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【軍事】ミリタリー系創作スレ【兵器】3

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0001創る名無しに見る名無し
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2010/08/02(月) 16:10:30ID:wqtO09So
古代ローマから近未来まで、軍事関連の創作スレッドです
トムクランシー的テクノスリラーから架空戦記、果ては漫画まで、
ミリタリー要素が入ってるなら何でもOK!

前々スレ【軍事】ミリタリー系創作スレ【兵器】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220331328/l50
前スレ【軍事】ミリタリー系創作スレ【兵器】2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1257136826/l50

関連スレ

自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第69章
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1280728791/l50

非軍事系ガンアクション創作スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230604510/l50

傭兵系SS創作所
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228634990/l50

■○創作関連質問&相談スレ 59○■
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1278569027/l50

中高一貫の防衛女子校設立 十五校目
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1276214560/l50
0388VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 20:04:03.04ID:rD6Jgkz5
大きな血溜まりについた膝から、迷彩服が血液を吸い上げてあっという間にグチャグチャになる。
体重をかける度、血溜まりに波紋が広がった。
命をつなぐ。
それだけを念じながら、呼吸の止まった肉体に体重をかける。
煩わしい髪の毛が顔に落ちるのも、滝のように噴き出す脂汗にも構うことはなかった。
心臓マッサージは、確かに心臓を充分にポンプさせていた。
目の前の身体の、幾つも上半身を貫通した穴からは加圧の度に血液が湧いていたし、青白く黄ばんだ唇の合間には血の泡が浮かんでいた。
だから、止める訳にはいかない。今止めれば、本当に死んでしまう。
あらぬ方向を見た榛色の瞳は白濁を始めたが、それでも優しさと厳しさを備えたその顔立ちは変わらない。
白髪交じりの短髪。地上より数倍の重力に太くなった首。
数十年の鍛錬の結晶した肉体。そこに無二の魂を呼び戻す。
血液が温度を失っていき、痙攣していたブーツの爪先が動きを止めてから時間が経った。
流れ出した血液に比例するように、顔からは体温の色が失せ、まるで黄ばんだ蝋人形のようだ。
その冷えきった唇に、口をつけて息を吹き込む。額を抑えて押し上げた顎には、筋肉の硬直の兆しが見られた。
顎に当てた指先に脈を感じないのは、きっと痺れのせいだった。
また心臓の直上に、掌を重ねる。ふと気付くと、呼気と汗とが蒸発して白く自身を包んでいた。
目の前の肉体が失っていく体温が、自身を伝って蒸散していくような錯覚を視る。
腕を這い上がる金属質な苦痛が、現実を醜く歪めた。
脈の中を毒が流れているような痛みに、動くたびに呻き声が漏れる。
自身の肉体の限界と、目の前の冷たい肉体が軋む音が憎く、叫び声を挙げた。
もう止めろ。そう叫ぶのは、誰なのだろう。
気が付けば、目の前に人影があった。味方の迷彩服を着ているが、そんなことはどうでもいい。
その人影が、衛生兵以上の救護のスペシャリストである救難員のワッペンをしていても、止めろという声には従えなかった。
「何やってるんだ!」
どうして、救難員がそんな歪んだ表情をしているのか理解できなかった。まだ、助けられる。死ぬはずがない。
「手伝って下さい」
かすれた声でそう請うと、救難員が一瞬硬直する。
0389VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 20:08:24.12ID:rD6Jgkz5
確認するように屈んで脈をとった救難員は、息を吐いてから言い聞かせるように告げた。
「もう諦めろ」
「今ならまだ」
腕をつかんだ救難員を跳ね除ける。
怒気を孕んだ口調で、救難員が叫ぶ。
「あんたまで死ぬぞ!」
「あんた『まで』?誰も死なない!」
制止に構わず、また体重をかけた。オイルが滴って、ふたりの肉体に黒を広げていく。
到着した二人目の救難員に気づいたのは、パンパンに鍛えられた腕で羽交い締めにされてからだった。
そのまま引きずり離されて、また叫び声を挙げる。
この世のものとは思えない、獣の咆哮だった。強烈な叫びに、肺が収縮して鼓膜が痛む。
暴れる溺者にそうするように、救難員はチョーク・スリーパーを掛け始める。
そして、救難員は谷川伍長の耳元で叱咤した。

「もう死んでるんだ!!」

認めるわけにはいかなかった。
彼の命が終わるとともに、また自分の生も終わるのだと思った。
肱の内側で首を締められて、視界が赤く染まっていく。それを払うように、力任せに腕を振り回し続けた。
視界が狭まっていき、思考が遠くなる。

お願い、少佐を助けて。

その言葉が、どこまで救難員に聞こえていたのかは分からない。

盲目の闇に、滲んだ涙が落ちた。



生きよ堕ちよ、
その正当な手順の外に、真に人間を救い得る
便利な近道が有り得るだろうか。
――坂口安吾 『堕落論』


「VERTIGO」



今日はここまで。
0390創る名無しに見る名無し
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2013/03/28(木) 20:34:05.27ID:rD6Jgkz5
あ、書き忘れてたけど少しSFです。あと微妙にグロ注意
0391VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:10:02.45ID:rD6Jgkz5
あげてしまいすみません。読み返すと結構短かったので、追加で投下していきます。
1ST-PHASE:BOGGY

