子どもの「精神障害」はかなり誤解されている ー児童精神科医・滝川一廣さんが語る「歴史」
http://toyokeizai.net/articles/-/178158

診断とはそもそも何か?
――本書は精神医学の歴史から始まります。身体の医学は太古の昔に始まったが、精神医学は近代の
合理的な人間観の確立後に生まれたと。身体の医学は自然科学であって、個人の身体の中で完結する。
しかし、精神医学は自然科学に収まらず、共同性・関係性の視野の中でとらえると。
でも、たとえば子どもが「発達障害」だと診断されたとき、多くの親は身体のお医者様の診断と、児童
精神科のお医者様の診断は違うものだとは考えないのではないでしょうか。
診断とは何かということです。医師が風邪と診断するのは、自然科学です。疾患が起きている体の場
所、起きる仕組み、病気の原因が共通しているとき、同じ種類の病気だと診断できる。
しかし精神障害は、外から見たその子の行動の特徴を分類し、引き出しに入れることにすぎません。
自閉症の引き出しに入る、あるいは知的障害の引き出しに入ると。精神障害の診断は医学的診断では
ありません。社会的判断です。