、少し言葉を交わしただけだ。
 ギラーミンの造反は彼が勝手にやったことであり、私のあずかり知るところではない。
 ただ、私たちの知るギラーミンという人間らしい行動ではあったが、それはやはり彼自身の『意思』ゆえのものだろう」

 再び、静寂が闇のなかに広がる。
 たっぷり一分ほど待って誰も切り出さないのを確認してから、ブラックは胸ポケットに手を伸ばす。
 取り出されたのは、掌に乗るサイズの小さな砂時計だった。

「命というものは、このように止まることなく落ち続けている。
 我々ARMS適正者とて、いずれすべての砂が落ち切って息絶えてしまう。
 死は避けられないにもかかわらず、こうしてガラスに閉じ込められている。
 自分ではない何者かによって作られた、目に見えないガラスにだ。
 あの男は自らの手で、ガラスを砕きに行った。その結果すべての砂が落ちると承知の上で――な」

 言い終えても、返事はない。
 繰り返したりはせず、ブラックは砂時計を胸ポケットにしまう。

「ではな、放送まで休む予定だったのを忘れていたよ」

 三人に背を向けて数歩踏み出したところで、いきなり呼び止められる。
 キースシリーズの末弟、グリーンだ。

「待って、兄さんッ! もしかして、兄さんは――みんなに『希望を探せ』と言うの!?」

 予期せぬ内容に、ブラックは言葉を失ってしまう。
 しばしの時間をかけて意味を理解すると、思わず笑いがこみ上げてくる。
 どうやら、弟妹たちは随分と壮大な勘違いをしていたらしい。

「なにを言い出すかと思えば、『希望』とは……下らないな」

 どうにか笑みを抑えて、嘘偽りない真実を告げてやる。


「そんなものを探せなど、私は一度として思ったことはないよ」


 断言して、ブラックは闇のなかに消えていく。
 弟妹たちの声が背中へと浴びせられたが、もう止まってやるつもりはなかった。
0452第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:23:58.45ID:qGeYnOkp
 
 
 
 ◇ ◇ ◇





【5】


 ――――放送の原稿は、時間通りに出現した。





 ◇ ◇ ◇
 
 
 
0455第四回放送 ◆hqLsjDR84w
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2013/01/04(金) 21:24:30.88ID:qGeYnOkp
 
 
 
【6】


 殺し合い開始から、ついに丸一日が経過した。
 幸運な、あるいは不運な生存者の諸君、放送の時間だ。
 これまで通りに、禁止エリアと死者を告げていく……が、その前に報告しておくことがある。

 すでに気付いているだろうが、放送の担当者が変わった。
 私の名は、キース・ブラックという。
 単なる進行役でしかないので、別に覚えてもらわずとも結構だ。
 私の名前よりも気になることが、君たちにはあることだろうしな。
 余計な疑問を抱いたせいで殺し合いに支障が出るのも好ましくないので、君たちの抱いている疑問を解消するとしよう。

 ギラーミンは――殺された。

 この殺し合いを企てた首謀者の手によって、な。
 君たちが目の敵にしていたギラーミンは、所詮は表向きの進行役に過ぎなかったというワケだ。
 この私のような替えが、いくらでも利く――ね。

 少し頭の回るものならば、すぐに違和感を抱いたことだろう。
 殺し屋稼業を営めなくなったからといって、このように大それた汚名返上の場など設けるものか。
 だいたい、諸君らほどの手練れを気付かれずに一気にさらえるのならば、殺し屋でなくとも十分に裏稼業で儲けられる。
 殺し合いの首謀者を殺せば願いが叶うというのも、なかなかおかしな話だ。
 裏に願いを叶えてくれる存在がいなければ、そんなものは到底不可能だろう。死人がどうして願いを叶えられる?
 にもかかわらず、ギラーミンが首謀者と疑わぬものが少なからずいたのには、多少驚いてしまった。
 随分と素直で、見ていて微笑ましくなるほどだった。
 諸君らは、もっと他人を疑うことを覚えたほうがいい。
 せっかくここまで生き延びたのだから、下らぬ勘違いで命を落としたくはないだろう?