それは、まるで見知らぬ南洋の祭祀のようだった。
腰周りには水筒や弾薬ポーチをいくつも携え、身の丈の半分はある小銃を手に走る男たち。
一歩一歩駆ける度にヘルメットをカチャカチャと鳴らし、蓑のように草を纏っている。
肌にじわりと暖かい日差しと、のどかな昼の時間に突如現れた異様。
罵られているのにピクリともせず、殉教者のような無表情でひたすら苦痛の道に耐え続ける。
くすんだ緑の迷彩服は元の色が分からないほど泥に覆われ、動く度に土が剥がれた。
顔料を練りこんだ油脂で黒く塗られた顔からは、次々と吹き出る汗が濁って落ちる。
頬骨が出るほど痩せこけ、瞳だけが油を塗ったようにぎらぎらと光る。その濁りきった黒い色は、もはや何も映さない。
迷彩服を汗で湿らせた彼らが、臭気を残しながら去っていくのを黙って見送った。
残滓を除けば彼らが幻に見えるほど、平穏な昼休みが戻ってくる。
遠くからかすかに響くのは「柵」の外側を走るトラックの音。近くを走る幹線道路にひっきりなしに行き交っているのだ。
突き当りの向こう、鉄柵のあちら側には、普通の日常が構築されている。
そして「こちら側」にあるのは、軍隊として再構築された世界。
関東に配置された海兵隊および陸軍の、輸送の要として設置された「朝霞飛行場」を擁する和光基地の、これが毎日だ。
埼玉と東京外縁に跨る、広大な基地。様々な庁舎が設置され、指揮の要衝となっている。
大学かと見まごうほどの建造物が並ぶ様は、小さな建物が犇く外側とは一線を画していた。
広い車道の両脇には銀杏や桜などが並び、道行く軍人たちに陰を恵んでいる。
ひとり道を歩く谷川軍曹――谷川 誓(せい)は、若葉の眩しさに目を細めた。
正装である制服姿の者、戦闘服姿の者、昼休みにはいろんな人種が道を歩く。
外界と隔絶された世界の中で、彼らは彼らの日常を作っていた。
誓は道を歩き続ける。ブリーフケースを片手に、時々「佐官」と呼ばれる高級幹部に敬礼をしながら、道を歩く。
道行く人が時々誓に目を留める。
海兵隊と陸軍の基地で、空軍の迷彩服を着ているものは多いとはいえないからだ。
それも一瞬で、すぐに忘れ去ってしまうのだが。
しばらく歩くと、基地内でありながら柵に囲まれた場所にぶつかる。和光基地内には、さらに警備の厳重な区画がある。
0392VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:12:46.73ID:rD6Jgkz5
箱庭ともいえるその一角は分厚く高いコンクリート・ブロックで囲まれ、中の様子を窺い知ることはできない。
複数箇所の出入り口を通過するには身分証明書と専用のパスの提示が必要で、実弾を装填した銃を持つ兵士が常時そこを警備していた。
それだけではなく、ジャーマン・シェパードを携えた兵士が常に塀沿いを巡回している。
ただ一箇所開放されたゲートは航空機用の出入り口で、飛行場に直結している。
ここには扉はないが、常時複数台の監視カメラが周囲を睥睨していた。ーー基本的に安全を保証されることが前提の基地の中で、である。
1機が数十億と言われる戦闘機の格納庫でさえ、区画を囲うものはないのに、だ。
通常、武器・弾薬庫やレーダー施設などを除き基本的にブロックのない軍の基地において、この場所は誓にさえ威圧的な印象を与えた。
ずっと塀沿いに歩きながら、3人、2人と連なる海兵隊員とすれ違う。
紺色をベースに、引き裂いた跡のように黒と濃紺を重ねた迷彩服。
軍隊の中で飛び抜けて気の荒いと言われる彼らを流し見ながら歩く。まだ幼さが感じられる兵卒から飄々とした下士官まで、面立ちは様々だ。
それでも、彼らは一様に海兵隊員の顔をしている。まるで、共通の遺伝を継いでいるかのように。
その彼らに、空軍の自分はどう見えているのだろう。
誓の着る、灰色の濃淡をピクセル状に重ねた迷彩服は、春の日射しに白っぽく浮かびあがる。
関東一円を覆う高気圧が、基地内に暖かい春風を呼ぶ。濃い草緑に揺れる沢山のタンポポに、誓は目を細めた。
規則正しく碁盤に設計された基地と、真っ直ぐに整備された道、白い建造物。その合間の草地だけが、軍隊らしくない自然の造形を保っている。
道端の草地は、殺伐とした基地内に小さく季節を運んでくる。昼休みの気だるさに浸りながら、誓はその傍を歩いた。
その先に、コンクリート・ブロックの切れ目に設置されたセキュリティ・ゲートが見えてくる。
民間人の見学はもちろん、議員でさえ理由なしには入れない場所。
ーー飛行開発実験団、略称ADEXg。
和光基地に設置された、陸海空軍を統べる統合軍直轄の部隊。
厚い機密の壁に阻まれたその場所で、次世代の高度な技術は生まれる。
胸ポケットには、誓がそこに勤務する一員であることを証明するパスが入っていた。
ゲートに近づくと、兵士のヘルメットの庇の下の目がこちらを捉える。
0393VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:15:23.94ID:rD6Jgkz5
ぼーっと周囲を見渡すかのような彼らの瞳は、それでいて絶えず異常を探るレーダーだった。
肉眼のX線ゲートが、それとなく誓の爪先から顔までを通過するのを探知する。
車両の突破を防ぐために、いつでもそこには巨大な棘を備えた移動式の障害物が設置されていた。
「どうも」
一等兵に軽く目礼をすると、パスと身分証明書を提示する。胸に縫い付けられたネームに視線が走った。
氏名階級、そして顔写真を確認した兵士がもう一度誓の顔を見た。
顎に目立つ黒子がある。小鼻が赤く、黒目がちな、まだ十代らしさを残す顔。
「お疲れ様です」
おざなりな敬礼をした兵士に、おざなりな敬礼を返すと、誓はゲートを通過する。
そして、壁ひとつを隔てて守られている世界に足を踏み入れた。
ここに来てから数日が経ったが、未だにこの風景には慣れない。
3階程度の、飾り気も全くない白塗りの建造物が続く風景は軍隊的であると言えるだろう。
だが、合間に存在するコンクリート壁の建造物はそれらを軽く凌駕するほどに大きく、窓もないその様は周囲を圧迫するようだった。
高さは5階にも届くだろうか。正方形に近く、備えられたシャッターは閉ざされている。
灰色のコンクリは筋状に黒ずみ、廃虚を思わせる。似たような施設がそこかしこに点在していた。
新型戦車や航空電子機器の実験を行っているのだというが、当事者でない限りどこになにがあるのかは把握できない。
箱庭のなかに漂う独特の閉鎖感と非現実感は、悪趣味なシュルレアリスムの絵画に入ったような感覚を呼び覚ます。
道を歩きながら、海軍の少佐とすれ違う。彼は白衣の技術者と連れ立っていた。
向かいには軍事企業のロゴが入ったツナギを着た技師。だらしない格好の科学者は大学からの出向だろうか。
高級な指揮官と、彼らを気にするでもない技師や科学者の混在する風景は、一種独特の空気を作り出していた。
塀の外と内で変わらないのは、風とタンポポだけだ。
そのまま飛行場に向かって歩み続けると、航空機セクションになる。
飛行場エリアに走る道に沿って、かまぼこ状の格納庫がいくつも連なるのが特徴的だった。
アリーナひとつ分はある格納庫は日射しに光り、カーブした屋根から立ち昇る熱が空気を歪めている。
その上空で風に乗るカラスが、塀や格納庫に歪められた風の動きを忠実にトレスしていた。
風洞実験だ。誓は小さく呟く。
0395VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:17:49.04ID:rD6Jgkz5
ちょうど道路の中央を飛行場に向け、牽引車に曳航された偵察ヘリコプターが向かう。
川魚のような、丸みを帯びてすらりとしたフォルムはOHー1だ。川崎重工が開発し、陸軍で運用されている現在も尚改修が行われている。
ブラックの陸軍塗装を施されてはいるが、機体はすんなりとした優しげな印象を与えた。
それを見送り、誓は周囲と同じく無個性な建造物に入る。
今時軍隊にしかないリノリウムの床が、よく磨かれて廊下の景色を映していた。
ふと、誓はそこに珍しく漂う土と汗の臭いを感じ取った。湿った土の塊がぽろぽろとそこかしこに落ちている。
生の土の臭いと、薄まってもムッと湿り気を残す汗の臭いが混じり、見えない軌跡を残していた。
それを追いかけると、階段を上がり、廊下の中程に行き当たる。パイロットの更衣室だ。
入り口には、表面に乾いた泥と湿った泥がこびりついたナイロンのバッグが置かれている。膨らみが大きいのはヘルメットバッグだからだ。
数枚のワッペンが貼られ、それはNATO軍の多国籍訓練参加や大規模演習参加などの持ち主の戦歴を示していたが、それも今は泥にまみれている。
時計を見れば、まだ10分ほど時間があった。掃除用具入れから箒を取り出し、誓はとりあえず廊下を掃き始める。
この部隊に出向して数日、誓が関わったパイロットは彦根という名の中尉のみだ。鞄に貼り付けられたワッペンには、「K.SAK」という刺繍がされている。
誓のセクションにはふたりのパイロットがいると聞いていた。恐らくはこの鞄の持ち主なのだろう。
見たことのないワッペンに、つい箒を持つ手を止めて見入ってしまう。
弾痕の穿たれたトランプがあしらわれたワッペンには、周囲に「13th NATO Joint Aviation Training ALASKA:AH-64D JOKER FORMATION」と記されている。
洒落たデザインのものや、アラビア語が記されたもの、ヨーロッパの国々の名前が入っているものなど、ヘルメットバッグはワッペンに異国を旅した記憶を留めていた。「いいなぁ」
ぽそりと呟きが漏れた。こんな狭い塀の中にいながらも、パイロットには空を自在に越えてゆける力がある。
もちろん、それは揚力と重力、推進力と抵抗力の物理法則の合成にすぎないのだが、誓には人類本来の絶対不可能を打ち破る果てなき夢のシンボルに思われた。
0396VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:25:50.34ID:rD6Jgkz5
空へ憧れた人間にとって、飛行は単なる事象を超え、まるで力強い魔法のように映る。ベルヌーイの定理を初めとするいくつもの物理現象を結晶して、空に奇跡は起こるのだ。
土の塊をちりとりに集めながら、誓は窓の外を見た。滑走路に接近し、ギリギリに降下をするオン・ショート・ファイナルのCー2輸送機が建物の向こうに消えていく。
後に残る甲高いタービン音。巨鯨のように丸みを帯びた機体のCー2輸送機は、和光を本拠地に活動しているため日中はひっきりなしに飛んでいる。
その合間を縫うように、人員輸送ヘリコプターが離着陸を繰り返していた。
ついぼーっとしそうになるのに気付き、誓は掃除を再開した。
ちりとりに集めた土をゴミ箱に捨てていると、階段を登る足音に気付く。
ゴツンゴツンと響く重い足音は、丈夫で靴底の厚いコンバット・ブーツの響きだ。
その音がする方を向くと、ちょうど階段を上がってきた男と目が合った。
ここ数日ですっかり記憶した栗毛の短髪。よく日に焼けた肌に、くしゃっと笑うとできる目尻の皺。
「おー、誓ちゃん!もうあいつと会った?」
彦根中尉だった。
海兵隊所属のパイロットで、誓はもう既に世話になっている。
「この鞄の方ですか?」
問い返すと、そうそう、と調子良く返事がくる。
何だよあいつ、と舌打ちした彦根が更衣室を覗き込むが、そこにも「あいつ」は居ないようだった。
格納庫かな、と呟いた彦根が誓に苦笑を投げかける。
「ちょっとクセのある奴だけど、まぁあんまり気にしないでいいから」
はぁ、とあいまいに相槌を打った誓に、彦根はまた笑う。
窓から差し込んでくる光が、その笑顔を明るく照らした。それが、彼自身の温かみをも感じさせる。
敵にとっては地獄の使者と言われる戦闘ヘリコプターのパイロットにはまるで見えない。
じゃー格納庫行きますか、と指示する彦根に誓は従った。
訓練から帰還したパイロットについていろいろと喋る彦根に相槌を打ちながら、階段を下る。
そして格納庫に入った途端、誓は異変に気づいた。
おおよそバレーコート4面はある格納庫が、狭く感じる。昨日までここにあったのは、戦闘ヘリコプター1機だけであった。
それが今日は、2機に増えている。同じ紺色の迷彩の、同じ機種。

――美しいものだけが空を飛べる。

そう言ったのは誰だっただろう。機体を見ながら、ふと思う。
確かに、21世紀も20年を終えた今、空を飾るのは美しい翼たちだった。
0397VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:28:30.91ID:rD6Jgkz5
スマートに、美しく航空機たちは進化していく。1マイルでも長く、そして安全に。
軍用機でさえ、それは例外ではなかった。
機体の前に立った誓は、黙ったまま機体を見ていた。
格納庫の中で整備を受けるそれは、圧倒的な存在感と迫力を纏っていた。
それは王者の風格とも言えるものだ。

