「角館に行っていたんじゃないんですか?」
「角館? 行ったことはありませんね」
「角館であなたを見た人がいるんですよ。角館の病院でね」
「誰が、私を見たというんですか?」
「私ですよ」
と、十津川は、ニヤッと笑ってみせた。