 …………話題が逸れてしまったな。
 いい加減に、本題に入るとしよう。
 まずは禁止エリアから発表していこう。
 決して復唱しないので、考え込むのはあとにしたほうがよいだろう。
0456第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:25:10.26ID:qGeYnOkp
 
 
 01:00よりH−6。


 03:00よりC−3。


 05:00よりC−5。


 以上、三エリアだ。
 では、死者の発表に移るとしよう。


 アルルゥ

 伊波まひる

 真紅

 トニートニー・チョッパー

 ニコラス・D・ウルフウッド

 古手梨花

 ブレンヒルト・シルト

 ラッド・ルッソ

 竜宮レナ

 ロベルタ


 メモを取るなどして死者の名を数えているものならば分かるだろうが、残る参加者は十四名となった。
 つまり未だ生存している諸君らは、他の十三名より長生きすればいいということだ。
 盤上に最後に唯一残るコマになるべく、これまで通りに精を出してくれたまえ。



【第四回放送 終了】
【残り参加者 14名】
0460第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:25:59.05ID:qGeYnOkp
 
 
 
 ◇ ◇ ◇



【2】


「テメェが何人目かなんざ知ったこっちゃねえ。
 ただよォ、『模造品』ってのはいったいどういうことだ」

「喩えでもなんでもない。そのままの意味さ。
 私は、キース・ブラックの肉体と記憶を持つだけのクローンだ。
 君の言う『上のヤツら』に作られた――ね。
 最初に訪れたシルバーも、次のグリーンも、先ほどのバイオレットも同様さ。
 ゆえに我々はとある世界にいる四人のキースシリーズの模造品であって、断じてキースシリーズのオリジナルではない」

「…………」

「ああ、安心していい。
 君はオリジナルだ。殺し合いに呼び集められた不幸な参加者たちもね。
 あくまで、君の言う『上のヤツら』がこの私に真実を話していたとしたら――だがね」

「……たりめェだ」

「当たり前? ふふ、当たり前か。そう思うのか、君は」

「なにが言いてェ」

「いや、大したことじゃないさ。
 ただ、本当に『当たり前』なのかと思ってね」

「なにがおかしいッ!?」

「おかしくはない。ただ、あまりに不自然なだけでね。
 私の言わんとしていることが、本当に分からないのか?
 それは気付かない素振りであって、本当は訊くまでもないのだろう?
 殺し屋として成り上がった聡明な君ならば、とうに勘付いているはずだろう?
 演技などしたところで無意味だ。一度浮かんだものを完全に忘れ去ることなど不可能だ。
 現に、『本人と変わらぬ肉体』と『本人と変わらぬ記憶』を持つクローンが眼前にいるというのに――
 どうして、君は違うと言える? 言い切ることができる? ましてや、なぜそれが『当たり前』になる?」

「……テメェらと違って、本人だという自覚が――」

「自覚、か。
 そんなものは私だってあったさ。クローンであると告げられ、証拠を目の当たりにするまでは。
 君はどうだ? 自らが肉体と記憶を受け継いだクローンである可能性を前にして、それでも本人であると断言できるか?
 君がクローンであるという証拠はないが、しかし本人であるという証拠もまたないはずだ。
 それでも『当たり前』だと言うならば、その発言に至った確たる証拠があったのだろう?」

「それは――」

「それは……なんだい? 続きは出ないだろう? 口籠るしかないだろう?
 いや、構わない。何一つ間違っていない。それで正しい。
 誰一人として、自分が自分であるという証明などできない。
 証明に至る裏付けが足りないし――そんなものは存在しない」
0462第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:27:16.14ID:qGeYnOkp
「…………」

「さて……そうして考えてみると、どうなのだろうな。
 はたして、君は、本当に、ギラーミンという人間なのか?」

「…………」

「宇宙一の殺し屋として名を轟かせ、野比のび太との決闘に敗北し、宇宙警察に逮捕され、どうにか脱獄を成功させるも殺し屋を続けることは難しくなった――あの、ギラーミンなのか?
 宇宙一の殺し屋として名を轟かせ、野比のび太との決闘に敗北し、宇宙警察に逮捕され、どうにか脱獄を成功させるも殺し屋を続けることは難しくなった――そんな記憶を持つだけの模造品ではないのか?」

