セナがタンブレロでウォールにほぼ真っ直ぐに突っ込んで行った時

フランスのテレビ中継で解説席にいた、セナの宿敵のアラン・プロストは、セナのマシンが壁に激突した瞬間に「ノー!」と激しく絶叫しました。
アナウンサーにセナは大丈夫だろうかと尋ねられたプロストは、激突の角度が悪すぎると事態の深刻さを訴えています。
セナが意識不明で危険な状態にあると発表された直後に、プロストはメディアのインタビューに答えました。

「僕は常に100%の力をレースに注いできた。しかしセナはそれ以上に、120%の力を注ぐレーサーだ。僕にはそんなことできなかった。とにかく彼は速いんだ。信じられないくらいにね。1日も早い回復を祈ってる」

目に涙を浮かべて語るプロストの姿に、多くの人が驚きました。
誇り高いプロストは、他のレーサーを褒めることは稀でした。
ましてや犬猿の仲となったセナについては、批判以外はほとんど口にしませんでした。
プロストがセナを称え、涙している姿は事態の深刻さを示すに十分なインパクトを持っていました。

セナのチームメイトだった中嶋悟は、レースをテレビで見ていました。
フジテレビに出演した中嶋は、とにかく衝突の角度がまずいと語り、一見してただ事ではないと感じたと言っていました。

セナのチームメイトだったゲルハルト・ベルガーは、リタイアした後は錯乱状態でした。
ベルガー自身も過去にサンマリノGPでコンクリートウォールに激突し、爆発炎上する大事故に遭っています。
そのベルガーの目から見ても、危険なクラッシュだったことが一目瞭然だったようです。

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