AH−64D、通称ロングボウ・アパッチ。

テクノロジーの粋を集めて開発された、現在の主力の戦闘ヘリコプターだ。
ヘリコプターというものの基本構造自体はどんなに進化しても同じではある。
本体を吊り下げるように生えるのは、機体上部のメイン・ローターと呼ばれる回転翼。
軸から生える数枚のブレード(羽根)が回転し、揚力を生み出す。
そして、尾部に据えられているのは、テール・ローター。
もう一つの回転翼だが、こちらはテール先端に設置され、上部のメイン・ローターよりもかなり小さい。
取り付け方向も垂直に向かっている。
メイン・ローターの回転によって機体が回るのを、反対側から力を加えることにより防ぎ、機首の向きを制御する。
多くのヘリコプターと変わらない原理で飛ぶが、誓の目の前にあるのはまるで違った生き物に見えた。
進化し、多様化したヘリの中でも、この機体は一つの頂点に立っている。
巨躯でありながら、削ぎに削がれた機体。
シャチのように、引き締まったごついフォルム。左右にはアビオニクス・ベイと呼ばれる庇のような出っ張りがあり、逞しい印象を更に強くする。
胴体の両脇から伸びた長方形の翼にはミサイルポッドなどが吊られており、その精緻な歯牙を誇っていた。
多面体の細長い胴体に据えられたコックピットには、本来前後に並べて席が設計されていた。
が、この機体には一人分の座席しかない。
胴体の下には、タイヤの付いた脚。前部のふたつの脚の間には機関銃が提げられている。
反対に、胴体の上には回転翼の軸であるローター。そこから伸びる四枚のブレード。
ローターの上部に据えられているのは、鏡餅と渾名される、本体より数倍高価なレーダー。
その渾名の通り、潰れた円形をしている。
長方形のエンジンは、背中の両側に据えられて、まるで鍛え上げられた水泳選手の背筋のようだ。
「きれい」
谷川軍曹は、ただただその正面から機体に見入った。
全ての一部一部が、個体の機能のために結晶化している。
完全な逞しさ。そして容赦のない容貌。
強いものは美しい。強いからこそ、美しい。
0398VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:31:18.48ID:rD6Jgkz5
それを守るように、機体のあちこちに整備員が取り付いていた。
彼らは一心不乱にそれぞれの持ち場を守っている。
オレンジ色のプラスティックのヘルメットを被った整備員たちは、どれも全国の整備部隊から選抜された生え抜きと聞いている。
この機体は、特別なのだ。
本来アメリカで開発・製造されたアパッチであるが、現在は日本国内の数社がライセンス生産をしている。
そのうちの一社が、実験的にある機体を作った。
全国に2機しかない、試験機。それが目の前の機体だった。
気を着けて見れば、迷彩服を着た整備員に、白衣の人間や、灰色のつなぎを着た整備員が混じっている。
この基地の中に敷地を持つ、持内(もてない)重工の社員たちだ。
アビオニクス(航空機器)の軍納入トップシェアを誇る持内重工の、軍の下の研究所だった。
ADEXgの刺繍が入った帽子を目深に被りなおした誓は、大きく息を吸い込んだ。
飛行開発実験団、Air Development and Experience Groupの略称、ADEXg(エイデックス)。
陸軍、海軍、空軍、そして統合軍。
現在のアメリカ領日本には、四つの軍隊が存在している。
統合軍隷下に航空機の審査、実験や開発を行う航空部があり、飛行開発実験団はその一部だ。
誓は空軍の軍曹として、畑違いのここへ出向してきたのだ。
どくん、と心音が高まった。頬に赤味が差したのを感じる。
不安が胸を刺すような感じと、心が膨らんでいく感じを同時に得る。
うまくやっていけるだろうか。今まで前例のない実験。
今になって、違う色の戦闘服を着ている自分がやけに気になる。
空軍のグレーの迷彩服が、統合軍航空部の紺色の迷彩の中で妙に浮いているような気がしてしまう。
邪魔にならないように遠巻きにしている誓は、ふとこちらを見る若い男性に気付いた。
無遠慮に、誓が腕に貼ったパッチを見ている。その視線は、友好的とは言えない気がした。
首には少尉の階級章。よく見ると、胸にパイロットの証であるウィング・マークもある。
とっさに「お疲れ様です」と敬礼すると、遂にこちらを真っ直ぐに見据えた。
「あんたか、入間から来た空軍の軍曹は」「はい」
答えた誓に、眉根を寄せる男。痩躯の長身だ。それに面長で、全体的に無骨な印象を与える。
訓練から戻ったばかりだからだろう、うっすらと無精髭を浮かべ、疲労のせいか削げた頬が一段と目立つ。
0399VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
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2013/03/28(木) 23:36:03.21ID:rD6Jgkz5
毛穴に詰まった泥や汚れが、顔色を一層暗くさせた。近づくと、煙と汗の混じった臭いがする。
それでも、どことなく中東的な趣のある顔立ちに、すっと通った鼻筋は人目を引く。
削ぎ落としたようにシャープな顔立ちが、内側から緊張感と精悍さを漂わせる。
切れ長の瞳が、海外派兵に従事したことを証明する誓のパッチを舐めた。
なんとなく緊張感が漂う。あまり快くは思われていないようだった。それはきっと、誓の容姿にも起因するのだろう。
155cmの身長に、童顔を絵に描いたような顔立ち。結った黒髪と、眉で揃えた前髪が、それを強調する。
頼りなさを感じるのは無理もないが、内心反発を覚える。
それに、いつもそうされるように、男の視線が一度胸で止まった。そこだけはすくすくと成長してしまった、盛り上がった胸。
思いっきり男の顔を見てやると、男が目をそらす。
沈黙が流れた。
そこに、敢えて空気を読まないと思われる彦根の声が割り込む。
「・・・佐久、ちゃんと挨拶くらいしろよ」
男の名は佐久といった。
ようやくどうも、と気のない返事をした佐久に、彦根は困り顔をする。
俺たち、みんな同じ鉄屑じゃねぇかよ、と諭す彦根を映す佐久の瞳が、わずかに赤く光った。
瞼をゆっくりと開けた佐久の目を、誓は真っ直ぐに見た。深い憂いの刻まれた目許。そして、誓を見るこげ茶色の瞳。
なぜ佐久が特別に、少尉としては異例のテスト・パイロットを務めているのか。それはその答えだった。

佐久の瞳孔は、爛々とした赤い輝きを放っている。

高性能な赤外線レンズの装着された人工電子眼が、その眼窩には装着されていた。
軍用の生体工学手術を受けた――つまりサイボーグ化されたその身体、その眼、拡張された脳。
特別な機体のために用意された、特別なパイロット。
表に出れば、間違いなく非人道的として糾弾されるであろうことは想像に難くない。――パイロットと脳神経直結の機体。
それにより、ヘリのセンサーで得た全ての情報を、自身の感覚であるかのように処理することが可能となる。
視界から得た情報を、脳で判断するタイムラグがそこにはない。
ここに鎮座するアパッチはそのための機体だった。
20世紀末に誕生した原型、ロングボウ・アパッチと形は変わらないが、その中身はほとんど別物といってよい。
そして、そのパイロットもまた、通常の人間とは中身が異なる。
0400VERTIGO ◆IyF6/.3l6Y
垢版 |
2013/03/29(金) 00:00:39.32ID:rD6Jgkz5
それが佐久であり、また彼のために用意された誓も「純粋な」人間ではなかった。
サングラスを掛けた佐久がそっぽを向く。
誓もようやく、目線を機体に移す。
誓の任務は「フリオペ」として、擬似的に強化されたデータリンク状態を再現することだった。
フリオペ、フライトオペレーターの略であるそれは正式には機上指揮員と呼ばれている。
誓が乗り組むE787という機体は、電子の目と、戦場を覆う通信能力を保持している。
その機から、地上の兵士やヘリ、そして戦闘機に指示を与える役割を担うのがフリオペだ。
通常の人間と中身が異なる。それは、彦根、佐久、誓、誰しもが同じだった。
そうでなければ、そもそもこの場所には来ない。今は限られた場所以外に、居場所はない。
軍用のサイボーグは脳や神経の拡張による負担のため、その身体改造手術の後も一定のダメージを蓄積し続ける。
――寿命はおおよそ60年前後。しかも、細部にわたる体のメンテナンスを受けなければ、生きていくことができない。
莫大な金と、手間のかかる身体。つまりは、軍の庇護下にない限り、生きてはいけない。

それが、軍用サイボーグの宿命だった。



本日の投下は今度こそ完了です。紫煙ありがとうございました。
規制にひっかかってしまい申し訳ない。
0401蒼空を衝け
垢版 |
2013/03/29(金) 00:54:20.22ID:OQSVeuCY
榊原技術中尉は、透き通る樣な蒼空に向けて竹鑓を突き立てた。

本日の評価試驗は、現在極祕裏に開發中の竹鑓兵噐『BAMBOOLANCE-X』の
早期導入を目的とした「XB計畫」の一環であり、花粉浮遊環境下に於ゐても
將兵が正確に運用可腦か否かを評価する過酷な実驗であつた。

