本棚の近くを通った時に、なぜかふとした拍子にバサリと1冊の薄い冊子が落ちる
母が若い頃に使っていた古いデザートの冊子だった

ずいぶん古いものだ
見ればいかにも時代を感じさせるセンスだが、それがなんとも良い
垢抜けない感じ、現代からすればちょっとださく、ラインナップは気をてらったものでもなく、しかし当時の流行を抑えているのは分かる

頭からざっと目を通せば、子供の頃に作ってくれたお菓子たちがいくつも載っていた
ほっこりと、心を満たしてくれる
暖かさで満たされていく

今の時代、インターネットではレシピはいくらでも手に入る
だからこそ、であろうか、この古い1冊の料理本が愛おしくもある
このレシピでお菓子を作ってみたいと思わせるのは、郷愁のようなものだろう