1990年の夏、一歳上のいとこに「一緒に海に行こう」と言った。
俺は泳ぎたかったのだが、彼女が指定したのは犬吠埼灯台。旅行ガイドには、最寄駅「犬吠」とあったので、何の予備知識も無く乗車した。
総武本線で銚子駅まで来たら、まず「切符は車内で買ってください」という案内に戸惑う彼女(俺は東北出身の田舎者で、無人駅には慣れてたが)。
いざホームに行くと、ヨレヨレのオンボロ車両がコンニチハ。さすがに今度は二人揃って「これ本当に走るの?」
走ってる最中にもフラフラ横揺れするし、停車時のブレーキ音の豪快さにいちいち声をあげる彼女。でも、宙吊りボスターが手書きだったことが印象に残ったらしく、後々まで話に出してた。

そんなおねいさんも、二年前に若くして他界…