正式に導入された曉には、遥か高高度を飛行する敵國の戰略爆撃機を
地上から無慈悲に繰り出す竹鑓の突きで撃墜する亊が出來るであらう。

榊原技術中尉は、手にした得物の感触を確かめる樣に齷り締め、
體を捩る眼の痒みと滲む泪、抑えきれぬ嚔に流れる洟に耐えながら
今や遲しと敵機の來襲を待ち受けた。

「早く來ひ。今度こそ成功せねば…」
0403技術開發本蔀
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2013/03/30(土) 14:54:40.93ID:YamEaEu1
>>402
了解デアリマス。近日中ニ續篇ヲウp致シマセウ。有難ウ御坐ヒマシタ。
04081青空町耳嚢 〜創作発表板五周年企画SS〜 ◆ftPUzYFINd55
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2013/08/28(水) NY:AN:NY.ANID:QKyBoSbx
青空町耳嚢 第10/21話
【見えない戦車】

 A町でたてつづけにおこる怪奇現象。
 その被害をこうむることにかけては、同町内に基地をもつ防衛隊も例外ではなかった。
 いや、むしろ、猪突猛進で常に最前線にたとうとするT長官のせいで、率先して被害にあうこともしばしば……

 ある日、防衛隊に出動要請がくだった。
 A町でまたまた大規模な怪奇現象が発生したのだという。
「戦車隊、出動!」
 長官の号令で兵舎から駆け出した我々は、おもわずそこに立ち尽くした。
 武器庫がない。
 格納庫もない。
 司令塔さえも見当たらない。
 我々の目の前には、更地しかなかった。
 舗装された大地に、ただヘリポートの目印や複雑な滑走路がしるされてあるばかりだ。
 驚いてふりかえると、いましがた出てきたばかりの兵舎まで消えているではないか。

「戦車は!?」
 と、誰かが叫んだ。みなで戦車の格納庫へ急ぐ。
「たしかここらへんのはずですが」
 ときょろきょろ走っていた兵士が急になにかにぶつかったかのようによろめいた。
 つづいてやってきたもう一人も見えない壁にあたったかのようにはねかえってしりもちをついた。
 ここに至ってようやく、我々は気づいた。
 ないのではない。
 あるのに見えないのだ。
 目星をつけてぱんぱんと叩けば、たしかに格納庫のシャッターの手ごたえがする。
 だが、見えない。
 どこからか、長官の声がした。
「何をしておる、シャッターをあけんか!」
 はい、と係の者が手探りでボタンを探し出した。
04092青空町耳嚢 〜創作発表板五周年企画SS〜 ◆ftPUzYFINd55
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2013/08/28(水) NY:AN:NY.ANID:QKyBoSbx
 がたたたた、と音をたててシャッターがあく。見えてはいないが。
 そして、というか、当然、というか、なかに並んでいるはずの90式戦車も、一台たりとも目視できない。
「なにをぼやぼやしておる! 各自担当の戦車に乗り込むのじゃ」
 また、長官の声がした。
 はっ、と威勢よく答えたものの、実際にはおそるおそる手探りで戦車をさぐりあてていく隊員たち。
 だが、ひとたび担当の戦車をさぐりあてれば、あとはさすがに体がおぼえているのか、百戦錬磨(で負け続け)の兵士達はすんなりと乗り込めた。
 だが、なんという異様な光景だろう。
 いかめしい面構えの迷彩服の兵士達が、空気椅子どころではなく、あっちに3名、こっちに3名とかたまって宙に浮いて、見えない計器類を睨みながら、コンディションを確認しているのだから。
 私は副官として、自分の担当の戦車の前で、皆が配置につくのを見守っていた。
「異常はないか?」と形式的にたずねれば、
「計器、音や気配からして異常なし!」と兵達が戦車の中からこちらに向かって敬礼する。
「よし!」……ありありと目の前に広がっている異常には、あえて触れないことにした。

 こうして全員が配置についた。だが、長官の姿がまだ見えない。
「全員、出動準備完了いたしました」私は宙にむかって叫んだ。
「よし、では出動じゃ!」
 すぐ隣で、長官の威勢のいい号令がした。
 横を向く。誰も見えない。だが、革靴が戦車のボディーにこすれる音が聞こえた。
「まさか……長官……」
「うむ。なぜか知らんが、わしも透明になってしまった。だが案ずるな、健康には問題ない! さあ、我らも戦車に乗り込むぞ」
 目には見えないが、たしかに、いつもどおりの元気な長官がそこにいた。

 がちゃがちゃ、と見えない長官が見えない何かを動かす音がして、車体が震えだす。
「さあ、出撃じゃ! 一刻もはやく問題を解決して、戦車やわしの体を再び見えるようにするのだ!」
 おう、というときの声とともに、あっちやこっちの空気椅子3人組も小刻みに震えながら動き出す。

 無茶な長官に、負け続けの軍隊。だが、我ら防衛隊の士気は高い。


【終】
-------------------------
【8/27】創作発表板五周年【50レス祭り】
詳細は↓の317あたりをごらんください。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ34
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1361029197/
0415ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/01(日) 22:40:57.47ID:1MQuegAW
 本日天気晴朗ナレドモ南支那海 波高シ
1                            

□東京━日本 
湾岸に林立するビル群
○立ち並んだビルの前を《ゆりかもめ》が通過していく。そのなかの一棟がズームアップして、
「(声のみ)日本が立ち上がらなければ、西欧列強の植民地支配は五十年、いや百年永らえたかもしれない。日本がその構図を打ち破ったのだ。僕はその事を誇りに思っています。」
○室内
背中を向けて脚を組みソファに掛けている男(日本人・ゴルゴのように見える)の前に立った少年が熱弁をふるう。後ろには椅子に掛けた(老、壮、青)の三人の男たち。
少年「けれど、現在の日本の有様はなんですか 。。算盤勘定しか頭にない、卑屈で野卑で猥雑な商人国家日本。まったくなんという為体でしょうか。こんな情けない腑抜けの日本は本当の日本じゃない。」
男〔日〕「……。」
少年「現代の日本には、辞書の中にのみ存在して、現実には照応する対象が見つけられない言葉が三つあります。毅然と凛然と端然です。」
男〔日〕「……。」
少年「毅然とした日本人、凛然とした日本人、端然とした日本人は、あの戦争で悉く亡くなってしまった。そうして出来上がったのが、このどうしようもない戦後日本という訳です。」
男〔日〕「日本人自身が望んだ結果だろう。」
少年「もしそうだとしたら、それは間違っていた。もしそうだとしたら、大本に立ち返って、誤りは匡すべきです。然る後、日本は、日本と日本人の誇りを取り戻すのです。取り戻さなければなりません。」
男〔日〕「力抜けよ坊や。聴いてるこちとらの肩のほうが凝ってきちまったぜ。」
○男〔日〕の正面姿 
かるく笑いながら、片手を反対側の肩に持っていって揉んでいる。(シュガー、日光、伝九郎のイメージ)
少年「(むっとしている)」
男〔日〕「(少年の後ろに座っている男たちに)子供をだしに使うのは気に入らねえな。」
少年「子供じゃないっ。」
男〔日〕「子供はみんなそう言うのさ。」
少年「無礼だ。取り消してください。」
老人「(少年の肩に手を置いて)まあ、待ちなさい。(男〔日〕に)失礼した。これは私の孫で、親の、いや、爺の欲目だが良く出来た子でね。ついせがまれるままに連れてきてしまった。改めて私から説明をするので、ぜひ聞いてもらいたい。」
0416ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/01(日) 23:19:03.31ID:1MQuegAW
2

□バンコック─タイ
○ホテルの外観(夕景)
隣接して立ち並ぶビルが、背後に沈む太陽のためシルエットになっている。
○ホテルの一室
男(白人・欧州人?)と二人の(壮・若の東洋人)の男が向かい合って立っている。
年嵩の男「(応接セットの片方のソファを指し示して)まあ、座ろうじゃないか。」
男[欧]「遠慮なく掛けてくれ。私はこのままでいい。」
年嵩「少々話しにくいが、いいだろう、座らせてもらうよ。(腰を下ろしてタバコを咥える)」
横に立っていた若い男がポケットに手を入れる。
男[欧]「(上着の脇からさっと拳銃を抜き出して)そういう動きは無しだ。」
年若「いや、ライターを…。」
男〔欧〕「紛らわしい動作はできるだけ避けてもらいたいな。トラブルの元だ。」
年嵩「これは申し訳ない。タバコは吸ってもいいんだろうね?」
男〔欧〕「(拳銃をショルダーホルスターに収めながら)煙は嫌いなのだ。他人の趣味嗜好をとやかく言いたくはないのだが、この話の間は控えてもらえるとありがたい。」
年嵩「分かった。言う通りにしよう。(タバコをケースに戻す)」
○ホテルの外観(薄暮)
薄暗くなった空。ビルの窓々の灯りと街路を走る車のヘッドライトが鮮明になる。
○室内
年嵩「彼等は漁業基地だと言い張っている。ぬけぬけと平気な顔で嘘を言う、厚顔無恥とは彼等のための言葉だ。大国としての品格、風格が、あれほど備わっていない国も珍しい。
まったく以って、シーヌの倣岸不遜の言動、身勝手極まる振る舞いには我慢がならん。チュオンサ諸島は我々のものだ。」
男〔欧〕「チュオンサ諸島、ふむ、スプラトリー諸島をそう呼ぶということは…。あんたたちはヴェトナム人か。それで、私に何をしろというのかね。」
年嵩「証拠が欲しい。特に画像、音声、その他利用できるものは何でも。」
男〔欧〕「それを会談の際に突きつけようというわけか。」
年嵩「我々が直接使うことはない。もし、そうすれば正面からぶつかることになる。それは避けたい。」
男〔欧〕「察するところ、出所不明のリーク情報としてメディアに流すといったところかな?」」
年嵩「それは…。」
男〔欧〕「どうやらビンゴのようだ。そのためにフリーの私を雇う必要があった。そういう理解でいいのだろうね?」
年嵩「……。」
男〔欧〕「こういう商売をしていると、つまらぬゴタゴタに巻き込まれることも多くてね。自分の仕事の輪郭は掴んでおきたい。度を越した詮索をするつもりはないのだ。」
年嵩「それで返事はどうなのか、聞いてもいいかね?」
男〔欧〕「依頼の概要は分かった、引き受けよう。」
年嵩「ありがたい。よろしく頼む。」
0417ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/01(日) 23:33:25.79ID:1MQuegAW
3

