自宅が米沢で女房の実家が福島市内だったから、正月は女房の実家で過ごし、年明けにEF71牽引の旧客で帰るんだよね。
1月の板谷峠は、意外かも知れないけど、たまにドカ雪が降るんだよ。
EF71ってのは、意外に粘着性能が悪くて、赤岩辺りまでは、砂撒いたり空転しながら登るんだけど、峠駅手前のカーブで空転すると、まずは登れなくなるんだよね。
機関士さんとの雑談で聞いたらEF16とかEF64とかの直流機より悪いそうな。論理的には全く考えられないけど。
で、峠の手前で空転すると、車掌さんが「男性の方で列車の後押しにご協力頂けます方は…」っていう放送が入る。
信じられないと思うけど、こっちも翌日仕事だし、旧客降りて、皆で押し上げる。
列車が数十メートルバックして、全開。男達が押す。列車は動き出すけど峠まで止まれないから、俺ら押し屋を峠駅で待つ。
雪の中の33.3‰は、人でも辛いから、息が上がりながら峠駅まで登る。
峠の力餅とトン汁をよく無料でもらったよ。もう書いても時効だろうし。
女房の両親も、もう天寿を全うしたから、福島へ行くのも、法事の時位だな。
こんな縁があって、鉄道ファンになったし、改軌前の福島機関区には良く見学に行っていたな。






…という様な話が、戦前辺りの軽便鉄道なら意外にあったかもね。