>>424 レスが遅れて失礼しました。

ISO 9001規格認証の主たる目的は、製品およびサービスを購入する顧客に対し、私企業を
含む組織体が顧客からの適切な信頼感を得るため、自らが製品およびサービスを提供する
能力を有すると顧客に対して実証(デモンストレーション)することです。目的の2番目
に「顧客満足の向上」という項目がありますが、これについては後述します。

前者は本来二者間監査で確認されるべきことですが、例えば他国へ出張して全ての組織体
監査を実施することはとても不可能ですから、国際的な取引を安心安全で公平かつ公正な
ものにするための仕組みが必要になります。

それ故、組織体の品質マネジメントシステムがISO 9001規格に適合していることを第三者
認証機関に対して実証し、国際的に有効な適合性認証を得ることで、組織体が持つ適切な
信頼感を顧客に向けて担保させる仕組みになっています。

まず、このISO 9001認証を取得するためには組織体のトップマネジメントに始まり、現場
実務担当者までの全ての階層で、品質マネジメントシステムが有効かつ適切に運用されて
いることを客観的証拠に基づき実証する必要があります。

ここで「事業の可視化」という言葉を使われておられますが、それはISO 9001認証を取得
するための副次的な業務活動の成果であり、顧客もしくは第三者認証機関に対し、組織体
の品質マネジメントシステムを実証する客観的証拠の収集・管理業務に位置づけられます。

次に、ISO 9001規格で扱う「顧客満足の向上」とは、製品およびサービス自体が持つ特性
のみならず、組織体の品質マネジメントシステムがその必要に応じて継続的に改善されて
いるかを顧客もしくは第三者認証機関に実証するための業務活動です。これ即ち、組織体
内部の業務改善をすることだけを目的とした活動ではないと御理解下さい。

あと、「品質」とは何であるかという御質問ですが、この場で言うところの「品質」は、
ISO 9000規格の定義が用いられますので御注意下さい。国語や英語の辞書を参照するだけ
では、この規格が意図する回答が得られません。

「品質」の具体的定義は、ISO 9000:2015規格の 3.6.2 項に書いてあります。同項の記述
を引用しますと「製品およびサービスなど、この規格で取り扱う、『対象』の中身に本来
備わっているべき特性の集まりが、要求事項を満たす程度」が「品質」であると定義付け
られています。