□東京
○ありふれた感じの中規模マンション
○(マンションの)室内
 (無音で)男〔日〕と若い女(薫子)の絡む場面。
○薫子シャワーを浴びている。
○ベッドに仰向けの男〔日〕
上掛けから出ている裸の上半身。両腕を頭の後ろに回している。
○男〔日〕(回想)─冒頭の場面の続き
▽老人「旧新南群島、現在のスプラトリー諸島だが…。」
▽男〔日〕「南沙諸島のことかい?」
▽老人「それは支那の呼び名だ。我々はそうは言わんのだ。」
▽男〔日〕「そうかい、ま、好きにするさ。しかし、あんたたちの立ち位置を表す簡潔な自己紹介だな 。」
▽老人「何のことかね?」
▽男〔日〕「いや、気にせず話を進めてくれ。」
○(マンションの)室内
薫子、バスタオルを身に巻いてドレッサーに向かいながら、
薫子「ねえ、この間の話だけど…。」
男〔日〕「…。(気が付かない)」
薫子、フンっと鼻を鳴らしてドレッサーに掛け、化粧にとりかかる。
○男〔日〕(回想)
▽男〔日〕「民間のあんたたちが、なぜそこまでする? やりすぎじゃねえのか。」
▽老人「無論、国がやるのがベストだ。我々もそれを望んでいる。しかし、さっき孫が言ったように、戦後の日本は…。特に現今の政府は最悪だ。政権与党ひっくるめて、皆が皆第五列だなどとは想像を絶する。」
▽男〔日〕「よく似た爺さんと孫だ。隔世遺伝だな。」
▽老人「何か言ったかね?」
▽男〔日〕「空耳だろう。政権交代、それこそ日本人自らが選挙によって得た結果じゃねえか。『こんなはずじゃなかった』なんて、いまさら泣き言はよすんだな。」
▽老人「泣き言を並べる者たちは、次の機会にも同じように行動し、同じように蹉跌するだろう。そして同じように嘆くのだ。」
▽男〔日〕「(軽く眉を吊り上げて)ほう。で、あんたたちは違うと言うんだな?」
▽老人「(微笑して)まさに、あの選挙結果は我々の期待を裏切るものだった。加うるにその後の経過は…、酷いものだ。想定の範囲をはるかに超えておった。だが、我々は泣きも嘆きもしない。
かわりに、例えばこうしてあなたに仕事を依頼することを選ぶのだよ。」
▽男〔日〕「こいつは御見逸れしたな。頼りにならない国に代わって、隣近所のゴロツキどもに、正義を行使するってわけかい。ご立派だが、軍が一番嫌うのは、頭に血が上ったハネっかえりの民間人の暴走だ」
▽老人「それは我々のことかね。聞き捨てならんな。それに現在の日本には国軍など存在しとらんし。」
▽男〔日〕「気持ちは分かるんだがな。そういう言い方が、あんたがたと反対の立場の連中と同程度に、自衛隊を傷つけ貶めていることに、いい加減気づいてもらいたいもんだぜ。」
▽少年「(男〔日〕を睨むように見つめていた硬い表情が、少し緩んでいる)」
0418ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/01(日) 23:52:07.07ID:1MQuegAW
4

○ビルの外観
逆方向の《ゆりかもめ》が通過していく。
○男〔日〕(回想)
▽男〔日〕「で、俺は奴等のシッポを掴まえてくりゃいいんだな?」
▽老人「そうだ。本当は痛棒を喰らわせてやりたいくらいだ。しかし、あなた一人にそこまでは頼めない。出来れば私も同行したいのだが。」
▽男〔日〕「おいおい、悪いがはっきり言わせてもらうぜ。年寄りの冷や水だ。止めておくことだな。」
▽老人「口の悪い男だと紹介者が言っていたが、その通りのようだ。」
○(マンションの)室内
薫子、髪を梳く手を止め、上体をずらして鏡に映る男〔日〕を見る。ベッドの上で相変わらず物思いに耽っている男〔日〕。
薫子「……。」
○男〔日〕(回想)
テーブルの上にボストンバッグが載っている。
▽老人「(名刺を取り出して)話がまとまったところで、遅ればせながら名乗らせてもらう。栗原と申す者だ。宜しく。」
男〔日〕「そうか、俺たちはシェールガスの取引をしたんだっけな。」
▽老人「何を言っておるのだ?」
▽男〔日〕「名刺を交換しての商談なんてのは、俺の守備範囲外なんだがね。」
▽老人「お互い初対面なのだ。名乗りあうのが礼儀というものだと思うが。」
▽男〔日〕「礼儀と来たか。そう言われちゃあ、氏育ちのいい俺としては、シカトするわけにもいかねえな。(出窓に置かれた盆栽風の鉢植えを見て)あれはミカン…いや、橘か。俺の名は橘…三十郎。おっつけ四十郎だけどな。」
▽老人「君はいつでも、その調子なのかね。」
▽橘「こいつばかりは持ったが病でなおらねえ。見逃してくれ。(老人の手にした名刺に目をやりながら)そいつを俺がポケットにでも入れたまま、例えば事故に会ったとしよう。で、それを誰が見るか分かりゃしねえ。
その誰かがやばい誰かだったら、間違いなく、あんたを訪ねて来るだろうな。」
▽老人「(ハッとする)」
▽少年「(同じくハッとした顔)」
▽橘「この世界は紳士揃いだ。きっと恭しく丁重な態度で、プロトコルに則って質問してくれるだろうぜ。」
▽老人「(名刺を仕舞いながら)迂闊だった。お気遣い痛み入る。」
▽少年「(尊敬するような目つきになっている)」
▽橘「老婆心ながら言わせてもらうが、あんたたちは広報というか、そういった分野でガンバッたほうがいいんじゃないのか。…それでは、依頼金は(ボストンバッグを左手で持ち上げると)確かに受け取った。領収書はいらないだろうね。」
老人「……。」
橘「(少年に向かって)栗原少尉。」
少年「?」
橘「日本の行く末が、全くのお先真っ暗というわけでもないと分かって嬉しいぜ。同志栗原少尉。(敬礼する)」
少年「(ぱっと顔が輝いて、立ち上がると)はいっ。(敬礼)」
0419ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 00:05:58.45ID:xT+Jh+DC
5

○(マンションの)室内
薫子「(服を身に着けながら)人の話を全然聞いていないんだから。」
橘「聞いてるって。だからさ、パリのどこがいいんだよ。なにが花の都だ、パリなんて犬の糞だらけじゃねえか。ランボーが糞っパリって言ったのも、もっともだ。」
薫子「そういう意味で言ったのじゃないでしょ。って、あら、真面目なレスしちゃった。やっぱりフランスが嫌いなのね。」
橘「こうやって日仏ミックスのおまえと仲良くしてんだ。そんなわけねえだろ。」
薫子「ミックスって…。犬猫じゃあるまいし。」
橘「差別はいけねえよ。俺なんか犬猫から人間まで平等に扱うからな。人間の男は…置いといて…。女は完全に無差別だ。」
薫子「さっき、PM2・5女がどうとか言ってなかった?」
橘「そいつらは偽装表示女だからな。原産地表示が確かなら、オールウェルカムだ。三色旗万歳!」
薫子「それで、あちらこちらで女を食い散らかしてるわけね。」
橘「人聞きの悪い言い方しねえでくれ。それを言うなら博愛主義と呼んでもらいてえな。」
薫子「知ってた? それをフランス語に翻訳して、もう一度日本語に訳し直すと、女誑しのスケベオヤジってなるのよ。」
橘「そいつは辞書が安物か、フランス野郎がクズばかりってことだろ。」
薫子「そのフランス野郎のほとんどは、あなたには言われたくないって思うでしょうね。」
橘「俺はフランス大好きだよ。サバ?と尋かれてツナ!と返すのを控えるぐらいにはな。」
薫子、完全に無視して衣服を整えている。
橘「ああ、わかったよ。けどな、俺は病気なんだ。オヤジギャグを言えねえと死んじまうんだよ。ちったぁ病人に優しくしようって気にはならねえのかい?」
身繕いを終えた薫子、ドアに向かう。ドアに手をかけながら振り向いて、
薫子「ぜーんぜん。それに、あなたのはオヤジギャグだなんてとんでもない。それを超えてるわ。」
橘「超えてる? えへへ、そうかい。」
薫子「ええ。名づけるとすれば、そう、ニュートリノギャグね。」
橘「なんだそりゃ。」
薫子「何者の反応も引き起こさず、地球の裏側へと擦り抜けていってしまうから…
よ。Au revoire(さよなら)。」
さっとドアを引き開けて出て行く。
橘「このっ。」
投げつけた枕がバタンと閉まったドアに当たって落ちる。
橘「くそっ、口の減らねえ小娘め。しかし、ニュートリノギャグか。うめえこと言いやがるな。」
0420ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 00:33:23.52ID:xT+Jh+DC
6

