「ホテルに到着した時のメーターは3410円でした。小平は財布か
ら1000円札を4枚引き抜くと、私に投げてよこした。で、車から降
りる際、後部座席のドアを蹴っ飛ばしてホテルに消えた。蹴られ
たところを見るとボコッとへこんだ跡が残っている。ところが一
緒に乗っていた茶髪の男は、蹴られた跡を見て『大丈夫、大丈夫
』とつぶやいた。しかも、『ブッ殺すぞ!』とスゴんだ。一瞬、
私も60半ばになって殺されるのかって怖かったですよ」

 しかし、当然ながら怒りは収まりようもない。長内さんは3人の
あとを追い、戸締まりされたホテルの玄関を叩き、インターホン
越しに従業員に事の顛末を告げるとともに、近くの千葉中央警察
署に通報。すぐにパトカー2台、覆面パトカー2台が駆けつけ、
ホテル前にはたちまち総勢10人余りの警察官が集まった。

 従業員を通じて小平を呼んだが、ラチが明かない。そこで、警
察官が小平の部屋に出向いたところ、

「最初、小平は『田中です』と偽名を使ってなかなか出てこなか
った。警察官が強く言ったため、しぶしぶ降りてきたんです」(
長内さん)

 だが、それでも小平は警察官に向かって、

「俺は何もやってねえよ。証拠あんのかよ」

 と開き直ったのだ。
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