15年以上昔の話だが、イタリアで自動車雑誌を買って読んでいたら、カコミ記事に「ダイハツ・ミラジーノ」(初代)のことが書いてあった。
日本国内専用である軽自動車の、それもミラジーノのことがイタリアの雑誌に! と驚いて中を読むと、といってもイタリア語なのでおぼろげな意味しかわからなかったが、「日本では『MINI』が大変人気で、それでこのようなパクリカーが発売され、人気となっている」といった内容だった。

当時私は、日本でパクリカーが堂々と発売され、それがかなり売れていることを非常に苦々しく思っていた。
後日、ダイハツ関係者からこんな話を聞いて、その思いはさらに強まった。

「販売店に出向していた時、MINIでご来店されたお客さんがいたんですわ。なので、うちにもこういうのがありますってミラジーノをご案内したんですが、『そういうのは興味ない』と、『ネイキッド』を買われましたワッハッハ」

本物に乗っている人に、似ているからとニセモノを薦める。
自分がもしも本物に乗っていたらどう感じるか、それを考えた形跡は皆無だ。
私は、中国でのパクリ騒動を見るたびに、「人のことを言えた義理じゃない」と感じる。