□プエルト・プリンセサ─パラワン─フィリピン
○土産物屋
店内に入ってくる橘。店主と話をし、後について奥に消える。
○店の奥
店主が拳銃をテーブルに並べる。橘、その一丁を取り上げ、暫く操作して感触を確かめると、金を払い、実包その他と共に持参のバッグに収めて店の表に向かう。そこへ男[欧]が入ってくる。互いに鋭い一瞥を交わすものの、さりげなくすれ違う二人。
○人気のない海岸
橘が拳銃の試射をしている。その様子を離れた所の樹の陰から双眼鏡で観ている男[欧]。
橘が標的を変えて振り返った時、一瞬チカッと太陽を反射する光が眼を射る。
橘「……。」
○(私設)飛行場
草が其処彼処に生えた滑走路。カマボコ形の屋根の所々を応急修理で塞いだ痕のある格納庫と、掘っ立て小屋のような建物の脇に立ったポールに、尻の千切れた吹流しがはためく。
○滑走路
終端まで来て回頭しているセスナ。クラクションの音と共に、オンボロのピックアップトラックが走ってくる。窓から首を突き出した橘が、
橘「おーい、待ってくれー。」
車が機体のすぐそばで止まり、ショルダーバッグを鷲掴みにした橘が下りてくる。乗せてきた若者が、
若者「(操縦士に)ヘイ、ジョージ、もう一人お客さんだ。今晩の飯が、ハンバーグから本物のステーキにランクアップできるぞ。よかったな。」
ジョージ「ふざけるな。俺はいつでもモノホンのステーキしか食わねえよ。」
若者「へへへ、そうかい。とにかく今日は商売繁盛だ。気をつけて行ってきてくれ。(車で走り去る)」
橘、乗り込む。既に乗っていた男[欧]、無表情。
○機内
ジョージ「まったくヘラヘラと口数の多い野郎だ。さあ、お客さん、ベルトを締めてくれ。出発だ。」
○飛行場を見下ろす丘に二人の男(エージェント風・中国人?)。一人は双眼鏡を眼に当て、橘たちの乗ったセスナが滑走し離陸上昇するのを、監視している様子で見送る。
0421ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 01:01:18.71ID:xT+Jh+DC
7

○飛行するセスナ
○セスナ機内
橘「(明るく)やあ、押しかけてすまない。さっきのにいさんに遊覧の希望を言ったら、ちょうどそこへ行くのが今出るところだって言うんだ。ついてるよ。」
男〔欧〕「つきというのは呼び寄せるものだ。それが出来る人間は限られているが。君はきっとその限られた人間の一人なのだろうな。」
橘「(明るいまま)随分婉曲且つ直截にものを言う男だな。気に入ったぜ。(バッグからズームレンズを装着した一眼レフカメラを取り出す)」
男〔欧〕「君は日本人のようだね? 日本人にとってカメラというのは、我々と聖書の関係みたいなもののようだ。」
橘「(にっこり笑って)聖書たぁ又ずいぶん大袈裟な例えだな。それにあんたは、タテヨコナナメどっからどう眺めても、日曜に教会へ行くタイプにゃあ見えないぜ。」
男[欧]「……。」
橘「( 笑みを絶やさず )以前、イギリスに行った時のことだ。奨められたゴルフを断った俺に、宿屋のジジイが言ったね。『ゴルフをやらない日本人がいるはずがない。』カチンときた俺はこう言ってやった。
『いいかい、爺さん、耳の穴かっぽじってよく聞け。俺はメガネを掛けてねえし出っ歯でもねえ。首からカメラをぶら下げちゃいねえしゴルフもやらねえんだ。この国じゃ、おまえさんの認証を受けねえと日本人じゃなくなるのかい。』ってね。ま、俺も若かったんだな。」
男〔欧〕「気を悪くせんでくれ。そんなつもりで言ったわけではないのだ。しかし、それはだいぶ、我々の抱く日本人のイメージからは外れた対応に見えるな。」
橘「気にするなってことよ。そうだ、もうひとつ思い出した。飯を食った後、味はどうだったと訊かれたんで、『大変結構。イギリス人が大抵のことに驚かず、酷い境遇にも決してへこたれない理由が分かった。』と答えておいた。
ついでに『イギリスの牛や馬は何を喰ってるのか教えてくれ。』とも付け加えておいたよ。」
男[欧]「私は今、自分が宿屋の主でなくてよかったと思ったよ。もっとも、そんな仕事を私がすることはないだろうが。」
橘「そうだな。とてもじゃないが、お互い堅気の仕事が勤まるってえ柄じゃなさそうだ。」
男[欧]「……。」
橘「なあ、ひとつ提案があるんだがな。」
男[欧]「うん?」
橘「この空中遊泳が終わったら、一杯やらねえか。もうちょい腹を割って話をしようじゃねえか。」
男[欧]「言っている意味が分かりかねるが。」
橘「ここまできておとぼけは無しだ。」
ジョージ「お客さん、そろそろ島ですぜ。」
橘「おっと、メシの種のお仕事をしなくちゃな。」
男[欧]「建物のある島の東側を通過してくれ。(ボストンバッグからやはりズームレンズ付き一眼レフカメラを取り出す)」
橘「なんでえ、あんたも持ってきてるんじゃねえか。他人のことをよく言うぜ。(カメラを構える)」
○島の上空を通り過ぎるセスナ
○機内
橘「!」、男[欧]「!」、盛んにカメラのシャッターを切る二人。
男[欧]「(操縦士に)よし、今のコースを引き返すのだ。ただし、もっと高度を下げてくれないか。」
ジョージ「ほい了解。しかし、面白いな。午前乗せた客も同じこと言ってたよ。」
男〔欧〕「午前の客?」
橘「そいつも、この島の遊覧をチャーターしたのか?」
ジョージ「そうだよ。あんたたちと同じ飛び方オーダーしたな。もっともカメラを持っちゃいなかったが。」
橘と男〔欧〕、顔を見合わせる。
○セスナ
旋回して島の上空に戻ってくる。
○機内
再びシャッターを切る二人。
橘「間違いないな。」
男〔欧〕「ああ、カモフラージュしているが、単なる漁業基地でないことは確かだ。 (カメラをバッグに収めるとジョージに)さっきの午前乗せた客のことだが、どんな男だったか、教えてもらえるかね。」
ジョージ「そうさな。彼はいいガタイをしてた。アスリート、それも格闘技系じゃねえかと俺は見たけどね。(橘に)あんたに似た感じだったな。」
男〔欧〕「……。」
橘「日本人みたいだったのか?」
ジョージ「そう見えたな。ただ、すげえ鋭い顔と目つきだった。それに無口で、ひと言ふた言しか喋らねえ。とにかく迫力があって、ちょっとブルッちまったよ。」
橘「どうせ俺は、顔も口も緩んでるよ。悪かったな。」
男〔欧〕「あの男だな…。」
橘「心当たりがあるのか?」
男〔欧〕「うむ、一度実物をこの目で見て確かめたい、と思っている男のようだ。」
橘〔確かめたいって、何をだ?」
男〔欧〕「噂。その噂通りの男かどうかをな。」
0422ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 01:14:55.52ID:xT+Jh+DC
8

○海沿いの道路
片側が殆ど垂直の山肌、他方が海へ落ち込む崖になっている道路を、ガタガタと走る、ボロボロのスポーツタイプの車。
○車内
男[欧]「便乗させてもらってすまないな。」
橘「いいってことよ。飛行機のこともあるし、お互い様だ。」
○後方にランドクルーザーが現れる。
○車内
橘「しかし、何だこの車は。飛行場のあのくそ野郎め、足元見やがって。こんな野晒しにしていたガラクタで、千ドルもボルとはな。いい根性してるじゃねえか。捨てるのにそれだけこっちが貰いてえよ。これじゃシボレーコルベットの名が泣くぜ。」
男〔欧〕「ひょっとすると、ルート66が現役の頃、アメリカ本土を走っていたのかもしれんな。」
橘「それじゃ俺たちは、トッドとバズかい。」
○後方のランクル
急速に接近してくる。凶暴な感じのフロントガードを取り付けている。
○車内
男〔欧〕「後に車が近づいてきてるぞ。」
橘「分かってる。追い越せと合図してるんだが。面白半分にこっちを煽ってやがるのかな。」
リアウインドウいっぱいに、ランクルのフロントガードが拡がると、ガツンと衝撃が襲う。
橘「(ハンドルを取られる。必死にカウンターを当てて、車首を立て直す)くそっ。野郎、ふざけやがって。」
○ランクル
一旦離れたかとみると、急激に加速して迫ってくる。
○車内
男〔欧〕「(脇から拳銃を取りだす)」
○道路の酷い凹凸で、車が激しくバウンドする。
○車内
男〔欧〕「(拳銃を足元に取り落とす)むっ。(ダッシュボードに片手をついて振り返り)本気でぶつける気だ。スピードを上げろ。」
橘「これでMAXだ。」
○ライフルの照準鏡
円形の視野にランクルの後部。
○コルベットの車内
男〔欧〕「来るぞ。」
橘「南無三。」
激しく金属がぶつかり噛み合う音がした瞬間、
○照準鏡の円形視野
視野内のランクルの後部タイヤを照準線が捉えている。発射音。
○ランクル
ガクンと震え、コルベットと離れる。山肌に接触しながら削っていき、そのまま山に抱きつくように食い込んで停まる。
○コルベット車内
橘「ふー。野郎、バーストしやがったか。つきを呼び寄せたのは俺か、それともあんたか?」
男〔欧〕「(足元から拳銃を拾い上げ、脇のホルスターに収めながら)どちらでもないな。銃声が聞こえたろう?」
橘「衝突とバーストの音しか聞こえなかったぜ。どういうことだ?」
男〔欧〕「午前中にセスナをチャーターした男、あの男がランドクルーザーのタイヤを狙撃したのだ。こんな射撃が出来るのは、今、パラワンには二人しかいないはずだ。」
橘「もう一人はあんたってことかい。あんたも結構言うねえ。しかし、狙撃だったとして、それならもうちょい早めに願いたかったな。こっちはすんでのところでお陀仏だったんだぜ。」
男〔欧〕「理由は、今君が言ったではないか。衝突の音に紛らせて、狙撃を悟られたくなかったんだろうな。」
橘「ほう、で、やつはなぜ俺たちを助けたんだい?」
男〔欧〕「それは分からん。…ところで先ほどの君の提案だが、答えはOKだ。」
橘「へ? なんだっけ。」
男〔欧〕「一杯やろうと言ったではないか。」
橘「おう、そうか。それじゃ俺のホテルのバーはどうだ。」
男〔欧〕「よかろう。今日収集した資料を処理してから、ということになるが。」
橘「そうだな。俺もそうする。報告できるものはその都度片付けとかないとな。ビジネスマンの心得の第一だ。」
○後部がひしゃげ、折れ曲がった金属片がタイヤを掻きむしるコルベットが、悲鳴のような異音を発しながらガタガタと走り去る。
0423ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 01:32:31.49ID:xT+Jh+DC
9

