しかし運は俺に味方してくれた。
気になるチャンピオン争いだが
シリーズランキング1位につけている俺は今回のラリーで3位だったが、シリーズランキング2位につけているDAIHATSUの平塚氏が今回のラリーで10位と低迷したため
第8戦を待たずして俺の年間チャンピオンが確定したのだ。

俺は夢にまで見た『全日本ラリーAクラスシリーズチャンピオン』を遂に獲得したのである。
我々は歴史に名を刻んだのだ。

しかし
手放しで喜べない理由が1つあった。
それは次戦の最終戦で俺が仮に4位以下になり
粟津原氏が仮に優勝した場合、同点で俺と粟津原が並び『2人のチャンピオン』が誕生する可能性もあるのだ。

『絶対王者』粟津原氏を倒して初のシリーズチャンピオン獲得を夢見る俺にとって
最強の宿敵と『単独チャンピオン』を賭けた戦いを強いられる事になったのである。