「俺は――」

「俺は? 何者なんだい? 君は、いったい何者なんだ? 答えられるのならば、是非とも答えてみてくれないか?」

「…………」

「沈黙か。
 正しい解答だ。本人にせよ、別人にせよ、断定できる人間はいない」

「…………」

「ふむ。考え込むか。
 構わない。放送までは時間があるからな。せいぜい考えてくれればいい」

「…………テメェ、なにがしたい」

「なにが、とは?」
0463第四回放送 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:27:47.24ID:qGeYnOkp
 
「そんな情報漏らして、なにを企んでやがる。
 俺が混乱することなんざ、『上のヤツら』は望んでねェだろ。
 少し考えりゃ分かる。今回の件は間違いなく、テメェの独断だろう」

「さすがに察しがいい。
 君が乗り込んで解決しなかった揉め事が、唯一の例外を除いて存在しないだけはある」

「はぐらかすんじゃねえ。答えろ」

「その質問には、我が妹と同じ言葉で返答するとしよう」

「テメェ――!」

「『答える必要はない』」

「…………ッ」

「用は済んだ。
 数時間後に、また訪れるだろう」

「…………待ちな」

「なに?」

「乗ってやるよ、テメェの口車に。
 だが、勘違いするなよ。テメェのためじゃねェ」

 慣れ切った動作で、ギラーミンは腰のホルスターに手を伸ばす。
 銃口を扉に向けると、ずっしりとした重みが腕に伝わってくる。
 随分と久しぶりに銃を握った――そんな気がした。

「他ならぬ俺に、俺が俺だと証明するためだ」



【ギラーミン 存在確認】
【ギラーミン 死亡確認】
0466 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2013/01/04(金) 21:28:42.93ID:qGeYnOkp
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。
支援ありがとうございました。


ちなみに、これまで『私』だったギラーミンの一人称がいきなり『俺』になっているのは原作通りです。
0469創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/04(金) 23:40:19.95ID:Zku2KavT
投下乙です!

ギラーミンが死んだ!?
ギラーマンだのギラーなんとかとか色々言われてきたがここで退場とは
漫画版のような格好いいギラーミンでした

キースシリーズのみならずギラーミンまで偽物の可能性ありとは、
これは会場全員クローンも可能性ありか

しかしキースブラックが参加者の心も主催陣の心もかき回すなぁ
これは放送後一波乱の予感
0470創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/05(土) 00:05:14.59ID:z5Qw9vn+
投下乙です!

【ギラーミン 存在確認】が格好いい
最期に決闘者としての意地を貫く、いい最期だった

前回に引き続き存在感が半端ないブラック、真意はどこにあるのやら…

放送で読み上げられる名前を見ていると、
一つ一つドラマがあったのを思い出してホロリとくるな
さて放送開け、参加者は覚悟完了しているのが多い中、揺れ動く主催陣、どちらも一体どう動くのか
0471創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/05(土) 01:17:53.58ID:qEj3UcLb
投下乙!
あれ、ギラーミンってこんなにかっこよかったっけ……?
まさか放送役が変わるとは思わなかったからびっくり。
ノリノリでギラーミンを煽っていくブラックが素敵でした。
それにしても『上のヤツら』とは一体どういう集団なのだろうか
0473創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/06(日) 14:09:39.15ID:5Jsdkw9k
放送投下乙です!
最後に自分らしく散っていったギラーミンに敬礼!

おっと、そういえば予約解禁はいつからだろうか……
0474創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/01/06(日) 19:08:49.08ID:3PvD0IYu
放送乙です!
ようやく主催関連が進んで来た感じがしますね!

予約解禁日は遅らせるデメリットはあまりなさそうな気がする。
7日の0:00からか8日の0:00からは?
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