○ホテルの外観
○室内
橘、カメラとUSBメモリをノートPCに接続して操作している。次にスティック状のボイスレコーダーに何か吹き込み、終わると、メモリとレコーダーを小さな箱に入れ梱包する。荷札に記入して貼り付けているところにノックの音。
橘「(緊張した様子で拳銃を手にすると、ドアの脇に身を寄せて)誰だ?」
声「栗原です。」
橘「!(ドアを開けて、素早く左右を見回す)」
(依頼者の孫の)少年が立っている。
橘「(招じ入れてドアを閉める)どうやってきたんだ。フロントからは何も言ってきてねえぞ。」
栗原「僕もこのホテルにチェックインしているんです。」
橘「それで爺さんたちは何処だ。」
栗原「東京です。祖父や父、兄は何も知りません。僕ひとりでやってきました。」
橘「呆れたガキだ。これを(拳銃を示して)見てみろ。どういう意味か分かるか。こいつを手にしてなきゃ、うっかりドアも開けられねえってのが、俺の今の状況だ。」
栗原「それならなおさらです。僕にも手伝わせてください。」
橘「馬鹿野郎。ディズニーランドのショー見に行くんじゃねえんだぞ。帰れ。」
栗原「帰りません。僕も覚悟してここに来たんです。」
橘「(柔かい表情で)ほう、そうですか。そりゃ、勇ましいことで。(急に鬼のような形相になって)てめえ、これ以上ぐだぐだぬかすと本気で張ったおすぞ。」
栗原「構いません、殴ってください。(キッと目を見開いて、真っ直ぐ橘を見つめる)」
橘「(ホーッと息を吐くと同時に両肩が落ちる)あのなあ、栗原さんよ。俺にもそんな時期があったから、おまえさんの気持ちはよく分かるつもりだ。その年頃で一旦思い込んだら、誰の言うことも聞きゃしねえ。」
栗原「……。」
橘「だから今から俺が喋るのは、只の独り言だ。聞きたくなきゃそっぽを向いてくれてていい。(ベッドに腰を下ろすと、脇に拳銃を置いて)ま、とりあえずそこの椅子に座れよ。コーヒー飲むか?」
栗原「いえ、コーヒーは結構です。失礼します。(椅子に掛けて)僕は橘さんのようになりたいんです。」
橘「なんだと? こっちへ来てからなんか悪いもんでも食ったのか?」
○ホテルの外観
男〔欧〕が入っていく。
○橘の室内
橘「あんたに今死んでもらっちゃ困るんだ、栗原君。日本のために働くのが何よりも最優先の君の任務だろう、違うか? いいか、問題は日本という家の土台も心柱も、白蟻が巣くって食い荒らし放題なことだ。
寸木支え難し大廈の倒るるを。しかし、ここで諦めるわけにはいかねえ。諦めたらその時こそ本当に日本は終りだ。」
栗原「(頷く)」
橘「その流れを押しとどめ押し返せるか、そこが本当の正念場だ。そこが本当の戦場なんだぜ。そこから逃げるのか、栗原少尉。」
栗原「!(ぱっと立ち上がり姿勢を正す)」
橘「命令。栗原少尉は直ちに原隊に復帰し当初定められたる任務を遂行すべし。以上。」
栗原「復唱っ。栗原少尉は直ちに原隊に復帰し当初定められたる任務を遂行すべし。命令受領っ。(敬礼)」
橘「よし。(答礼して)休め。いいか、頼んだぜ。あと十年が勝負だ。いや、五年だろうな。今のままじゃ日本の体力は十年も保たん。日本の未来がどうなるかは、君の、君たちの肩に掛かってるんだ。勿論、俺たちも応分の仕事はするさ。応分の…な。」
0424ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/02(月) 01:44:37.95ID:xT+Jh+DC
10

○ホテルの一室
騒動師リンドンが時間を気にして腕時計を見ている。
リンドン(回想)
▽ロサンゼルス─USA━郊外の廃屋
▽いかにもなアメ車が道路を外れ、土埃を巻き上げながらメインの建物の裏手の、小屋の前で停まる。車から降りたリンドン、大扉の脇の小ドアを開けて入っていく。
▽物陰から声がかかる。
▽声「リンドンだな?」
▽リンドン「(ビクッとして振り向く)やあ、ゴルゴ、暫くだな。あんたは変わらねえな、いろんな意味で。俺はご覧のとおりいささか草臥れちまったがな。おっと、そいつは見かけだけの話だ。腕は錆びつかせちゃいねえぜ。」
▽ゴルゴ「無駄話はいい、こっちへ来てくれ。」
▽リンドン「(近寄りながら)参ったね、物言いも相変わらずだ。」
▽ゴルゴ「(窓際の古机の上に置いた一枚の紙を示す)これを見てもらおうか。」
▽リンドン「((紙面を手に取って)なんだいこりゃ。」
▽ゴルゴ「見ての通り島の地図だ。形状と注記を頭に叩き込んでくれ。」
▽リンドン「ああ、そうか。ちょっと待ってくれ。(紙面をじっと睨んでいる)よしと。それで、遣り方に注文はあるのかい?」
▽ゴルゴ「それは委せる。だからわざわざあんたに頼むんだ。」
▽リンドン「嬉しいことを言ってくれるぜ。掛りの上限は?」
▽ゴルゴ「俺に必要なのは、あんたが考えた最上のプランだ。カネのことは気にしなくていい。言っておくが、俺が仕事の内容を事前にこれだけ明かすのは、あんたが初めてだ。」
▽リンドン「なんだか、ケツの穴がキュッと絞まるような台詞を聞かせてくれるじゃねえか。ずいぶんと久しぶりだぜ、こんなに血が騒ぐのは。よーし、このリンドンに委せてくれ。」
▽ゴルゴ「……。(リンドンから受け取った紙にライターで火を点ける)」
○ホテルの一室
リンドンが再び時計を見る。
0425ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/03(火) 23:07:20.42ID:onZolVYZ
11

