新型タントからのサスペンションは、前後とも、17年ぶりにジオメトリーを一新。
諸元の段階でピッチングやローリングなどの姿勢変化に配慮をし、シャシーとしての素性を高めた。
フロントサスペンションはストラット式を採用。
ピッチング方向の姿勢変化にはアンチダイブ・ジオメトリーで対応するが、今回はその変化率に着目して設計されている。
マクファーレン・ストラット式の場合、アンチダイブ特性は側面視上のロワリンク揺動軸の前傾角によってほぼ決まる。
これが前下がりになるほどアンチダイブ特性は強まるが、力の釣り合いでノーズダイブに抗する都合上、強め過ぎても乗り心地が悪くなる。
そこで注目したのが、アンチダイブ特性の変化率だ。
減速時にノーズダイブが進行すると、ロワリンク揺動軸の前傾角は強くなり、アンチダイブ力も強まっていく。
この時、平面視でロワリンクの揺動軸が逆「ハ」の字になっていると、アンチダイブ力の増加率が増える。
これを利用して、乗り心地とアンチダイブ特性の両立を図った。