○ホテルの外観
(飛行場から尾行したのとは別の中国人風の)二人の男が、正面入り口を入っていく。
○ホテルのバー・カウンター
橘と男〔欧〕がスツールに並んで掛けている。
男[欧]「自衛隊のレンジャー、それも空挺レンジャーの出身か。」
橘「こいつは驚いた。なかなか詳しいじゃねえか。だが惜しいな、ちょいと外れだ。正確には、落ちこぼれの元レンジャーだがな。そういうあんたは、どこの特殊部隊の出なんだい、なんて訊く気はねえよ。」
男[欧]「ほう。」
橘「そうに決まってるからな。お互い、人生裏街道を行く身だ。過去なんてその意味じゃ似たり寄ったりだろうさ。それより現在只今を楽しまなくちゃな。全世界の女が俺を待ってることだし。」
男[欧]「ううむ、君は典型的な日本人のタイプからは、相当外れているのではないか。別に日本人を良く知っているわけではないが。」
橘「ま、俺が三船敏郎じゃないってのは、あんたがジョン・ウェインじゃないのと同じくらい確かだろうな。」
男[欧]「面白い男だな、君は。」
○バーの入り口
二人の(中国人風の)男が入って来る。奥へ行き隅の席に着く。
○バー・カウンター
橘が喋り、男[欧]が時々苦笑しながら聞いている。
橘「支那にも昔は、韓信なんていう感心な奴もいたんだがな。」
「支那にゃあ Revolution はなかったんだよ。易姓革命、つまり王朝交代を繰り返してきただけだ。要するに、秦の始皇帝が生き返って、マルクス主義の用語で喋りだしたのが毛沢東ってことさ。」
「マオタイ酒に三国志と水滸伝、それに人民の血をたっぷり加えて、文化大革命というシェイクをすれば、ブラッディ・マオの出来上がりというわけだ。」
男[欧]「……。」
橘「アンナはいい女だが、どうも男を見る目に問題があるようだ。」
「浮気相手の色男ってのがウロンスキー。この野郎がまた胡乱なやつで…。」
「レーヴィンなんてなぁデクノボーの田吾作だろ。女が惚れるわけがねえ。」
男[欧]「……。」
橘「百聞は一見に如かずってのは本当だ。日本では化石というのは地べたの下に埋まってると教わったんだが、イギリスじゃ山高帽にフロックコート、それにステッキを持って化石が街を歩いてる。」
橘「ド・ゴールの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わったろう。実際、あの鼻をおっぺしょってやったら胸の痞えがおりる、なんて思ってた奴が、英米にはゴマンといたことだろうよ。
俺としちゃ、フランス人全員の鼻に、鉋を掛けてやりたいと思ってるがな。」
男[欧]「(苦笑いしながらグラスを傾ける)」
橘「俺は甥っこに同情しちまうね。だっておじさんが、泣く子も黙るあのベートーヴェンだぜ。『こいつの養育は俺に委せろ。』なんて張り切っちまって、箸の上げ下ろしにまで嘴を突っ込まれたんじゃあ堪ったもんじゃねえ。
ま、ドイツやオーストリアにゃ箸はねえけどさ。」
「ダメ男の甥っこが追い詰められ、便所の火事で、頭に一発ぶちこみたくなるのも無理はねえやな。」
男[欧]「そろそろ、私のプロファイリングの結果を訊いてもいい頃だと思うのだが。」
橘「分かってたのかい。」
男[欧]「無論だ。」
橘「いやあ、あんたが喋らねえもんだから、あんたが何処の産か当てる一人脳内ゲームを、暇つぶしにやってただけだ。」
男〔欧〕「それで結論は?」
橘「もちろん支那の訳がない。泥臭いロシアも違う。気取った物言いはイギリスか、乙に澄ましてるとこはフランスか、そこら辺もいまいちピンとこねえ。」
男[欧]「つまりどうなのだ、結論は。」
橘「そうさなぁ、さしづめ八木節の櫓ってとこだな。」
男[欧]「ヤギブシ? なんのことだね。」
橘「三角野郎が音頭とる八木節の櫓、要するに四角四面ってことよ。ドイツじゃねえかと思ってるんだがな。融通が利かねえ、一本気、はたまた愚直っていうか。おっと、貶してるんじゃねえぜ。
言っとくけどな、愚直てえのは男に対する最高の褒め言葉だと、俺は思ってるんだ。世の中、小器用に立ち回る小利口な小才子ばかりだからな。」
男[欧]「それが私のプロファイルか。それだけなのかね。」
橘「めっきり、はっきり、これっきり。これきりこれきりもうこれきりですよーってか。」
男[欧]「どうも君の発言には、時々理解不能なフレーズが混在するようだ。」
橘「それそれ、そこだよ。サラッと流すってことができねえだろ、あんたは。」
0426ゴルゴ13 原作脚本
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2013/12/04(水) 23:03:23.53ID:DlsItGJh
12

○ホテルの一室
ゴルゴが、リンドンと向き合っている。
ゴルゴ「準備状況を聞こうか。」
リンドン「おいきた、こうだ。(白紙を取り出し、テーブルの上に置いて書き込み始める)あんたの想定に合わせて二通りの手を用意した。(書き終わって上体を起こす)これでどうだい?」
ゴルゴ「うむ、(一瞥すると洗面所に向かいながら)カネは不足しなかったか?」
リンドン「追加してもらったからな。十分だ。」
ゴルゴ、洗面所で紙を燃やして流す。
ゴルゴ「(ドアに向かいながら)変更があれば連絡する。」
リンドン「……。」
ゴルゴ「(ドアを開けつつ)リンドン。」
リンドン「ん?」
ゴルゴ「(半身に振り返り)あんたに頼んだ甲斐があった。」
そのまま部屋を出て行き、ドアが閉まる。
リンドン「(満足そうな笑み)」
○バー・カウンター
橘「日本人は耐える我慢する。相手が道理に外れた無理難題を言えば言うほど、こちらに理があるにもかかわらず抗弁せず、どこまでも身を低くして耐える。
それがボディランゲージなんだよ。それが友好を求めている、あるいは謝罪している、という意思表示なんだ。」
男[欧]「その忍耐は無限に続くのかね?」
橘「いや。」
男[欧]「では、どこまで?」
橘「自身を制御できなくなるまで。そして…ドカン、爆発する。『我々は、不当な非難、理不尽な言いがかりにここまで黙って耐えた。この我々の誠意、全き善意を理解しない相手は極悪非道、人間ではなく悪鬼羅刹の類である。
もう我慢できん。我らが怒りを思い知らせてくれる。神々も照覧あれ。』ということになる。」
男[欧]「そうなる前に言ってくれなくては、相手も分からないだろうに。」
橘「ウィンストン・チャーチルも、確かそんなことを言ってたな。」
男[欧]「傍から見れば、そう言うしかないと思うがね。」
橘「厄介なのは、日本人自身に、爆発するその臨界点が分からないということなんだな。」
男[欧]「要するに、きみの日本人論のエッセンスを一言で言うとどうなるのだ。」
橘「要するに…、一言でか…。うむ、要するに、日本人は窮極のアマチュアだ。本質的にプロになれないのさ。当然、俺もその一人だ。」
男[欧]「意外だな。君からそんな謙虚な言葉を聞けるとは。」
橘「俺は多くの美点を持った男だが、謙譲の美徳だけは持ち合わせちゃいねえ。こいつは冷静かつ客観的な自己認識ってやつだな。」
0427創る名無しに見る名無し
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2014/01/24(金) 18:29:50.52ID:uu68yG8A
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0429創る名無しに見る名無し
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2014/05/08(木) 18:41:05.92ID:/ubDFya0
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0431創る名無しに見る名無し
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2014/09/02(火) 20:10:19.13ID:8IxMJoCy
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0432創る名無しに見る名無し
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2014/10/20(月) 20:41:40.59ID:t4v9/kyD
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0433創る名無しに見る名無し
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2016/01/04(月) 17:44:39.56ID:zGQ5az/I
20xxソルレイバー(にーぜろだぶるえっくすそるれいばー)
「機動警察パトレイバー」の世界の自衛隊を描く。
0436創る名無しに見る名無し
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2016/01/24(日) 22:13:13.68ID:86p/KP1q
 
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/SW-pos.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/SW-sp.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/SW-BB8.html
 
管理会社、仲介業者が苦情に対応せず困っています
これらの人と知人,家族,親類の方はお知らせ下さい。
 
●浪速建設
南野 東条
http://www.o-naniwa.com/index.html
社長 岡田常路
http://www.o-naniwa.com/company/
 
●アパマンショップ八尾支店
加茂正樹 /舟橋大介
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ays.html
社長 大村浩次
http://www.data-max.co.jp/2010/10/01/post_11983.html
 
●クリスタル通り122号室,205号室の入居者
 
hnps203@gmail.com
 
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-1-3.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-2-1.html
http://homepage2.nifty.com/e-d-a/scurl/ia-3-1.html
0438創る名無しに見る名無し
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2016/06/27(月) 20:57:33.78ID:M+edW3n4
リノレースに使う様なエンジンって当然飛行機用ですよね?
ネイピア・デルティックとか自動車用(のサイズ)にしたらどれくらいの出力になりますか?

重さとか燃費は考えないものもとします
0440創る名無しに見る名無し
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2016/08/05(金) 07:12:25.19ID:HHjEZImo
.
0441創る名無しに見る名無し
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2016/12/13(火) 19:36:24.59ID:9KKY4zIA
「鬼孩(クィハィ)」
少年兵の中でも諜報活動に特化した訓練を受けた特務工作兵。
蛇頭の傭兵ビジネスの隠れたドル箱。日本国内にも人知れず
数多く存在している。蛇頭は、我が子を虐待や過失で殺して
しまい捕まるのが怖くて隠している若い親から、その戸籍を
独自の闇サイトを通じて高く買い取り鬼孩の偽造戸籍として
利用する。鬼孩は活動中クライアントないしはその関係者と
生活を共にし、戸籍の子供が親元から預けられてると言う形
をとる。怪しまれないように小学校にも通いつつ、工作活動
(日本国内では主に産業スパイ。国によっては用心暗殺等も)
を行う。活動が終了すれば「親の別の知り合いに預けられる
事になったため転校」と言う形でその場を離れ後には形跡も
残さない。中国語の「鬼(クィ)」は日本の「おに」ではなく、
むしろ亡霊に近いニュアンス。「死人の戸籍で活動し、活動が
終れば跡形も無く消え失せる亡霊みたいな子供(孩)」と言う
意味を込めて「鬼孩」と呼ばれるのである。
0460創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/07/04(火) 23:44:16.90ID:fdRh7XsL
NHKニュース見てて気になったんですが、弾道ミサイルって水平に撃てますか?
0461創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/07/10(月) 04:58:18.10ID:ugHrL6M5
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆
0462名無しさん@そうだ選挙に行こう! Go to vote!
垢版 |
2017/07/10(月) 07:20:50.67ID:jfI0ARn9
水平に飛んだら弾道飛行とはいわない
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